JP2002298855A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
固体高分子型燃料電池Info
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- JP2002298855A JP2002298855A JP2001097806A JP2001097806A JP2002298855A JP 2002298855 A JP2002298855 A JP 2002298855A JP 2001097806 A JP2001097806 A JP 2001097806A JP 2001097806 A JP2001097806 A JP 2001097806A JP 2002298855 A JP2002298855 A JP 2002298855A
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- polymer electrolyte
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】廉価で優れた発電性能を備える固体高分子型燃
料電池を提供することを目的とする。 【解決手段】一対の電極に挟持された高分子電解質膜を
備え、各電極は触媒が多孔質体からなる触媒担体に担持
されいて、触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーに
より一体化された触媒層を備える。式(1)で示される
芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示さ
れる芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合
体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリー
レン重合体からなるイオン導伝性高分子バインダーと、
直径100nm以下の細孔により形成される細孔容積が
1.0〜1.5ml/gの範囲にある多孔質体からなる
触媒担体とを備える。
料電池を提供することを目的とする。 【解決手段】一対の電極に挟持された高分子電解質膜を
備え、各電極は触媒が多孔質体からなる触媒担体に担持
されいて、触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーに
より一体化された触媒層を備える。式(1)で示される
芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示さ
れる芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合
体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリー
レン重合体からなるイオン導伝性高分子バインダーと、
直径100nm以下の細孔により形成される細孔容積が
1.0〜1.5ml/gの範囲にある多孔質体からなる
触媒担体とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質膜を
備える固体高分子型燃料電池に関するものである。
備える固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油資源が枯渇化する一方、化石燃料の
消費による地球温暖化等の環境問題が深刻化しており、
二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源
として燃料電池が注目され、広範に開発されていると共
に、一部では実用化され始めている。前記燃料電池を自
動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やす
いことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料
電池が好適に用いられる。
消費による地球温暖化等の環境問題が深刻化しており、
二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源
として燃料電池が注目され、広範に開発されていると共
に、一部では実用化され始めている。前記燃料電池を自
動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やす
いことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料
電池が好適に用いられる。
【0003】前記固体高分子型燃料電池は、燃料極と酸
素極との一対の電極の間にイオン導伝可能な高分子電解
質膜を挟持させた構成となっており、燃料極と酸素極と
はそれぞれ拡散層と触媒層とを備え、前記触媒層で前記
高分子電解質膜に接している。また、前記触媒層は、P
t等の触媒が多孔質体からなる触媒担体に担持されてい
る触媒粒子を備え、該触媒粒子がイオン導伝性高分子バ
インダーにより一体化されることにより形成されてい
る。
素極との一対の電極の間にイオン導伝可能な高分子電解
質膜を挟持させた構成となっており、燃料極と酸素極と
はそれぞれ拡散層と触媒層とを備え、前記触媒層で前記
高分子電解質膜に接している。また、前記触媒層は、P
t等の触媒が多孔質体からなる触媒担体に担持されてい
る触媒粒子を備え、該触媒粒子がイオン導伝性高分子バ
インダーにより一体化されることにより形成されてい
る。
【0004】前記固体高分子型燃料電池では、前記燃料
極に水素、メタノール等の還元性ガスを導入すると、前
記還元性ガスが前記拡散層を介して前記触媒層に達し、
前記多孔質体からなる触媒担体を介して触媒層内に拡散
し、前記触媒の作用によりプロトンを生成する。前記プ
ロトンは、前記触媒層から前記高分子電解質膜を介し
て、前記酸素極側の触媒層に移動する。
極に水素、メタノール等の還元性ガスを導入すると、前
記還元性ガスが前記拡散層を介して前記触媒層に達し、
前記多孔質体からなる触媒担体を介して触媒層内に拡散
し、前記触媒の作用によりプロトンを生成する。前記プ
ロトンは、前記触媒層から前記高分子電解質膜を介し
て、前記酸素極側の触媒層に移動する。
【0005】一方、前記燃料極に前記還元性ガスを導入
すると共に、前記酸素極に空気、酸素等の酸化性ガスを
導入すると、前記酸化性ガスが前記拡散層を介して前記
触媒層に達し、前記多孔質体からなる触媒担体を介して
触媒層内に拡散する。そして、前記プロトンが前記酸素
極側の触媒層で、前記触媒の作用により前記酸化性ガス
と反応して水を生成する。そこで、前記燃料極と酸素極
とを導線により接続することにより電流を取り出すこと
ができる。
すると共に、前記酸素極に空気、酸素等の酸化性ガスを
導入すると、前記酸化性ガスが前記拡散層を介して前記
触媒層に達し、前記多孔質体からなる触媒担体を介して
触媒層内に拡散する。そして、前記プロトンが前記酸素
極側の触媒層で、前記触媒の作用により前記酸化性ガス
と反応して水を生成する。そこで、前記燃料極と酸素極
とを導線により接続することにより電流を取り出すこと
ができる。
【0006】従来、前記固体高分子型燃料電池では、前
記高分子電解質膜、前記触媒層のイオン導伝性高分子バ
インダーとしてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分
子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品
名))が広く利用されている。前記パーフルオロアルキ
レンスルホン酸高分子化合物は、スルホン化されている
ことにより優れたプロトン導伝性を備えると共に、フッ
素樹脂としての耐薬品性とを併せ備えているが、非常に
高価であるとの問題がある。
記高分子電解質膜、前記触媒層のイオン導伝性高分子バ
インダーとしてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分
子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品
名))が広く利用されている。前記パーフルオロアルキ
レンスルホン酸高分子化合物は、スルホン化されている
ことにより優れたプロトン導伝性を備えると共に、フッ
素樹脂としての耐薬品性とを併せ備えているが、非常に
高価であるとの問題がある。
【0007】そこで、パーフルオロアルキレンスルホン
酸高分子化合物に代わる廉価なイオン導伝性材料を用い
て、固体高分子型燃料電池を構成することが望まれる。
ところが、廉価な材料を用いると、パーフルオロアルキ
レンスルホン酸高分子化合物と同等の発電性能を得るこ
とが難しいとの問題がある。
酸高分子化合物に代わる廉価なイオン導伝性材料を用い
て、固体高分子型燃料電池を構成することが望まれる。
ところが、廉価な材料を用いると、パーフルオロアルキ
レンスルホン酸高分子化合物と同等の発電性能を得るこ
とが難しいとの問題がある。
【0008】前記問題を解決するために、本発明者らは
パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物に代わ
る廉価なイオン導伝性材料について種々検討した結果、
スルホン化された剛直ポリフェニレン等のスルホン化ポ
リアリーレン重合体が前記触媒粒子の被覆性に優れてい
ることを見出した。
パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物に代わ
る廉価なイオン導伝性材料について種々検討した結果、
スルホン化された剛直ポリフェニレン等のスルホン化ポ
リアリーレン重合体が前記触媒粒子の被覆性に優れてい
ることを見出した。
【0009】前記スルホン化された剛直ポリフェニレン
は、分子構造にフッ素を含まないか、あるいはフッ素含
有量が低減されているために安価であり、例えば、米国
特許第5403675号明細書に、前記高分子電解質膜
として用いることが提案されている。前記明細書記載の
スルホン化された剛直ポリフェニレンは、フェニレン連
鎖を備える芳香族化合物を重合して得られるポリマーを
スルホン化剤と反応させることにより、該ポリマーにス
ルホン酸基を導入したものである。
は、分子構造にフッ素を含まないか、あるいはフッ素含
有量が低減されているために安価であり、例えば、米国
特許第5403675号明細書に、前記高分子電解質膜
として用いることが提案されている。前記明細書記載の
スルホン化された剛直ポリフェニレンは、フェニレン連
鎖を備える芳香族化合物を重合して得られるポリマーを
スルホン化剤と反応させることにより、該ポリマーにス
ルホン酸基を導入したものである。
【0010】前記スルホン化された剛直ポリフェニレン
等のスルホン化ポリアリーレン重合体は、前記のように
触媒粒子の被覆性に優れているので、前記固体高分子型
燃料電池の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バイン
ダーとして用いると、前記触媒層において燃料ガスまた
は酸化性ガスと、前記触媒粒子と、前記イオン導伝性高
分子バインダーとの三相界面が増加し、発電量が増加す
るものと期待される。
等のスルホン化ポリアリーレン重合体は、前記のように
触媒粒子の被覆性に優れているので、前記固体高分子型
燃料電池の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バイン
ダーとして用いると、前記触媒層において燃料ガスまた
は酸化性ガスと、前記触媒粒子と、前記イオン導伝性高
分子バインダーとの三相界面が増加し、発電量が増加す
るものと期待される。
【0011】しかしながら、前記スルホン化ポリアリー
レン重合体は、分子構造が直線的であって、長さ方向を
揃えて整列すると隣接する分子との間に間隙ができにく
くなるので、前記触媒粒子を被覆したときに多孔質体で
ある触媒担体の細孔が閉塞されやすくなるとの不都合が
ある。前記触媒単体の細孔が閉塞されると、前記燃料ガ
スまたは酸化性ガスのガス拡散性が低減し、前記三相界
面が増加しても十分な発電性能を得られないことがあ
る。
レン重合体は、分子構造が直線的であって、長さ方向を
揃えて整列すると隣接する分子との間に間隙ができにく
くなるので、前記触媒粒子を被覆したときに多孔質体で
ある触媒担体の細孔が閉塞されやすくなるとの不都合が
ある。前記触媒単体の細孔が閉塞されると、前記燃料ガ
スまたは酸化性ガスのガス拡散性が低減し、前記三相界
面が増加しても十分な発電性能を得られないことがあ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、廉価で優れた発電性能を備える固体高分
子型燃料電池を提供することを目的とする。
合を解消して、廉価で優れた発電性能を備える固体高分
子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の固体高分子型燃料電池は、一対の電極
と、両電極に挟持された高分子電解質膜とを備え、各電
極は該高分子電解質膜に対向する面に触媒が多孔質体か
らなる触媒担体に担持されている触媒粒子がイオン導伝
性高分子バインダーにより一体化された触媒層を備える
固体高分子型燃料電池において、式(1)で示される芳
香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示され
る芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体
の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレ
ン重合体からなるイオン導伝性高分子バインダーと、直
径100nm以下の細孔により形成される細孔容積が
1.0〜1.5ml/gの範囲にある多孔質体からなる
触媒担体とを備えることを特徴とする。
めに、本発明の固体高分子型燃料電池は、一対の電極
と、両電極に挟持された高分子電解質膜とを備え、各電
極は該高分子電解質膜に対向する面に触媒が多孔質体か
らなる触媒担体に担持されている触媒粒子がイオン導伝
性高分子バインダーにより一体化された触媒層を備える
固体高分子型燃料電池において、式(1)で示される芳
香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示され
る芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体
の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレ
ン重合体からなるイオン導伝性高分子バインダーと、直
径100nm以下の細孔により形成される細孔容積が
1.0〜1.5ml/gの範囲にある多孔質体からなる
触媒担体とを備えることを特徴とする。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】本発明の固体高分子型燃料電池に用いるス
ルホン化ポリアリーレン重合体は、分子構造にフッ素を
全く含まないか、あるいは前記電子吸引性基としてフッ
素を含むだけであるので安価であり、固体高分子型燃料
電池のコストを低減することができる。
ルホン化ポリアリーレン重合体は、分子構造にフッ素を
全く含まないか、あるいは前記電子吸引性基としてフッ
素を含むだけであるので安価であり、固体高分子型燃料
電池のコストを低減することができる。
【0017】前記スルホン化ポリアリーレン重合体で
は、前記スルホン酸基は、電子吸引性基に隣接する芳香
環には導入されず、電子吸引性基に隣接していない芳香
環にのみ導入される。従って、前記スルホン化ポリアリ
ーレン重合体では、式(1)で示される芳香族化合物単
位のArで示される芳香環にのみ、前記スルホン酸基が
導入されることとなり、式(1)で示される芳香族化合
物単位と式(2)で示される芳香族化合物単位とのモル
比を変えることにより、導入されるスルホン酸基の量、
換言すればイオン交換容量を変えることができる。
は、前記スルホン酸基は、電子吸引性基に隣接する芳香
環には導入されず、電子吸引性基に隣接していない芳香
環にのみ導入される。従って、前記スルホン化ポリアリ
ーレン重合体では、式(1)で示される芳香族化合物単
位のArで示される芳香環にのみ、前記スルホン酸基が
導入されることとなり、式(1)で示される芳香族化合
物単位と式(2)で示される芳香族化合物単位とのモル
比を変えることにより、導入されるスルホン酸基の量、
換言すればイオン交換容量を変えることができる。
【0018】そこで、前記スルホン化ポリアリーレン重
合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位が30モ
ル%未満で、式(2)で示される芳香族化合物単位が7
0モル%を超えると、イオン導伝性高分子バインダーと
して必要とされるイオン交換容量が得られない。また、
式(1)で示される芳香族化合物単位が95モル%を超
え、式(2)で示される芳香族化合物単位が5モル%未
満になると、導入されるスルホン酸基の量が増加して分
子構造が弱くなる。
合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位が30モ
ル%未満で、式(2)で示される芳香族化合物単位が7
0モル%を超えると、イオン導伝性高分子バインダーと
して必要とされるイオン交換容量が得られない。また、
式(1)で示される芳香族化合物単位が95モル%を超
え、式(2)で示される芳香族化合物単位が5モル%未
満になると、導入されるスルホン酸基の量が増加して分
子構造が弱くなる。
【0019】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
前記構成とすることにより、1.7〜2.2meq/g
の範囲のイオン交換容量を備えている。
前記構成とすることにより、1.7〜2.2meq/g
の範囲のイオン交換容量を備えている。
【0020】前記スルホン化ポリアリーレン重合体によ
れば、式(2)で示される芳香族化合物単位において、
aが2以上であることによりポリエーテル鎖が長くな
る。エーテル結合は、酸素を中心とする結合角が180
°より小さいので、ポリエーテル鎖が長くなり前記エー
テル結合の数が多くなるほど、分子構造がジグザグ状に
なる。この結果、前記スルホン化ポリアリーレン重合体
は、長さ方向に揃えて整列しても、隣接する分子との間
に間隙を生じ、前記触媒粒子を被覆したときに多孔質体
である触媒担体の細孔を閉塞し難くなる。
れば、式(2)で示される芳香族化合物単位において、
aが2以上であることによりポリエーテル鎖が長くな
る。エーテル結合は、酸素を中心とする結合角が180
°より小さいので、ポリエーテル鎖が長くなり前記エー
テル結合の数が多くなるほど、分子構造がジグザグ状に
なる。この結果、前記スルホン化ポリアリーレン重合体
は、長さ方向に揃えて整列しても、隣接する分子との間
に間隙を生じ、前記触媒粒子を被覆したときに多孔質体
である触媒担体の細孔を閉塞し難くなる。
【0021】このとき、前記触媒担体は、直径100n
m以下の細孔により形成される細孔容積が1.0〜1.
5ml/gの範囲にある多孔質体からなることにより、
前記のようにポリエーテル鎖が長く、ジグザグ状のスル
ホン化ポリアリーレン重合体により、前記細孔が閉塞さ
れにくく、良好なガス拡散性を得ることができる。
m以下の細孔により形成される細孔容積が1.0〜1.
5ml/gの範囲にある多孔質体からなることにより、
前記のようにポリエーテル鎖が長く、ジグザグ状のスル
ホン化ポリアリーレン重合体により、前記細孔が閉塞さ
れにくく、良好なガス拡散性を得ることができる。
【0022】前記触媒担体は、前記多孔質体の細孔容積
が1.0ml/g未満では、前記スルホン化ポリアリー
レン重合体により閉塞される細孔が増加して十分なガス
拡散性を得ることができない。また、前記多孔質体の細
孔容積が1.5ml/gを超えると、前記燃料ガスまた
は酸化性ガスと、前記触媒粒子と、前記イオン導伝性高
分子バインダーとの三相界面を十分な量とすることがで
きない。
が1.0ml/g未満では、前記スルホン化ポリアリー
レン重合体により閉塞される細孔が増加して十分なガス
拡散性を得ることができない。また、前記多孔質体の細
孔容積が1.5ml/gを超えると、前記燃料ガスまた
は酸化性ガスと、前記触媒粒子と、前記イオン導伝性高
分子バインダーとの三相界面を十分な量とすることがで
きない。
【0023】本発明の固体高分子型燃料電池によれば、
前記構成とすることにより、前記三相界面が増大すると
共に、触媒層において十分な量のガス拡散性が得られる
ので、優れた発電性能を得ることができる。
前記構成とすることにより、前記三相界面が増大すると
共に、触媒層において十分な量のガス拡散性が得られる
ので、優れた発電性能を得ることができる。
【0024】前記固体高分子型燃料電池では、発電性能
を向上するために、前記電極と、前記高分子電解質膜と
の密着性が高いことが望ましい。そこで、本発明の固体
高分子型燃料電池は、前記高分子電解質膜が、式(1)
で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式
(3)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とか
らなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン
化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とする。
を向上するために、前記電極と、前記高分子電解質膜と
の密着性が高いことが望ましい。そこで、本発明の固体
高分子型燃料電池は、前記高分子電解質膜が、式(1)
で示される芳香族化合物単位30〜95モル%と、式
(3)で示される芳香族化合物単位70〜5モル%とか
らなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン
化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とする。
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】この結果、前記触媒層を構成するイオン導
伝性高分子バインダーと、前記高分子電解質膜とが、同
種の樹脂で構成されることになり、前記電極と、前記高
分子電解質膜との間で優れた密着性を得ることができ
る。前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、式(1)
で示される芳香族化合物単位が30モル%未満で、式
(3)で示される芳香族化合物単位が70モル%を超え
ると、前記高分子電解質膜として必要とされるイオン交
換容量が得られない。また、式(1)で示される芳香族
化合物単位が95モル%を超え、式(3)で示される芳
香族化合物単位が5モル%未満になると、前述のように
導入されるスルホン酸基の量が増加して分子構造が弱く
なる。
伝性高分子バインダーと、前記高分子電解質膜とが、同
種の樹脂で構成されることになり、前記電極と、前記高
分子電解質膜との間で優れた密着性を得ることができ
る。前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、式(1)
で示される芳香族化合物単位が30モル%未満で、式
(3)で示される芳香族化合物単位が70モル%を超え
ると、前記高分子電解質膜として必要とされるイオン交
換容量が得られない。また、式(1)で示される芳香族
化合物単位が95モル%を超え、式(3)で示される芳
香族化合物単位が5モル%未満になると、前述のように
導入されるスルホン酸基の量が増加して分子構造が弱く
なる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態の固体高分子型燃料電池の構成を示す説
明的断面図、図2は本実施形態の固体高分子型燃料電池
における触媒層の触媒担体の細孔分布を示すグラフ、図
3は図1示の固体高分子型燃料電池の酸素ゲインを測定
する装置の説明図、図4は本実施形態の固体高分子型燃
料電池における電極単体の発電性能を示すグラフ、図5
は本実施形態の固体高分子型燃料電池の発電性能を示す
グラフである。
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態の固体高分子型燃料電池の構成を示す説
明的断面図、図2は本実施形態の固体高分子型燃料電池
における触媒層の触媒担体の細孔分布を示すグラフ、図
3は図1示の固体高分子型燃料電池の酸素ゲインを測定
する装置の説明図、図4は本実施形態の固体高分子型燃
料電池における電極単体の発電性能を示すグラフ、図5
は本実施形態の固体高分子型燃料電池の発電性能を示す
グラフである。
【0029】固体高分子型燃料電池は、図1示のよう
に、高分子電解質膜1が酸素極2と燃料極3との間に挟
持されており、酸素極2と燃料極3とは、いずれも拡散
層4と、拡散層4上に形成された触媒層5とを備えてい
る。
に、高分子電解質膜1が酸素極2と燃料極3との間に挟
持されており、酸素極2と燃料極3とは、いずれも拡散
層4と、拡散層4上に形成された触媒層5とを備えてい
る。
【0030】各拡散層4は外面側に密着するセパレータ
6を備えている。また、セパレータ6は、酸素極2では
空気等の酸素含有気体が流通される酸素通路2aを、燃
料極3では水素等の燃料ガスが流通される燃料通路3a
を、拡散層4側に備えている。
6を備えている。また、セパレータ6は、酸素極2では
空気等の酸素含有気体が流通される酸素通路2aを、燃
料極3では水素等の燃料ガスが流通される燃料通路3a
を、拡散層4側に備えている。
【0031】本実施形態では、前記固体高分子型燃料電
池の高分子電解質膜1として、式(1)で示される芳香
族化合物単位30〜95モル%と、式(3)で示される
芳香族化合物単位70〜5モル%とからなるポリアリー
レン重合体を濃硫酸と反応させることによりスルホン化
し、側鎖にスルホン酸基を導入したスルホン化ポリアリ
ーレン重合体を用いる。
池の高分子電解質膜1として、式(1)で示される芳香
族化合物単位30〜95モル%と、式(3)で示される
芳香族化合物単位70〜5モル%とからなるポリアリー
レン重合体を濃硫酸と反応させることによりスルホン化
し、側鎖にスルホン酸基を導入したスルホン化ポリアリ
ーレン重合体を用いる。
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】前記式(1)に対応するモノマーとして、
例えば、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフ
ェノン等を挙げることができる。また、前記式(3)に
対応するモノマーとして、例えば、4,4’−ジクロロ
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−クロロベンゾイ
ル)ジフェニルエーテル等を挙げることができる。
例えば、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフ
ェノン等を挙げることができる。また、前記式(3)に
対応するモノマーとして、例えば、4,4’−ジクロロ
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−クロロベンゾイ
ル)ジフェニルエーテル等を挙げることができる。
【0035】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解し、キャスト法に
より所望の乾燥膜厚(例えば50μm)に製膜すること
により、高分子電解質膜1とされる。
N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解し、キャスト法に
より所望の乾燥膜厚(例えば50μm)に製膜すること
により、高分子電解質膜1とされる。
【0036】前記固体高分子型燃料電池において、酸素
極2、燃料極3の拡散層4は、例えばカーボンブラック
とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを所定の
重量比で混合し、エチレングリコール等の有機溶媒に均
一に分散したスラリーを、カーボンペーパーの片面に塗
布、乾燥して下地層とすることにより形成される。
極2、燃料極3の拡散層4は、例えばカーボンブラック
とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを所定の
重量比で混合し、エチレングリコール等の有機溶媒に均
一に分散したスラリーを、カーボンペーパーの片面に塗
布、乾燥して下地層とすることにより形成される。
【0037】また、触媒層5は、比表面積が800m2
/g以上、直径100nm以下の細孔により形成される
細孔容積が1.0〜1.5ml/gの範囲にあるカーボ
ンブラック(ファーネスブラック)に白金を所定の重量
比で担持させた触媒粒子を、イオン導伝性高分子バイン
ダーと所定の重量比で均一に混合した触媒ペーストを、
所定の白金量となるように下地層上にスクリーン印刷
し、例えば、60℃で10分間乾燥したのち、120℃
で減圧乾燥することにより形成される。前記イオン導伝
性高分子バインダーとしては、式(1)で示される芳香
族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される
芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の
側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン
重合体を、N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解したも
のを用いる。
/g以上、直径100nm以下の細孔により形成される
細孔容積が1.0〜1.5ml/gの範囲にあるカーボ
ンブラック(ファーネスブラック)に白金を所定の重量
比で担持させた触媒粒子を、イオン導伝性高分子バイン
ダーと所定の重量比で均一に混合した触媒ペーストを、
所定の白金量となるように下地層上にスクリーン印刷
し、例えば、60℃で10分間乾燥したのち、120℃
で減圧乾燥することにより形成される。前記イオン導伝
性高分子バインダーとしては、式(1)で示される芳香
族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示される
芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の
側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン
重合体を、N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解したも
のを用いる。
【0038】
【化11】
【0039】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
1.7〜2.2meq/gの範囲のイオン交換容量を備
えている。
1.7〜2.2meq/gの範囲のイオン交換容量を備
えている。
【0040】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
式(2)中のaが2以上の整数であることにより、ポリ
エーテル鎖が延長されて分子構造がジグザグになる。従
って、前記スルホン化ポリアリーレン重合体からなるイ
オン導伝性高分子バインダーは、前記カーボンブラック
に担持されている白金の表面積の80m2/g以上を被
覆することができると共に、前記カーボンブラックの細
孔が閉塞されにくく、十分なガス拡散性を得ることがで
きる。
式(2)中のaが2以上の整数であることにより、ポリ
エーテル鎖が延長されて分子構造がジグザグになる。従
って、前記スルホン化ポリアリーレン重合体からなるイ
オン導伝性高分子バインダーは、前記カーボンブラック
に担持されている白金の表面積の80m2/g以上を被
覆することができると共に、前記カーボンブラックの細
孔が閉塞されにくく、十分なガス拡散性を得ることがで
きる。
【0041】そして、高分子電解質膜1を、酸素極2、
燃料極3の触媒層5に挟持された状態でホットプレスす
ることにより、前記固体高分子型燃料電池が形成され
る。前記ホットプレスは、例えば、80℃、5MPaで
2分間の1次プレスの後、160℃、4MPaで1分間
の2次プレスを施すことにより行うことができる。
燃料極3の触媒層5に挟持された状態でホットプレスす
ることにより、前記固体高分子型燃料電池が形成され
る。前記ホットプレスは、例えば、80℃、5MPaで
2分間の1次プレスの後、160℃、4MPaで1分間
の2次プレスを施すことにより行うことができる。
【0042】次に、実施例及び比較例を示す。
【0043】
【実施例1】本実施例では、まず、式(4)で示される
スルホン化ポリアリーレン重合体をN−メチルピロリド
ンに溶解し、キャスト法により乾燥膜厚50μmの高分
子電解質膜1を調製した。前記スルホン化ポリアリーレ
ン重合体は、2.3meq/gのイオン交換容量を備え
ている。
スルホン化ポリアリーレン重合体をN−メチルピロリド
ンに溶解し、キャスト法により乾燥膜厚50μmの高分
子電解質膜1を調製した。前記スルホン化ポリアリーレ
ン重合体は、2.3meq/gのイオン交換容量を備え
ている。
【0044】
【化12】
【0045】次に、カーボンブラックとポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)とをカーボンブラック:PT
FE=2:3の重量比で混合し、エチレングリコールに
均一に分散したスラリーを調製し、該スラリーをカーボ
ンペーパーの片面に塗布、乾燥することにより下地層と
し、カーボンペーパーと下地層とからなる拡散層4を形
成した。
オロエチレン(PTFE)とをカーボンブラック:PT
FE=2:3の重量比で混合し、エチレングリコールに
均一に分散したスラリーを調製し、該スラリーをカーボ
ンペーパーの片面に塗布、乾燥することにより下地層と
し、カーボンペーパーと下地層とからなる拡散層4を形
成した。
【0046】次に、比表面積が800m2/g、直径1
00nm以下の細孔により形成される細孔容積が10〜
20ml/gの範囲にあるファーネスブラックに白金を
ファーネス:白金=1:1の重量比で担持させた触媒粒
子を、式(5)で示されるスルホン化ポリアリーレン重
合体からなるイオン導伝性バインダーのN−メチルピロ
リドン溶液に、触媒粒子:バインダー=1:1.25の
重量比で均一に混合して触媒ペーストを調製した。前記
スルホン化ポリアリーレン重合体は、2.0meq/g
のイオン交換容量を備えている。
00nm以下の細孔により形成される細孔容積が10〜
20ml/gの範囲にあるファーネスブラックに白金を
ファーネス:白金=1:1の重量比で担持させた触媒粒
子を、式(5)で示されるスルホン化ポリアリーレン重
合体からなるイオン導伝性バインダーのN−メチルピロ
リドン溶液に、触媒粒子:バインダー=1:1.25の
重量比で均一に混合して触媒ペーストを調製した。前記
スルホン化ポリアリーレン重合体は、2.0meq/g
のイオン交換容量を備えている。
【0047】
【化13】
【0048】次に、前記触媒ペーストを0.5mg/c
m2の白金量となるように下地層上にスクリーン印刷
し、乾燥することにより、触媒層4を形成した。前記乾
燥は、60℃で10分間行ったのち、120℃で減圧乾
燥することにより行った。
m2の白金量となるように下地層上にスクリーン印刷
し、乾燥することにより、触媒層4を形成した。前記乾
燥は、60℃で10分間行ったのち、120℃で減圧乾
燥することにより行った。
【0049】前記式(5)で示されるスルホン化ポリア
リーレン重合体からなるイオン導伝性バインダーは、前
記ファーネスブラックに担持されている白金の表面積の
50m2/gを被覆していた。
リーレン重合体からなるイオン導伝性バインダーは、前
記ファーネスブラックに担持されている白金の表面積の
50m2/gを被覆していた。
【0050】次に、高分子電解質膜1を、酸素極2、燃
料極3の触媒層5に挟持された状態で、160℃、4M
Paで1分間ホットプレスすることにより、図1示の固
体高分子型燃料電池を形成した。
料極3の触媒層5に挟持された状態で、160℃、4M
Paで1分間ホットプレスすることにより、図1示の固
体高分子型燃料電池を形成した。
【0051】次に、本実施例の固体高分子型燃料電池に
おける触媒層5の前記ファーネスブラックについて、細
孔分布を測定した。結果を図2に示す。尚、本実施例の
固体高分子型燃料電池では、前記ファーネスブラックの
直径100nm以下の細孔により形成される細孔容積は
1.2ml/gであった。
おける触媒層5の前記ファーネスブラックについて、細
孔分布を測定した。結果を図2に示す。尚、本実施例の
固体高分子型燃料電池では、前記ファーネスブラックの
直径100nm以下の細孔により形成される細孔容積は
1.2ml/gであった。
【0052】次に、図3示の装置を用いて、本実施例の
固体高分子型燃料電池の触媒層5におけるガス拡散性の
指標としての酸素ゲインを測定した。
固体高分子型燃料電池の触媒層5におけるガス拡散性の
指標としての酸素ゲインを測定した。
【0053】図3示の装置は、高分子電解質膜1の片面
のみに図1示の酸素極2及び燃料極3と同一の構成の電
極11を設けたものを、水槽12の底部に配設し、水槽
12に収容されたpH1の硫酸水溶液13に、電極11
の高分子電解質膜1を接触させるようにしたものであ
る。図3の装置は、硫酸水溶液13中に浸漬された参照
極14と対照極15とを備え、参照極14、対照極1
5、電極11の拡散層4はそれぞれポテンショスタッド
16に接続されている。また、電極11は、図1示の酸
素極2の酸素通路2aまたは燃料極3の燃料通路3aに
対応してガス通路11aを備えており、ガス通路11a
に流通される酸素ガスまたは空気と接触自在に構成され
ている。
のみに図1示の酸素極2及び燃料極3と同一の構成の電
極11を設けたものを、水槽12の底部に配設し、水槽
12に収容されたpH1の硫酸水溶液13に、電極11
の高分子電解質膜1を接触させるようにしたものであ
る。図3の装置は、硫酸水溶液13中に浸漬された参照
極14と対照極15とを備え、参照極14、対照極1
5、電極11の拡散層4はそれぞれポテンショスタッド
16に接続されている。また、電極11は、図1示の酸
素極2の酸素通路2aまたは燃料極3の燃料通路3aに
対応してガス通路11aを備えており、ガス通路11a
に流通される酸素ガスまたは空気と接触自在に構成され
ている。
【0054】図3の装置では、ガス通路11aに酸素ガ
スまたは空気を流通すると、硫酸水溶液13中のプロト
ンが高分子電解質膜1を透過して電極11に達し、前記
酸素ガスまたは空気と反応して発電が行われる。そこ
で、ガス通路11aに酸素ガスを流通したときと、空気
を流通したときとの発電電位の差を酸素ゲインとする。
スまたは空気を流通すると、硫酸水溶液13中のプロト
ンが高分子電解質膜1を透過して電極11に達し、前記
酸素ガスまたは空気と反応して発電が行われる。そこ
で、ガス通路11aに酸素ガスを流通したときと、空気
を流通したときとの発電電位の差を酸素ゲインとする。
【0055】空気は、純酸素に対して酸素含有量が約1
/5であるので、電極11(触媒層5)のガス拡散性が
低いと、空気中の酸素を十分に利用することができず、
ガス通路11aに空気を流通したときの発電電位が、酸
素ガスを流通したときに比較して格段に低く、前記酸素
ゲインが大になる。これに対して電極11(触媒層5)
のガス拡散性が良好であると、空気中の酸素を十分に利
用できるので、ガス通路11aに空気を流通したときに
も、酸素ガスを流通したときと同等の発電電位が得ら
れ、前記酸素ゲインが小になる。
/5であるので、電極11(触媒層5)のガス拡散性が
低いと、空気中の酸素を十分に利用することができず、
ガス通路11aに空気を流通したときの発電電位が、酸
素ガスを流通したときに比較して格段に低く、前記酸素
ゲインが大になる。これに対して電極11(触媒層5)
のガス拡散性が良好であると、空気中の酸素を十分に利
用できるので、ガス通路11aに空気を流通したときに
も、酸素ガスを流通したときと同等の発電電位が得ら
れ、前記酸素ゲインが小になる。
【0056】本実施例の固体高分子型燃料電池では、前
記酸素ゲインは27mVであった。また、前記酸素ゲイ
ン測定と同時に、空気を流通した場合の発電性能とし
て、電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図4に示す。
記酸素ゲインは27mVであった。また、前記酸素ゲイ
ン測定と同時に、空気を流通した場合の発電性能とし
て、電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図4に示す。
【0057】次に、本実施例の固体高分子型燃料電池の
発電性能として、80℃、相対湿度90%の環境下にお
ける電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図5に示す。
発電性能として、80℃、相対湿度90%の環境下にお
ける電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図5に示す。
【0058】
【比較例1】本比較例では、式(4)で示されるスルホ
ン化ポリアリーレン重合体を用いて、高分子電解質膜1
と、イオン導伝性バインダーとを形成した以外は、実施
例1と全く同一にして図1示の固体高分子型燃料電池を
形成した。
ン化ポリアリーレン重合体を用いて、高分子電解質膜1
と、イオン導伝性バインダーとを形成した以外は、実施
例1と全く同一にして図1示の固体高分子型燃料電池を
形成した。
【0059】次に、本比較例の固体高分子型燃料電池に
おける触媒層5の前記ファーネスブラックについて、細
孔分布を測定した。結果を図2に示す。尚、本実施例の
固体高分子型燃料電池では、前記ファーネスブラックの
直径100nm以下の細孔により形成される細孔容積は
0.01ml/gであった。
おける触媒層5の前記ファーネスブラックについて、細
孔分布を測定した。結果を図2に示す。尚、本実施例の
固体高分子型燃料電池では、前記ファーネスブラックの
直径100nm以下の細孔により形成される細孔容積は
0.01ml/gであった。
【0060】次に、図3示の装置を用いて、本比較例の
固体高分子型燃料電池の触媒層5におけるガス拡散性の
指標としての酸素ゲインを測定した。
固体高分子型燃料電池の触媒層5におけるガス拡散性の
指標としての酸素ゲインを測定した。
【0061】本比較例の固体高分子型燃料電池では、前
記酸素ゲインは260mVであった。また、前記酸素ゲ
イン測定と同時に、空気を流通した場合の発電性能とし
て、電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図4に示す。
記酸素ゲインは260mVであった。また、前記酸素ゲ
イン測定と同時に、空気を流通した場合の発電性能とし
て、電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図4に示す。
【0062】次に、本比較例の固体高分子型燃料電池の
発電性能として、80℃、相対湿度90%の環境下にお
ける電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図5に示す。
発電性能として、80℃、相対湿度90%の環境下にお
ける電流密度(A/cm2)に対する電圧(V)の変化
を測定した。結果を図5に示す。
【0063】図2と、前記細孔容積の測定結果から、実
施例1の固体高分子型燃料電池は、比較例1の固体高分
子型燃料電池に対し、ファーネスブラックの細孔の閉塞
率が格段に低いことが明らかである。
施例1の固体高分子型燃料電池は、比較例1の固体高分
子型燃料電池に対し、ファーネスブラックの細孔の閉塞
率が格段に低いことが明らかである。
【0064】また、前記酸素ゲインの測定結果から、実
施例1の固体高分子型燃料電池は、比較例1の固体高分
子型燃料電池に対し、格段に優れたガス拡散性を備えて
いることが明らかである。
施例1の固体高分子型燃料電池は、比較例1の固体高分
子型燃料電池に対し、格段に優れたガス拡散性を備えて
いることが明らかである。
【0065】そして、この結果、図4、図5に示すよう
に、実施例1の固体高分子型燃料電池は、比較例1の固
体高分子型燃料電池に対し、格段に優れた発電性能を備
えていることが明らかである。
に、実施例1の固体高分子型燃料電池は、比較例1の固
体高分子型燃料電池に対し、格段に優れた発電性能を備
えていることが明らかである。
【図1】本発明に係る固体高分子型燃料電池の構成を示
す説明的断面図。
す説明的断面図。
【図2】本発明に係る固体高分子型燃料電池の触媒層に
おける触媒担体の細孔分布を示すグラフ。
おける触媒担体の細孔分布を示すグラフ。
【図3】図1示の固体高分子型燃料電池の酸素ゲインを
測定する装置の説明図。
測定する装置の説明図。
【図4】本発明に係る固体高分子型燃料電池における電
極単体の発電性能を示すグラフ。
極単体の発電性能を示すグラフ。
【図5】本発明に係る固体高分子型燃料電池の発電性能
を示すグラフ。
を示すグラフ。
1…高分子電解質膜、 2…酸素極、 3…燃料極、
5…触媒層。
5…触媒層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 薫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 DD01 EE03 EE08 EE17 HH04 HH05 5H026 AA06 CX01 CX05 HH04 HH05
Claims (3)
- 【請求項1】一対の電極と、両電極に挟持された高分子
電解質膜とを備え、各電極は該高分子電解質膜に対向す
る面に触媒が多孔質体からなる触媒担体に担持されてい
る触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーにより一体
化された触媒層を備える固体高分子型燃料電池におい
て、 式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モル%
と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5モル
%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するス
ルホン化ポリアリーレン重合体からなるイオン導伝性高
分子バインダーと、直径100nm以下の細孔により形
成される細孔容積が1.0〜1.5ml/gの範囲にあ
る多孔質体からなる触媒担体とを備えることを特徴とす
る固体高分子型燃料電池。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】前記イオン導伝性高分子バインダーに用い
られるスルホン化ポリアリーレン重合体は、1.7〜
2.2meq/gの範囲のイオン交換容量を備えること
を特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池。 - 【請求項3】前記高分子電解質膜は、式(1)で示され
る芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(3)で示
される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重
合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリ
ーレン重合体からなることを特徴とする請求項1または
請求項2記載の固体高分子型燃料電池。 【化3】 【化4】
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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CA2442633A CA2442633C (en) | 2001-03-30 | 2002-04-01 | Solid polymer type fuel cell |
PCT/JP2002/003256 WO2002080294A1 (fr) | 2001-03-30 | 2002-04-01 | Pile a combustible a polymere solide |
US10/473,388 US7208242B2 (en) | 2001-03-30 | 2002-04-01 | Solid polymer type fuel cell |
DE10296599.4T DE10296599B9 (de) | 2001-03-30 | 2002-04-01 | Polymerelektrolytbrennstoffzelle |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001097806A JP2002298855A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 固体高分子型燃料電池 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2002298855A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2005116517A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-28 | Jsr Corp | 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 |
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JP2006344439A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Honda Motor Co Ltd | 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体およびその製造方法 |
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2001
- 2001-03-30 JP JP2001097806A patent/JP2002298855A/ja active Pending
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