JP3121400B2 - タングステン焼結体の製造方法 - Google Patents
タングステン焼結体の製造方法Info
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- JP3121400B2 JP3121400B2 JP03306057A JP30605791A JP3121400B2 JP 3121400 B2 JP3121400 B2 JP 3121400B2 JP 03306057 A JP03306057 A JP 03306057A JP 30605791 A JP30605791 A JP 30605791A JP 3121400 B2 JP3121400 B2 JP 3121400B2
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- Japan
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- sintered body
- specific gravity
- tungsten
- average particle
- sintering
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、るつぼ,パイプ,ブロ
ック等の形状を有するタングステン焼結体の製造方法に
関する。
ック等の形状を有するタングステン焼結体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、3410℃という高い融点を持つ
タングステンの焼結体は、所定の形状に成形したタング
ステン圧粉体を水素炉中で1100〜1300℃に加熱
して予備焼結を行なった後、該予備焼結体の両端を電極
でクランプし、水素雰囲気中で直接通電して2700〜
3000℃に加熱し焼結する通電加熱焼結法によって作
られていた。
タングステンの焼結体は、所定の形状に成形したタング
ステン圧粉体を水素炉中で1100〜1300℃に加熱
して予備焼結を行なった後、該予備焼結体の両端を電極
でクランプし、水素雰囲気中で直接通電して2700〜
3000℃に加熱し焼結する通電加熱焼結法によって作
られていた。
【0003】しかしながら、このような方法において
は、予備焼結体の両端をクランプし直接通電して全体を
均一に発熱させる必要上、形状に制限があり、単純な棒
状のものしか得られず、複雑な形状の焼結体が必要なと
きは、前記棒状の焼結体から切削加工等の方法により、
所定の形状に切り出していた。このため製品歩留りが悪
く、また多くの加工工数を必要とする等の問題があっ
た。
は、予備焼結体の両端をクランプし直接通電して全体を
均一に発熱させる必要上、形状に制限があり、単純な棒
状のものしか得られず、複雑な形状の焼結体が必要なと
きは、前記棒状の焼結体から切削加工等の方法により、
所定の形状に切り出していた。このため製品歩留りが悪
く、また多くの加工工数を必要とする等の問題があっ
た。
【0004】また、炉中で間接加熱により焼結体を得よ
うとする試みもあったが、この場合は、例えば1700
℃においては比重14〜15程度の、また2000℃に
おいても比重16程度の焼結体しか得られず、焼結体は
ポーラスで脆いという問題があった。
うとする試みもあったが、この場合は、例えば1700
℃においては比重14〜15程度の、また2000℃に
おいても比重16程度の焼結体しか得られず、焼結体は
ポーラスで脆いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題を解決すべくなされたもので、比較的低
い温度の間接加熱において比重の高い焼結体が得られる
タングステン焼結体の製造方法を提供することを目的と
する。
従来技術の問題を解決すべくなされたもので、比較的低
い温度の間接加熱において比重の高い焼結体が得られる
タングステン焼結体の製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、0.5μm以
上1.5μm以下の粒径であるタングステン粉末をプレ
ス成形した後、非酸化性雰囲気において比重17以上ま
で焼結し、次いでHIP(熱間静水圧プレス)処理を施
すことを特徴とする。
上1.5μm以下の粒径であるタングステン粉末をプレ
ス成形した後、非酸化性雰囲気において比重17以上ま
で焼結し、次いでHIP(熱間静水圧プレス)処理を施
すことを特徴とする。
【0007】本発明の実施に際し、プレス条件、焼結条
件は特に規定されるものではない。一般には作業の容易
さの点から、プレス圧力1〜1.5t/cm2 、焼結温
度1600〜1700℃付近で行なうのが良い。温度1
700℃以下であれば、モリブデン線をヒーターとした
通常の電気炉を用いることができる。焼結時の雰囲気も
非酸化性であれば特に限定されるべきものではないが、
通常は水素雰囲気が用いられる。一般に他の雰囲気に比
べ、水素雰囲気の方が比重の高い焼結体が得られ易い。
これは粉末粒子表面の酸化皮膜が水素により還元される
ためと考えられる。
件は特に規定されるものではない。一般には作業の容易
さの点から、プレス圧力1〜1.5t/cm2 、焼結温
度1600〜1700℃付近で行なうのが良い。温度1
700℃以下であれば、モリブデン線をヒーターとした
通常の電気炉を用いることができる。焼結時の雰囲気も
非酸化性であれば特に限定されるべきものではないが、
通常は水素雰囲気が用いられる。一般に他の雰囲気に比
べ、水素雰囲気の方が比重の高い焼結体が得られ易い。
これは粉末粒子表面の酸化皮膜が水素により還元される
ためと考えられる。
【0008】
【作用】HIP処理前の焼結体の比重が17以上であれ
ば、HIPに際し、キャニング等の前処理は不要であ
る。また、焼結体の比重が17未満の時はHIPによる
比重向上の効果が充分得られない。
ば、HIPに際し、キャニング等の前処理は不要であ
る。また、焼結体の比重が17未満の時はHIPによる
比重向上の効果が充分得られない。
【0009】比重17以上のタングステン焼結体はオー
プンポアーが少なく空孔が閉じられているため、HIP
処理により緻密化が進み、相対密度98%以上の高密度
焼結体が得られる。使用するタングステン粉末の平均粒
子径が1.5μm以下であれば、1700℃付近の通常
の焼結で比重17以上の焼結体が得られ、HIP処理が
可能となる。また平均粒子径0.5μm以上のタングス
テン粉末を用いることにより圧粉体密度の低減を防ぎ、
焼結時の収縮も比較的少なくすることができる。
プンポアーが少なく空孔が閉じられているため、HIP
処理により緻密化が進み、相対密度98%以上の高密度
焼結体が得られる。使用するタングステン粉末の平均粒
子径が1.5μm以下であれば、1700℃付近の通常
の焼結で比重17以上の焼結体が得られ、HIP処理が
可能となる。また平均粒子径0.5μm以上のタングス
テン粉末を用いることにより圧粉体密度の低減を防ぎ、
焼結時の収縮も比較的少なくすることができる。
【0010】
【実施例】図1に、プレス圧力1t/cm2 、焼結17
00℃、10時間における粉末平均粒子径(d)とHI
P前焼結体の比重(SG)の関係を示す。なお、平均粒
子径はフィッシャーサブシーブサイザにより測定した。
図1に示されるように、平均粒子径1.5μm以下のと
き、比重17以上の焼結体が得られる。
00℃、10時間における粉末平均粒子径(d)とHI
P前焼結体の比重(SG)の関係を示す。なお、平均粒
子径はフィッシャーサブシーブサイザにより測定した。
図1に示されるように、平均粒子径1.5μm以下のと
き、比重17以上の焼結体が得られる。
【0011】図2は、プレス圧力1t/cm2 、焼結1
600℃、3時間における粉末平均粒子径(d)と焼結
体の線収縮率(sr)の関係を示す。図から明らかなよ
うに、平均粒子径が0.5μmより小さくなると圧粉体
密度が小さくなり、焼結時の収縮率が30%を超え、焼
結体の変形が大きくなる等の問題が生じた。
600℃、3時間における粉末平均粒子径(d)と焼結
体の線収縮率(sr)の関係を示す。図から明らかなよ
うに、平均粒子径が0.5μmより小さくなると圧粉体
密度が小さくなり、焼結時の収縮率が30%を超え、焼
結体の変形が大きくなる等の問題が生じた。
【0012】これにより、、望ましい粉末の平均粒子径
は0.5μm以上1.5μm以下であることが判る。い
うまでもなく、変形等が問題にならない製品形状であれ
ば、本発明の実施に際し0.5μm未満のタングステン
粉末を用いることは差し支えない。
は0.5μm以上1.5μm以下であることが判る。い
うまでもなく、変形等が問題にならない製品形状であれ
ば、本発明の実施に際し0.5μm未満のタングステン
粉末を用いることは差し支えない。
【0013】平均粒径が、0.54μmから1.09μ
mのタングステン粉末5種類を、圧力1t/cm2 でプ
レスし、次いで水素中1600℃で3時間焼結した。こ
の時の焼結体の比重はいずれも17以上であった。次に
この焼結体をアルゴン雰囲気中1460℃、1800気
圧でHIP処理を行なった。結果を表1に示す。
mのタングステン粉末5種類を、圧力1t/cm2 でプ
レスし、次いで水素中1600℃で3時間焼結した。こ
の時の焼結体の比重はいずれも17以上であった。次に
この焼結体をアルゴン雰囲気中1460℃、1800気
圧でHIP処理を行なった。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】 表1から明らかなようにHIP処理後の焼結体は比重1
8.8以上(相対密度98%以上)であった。
8.8以上(相対密度98%以上)であった。
【0015】比較のために、平均粒子径3.37μmの
通常のタングステン粉末を同条件で焼結したところ、そ
の密度は12.8と本発明の実施例と比較して低いもの
であった。
通常のタングステン粉末を同条件で焼結したところ、そ
の密度は12.8と本発明の実施例と比較して低いもの
であった。
【0016】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0017】(1)通常のタングステン粉末を用い、し
かも比較的低い温度で高密度のタングステン焼結体が得
られる。
かも比較的低い温度で高密度のタングステン焼結体が得
られる。
【0018】(2)単純形状の焼結体は勿論、複雑な形
状のタングステン焼結体の製造に適用でき、反応容器・
放電電極あるいは各種機械部品の製造に好適である。
状のタングステン焼結体の製造に適用でき、反応容器・
放電電極あるいは各種機械部品の製造に好適である。
【0019】(3)製品形状に比較的近い形の焼結体の
製作ができ、後加工が少なくてすみ、製品歩留りも良
い。
製作ができ、後加工が少なくてすみ、製品歩留りも良
い。
【図1】 1700℃、10時間焼結した時の粉末平均
粒子径(d)と焼結比重(SG)の関係を示すグラフで
ある。
粒子径(d)と焼結比重(SG)の関係を示すグラフで
ある。
【図2】 1600℃、3時間焼結した時の粉末平均粒
子径(d)と焼結時の線収縮率(sr)の関係を示すグ
ラフである。
子径(d)と焼結時の線収縮率(sr)の関係を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−119903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/10 B22F 3/15 C22C 1/04
Claims (1)
- 【請求項1】 0.5μm以上1.5μm以下の粒径で
あるタングステン粉末をプレス成形した後、非酸化性雰
囲気において比重17以上まで焼結し、次いでHIP
(熱間静水圧プレス)処理を施すタングステン焼結体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03306057A JP3121400B2 (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | タングステン焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03306057A JP3121400B2 (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | タングステン焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140613A JPH05140613A (ja) | 1993-06-08 |
JP3121400B2 true JP3121400B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=17952531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03306057A Expired - Lifetime JP3121400B2 (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | タングステン焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3121400B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005073418A1 (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Nippon Tungsten Co., Ltd. | タングステン系焼結体およびその製造方法 |
CN104289714A (zh) * | 2014-09-30 | 2015-01-21 | 苏州普京真空技术有限公司 | 一种稀土用钨坩埚的制备方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3320650B2 (ja) * | 1997-07-24 | 2002-09-03 | 三菱電機株式会社 | タングステンまたはモリブデンからなる金属材料、同金属材料を使用した二次製品材の製造方法およびその方法を実施するための熱処理装置 |
DE69832110T2 (de) * | 1997-07-24 | 2006-07-20 | Mitsubishi Denki K.K. | Herstellungsverfahren für eine Prüfnadel für Halbleitergeräte |
-
1991
- 1991-11-21 JP JP03306057A patent/JP3121400B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005073418A1 (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Nippon Tungsten Co., Ltd. | タングステン系焼結体およびその製造方法 |
CN104289714A (zh) * | 2014-09-30 | 2015-01-21 | 苏州普京真空技术有限公司 | 一种稀土用钨坩埚的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05140613A (ja) | 1993-06-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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