JP5585101B2 - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電変換素子及びその製造方法に関する。
熱電変換素子は、2種類の熱電変換材のそれぞれの両端に温度差を生じさせたときに生じるゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。ここで、熱電変換材には、高い電気伝導性と、低い熱伝導性とが求められる。物質の電気伝導性と熱伝導性は一般には相関があり、電気伝導性が高い物質は熱伝導性も高いことが多い。このため、BiTe系などの重金属系を用いて製造された熱電変換素子は、半導体を用いた場合に比べて電気伝導率を大きくできるので、熱電変換の効率の指標である熱電性能指数を大きくできる可能性がある。しかしながら、重金属は、高価であり、環境に与える影響などを考慮すると取り扱いが容易でなかった。
そこで、近年では、熱電変換材に半導体を用いた熱電変換素子が開発されている。この場合、n型半導体を有する熱電変換材と、p型半導体を有する熱電変換材のそれぞれを、高温部と低温部に接触させる。高温側のそれぞれの熱電変換材では、電子又は正孔が低温側へ送られる。これにより、各熱電変換材料の両端の間に電位差が発生する。
半導体を用いた熱電変換素子の従来例としては、例えば、Ge又はSiGe合金からなるマトリックス中に、Ge濃度がマトリックス中とは異なるSiGe合金からなるナノ粒子を分散させたナノ粒子混合物があげられる。マトリックス及びナノ粒子には、n型不純物やp型不純物がそれぞれ導入される。ナノ粒子は、例えば、湿式化学法および蒸着法で製造され、高温下で圧縮圧力を与えることで、マトリックス中に分散させる。この熱電変換素子では、ナノ粒子とマトリックス材料との境界でフォノンの散乱が増加されることで熱伝導率が減少させられ、熱電性能指数が向上する。
また、官能化酸化ケイ素粒子からなるコアを製造し、コアの官能化した表面にBiTe又はPbTeシェルを成長させた材料を用いた熱電変換素子が知られている。シェルは、コアの周囲に厚さが数10nm又はそれ未満で形成される。量子閉じ込め効果によるフェルミ準位付近の状態密度の変化により熱電性能指数が向上する。
さらに、ナノワイヤを用いて熱電変換素子を形成する従来の例としては、例えば、アルミニウムとシリコンの混合膜中に形成した細孔に半導体材料からなる熱電変換材が導入されたものがある。アルミニウムとシリコンの混合膜を形成した後、膜中のアルミニウムを濃硫酸でエッチングしてマトリックス内に径が0.5nmから5nm未満の細孔を形成する。細孔に熱電変換材を導入すると、熱電変換材がナノワイヤ化される。
特表2008−523579号公報 特開2008−147625号公報 特開2004−193526号公報
しかしながら、従来のナノ粒子を分散させる熱電変換素子は、SiGeのナノ粒子をマトリックス中に分散させる方法や、コアを形成する工程が複雑であった。
また、従来のナノワイヤを有する熱電変換素子は、膜中に細孔の径を精度良く製造することが難しかった。さらに、膜中に長い細孔を製造することも困難であり、熱電変換素子を大型化することが困難だった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、熱電性能指数の高い熱電変換素子を安価に効率良く製造できるようにすることを目的とする。
本実施形態の一観点によれば、基板の上方に不純物を導入した半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜の上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を複数のラインからなる縞状のパターンを形成する工程と、前記パターンの下の前記半導体膜を前記パターンから露出する前記半導体膜よりも深く酸化する工程と、を含む熱電変換素子の製造方法が提供される。
また、本実施形態の別の観点によれば、基板と、前記基板の上方に設けられ、両側部に凹凸が形成された熱電変換材と、前記熱電変換材の両側部に設けられ、前記基板と前記熱電変換材を加熱することによって形成された熱酸化膜と、を含み、前記熱電変換材の両側の凹凸は、前記熱酸化膜を挟んで隣り合う他の前記熱電変換材との間の間隔の5%〜40%の大きさを有することを特徴とする熱電変換素子が提供される。
この熱電変換素子及びその製造方法によれば、基板上に形成した半導体膜の一部を酸化させることで熱電変換材を製造することが可能になるので、製造プロセスを簡略化できる。熱電変換材が基板面に略平行に形成されるので、基板に垂直な方向に延びる細孔に半導体膜を埋め込む場合に比べて、長尺の熱電変換材を製造することができる。
図1Aは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その1)である。 図1Bは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その2)である。 図1Cは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その3)である。 図1Dは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その4)である。 図1Eは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その5)である。 図1Fは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その6)である。 図1Gは、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その7)である。 図2は、図1Cを上方からみた平面図である。 図3は、図1Dを上方からみた平面図である。 図4は、図1EのI−I線に沿った断面図である。 図5は、第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを模式的に示す斜視図である。 図6は、第1の実施の形態に係る熱電変換素子の熱電変換素子を模式的に示す図である。 図7Aは、第2の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その1)である。 図7Bは、第2の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その2)である。 図7Cは、第2の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その3)である。 図7Dは、第2の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その4)である。 図7Eは、第2の実施の形態に係る熱電変換素子の製造工程を示す断面図(その5)である。 図8は、第2の実施の形態に係る熱電変換素子の熱電変換モジュールの配列の一例を示す平面図である。 図9は、第2の実施の形態に係る熱電変換素子を示す平面図である。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る熱電変換素子の製造方法について図面を参照して以下に説明する。
最初に、図1Aに示すように、基板1上にn型又はp型の不純物を導入した半導体膜2がCVD(Chemical Vapor Deposition)法、またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法により形成される。基板1は、絶縁体であるSiOを用いることが好ましいが、その他の絶縁体、例えばアルミナでも良い。また、Siの表面を酸化させてSiO膜を形成した基板1を用いても良い。
半導体膜2としては、Siや、Ge、又はこれらの化合物(SiGe1−x(x=0〜1))があげられる。なお、Siの熱伝導率は148W/mKで、電子移動度は1400cm/Vsである。また、Geの熱伝導率は、59.9W/mKで、電子移動度は3900cm/Vsである。
Si又はGeの半導体膜2をp型にする不純物としては、例えばB、Al、Ga、又はInがある。また、Si又はGeの半導体膜2をn型にする不純物としては、例えばLi、P、As、又はSbがある。なお、半導体膜2がSiから形成される場合には、Siよりも重い原子、例えばp型であればGa、Inを不純物として用い、n型であればAs、Sbを不純物として用いると、フォノン散乱を大きくして、熱伝導をより抑えられる。
半導体膜2がCVD法を用いて形成されるときは、例えば、分圧0.25気圧以下のSiCl、GeCl、又はこれらの混合ガスを1200℃で反応させ、Si、Ge、又はこれらの化合物のいずれかの薄膜を3nm〜20nmの膜厚で成長させる。そして、SiCl、GeCl、またはこれらの混合ガスにB、PH、AsH等を所定量だけ混合させながら半導体膜2を形成することで不純物を導入できる。
半導体膜2がMBE法を用いて形成されるときは、例えば、Si、Ge、又はこれらの混合ガスが用いられる。また、固体のSiソース、Geソース、又はSiGeソースに電子ビームを照射してガス化さても良い。いずれの場合も、半導体膜2は、例えば、基板温度500℃、6.6×10−5Paの雰囲気中で成長させる。不純物は、CVD法を用いる場合と同様なガスを使用して半導体膜2中に導入する。
ここで、CVD法やMBE法を用いて基板1上に成長させた半導体膜2の界面は平坦で
はなく、膜厚の5〜40%の凹凸をもつ。このため、半導体膜2を形成する前に基板1の表面を平坦化する必要はない。
なお、以下の説明では、理解を容易にするために、半導体膜2としてSiを用いた場合について説明するが、半導体膜2をGeで形成しても同様にして熱電変換素子を製造することができる。
次に、図1Bに示すように、半導体膜2の上に、金属膜3として、Zr、Hf、又はこれらの化合物がスパッタ法を用いて1nm〜10nmの膜厚に形成される。この後、金属膜3上にレジスト膜4を塗布し、電子ビームを用いた直接描画によってレジスト膜4を例えば3nm〜150nmの間隔をあけて、幅5nm〜100nmの幅でストライプ形状に露光する。この後、レジスト膜4を現像すると、図1Cに示すように、縞状のマスク5が形成される。
図1Cと、図1Cを上方からみた平面図である図2に示すように、マスク5は、基板面に平行に延びる細長のライン5Aを複数有し、1つのライン5Aの幅drlは、例えば5nm〜100nmとする。1つのライン5Aとその隣のライン5Aとの間隔drsは、例えば3nm〜150nmとする。さらに、各ライン5Aの両側部には、隣り合う2本のライン5Aの間隔drsの5%〜40%の幅ru1の凹凸が、ライン5Aの長さ方向DLに沿って形成されている。
なお、各ライン5Aの両側部の凹凸の形状や大きさは、場所によってランダムに形成されている。このような凹凸形状は、レジスト膜4を露光するときの電子ビームの照射幅をランダムに変化させたり、電子ビームの照射位置をランダムにずらしたりすることで実現できる。
続いて、このようなマスク5を用いて、例えばフッ素系のガスにより金属膜3をドライエッチングする。ドライエッチングは、下地の半導体膜2が露出するまで行う。これにより、図1Dに示すように、金属膜3がマスク5の形状に倣った縞状のパターンに加工される。
図1D及び図3に示すように、金属膜3からなる縞状のパターンは、基板面に平行に延びる細長のライン3Aから形成される。1つのライン3Aの幅dmlは、例えば5nm〜100nmで、厚さは例えば1nm〜10nmとする。1つのライン3Aとその隣のライン3Aとの間隔dmsは、例えば3nm〜150nmとする。さらに、各ライン3Aの両側部には、隣り合う2本のライン3Aの間隔dmsの例えば5%〜40%の幅mu1の凹凸が形成される。ライン3Aの両側部の凹凸は、マスク5のライン5Aの形状に倣う。このため、各ライン3Aの両側部の凹凸の量や凹凸の形状は、ライン3Aごとに、かつ各ライン3Aの場所ごとに異なる。
例えば、隣のライン3Aとの間隔が100nmのとき、そのライン3Aは両側部のそれぞれに5nm〜40nmの大きさの凹凸が、ライン3Aの長さ方向DLに形成される。すなわち、図3において、ライン3Aの間隔を示す仮想線を基準として、5nm〜40nmの範囲でライン3Aの側部が場所ごとに突出したり、引っ込んだりする。
続いて、半導体膜2及び金属膜3を形成した基板1を加熱炉に導入し、半導体膜2及び金属膜3を酸化させる。加熱は、例えば、700℃〜100℃の温度雰囲気で酸素ガスを流しながら行う。
ここで、金属膜3を形成するHfや、Hfと同じチタン族元素のZrは、半導体膜2と
なるSiより酸化され易い。さらに、半導体膜2では、金属膜3で覆われていない部分に比べて、金属膜3で覆われている部分の酸化が進行する。
これは、次のような理由によるものと考えられる。HfOとSiの積層構造においてその界面における酸化反応の活性化エネルギーは、Si単体の表面の熱酸化の活性化エネルギーに比べて非常に小さい。さらに、HfO中の酸素の拡散は非常に早く、Hf及びSiの酸化反応における律速過程にはならない。これらのことは、清水らによってなされたHfOとSiの界面の酸化機構に関する研究(極薄シリコン酸化膜の形成・評価・信頼性,第9回研究会,JSAP Catalog Number AP042202,p265−270,2004年)に記載されている。
このため、SiとHfを積層させた部分では、HfOの表面に取り込まれた酸素分子が速やかにHfOとSiの界面に到達し、Siを酸化させると考えられる。そして、Siの界面酸化の活性化エネルギーがSi単体の表面の活性化エネルギーより小さいことから、金属膜3のライン3Aの下方の半導体膜2の酸化速度が、金属膜3のライン3Aがない領域の半導体膜2の酸化速度より大きくなる。
これにより、この酸化工程では、図1Eに示すような酸化膜6が基板1の上方に形成される。酸化膜6は、金属膜3の形成位置を中心に形成される。すなわち、半導体膜2が金属膜3のライン3Aで覆われていた部分は、半導体膜2が露出している部分に比べて酸化が進行する。金属膜3の酸化によりHfやZrの酸化膜が形成されると、酸素がその酸化膜を通って半導体膜2との界面に移動し易くなり、金属膜3のライン3Aの下の半導体膜2の酸化が促進される。その結果、金属膜3のライン3Aの下方に、酸化膜6からなる壁部6Aが半導体膜2の厚さのほぼ全長にわたって、すなわち基板1にほぼ達する深さまで形成される。
これに対し、半導体膜2が金属膜3のライン3Aで形成されるパターンの間から露出していた部分は、半導体膜2のみの場合の酸化速度が金属膜3及び金属膜3との界面に比べて小さいため、その表面のみに酸化膜6が形成されている。
このように、ライン3Aがある部分の半導体膜2をライン3Aがない部分の半導体膜2よりも深く酸化することで、半導体膜2は、長さ方向DLに延びる複数の細長のナノワイヤ状になる。このようなナノワイヤ状になった半導体膜2のそれぞれが熱電変換材7になる。
このとき形成される酸化膜6は、SiO、ZrO、Zrシリケート、Zrゲルマネート、HfO、Hfシリケート、Hfゲルマネートのいずれか、又はこれらを1つ以上組み合わせた混合物になる。そして、熱電変換材7は、膜厚方向DTにおいて、基板1と酸化膜6の上端部とで挟まれ、その厚さは、例えば3nm〜20nmになる。
さらに、図1Eと、図1EのI−I線に沿った断面図である図4に示すように、熱電変換材7の長さ方向DL及び膜厚方向DTに直交する幅方向DWにおいて、熱電変換材7は、酸化膜6の隣り合う一対の壁部6Aに挟まれる。1つの熱電変換材7の幅dwlは、長さ方向DLの場所ごと、及び膜厚方向DTの場所ごとに異なるが、例えば3nm〜150nmになる。1つの熱電変換材7とその隣の熱電変換材7との間隔dwsは、長さ方向DLの場所ごと、及び膜厚方向DTの場所ごとに異なるが、例えば5nm〜100nmになる。
熱電変換材7の幅方向DWの両側部17には、金属膜3の各ライン3Aの両側部の形状に略倣って、凹凸形状が形成される。より具体的には、各熱電変換材7の両側部17には、隣り合う2本の熱電変換材7の幅dmsの例えば5%〜40%の幅wu1の凹凸が形成
される。この両側部17の凹凸の大きさや形状は、熱電変換材7ごとに異なる。さらに、同じ熱電変換材7でも長さ方向DLの場所ごと、及び膜厚方向DTの場所ごとに両側部17の凹凸の大きさや形状が異なる。
例えば、隣の熱電変換材7との間隔が50nmのとき、その熱電変換材7は両側部17のそれぞれに2.5nm〜20nmの凹凸が長さ方向DLに形成される。すなわち、図4において、半導体膜2の間隔を示す仮想線を基準として、2.5nm〜20nmの範囲で半導体膜2の側部17が場所ごとに突出したり、引っ込んだりする。
なお、酸化工程における加熱時間は、最も薄い酸化膜6、すなわち、半導体2が露出していた部分が例えば1nm〜10nmの膜厚になり、かつ酸化膜6の壁部6Aが半導体膜2の厚さ方向のほぼ全長にわたり酸化されるような時間とする。なお、酸化膜6の壁部6Aが基板1に到達する深さまで形成される前に酸化工程を終了させても良い。この場合は、一部の熱電変換材7が基板1側で隣りの熱電変換材7に連結される。
続いて、図1Fに示すように、酸化膜6の上に不純物を含む第2の半導体膜2を形成する。第2の半導体膜2の材料や、膜厚、製造方法は前記と同様である。第1層目にp型の半導体膜2を形成したときは、第2層目もp型の半導体膜2を形成する。同様に、第1層目にn型の半導体膜2を形成したときは、第2層目もn型の半導体膜2を形成する。
さらに、図1Aから図4と同様の工程を実施して、第2の半導体膜2の上にも第2の金属膜3をZrやHfを用いて形成する。さらに、第2の金属膜3をパターニングして第2のライン3Aを複数形成してから酸化し、ライン3Aがある部分の半導体膜2をライン3Aがない部分の半導体膜2よりも深く酸化することで、複数の熱電変換材7を形成する。そして、以降は前記の工程を繰り返し、図1Gに示すように、熱電変換材7の積層体8を製造する。
次に、積層体8の表面を酸化し、全体を1原子層以上の絶縁物9で覆う。必要に応じてダイシング工程で基板1及び積層体8を半導体膜2に平行に切断すると、図5に示すように、熱電変換モジュール10が形成される。なお、積層体8の側面は、自然酸化膜11で覆われるが、熱酸化等による酸化膜を形成しても良い。
ここで、積層体8の積層数を増大させると、1つの熱電変換モジュール10に含まれるナノワイヤ状の熱電変換材7の数が増える。また、積層数が同じ場合には、基板1の幅方向の長さを増減させることで、熱電変換モジュール10の断面積、すなわちナノワイヤ状の熱電変換材7の本数を容易に調整できる。また、半導体膜2の長さや、タイシング時の基板1の切断長さを増減させることで、熱電変換モジュール10の長さ、すなわちナノワイヤ状の熱電変換材7の長さを容易に調整できる。
そして、図6に一例を示すように、熱電変換モジュール10を複数用いて熱電変換素子25を製造する。図6において最も右側に配置される低温側電極(第2の電極)22には、p型の半導体膜2を積層して製造した第1の熱電変換モジュール10Aの熱電変換材7の一端が例えば金ペースト等を用いて電気的に接続される。この第1の熱電変換モジュール10Aの熱電変換材7の他端には、高温側電極(第1の電極)21Aが例えば金ペースト等を用いて電気的に接続される。
高温側電極21Aには、n型の半導体膜2を積層して製造した第2の熱電変換モジュール10Bの熱電変換材7の他端も例えば金ペースト等を用いて電気的に接続される。この第2の熱電変換モジュール10Bの熱電変換材7の一端は、低温側電極(第3の電極)23を介して、左隣りの第1の熱電変換モジュール10Aの熱電変換材7の一端に電気的に接続される。
以降は、同様にして、第1の熱電変換モジュール10A、高温側電極21B、第2の熱電変換モジュール10B、低温側電極22が電気的に接続される。さらに、この低温側電極22には、第1の熱電変換モジュール10A、高温側電極21C、第2の熱電変換モジュール10B、他方の低温側電極23が順番に電気的に接続される。これにより、熱電変換素子25が形成される。
ここで、各熱電変換材7は、基板1に支持されているので機械的な強度が担保される。なお、電極21〜23の数と、熱電変換モジュール10の配列数は任意に変更できる。
熱電変換素子25を使用するときは、高温部分に高温側電極21A〜21Cを配置する。これにより、高温側電極21から離れた低温側電極22,23が相対的に低温部分になる。このような温度差に起因して、熱電変換素子25に熱起電力が生じる。両端の電極22,23のそれぞれに、例えば導電性ワイヤ26を取り付けて不図示の負荷に接続すると、それぞれのワイヤ状の半導体膜2の中を電流が流れる。
この際、p型の半導体膜2を有する第1の熱電変換モジュール10Aでは、半導体膜2中の正孔が高温側の一端から低温側の他端に向けて高速に移動する。これに対し、フォノンは、半導体膜2に含まれるp型の不純物で散乱される。さらに、酸化膜6に挟まれた半導体膜2の側部17の凹凸によってもフォノンが散乱される。その結果、この細線の半導体膜2からなる熱電変換材7は、バルクの半導体膜2に比べて、熱伝導性が低下する。
また、n型の半導体膜2を有する第2の熱電変換モジュール10Bでは、電子が低温側の他端から高温側の一端に向けて高速に移動する。これに対し、フォノンは、半導体膜2内のn型の不純物と、半導体膜2の側部17とで散乱される。その結果、この細線の半導体膜2からなる熱電変換材7は、バルクの半導体膜2に比べて、熱伝導性が低下する。
なお、各熱電変換モジュール10A,10Bにおいて、基板1の凹凸の大きさによっては、半導体膜33,36の下面と基板1との界面でもフォノンを散乱させることが可能である。この場合には、基板1の凹凸も熱伝導性の低下に寄与する。
この熱電変換素子25では、フォノンの散乱により熱伝導性が低く抑えられるので、高い熱電性能指数が得られる。
熱電変換素子25の他の使用例としては、例えば、低温側電極22,23間に電圧を印加して電流を流しても良い。ペルチェ効果によって、熱電変換素子25の高温側電極21A〜21Cの温度を相対的に上昇させ、低温側電極22,23の温度を相対的に低下させることができる。
なお、基板1を介した伝熱を抑制するために、基板1、特に高温側電極21側の一部を除去し、代わりに断熱材を配置しても良い。また、熱電変換モジュール10A,10Bの周囲を断熱材で覆って、熱電変換モジュール10A,10Bの強度を補強しても良い。
以上、説明したように、この実施の形態では、半導体膜2や金属膜3の堆積や、酸化により熱電変換材7を作製することができるので、簡単なプロセスで熱電変換素子25を製造できる。特に、金属膜3のライン3Aがある部分と、ライン3Aがない部分で酸化深さが異なるように半導体膜2を酸化させることで、熱電変換材7の形状をコントロールするようにした。これにより、ナノワイヤ化された熱電変換材7が簡単に製造できると共に、その形状も制御し易くなる。
さらに、熱電変換材7と酸化膜6の境界を凹凸形状にしたので、熱電変換材7の側部17でフォノンが散乱され易くなり、熱電性能指数をさらに高くできる。
また、半導体膜2に、Siを用いたので、熱電変換材7を安価に、かつ環境に与える影
響を抑えつつ製造できる。金属膜3にZr、Hfを用いたので、熱電変換素子25を安価に製造できる。
半導体膜2にGe、又はSiとGeの化合物を用いた場合でも、Siのみで製造した熱電変換素子25と同様の作用及び効果が得られる。なお、このときの酸化膜6は、SiGe1−x(x=0〜1)、ZrO、Zrシリケート、Zrゲルマネート、HfO、Hfシリケート、Hfゲルマネートのいずれか、又はこれらを1つ以上組み合わせた混合物になる。
ここで、従来のように基板に垂直に延びる細孔に熱電変換材を埋め込む場合には、熱電変換材の下端が基板による制限を受け、上端は基板上に堆積させる膜の厚さに制限を受ける。これに対し、この実施の形態では、熱電変換材7が基板面に平行に形成されるので、その長さを容易に調整でき、従来に比べて長尺の熱電変換材7を容易に製造できる。
なお、この熱電変換素子25は、積層体8を製造せずに、半導体膜2を用いた熱電変換材7を1層のみ有しても良い。この場合には、ナノワイヤ状の熱電変換材71が幅方向DWに1次元に配列される。
熱電変換材7を積層させる場合、金属膜3の縞は必ずしも上下の層で同じ位置に形成する必要はない。
マスク5の凹凸形状は、電子ビームの照射幅や照射位置を制御することで、予め定められた形状に形成しても良い。この場合は、電子ビームの直接描画によってレジスト膜4を露光する代わりに、場所によって異なる凹凸形状を有するフォトマスクを用いてレジスト膜4を露光しても良い。
(第2の実施の形態)
以下、図面を参照して第2の実施の形態について説明する。
図1Aに示すように、基板1上に半導体膜2を形成する。半導体膜2は、Si、Ge、又はこれらの化合物(SiGe1−x(x=0〜1))からなり、CVD法、又はMBE法により3nm〜20nmの膜厚に形成する。
次に、図7Aに示すように、半導体膜2上にマスク31が形成される。マスク31の開口部から露出する半導体膜2には、p型不純物、例えばB、Al、Ga、又はInがイオン注入により導入される。このようにしてp型不純物が導入された第1の領域32に、p型半導体膜33が形成される。なお、イオン注入が終了したらマスク31を除去する。第1の領域32を複数形成するときは、所定の間隔、例えば等間隔で第1の領域32を形成する。
さらに、図7Bに示すように、半導体膜2上にマスク34が形成される。マスク34の開口部から露出する半導体膜2には、n型不純物、例えばLi、P、As、又はSbがイオン注入により導入される。このようにしてn型不純物が導入された第2の領域35に、n型半導体膜36が形成される。なお、イオン注入が終了したらマスク34を除去する。第2の領域35を複数形成するときは、第1の領域32を挟むように所定の間隔で第2の領域35を形成する。
続いて、図7Cに示すように、半導体膜2上の略全面に、Zr、Hf、又はこれらの化合物からなる金属膜3がスパッタ法により1nm〜10nmの膜厚に形成される。この後、金属膜3上にレジスト膜4が塗布される。
次に、第1の領域32及び第2の領域35のそれぞれにおいて、電子ビームを用いた直接描画によってレジスト膜4を3nm〜150nmの間隔をあけて、かつ5nm〜100nmの幅で露光する。露光が終了したら、レジスト膜4を現像する。
これにより、図1Cに示すように、p型半導体膜33の上と、n側半導体膜36の上のそれぞれに、縞状のマスク5が形成される。このマスク5を用いて、例えばフッ素系のガスにより金属膜3をドライエッチングする。ドライエッチングは、下地の半導体膜33,36が露出するまで行う。
その結果、図7Dに示すように、第1の領域32と第2の領域35のそれぞれの半導体膜33,36上に金属膜3からなる縞模様が形成される。また、第1の領域32と第2の領域35の境界部分は、金属膜3がエッチングされずに残され、縞状のパターンが形成される。なお、各領域32,35における金属膜3のライン3Aの数は、図7Dに示す数に限定されない。
金属膜3からなる縞状のパターンとなるライン3Aは、基板面に略平行に延び、1つのライン3Aの幅dmlが、例えば5nm〜100nmで、隣り合う2つのライン3Aの間隔dmsは、例えば3nm〜150nmとする。さらに、各ライン3Aの両側部には、隣り合う2本のライン3Aの間隔の5%〜40%の幅mu1(図3参照)の凹凸が形成される。
続いて、半導体膜2及び金属膜3を形成した基板2を加熱炉に導入し、半導体膜2及び金属膜3を酸化させる。このとき、半導体膜2が金属膜3で覆われていた部分は、半導体膜2が露出している部分に比べて酸化が進行する。金属膜3の酸化によりHfやZrを含む酸化膜が形成されると、酸素が酸化膜を通って半導体膜2との界面に移動し、金属膜3のライン3Aの下の半導体膜2の酸化を促進させる。
これに対し、半導体膜2のみの場合の酸化速度は、半導体膜2と金属膜3との界面に比べて小さい。したがって、半導体膜2が金属膜3の間から露出していた部分は、その表面の一部のみに酸化膜6が形成される。
その結果、図7Eに示すように、ライン3Aの下の半導体膜2が、ライン3Aのない部分の半導体膜2よりも深く酸化される。これにより、第1、第2の領域32,35のそれぞれに、半導体膜33,36からなる熱電変換材7A,7Bが複数形成される。各熱電変換材7A,7Bは、基板面に略平行な細長のワイヤ形状になる。
なお、第1の領域32と第2の領域35の境界は、金属膜3による半導体膜2の酸化が進行し、壁部6Aが基板2まで達する。これにより、第1の領域32の半導体膜33と第2の領域35の半導体膜36とは電気的に分離させられる。
各領域32,35のワイヤ状の熱電変換材7A,7Bは、周囲を酸化膜6で囲まれ、基板1に垂直な膜厚方向DTの厚さが例えば3nm〜20nmになる。半導体膜33,36の幅方向DWの長さは、例えば3nm〜150nmになる。そして、金属膜3の幅の凹凸に倣って、各熱電変換材7A,7Bの側部17にも、熱電変換材7A,7Bの間隔dwsの5%〜40%の幅wu1(図4参照)の凹凸が形成される。
以降、必要に応じて半導体膜33、35の形成工程から酸化工程までを繰り返す。この際、第1の領域32には、p型の半導体膜33が第2の層として積層される。第2の領域35には、n型の半導体膜36が第2の層として積層される。これにより、第1の領域32のそれぞれに、p型の半導体膜33を用いた熱電変換材7Aが配列された第1の熱電変換モジュール10Aが形成される。また、第2の領域35のそれぞれに、n型の半導体膜36を用いた熱電変換材7Aが配列された第2の熱電変換モジュール10Bが形成される。
なお、図8に示すように、第1、第2の熱電変換モジュール10A、10Bを複数形成
する場合には、所定の間隔をあけて各熱電変換モジュール10A,10Bが交互に形成される。
次に、図9に示すように、各熱電変換モジュール10A,10Bの一端側に高温側電極41(第1の電極)を形成する。各熱電変換モジュール10A、10Bの他端側に一方の低温側電極42(第2の電極)又は他方の低温側電極43(第3の電極)を形成する。各電極41〜43は、金などの導電性の高い材料をスパッタ法や電解メッキ法により基板1上に堆積させることで形成する。あるいは、各電極41〜43は、スクリーン印刷によって基板1上に形成しても良い。各電極41〜43の膜厚は、各熱電変換モジュール10A,10Bの積層体8の厚さ以上にすることが好ましい。
ここで、高温側電極41は、所定の間隔で複数形成され、1つの第1の熱電変換モジュール10Aと、その隣りの1つの第2の熱電変換モジュール10Bのそれぞれの熱電変換材7A,7Bの一端部が電気的に接続される。
一方の低温側電極42と、他方の低温側電極43とは交互に配置される。最も外側に配置される一方の低温側電極42には、第1の熱電変換モジュール10Aの熱電変換材7Aの他端が接続される。最も外側に配置される他方の低温側電極43には、第2の熱電変換モジュール10Bの熱電変換材7Bの他端が接続される。これら低温側電極42,43の間に配置される低温側電極42,43には、各熱電変換モジュール10A,10Bの他端が交互に1つずつ接続される。
これにより、両端の低温側電極42,43の間が、第1の熱電変換モジュール10A、高温側電極41、第2の熱電変換モジュール10B、低温側電極43、第1の熱電変換モジュール10A、・・・、低温側電極42、第2の熱電変換モジュール10Bの順番に電気的に接続される。
この後、第1、第2の熱電変換モジュール10A,10Bの上面及び側面を酸化させて1原子層以上の絶縁物で覆うと、熱電変換素子45の製造が完了する。
熱電変換素子45を使用するときは、高温部分に高温側電極41を配置する。このとき、高温側電極41から離れた低温側電極42,43が相対的に低温になる。このような温度差に起因して、熱電変換素子45に熱起電力が生じる。両端の電極42,43のそれぞれに、例えば導電性ワイヤを取り付けて不図示の負荷に接続すると、それぞれのワイヤ状の半導体膜2の中を電流が流れる。
p型の半導体膜33を有する第1の熱電変換モジュール10Aでは、正孔が高温側の一端から低温側の他端に向けて高速に移動する。n型の半導体36を有する第2の熱電変換モジュール10Bでは、電子が低温側の他端から高温側の一端に向けて高速に移動する。これに対し、第1、第2の熱電変換モジュール10A,10Bにおいて、フォノンは、半導体膜33,36内の不純物と、半導体膜33,36の側部17とで散乱される。その結果、バルクの半導体膜33,36に比べて、熱伝導性が低下する。なお、基板1の凹凸の大きさによっては、半導体膜33,36の下面と基板1との界面でもフォノンを散乱させることが可能である。この場合には、基板1の凹凸も熱伝導性の低下に寄与する。
この熱電変換素子45では、フォノンの散乱により熱伝導性が低く抑えられるので、高い熱電性能指数が得られる。
熱電変換素子45の他の使用例としては、例えば、低温側電極42,43間に電圧を印加して電流を流しても良い。ペルチェ効果によって、熱電変換素子45の高温側電極41の温度を相対的に上昇させ、低温側電極42,43の温度を相対的に低下させることができる。
以上、説明したように、この実施の形態では、半導体膜2や金属膜3の堆積や、酸化により熱電変換材7A,7Bを作製できるので、簡単なプロセスで熱電変換素子45を製造できる。また、不純物を半導体膜2に注入する領域を制御することで、任意の領域にp型の半導体膜33を有する第1の熱電変換モジュール10Aと、n型の半導体36を有する第2の熱電変換モジュール10Bとを形成できる。
さらに、ナノワイヤ状に形成された半導体膜33,36は、基板面に平行に形成されるので、基板に垂直な細孔に半導体膜を埋め込む場合に比べて、長尺の熱電変換材料を製造することができる。特に、半導体膜33,36を形成する領域32,35をマスク31やエッチングにより制御することで、熱電変換モジュール10A,10Bの長さの調整が簡単にできる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈するものであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができる。
以下に、前記の実施の形態の特徴を付記する。
(付記1) 基板の上方に不純物を導入した半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜の上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を複数のラインからなる縞状のパターンを形成する工程と、前記パターンの下の前記半導体膜を前記パターンから露出する前記半導体膜よりも深く酸化する工程と、を含む熱電変換素子の製造方法。
(付記2) 前記金属膜をパターニングする工程は、前記金属膜上にレジスト膜を塗布し、前記ラインの両側に、隣り合う他の前記ラインとの間の間隔が変化するようにパターニングする工程と、前記パターニングされたレジスト膜をマスクに前記金属膜をエッチングする工程と、を含む付記1に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記3) 酸化させた前記半導体膜の上に第2の半導体膜を形成する工程と、前記第2の半導体膜の上に第2の金属膜を形成する工程と、前記第2の金属膜を複数の第2のラインからなる縞状のパターニングを形成する工程と、前記第2のラインがある部分の前記第2の半導体膜を前記第2のラインがない部分の前記第2の半導体膜よりも深く酸化する工程と、を含む付記1又は付記2に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記4) 前記金属膜を形成する工程は、ZrとHfの少なくとも一方からなる薄膜を形成することを含む付記1から付記3のいずれか一項に記載の熱電変換素子の製造方法。(付記5) 基板と、前記基板の上方に設けられ、両側部に凹凸が形成された熱電変換材と、前記熱電変換材の両側部に設けられた酸化膜と、を含む熱電変換素子。
(付記6) 前記熱電変換材の両側部の凹凸は、前記酸化膜を挟んで隣り合う他の前記熱電変換材との間の間隔の5%〜40%の大きさを有する付記5に記載の熱電変換素子。
(付記7) 前記熱電変換材は、SiとGeの少なくとも一方にn型又はp型の不純物を導入して形成され、前記酸化膜にはSi、Ge、Zr、Hfの少なくとも1つが含まれることを特徴とする付記5又は付記6に記載の熱電変換素子。
(付記8) 前記熱電変換材が酸化膜を介して前記基板の上方に積層されていることを特徴とする付記4から付記7のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
1 基板
2 半導体膜
3 金属膜
3A ライン
4 レジスト膜
5 マスク
6 酸化膜
6A 壁部
7,7A,7B 熱電変換材
8 積層体
25,45 熱電変換素子

Claims (4)

  1. 基板の上方に不純物を導入した半導体膜を形成する工程と、
    前記半導体膜の上に金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜をパターニングして複数のラインからなる縞状のパターンを形成する工程と、
    前記パターンの下の前記半導体膜を前記パターンから露出する前記半導体膜よりも深く酸化する工程と、
    を含む熱電変換素子の製造方法。
  2. 前記金属膜をパターニングする工程は、
    前記金属膜上にレジスト膜を塗布し、前記レジスト膜を複数のラインからなる縞状に、かつ前記ラインの両側に、隣り合う他の前記ラインとの間の間隔が変化するようにパターニングする工程と、
    前記パターニングされた前記レジスト膜をマスクに前記金属膜をエッチングする工程と、
    を含む請求項1に記載の熱電変換素子の製造方法。
  3. 基板と、
    前記基板の上方に設けられ、両側部に凹凸が形成された熱電変換材と、
    前記熱電変換材の両側部に設けられ、前記基板と前記熱電変換材を加熱することによって形成された熱酸化膜と、
    を含み、
    前記熱電変換材の両側の凹凸は、前記熱酸化膜を挟んで隣り合う他の前記熱電変換材との間の間隔の5%〜40%の大きさを有することを特徴とする熱電変換素子。
  4. 前記熱電材料は、Zr、Hf、又はこれらの化合物であり、前記酸化膜は、SiO2、ZrO2、Zrシリケート、Zrゲルマネート、HfO2、Hfシリケート、Hfゲルマネートのいずれか、又はこれらを1つ以上組み合わせた混合物であることを特徴とする請求項3に記載の熱電変換素子。
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