JP4751052B2 - ダイ - Google Patents

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本発明は、板状のワークをV字形状に折曲げ加工を行うときの折曲げ加工方法に使用するダイに関する。
V字形状の加工溝を備えたダイと上記加工溝に対応した先端形状のパンチとによって板状のワークをV字形状に折曲げ加工する方法として、エアベンディング(自由曲げ)、ボトミング(加圧曲げ)及びコイニング(圧印曲げ)がある。
前記エアベンディングは、ダイにおけるV字形状の加工溝の両肩部とパンチ先端との3点の位置関係においてワークの折曲げ角度が自由に変更できることから3点曲げと称されることもある。この曲げ加工においては、ワークのスプリングバック量が大きいという問題がある。前記ボトミングは、ダイにおけるV溝の傾斜面とパンチの傾斜面でもってワークを挟圧するもので、スプリングバック量は小さくなるものの、ワークの折曲げ角度をより正確に行うには問題がある。前記コイニングは、ダイにおけるV溝の傾斜面とパンチの傾斜面でもってワークを挟圧した後、より大きな加圧力(エアベンディングの5〜8倍)をワークに加えるので、ワークの角度を正確に加工することができるものの、折曲げ加工機(プレスブレーキ)のフレームの剛性を大きくしなければならないという問題がある。
なお、エアベンディング及びコイニング加工を行う先行例として、例えば特許文献1がある。
特開2001−1049号公報
前記特許文献1に記載の発明においては、V字形状の加工溝を備えたダイとパンチとによって板状のワークをV字形状に折曲げ加工するとき、エアベンディングとコイニングは共通の金型を用いて行うものである。したがって、コイニング時には、ダイにおける加工溝の傾斜面とパンチ先端面側の傾斜面の全面でもってワークを強力に強圧(加圧)することになる。すなわち、ダイにおける加工溝の傾斜面の傾斜角及びパンチ先端両側の傾斜面の傾斜角をワークへ転写する際のコイニング時の加圧力が極めて大きくなり、フレーム剛性を高める必要がある。
ところで、一見すると外観的に本発明に係るダイに類似するダイの構成が、特開平9−295052号公報に記載されている。この公開特許公報に記載された発明は、ダイ肩部の曲率半径が約0.8mmと小さいと、初期摩耗の進行速度が早く安定せず、例えば2000回以上ワークの曲げ加工を行うと、前記ダイ肩部の摩耗が安定することに基づき、ダイ肩部の曲面を、2000回曲げたときの肩部の曲線に形成したもので、そのときの曲率半径は0.99mmとなるものであって小さなものである。
すなわち、前記公開特許公報に記載の発明は、ダイにおけるV字形状の加工溝のほぼ中間深さ位置より上側部を、例えば曲率半径の大きな凸曲面等に形成しようとするものではなく、本発明とは何等関係ないものである。
発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、板状のワークの折曲げ加工を行うためのダイであって、上面とV字形状の加工溝とを備え、前記加工溝の底部付近の両側に備えた傾斜平面と前記上面とに接するように接続した曲面に対する最上部の接平面は前記上面と一致する平面であって、前記曲面に対する最下部の接平面は前記傾斜面と一致する平面であり、かつ前記曲面は、上部側の曲率半径よりも下部側の曲率半径が大きくなる凸曲面であることを特徴とするものである。
本発明によれば、板状のワークは、ダイに備えたV字形状の加工溝の底部付近の傾斜平面とパンチに備えた傾斜平面とによって挟圧して局所的に加圧することにより、折曲げ加工を行うものであるから、ダイの加工溝の傾斜面全面を使用してワークを挟圧し折曲げ加工を行う場合に比較して、折曲げ加工の加圧力を小さくできるものである。
以下、図面を用いて本発明に係る実施形態について説明するに、先ず、理解を容易にするために、板状のワークをV字形状に折曲げ加工する場合について説明する。
図1に示すように、板状のワークWをV字形状に折曲げるために使用されるダイのダイ本体1は、V字形状の加工溝(V溝)3を備えており、この加工溝3における両側の傾斜平面(傾斜面)5とダイ本体1の上面7との交差部が肩部9である。この肩部9は微小半径R1(例えば0.8mm)でもって円弧状の曲面に形成してある。そして、前記両傾斜面5の交差部であるV溝3の底部には、小さな凹部を設けることもある。
前記ダイ本体1の加工溝3に対して係合自在なパンチ11は前記加工溝3の傾斜面5と平行な傾斜面(傾斜平面)13を先端側に備えた構成であって、パンチ11の先端部の角度(先端角)θは、ダイ本体1におけるV溝(加工溝)3の角度と等しく形成してある。そして、パンチ11の先端部は小さな半径R2でもって円弧状の曲面に形成してある。上記パンチ11の幅寸法は、前記ダイ本体1における加工溝3の上面におけるV幅すなわち前記肩部9の間隔寸法に等しく形成してある。
上記構成において、ダイ本体1の上面7にワークWを載置し、パンチ11の先端部でもってワークWをダイ本体1の加工溝3内へ押圧すると、図1に示すように、ワークWは、ダイ本体1の肩部9に支持された状態でもって折曲げ加工されるものである。そして、前記パンチ11による加圧(押圧)が進行すると、パンチ11とダイ本体1との間において、ワークWは、図2に示すごとき挙動(現象)を呈するものである。
すなわち、図2(A)の状態は、ワークWの支点がダイ本体1における肩部9から加工溝3の傾斜面5に移り、かつワークWと傾斜面5との接触位置WPより上方位置において、ワークWがパンチ11の傾斜面13に接触(当接)した状態にある。この図2(A)に示す状態においては、ワークWの折曲げ角度は、ダイ本体1における加工溝3,パンチ11の先端角θより小さな角度である。
その後、パンチ11の押圧がさらに進行すると、ワークWと傾斜面5との接触位置WPは次第に下側(V溝の底部側)へ移動すると共に、ワークWの上部側は、図2(B)に示すように曲げ戻され、図2(C)に示すように、ダイ本体1における傾斜面5の上部付近に再び接触する。そして、最終的には、ダイ本体1の傾斜面5とパンチ11の傾斜面13との間に強力に挟圧されてコイニングが行われるものである。この際、パンチ11とワークWとの間に微細な空隙WAが存在すると、曲げ角度の不安定要素となるので、上記空隙WAをなくするように、極めて大きな加圧力を必要とするものである。
ワークWの折曲げ加工を開始したときからのワークWの角度変化と加圧力との関係を示すと、よく知られているように、図3に示すようになる。なお、前述したワークWの挙動やワークの曲げ角度と加圧力との関係は、ワークの材質,板厚,パンチ及びダイの形状,寸法によって異なるが、一般的には前述したごとき現象を生じるものである。図3において、A領域はエアベンディング領域であり、Bはボトミング領域であり、Cはコイニング領域である。
そして、ワークWの曲げ角度が曲げ角度90°(ダイにおけるV溝,パンチ先端角の角度が90°の場合である)より小さくなって再び90°に戻るD領域は、前記図2(A)〜(C)の過程に相当する領域である。
前述のごとく、ワークWにコイニングを行なうことにより、ワークWがパンチ11の先端アールR2になじんだ部分0−W1の部分は、曲げ半径を大きくするように、すなわち開くようにスプリングバック(正のスプリングバック)する部分であり、W1−W2の部分は、図2(A),(B)に示したように、曲げ戻された部分であり、ワークWを閉じるようにスプリングバック(負のスプリングバック)する。そして、W2−W3の部分は、図2(C)において加圧されることによりパンチ11の傾斜面13へ接触するように変形される部分であって、正のスプリングバックとなる。
前記0−W1,W1−W2,W2−W3の各領域でのスプリングバックの和が零となればスプリングバック零になり、正のスプリングバックが優勢である場合には、パンチ11とダイ本体1による加圧力を除去すると、ワークWは角度が大きくなるようにスプリングバックを生じ、逆に負のスプリングバックが優勢な場合には、加圧力を除去すると、ワークWは角度を小さくするように変形する(スプリングゴー,スプリングイン)ものである。
既に理解さるように、ダイ本体1におけるV溝3の傾斜面5とパンチ11の傾斜面13によってワークWを挟圧してボトミング、コイニング等を行うとき、前記傾斜面5,13の全面でもってワークWを加圧するものであるから、比較的広い傾斜面5,13の全面にボトミング又はコイニングに必要な加圧力を付与するには、大出力の加圧装置が必要であると共に、折曲げ加工機(プレスブレーキ)のフレームの剛性を、ボトミング、コイニングに対応可能なように大きくする必要がある。
すなわち、ワークWをコイニングによって折曲げ加工する場合には、コイニング時の大荷重に対応し得るように、折曲げ加工機のフレームを高剛性に予め構成する必要があり、高価なものとなる。そこで、エアベンディングやボトミングによりワークWの折曲げ加工を行う折曲げ加工機においても、フレームの剛性をそのままにしてコイニングによりワークWの折曲げ加工を行い得ることが望まれていた。
上記に鑑みて、本発明の実施形態に係るダイは次のごとく構成してある。すなわち、図5に示すように、ダイ本体21はV字形状の加工溝(V溝)23を形成する両側の側面における底部付近の両側に傾斜平面(傾斜面)25を備え、この傾斜平面25とダイ本体21の上部の平面である上面27は、前記傾斜平面25及び上面27に接するように接続した曲面29によって接続してある。上記曲面29に対する最上部の接平面は前記上面27と一致する平面であり、前記曲面29に対する最下部の接平面は前記傾斜平面25と一致した平面である。そして、前記曲面29における上部側の曲率半径R21よりも下部側の曲率半径R22…R2nが次第に大きくなる凸曲面に形成してある。なお、上記曲率半径R21…R2nは、従来の一般的なダイにおける肩部Rの半径よりも大きな半径で約1mm〜10mmの大きな半径である。
そして、前記ダイ本体21の上面27と前記曲面29とを接続した位置の間隔(加工溝23の最上部のV幅)を寸法(V幅寸法)Aとし、前記V溝(加工溝)23の傾斜平面25と前記曲面29とが接続した位置の間隔を寸法(傾斜平面25の上部の幅寸法)Bとしたとき、約2≦A/B≦4に設定してある。
すなわち、ダイ本体21におけるV溝23のV幅Aは、対象とするワークWの板厚tの5〜8倍程度に設定するのが一般的であり、かつワークWの折曲げ加工は90°曲げが多いので、例えばコイニング等の曲げ加工を行うダイにおけるV溝23の目標角度は90°に設定してあるのが一般的である。そして、ダイ本体21におけるV溝23の傾斜平面25とパンチ11における傾斜面13によってワークWを挟圧し、折曲げ加工を行うとき、パンチ11における先端アールR2の中心からダイ本体21における傾斜平面25へ垂線を引いた場合、この垂線付近の領域に大きな加圧力が作用することになる(応力が大きくなる)。
したがって、例えばコイニング等の折曲げ加工を行うとき、ワークWに大きな加圧力が作用する領域(応力が大きくなる領域)をある程度確保するには、約2≦A/Bとすることが望ましいものである。ここで、2>A/Bになると、V溝23における傾斜平面25の広がりが大きくなり、例えばコイニング等の折曲げ加工時の加圧力を大きくする必要があり、加圧装置の大型化をまねくこととなり望ましいものではない。
逆にA/B>4になると、V溝23における傾斜平面25の広がりが小さくなり、ワークの折曲げ加工時にワークWに大きな応力が生じる領域が小さくなるので望ましいものではない。
以上のごとき構成において、前述と同様の条件のパンチ11を使用し、ダイ本体21の上面27上に載置したワークWをV溝23内へ押圧して、ワークWの折曲げ加工を行うと、ダイ本体21によるワークWの支点(ワークWとV溝23の両側面との接触位置)は、曲面29に沿って下方向へ次第に移動する。そして、ダイ本体21におけるV溝23の傾斜平面25とパンチ11における傾斜面13とによってワークWが挟圧され、この挟圧状態においてパンチ11の加圧力をより大きくすることにより、ワークWのボトミング、コイニング等の折曲げ加工が行われる。
ところで、前述のごとくワークWの折曲げ加工を行うとき、初期においては、ワークWの折曲げ部は、図1,図2に示されているように、パンチ11の先端アールR2よりも大きな半径に折曲げられる。したがって、ダイ1におけるV溝3の両側の傾斜面5とワークWとの当接位置WP(図2参照)の両側方において、ワークWはパンチ11の傾斜面13に当接し(図2(A)参照)、曲げ戻しが行なわれる。
ここで、前記傾斜面5の上部側が、図5に示したごとき曲面29に形成すると、曲面29は、前記傾斜面25に接する接平面25Fの外側に位置し、かつ曲面29の上部側ほど前記接平面25Fから離れるものである。したがって、曲面29の上部側は、パンチ11の傾斜面13から遠く離れるものである。したがって、ワークWが曲面29に当接する位置は、傾斜面5の場合に比較してパンチ11の傾斜面13から離れる。よって、パンチ11の先端部の押圧によって折曲げられるワークWの折曲げ部の曲率が等しい場合には、ワークWの両側がパンチ11に当接する時期は、V溝3の両側の傾斜面5が全体に形成してある場合よりも、傾斜面5の上側に曲面29が形成してある場合(図5に示す構成の場合)の方が、遅れることになる。
すなわち、ダイ本体1の構成の場合よりも、ダイ本体21の構成の場合の方が、ワークWの折曲げ加工が進行した後に、ワークWの折曲げ部の両側部がパンチ11の傾斜面13に当接して曲げ戻しが行われることになる。すなわち、一般的なダイ本体1を使用する場合よりも、本実施形態に係るダイ本体21を使用しての曲げ加工の方が、曲げ戻しに必要なエネルギーを抑えることができ、ボトミング、コイニング等の折曲げ加工時の加圧力を抑制することができるものである。
前述のごとく、ダイ本体21とパンチ11とによってワークWの折曲げ加工を行うとき、ワークWとダイ本体21との接触位置(ダイ本体21によるワークWの支持位置)は、曲面29に沿って次第に下側(V溝の底部側)へ移動する。したがって、ダイ本体21によりワークWが支持されている支持点の間隔寸法が次第に小さくなるので、パンチ11による加圧力は次第に大きくなる。そして、ワークWの折曲げ部の両側部がパンチ11の傾斜面13に当接するようになると、ワークWの折曲げ角度はダイ本体21におけるV溝23の角度より小さくなる。その後、曲げ戻しが行われ、ボトミング、コイニング等の折曲げ加工が行われるようになる。
したがって、ワークWの曲げ角度と加圧力との関係を示すと、図3における曲線Lのごとき関係にあり、曲げ戻しの量は、従来の一般的なボトミング、コイニング時よりも小さなものであり、曲げ戻しに必要なエネルギーが小さくなるものである。
既に理解されるように、本実施形態によれば、パンチ11とダイ本体21とによってワークWの折曲げ加工を行うとき、3点曲げ(エアーベンディング)の状態を保持して、ワークWとダイ本体21のV溝23における両側面との接触位置(ダイ本体21によるワークWの支持位置)をV溝23の底部側へ移動し、すなわち上記支持位置の間隔を次第に小さくして、最終的には、V溝23の底部側に備えた傾斜平面25とパンチ11の先端側の傾斜平面でもってワークWを挟圧し局部的に強力に加圧するものである。
換言すれば、図3に曲線Lで示したように、ワークWの折曲げ加工の開始時からボトミング、コイニング加工に移行するまでの間、加圧力を減少することなく次第に増大(増加)するものである。したがって、パンチ11,ダイ本体21及びワークWの条件が一定であれば、ワークWの折曲げ角度と加圧力との関係を一義的に関係付けて知ることが可能である。よって、同一条件による次回のワークWの折曲げ加工時には試し曲げが不要なものであり、能率向上を図ることができる。なお、ワークWの折曲げ角度と加圧力との関係は直線的であることが望ましく、前記曲線29の形状の適正化を図ることにより可能である。
そこで、前記傾斜平面25の幅寸法Bを一定に保持した状態において、前記曲面29の曲率半径を一定にすることも可能である。しかし、曲面29の曲率半径を一定にすると、半径の大きな円弧を呈する曲面となり、前記V幅寸法Aが大きくなるので望ましいものではない。そこで、前記V幅寸法Aを小さくすべく、曲面29の曲率半径を小さな一定半径にすると、この場合は、V溝23が浅くなり、V溝23を形成する側面(傾斜平面25及び曲面29を含む面)の、幅寸法(V溝23の底部から上面27までの寸法)が小さくなる。
したがって、V溝23のV幅寸法A=Bのダイ本体を用いてワークWの折曲げ加工を行うと、ワークWの折曲げ過程において、ワークWの折曲げ部付近の両側方部がV溝23の側面に当接することがなく、曲げ戻し作用(図2参照)を受けなくなることがある。したがって、ワークWのボトミング、コイニング後に加圧力を除くと、ワークWには、図4に示した正のスプリングバックW1のみが作用することになる。
よって、ダイ本体21におけるV溝23の角度及びパンチ11における先端角を目標とする折曲げ角度に設定してワークWのボトミング、コイニング等の折曲げ加工を行うと、ダイ本体21のV溝23,パンチ11の先端角に倣うものの、上記V溝23,先端角の角度よりも小さくなるようにオーバベンドされることがないので、パンチ,ダイから取り外したワークの曲げ角度は、スプリングバックによって、常に目標角度よりも大きくなり、正確な曲げ加工が困難になるものである。
以上のごとき説明より理解されるように、ダイ本体21とパンチ11とによってワークWをV字形に折曲げ加工を行うとき、ダイ本体21においてワークWを強力に挟圧する部分は、V溝23の底部付近の比較的狭い領域の傾斜平面25部分であるから、ワークWをV字形状に折曲げた折曲げ線に近接した両側部分のみを局所的に加圧することとなり、V溝23の側面(図1に示したダイ本体1における傾斜面5に相当する側面)全体にワークWが当接する、従来のダイの場合に比較して、ボトミング、コイニング等の折曲げ加工に要する加圧力を小さくすることができる。
また、ダイ本体21において、V溝23の底部側に備えた傾斜平面25の上側に形成した曲面29は、上部側の曲率半径よりも下部側の曲率半径が大きくなる凸曲面に形成してあるので、V溝23におけるV幅寸法Aを小さくでき、加工対象とするワークWの幅寸法が小さい場合でも対応できるものである。
図6は第2の実施形態を示すものである。この第2の実施形態においては、ダイ本体21におけるV溝23の傾斜平面25と上面27とを、楕円31によって接続したものである。なお、前記楕円31と傾斜平面25との接続位置は、V溝23の上面27からの深さの約中間位置付近である。このような構成においても、前記傾斜平面25の上側の曲面29は凸曲面となるものであり、前述同様の効果を奏し得るものである。
図7は第3の実施形態を示すもので、この第3の実施形態においては、ダイ本体21におけるV溝23の傾斜平面25と上面27との間の曲面29を削除して適宜形状の凹面部33を形成した構成である。この構成において、ワークWの折曲げ加工の初期においてはV溝23の肩部(小半径の曲面)とパンチ11の3点による折曲げ加工が行なわれる(図7(A)参照)。そして、ワークWの折曲げ加工が進行すると、ワークWの折曲げ部付近が傾斜平面25の上部に接触し、ワークWは、ダイ本体21との関係においては、前記傾斜平面25の上部,V溝23の肩部と接触した状態(3点曲げの状態)にある。その後、さらにワークWの折曲げ加工が進行すると、V溝23の肩部からワークWが僅かに離れ、前記傾斜平面25とパンチ11との間においてワークWの局部に強力な加圧が行われ、ボトミング、コイニング等の折曲げ加工が行われることになる。上記構成においても、前述したごとき効果を奏し得るものである。
既に理解されるように、ボトミング、コイニング等の折曲げ加工は、ダイ本体21におけるV溝の底部側の傾斜面25とパンチ11の先端側の傾斜面13とによってワークWの折り曲げ線付近を局部的に強力に加圧して行うものであるから、ダイ本体21における前記傾斜面25から上面27に至るV溝23の側面は、前述した凹面部33等に形成することが可能なものである。換言すれば、前記傾斜面25から上面27に至る側面は、前記傾斜面25に接する接平面25F(図5参照)よりも外側に位置する任意の形状とすることが可能であり、例えば、図8に示すように、曲面29の形態を、楕円31に接する階段状に形成することも可能である。すなわち、曲面29に相当する側面部分は設計変更等により種々の形態とすることが可能なものである。
パンチとダイによるワークの折曲げ加工を行う場合の作用説明図である。 パンチとダイによるワークの折曲げ加工時におけるワークの挙動を示す説明図である。 パンチとダイによるワークの折曲げ加工時における曲げ角度と加圧力との関係を示す説明図である。 ワークのスプリングバック,スプリングインの説明図である。 本発明の実施形態に係るダイの説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るダイの説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るダイの説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るダイの説明図である。
符号の説明
1,21 ダイ本体
3,23 V溝
5,13,25 傾斜面(傾斜平面)
7,27 上面
11 パンチ
29 曲面

Claims (2)

  1. 板状のワークの折曲げ加工を行うためのダイであって、上面とV字形状の加工溝とを備え、前記加工溝の底部付近の両側に備えた傾斜平面と前記上面とに接するように接続した曲面に対する最上部の接平面は前記上面と一致する平面であって、前記曲面に対する最下部の接平面は前記傾斜面と一致する平面であり、かつ前記曲面は、上部側の曲率半径よりも下部側の曲率半径が大きくなる凸曲面であることを特徴とするダイ。
  2. 請求項1に記載のダイにおいて、前記加工溝の最上部の幅寸法をAとし、前記傾斜平面の上部間隔寸法をBとしたとき、約2≦A/B≦4であることを特徴とするダイ。
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