JP7050984B2 - ワーク端縁の残留応力低減方法 - Google Patents

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本発明は、例えばレーザ切断加工などによって切断した板状のワークの切断縁付近の残留応力を低減することができるワーク端縁の残留応力低減方法に関する。
板状のワークを例えば矩形状に切断するとき、レーザ切断加工を行うことがある。上述のように矩形状にレーザ切断加工を行ったワークを、当該ワークの長手方向に長い折曲げ線に沿って折曲げ加工を行うことがある。板状のワークのレーザ切断加工を行うと、ワークの切断縁付近に残留応力が生じる。そして、前述のように矩形状に切断したワークの形状が短冊状である場合、ワークの長手方向の切断縁の残留応力が折曲げ加工後のワークの反りに影響することが知られている(例えば特許文献1参照)。そして、前記残留応力を低減するための金型も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2012-157902号公報 特開2013-116502号公報
許文献1には、SPCC.t=1.2mmのレーザ切断を行ったところ、切断面に近接した位置の残留応力+方向(引張応力)であり、残留応力が-方向(圧縮方向)に変化する領域があることが記載されている。そして、特許文献1の図7及びその対応本文には、ワークの切断面における残留応力が大きく、切断面から離れるに従って次第に残留応力が小さくなることが記載されている。また、残留応力部分を、ワイヤカット放電加工によって0.5mm除去した場合、折曲げ加工後のワークの反りを有効に抑制することが記載されている。
さらに、特許文献1の図10及びその対応本文には、残留応力を低減する方法として、ワークの切断面に近接した位置に低出力のレーザ光を照射して加熱すること、プレスに備えたパンチ及びダイによって加圧すること、及び一対の押圧ローラによって加圧することが記載されている。
許文献2には、プレスブレーキ用の金型によってワークの折曲げ加工を行う前に、金型によってワークの端面を加圧することが記載されている。
ところで、板状のワークの折曲げ加工は、プレスブレーキによって行うことが一般的であるから、特許文献1に記載のように、レーザ光を照射する構成、パンチ及びダイによって圧する構成、一対の押圧ローラによって加圧する構成は、プレスブレーキの他にそれらの装置を必要とするものであり、あまり望ましいものではない。
特許文献2に記載の構成は、プレスブレーキ用の金型に備えた端面押圧上型を端面押圧下型の平面でもってワークの端面から、押圧幅調節機構によって調節された小さな押圧幅を全面に亘って加圧する構成である。
ところで、特許文献2に記載の金型の構成においては、端面押圧下型と端面押圧上型との間にワークを位置決めしてワークの切断面付近の加圧を行う場合、端面押圧下型と端面押圧上型との間にワークを深く入れて位置決めすると、ワークの受圧面積が大きくなるという問題がある。そして、ワークを浅く入れて位置決めした場合には、上下動する端面押圧上型にスラスト荷重が作用し、かじり現象等を生じ易いという問題がある。
なお、レーザ切断を行ったワークの切断面付近を加圧して残留応力を低減するには、弾性域の最大の応力である上降伏点の応力以上に加圧して塑性変形を生じさせることが望ましい。しかし、残留応力の数10%を低減する場合には、上降伏点以下であって、上降伏点に近い応力でもよい。すなわち、残留応力を低減するには、必ずしも上降伏点の応力以上に加圧する必要はない。しかし、加圧力の小さなプレスブレーキを用いた場合、残留応力を低減するには加圧力が不充分である。
本発明のワーク端縁の残留応力低減方法は、プレスブレーキにおける下部テーブルに装着されている金型ベースは、折曲げ加工前のワークの端縁を支持するワーク支持部材を有し、前記金型ベースには、前記プレスブレーキにおける上部テーブルの相対的な下降によって押圧されて上下動する昇降部材が取り付けられており、前記昇降部材にはワーク押圧部材が取り付けられており、前記ワーク支持部材の上面と前記ワーク押圧部材の下面とが上下方向に対向し、前記ワーク支持部材の上面と前記ワーク押圧部材の下面とは、前側に向かうほど両者の間隔が広くなるように、前記ワーク支持部材の上面または前記ワーク押圧部材の下面が傾斜しており、前記ワーク支持部材の上面に前記ワークの端縁を位置決めし、前記ワーク押圧部材の下面を前記ワークの端縁に線接触させた状態で前記上部テーブルの相対的な下降によって前記ワークの端縁を加圧して応力集中を生じさせることにより、折曲げ加工前の前記ワークの端縁の残留応力を低減する。
上記のワーク端縁の残留応力低減方法において、前記上部テーブルの相対的な下降によって、前記ワーク押圧部材の下面が前記ワークの端縁に線接触する状態から面接触する状態へと移行させ、前記面接触により前記ワークの端縁の残留応力をさらに低減する。
上記のワーク端縁の残留応力低減方法において、前記ワーク支持部材の上面が、前側が低くなるように傾斜しているか、前記ワーク押圧部材の下面が、前側が高くなるように傾斜している。
上記のワーク端縁の残留応力低減方法において、前記金型ベースは前記ワークの端縁を位置決めするワーク位置決め面を有し、前記ワーク支持部材と前記ワーク押圧部材との間に挿入された前記ワークの端縁を前記ワーク位置決め面に当接させて位置決めする。
本発明によれば、ワーク支持部材とワーク押圧部材との間にワークを配置して加圧するとき、ワーク押圧部材の下面に対してワーク支持部材の上面は相対的に傾斜してるので、ワークの端縁とワーク押圧部材との当初の接触状態は線接触となる。したがって、当初の加圧力が小さな場合であっても、ワークの端縁に応力集中が発生し、ワーク端縁の残留応力を低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る金型の全体的構成を示す側面図である。 ワークの端縁部を押圧する加圧面の形態を示す部分的な側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る金型の全体的構成を示す側面図である。 ワークをヘミング加工するときのコンピュータ・シミュレーションを示す説明図である。 ワークをヘミング加工するときのコンピュータ・シミュレーションを示す説明図である。 ワークをヘミング加工するときのコンピュータ・シミュレーションを示す説明図である。 ワークをヘミング加工するときのコンピュータ・シミュレーションを示す説明図である。 ワークをヘミング加工するときのコンピュータ・シミュレーションを示す説明図である。 ワーク支持部材の上面を平面に形成した場合と、傾斜面に形成した場合におけるヘミング加工の加圧荷重の相違を示す説明図である。 ワーク支持部材の上面を平面に形成した場合と、傾斜面に形成した場合におけるヘミング加工の加圧荷重の相違を示す説明図である。 ワーク支持部材の上面を傾斜面に形成した場合における加圧荷重の減少効果を示説明図である。 金型の変形形態を示す断面図である。
図1を参照するに、本発明の第1の実施形態に係るプレスブレーキ用の金型1は、プレスブレーキ(全体的構成は図示省略)における下部テーブル3に装着して使用されるもので、下部テーブル3に装着自在な金型ベース5を備えている。金型ベース5は左右方向(図1において紙面に垂直な方向、X軸方向)に長く形成してあり、この金型ベース5の上面であって前後方向(Y軸方向)の中央部には左右方向に長い上方突出部7が備えられている。
方突出部7には、ダイ9を着脱交換自在な昇降部材としてのダイホルダ11が上下動自在に備えられている。より詳細には、ダイホルダ11には、上方突出部7の上面に当接自在な下面13が備えられていると共に、上方突出部7において垂直な後面7Aに上下動自在に面接触した垂下部15が一体に備えられている。また、ダイホルダ11には、上方突出部7における垂直な前面7Bに上下動自在に面接触したワーク押圧部材17が左右方向に長く、かつねじなどの取付具19を介して着脱交換可能に備えられている。
ーク押圧部材17と上下に対向したワーク支持部材21が左右方向に長く、かつ金型ベース5に着脱交換可能に備えられている。また、金型ベース5に対してダイホルダ11を上下動自在に備えるために、金型ベース5内には、流体圧シリンダなどの上下動用アクチュエータ23が内装されている。なお、ダイホルダ11を金型ベース5に対して上下動可能に備える構成としては、上下動用アクチュエータ23に代えて、例えばコイルスプリングなどの付勢手段を備えてダイホルダ11を常に上方向へ押圧付勢した構成とすることも可能である。
イホルダ11には、プレスブレーキにおける上部テーブル25に着脱交換可能に備えたパンチ27と協働して板状のワークWの折曲げ加工を行うダイ9が着脱交換可能に備えられている。
以上の構成において、ダイホルダ11の下面13を金型ベース5における上方突出部7の上面に当接した状態に保持して、ダイ9上にワークWを位置決めした後、パンチ27を相対的に下降させてダイ9に係合させることにより、ワークWをV字形に折曲げ加工することができる。前述したように、ワークWをレーザ切断によって矩形状に形成した場合、ワークWの長手方向の両端縁における残留応力が、折曲げ加工後のワークWの反りに影響することがある。
そこで、第1の実施形態に係る金型1は、板状のワークWの端縁を加圧して、端縁の残留応力を低減する機能を有する。より詳細には、金型1は、ワーク押圧部材17の下面17Fとワーク支持部材21の上面21Fとの間でワークWの端縁を加圧する構成を有する。すなわち、金型ベース5における上方突出部7の上面にダイホルダ11の下面13が当接したときには、ワーク押圧部材17の下面17Fとワーク支持部材21の上面21Fは接触した状態、または僅かに離れた状態にある。
ーク支持部材21の上面21Fは前側(図1において右側)が低くなる傾斜面に形成してあり、ワーク押圧部材17の加圧面である下面17Fは水平面に形成してある。換言すれば、ワーク支持部材21の上面21Fは、ワーク押圧部材17とワーク支持部材21との間へワークWを進入させるときの前側(図1において右側)が低くなるように傾斜してある。したがって、ワーク押圧部材17とワーク支持部材21との間へ前側からワークWを容易に挿入することができる。
上述のように、ワーク押圧部材17とワーク支持部材21との間へワークWを挿入すると、ワークWの端縁は上方突出部7の前面7Bに当接して位置決めされる。したがって、上方突出部7の前面7Bは、ワーク押圧部材17を上下に摺動する案内面を構成すると共に、ワークWの当接位置決めを行うワーク位置決め面を構成する。
前述のように、ワークWをワーク押圧部材17とワーク支持部材21との間に挿入し、ワークWが上方突出部7の前面7Bに当接すると、ワークWの端縁は、ワーク支持部材21における傾斜した上面21Fの最上部と対応することになる。したがって、プレスブレーキにおける上部テーブル25を相対的に下降させてダイ9を押圧すると、ワーク押圧部材17が下降、下面17FがワークWに接触し押圧する。この場合、ワークWの端縁とワーク支持部材21の上面21Fとの接触は線接触となる。
したがって、ワーク押圧部材17が上部テーブル25によって相対的に押圧下降されると、ワークWの端縁には応力集中が生じ、ワークWの端縁は上降伏点の応力となり、ワークWの端縁における残留応力が低減される。そして、ワークWの端縁が塑性変形してワーク支持部材21の上面21FとワークWの端縁との接触が僅かな面接触になると、この部分の残留応力も低減される。なお、プレスブレーキの加圧力には限度があるので、ワークWの端縁付近の塑性変形の範囲が次第に大きくなり、ワーク支持部材21の上面21FとワークWの端縁付近との接触面積が次第に大きくなると、ワークWの端縁付近を上降伏点の応力に加圧することは難しくなる。
上記説明より理解されるように、ワークWの端縁とワーク支持部材21における傾斜した上面21Fとの接触は、初期の線接触から加圧によって面接触に変化するから、接触面積が小さな範囲においてはワークWの端縁付近を上降伏点の応力に加圧することができ、残留応力を低減することができる。なお、ワーク支持部材21の上面21Fを傾斜面にするか、またはワーク押圧部材17の下面17Fを傾斜面に形成するかは相対的なものであるから、ワーク押圧部材17の下面17Fまたはワーク支持部材21の上面21Fの少なくとも一方の面を傾斜面に形成すればよい。
ところで、ワーク支持部材21の上面21Fを傾斜面に構成した場合について説明したが、図2(A)に示すように、ワーク押圧部材17の下面17Fを、前側が次第に高くなる傾斜面としてもよいし、図2(B)に示すように、前側が次第に高くなる曲面に形成してもよい。また、図2(C)に示すように、ワーク押圧部材17における下面17Fの後側部分に曲面または傾斜面を形成し、前側部分を水平面とすることも可能である。なお、図2(A)~図2(C)の各構成において、ワーク押圧部材17の下面17Fとワーク支持部材21の上面21Fとの間ヘミング加工を行うことも可能である。
図3は、第2の実施形態に係る金型の説明図である。第2の実施形態に係る金型51は、プレスブレーキにおける上部テーブル(図示省略)に装着自在な上型(パンチ)53と、下部テーブル(図示省略)に装着自在な下型(ダイ)55とを備えている。下型55は、ワークWをV形状に折曲げ加工するときに上型53が係合自在な折曲げ溝57を備えている。下型55の上面59は水平面に形成されている。
型53は、ワークWを折曲げ溝57内へ押圧するV形状のワーク押圧部61を下部に備えている。ワーク押圧部61の上方位置には、下型55の上面59との間にワークWを挟み込んで加圧自在な加圧面63が備えられている。加圧面63は、上型53におけるワーク押圧部61の基端部における前後両側に段差部を形成することによって形成されている。
圧面63は、ワーク押圧部61のV形状の傾斜面の延長部61Aの内側に位置する段差部である。したがって、ワーク押圧部61によってワークWをV形状に折曲げ加工したとき、加圧面63はワークWと干渉することはない。加圧面63は、前後両側が高くなるように僅かに傾斜してる。なお、加圧面63は、図2(B)または(C)に示した下面17Fの構成と同様に、曲面等に形成することも可能である。
以上の構成において、下型55における折曲げ溝57に上型53のワーク押圧部61を係合させ、下型55の上面59と上型53の加圧面63とを僅かに離した状態に保持する。上面59と加圧面63との間へワークWの端縁を挿入し、ワークWの端縁をワーク押圧部61において垂直な前面61Fまたは後面61Rに当接させると、ワークWの端縁の位置決めが行われる。したがって、上型53におけるワーク押圧部61の前面61Fまたは後面61Rは、ワークWの端縁を当接させて位置決めするワーク位置決め面を構成する。
前述のように、下型55における上面59と上型53の加圧面63との間にワークWの端縁を挿入し、かつワークWの端縁を上型53の前面61Fに当接させて位置決めした後、上型53を相対的に下降させてワークWを加圧すると、加圧面63が傾斜していることにより、ワークWの端縁に応力集中が起こり、ワークWの端縁は上降伏点の歪み以上の歪み(塑性変形)生じる。ワークWの端縁部と加圧面63との接触面次第に大きくなる。したがって、ワークWの端縁部付近の残留応力を低減することができる。
上述のようにワークWの端縁部における残留応力の低減を行った後、ワークWを下型55の上面59上に載置位置決めし、上型53におけるワーク押圧部61でワークWを下型55の折曲げ溝57内へ押圧することにより、ワークWをV形状に折曲げ加工することができる。
以上の説明より理解されるように、プレスブレーキに装着した金型1または51によってワークWの後縁における残留応力の低減を行うことができ、かつ金型1または51によってワークWをV形状に折曲げ加工することができる。
ところで、前述したように、金型1においては、ワーク押圧部材17における下面17Fとワーク支持部材21の上面21Fとの間において、ワークのヘミング加工を行うことも可能である。そこで、金型1によるヘミング加工のコンピュータ・シミュレーションを行ったところ、図4~図8に示す結果が得られた。
すなわち、予め鋭角に折曲げたワークWをワーク支持部材21の上面21Fに載置すると共に、ワークWの折曲げ部WBを上方突出部7の前面7Bに当接位置決めする。そして、ワーク押圧部材17を下降させてワークWのフランジ部WFを押圧すると、ワーク押圧部材17における下面17Fの前端縁17Eが前記フランジ部WFを押圧する(図4(A)参照)。この際、フランジ部WFが前端縁17Eによって押圧される部分には、僅かな弾性変形が生じると共に、ワーク押圧部材17の押圧方向は、フランジ部WFの傾斜面に対して垂直な方向である。
その後、フランジ部WFがさらに押し曲げられて、ワークWの折曲げ角度が次第に小さくなると共に、フランジ部WFに対するワーク押圧部材17の前端縁17Eによる押圧方向が次第に垂直方向に変化する(図4(B)参照)。そして、ワーク押圧部材17によるワークの折曲げがさらに進行すると、フランジ部WFに対するワーク押圧部材17の下面17FがワークWのフランジ部WFに次第に面接触するようになり、かつ接触位置は次第に折曲げ部分WB側方向に移行することになる(図5(A),(B)参照)。
この際、ワーク押圧部材17がフランジ部WFを押圧する押圧力は、フランジ部WFの端部側よりも折曲げ部WB側が大きくなる(図5(B)参照)。上述のように、ワーク押圧部材17がフランジ部WFを下方向へ押圧する位置に対応して、ワークWは、ワーク支持部材21の上面21Fを強力に押圧することになる(図5(B)参照)。すなわち、ワーク押圧部材17がフランジ部WFを押圧する位置付近と、ワークWがワーク支持部材21の上面21Fを押圧する位置付近は上下に対向する形態になる。
その後、ワーク押圧部材17によるフランジ部WFの折曲げがさらに進行すると、フランジ部WFの端部側が次第に下降る。また、ワーク押圧部材17の下面17Fとフランジ部WFとの接触面積が次第に小さくなると共に、ワーク押圧部材17がフランジ部WFを押圧する位置が折曲げ部WB側へさらに移行する。そして、ワークWがワーク支持部材21の上面21Fを強力に押圧する位置も、フランジ部WF側の押圧位置に対応して、折曲げ部WB側へさらに移行する(図6(A),(B)参照)。
ーク押圧部材17によるフランジ部WFの折曲げがさらに進行すると、図6(A),(B)より理解されるように、ワーク押圧部材17がフランジ部WFを押圧する位置は、折曲げ部WBの折曲げ中心位置よりもフランジ部WFの端部側寄りの位置であるから、フランジ部WFの端部側には下方向へのモーメントが作用し、フランジ部WFの端部側は、ワーク押圧部材17の下面17Fから離れて浮いた状態となる(図7(A)参照)。ワークWがワーク支持部材21の上面21Fを押圧する位置は、ワーク押圧部材17がフランジ部WFを押圧する位置にほぼ上下に対向する位置であって、折曲げ部WBの折曲げ中心位置を間にして、折曲げ部WBの反対側に位置する。
したがって、ワークWが上面21Fを押圧したときの反力がワークWに作用する。この反力に起因するモーメントによって、ワークWはワーク支持部材21における上面21Fの端縁から離れて浮上した状態となる(図7(A)参照)。すなわち、ワークWの自由端側(図7(A),(B)においての右端側)は、ワーク押圧部材17の下面17F及びワーク支持部材21の上面21Fから浮いた状態に保持される。ワーク押圧部材17の押圧による折曲げ加工がさらに進行すると、フランジ部WFの端部側がワークWの上面に当接する(図7(B)参照)。
前述のように、ワークWのフランジ部WFの端部側がワークWの上面に当接した状態において、ワークWの折曲げ部WBを強固に押圧して押し潰すことにより、ヘミング加工が行われる。この際、ワーク押圧部材17の下面17Fは、フランジ部WFに全面的に接触した状態ではなく、折曲げ部WB付近を上側から押圧する。また、ワーク支持部材21における上面21Fにおいても、ワークWの折曲げ部付近を下側から支持する(図7(B)、図8(A),(B)参照)。
すなわち、ワーク押圧部材17における下面17FがワークWを加圧する面積及びワーク支持部材21の上面21FがワークWを加圧する面積は、ワークWの折曲げ部WBにおける上下の曲面を押圧する面積であって小さなものである。したがって、応力集中が生じ、ワーク押圧部材17の押圧力(加圧力)が比較的小さい場合であっても、ヘミング加工が可能になる。
前述のように、ワークWのヘミング加工を行うとき、ワークWのフランジ部WFの端部側がワークWの上面に押圧されていることにより、ワークWの折曲げ部WBは、図8(A),(B)において左方向への変形を受けることとなり、上方突出部7の前面7Bへ強力に押圧される(図8(B)参照)。したがって、折曲げ部WBの曲面は、前面7Bへの押圧によって変形を受ける。すなわち、折曲げ部WBには、円滑な曲面の一部に、前面7Bへの押圧による平面部が形成される。
そこで、ワーク支持部材21における上面21Fを、前側が低くなるように傾斜した構成の金型1によってヘミング加工を行った場合に実際に押圧力(加圧力)が小さくなるか否かの検証を行った。すなわち、同一構成の金型1において、ワーク押圧部材17の下面17を水平に形成し、かつワーク支持部材21の上面21Fが水平な金型(軽量ヘミングダイ)と、上面21Fの前側を低く傾斜させた金型(新しいヘミング加工法)を用いてヘミング加工を行った結果は、図9~図11に示すとおりであった。なお、図9及び図10において、ヘミング加工後の板厚に、上下に2種記載してある部分は、ワークWのフランジ部WFにおける折曲げ部WBにおける厚さと、フランジ部WFの端部側の離れた態においての厚さを示す。
図9~図11より明らかなように、加圧加重が同一荷重(60トン、52トン)である場合には、ワーク支持部材21における上面21Fの前側が低い金型(新しいヘミング加工法)の方が薄く形成される。そして、ワーク支持部材21の上面21Fの前側を低く形成した金型においては、加圧荷重を小さくした場合(例えば40トン、42トンの場合)であっても、ヘミング後の板厚をより薄くすることができる(図9~11参照)。なお、上面21Fの傾斜角度を一定に保持して各種材質のワークのヘミング加工を行ったが、ワークの材質、板厚に対応して上面21Fの傾斜角度の異なるワーク支持部材21に着脱交換することが望ましい。
次に、ワークWの折曲げ部WBが前面7Bへ押圧されて僅かに変形されることを防止するために、図12(A),(B)に示す金型1A及び1Bを作した。この金型1A,1Bにおける全体的構成は、前述した金型1の構成とほとんど同一であるから、同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして、重複した説明は省略する。
図12(A)に示金型1Aは、上方突出部7における前面7Bに、ワークWと当接自在なゴムなどの弾性部材7Cを前方向(図12(A)において右方向)へ僅かに突出して備えた構成である。図12(B)に示金型1Bは、上方突出部7内に内装したコイルスプリング等の弾性部材7Sによって突当部材7Dを前方向へ付勢し僅かに突出して備えた構成である。なお、弾性部材7C及び突当部材7Dは、左右方向に適宜間隔に複数備えられている。
上記構成の金型1Aまたは1Bによれば、ワークWのヘミング加工を行う際、前述したようにワークWの折曲げ部WBが、図8(B)に示ように、上方突出部7における前面7Bへ押圧されると、弾性部材7Cまたは突当部材7Dが押圧変形(押圧移動)されて、ワークWの図8(B)においての左方向への変形を許容する。したがって、ワークWの折曲げ部WBに、前面7Bへの押圧に起因する僅かな変形の発生を防止することができる。
1 金型
3 下部テーブル
5 金型ベース
11 ダイホルダ(昇降部材)
17 ワーク押圧部材
17F 下面(加圧面)
21 ワーク支持部材
21F 上面
25 上部テーブル
27 パンチ
51 金型
53 上型(パンチ)
55 下型(ダイ)
57 折曲げ溝
61 ワーク押圧部
63 加圧面

Claims (4)

  1. プレスブレーキにおける下部テーブルに装着されている金型ベースは、折曲げ加工前のワークの端縁を支持するワーク支持部材を有し、
    前記金型ベースには、前記プレスブレーキにおける上部テーブルの相対的な下降によって押圧されて上下動する昇降部材が取り付けられており、
    前記昇降部材にはワーク押圧部材が取り付けられており、
    前記ワーク支持部材の上面と前記ワーク押圧部材の下面とが上下方向に対向し、
    前記ワーク支持部材の上面と前記ワーク押圧部材の下面とは、前側に向かうほど両者の間隔が広くなるように、前記ワーク支持部材の上面または前記ワーク押圧部材の下面が傾斜しており、
    前記ワーク支持部材の上面に前記ワークの端縁を位置決めし、
    前記ワーク押圧部材の下面を前記ワークの端縁に線接触させた状態で前記上部テーブルの相対的な下降によって前記ワークの端縁を加圧して応力集中を生じさせることにより、折曲げ加工前の前記ワークの端縁の残留応力を低減する
    ワーク端縁の残留応力低減方法。
  2. 前記上部テーブルの相対的な下降によって、前記ワーク押圧部材の下面が前記ワークの端縁に線接触する状態から面接触する状態へと移行させ、前記面接触により前記ワークの端縁の残留応力をさらに低減する請求項1に記載のワーク端縁の残留応力低減方法。
  3. 前記ワーク支持部材の上面が、前側が低くなるように傾斜しているか、前記ワーク押圧部材の下面が、前側が高くなるように傾斜している請求項1または2に記載のワーク端縁の残留応力低減方法。
  4. 前記金型ベースは前記ワークの端縁を位置決めするワーク位置決め面を有し、
    前記ワーク支持部材と前記ワーク押圧部材との間に挿入された前記ワークの端縁を前記ワーク位置決め面に当接させて位置決めする
    請求項1~3のいずれか1項に記載のワーク端縁の残留応力低減方法。
JP2021051788A 2014-04-01 2021-03-25 ワーク端縁の残留応力低減方法 Active JP7050984B2 (ja)

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