JPS6041434Y2 - 二重サツシの気密装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は風圧による框の変形に伴う気密低下を防止する
二重サツシの気密装置の構造に関する。

従来、一般住宅とか寒冷地等にて使用されている二重サ
ツシは、上下両横枠材の左右両端に一対の縦枠材を当接
して、その当接部を一体に螺子止めし、方形に枠組みし
た屋外側・屋内側の両窓枠を、建造物の壁体開口部など
へ僅かに間隔を隔てて併設し、更にこの内外二重の窓枠
へ上下の横框・縦框・召合せ框からなる戸框にガラスを
嵌めた障子を開は建て自在に建込んで、屋外側サツシと
屋内側サツシより構成されているものであるが、通常二
重サツシに於いては、屋外側サツシと屋内側サツシとの
間に屋外側サツシの障子に設けた引手片の突出に伴う空
間部が形威されて、該空間部内は台風・強風雨時、屋外
側サツシの上下両枠材と障子の横框との間より侵入する
風により高圧化し、その高圧化した内部圧力などにより
屋内側サツシに於ける障子の框を変形させて窓枠との間
に隙間を生じさせ、その隙間より雨水とか風を室内へ侵
入させて、水密性・気密性を著しく低下させることがあ
り、又上記の様に正圧のかかる窓とは反対側の負圧のか
かる窓部では、屋内側サツシに於ける障子の框が屋内側
からの圧力により寧ろ、屋外側に反って窓枠と框との間
に生じた隙間より雨水とか、風を室内へ侵入させて水密
性・気密性を低下させることがあり、之等を解決する手
段として各障子の框を厚肉で角筒状とすれば強度を高め
ることは出来るが、框を厚肉とすることにより、重量・
材料費、或いは框巾等に影響して生産性にそぐわないも
のであった。

本考案は二重サツシ構造に於ける屋内側サツシの障子に
、平時は閉鎖腰強風時に開放して両サツシ間の空間部と
屋内側とを連通可能とする開閉弁を設けて、框の変形を
防止し、上記の欠点を解決することを目的とした二重サ
ツシの気密装置に関するもので、その一実施例を図面に
付き説明すれば下記の通りである。

図中Ａは建造物の開口部に取付けた外付は式の屋外側サ
ツシで、レール部１，２を有する上下両横枠材３，４の
左右両端に、一対の縦枠材５，６を突き合わせて方形の
窓枠７を形威し、該窓枠７を、まぐさ８・窓台９・左右
の柱１０，１０からなる建造物の枠体の屋外側に張出る
様に取付けて、内部に上下の横框１１，１２と左右の縦
框１３．１４とより構成される戸框にガラス１５を嵌め
た障子１６．１７を開は建て自在に嵌める。

Ｂは屋外側サツシＡより屋内側に設けた合戒樹脂製の屋
内側サツシで、内外にレール部１８．１９を設けた上下
両横枠材２０．２１の左右両端部に、一対の縦枠材２２
，２３を当接して方形に枠組みし、所定の窓枠２４を組
立てて、該窓枠２４を上記建造物の枠体内に収め、且屋
外側の一部を屋外側サツシＡへ重ね合わせて固着し、更
に窓枠２４へ合成樹脂製の上下両横框２５，２６と、合
成樹脂製の縦框２７，２８とより構成される１框にガラ
ス２９を嵌めた障子３０．３１を開は建て自在に嵌めで
ある。

尚、上記障子３０，３１の各框２５．２６，２７，２８
には金属製の補強部材３２を挿着してあり、又障子３０
．３１の中間部に横桟３３を介在させる場合もある。

ａは屋外側サツシＡと屋内側サツシＢとの間に形成され
た空間部で、屋外側サツシＡの内側の障子１６に設けた
引手片３４の突出に伴って形成される。

３５は屋内側サツシＢの障子１６に設けた空間部ａと屋
内側とを連通ずる開閉弁で、障子１６の横桟３３にあけ
た透孔に取付け、平時は下端のマグネット３６により吸
着して透孔を閉鎖し、強風時、正圧のかかる窓部とは反
対側の窓部に於いて生ずる負圧に伴う屋内側からの所定
以上の風圧に対し開放し、屋内側サツシにかかる圧力を
空間部ａへ逃がし、上記風圧による框の変形を防止する
。

尚、この開閉弁３５は図面第４図に示す様に、障子３０
，３１の縦框２７，２８へ設ける場合もあり、又、空間
部ａが高圧となる様なとき開き、低圧時には閉じる他の
構造も含み、更に又、この開閉弁３５は横桟３３又は縦
框２７，２８の屋内側に設ける場合もあり、又、正圧・
負圧の関係で二ケ所に設ける場合もある。

３７は開閉弁３５に対応させて透孔３８に設けた網、尚
この網３７を鎖目・羽目とする場合もある。

３９は屋外側サツシＡに嵌込んだ網戸である。

尚、本考案に於ける開閉弁３５は、内外の両障子３０．
３１に設ける場合もあり、之れによるときは効率の良い
減圧を行うことが出来る。

本考案に関する二重サツシの気密装置に於ける一実施例
は上記の様に構成されているから、全実施例に基づいて
二重サツシに気密装置を施す場合は、先ず建造物の開口
部を構成する枠体内の屋外側に、上下両横枠材３，４と
一対の縦枠材５，６とより構成される窓枠７を取付け、
更にこの窓枠７より屋内側に、上下両横枠材２０．２１
と一対の縦枠材２２．２３とより構成された窓枠２４を
嵌めて二重に取付けた後、屋外側の窓枠７に障子１６．
１７を開は建て自在に嵌め、更に屋内側の窓枠２４に、
予め横桟３３に透孔をあけ、その透孔に開閉弁３５を取
付けた障子３０．３１を上記と同様に開は建て自在に嵌
め込むもので、施工後に於いて、強風雨時、屋外側サツ
シに直接風圧が当って正圧のかかる窓部とは反対側の窓
部に負圧がかかり、屋内側の風圧が屋内側サツシＢの障
子３０．３１に作用した場合、それが所定風圧に達した
ときは、その風圧により屋内側サツシＢの障子３０，３
１に設けた開閉弁３５が開放して、風圧を空間部ａ内へ
逃がし、障子３０．３１に於ける框の変形を防止するも
のである。

又、通常の場合、開閉弁３５は閉鎖し、気密性を保持す
るもものである。

尚、本考案に於いて屋内側サツシＢを合成樹脂製とした
場合、屋内側の暖気を屋外側サツシＡへ熱伝導すること
はないので、屋内と屋外との屋度差に起因する結露現象
は全く生ずることはなく、常時清潔な状態を保持し得る
実施上の効果があり、又上記屋内側サツシＢの障子３０
，３１に開閉弁３５を設けるので、例へ障子３０，３１
が合成樹脂製であっても、反りとか変形等を生じないか
ら、材料費の節減並びに安価な施工等を計ることの出来
る実施上の効果もある。

上記の様に本考案に関する二重サツシの気密装置は、屋
外側サツシと屋内側サツシとで構成される二重サツシに
於いて、少なくとも屋内側サツシに収容される障子に、
上記屋外側サツシに収容される障子との間に形成された
空間部と屋内との間を平時は閉鎖し、強風時に開放して
空間部と屋内とを連通可能とする開閉弁を設けたもので
あるから、台風時等の強風雨の吹き付けるとき、直接風
雨が当って正圧のかかる窓部とは反対側の窓などに於い
て、負圧が作用し、屋内側サツシの障子に屋内側より所
定以上の風圧がかかつても、屋内側サツシの障子に設け
た開閉弁が開放して、その風圧を上記空間部へ逃がすの
で、屋内側サツシの障子に過大圧力が加わることはない
から、障子に於ける框の反り、変形を確実に防止出来て
、水密性・気密性の向上を保持し得る特有の効果を発揮
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に関する二重サツシの気密装置の一実施例
を示すもので、第１図は正面図、第２図は他実施例の正
面図、第３図は第１図に示すＸ−Ｘ線の一部切欠拡大縦
断側面図、第４図は第２図に示すＹ−Ｙ線の一部切欠拡
大横断平面図である。 尚、図中Ａは屋外側サツシ、Ｂは屋内側サツシ、３０．
３１は障子、ａは空間部、３５は開閉弁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋外側サツシと屋内側サツシとで構成される二重サツシ
   に於いて、少なくとも屋内側サツシに収容される障子に
   、上記屋外側サツシに収容される障子との間に形威され
   た空間部と屋内との間を平時は閉鎖し、強風時に開放し
   て空間部と屋内とを連通可能とする開閉弁を設けたこと
   を特徴とする二重サツシの気密装置。