JPH10280811A - 断熱サッシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室外側樹脂部材を障子閉鎖区間にのみ取付る
下枠材の断熱サッシを提供することにある。 【解決手段】 窓枠１の下枠材１Ｂを、内外レールＢ
３，Ｂ４を有する下枠用金属部材２と、内レールＢ３よ
り室内側に係止する室内側樹脂部材３Ｂと、内外レール
Ｂ３，Ｂ４間に係止する室外側樹脂部材３ｂとから構成
する下枠材１Ｂにおいて、室内側樹脂部材３Ｂを窓枠１
の開口区間Ｌの全区間に設け、室外側樹脂部材３ｂを外
障子閉鎖側の略半区間ｗに設け、該室外側樹脂部材３ｂ
に排水孔１３を穿設し、一端部を縦枠材１Ｃに、他端部
を開口区間Ｌの中間位置に取付ける水止板８に浮上不能
に夫々係止する。水止板８は内外レールＢ３，Ｂ４に係
止して浮上不能となる係止部８１，８２と、室外側樹脂
部材３ｂの一端部に係止する浮上防止部８３を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、窓枠材を金属枠
部材と樹脂枠部材から構成する障子引違い式断熱サッシ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】断熱サッシは障子の閉鎖状態において、
屋外から屋内へ、且つ屋内から屋外へ向かって密閉性を
維持しながらも断熱効果を持つものでなければならな
い。断熱サッシの構造として、窓枠材と内外障子の框材
を夫々断熱材で形成するものが知られている。（例えば
実開昭６２−１３３８２３号公報、実開平１−１５０７
９１号公報） また窓枠材や框材を金属室内部材と金属室外部材に分離
し、その部材間に熱伝導率の低い硬質合成樹脂の断熱材
を介在して一体化する複合材も知られている。（例えば
実開昭５９−１５７０８２号公報、実開昭６２−１１９
９６号公報） 更に窓枠材や框材を、金属室外部材と樹脂室内部材の嵌
合係止により構成する複合材も知られている。（例えば
特開昭５９−１０６８５号公報）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】断熱サッシの窓枠にお
いて、下枠材を構成する枠用樹脂部材を、室内側樹脂部
材と室外側樹脂部材とに分けて構成した場合、両樹脂部
材を窓枠の開口区間の全区間に取付けても、室外側樹脂
部材の障子開放区間には、太陽光線が照射し、雨風が吹
付けるので、室外側樹脂部材を障子開放区間まで取付け
ても断熱効果は望めず、その分、高価になる問題点があ
った。室外側樹脂部材を障子閉鎖区間にのみ取付ければ
上記の問題点は解決するが、室外側樹脂部材を障子閉鎖
区間にのみ取付けた場合、室外側樹脂部材を何等可の手
段で固定しないと、雨風によって浮上する問題点があっ
た。そこでこの発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、室外側樹脂部材を障子閉鎖区間にのみ取付る下枠
材の断熱サッシを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による断熱サッシは、窓枠の下枠材を、内外
レールを有する下枠用金属部材と、内レールより室内側
に係止する室内側樹脂部材と、内外レール間に係止する
室外側樹脂部材とから構成する下枠材において、室内側
樹脂部材を窓枠の開口区間の全区間に設け、室外側樹脂
部材を開口区間の略半区間に設け、該室外側樹脂部材の
一端部を縦枠材に、他端部を開口区間の中間位置に取付
ける水止板に浮上不能に係止する。下枠材の内外レール
間に嵌め込む水止板に、内外レールに係止して浮上不能
となる係止部と、室外側樹脂部材の一端部に係止するす
る浮上防止部とを設け、室外側樹脂部材に排水孔を穿設
し、室外側樹脂部材を障子閉鎖区間の略半区間に設け
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】先ず本発明による障子引違い式断
熱サッシを図１と図２の実施形態に基づき説明すれば、
窓枠１を構成する上枠材１Ａと下枠材１Ｂ、及び左右縦
枠材１Ｃ，１Ｄの夫々が、枠用金属部材２と枠用樹脂部
材３から構成され、その内、下枠材１Ｂを内外レールＡ
３，Ａ４を有する下枠用金属部材２と、内レールＡ３よ
り室内側に係止する室内側樹脂部材３Ｂと、内外レール
Ａ３，Ａ４間に係止する室外側樹脂部材３ｂとから構成
し、室内側樹脂部材３Ｂを窓枠開口区間Ｌに設け、室外
側樹脂部材３ｂを開口区間Ｌの略半区間ｗに設け、該室
外側樹脂部材３ｂの一端部を縦枠材に、他端部を開口区
間Ｌの中間位置に取付ける水止板８に浮上不能に係止す
る。

【０００６】

【実施例】上枠材１Ａを構成する上枠用金属部材２Ａ
は、図３の如く建物に固定する取付壁Ａ１の中間部より
室外に向けて庇壁Ａ２を下降傾斜し、庇壁Ａ２の下部に
内レールＡ３と外レールＡ４を設け、取付壁Ａ１より室
内側に接合壁Ａ５を突出している。上枠材１Ａを構成す
る上枠用樹脂部材３は、上枠用金属部材２Ａの室内側に
取付ける室内側樹脂部材３Ａと、室外側樹脂部材３ａに
分離され、その内、室内側樹脂部材３Ａは金属部材接合
壁Ａ５の内周側に相対する主壁ａ１に、接合壁Ａ５に係
止する係合部ａ５と内レールＡ３に係止する補助レール
ａ３を設け、室外側樹脂部材３ａは上枠用金属部材２Ａ
の庇壁Ａ２下部に当接する主壁ａ２に、取付壁Ａ１に係
止する係止片ａ６と、外レールＡ４に係止する補助レー
ルａ４、及び風止板９の取付溝ａ７を有する。

【０００７】下枠材１Ｂを構成する下枠用金属部材２
は、図４の如く室内側金属部材２Ｂと室外側金属部材２
ｂを断熱材１２で連結するもので、室外側金属部材２ｂ
は取付壁Ｂ１より室外に向けて段状に低くなるレール支
持壁Ｂ２を突出し、該支持壁Ｂ２より上向きに内レール
Ｂ３と外レールＢ４を起立し、内外レールＢ３，Ｂ４は
上枠材１Ａの内外レールＡ３，Ａ４と相対するように起
立し、支持壁Ｂ２の室外側下部に取付壁Ｂ１と相対する
室外壁Ｂ５を設け、取付壁Ｂ１と室外壁Ｂ５の間に補強
壁Ｂ６を連続し、外レールＢ４の下部と支持壁Ｂ２の間
に排水口１４を設け、室内側金属部材２Ｂは室外側金属
部材２ｂの取付壁Ｂ１と相対する対向壁Ｂ７の上端より
室内側に踏板Ｂ８を突出している。レール支持壁Ｂ２は
室外に向けて下降傾斜する場合もある。

【０００８】下枠材１Ｂを構成する枠用樹脂部材３は、
前記下枠材１Ｂの内レールＢ３より室内側に取付ける室
内側樹脂部材３Ｂと、下枠材１Ｂの内外レールＢ３，Ｂ
４間に取付ける室外側樹脂部材３ｂに分離するもので、
その内、室内側樹脂部材３Ｂは下枠材１Ｂの取付壁Ｂ１
と内レールＢ３の間に当接する主壁ｂ１に、下枠材踏板
Ｂ８の上部にビス止めする天壁ｂ８と、内レールＢ３の
室内側に弾力的に係止する弾脚壁ｂ３を形成し、室外側
樹脂部材３ｂは下枠材１Ｂの内レールＢ３と外レールＢ
４の間に嵌め込みレール支持壁Ｂ２に当接する主壁ｂ２
に、外レールＢ４の室内側に弾力的に係止する弾脚壁ｂ
４と、内レールＢ３の室外側下部に係止する弾脚壁ｂ５
を設け、主壁ｂ２に排水孔１３を適宜穿設している。

【０００９】左縦枠材１Ｃを構成する縦枠用金属部材２
Ｃは、図５の如く建物に固定する取付壁Ｃ１より室外側
に側板壁Ｃ２を突出し、取付壁Ｃ１の内周側に連結部Ｃ
３を設け、側板壁Ｃ２の内周側に突条Ｃ４と戸当壁Ｃ５
を突設する。左縦枠材１Ｃを構成する縦枠用樹脂部材３
Ｃは、上記縦枠用金属部材２Ｃの取付壁Ｃ２に相対する
対向壁ｃ１の室外側に、連結部Ｃ３に係合着接する弾脚
片ｃ３を設け、対向壁ｃ１の内周側に突条ｃ２を突設す
る。右縦枠材１Ｄを構成する縦枠用金属部材２Ｄと縦枠
用樹脂部材３Ｄは、前記左縦枠材１Ｃと略左右対称を成
すので、詳細な説明を省略する。左縦枠材１Ｃの内周側
に、突条Ｃ４と突条ｃ２を利用して戸当りカバー１５を
係止することもある。

【００１０】水止板８は図７の如く、下枠材１Ｂの内外
レールＢ３，Ｂ４間のレール支持壁Ｂ２に嵌め込むもの
で、上面８ａが水平で、下面がレール支持壁Ｂ２に載置
するように湾曲し、室内縁と室外縁の上部に、内外レー
ルＢ３，Ｂ４に係止して浮上不能となる係止部８１，８
２を設け、左右の少なくも一方に、室外側樹脂部材３ｂ
の一端部に係止する浮上防止部８３を設け、上面８ａに
モヘア８４を取付けている。この水止板８は合成樹脂に
て形成するものである。

【００１１】内障子４と外障子５は図８と図９の如く、
框材を構成する上框４Ｅ，５Ｅと下框４Ｆ，５Ｆ、及び
竪框４Ｇ，５Ｇの夫々を、框用金属部材６とその室内側
に取付ける框用樹脂部材７から構成する一方、内障子召
合框４Ｈを召合框用樹脂部材７Ｈと、その内部に嵌挿す
る召合框用金属部材６Ｈから構成し、外障子召合框５Ｈ
を召合框用金属部材６Ｈと、その一部に嵌挿する召合框
用樹脂部材７Ｈから構成する。

【００１２】上框４Ｅ，５Ｅは図８（Ａ）（Ｂ）の如
く、上框用金属部材６Ｅと上框用樹脂部材７Ｅから構成
し、下框４Ｆ，５Ｆは図８（Ａ）（Ｃ）の如く下框用金
属部材６Ｆと下框用樹脂部材７Ｆから構成し、竪框４
Ｇ，５Ｇは図９（Ａ）〜（Ｃ）の如く竪框用金属部材６
Ｇと竪框用樹脂部材７Ｇから構成するもので、上框４
Ｅ，５Ｅと下框４Ｆ，５Ｆは略上下対称構造を成す。内
障子４の召合框４Ｈは図９（Ｂ）の如く、煙返しを有す
る召合框用樹脂部材７Ｈと、その内部に嵌挿する召合框
用金属部材６Ｈから構成し、外障子５の召合框５Ｈは図
９（Ａ）の如く、煙返しを有する召合框用金属部材６Ｈ
と、その室内側に取付ける召合框用樹脂部材７Ｈから構
成する。

【００１３】なお、本発明断熱サッシの枠用金属部材
２，２Ａ，２Ｂ，２ｂ，２Ｃ，２Ｄと框用金属部材６，
６Ｅ，６Ｆ，６Ｇ，６Ｈとして、例えばアルミニウム合
金の押出し型材を用い、枠用樹脂部材３，３Ａ，３ａ，
３Ｂ，３ｂ，３Ｃ，３Ｄと框用樹脂部材７，７Ｅ，７
Ｆ，７Ｇ，７Ｈとして、比較的熱伝導率の低い塩化ビニ
ル等の合成樹脂材の押出し型材を用いる。風止板９は図
６の如く、室外側樹脂部材３ａの取付溝ａ７に嵌め込む
板体９ａに、内外障子４，５の走行方向に交差するノレ
ン状の気密片９ｂを適宜間隔で垂下し、気密片９ｂを避
けた位置に取付孔９ｄを設け、気密片９ｂが切込み９ｃ
にて数分割するもので、ポリ塩化ビニルにて形成され、
召合框４Ｈ，５Ｈの重なり位置、即ち、開口区間Ｌの中
間部に取付ける。図中、１０は下枠材１Ｂの排水口１４
に取付ける排水弁で、排水弁１０は排水口１４の室外側
から嵌込むもので、外レールＢ４より室内側のレール支
持壁Ｂ２上部に溜まった雨水の水圧にて自動的に開放揺
動し、自重と外圧によって自動的に閉鎖する。

【００１４】

【発明の効果】本発明による断熱サッシは上記構造のと
おりであるから、次に記載する効果を奏する。下枠材の
内レールより室内側に係止する室内側樹脂部材を、窓枠
開口区間の全区間に設け、内外レール間に係止する室外
側樹脂部材を、外障子閉鎖側の略半区間に設けるもので
あるから、残り略半区間の材料を節約し、その分だけ安
価に提供し得るし、下枠材の掃除も容易になる。しかも
室外側樹脂部材の一端部を縦枠材に、他端部を開口区間
の中間位置に取付ける水止板に係止するので、例え風圧
を受けても浮上することがないし、室外側樹脂部材に雨
水が流れ込んでも、排水孔を穿設しているので、素早く
排出し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による断熱サッシの要部構造を示す縦断
面図である。

【図２】その横断面図である。

【図３】上枠材の構造例を示す分解側面図である。

【図４】下枠材の構造を分解して示す一部切欠側面図で
ある。

【図５】縦枠材の構造例を示す分解側面図である。

【図６】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）風止板の平面図と側面図、
及びその使用例を示す要部断面図である。

【図７】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）水止板の正面図と側面図、
及びその使用例を示す要部断面図である。

【図８】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）障子の縦断面図と上下框の
構造例を示す分解断面図である。

【図９】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）室内障子と室外障子の横断
面図、及び竪框の構造例を示す分解断面図である。

【符号の説明】 １ 窓枠 １Ａ 上枠材、１Ｂ 下枠材、１Ｃ，１Ｄ 縦枠材 ２，２Ａ，２Ｂ，２ｂ，２Ｃ，２Ｄ 枠用金属部材 ３，３Ａ，３ａ，３Ｂ，３ｂ，３Ｃ，３Ｄ 枠用樹脂部
材 Ａ３，Ａ４，Ｂ３，Ｂ４ レール、ａ３，ａ４ 補助レ
ール ４ 内障子 ５ 外障子 ４Ｅ，５Ｅ 上框、４Ｆ，５Ｆ 下框、４Ｇ，５Ｇ 竪
框 ４Ｈ，５Ｈ 召合框 ６，６Ｅ，６Ｆ，６Ｇ，６Ｈ 框用金属部材 ７，７Ｅ，７Ｆ，７Ｇ，７Ｈ 框用樹脂部材 ８ 水止板 ９ 風止板 １０ 排水弁、１２ 断熱材、１４ 排水口、１５ 戸
当りカバー Ｔ タイト材、Ｓ シール材 Ｌ 窓枠の開口区間、ｗ 半区間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓枠（１）の下枠材（１Ｂ）を、内外レ
   ール（Ｂ３，Ｂ４）を有する下枠用金属部材（２）と、
   内レール（Ｂ３）より室内側に係止する室内側樹脂部材
   （３Ｂ）と、内外レール（Ｂ３，Ｂ４）間に係止する室
   外側樹脂部材（３ｂ）とから構成する下枠材（１Ｂ）に
   おいて、室内側樹脂部材（３Ｂ）を窓枠開口区間（Ｌ）
   に設け、室外側樹脂部材（３ｂ）を開口区間（Ｌ）の略
   半区間（ｗ）に設け、該室外側樹脂部材（３ｂ）の一端
   部を縦枠材（１Ｃ）に、他端部を開口区間（Ｌ）の中間
   位置に取付ける水止板（８）に浮上不能に夫々係止する
   断熱サッシ。
2. 【請求項２】 水止板（８）は下枠材（１Ｂ）の内外レ
   ール（Ｂ３，Ｂ４）間に嵌め込んだ時、内外レール（Ｂ
   ３，Ｂ４）に浮上不能に係止する係止部（８１，８２）
   と、室外側樹脂部材（３ｂ）の一端部に係止する浮上防
   止部（８３）とを有する請求項１記載の断熱サッシ。
3. 【請求項３】 室外側樹脂部材（３ｂ）に排水孔（１
   ３）を穿設し、室外側樹脂部材（３ｂ）を障子閉鎖区間
   の略半区間（ｗ）に設ける請求項１又は２記載の断熱サ
   ッシ。