JP4752110B2 - トリフルオロプロペニル化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリフルオロプロペニル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
数多くの3,3,3−トリフルオロプロペニル基を有する化合物に医薬、農薬等に利用可能な生理活性があることが知られている。(例えば、DE19502579、EP102925A、Pestic.Sci.,35(2),137(1992)参照。)そして、これら3,3,3−トリフルオロプロペニル基を有する化合物を効率的に製造する方法を開発することが望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は3,3,3−トリフルオロプロペニル基を有する化合物を効率的に製造する方法を種々検討した結果、アルデヒド化合物と、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド若しくはジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシドとを第四級アンモニウムフッ素化物の存在下に反応させることにより、目的する3,3,3−トリフルオロプロペニル基を有する化合物を効率的に製造できることを見出し本発明を完成した。
【0004】
すなわち、本発明は、
一般式(1)
【化5】
(式中、Rは置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい脂肪族基を表す。)
で示されるアルデヒド化合物と、ジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシド[(C6H5)2P(O)CH=CF2]とを第四級アンモニウムフッ素化物の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(2)
【化6】
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で示される3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物の製造法(以下、本発明製造法1と記す。)及び一般式(1)で示されるアルデヒド化合物と、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド[(C6H5)2P(O)CH2CF3]とを第四級アンモニウムフッ素化物の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(2)で示される3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物の製造法(以下、本発明製造法2と記す。)を提供する。
【0005】
本発明はさらに本発明製造法1及び本発明製造法2に用いられるジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドの製造法をも提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、Rで示される置換されていてもよい芳香族基としては、例えば置換されていてもよいナフチル基(ナフチル基;ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基から選ばれる1以上で置換されたナフチル基等)、置換されていてもよいヘテロアリール基(置換されていてもよいピリジル基;置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基等)、及び置換されていてもよいフェニル基(フェニル基;ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基から選ばれる1以上で置換されたフェニル基等)が挙げられる。
【0007】
Rで示される置換されていてもよい脂肪族基としては、例えば置換されていてもよいアルキル基(例えば、置換されていてもよいメチル基、置換されていてもよいエチル基、置換されていてもよいプロピル基、置換されていてもよいイソプロピル基)、置換されていてもよいアルケニル基[例えば、置換されていてもよいビニル基(ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基から選ばれる1以上で置換されたフェニル基で置換されたビニル基;アルキル基で置換されたビニル基等)]、置換されていてもよいアルキニル基、および置換されていてもよいシクロアルキル基[例えば、置換されていてもよいシクロプロピル基(アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、(C1−C6)アルコキシカルボニル基から選ばれる1以上で置換されていてもよいシクロプロピル基等);置換されていてもよいシクロペンチル基(アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、(C1−C6)アルコキシカルボニル基から選ばれる1以上で置換されていてもよいシクロペンチル基等)、置換されていてもよいシクロへキシル基(アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、(C1−C6)アルコキシカルボニル基から選ばれる1以上で置換されていてもよいシクロヘキシル基等)]が挙げられる。
【0008】
本発明製造法の原料化合物として用いられる一般式(1)で示される化合物の具体例としては、ナフトアルデヒド(1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド)、ニトロベンズアルデヒド(2−ニトロベンズアルデヒド、3−ニトロベンズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド)、4−メトキシベンズアルデヒド(2−メトキシベンズアルデヒド、3−メトキシベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド)、シンナムアルデヒド及び2,2−ジメチル−3−ホルミルシクロプロパンカルボン酸アルキルエステル(2,2−ジメチル−3−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチル、2,2−ジメチル−3−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチル、2,2−ジメチル−3−ホルミルシクロプロパンカルボン酸イソプロピル、2,2−ジメチル−3−ホルミルシクロプロパンカルボン酸t−ブチル等)が挙げられる。
【0009】
本発明製造法1および本発明製造法2に用いられる第四級アンモニウムフッ素化物としては、例えばテトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラプロピルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド等のテトラアルキルアンモニウムフルオリド及びベンジルトリメチルアンモニウムフルオリド等のベンジルトリアルキルアンモニウムフルオリドが挙げられる。
【0010】
まず、本発明製造法1について説明する。
本発明製造法1において、一般式(2)で示されるトリフルオロプロペニル化合物は、一般式(1)で示されるアルデヒド化合物と、ジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシドとを第四級アンモニウムフッ素化物の存在下に反応させることにより製造される。
【0011】
該反応は、通常溶媒中で行われ、反応温度の範囲は通常、−80〜150℃(溶媒の沸点が150℃以下の場合はその溶媒の沸点)である。
反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
反応に用いられるジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシドの量は、一般式(1)で示されるアルデヒド化合物1モルに対して、0.9〜5.0モルの範囲であり、好ましくは1.0〜3.0モルの範囲である。
反応に用いられる第四級アンモニウムフッ素化物の量は、一般式(1)で示されるアルデヒド化合物1モルに対して1.0モル以上であり、通常は1.0〜20好ましくは1.0〜10モルの範囲である。
反応時間の範囲は、通常瞬時〜24時間の範囲である。
反応には、モレキュラーシーブス4A等のモレキュラーシーブスを共存させることもできる。
反応終点は、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等で原料化合物である一般式(1)で示されるアルデヒド化合物の量を測定することにより確認することができる。
反応終了後は、反応液を濾過した後、濾液を水に注加し、これを有機溶媒抽出し、有機層を濃縮する等の後処理を行うことにより、一般式(2)で示される3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物化合物を得ることができる。得られた一般式(2)で示される3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物はクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製法によりさらに精製することもできる。
【0012】
本発明製造法1に用いられるジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシドは、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドと塩基とを反応させることにより製造することができる。
【0013】
該反応は、通常溶媒中で行われ、反応温度の範囲は通常、−80〜100℃(溶媒の沸点が100℃以下の場合はその溶媒の沸点)である。
反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水素化カリウム等の無機塩基、カリウム−t−ブトキシド等のアルコールのアルカリ金属塩及びカリウムヘキサメチルジシラジド等のアミンのアルカリ金属塩が挙げられる。
反応時間の範囲は、通常瞬時〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応液に水を注加し、これを有機溶媒抽出して、有機層を濃縮する等の後処理を行うことによりジフェニル−2,2−ジフルオロビニホスフィンオキシドを得ることができる。得られたジフェニル−2,2−ジフルオロビニホスフィンオキシドはクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製法によりさらに精製することもできる。
【0014】
次に、本発明製造法2について説明する。
本発明製造法2において、一般式(2)で示されるトリフルオロプロペニル化合物は、一般式(1)で示されるアルデヒド化合物と、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドとを第四級アンモニウムフッ素化物の存在下に反応させることにより製造される。
【0015】
該反応は、通常溶媒中で行われ、反応温度の範囲は通常、−80〜150℃(溶媒の沸点が150℃以下の場合はその溶媒の沸点)である。
反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
反応に用いられるジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドの量は、一般式(1)で示されるアルデヒド化合物1モルに対して、0.9〜5.0モルの範囲であり、好ましくは1.0〜3.0モルの範囲である。
反応に用いられる第四級アンモニウムフッ素化物の量は、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド1モルに対して2.0モル以上であり、通常は2.0〜20モルの範囲である。
反応時間の範囲は、通常瞬時〜24時間の範囲である。
反応には、モレキュラーシーブス4A等のモレキュラーシーブスを共存させることもできる。
反応終点は、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等で原料化合物である一般式(1)で示されるアルデヒド化合物の量を測定することにより確認することができる。
反応終了後は、反応液を濾過した後、濾液を水に注加し、これを有機溶媒抽出し、有機層を濃縮する等の後処理を行うことにより一般式(2)で示される3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物化合物を得ることができる。得られた一般式(2)で示される3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物は、クロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製法によりさらに精製することもできる。
【0016】
続いて、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドの製造法について説明する。
【0017】
ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドは、アルコキシジフェニルホスフィンと2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタンとを反応させることにより製造することができる。
反応に用いられるアルコキシジフェニルホスフィンとしては、例えばC1−C4アルコキシジフェニルホスフィンが挙げられ、具体的には例えば、メトキシジフェニルホスフィン、エトキシジフェニルホスフィン、プロポキシジフェニルホスフィン、ブトキシジフェニルホスフィンが挙げられる。
該反応は溶媒の存在下又は無溶媒で行われる。
該反応の温度は通常、室温〜200℃であり、反応時間の範囲は通常、瞬時〜24時間である。
反応終了後は、反応液を濃縮することによりジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドを得ることができ、必要であればシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0018】
なお、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドはJ.Chem.Soc.,Perkin.Trans.1,963(1975)において公知の化合物であり、該文献に記載された方法により製造することもできる。しかし、この方法では収率が低く、実用性に乏しかった。
すなわち、上記の方法はジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドを収率良く製造する方法を提供するものである。
【0019】
【実施例】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0020】
実施例1
アルゴン雰囲気下、30mlナスフラスコにモレキュラーシーブス4A 1.2gを入れ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)1.5ml(1.5mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。
ここに、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド83.8mg(0.295mmol)及び2−ナフトアルデヒド22.9mg(0.147mmol)をテトラヒドロフラン3mlに溶解した溶液を加え、室温で2時間攪拌した。その後、反応液をセライトを敷いたグラスフィルターで濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ナフタレン31.6mg(収率97%)を得た。
得られた2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ナフタレンの幾何異性体の比率は、E体:Z体=5.8:1であった。(1H−NMRによる。)
【0021】
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
5.85(5/34H,dq,J=12.6,9.2Hz,Z体)、6.32(29/34H,dq,J=16.1,6.4Hz,E体)、7.08(5/34H,d,J=12.6Hz,Z体)、7.31(29/34H,dq,J=16.1,2.4Hz,E体)、7.49〜7.55(15/34H+58/34H,m)、7.59(29/34H,dd,J=8.8,2.0Hz,E体)、7.81〜7.88(4H,m,E+Z体)
【0022】
実施例2
アルゴン雰囲気下、50mlナスフラスコにモレキュラーシーブス4A 4.8gを入れ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)6.0ml(6.0mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。
ここに、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド341mg(1.2mmol)及び4−メトキシベンズアルデヒド90.1mg(0.6mmol)をテトラヒドロフラン7mlに溶解した溶液を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応液に水1ml及び酢酸エチル30mlを加えセライトを敷いたグラスフィルターで濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、4−メトキシ−1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ベンゼン86.4mg(収率71%)を得た。
得られた4−メトキシ−1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ベンゼンはE体のみであった。(1H−NMRによる。)
【0023】
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
3.84(3H,s)、6.06(1H,dq,J=16.1,6.5Hz)、6.91(2H,d,J=8.8Hz)、7.09(1H,dq,J=16.1,2.3Hz)、7.39(2H,d,J=8.8Hz)
【0024】
実施例3
アルゴン雰囲気下、50mlナスフラスコにモレキュラーシーブス4A 4.8gを入れ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)6.0ml(6.0mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。
ここに、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド341mg(1.2mmol)及びシンナムアルデヒド79.3mg(0.6mmol)をテトラヒドロフラン7mlに溶解した溶液を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応液に水1ml及び酢酸エチル30mlを加えセライトを敷いたグラスフィルターで濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、1−(5,5,5−トリフルオロ−1,3−ペンタジエニル)ベンゼン99.2mg(収率83%)を得た。
【0025】
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
5.55(3/8H,dq,J=11.7,8.8Hz,Z体)、5.80(5/8H,dq,J=15.1,6.8Hz,E体)、6.57(3/8H,ddd,J=12.2,11.7,1.2Hz,Z体)、6.76(5/8H,dd,J=15.1,9.8Hz,E体)、6.78(3/8H,ddd,J=15.1,1.2,1.0Hz,Z)、6.82(5/8H,brd,J=15.1Hz,E体)、6.90(5/8H,ddq,J=15.1,9.8,2.0Hz,E体)、7.17(3/8H,ddqn,J=15.1,12.2,1.2Hz,Z体)、7.31(1H,brt,J=6.8Hz,E+Z体)、7.36(2H,brt,J=6.8Hz,E+Z体)、7.44(10/8H,brd,J=6.8Hz,E体)、7.46(6/8H,brd,J=6.8Hz,Z体)
【0026】
実施例4
アルゴン雰囲気下、30mlナスフラスコにモレキュラーシーブス4A 1.2gを入れ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)1.5ml(1.5mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。
ここにテトラヒドロフラン(無水)1mlを加え、−78℃に冷却しジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド85.3mg(0.3mmol)及び4−ニトロベンズアルデヒド22.7mg(0.15mmol)をテトラヒドロフラン3mlに溶解した溶液を加え、−78℃で4時間攪拌した。その後、反応液に水1ml及び酢酸エチル30mlを加え、セライトを敷いたグラスフィルターで濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーに順次付して、E−4−ニトロ−1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ベンゼン4.7mg(収率14%)及びZ−4−ニトロ−1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ベンゼン4.3mg(収率13%)を得た。
【0027】
E−4−ニトロ−1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ベンゼン1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm):6.36(1H,dq,J=16.0,6.4Hz)、7.23(1H,dq,J=16.0,2.0Hz)、7.63(2H,d,J=8.4Hz)、8.27(2H,d,J=8.4Hz)
Z−4−ニトロ−1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ベンゼン1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm):5.97(1H,dq,J=12.7,8.4Hz)、7.02(1H,d,J=12.7Hz)、7.53(2H,d,J=8.4Hz)、8.24(2H,d,J=8.4Hz)
【0028】
実施例5
アルゴン雰囲気下、50mlナスフラスコにモレキュラーシーブス4A 3.5gを入れ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)7.0ml(7.0mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。
ここに、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド400mg(1.41mmol)及び(1R)−トランス−3−ホルミル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸t−ブチル 140mg(0.707mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液を加え、室温で2時間攪拌した。その後、反応液をセライトを敷いたグラスフィルターで濾過した。濾液に水10mlを加え酢酸エチル40mlで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、(1R)−トランス−2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸t−ブチル 160mg(収率86%)を得た。
得られた(1R)−トランス−2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸t−ブチルの幾何異性体の比率は、E体:Z体=4:1であった。(1H−NMRによる。)
【0029】
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
1.18(3H,s,E+Z体)、1.26(3H,s,E+Z体)、1.46(9H,s,E+Z体)、1.5〜1.8(m,2H,E+Z体)、2.02(4/5H,m,E体)、2.35(1/5H,m,Z体)5.5〜6.2(2H,m,E+Z体)
【0030】
実施例6
30mlナスフラスコにジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシド24.0mg(0.091mmol)を入れ、アルゴン雰囲気下でここにテトラヒドロフラン1mlを加えた。−78℃に冷却し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)1.0ml(1.0mmol)を加えて30分間攪拌した。ここに、2−ナフトアルデヒド156.2mg(1.0mmol)のテトラヒドロフラン1ml溶液を加え、徐々に室温まで昇温しながら2時間攪拌した。その後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ナフタレン9.5mgを得た。
得られた2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)ナフタレンの幾何異性体の比率は、E体:Z体=4:5であった。(1H−NMRによる。)
【0031】
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
5.85(5/9H,dq,J=12.6,9.2Hz,Z体)、6.32(4/9H,dq,J=16.1,6.4Hz,E体)、7.08(5/9H,d,J=12.6Hz,Z体)、7.31(4/9H,dq,J=16.1,2.4Hz,E体)、7.49〜7.55(15/9H+8/9H,m)、7.59(4/9H,dd,J=8.8,2.0Hz,E体)、7.81〜7.88(4H,m,E+Z体)
【0032】
次にジフェニル−2,2−ジフルオロビニルホスフィンオキシドの製造についての実施例を記す。
実施例7
30mlナスフラスコに水素化カリウム(35%鉱物油懸濁液)を入れ、窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン1mlで3回洗浄した。これを減圧下乾燥し、水素化カリウム12.0mg(0.3mmol)を得た。
ここに窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン1mlを加え、次いで0℃に冷却しジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド42.5mg(0.15mmol)のテトラヒドロフラン2ml溶液を加え、室温に昇温して40分間攪拌した。その後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、ジフェニル−2,2−ジフルオロホスフィンオキシド5.0mgを得た。
【0033】
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
5.01(1H,dt,J=28.1,5.5Hz)、7.40−7.65(6H,m)、7.70−7.78(4H,m)
【0034】
続いて、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシドの製造について、実施例を記す。
実施例8
ジフェニルエトキシホスフィン2.02g(8.79mmol)と2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン1.84g(8.79mmol)とを30mlナスフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、室温で1時間、加熱還流下で3時間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、さらに酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することにより、ジフェニル−2,2,2−トリフルオロエチルホスフィンオキシド1.48g(収率59%)を得た。
【0035】
無色結晶、融点160〜161℃
1H−NMR(CDCl3、TMS内部標準)δ値(ppm)
3.25(2H,dq,J=11.8,10.5Hz)、7.40〜7.64(6H,m)、7.72〜7.78(4H,m)
【0036】
【発明の効果】
本発明によりアルデヒド化合物から分子内に3,3,3−トリフルオロプロペニル基を有する化合物を容易に製造できる。
Claims (3)
- 第四級アンモニウムフッ素化物がテトラブチルアンモニウムフルオリドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の3,3,3−トリフルオロプロペニル化合物の製造法。
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