JP4754083B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質膜を備える固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油資源が枯渇化する一方、化石燃料の消費による地球温暖化等の環境問題が深刻化しており、二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源として燃料電池が注目され、広範に開発されていると共に、一部では実用化され始めている。前記燃料電池を自動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やすいことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池が好適に用いられる。
【0003】
前記固体高分子型燃料電池は、燃料極と酸素極との一対の電極の間にイオン導伝可能な高分子電解質膜を挟持させた構成となっており、燃料極と酸素極とはそれぞれ拡散層と触媒層とを備え、前記触媒層で前記高分子電解質膜に接している。また、前記触媒層は、Pt等の触媒が触媒担体に担持されている触媒粒子を備え、該触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーにより一体化されることにより形成されている。
【0004】
前記固体高分子型燃料電池では、前記燃料極に水素、メタノール等の還元性ガスを導入すると、前記還元性ガスが前記拡散層を介して前記触媒層に達し、前記触媒の作用によりプロトンを生成する。前記プロトンは、前記触媒層から前記高分子電解質膜を介して、前記酸素極側の触媒層に移動する。
【0005】
一方、前記燃料極に前記還元性ガスを導入すると共に、前記酸素極に空気、酸素等の酸化性ガスを導入すると、前記プロトンが前記酸素極側の触媒層で、前記触媒の作用により前記酸化性ガスと反応して水を生成する。そこで、前記燃料極と酸素極とを導線により接続することにより電流を取り出すことができる。
【0006】
従来、前記固体高分子型燃料電池では、前記高分子電解質膜、前記触媒層のイオン導伝性高分子バインダーとしてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品名))が広く利用されている。前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物は、スルホン化されていることにより優れたプロトン導伝性を備えると共に、フッ素樹脂としての耐薬品性とを併せ備えているが、非常に高価であるとの問題がある。そこで、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物に代わる廉価なイオン導伝性材料を用いて、固体高分子型燃料電池を構成することが望まれる。
【0007】
しかしながら、廉価な材料を用いると、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物と同等の発電性能を得ることが難しいとの不都合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物を用いた固体高分子型燃料電池と同等の発電性能を得ることができる廉価な固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物に代わる廉価なイオン導伝性材料について種々検討した結果、芳香族化合物を重合して得られるフェニレン連鎖からなるポリマーをスルホン化したものが前記触媒粒子の被覆性に優れていることを見出した。
【0010】
前記ポリマーは、分子構造にフッ素を含まないか、あるいはフッ素含有量が低減されているために安価であり、例えば、米国特許第5403675号明細書記載のスルホン化された剛直ポリフェニレンが知られている。前記明細書には、前記スルホン化された剛直ポリフェニレンを前記高分子電解質膜として用いることが提案されている。
【0011】
前記フェニレン連鎖からなるポリマーをスルホン化したものは前記触媒粒子の被覆性に優れていることから、前記ポリマーの1つである前記明細書記載のスルホン化された剛直ポリフェニレンを固体高分子型燃料電池の触媒層を形成するイオン導伝性バインダーとして用いることにより、前記触媒層において燃料ガスまたは酸化性ガスと、前記触媒粒子と、前記イオン導伝性高分子バインダーとの三相界面が増加し、該燃料電池の発電量が増加するものと期待される。しかし、本発明者らの検討によれば、前記明細書記載のスルホン化された剛直ポリフェニレンを前記イオン導伝性バインダーとして用いても、期待したほどの発電量の増加は得られず、結果として前記発電量は前記イオン導伝性バインダーに前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物を用いた固体高分子型燃料電池より劣るものであった。これは、前記明細書記載のスルホン化された剛直ポリフェニレンの前記触媒粒子に対する被覆性が高過ぎ、前記三相界面が逆に低減されるためと考えられる。
【0012】
そこで、本発明の固体高分子型燃料電池は、かかる目的を達成するために、一対の電極と、両電極に挟持された高分子電解質膜とを備え、各電極は該高分子電解質膜に対向する面に触媒が触媒担体に担持されている触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーにより一体化された触媒層を備える固体高分子型燃料電池において、該イオン導伝性高分子バインダーは、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とする。
【0013】
【化5】
Figure 0004754083
【0014】
【化6】
Figure 0004754083
【0015】
本発明の固体高分子型燃料電池で、前記イオン導伝性高分子バインダーとして用いるスルホン化ポリアリーレン重合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するものである。
【0016】
前記共重合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位のみを重合して得られるフェニレン連鎖からなる重合体に対して、該フェニレン連鎖が式(2)で示される芳香族化合物単位により分断された分子構造を備える。前記共重合体によれば、前記触媒粒子の表面を適度に被覆することができ、前記触媒層において前記三相界面が増加する。従って、本発明固体高分子型燃料電池によれば、発電量が増加し、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物を用いた固体高分子型燃料電池と同等の発電性能を得ることができる。
【0017】
ここで、前記スルホン酸基は、電子吸引性基に隣接する芳香環には導入されず、電子吸引性基に隣接していない芳香環にのみ導入される。従って、前記スルホン化ポリアリーレン重合体では、式(1)で示される芳香族化合物単位のArで示される芳香環にのみ、前記スルホン酸基が導入されることとなるり、式(1)で示される芳香族化合物単位と式(2)で示される芳香族化合物単位とのモル比を変えることにより、導入されるスルホン酸基の量、換言すればイオン交換容量を調整することができる。
【0018】
そこで、前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位が30モル%未満で、式(2)で示される芳香族化合物単位が70モル%を超えると、イオン導伝性高分子バインダーとして必要とされるイオン交換容量が得られない。また、式(1)で示される芳香族化合物単位が95モル%を超え、式(2)で示される芳香族化合物単位が5モル%未満になると、導入されるスルホン酸基の量が増加して分子構造が弱くなる。
【0019】
また、前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、分子構造にフッ素を全く含まないか、あるいは前記電子吸引性基としてフッ素を含むだけであるので安価であり、固体高分子型燃料電池のコストを低減することができる。
【0020】
前記固体高分子型燃料電池では、発電性能を向上するために、前記電極と、前記高分子電解質膜との密着性が高いことが望ましい。そこで、本発明の固体高分子型燃料電池は、前記高分子電解質膜が、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とする。
【0021】
この結果、前記触媒層を構成するイオン導伝性高分子バインダーと、前記高分子電解質膜とが、同種の樹脂で構成されることになり、前記電極と、前記高分子電解質膜との間で優れた密着性を得ることができる。前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位が30モル%未満で、式(2)で示される芳香族化合物単位が70モル%を超えると、前記高分子電解質膜として必要とされるイオン交換容量が得られない。また、式(1)で示される芳香族化合物単位が95モル%を超え、式(2)で示される芳香族化合物単位が5モル%未満になると、前述のように導入されるスルホン酸基の量が増加して分子構造が弱くなる。
【0022】
また、前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、イオン導伝性を示すために、水分を含んでいる必要がある。そこで、前記イオン導伝性高分子バインダーは、80℃の温度で、相対湿度90%の環境下に、15〜40重量%の範囲の水分を含むことが好ましい。前記水分が15重量%未満ではイオン導伝性が得られず、40重量%を超えると前記触媒層中で燃料ガスまたは酸化性ガスが拡散しにくくなる。
【0023】
また、前記イオン導伝性高分子バインダーは、1.9〜2.4meq/gの範囲のイオン交換容量を備えることが好ましい。イオン交換容量が1.9meq/g未満では十分な発電性能が得られないことがあり、2.4meq/gを超えると前記スルホン化ポリアリーレン重合体のスルホン酸基の量が増加して分子構造が弱くなる。
【0024】
また、前記イオン導伝性高分子バインダーは、前記触媒層において前記三相界面を増加させるために、前記触媒担体に担持されている触媒の表面積の80m2/g以上を被覆していることが好ましい。前記イオン導伝性高分子バインダーが被覆する前記触媒の表面積が80m2/g未満であるときには、十分な発電性能が得られないことがある。
【0025】
また、前記イオン導伝性高分子バインダーは、前述のように前記触媒粒子を被覆するので、触媒担体の比表面積が小さいと、前記触媒層中で燃料ガスまたは酸化性ガスが拡散しにくくなる。そこで、前記触媒担体は、前記触媒層中で燃料ガスまたは酸化性ガスが拡散しやすくするために、比表面積が800m2/g以上のカーボンブラックであることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の固体高分子型燃料電池の構成を示す説明的断面図、図2は図1示の固体高分子型燃料電池のQ値を測定する装置の説明図、図3は図2の装置によるQ値の測定例を示すグラフ、図4は本実施形態の固体高分子型燃料電池の発電性能を示すグラフである。
【0027】
固体高分子型燃料電池は、図1示のように、高分子電解質膜1が酸素極2と燃料極3との間に挟持されており、酸素極2と燃料極3とは、いずれも拡散層4と、拡散層4上に形成された触媒層5とを備えている。
【0028】
各拡散層4は外面側に密着するセパレータ6を備えている。また、セパレータ6は、酸素極2では空気等の酸素含有気体が流通される酸素通路2aを、燃料極3では水素等の燃料ガスが流通される燃料通路3aを、拡散層4側に備えている。
【0029】
本実施形態では、前記固体高分子型燃料電池の高分子電解質膜1として、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなるポリアリーレン重合体を濃硫酸と反応させることによりスルホン化し、側鎖にスルホン酸基を導入したスルホン化ポリアリーレン重合体を用いる。
【0030】
【化7】
Figure 0004754083
【0031】
【化8】
Figure 0004754083
【0032】
前記式(1)に対応するモノマーとして、例えば、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン等を挙げることができる。また、前記式(2)に対応するモノマーとして、例えば、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル等を挙げることができる。
【0033】
前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解し、キャスト法により所望の乾燥膜厚に製膜することにより、高分子電解質膜1とされる。
【0034】
前記固体高分子型燃料電池において、酸素極2、燃料極3の拡散層4は、例えばカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを所定の重量比で混合し、エチレングリコール等の有機溶媒に均一に分散したスラリーを、カーボンペーパーの片面に塗布、乾燥して下地層とすることにより形成される。
【0035】
また、触媒層5は、比表面積が800m2/g以上のカーボンブラック(ファーネスブラック)に白金を所定の重量比で担持させた触媒粒子を、前記スルホン化ポリアリーレン重合体をN−メチルピロリドン等の溶媒に溶解してなるイオン導伝性バインダーと所定の重量比で均一に混合した触媒ペーストを、所定の白金量となるように下地層上にスクリーン印刷し、乾燥することにより形成される。前記乾燥は、例えば、60℃で10分間行ったのち、120℃で減圧乾燥することにより行う。
【0036】
前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、イオン交換容量1.9〜2.4meq/gであり、80℃、相対湿度90%の環境下において15〜40重量%の水分を含んでいる。また、前記スルホン化ポリアリーレン重合体からなるイオン導伝性バインダーは、前記カーボンブラックに担持されている白金の表面積の80m2/g以上を被覆することができる。
【0037】
そして、高分子電解質膜1を、酸素極2、燃料極3の触媒層5に挟持された状態でホットプレスすることにより、前記固体高分子型燃料電池が形成される。前記ホットプレスは、例えば、80℃、5MPaで2分間の1次プレスの後、160℃、4MPaで1分間の2次プレスを施すことにより行うことができる。
【0038】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0039】
【実施例1】
本実施例では、まず、式(3)で示されるスルホン化ポリアリーレン重合体をN−メチルピロリドンに溶解し、キャスト法により乾燥膜厚50μmの高分子電解質膜1を調製した。
【0040】
【化9】
Figure 0004754083
【0041】
次に、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とをカーボンブラック:PTFE=2:3の重量比で混合し、エチレングリコールに均一に分散したスラリーを調製し、該スラリーをカーボンペーパーの片面に塗布、乾燥することにより下地層とし、カーボンペーパーと下地層とからなる拡散層4を形成した。
【0042】
次に、比表面積が800m2/g以上のファーネスブラックに白金をファーネス:白金=1:1の重量比で担持させた触媒粒子を、前記式(3)で示されるスルホン化ポリアリーレン重合体からなるイオン導伝性バインダーのN−メチルピロリドン溶液に、触媒粒子:バインダー=1:1.25の重量比で均一に混合して触媒ペーストを調製した。次に、前記触媒ペーストを0.5mg/cm2の白金量となるように下地層上にスクリーン印刷し、乾燥することにより、触媒層4を形成した。前記乾燥は、60℃で10分間行ったのち、120℃で減圧乾燥することにより行った。
【0043】
前記式(3)で示されるスルホン化ポリアリーレン重合体は、イオン交換容量2.3meq/gであり、80℃、相対湿度90%の環境下において27重量%の水分を含んでいた。また、前記式(3)で示されるスルホン化ポリアリーレン重合体からなるイオン導伝性バインダーは、前記ファーネスブラックに担持されている白金の表面積の84m2/gを被覆していた。
【0044】
次に、高分子電解質膜1を、酸素極2、燃料極3の触媒層5に挟持された状態で、160℃、4MPaで1分間ホットプレスすることにより、図1示の固体高分子型燃料電池を形成した。
【0045】
次に、本実施例の固体高分子型燃料電池における高分子電解質膜1と酸素極2、燃料極3との密着性の指標としてのQ値とを測定した。
前記Q値は、図2示の装置を用いて測定する。図2示の装置は、高分子電解質膜1の片面のみに図1示の酸素極2及び燃料極3と同一の構成の電極11を設けたものを、水槽12の底部に配設し、水槽12に収容されたpH1の硫酸水溶液13に、電極11の高分子電解質膜1を接触させるようにしたものである。図2の装置は、硫酸水溶液13中に浸漬された参照極14と対照極15とを備え、参照極14、対照極15、電極11の拡散層4はそれぞれポテンショスタッド16に接続されている。また、電極11は、図1示の酸素極2の酸素通路2aまたは燃料極3の燃料通路3aに対応してガス通路11aを備えており、ガス通路11aに流通される窒素ガスと接触自在に構成されている。
【0046】
図2の装置では、ポテンショスタッド16により拡散層4と硫酸水溶液13間に電圧をかけると、硫酸水溶液13中のプロトンが高分子電解質膜1を透過して電極11に達し、電子の授受を行う。すなわち、プロトンが触媒層5中の白金表面に接触することにより白金からプロトンに電子が渡される。尚、図2の装置では、電極11中の触媒層5における白金量を0.5g/cm2としている。
【0047】
また、逆電圧をかけた場合は、吸着した水素原子から電子が白金に渡されプロトンとして硫酸水溶液中に拡散する。
【0048】
そこで、電圧を−0.5Vから1Vまでスキャンすると、図3示のように、プロトンの吸着側のピーク面積からQ値を求めることができる。ここで、Q値は電極11の面積当たりの電荷量(C/cm2)を示し、この値が大きいほど、電極と高分子電解質膜との密着性が高いことを示す指標となる。本実施例の固体高分子型燃料電池では、前記Q値は0.155であった。
【0049】
次に、本実施例の固体高分子型燃料電池の発電性能として、80℃、相対湿度90%の環境下における電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化を測定した。結果を図4に示す。
【0050】
【比較例1】
本比較例では、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(デュポン社製ナフィオン(商品名))製の高分子電解質膜1を用いると共に、前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物をイオン導伝性バインダーとして、該イオン導伝性バインダーのイソプロパノール・n−プロパノール溶液に前記触媒粒子を均一に混合して触媒ペーストを調製した以外は、実施例1と全く同一にして図1示の固体高分子型燃料電池を形成した。
【0051】
次に、本比較例の固体高分子型燃料電池の発電性能として、80℃、相対湿度90%の環境下における電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化を測定した。結果を図4に示す。
【0052】
図4から、実施例1の固体高分子型燃料電池によれば、高分子電解質膜1及びイオン導伝性バインダーとして前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物を用いる比較例1の固体高分子型燃料電池と同等の発電性能を得ることができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子型燃料電池の構成を示す説明的断面図。
【図2】図1示の固体高分子型燃料電池のQ値を測定する装置の説明図。
【図3】図2の装置によるQ値の測定例を示すグラフ。
【図4】本発明に係る固体高分子型燃料電池の発電性能を示すグラフ。
【符号の説明】
1…高分子電解質膜、 2…燃料極、 3…酸素極、 5…触媒層。

Claims (6)

  1. 一対の電極と、両電極に挟持された高分子電解質膜とを備え、各電極は該高分子電解質膜に対向する面に触媒が触媒担体に担持されている触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーにより一体化された触媒層を備える固体高分子型燃料電池において、
    該イオン導伝性高分子バインダーは、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
    Figure 0004754083
    Figure 0004754083
  2. 前記高分子電解質膜は、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池。
    Figure 0004754083
    Figure 0004754083
  3. 前記イオン導伝性高分子バインダーは、80℃の温度で、相対湿度90%の環境下に、15〜40重量%の範囲の水分を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 前記イオン導伝性高分子バインダーは、1.9〜2.4meq/gの範囲のイオン交換容量を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池。
  5. 前記イオン導伝性高分子バインダーは、前記触媒担体に担持されている触媒の表面積の80m2/g以上を被覆することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 前記触媒担体は、比表面積が800m2/g以上のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池。
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