JP2017061834A - 建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から加工を施すことなく、内部に断熱材を簡易な構成で位置決めすることができる建具を提供する。【解決手段】建具1は、建築物の開口部に取り付けられる枠体10と、枠体10に支持されている框体20にパネル21が保持された障子2と、を備えた建具であって、枠体10及び框体20の少なくとも一方に、中空状に形成されたホロー部Hと、ホロー部Hの内部に配置された断熱材200と、ホロー部Hの内部に配置され、断熱材200を位置決めする位置決め部材250と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の開口部に設けられる建具に関するものである。
従来から、構造物の開口部に設けられるサッシ(建具)には、断熱性能を確保するために断熱材が設けられている。例えば、窓枠や障子の框等の枠材の内部にフェノールフォームからなる断熱材が嵌めこまれているものが知られている(下記特許文献1参照)。また、枠材の内部にウレタンからなる断熱材が注入され、この断熱材が枠材に形成された突起に嵌合保持されているものが知られている(下記特許文献2参照)。
また、枠材の内部にフェノールフォーム等の断熱材を配置し、枠材の外側からタッカーやビス等の固定具を貫通させて、固定具により断熱材を枠材の内部に固定することがある。
特開2015−78574号公報 特開平9−296659号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された建具では、断熱材は枠材の内部に嵌め込まれているだけであるため、枠材の内部で断熱材ががたついてしまう可能性がある。
また、特許文献2に記載された建具では、枠材にウレタンを保持するための突起を形成する必要があるため、枠材の構成が複雑になるという問題点がある。
また、上記に示すように、フェノールフォーム等の断熱材を枠材の外側から固定具で固定すると、枠材に固定具が貫通する孔が生じてしまうとともに、外観上好ましくないという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外部から加工を施すことなく、内部に断熱材を簡易な構成で位置決めすることができる建具を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る建具は、枠体と、該枠体に支持されている框体にパネルが保持された障子と、を備えた建具であって、前記枠体及び前記框体の少なくとも一方に、中空状に形成されたホロー部と、該ホロー部の内部に配置された断熱材と、前記ホロー部の内部に配置され、前記断熱材を位置決めする位置決め部材と、を備えることを特徴とする。
このように構成された建具では、枠体及び框体の少なくとも一方において中空状に形成されたホロー部の内部には、断熱材及び断熱材を位置決めする位置決め部材が配置されている。よって、外部から加工を施すことなく、且つホロー部の内部に位置決め部材を配置するだけという簡易な構成で、ホロー部の内部に断熱材を位置決めすることができる。
また、本発明に係る建具は、前記障子の下部に配置される前記枠体の下枠及び前記障子の下部に配置された前記框体の下框の少なくとも一方には、前記ホロー部が形成されるとともに、前記断熱材が前記位置決め部材よりも上側に配置されていることが好ましい。
このように構成された建具では、下枠及び下框の少なくとも一方に形成されたホロー部の内部では、断熱材が位置決め部材よりも上側に配置されている。これにより、断熱材と下枠(下框)の下部との間には、空間部が形成される。よって、下枠及び下框の少なくとも一方のホロー部内に浸入した雨水や結露した水は、当該空間部を通過し、適切に排水される。
また、本発明に係る建具では、前記断熱材は、前記位置決め部材よりも室内側に配置されていてもよい。
このように構成された建具では、断熱材が位置決め部材よりも室内側に配置されているため、断熱性能を高めることができる。
また、本発明に係る建具では、前記位置決め部材は、前記断熱材の長手方向に離間して複数箇所に設けられていてもよい。
このように構成された建具では、位置決め部材が断熱材の長手方向に離間して複数箇所に設けられているため、ホロー部内に断熱材を挿入する際に、位置決め部材が滑って所定の位置からずれたとしても、複数箇所の位置決め部材で断熱材を確実に支持することができる。
本発明に係る建具によれば、外部から加工を施すことなく、内部に断熱材を簡易な構成で位置決めすることができる。
本発明の一実施形態に係る建具の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る建具の横断面図である。 本発明の一実施形態に係る建具における断熱材及び位置決め部材の配置を示すために、障子の下部を正面から見た図である。
以下、本発明の建具の一実施形態として、横辷り出し窓を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る横辷り出し窓の縦断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る横辷り出し窓の横断面図である。
図1及び図2に示すように、横辷り出し窓1は、枠(枠体)10と、枠10の内部に開閉可能に設置された障子2と、を備えている。
枠10は、見付け方向M1に延在する上枠10A及び下枠10Bと、上枠10Aと下枠10Bとの両端部どうしを連結する縦枠10C,10Cと、を有している。上枠10A、下枠10B及び縦枠10Cは、樹脂製の中空構造で形成されている。
上枠10A、下枠10B及び縦枠10Cには、それぞれ障子2と対向する面10A1,10B1,10C1に、障子2の後述する上框20A、下框20B及び縦框20Cとそれぞれ密着するように枠側気密材11が設けられている。これにより、気密性が高められるとともに、風雨の室内側X2への浸入を阻止される。
障子2は、見付け方向M1に延在する上框20A及び下框20Bと、上框20A及び下框20Bとの両端部どうしを連結する縦框20C,20Cと、上框20A、下框20B、縦框20Cの内側に配置されるガラス(パネル)21と、を有している。本実施形態では、ガラス21は、その内部に五層のガラスが配置された複層ガラスとされている。以下の説明において、上框20A、下框20B及び縦框20Cの総称として、框(框体)20と称することがある。
上框20A、下框20B及び縦框20Cは、樹脂製の中空構造で形成されている。上框20A、下框20B及び縦框20Cの室内側X2の端部には、ガラス21側に向かって延び、ガラス21の端部が支持するガラス支持部31が設けられている。また、上框20A、下框20B及び縦框20Cの室外側X1におけるガラス21に対向する面には、ガラス21から離間する方向に向かって凹む凹部32が形成されている。凹部32には、ガラス21の端部が支持する押し縁33が嵌め込まれている。ガラス21は、ガラス支持部31と押し縁33との間で固定されている。
上框20A、下框20B及び縦框20Cには、それぞれ枠10と対向する面20A1,20B1,20C1に、上枠10A、下枠10B及び下枠10Bとそれぞれ密着するように框側気密材36が設けられている。これにより、気密性が高められるとともに、風雨の室内側X2への浸入を阻止される。
また、上框20Aの上端部、下框20Bの下端部及び縦框20Cの側部において、それぞれ上枠10A、下枠10B及び縦枠10Cと対向する壁部20A2,20B2,20C2には、パッキン100が設けられている。パッキン100は、各框側気密材36よりも室外側X1に配置されている。
上框20Aの壁部20A2、下框20Bの壁部20B2及び縦框20Cの壁部20C2には、それぞれ取付穴40が各框20の長手方向に沿って形成されている。
この取付穴40に、各框20の長手方向に沿って延びるパッキン100が嵌め込まれている。パッキン100は、取付穴40に嵌め込まれた嵌合部110と、嵌合部110から対向する枠10側に向かうにしたがって次第に室外側X1に延びるように形成された羽根部120と、を有している。通常の状態では、羽根部120の先端部120Aは、対向する枠10と離間して配置されている。本実施形態では、パッキン100は、シリコン等の弾性変形可能な材料により構成されている。
次に、上記の枠10及び框20にそれぞれ配置された断熱材200及び断熱材200を位置決めする位置決め部材250について説明する。
上枠10A、下枠10B、縦枠10C、上框20A、下框20B及び縦框20Cにおいて、複数の中空状に形成されたホロー部Hには、断熱材200及び位置決め部材250が配置されている。なお、ホロー部H、断熱材200、位置決め部材250の符号は、それぞれ後述するホロー部10AH1,20AH1等、断熱材200A1,200A2等、位置決め部材250A1,250A2等のそれぞれ総称である。
断熱材200は、本実施形態では、フェノールフォーム等の断熱性能の高い樹脂材料により構成されている。断熱材200は、配置される枠10や框20の延在方向に沿って長尺状に形成されている。
位置決め部材250は、本実施形態では、スポンジやゴム等の弾性部材により構成され、直方体状に形成されている。
図1に示す上枠10Aのホロー部10AH1,10AH2では、見付け方向M1に延びる断熱材200A1,200A2が、ホロー部Hの上側の壁部10A2に沿って配置されている。位置決め部材250A1,250A2は、ホロー部10AH1,10AH2の下側の壁部10A3に沿って、断熱材200A1,200A2における横辷り出し窓1の見付け方向M1の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200A1,200A2は、ホロー部10AH1,10AH2の上側の壁部10A2と位置決め部材250との間に、弾性部材からなる位置決め部材250により押圧されつつ位置決めされている。また、断熱材200A1,200A2は、ホロー部10AH1,10AH2内で室内側X2に寄せて配置されている。
下枠10Bの室外側X1のホロー部10BH1では、見付け方向M1に延びる断熱材200B1が、ホロー部10BH1の上側の壁部10B2に沿って配置されている。位置決め部材250B1は、ホロー部10BH1の下側の壁部10B3に沿って、断熱材200B1における横辷り出し窓1の見付け方向M1及び見込み方向M2の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200B1は、ホロー部10BH1の上側の壁部10B2と位置決め部材250B1との間に、弾性部材からなる位置決め部材250B1により押圧されつつ位置決めされている。また、ホロー部10BH1の内部には、断熱材200B1と下側の壁部10B3との間に、横辷り出し窓1の見付け方向M1に延びる排水空間S1が形成されている。また、ホロー部10BH1の室外側X1の壁部10B4には、図示しない排水孔が形成され、排水孔にはキャップ10Kが嵌め込まれている。これにより、ホロー部10BH1内に浸入した雨水や結露した水は、この排水空間S1を流通し、キャップ10Kを外すと、排水孔から排水される。また、断熱材200B1は、ホロー部10BH1内で室内側X2に寄せて配置されている。
下枠10Bの室内側X2のホロー部10BH2では、見付け方向M1に延びる断熱材200B2が、ホロー部10BH2の上側の壁部10B5に沿って配置されている。位置決め部材250B2は、ホロー部10BH2の下側の壁部10B3に沿って、断熱材200B2における横辷り出し窓1の見付け方向M1及び見込み方向M2の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200B2は、ホロー部10BH2の上側の壁部10B5と位置決め部材250B2との間に、弾性部材からなる位置決め部材250B2により押圧されつつ位置決めされている。また、ホロー部10BH2の内部には、断熱材200B2と下側の壁部10B3との間に、横辷り出し窓1の見付け方向M1に延びる排水空間S2が形成されている。また、断熱材200B2は、ホロー部10BH2内で室内側X2に寄せて配置されている。
図2に示す縦枠10Cのホロー部10CH1では、上下方向に延びる断熱材200C1が、ホロー部10CH1の室内側X2の壁部10C2に沿って配置されている。位置決め部材250C1は、ホロー部10CH1の室外側X1の壁部10C3に沿って、断熱材200C1の上下方向の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200C1は、ホロー部10CH1の室内側X2の壁部10C2と位置決め部材250C1との間に、弾性部材からなる位置決め部材250C1により押圧されつつ位置決めされている。
図1に示す上框20Aのホロー部20AH1では、見付け方向M1に延びる断熱材200A3が、ホロー部20AH1の下側の壁部20A3に沿って配置されている。位置決め部材250A3は、ホロー部20AH1の上側の壁部20A4に沿って、断熱材200A3における横辷り出し窓1の見付け方向M1の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200A3は、ホロー部20AH1の下側の壁部20A3と位置決め部材250A3との間に、弾性部材からなる位置決め部材250A3により押圧されつつ位置決めされている。また、断熱材200A3は、ホロー部20AH1内で室内側X2に寄せて配置されている。
図3は、横辷り出し窓1における断熱材200及び位置決め部材250の配置を示すために、障子2の下部を正面から見た図である。
図1及び図3に示すように、下框20Bのホロー部20BH1では、見付け方向M1に延びる断熱材200B3が、ホロー部20BH1の上側の壁部20B3に沿って配置されている。位置決め部材250B3は、ホロー部20BH1の下側の壁部20B4に沿って、断熱材200B3における横辷り出し窓1の見付け方向M1の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200B3は、ホロー部20BH1の上側の壁部20B3と位置決め部材250B3との間に、弾性部材からなる位置決め部材250B3により押圧されつつ位置決めされている。
図2及び図3に示すように、縦框20Cのホロー部20CH1では、上下方向に延びる断熱材200C2が、ホロー部20CH1の室内側X2の壁部(面)20C1に沿って配置されている。位置決め部材250C2は、ホロー部20CH1の室外側X1の壁部20C3に沿って、断熱材200C2の上下方向の両端部にそれぞれ設けられている。これにより、断熱材200C2は、ホロー部20CH1の室内側X2の壁部20C1と位置決め部材250C2との間に、弾性部材からなる位置決め部材250により押圧されつつ位置決めされている。
また、框20において、縦框20Cと下框20Bとの接合部分P及び縦框20Cと上框20Aの接合部分(不図示)には、断熱材200及び位置決め部材250は配置されていない。このため、縦框20Cと下框20B(上框20A)とを溶着して障子2を製造することができる。
上記の横辷り出し窓1では、ホロー部H内において、所定の位置に位置決め部材250を配置した後に、ホロー部Hの長手方向の一方側から断熱材200を位置決め部材250に沿って挿入するようにして、断熱材200及び位置決め部材250をホロー部H内に配置する。あるいは、ホロー部Hの長手方向の一方側から断熱材200を挿入して後に、所定の位置に位置決め部材250を配置してもよい。
このように構成された横辷り出し窓1では、枠10及び框20の中空状に形成されたホロー部Hの内部には、断熱材200及び位置決め部材250が配置されている。位置決め部材250が断熱材200をホロー部Hの壁部に向かって押圧するため、外部から加工を施すことなく、且つホロー部Hの内部に位置決め部材250を配置するだけという簡易な構成で、ホロー部Hの内部に断熱材200を位置決めすることができる。
また、下枠10Bのホロー部10BH1,10BH2では、断熱材200B1,200B2が位置決め部材250B1,250B2よりも上側に配置されている。これにより、断熱材200B1,200B2と下枠10Bの壁部10B3との間には、排水空間S1,S2が形成される。よって、下枠10Bのホロー部10BH1,10BH2内に浸入した雨水や結露した水は、排水空間S1,S2を通過し、排水孔から適切に排水される。
また、ホロー部Hにおいて、断熱材200は位置決め部材250よりも室内側X2に配置されているため、断熱性能を高めることができる。
また、位置決め部材250は断熱材200の長手方向に離間して2箇所に設けられているため、ホロー部H内に断熱材200を挿入する際に、位置決め部材250が滑って所定の位置からずれたとしても、2箇所の位置決め部材250で断熱材200を確実に支持することができる。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態において、断熱材200及び位置決め部材250が枠10及び框20の両方に設けられているが、本発明はこれに限られず、枠10及び框20の少なくとも一方に設けられていればよい。また、上枠10A、下枠10B及び縦枠10Cのうち所望の部分にのみ設けられていてもよいし、上框20A、下框20B及び縦框20Cのうち所望の部分にのみ設けられていてもよい。
また、上記に示す実施形態において、断熱材200はホロー部Hの室内側X2に配置されているが、本発明はこれに限られず、室外側X1に配置されていてもよい。
また、上記に示す実施形態において、位置決め部材250は断熱材200の長手方向に離間して2箇所に設けられているが、本発明はこれに限られず、3箇所以上であってもよいし、1箇所のみであってもよい。1箇所の場合には、断熱材200の長手方向の中央付近に設けることが好ましい。
また、上記に示す実施形態において、位置決め部材250は、直方体状に形成されているが、本発明はこれに限られず、球形や所望の形状であってよい。あるいは、断熱材200の延在方向に沿って延びるように長尺状に形成されていてもよい。
また、上記に示す実施形態において、横辷り出し窓1を例に挙げてについて説明したが、本発明はこれに限られず、他の窓について適用可能である。
1…横辷り出し窓(建具)
2…障子
10…枠(枠体)
10A…上枠
10B…下枠
10C…縦枠
20…框(框体)
20A…上框
20B…下框
20C…縦框
21…ガラス(パネル)
33…押し縁
36…框側気密材
40…取付穴
100…パッキン
110…嵌合部
120…羽根部
200…断熱材
250…位置決め部材
H…ホロー部
M1…見付け方向
M2…見込み方向
S1,S2…排水空間
X1…室外側
X2…室内側

Claims (4)

  1. 枠体と、
    該枠体に支持されている框体にパネルが保持された障子と、を備えた建具であって、
    前記枠体及び前記框体の少なくとも一方に、中空状に形成されたホロー部と、
    該ホロー部の内部に配置された断熱材と、
    前記ホロー部の内部に配置され、前記断熱材を位置決めする位置決め部材と、を備えることを特徴とする建具。
  2. 前記障子の下部に配置される前記枠体の下枠及び前記障子の下部に配置された前記框体の下框の少なくとも一方には、前記ホロー部が形成されるとともに、前記断熱材が前記位置決め部材よりも上側に配置されている請求項1に記載の建具。
  3. 前記断熱材は、前記位置決め部材よりも室内側に配置されている請求項1または2に記載の建具。
  4. 前記位置決め部材は、前記断熱材の長手方向に離間して複数箇所に設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の建具。
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