JPH0124311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばドーマーウインドウ等を用い
られる両開きサツシの構造に係り、更に詳しくは
開口上辺が中央昇り勾配となり、室内側天井面も
中央昇り勾配に構成された開口部において、この
開口部の室内側に配設されるサツシを開口部の中
央にてセンター框で二分割し、このセンター框の
上下にヒンジ部を設け、このヒンジ部を介してセ
ンター框を中心に両開きするサツシの構造に関す
る。

従来、ドーマーウインドウや越屋根等の様に屋
根面から突出して設けられる開口部においては、
開口部の両側壁とその側壁を延設して雨仕舞に最
適な勾配屋根とすることがあり、開口部の上部に
傾斜辺を有した三角形や五角形等の形状とするこ
とが多かつた。

その為、開口部の室外側に配設される窓サツシ
等は、両側壁にヒンジ部を設けて中央分割形式の
室外側両開き構造となるが、窓サツシ等の内側、
いわゆる室内側に配設される網戸等は、窓サツシ
が障害となるため室外側に開放することは構造上
難しく、しかもセンター框で分割して、室内側へ
側壁に設けたヒンジ部を介して開戸すれば、セン
ター框の上端が勾配屋根の天井面に当接する為、
円滑に開戸することは不可能であつた。

そこで本考案は、上記ドーマーウインドウの室
内側に配設される網戸等の両開き開戸を可能にす
るサツシ構造を提供するもので、網戸等のサツシ
を開口部の中央にてセンター框で二分割し、且つ
センター框の上下に設けられたヒンジ部により該
センター框を中心にして、網戸等のサツシを室内
側に開戸する構造をその概要とするものである。

以下、図面に基づき、本考案に係る両開きサツ
シの構造について具体的に説明する。

第１図は、屋根Ｒ上に突出した状態で設けられ
たドーマーウインドウ１の概略図である。

このドーマーウインドウ１は図示されていない
が、屋根Ｒを開口して室内側に連通され、換気や
採光を容易に室内へ取り入れる様に構成されてい
るものである。

そして屋根Ｒの開口に立設した一対の側壁１
１，１１と、その側壁から延設して勾配屋根１２
が構成されて、開口部２が上辺を傾斜辺とした略
五角形の形状を為している。

第２図は、上記開口部２の室内側に配設された
サツシ、例えば網戸３を示す正面図である。

この開口部２の周囲内面には、下枠２１とその
下枠の両端から直立して縦枠２２，２２が取付け
られ、またその縦枠２２，２２の上端には、開口
部２の傾斜辺に沿つて上枠２３，２３が設けられ
ている。この開口部の各枠内の室外側には、窓サ
ツシが配設されている。

一方、室内側では、図で示すように下框３１と
その一端から直立して側框３２が設けられ、他端
もセンター框３３が直立して設けられている。

上部では上枠２３に沿つて上框３４が設けら
れ、これら各框内には網３５が張設され、一枚の
網戸３が構成されている。

また開口部の他の部分においても同様に、下框
３１の両端から側框３２とセンター框３３が、そ
れぞれ直立して設けられ、その各上端には上枠２
３に沿つて傾斜した上框３４が設けられ、その框
内に網３５を張設した一枚の網戸３が構成され、
前記網戸３とともに二分割の網戸を成す。

しかも両網戸３，３のセンター框３３，３３の
上部と下部には、それぞれヒンジ部４と５が設け
られ、開口部２の上枠中央Ｃ１，下枠中央Ｃ２と
において、ヒンジブラケツトを介して網戸３，３
が、センター框３３，３３を中心に室内側に回動
する、所謂両開き構造となつている。

第３図は、第２図におけるＡ−Ａ線断面図であ
る。

この断面図において、室外側窓サツシ６，６
は、縦枠２２，２２の間に配置され、側框６１，
６１と召し合わせ框６２，６２の間にガラス６
３，６３が張設されたものである。

窓サツシ６，６は、縦枠２２，２２と側框６
１，６１とを、例えば蝶番等により枢着させ、召
し合わせ框６２，６２を室外側の矢印Ｏ方向に押
し出すことにより室外側へ両開きする。

一方、室内側の網戸３，３は、センター框３
３，３３がヒンジ部４，５を介して枢動可能とな
つているので、側框３２，３２を矢印Ｉ方向に回
動させて室内側へ開戸させれば、最長のセンター
框３３，３３を中心軸として開戸されることにな
る。

すなわち、側框３２，３２が、室内側でセンタ
ー框３３，３３を中心として回動しても、上框３
４，３４は傾斜天井に接触することなく、自在か
つ円滑に室内側へ開戸することが可能となる。

第４図は、第２図におけるＢ−Ｂ線断面図で、
ヒンジ部４では、上枠２３と網戸３の上框３４
が、ヒンジブラケツトPBを介してピンＰにより
吊り下げ状態にて枢着している。

一方、ヒンジ部５も下枠２１と網戸３の下框３
１とが、ヒンジブラケツトPBを介してピンＰに
より枢動可能に取付けられている。

以上の様に、本考案に係る両開きサツシの構造
は、開口部の中央に位置するセンター框で二分割
され、しかもセンター框の上下に設けられたヒン
ジ部によつてセンター框を中心として室内側に開
戸されるので、開口上辺が中央昇り勾配であつて
しかも室内側天井面が中央昇り勾配に構成された
開口部においても、上框が室内側天井面に当接す
ることなく円滑に開戸することが出来る。

よつて、本考案の両開きサツシの構造を用いれ
ば、室外側には側壁に設けられた蝶番等により室
外側へ開戸される両開きの窓サツシを配置し、室
内側にも両開きの網戸を配置することが出来る。

これにより採光と併せて通換気を行なう場合
は、室外側の窓サツシを開放し、網戸も室内側へ
開放することができる。

又小虫の室内侵入を防止する場合は、網戸を閉
戸した状態で通換気が可能となる。

この様に本考案のドーマーウインドウの両開き
サツシは、ドーマーウインドウの開口部において
高い実用的効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、屋根上に設けられたドーマーウイン
ドウを示す概略図、第２図は、開口部に配設され
た網戸の室内側正面図、第３図は、窓サツシと網
戸の開戸状態を説明する第２図のＡ−Ａ線断面
図、第４図は、ヒンジ部を説明する第２図のＢ−
Ｂ線断面図である。 １……ドーマーウインドウ、２……開口部、２
１……下枠、２２，２２……側枠、２３，２３…
…上枠、３，３……網戸、３１，３１……下框、
３２，３２……側框、３３，３３……センター
框、３４，３４……上框、４，５……ヒンジ部、
６……窓サツシ、Ｐ……ピン、PB……ヒンジブ
ラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 屋根上の開口に一対の側壁を立設し、該側壁か
   ら勾配屋根を延設して上辺を傾斜辺とする略五角
   形状の開口部を有するドーマーウインドウに設け
   られる両開きサツシであつて、 前記開口部の周囲内面に下枠と該下枠の両端に
   直立した縦枠を取付け、該縦枠の上端に前記開口
   部の傾斜辺に沿つて上枠を設け、 前記開口部の室内側に下框と該下框の一端に直
   立した側框を設け、又同他端にセンター框を夫々
   直立させ、前記側框とセンター框間に前記開口部
   の上枠に沿つて上框を設けることにより二分割の
   網戸を構成し、前記両網戸のセンター框の各上部
   と前記開口部の上枠中央部とを、又同センター框
   の各下部と前記開口部の下枠中央部とをヒンジ部
   により夫々枢着させて、該センター框を中心軸に
   して両網戸を室内側へ回動自在に成すとともに、 前記開口部の室外側で且つ前記開口部の縦枠間
   には側框と召し合せ框とから成る一対の窓サツシ
   を配置し、該窓サツシの各側框と前記開口部の各
   縦枠とを蝶番にて夫々枢着することにより、召し
   合せ框を室外側へ押し出して各窓サツシを開戸可
   能に構成したことを特徴とするドーマーウインド
   ウの両開きサツシ。