JP2007287343A - 燃料電池用のカソード電極及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素透過性、耐熱性及び耐酸化性に優れ、かつ溶剤にも溶解可能な樹脂材料をバインダ樹脂として備え、活性化過電圧を低減するとともに耐久性を向上することが可能な燃料電池用のカソード電極を提供する。
【解決手段】触媒と、含フッ素置換アセチレンポリマーとが含まれてなることを特徴とする燃料電池用のカソード電極を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池用のカソード電極及び燃料電池に関するものであり、カソードにおける活性化過電圧を低くすることが可能なカソード電極およびそれを用いた燃料電池に関する。
燃料電池には様々な形式のものがあるが、特に最近では、作動温度が80℃〜100℃程度の高分子電解質型の燃料電池や、作動温度が150℃〜200℃程度のリン酸型の燃料電池が実用段階に入っている。これら固体高分子型またはリン酸型の燃料電池の基本構成は、アノード電極及びカソード電極と、これら電極間に挿入された電解質とから概略構成されている。アノード電極及びカソード電極は、触媒粉末とバインダ樹脂とが混合されてシート状に固化成形されてなる多孔質体である。カソード電極の一面側には電解質が接しており、他面側には酸素供給流路が設けられている。発電時のカソード電極には、酸素供給流路から酸素が供給されるとともに電解質側から水素イオンが供給され、更に電極自体には外部回路を経た電子が供給される。そして触媒表面において、水素イオンと電子とにより酸素が還元されて水が形成される。
ところで、カソード電極における酸素の還元反応は活性化過電圧が比較的高いために、還元反応自体の反応速度がアノード電極における水素の酸化反応に比べて遅くなっている。このため、燃料電池の出力電圧もこの活性化過電圧の影響によって低くなるという問題がある。活性化過電圧を低減するには、触媒表面における酸素濃度を向上させる必要がある。
これまで、カソード電極の触媒として白金系の合金を用いることによる活性化過電圧の低減の試みがなされてきたが、十分な効果が得られていなかった。
そこで、触媒粉末を固化成形させるバインダ樹脂に酸素透過性に優れたポリジメチルシロキサンを用い、触媒表面への酸素供給量を増大させて活性化過電圧を低減させる方法が提案されている(特許文献1)。
特開2002−289202号公報
しかし、ポリジメチルシロキサンは酸素透過性に優れるものの、熱安定性及び耐酸化性が低いという問題がある。従って、カソード電極にポリジメチルシロキサンが添加された燃料電池においては、運転時間の長期化や、作動温度の高温化(120℃〜150℃)に伴って、ポリジメチルシロキサンの酸素透過性が徐々に低下して出力電圧が次第に低減するといった問題があった。
また、酸素溶解性及び耐熱性に優れた含フッ素ポリマーをバインダ樹脂に採用することも検討されているが、含フッ素ポリマーの多くは溶剤に不溶であるため、電極の形成が困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素透過性、耐熱性及び耐酸化性に優れ、かつ溶剤にも溶解可能な樹脂材料をバインダ樹脂として備え、活性化過電圧を低減するとともに耐久性を向上することが可能な燃料電池用のカソード電極およびそれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の燃料電池用のカソード電極は、触媒と、下記一般式(1)で表される含フッ素置換アセチレンポリマーとが含まれてなることを特徴とする。ただし、下記一般式(1)において、R及びRは独立して、水素、フッ素基、アルキル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基のうちのいずれかであり、nは100以上10000以下の整数である。
Figure 2007287343
また、本発明の燃料電池用のカソード電極においては、下記一般式(2)で表される含ケイ素置換アセチレンポリマーが含まれてなることが好ましい。ただし、下記一般式(2)において、R〜Rは独立して、アルキル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基のうちのいずれかであり、nは100以上10000以下の整数である。
Figure 2007287343
また、本発明の燃料電池用のカソード電極においては、前記一般式(2)で表される含ケイ素置換アセチレンポリマーの酸素透過係数PO2が1×10−11[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]以上であることが好ましい。
また、本発明の燃料電池用のカソード電極においては、前記含フッ素置換アセチレンポリマーと前記含ケイ素置換アセチレンポリマーの混合比が、モノマー単位で、フッ素置換アセチレンポリマー:含ケイ素置換アセチレンポリマー=1:4〜1:100の範囲であることが好ましい。
また、本発明の燃料電池用のカソード電極においては、前記含フッ素置換アセチレンポリマーがポリ(2−トリフルオロメチルフェニルアセチレン)であることが好ましい。
また、本発明の燃料電池用のカソード電極においては、前記含ケイ素置換アセチレンポリマーがポリ(1−トリメチルシリルプロピン)であることが好ましい。
次に、本発明の燃料電池は、先のいずれかに記載の燃料電池用のカソード電極を備えたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明の燃料電池用のカソード電極によれば、上記一般式(1)で表される含フッ素置換アセチレンポリマーが含まれており、この含フッ素置換アセチレンポリマーは、ポリマー自体に対する酸素溶解性及び耐熱性に優れているので、カソード電極内部における酸素濃度を高めて活性化過電圧を低減することができ、また燃料電池の長時間の運転にも十分な耐久性を発揮することができる。
また、この含フッ素置換アセチレンポリマーは、各種の溶剤に溶解させることが可能であり、カソード電極の形成を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施形態の燃料電池は、図1に示すように、本発明に係るカソード電極2およびアノード電極3と、カソード電極2およびアノード電極3の間に挟持された電解質4と、カソード電極2の外側に配置された酸化剤流路5aを有する酸化剤配流板5と、アノード電極3の外側に配置された燃料流路6aを有する燃料配流板6とから構成され、80℃〜200℃の温度で作動するものである。
酸化剤配流板5および燃料配流板6は導電性を有する金属等から構成されており、カソード電極2およびアノード電極3にそれぞれ接合することで、集電体として機能するとともに、カソード電極2およびアノード電極3に対して、酸素および燃料を供給する。すなわち、アノード電極3には、燃料配流板6の燃料流路6aを介して燃料である水素が供給され、またカソード電極2には、酸化剤配流板5の酸化剤流路5aを介して酸化剤としての酸素が供給される。なお、燃料として供給される水素は、炭化水素若しくはアルコールの改質により発生させた水素でも良く、また、酸化剤として供給される酸素は、空気に含まれる状態で供給されても良い。
この燃料電池においては、アノード電極3側で水素が酸化されてプロトン(水素イオン)が生じ、この水素イオンが電解質4を伝導してカソード電極2に到達する。また、アノード電極3での水素が酸化に伴ってアノード電極3から外部回路に電子が流れ、この電子がカソード電極に流れ込む。そしてカソード電極2において、水素イオンと酸素と電子とが電気化学的に反応し、酸素が還元されて水が生成するとともに、電気エネルギーが発生する。
電解質4は、プロトン伝導性を有するものであって、80℃〜100℃で作動する固体高分子電解質または150℃〜200℃で作動するリン酸型電解質を用いることが好ましい。また本発明においては、100℃〜150℃の間で作動する電解質を使用しても良い。
固体高分子電解質の材質としては例えば、パーフルオロカーボンスルフォン酸型イオン交換膜や、炭化水素型高分子電解質膜が好ましい。
また、リン酸型電解質の材質としては例えば、塩基性ポリマーに、リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、硫酸のうちのいずれか一種以上の酸が含浸されてなるものが好ましい。前記酸のうちリン酸は、85%のオルソリン酸水溶液に含浸するのが望ましく、塩基性ポリマーの一官能基あたり200〜1000モル%程度のドープ量に設定することが望ましい。塩基性ポリマーがリン酸等を保持することにより、リン酸等の水素イオンが一部解離し、この水素イオンによって電解質膜4にイオン伝導性が付与される。リン酸を保持する塩基性ポリマーとしては、ポリベンズイミダゾール、ポリ(ピリジン)、ポリ(ピリミジン)、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキリノン、ポリキノキサリン、ポリリアジアゾール、ポリ(テトラザビレン)、ポリオキサゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミザゾール、これらの誘導体、のうちのいずれか一種または二種以上からなるものである。特に、塩基性ポリマーとして、下記一般式(3)に示すポリベンズイミダゾールを用いることが好ましい。なお、塩基性ポリマーの平均分子量は1000〜1000000が好ましい。更にリン酸型電解質として、多孔質炭化ケイ素体にリン酸を含浸させたものを用いても良い。
Figure 2007287343
次に、本発明に係るカソード電極2は、多孔質性の触媒層2aと、この触媒層2aを保持する多孔質カーボンシート(カーボン多孔質体)2bから概略構成されている。触媒層2aは、白金、白金と他の貴金属(例えばルテニウム)との合金または白金と卑金属(例えばコバルト)との合金のいずれかを活性炭に坦持させてなる電極触媒(触媒)と、下記一般式(4)で表される含フッ素置換アセチレンポリマーとが少なくとも含有されて構成されている。この触媒層2aにおいては、含フッ素置換アセチレンポリマーが膜状の形態ではなく、含フッ素置換アセチレンポリマーが触媒中に分散された形態にあることが望ましい。これにより、含フッ素置換アセチレンポリマーは触媒のバインダーとして機能する。
なお、下記一般式(4)において、R及びRは独立して、水素、フッ素基、アルキル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基のうちのいずれかであり、nは100以上10000以下の整数である。また、R及びRは独立して、水素、フッ素基、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のフッ素置換アルキル基、または、フェニル基の5個の水素原子のうち1〜2個をフッ素原子で置換したフッ素置換フェニル基のうちのいずれかであることがより好ましく、Rが水素であり、Rがトリフルオロメチル基(CF基)であるポリ(2−トリフルオロメチルフェニルアセチレン)が最も好ましい。
Figure 2007287343
上記一般式(4)に示す含フッ素置換アセチレンポリマーは、ポリアセチレンの水素が、R基及びR基を有するフェニル基に置換されてなる樹脂である。この含フッ素置換アセチレンポリマーは、ポリアセチレン構造の主鎖を有するために耐熱性および耐酸化性が高くなっており、例えば150℃以上の酸化性雰囲気においても分解することがない。
また、この含フッ素置換アセチレンポリマーは、ポリマーに対する酸素の溶解性が高く、特に空気中の酸素を選択的に溶解する性質がある。従って、含フッ素置換アセチレンポリマーをカソード電極に含有させることで、触媒層2a内部における酸素濃度が向上し、活性化過電圧の低減が図られる。更に、含フッ素置換アセチレンポリマーはフッ素系樹脂であるにもかかわらず、トルエン等の溶剤に対して溶解性を示すので、触媒とともに溶剤に混合することで均一なスラリーが形成され、このスラリーを用いてカソード電極を形成することにより、含フッ素置換アセチレンポリマーを触媒層2a中に均一に分散させることができる。
以上より、含フッ素置換アセチレンポリマーは燃料電池の電極構成材料として好適である。
本発明に係るカソード電極2には、上記の含フッ素置換アセチレンポリマーが単独で含まれていても良いが、含フッ素置換アセチレンポリマーに加えて下記一般式(5)で表される含ケイ素置換アセチレンポリマーが更に含まれていても良い。この含ケイ素置換アセチレンポリマーは、含フッ素置換アセチレンポリマーと同様に触媒中に分散された状態でカソード電極に含まれることが望ましい。これにより、含ケイ素置換アセチレンポリマーも触媒のバインダーとして機能する。
なお、下記一般式(5)において、R〜Rは独立して、アルキル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基のうちのいずれかであり、nは100以上10000以下の整数である。また、R〜Rは独立して、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のフッ素置換アルキル基、または、フェニル基の5個の水素原子のうち1〜2個をフッ素原子で置換したフッ素置換フェニル基から選択されたものであることがより好ましく、R〜Rは独立して炭素数が1〜3のアルキル基であることが更に好ましく、R〜Rが全てメチル基であるポリ(1−トリメチルシリルプロピン)であることが特に好ましい。
Figure 2007287343
上記一般式(5)に示す含ケイ素置換アセチレンポリマーは、ポリアセチレンの水素が上記のR〜R置換のシリル基に置換されてなる樹脂である。この含ケイ素置換アセチレンポリマーは、ポリアセチレン構造の主鎖を有するために耐熱性および耐酸化性が高くなっており、200℃以上の酸化性雰囲気においても分解することがない。すなわち、この含ケイ素置換アセチレンポリマーは、熱重量分析によって重量減少開始温度を測定した場合の重量減少開始温度が200℃以上であり、優れた耐熱性を有している。特に、ポリ(1−トリメチルシリルプロピン)の重量減少開始温度は300℃以上であり、80℃〜200℃程度で作動する燃料電池の電極構成材料として好適な耐熱性を有している。
また、この含ケイ素置換アセチレンポリマーは、広がった主鎖の間に、運動性の大きなR〜R置換のシリル基が存在している。このような分子構造を備えた含ケイ素アセチレンポリマーは、従来のポリジメチルシロキサン等と比較して10倍以上の酸素透過性を有している。従って含ケイ素置換アセチレンポリマーをカソード電極に含有させることで、触媒表面における酸素濃度が向上し、活性化過電圧の低減が図られる。
更に、含ケイ素置換アセチレンポリマーは、トルエン等の溶剤に対する溶解性が高いため、含フッ素置換アセチレンポリマーと同様に、触媒層2a中に均一に分散させることができる。
以上より、含ケイ素置換アセチレンポリマーは、含フッ素置換アセチレンポリマーと同様に、燃料電池の電極構成材料として好適である。
なお、含ケイ素置換アセチレンポリマーの酸素透過係数PO2は1×10−11[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]以上であり、より好ましくは1×10−10[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]以上である。含ケイ素置換アセチレンポリマーとして最も好ましいポリ(1−トリメチルシリルプロピン)の酸素透過性係数PO2は1×10−10〜1×10−9[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]程度である。酸素透過性係数PO2が1×10−11[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]以上の樹脂を用いることで、カソード電極2における活性化過電圧を低減させることができる。
ところで含フッ素置換アセチレンポリマーは、酸素/窒素分離係数(PO2/PN2)が比較的高い値を示すので、ポリマー中への酸素の選択的な溶解性が高い反面、酸素透過係数PO2自体が含ケイ素置換アセチレンポリマーに比べて低いため、酸素の透過量自体が少ないという性質がある。
そこで、本発明に係るカソード電極では、含フッ素置換アセチレンポリマーに加えて、酸素透過係数PO2が比較的高い含ケイ素置換アセチレンポリマーを含有させることが望ましい。これにより、カソード電極におけるバインダーの酸素透過係数PO2と酸素/窒素分離係数(PO2/PN2)とが向上し、触媒層内部における酸素濃度を向上できると同時に触媒表面における酸素濃度も向上することができ、これにより活性化過電圧の更なる低減が図られる。
カソード電極における含フッ素置換アセチレンポリマーと含ケイ素置換アセチレンポリマーの混合比は、モノマー単位で、フッ素置換アセチレンポリマー:含ケイ素置換アセチレンポリマー=1:4〜1:100の範囲が好ましい。両ポリマーの混合比が1:4以上であれば、含ケイ素置換アセチレンポリマーの含有量が十分な量となり、カソード電極におけるバインダーの酸素透過係数PO2を向上できる。また、両ポリマーの混合比が1:100以下であれば、含フッ素置換アセチレンポリマーの含有量が十分な量となり、カソード電極におけるバインダーの酸素/窒素分離係数(PO2/PN2)を向上できる。
また、触媒に対する含フッ素置換アセチレンポリマーの配合率は、質量%で0.01%以上5%以下の範囲が好ましく、0.03%以上3%以下の範囲がより好ましい。更に、触媒に対する含ケイ素置換アセチレンポリマーの配合率は、質量%で1%以上20%以下の範囲が好ましく、3%以上10%以下の範囲がより好ましい。
触媒に対する各ポリマーの配合率が下限値以上であれば、触媒表面に十分な量の酸素を供給することができる。また配合率が上限値以下であれば、カソード電極2自体の抵抗率が低く抑えられ、カソード電極の内部抵抗を低減できる。
また、カソード電極2の触媒層2aには、触媒と、含フッ素置換アセチレンポリマーと、必要に応じて含ケイ素置換アセチレンポリマーとに加え、疎水性樹脂、リン酸等を保持可能な塩基性ポリマーまたはプロトン伝導性樹脂のいずれかを添加しても良い。また、疎水性樹脂と塩基性ポリマーを同時に添加しても良い。また、疎水性樹脂とプロトン伝導性樹脂を同時に添加しても良い。
疎水性樹脂としては例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロエチレン共重合体、パーフルオロエチレン等といった疎水性および耐熱性に優れた樹脂を用いることができる。疎水性樹脂を添加することにより、発電反応に伴って生成した水によって触媒層2aが過剰に濡れるのを防止することができ、カソード電極2内部における酸素の拡散阻害を防止することができる。すなわち、カソード電極2内部の触媒表面において、気相(酸素)−液相(水)−固相(触媒)の三相界面が多く形成されて、カソード電極2の特性を向上させることができる。
また、塩基性ポリマーとしては、上記の電解質4に用いられる塩基性ポリマーを利用することができる。塩基性ポリマーの平均分子量は1000〜100000が好ましい。平均分子量が1000以下では触媒との密着性が悪く、また平均分子量が100000以上では、溶剤に溶けにくくなり触媒との混合が困難になるからである。塩基性ポリマーを添加することによって、電解質4から滲み出されたリン酸等をカソード電極2に保持させることができる。これにより、カソード電極2の触媒表面に水素イオンを効率よく輸送させることができ、酸素の還元反応の反応速度を高めることができる。
更に、プロトン伝導性樹脂としては、パーフルオロカーボンスルフォン酸型イオン交換樹脂などのフッ素系イオン交換樹脂を用いることができる。特にフッ素系イオン交換樹脂は酸素選択的溶解性を有しており、当該樹脂に溶解させた酸素を電極表面に効率よく輸送させることができる。これにより、カソード電極の触媒表面に水素イオンを効率よく輸送させることができ、酸素の還元反応の反応速度を高めることができ、活性化過電圧をより低くすることができる。
触媒層2aにおける疎水性樹脂の配合率は質量%で1%以上20%以下の範囲が好ましく、2%以上10%以下の範囲がより好ましい。疎水性樹脂の配合率を1%以上とすることで触媒層2a自体の疎水性を高めることができる。また疎水性樹脂の配合率を20%以下とすることでカソード電極2の内部抵抗を低減することができる。
また、触媒層2aにおける塩基性ポリマーの配合率は質量%で0%以上10%以下の範囲が好ましく、2%以上5%以下の範囲がより好ましい。塩基性ポリマーの配合率を2%以上とすることで触媒層2aにおける水素イオンの伝導性を高めて酸素の還元反応を効率よく進めることができる。また塩基性ポリマーの配合率を10%以下とすることでカソード電極2の内部抵抗を低減することができる。
更に、触媒層2aにおけるプロトン伝導性樹脂の配合率は質量%で0%以上10%以下の範囲が好ましく、2%以上5%以下の範囲がより好ましい。プロトン伝導性樹脂の配合率を2%以上とすることで触媒層2aにおける水素イオンの伝導性を高めて酸素の還元反応を効率よく進めることができる。またプロトン伝導性樹脂の配合率を10%以下とすることでカソード電極2の内部抵抗を低減することができる。
上記の触媒層2aを製造するには、たとえば、触媒と、含フッ素置換アセチレンポリマーと、必要に応じて含ケイ素置換アセチレンポリマーとを、適当な溶剤に混合してスラリーとし、このスラリーを多孔質カーボンシート2bに塗布し、更に溶剤を除去することで製造できる。前記のスラリーには、疎水性樹脂、塩基性ポリマーまたはプロトン伝導性樹脂を添加しても良い。溶剤としては例えばトルエンを用いることができる。トルエンを用いることで、少なくとも、含フッ素置換アセチレンポリマー及び含ケイ素置換アセチレンポリマーを溶解させることができる。
また、疎水性樹脂、塩基性ポリマーまたはプロトン伝導性樹脂が、トルエン等の溶剤に不溶の場合には、これら疎水性樹脂等及び触媒により触媒層を形成し、そのあとから含フッ素置換アセチレンポリマーを添加すると同時に、必要に応じて含ケイ素置換アセチレンポリマーを添加してもよい。具体的には、触媒及びこれら疎水性樹脂等を、疎水性樹脂等が可溶な溶剤に混合してスラリーとし、このスラリーから溶剤を除去して混合物とする。次に、含フッ素置換アセチレンポリマーと、必要に応じて含ケイ素置換アセチレンポリマーとが溶解されたトルエン溶液を調製し、このトルエン溶液に先ほどの混合物を投入して混練することによりスラリーとし、このスラリーを多孔質カーボンシート2bに塗布し、更にトルエンを除去することで触媒層を形成する。また、先ほどの混合物にトルエン溶液を塗布してからトルエンを除去しても良い。このようにして、疎水性樹脂等が更に添加されてなる触媒層が得られる。
次にアノード電極3は、多孔質性の触媒層3aと、この触媒層3aを保持する多孔質カーボンシート(カーボン多孔質体)3bから概略構成されている。触媒層3aには、白金、白金と他の貴金属(例えばルテニウム)との合金または白金と卑金属(例えばコバルト)との合金のいずれかを活性炭に坦持させてなる電極触媒(触媒)とこの電極触媒を固化成形するための疎水性結着剤とが含まれている。疎水性結着剤には例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロエチレン共重合体、パーフルオロエチレン等といった疎水性および耐熱性に優れた樹脂を用いることができる。疎水性結着剤を添加することにより、発電反応に伴って生成した水によって触媒層3aが過剰に濡れるのを防止することができ、アノード電極3内部の燃料ガスの拡散阻害を防止することができる。すなわち、アノード電極3内部の電極触媒表面において、気相(水素)−液相(水)−固相(触媒)の三相界面が多く形成されて、電極の特性を向上させることができる。また触媒層3aには、触媒と疎水性結着剤の他に塩基性ポリマーを含有させても良い。塩基性ポリマーを添加することによって、電解質4から滲み出されたリン酸等を保持することができる。これにより、触媒表面において生成した水素イオンをアノード電極の外側に効率よく輸送させることができる。なお、アノード電極3に添加する塩基性ポリマーとしては、上記の電解質4に用いられる塩基性ポリマーを利用することができる。塩基性ポリマーの平均分子量は1000〜1000000が好ましい。平均分子量が1000以下では触媒との密着性が悪く、また平均分子量が1000000以上では、溶剤に溶けにくくなり触媒との混合が困難になるからである。
本発明に係るカソード電極2に含まれる含フッ素置換アセチレンポリマーは、酸素を選択的に溶解する選択溶解性に優れるとともに、200℃程度の高温にも耐えることができ、かつ耐酸化性にも優れるものである。酸化剤流路5aからカソード電極2に供給された酸素は、一部が多孔質性の触媒層2aに吸収されて触媒表面に到達するが、他の一部は含フッ素置換アセチレンポリマーを透過して触媒表面に達する。このように本実施形態のカソード電極2によれば、含フッ素置換アセチレンポリマーを含有させることによって、触媒層2aの内部における酸素濃度を高めることができ、活性化過電圧を低減させることができる。また、耐熱性及び耐酸化性に優れることから、長期に渡って80℃〜200℃の高温で連続運転される燃料電池の電極として用いられた場合でも、酸素透過能力が低減することなく出力電圧を高く維持させることができる。
また、含フッ素置換アセチレンポリマーに加えて、カソード電極2に含ケイ素置換アセチレンポリマーを添加することによって、カソード電極におけるバインダーの酸素透過係数PO2及び酸素/窒素分離係数(PO2/PN2)の双方が向上し、触媒層2aの内部における酸素濃度が向上すると同時に触媒表面における酸素濃度を高めることができ、活性化過電圧の更なる低減を図ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1のカソード電極を以下のようにして製造した。まず、ポリ(2−トリフルオロメチルフェニルアセチレン)(以下、PTFMPAと表記する)を0.3質量%の濃度で溶解させたトルエン溶液20mlを用意し、このトルエン溶液に白金担持触媒2gを添加して混合してスラリーとした。触媒とPTFMPAの質量比は触媒:PTFMPA=1:0.05であった。なお白金担持触媒には、カーボン(ValcanXC72)に白金を坦持させた白金担持触媒(白金含有率40質量%)を用いた。
得られたスラリーを微細カーボン層を有するカーボンペーパー(SGL Carbon社製:GDL30BC)上に塗布した。塗布後、真空中150℃で約15分間乾燥して溶媒を除去した。このようにしてカーボンペーパーに触媒層が形成されてなる実施例1のカソード電極を製造した。なお、カソード電極の触媒層におけるPTFMPAの配合率は5質量%であった。
また、PTFMPAの酸素透過係数PO2は相対湿度0%の条件で2.5×10−9[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]であり、酸素拡散係数(D)は4.0×10−7[cm/s]であり、酸素溶解度係数(S)は4.73×10−6[cm(標準状態)/cm・Pa]であり、酸素/窒素分離係数(PO2/PN2)は3.4であり、ゲルパーメイションクロマトグラフ法で測定した分子量は160000であった。
なお、酸素透過係数PO2の測定は次のように行った。PTFMPAを膜厚100μmの薄膜に成形し、この薄膜を隔壁とした2つの領域をもつ測定装置を用意した。各領域には、ガス流入路とガス流出路がそれぞれ設けられている。一方の流入路からArガスを流量200ml/Lで流通させ、他方の流入路から空気を流量200ml/Lで流通させた。Arガスを流した側の領域についてガスの成分分析をガスクロマトグラフにより行うことにより、酸素透過係数PO2を測定した。
次に、アノード電極として、市販の白金担持ガス拡散電極(Electrochem社製触媒付電極EC−20-10-7)を用意した。また電解質として、リン酸をポリベンズイミダゾール(以下、PBIと表記する)の塩基性基に対して300質量%ドープさせたPBI膜を用意した。そして、カソード電極と電解質とアノード電極を重ね合わせ、更に各電極の外側に酸化剤配流板および燃料配流板を配置することにより、図1に示すような実施例1の燃料電池を製造した。
(実施例2)
実施例2のカソード電極を以下のようにして製造した。まず、PTFMPAとポリ(1−トリメチルシリルプロピン)(以下、PTMSPと表記する)とをモノマーユニット比(PTFMPA:PTMSP)で1:4の割合でかつ0.5質量%の濃度で溶解させたトルエン溶液20mlを用意し、このトルエン溶液に白金担持触媒2gを添加して混合してスラリーとした。触媒とPTFMPAとPTMSPの質量比は触媒:(PTFMPA+PTMSP)=1:0.05であった。なお白金担持触媒は実施例1と同じものを用いた。
得られたスラリーを実施例1と同じ種類のカーボンペーパー上に塗布した。塗布後、真空中150℃で約15分間乾燥して溶媒を除去した。このようにして実施例2のカソード電極を製造した。
そして、実施例2のカソード電極を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の燃料電池を製造した。なお、カソード電極の触媒層におけるPTFMPAの配合率は1質量%であり、PTMSPの配合率は4質量%であった。
また、PTMSPの酸素透過係数PO2は相対湿度0%の条件で7.9×10−7[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]であり、酸素拡散係数(D)は4.0×10−5[cm/s]であり、酸素溶解度係数(S)は1.5×10−5[cm(標準状態)/cm・Pa]であり、酸素/窒素分離係数(PO2/PN2)は1.6であり、ゲルパーメイションクロマトグラフ法で測定した分子量は180000であった。酸素透過係数PO2の測定は実施例1の場合と同様に行った。
(実施例3)
PTFMPAとPTMSPのモノマーユニット比(PTFMPA:PTMSP)を1:100にしたこと以外は上記実施例2と同様にして実施例3のカソード電極を製造した。
そして、実施例3のカソード電極を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の燃料電池を製造した。なお、カソード電極の触媒層におけるPTFMPAの配合率は0.05質量%であり、PTMSPの配合率は5質量%であった。
(実施例4)
PTFMPAとPTMSPのモノマーユニット比(PTFMPA:PTMSP)を1:200にしたこと以外は上記実施例2と同様にして実施例4のカソード電極を製造した。
そして、実施例4のカソード電極を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の燃料電池を製造した。なお、カソード電極の触媒層におけるPTFMPAの配合率は0.03質量%であり、PTMSPの配合率は5質量%であった。
(比較例1)
ポリ(ビニリデンフルオライド)(以下、PVdFと表記する)を0.3質量%の濃度で溶解させたN−メチルピロリドン溶液(NMP溶液)20mlを用意し、このNMP溶液に白金担持触媒2gを添加して混合してスラリーとした。触媒とPVdFの質量比は触媒:PVdF=1:0.05であった。なお白金担持触媒には実施例1と同様の白金担持触媒を用いた。
得られたスラリーを、実施例1と同じ種類のカーボンペーパー上に塗布した。塗布後、真空中150℃で約15分間乾燥して溶媒を除去した。このようにして比較例1のカソード電極を製造した。なお、カソード電極の触媒層におけるPVdFの配合率は3質量%であった。
そして、比較例1のカソード電極を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の燃料電池を製造した。
(比較例2)
PTFMPAに代えてPTMSPを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の燃料電池を製造した。
(評価)
上記のようにして製造した各燃料電池に対して、カソード電極に空気を供給するとともにアノード電極に水素を供給し、作動温度150℃、電解質に対して加湿しない条件(無加湿の条件)で発電を行い、発電特性を評価した。発電は、出力電流密度が0.3A/cmになる条件で行った。表1に、発電開始から10時間、500時間および1000時間経過したときの各燃料電池の出力電圧を示す。
Figure 2007287343
表1に示すように、実施例1の燃料電池は、1000時間の経過後であっても0.605Vの電圧を維持しており、比較例1と比べて高い出力電圧を維持していることがわかる。これは、酸素溶解性の高いPTFMPAを含有させたことによってカソード電極の触媒層内部における酸素濃度が増大して活性化過電圧が低下し、これにより作動電圧が大きくなったためである。
実施例2及び3の燃料電池では、PTFMPAに加えて酸素透過性の高いPTMSPを含有させたことにより、触媒表面における酸素濃度が増大して、出力電圧が更に増大していることがわかる。
また、実施例1〜3の燃料電池は、PTFMPAを含まない比較例2と比べて、10時間後の出力電圧は低いものの、500時間後では実施例1〜3の出力電圧が比較例2よりも大きくなり、500時間から1000時間の間では出力電圧がほとんど低下していない。これは、PTFMPAを含有させたことによって、カソード電極の耐熱性及び耐酸化性が向上し、燃料電池の長期安定性が向上したためである。
実施例4については、PTFMPAの含有率が低いために、実施例1〜3と比べて500〜1000時間後の出力電圧が低くなっているが、10時間後の出力電圧は実施例1〜3及び比較例1並びに2の中で最も高く、初期特性に優れていることがわかる。
本発明の実施形態である燃料電池の構成を示す模式図である。
符号の説明
2…カソード電極、3…アノード電極、4…電解質、5…酸化剤配流板、5a…酸化剤流路、6…燃料配流板、6a…燃料流路

Claims (7)

  1. 触媒と、下記一般式(1)で表される含フッ素置換アセチレンポリマーとが含まれてなることを特徴とする燃料電池用のカソード電極。
    ただし、下記一般式(1)において、R及びRは独立して、水素、フッ素基、アルキル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基のうちのいずれかであり、nは100以上10000以下の整数である。
    Figure 2007287343
  2. 下記一般式(2)で表される含ケイ素置換アセチレンポリマーが含まれてなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用のカソード電極。
    ただし、下記一般式(2)において、R〜Rは独立して、アルキル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基のうちのいずれかであり、nは100以上10000以下の整数である。
    Figure 2007287343
  3. 前記一般式(2)で表される含ケイ素置換アセチレンポリマーの酸素透過係数PO2が1×10−11[cm(標準状態)・cm/cm・s・Pa]以上であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用のカソード電極。
  4. 前記含フッ素置換アセチレンポリマーと前記含ケイ素置換アセチレンポリマーの混合比が、モノマー単位で、フッ素置換アセチレンポリマー:含ケイ素置換アセチレンポリマー=1:4〜1:100の範囲であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料電池用のカソード電極。
  5. 前記含フッ素置換アセチレンポリマーがポリ(2−トリフルオロメチルフェニルアセチレン)であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料電池用のカソード電極。
  6. 前記含ケイ素置換アセチレンポリマーがポリ(1−トリメチルシリルプロピン)であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池用のカソード電極。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料電池用のカソード電極を備えたことを特徴とする燃料電池。

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