JP4751813B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された断熱枠において、例えば下枠は、室内障子を案内する室内側レール(内レール)が形成された金属製の室内部材と、室外障子を案内する室外側レール(外レール)が形成された金属製の室外部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する樹脂製の断熱部材とを有して構成されている。このような断熱枠によれば、断熱部材よりも室内側に位置する室内部材に室内側レールが設けられているので、冬季における室内外の温度差が大きい場合でも、障子閉鎖時に室内空間に位置する室内部材(室内側レール)での結露の発生が防止でき、窓枠の断熱性能を高めることができるようになっている。
また、特許文献1に記載された建具では、下枠における室内外の障子の召合せ部に気密部材(風止板)が取り付けられており、この気密部材と、室内側レールの室外面、室外側レールの室内面、断熱部材の上面、および室内外のレールの間の凹溝部分とが密接し、かつ気密部材と室内外の障子とが摺接することで、障子閉鎖時における召合せ部の気密性、水密性を高めることができるようになっている。
このような構成によれば、第1の下枠における室内外のレール間の凹部底面に露出する断熱部材を中間カバー部材で覆うことで、断熱部材の劣化を防ぐとともに、第1の下枠の意匠性を向上させることができる。さらに、中間カバー部材を係止する中間係止部を室内側レールの基端部に形成することで、第2の下枠に中間カバー部材に取り付けることも可能になり、第1の下枠と第2の下枠との意匠を統一することができる。ここで、略同一形態の中間係止部としては、共通の中間カバー部材が係止できる程度に同一の形態に形成されたものであればよい。
このような構成によれば、第1の下枠および第2の下枠における室内部材の略同一見込み位置に載置片部を形成したことで、建物躯体との収まりを共通化することができ、下枠の設置作業の作業手順も共通化することで施工性を向上させることができる。ここで、略同一見込み位置の載置片部としては、建物躯体との収まりが共通化できる程度に同一の見込み位置に形成されたものであればよい。
このような構成によれば、第1の下枠および第2の下枠における室外部材に室内側レールに対して略同一見込み位置に固定片部を形成したことで、建物躯体との収まりを共通化することができ、下枠の設置作業の作業手順も共通化することで施工性を向上させることができる。また、第1の下枠の固定片部を、室外部材における断熱部材との連結部から下方に延びるとともに室内側に折れ曲がって断熱部材の下方に形成し、第2の下枠の固定片部を、室外部材における断熱部材との連結部から下方に延びるとともに室外側に折れ曲がって断熱部材よりも室外側下方に形成したことで、断熱部材の位置が相違する第1および第2の下枠において、略同一の見込み位置に固定片部を形成することができる。ここで、略同一見込み位置の固定片部としては、建物躯体との収まりが共通化できる程度に同一の見込み位置に形成されたものであればよい。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である第1の引違い窓1を示す縦断面図である。図2は、引違い窓1を示す横断面図である。図3は、引違い窓1の下枠12を拡大して示す縦断面図である。
図1〜図3において、引違い窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る建具である。
下枠12には、室内外の障子14A,14Bの戸車をそれぞれ案内する室内側レール121Aおよび室外側レール121Bが形成されている。室内側レール121Aは、室内部材12Aの室外側端部に位置した断熱部材12Cとの連結部121Aから上方に突出して形成され、室外側レール121Bは、室外部材12Bの室外側端部近傍位置から上方に突出して形成されている。これらの室内側レール121Aおよび室外側レール121Bは、互いの上端が略同一高さ位置に設けられており、つまり上面略フラットな下枠12が構成されるようになっている。また、下枠12には、室内側レール121Aよりも室内側の室内部材12A上面を覆う室内側カバー部材12Dと、室内側レール121Aと室外側レール121Bとの間隔部分(断熱部材12Cおよび中間底面部123Bで構成された凹部底面)の上面を覆う中間カバー部材12Eとが、それぞれ着脱可能に取り付けられている。
図4〜図6において、引違い窓2は、前記第1の引違い窓1と同様に、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る建具である。
下枠22には、室内外の障子24A,24Bの戸車をそれぞれ案内する室内側レール221Bおよび室外側レール222Bが形成されている。室内側レール221Bは、室外部材22Bの室内側端部に位置した断熱部材22Cとの連結部223Bから上方に突出して形成され、室外側レール222Bは、室外部材22Bの室外側端部近傍位置から上方に突出して形成されている。これらの室内側レール221Bおよび室外側レール222Bは、互いの上端が略同一高さ位置に設けられており、つまり上面略フラットな下枠22が構成されるようになっている。また、下枠22には、室内側レール221Bよりも室内側の室内部材22Aおよび断熱部材22C上面を覆う室内側カバー部材22Dが、着脱可能に取り付けられている。また、下枠22の室外側側面には、図4に示すように排水部材(排水弁)22Fが取り付けられ、下枠22における召合せ部には、気密部材としての風止板22Gが取り付けられている。これらの室内側カバー部材22D、排水部材22Fおよび風止板22Gは、それぞれ前記室内側カバー部材12D、排水部材12Fおよび風止板12Gと同一形態の部材である。
先ず、下枠12の室内側レール121Aと室外側レール121Bとの見込み方向間隔寸法L1と、下枠22の室内側レール221Bと室外側レール222Bとの見込み方向間隔寸法L2とは、同一寸法に設定されている。
さらに、下枠12の室内側レール121A上端と、下枠22の室内側レール221B上端とは、床面に対して同一高さ位置に設定されている。また、下枠12の室外側レール121B上端と、下枠22の室外側レール222B上端とは、床面に対して同一高さ位置に設定されている。
以上により、第1の引違い窓1と第2の引違い窓2とにおいて、互いの障子14,24が双方の窓枠10,20に建て込み可能になっている。
以上により、第1の引違い窓1と第2の引違い窓2とにおいて、下枠12,22の召合せ部に取り付ける風止板12G,22Gが共通化できるようになっている。
また、下枠12の室外部材12Aに形成された網戸レール127Bと、下枠22の室外部材22Bに形成された網戸レール228Bとは、互いの見込み位置および高さ位置が同一に設定されている。
以上により、第1の引違い窓1と第2の引違い窓2とにおいて、互いの網戸19,29が双方の窓枠10,20に建て込み可能になっている。
また、下枠12の室内部材12Aに形成された第1および第2載置片部125A,126Aと、下枠22の室内部材22Aに形成された第1および第2載置片部224A,225Aとは、各々の先端(下端)高さ位置および見込み位置が同一に設定されている。
また、下枠12の室外部材12Bに形成された固定片部125Bと、下枠22の室外部材22Bに形成された固定片部226Bとは、外壁に対する固定位置における先端高さ位置および見込み位置が同一に設定されている。
以上により、第1の引違い窓1と第2の引違い窓2とにおいて、窓枠10,20を固定する床材や建物躯体、外壁との取り合いが共通化できるようになっている。
以上により、第1の引違い窓1と第2の引違い窓2とにおいて、室内側カバー部材12D,22Dが共通化できるようになっている。さらに、第1の下枠12に取り付けられる中間カバー部材12Eを、第2の下枠22の室内側レール121Aと室外側レール121Bとの間隔部分にも取り付けることができるようになっている。
また、下枠12の室外部材12Bに形成された下枠中空部128Bと略同一形態となるように、下枠22の室外部材22Bにおける中間底面部224B、下枠底面部225B、固定片部226Bおよび下枠前面部227Bで囲まれた内部に下枠中空部(不図示)が形成されている。
さらに、下枠12の室外部材12Bに形成された2箇所のビスホール129Bと同一高さ位置かつ同一見込み位置となるように、下枠22の室外部材22Bにおける下枠底面部225Bと固定片部226Bとの交差位置、および中間底面部224Bと下枠前面部227Bとの交差位置にビスホール(不図示)が形成されている。
以上により、第1の引違い窓1と第2の引違い窓2とにおいて、縦枠13,23と下枠12,22とを相互に組み替えて固定できるようになっている。
(1)すなわち、第1および第2の下枠12,22のいずれの下枠においても、室内側レール121A,221B同士の上端高さ位置および見込み位置と、室外側レール121B,222B同士の上端高さ位置および見込み位置とが同一に設定されているので、窓枠10,20のいずれにも障子14,24が建て込み可能にできる。さらに、室内側レール121A,221Bと室外側レール121B,222Bとの間隔寸法L1,L2が同一に設定され、凹部底面の形態が同一に設定されているので、共通の風止板12G,22Gが利用できて部品点数を削減することができる。そして、下枠12,22に設ける連通孔や水抜き孔、部品取付用の孔などの位置も同一にすることができ、これらの各孔を加工するための加工工程や加工装置も共通化することができる。
例えば、前記実施形態においては、室内外一対の障子14,24として室内側障子14A,24Aと室外側障子14B,24Bとの2枚の障子を有した引違い窓1,2を例示して説明したが、本発明の建具はこのような引違い窓1,2に限られない。すなわち、本発明の建具は、3枚以上の障子を有する3枚建てや4枚建ての引違い窓でもよく、また、前記実施形態における室内外のいずれか一方の障子が窓枠に固定された片引き窓でもよい。
また、前記実施形態の引違い窓1,2では、縦枠13,23がアルミ形材製の本体13A,23Aと樹脂製の室内部材13B,23Bとを有して構成されていたが、これに限らず、上枠や下枠と同様にアルミ形材製の室内部材および室外部材と樹脂製の断熱部材とを有して縦枠が構成されていてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (3)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持される少なくとも室内外一対の障子とを備えた建具であって、
前記下枠には、前記室内側の障子を案内する室内側レールと、前記室外側の障子を案内する室外側レールとが設けられており、
前記下枠は、
前記室内側レールを有した金属製室内部材と、前記室外側レールを有した金属製室外部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する樹脂製断熱部材とを備えた第1の下枠、および、
前記室内側レールおよび室外側レールを有した金属製室外部材と、この室外部材よりも室内側に位置する金属製室内部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する樹脂製断熱部材とを備えた第2の下枠、
のいずれか一方で構成され、
前記第1の下枠および第2の下枠において、互いの前記室内側レールの上端が略同一高さ位置とされ、かつ互いの室外側レールの上端が略同一高さ位置とされるとともに、当該室内側レールと室外側レールとの間隔寸法が略同一寸法とされ、当該室内側レールと室外側レールとの間隔部分の凹部底面が略同一形態とされ、
前記第1の下枠および第2の下枠のうち、少なくとも第1の下枠における室内側レールと室外側レールとの間隔部分には、前記凹部底面を覆う断熱性能を有した中間カバー部材が着脱可能に設けられるとともに、召合せ部に気密部材が設けられ、
前記第1の下枠および第2の下枠において、前記室内側レールの基端部には、前記中間カバー部材を係止する略同一形態の中間係止部が屋内側に凹んだ溝状に形成され、
前記中間カバー部材は、前記室内側レールと前記室外側レールとの間に渡って前記凹部底面を覆う上面部と、この上面部の室内側端部から下方に延びて前記中間係止部に係止される被係止片部と、前記上面部の室外側端部から下方に延びて前記凹部底面と前記室外側レールとの交差部分に当接される当接片部とを有して形成され、
前記気密部材は、前記室内側レールの室外側側面と、前記凹部底面の上面と、前記室外側レールの室内側側面とにそれぞれ密接するとともに、前記中間カバー部材における長手方向の召合せ部側端縁に当接して設けられ、
前記第1の下枠および第2の下枠には、それぞれ前記室内側レールの基端部から室内側に延びる段付き状の室内側底面部と、この室内側底面部の室内側端部から前記室内側レールに対向して上下に延びかつ上端側が室内側に延びて内装材と連結される連結片部とが設けられ、
前記第1の下枠および第2の下枠において、互いの前記連結片部が略同一形態とされ、かつ当該連結片部と前記室内側レールとの間隔寸法が略同一寸法とされ、
前記第1の下枠および第2の下枠のうち、少なくとも一方の下枠における室内側レールと前記連結片部との間隔部分には、断熱性能を有した室内側カバー部材が着脱可能に設けられ、
室内側カバー部材は、前記連結片部の上面を覆う第1上面部と、前記室内側レールと前記連結片部との間隔部分上方を覆う第2上面部と、この第2上面部から下方に延びる被係止片部とを有して形成され、
前記第1の下枠および第2の下枠において、前記室内側底面部における段付き部上面室外側には、前記室内側カバー部材の被係止片部を係止する略同一形態の室内側係止部が形成されている建具。 - 前記第1の下枠および第2の下枠の前記室内部材には、それぞれ下方に延びて建物躯体に載置される載置片部が形成され、
前記第1の下枠および第2の下枠において、互いの前記載置片部が前記室内側レールに対して略同一見込み位置に形成されている請求項1に記載の建具。 - 前記第1の下枠における前記室外部材には、前記断熱部材との連結部から下方に延びるとともに室内側に折れ曲がって当該断熱部材の下方に位置し、建物躯体に固定される固定片部が設けられ、
前記第2の下枠における前記室外部材には、前記断熱部材との連結部から下方に延びるとともに室外側に折れ曲がって当該断熱部材よりも室外側下方に位置し、建物躯体に固定される固定片部が設けられ、
前記第1の下枠および第2の下枠において、互いの前記固定片部が前記室内側レールに対して略同一見込み位置に形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
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