JP4750235B2 - 加硫ゴム及びタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫ゴム及びタイヤに関し、更に詳しくは、クラック等の発生がなく、特に市場が要望する優れた氷上性能を有するタイヤ、及び、該タイヤのトレッド等に好適に使用できる加硫ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】
スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪路面上でのタイヤの制動・駆動性能(氷上性能)を向上させるため、特にタイヤのトレッドについての研究が盛んに行われてきている。
前記氷雪路面においては、該氷雪路面と前記タイヤとの摩擦熱等により水膜が発生し易く、該水膜が、タイヤと氷雪路面との間の摩擦係数を低下させる原因になっている。このため、前記タイヤのトレッドの水膜除去能やエッヂ効果が、前記氷上性能に大きく影響する。したがって、タイヤにおける前記氷上性能を向上させるためには、前記トレッドの水膜除去能やエッヂ効果を改良することが必要である。
【0003】
そこで、特開平4−38207号公報等においては、前記トレッドの表面にミクロな排水溝(深さ、幅共に100μm程度)を多数設け、該ミクロな排水溝により前記水膜を排除し、該トレッドを有するタイヤの前記氷雪路面上での摩擦係数を大きくさせ、前記氷上性能を向上させることが提案されている。
しかし、この場合、該タイヤの使用初期における前記氷上性能を向上させることはできるものの、該タイヤの摩耗に伴い、徐々に前記氷上性能が低下してしまうという問題がある。
【0004】
また、前記トレッドに発泡ゴムを用い、該発泡ゴムにおける気泡が露出して形成される凹部により前記水膜を除去し、前記氷上性能を向上させることが提案されている。
しかし、単なる発泡ゴムにおける気泡が露出して形成される凹部は、その断面が球状であり異方性を持たず、ミクロな排水溝として機能し得ないため、この場合、市場の要求レベルを満たす程度にまで前記氷上性能を向上させることができないという問題がある。
【0005】
更に、特開平4−38207号公報等においては、短繊維入発泡ゴムを前記トレッドに用いることにより、該トレッドの表面に前記ミクロな排水溝を形成することが記載されている。
しかし、この場合、該短繊維は熱収縮によりカールしたり、モールド加硫時にサイプ部に押し込まれて屈曲してしまい、走行により該トレッドが摩耗しても、摩耗面と略平行でない該短繊維は、該トレッドから容易に離脱せず、当初の狙いのような前記ミクロな排水溝が効率的に形成できず、前記氷雪路面上での摩擦係数の向上が十分でない。また、前記短繊維の離脱は走行条件等に大きく左右され、確実に前記氷上性能を向上させることができない。また、前記ミクロな排水溝は、タイヤにかかる負荷が大きい場合には潰れてしまう等の問題がある。
【0006】
一方、特開平4−110212号公報等においては、前記トレッドに中空繊維を分散させることにより、前記氷雪路面と前記トレッドとの間に存在する前記水膜を該中空繊維の中空部分で排除し得るタイヤが開示されている。
しかしながら、このタイヤの場合、該中空繊維のゴム中への混練時や成形時における圧力、ゴム流れ、温度等によって該中空繊維が潰れてしまい、実際には該中空繊維は中空形状を保つことができず、前記ミクロな排水溝が効率的に形成できず、依然として前記氷上性能が十分でないという問題がある。
【0007】
他方、各種の高硬度材料を前記トレッド中に混入し、該高硬度材料による引っ掻き効果を利用して前記トレッドの前記氷雪路面に対する摩擦係数を大きくさせる技術も知られている(特公昭46−31732号、特開昭51−147803号、特公昭56−52057号公報、特公平6−102737号公報等)。
しかしながら、この場合、前記水膜が存在し得る0℃付近における前記氷上性能を十分には向上させることができず、また、前記高硬度材料がゴムに親和性のない異物として存在するため、耐摩耗性や破壊特性の低下が著しく、クラック等が発生し易い等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、クラック等の発生がなく、前記氷雪路面上に生ずる水膜の除去能力に優れ、該氷雪路面との間の摩擦係数が大きく、前記氷上性能に優れるタイヤを提供することを目的とする。また、本発明は、前記タイヤのトレッド等の氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適に使用できる加硫ゴムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、0℃におけるJIS−C硬度が低くとも75の素材よりなり、かつ平均粒径が5〜3000μmであり、BET窒素吸着法により測定した比表面積が10〜800m 2 /gである多孔質の粒子3〜30重量部と、を含有してなり、
前記素材は、セラミックスとして、Al 2 3 、ZnO、TiO 2 、SiC、フェライト、ジルコニア、およびMgO;金属として、Fe、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Cr、および上記金属よりなる合金;上記金属の窒化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、および硫酸塩;真ちゅう、ステンレス、ガラス、カーボン、カーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリン、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、並びにグラファイトから選択される少なくとも1種であり、
長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が小さくとも3であり、かつ加硫最高温度より融点の低い樹脂で被覆された長尺状気泡を有することを特徴とする加硫ゴムである。
<2> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と粒子とを含むゴムマトリックスと、加硫時に該ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる樹脂とを含有してなるゴム組成物を加硫して得られる前記<1>に記載の加硫ゴムである。
<3> 樹脂が結晶性高分子を含んでなる前記<2>に記載の加硫ゴムである。
> 粒子が、表面に珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なくとも一方を有する前記<1>から<>のいずれかに記載の加硫ゴムである。
> 一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で表されるカップリング剤の少なくとも1種を、粒子の重量に対し、3〜50重量%含有してなる前記<1>から<>のいずれかに記載の加硫ゴムである。
ただし、該一般式において、Yは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル基又は塩素原子を表す。3個のYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。nは、1〜6の整数を表す。Aは、−Sm n 2nSi−Y3 又は−Sm Zを表す。ここで、Zは、以下に示すいずれかの基を表す。mは、1〜6の整数を表す。Y及びnは、前記の通りである。
【0010】
【化2】
【0011】
> 平均発泡率が3〜40%である前記<1>から<>のいずれかに記載の加硫ゴムである。
> タイヤに用いられる前記<1>から<>のいずれかに記載の加硫ゴムである。
【0012】
> 1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが前記<1>から<>のいずれかに記載の加硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤである。
> 長尺状気泡がタイヤ周方向に沿って配向された前記<>に記載のタイヤである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の加硫ゴム及びタイヤについて以下に詳細に説明する。
【0014】
(加硫ゴム)
本発明の加硫ゴムは、ゴム成分と粒子とを少なくとも含有してなり、長尺状気泡を有する。本発明の加硫ゴムは、以下のゴムマトリックスと加硫最高温度より融点の低い樹脂(以下、単に「樹脂」と称す)とを含有するゴム組成物を加硫して得られる。
【0015】
−−ゴムマトリックス−−
前記ゴムマトリックスは、前記ゴム組成物における前記樹脂を除く成分を含み、具体的には、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、粒子とを少なくとも含み、好ましくは更にカップリング剤を含み、更に必要に応じて発泡剤、発泡助剤等のその他の成分を含む。
【0016】
−ゴム成分−
前記ゴム成分は、天然ゴムのみを含んでいてもよいし、ジエン系合成ゴムのみを含んでいてもよいし、両者を含んでいてもよい。
前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)などが挙げられる。これらのジエン系合成ゴムの中でも、ガラス転移温度が低く、氷上性能の効果が大きい点で、シス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、シス含有率が90%以上のものが特に好ましい。
【0017】
なお、前記ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをトレッド等に用いる場合、前記ゴム成分としては、−60℃以下のガラス転移温度を有するものが好ましい。このようなガラス転移温度を有するゴム成分を用いると、該トレッド等は、低温域においても十分なゴム弾性を維持し、良好な前記氷上性能を示す点で有利である。
【0018】
−粒子−
前記粒子としては、0℃においてJIS−K 6301−C形硬度計で測定される硬度(以下「0℃におけるJIS−C硬度」という)が低くとも75であり、かつ平均粒径が5〜3000μmであり、その素材が、セラミックスとして、Al 2 3 、ZnO、TiO 2 、SiC、フェライト、ジルコニア、およびMgO;金属として、Fe、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Cr、および上記金属よりなる合金;上記金属の窒化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、および硫酸塩;真ちゅう、ステンレス、ガラス、カーボン、カーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリン、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、並びにグラファイトから選択される少なくとも1種であり、BET窒素吸着法により測定した比表面積が10〜800m 2 /gである多孔質の粒子であることが必要である。
【0019】
前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度は、上述の通り低くとも75(75以上)であることが必要であり、低くとも90(90以上)が好ましく、低くとも95(95以上)が特に好ましい。
なお、前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度の上限としては、特に制限はないが、90程度が選択される。
また、本発明においては、前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した0℃におけるJIS−C硬度のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した0℃におけるJIS−C硬度のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0020】
前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度の値が、75未満であると、0℃の氷雪路面でのJIS−C硬度はMin値で75であるため、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても十分な引っ掻き効果が得られない点で好ましくない。一方、低くとも75(75以上)であるとそのようなことはなく、十分な引っ掻き効果が得られ、低くとも90(90以上)、95(95以上)であると、十分な引っ掻き効果が得られる点で有利である。
【0021】
前記粒子の平均粒径は、上述の通り5〜3000μmであることが必要であり、10〜2500μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。
また、本発明においては、前記粒子の平均粒径として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した平均粒径のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した平均粒径のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0022】
前記粒子の平均粒径が、5μm未満であると、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても十分な引っ掻き効果が得られず、3000μmを超えると、該粒子と前記ゴム成分との接着力よりも粒子が路面より受ける力が優り、該粒子が前記ゴムマトリックスから脱離してしまうため、引っ掻き効果が得られない点で、いずれも好ましくない。
なお、前記粒子の平均粒径は、レーザー回折測定(光散乱法)等の原理により、常法に従って測定することができ、例えば、公知の粒度分析計等を用いて測定することができる。前記粒度分析計として、市販品を好適に使用することができ、該市販品としては、日機装株式会社製NIKKISOマイクロトラックMKII粒度分析計等が挙げられる。
【0023】
本発明においては、前記粒子として多孔質粒子使用される。前記粒子が多孔質であると、該粒子と前記ゴム成分との間で物理的なアンカー効果が生じ、該粒子がゴムマトリックスから脱離し難くなり、該ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いた場合において、該タイヤ等の氷上での十分な引っ掻き効果が得られる点で有利である。
【0024】
本発明においては、前記粒子の中でも、表面の平均孔径が40〜1000Åであることが好ましい。また、前記粒子としては、BET窒素吸着法により測定した比表面積が10〜800m2 /gである多孔質粒子が使用される
【0025】
前記粒子の表面の平均孔径は、上述の通り40〜1000Åが好ましく、40〜300Åがより好ましい。
また、本発明においては、前記粒子の表面の平均孔径として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した表面の平均孔径のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した表面の平均孔径のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0026】
前記粒子の表面の平均孔径が40Å未満であると、BET窒素吸着法により測定した比表面積が上記範囲を満たしていても、該多孔質粒子の表面と前記ゴム成分との接着性が低いために、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても、走行中に該トレッド等の表面から該粒子が脱離してしまうことがあるため好ましくない。一方、1000Åを超えると、BET窒素吸着法により測定した比表面積が上記範囲を満たしていても、該粒子が脆くなって破壊し、十分な引っ掻き効果が得られないことがあるため好ましくない。
【0027】
前記粒子のBET窒素吸着法により測定した比表面積としては、上述の通り10〜800m2 /gが必要であり、100〜600m2 /gがより好ましい。
また、本発明においては、前記粒子のBET窒素吸着法により測定した比表面積として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比表面積のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比表面積のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0028】
前記粒子のBET窒素吸着法により測定した比表面積が、10m2 /g未満であると、該粒子の表面積が小さいために該粒子の前記ゴム成分との接着力が十分でなく、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても、走行中に該粒子がトレッド等から脱離してしまうことがある。一方、800m2 /gを超えると、該粒子の孔による空隙体積が増大するために、該粒子自体の強度が低下し、路面との接触中に該粒子が破壊してしまうことがある。
なお、前記粒子の比表面積は、BET窒素吸着法により測定するが、該BET窒素吸着法は、ASTM D3037に準拠する。
【0029】
前記粒子の材質は、前述の通り、セラミックスとして、Al2 3 、ZnO、TiO2 、SiC、フェライト、ジルコニア、およびMgO;金属として、Fe、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Cr、および上記金属よりなる合金;上記金属の窒化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、および硫酸塩;真ちゅう、ステンレス、ガラス、カーボン、カーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリン、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、並びにグラファイトから選択される少なくとも1種である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
これらの中でも、該粒子の表面が、後述する珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なくとも一方を有し得る点で、Al2 3 、SiC、C、等が好ましく、後述する実施例で使用したものが特に好ましい。
なお、本発明においては、前記粒子は、1種の材質で形成されていてもよいし、2種以上の材質で形成されていてもよい。
【0031】
本発明における前記粒子は、前記0℃におけるJIS−C硬度、前記平均粒径、前記平均孔径、前記BET窒素吸着法により測定した比表面積、前記材質等がそれぞれ互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0032】
前記粒子の前記ゴム組成物における含有量としては、該ゴム成分100重量部に対し、3〜30重量部であることが必要であり、3〜15重量部が好ましい。
また、本発明においては、前記粒子のゴム組成物における含有量として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0033】
前記粒子のゴム組成物における含有量が、前記ゴム成分100重量部に対し、3重量部未満であると、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても、十分な引っ掻き効果が得られず、30重量部を超えると、耐久性の問題が生じる点で、いずれも好ましくない。
【0034】
本発明においては、前記粒子が、前記ゴム成分との親和性を向上させ得る表面処理が施されているのが好ましい。
前記粒子に、このような表面処理が施されていると、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用した場合、走行時に該粒子がゴムマトリックスから離脱し難く、十分な引っ掻き効果が得られ、前記トレッド等の破壊特性及び耐摩耗性を良好にすることができる点で有利である。
【0035】
前記表面処理方法としては、前記粒子の表面に接着剤をコーティングする方法、前記粒子の表面にメッキ、プラズマ処理やスパッタ処理等による蒸着を行う方法、カップリング剤やポリアルキレンオキサイド等による処理を行う方法、などが挙げられる。
なお、前記表面処理方法は、単独で行ってもよいし、あるいは2以上を組合わせて行っても、即ち2種以上の材料によるコーティング層を前記粒子の表面に形成してもよい。
【0036】
前記粒子の表面に接着剤をコーティングする方法の場合、前記接着剤としては、前記ゴム成分と前記粒子との双方に強固に装着し得る接着剤等が挙げられ、例えば、RFL(レゾルシン−ホルマリンラテックス)等が挙げられる。
前記粒子の表面にメッキ、プラズマ処理やスパッタ処理等による蒸着を行う方法の場合、メッキ乃至蒸着される素材としては、真ちゅう、銅、コバルト等が挙げられる。
【0037】
前記カップリング剤としては、例えば、後述のカップリング剤の外、シラン系、チタネート系、クロム系、アルミニウム系等の各種カップリング剤が挙げられる。
これらの場合においては、前記ゴムマトリックスに加硫促進剤を配合しておくのが好ましい。このようにすると、該粒子と前記ゴムマトリックスとが共架橋を形成し、親和性の向上が期待でき、より強い接着力を得ることができる点で有利である。
【0038】
また、本発明においては、前記粒子が、被覆材料でコーティングされているのも好ましい。この場合、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用した場合、走行時に該粒子が前記ゴムマトリックスから離脱し難く、十分な引っ掻き効果が得られ、前記トレッド等の破壊特性及び耐摩耗性を良好にすることができる点で有利である。
【0039】
前記被覆材料としては、例えば、接着用ゴム材料、樹脂、形状記憶性高分子などが挙げられる。
【0040】
前記接着用ゴム材料としては、前記ゴムマトリックス中の前記ゴム成分であってもよいし、他のゴム材料であってもよい。該接着用ゴム材料として、前記ゴムマトリックス中の前記ゴム成分と異なるゴム材料を使用する場合、該ゴム材料としては、ラテックス、エマルジョン又は熱可塑性ゴムを用いることができる。これらの接着用ゴム材料は、粘度が高い場合には適当な溶剤を加えてから前記粒子に塗布することができる。
【0041】
前記樹脂としては、例えば、SPB樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル、水酸化ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン−ポリオール、水酸化ポリエステル−ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル、フェノール樹脂、トリレンジイソシアネート、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、ポリシロキサン、シリコーン樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ピッチ、メチルメタクリレート、スチレン等が好適に挙げられる。
【0042】
前記形状記憶性高分子としては、例えば、ポリノルボルネン熱可塑性ゴム等が挙げられる。前記形状記憶性高分子は、低温(氷結温度)では強固に前記粒子を固定し、高温になると柔らかくなって前記ゴムマトリックスに親和することによって、大きな改善効果を発揮する。
【0043】
前記粒子の表面性状としては、該粒子の表面が、珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なくとも一方を有する化学性状を有するのが好ましい。
この場合、以下のカップリング剤を使用すると、該粒子の表面に存在する珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なくとも一方が該カップリング剤と容易に反応し、前記ゴムマトリックスと一次結合するため、該ゴムマトリックスと孔を介した物理的結合のみならず化学的に接着することができ、より強固な接着力が得られ、該粒子が前記ゴムマトリックスから脱離する問題を大幅に改善することができる点で有利である。
【0044】
−カップリング剤−
前記カップリング剤としては、一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で表されるの少なくとも1種を好適に使用することができる。
ただし、該一般式において、Yは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル基又は塩素原子を表し、これらの中でもアルコキシル基が好ましい。3個のYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。nは、1〜6の整数を表す。Aは、−Sm n 2nSi−Y3 又は−Sm Zを表す。ここで、Zは、以下に示すいずれかの基を表す。mは、1〜6の整数を表し、2〜5が好ましい。Y及びnは、前記の通りである。
【0045】
【化3】
【0046】
前記一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で表されるシランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
これらの中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが好しく、後述の実施例において使用したものがより好ましく、特にビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
【0048】
前記一般式において、3個のYは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。前者の具体例としては、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記カップリング剤の前記ゴム組成物における含有量としては、前記粒子の重量に対して3〜50重量%であるのが好ましく、3〜20重量%であるのがより好ましい。
前記カップリング剤のゴム組成物における含有量が、前記粒子の重量に対し、3重量%未満であると、前記粒子と前記ゴム成分との接着力が不足し、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても前記氷上性能が改善されないことがあり、50重量%を超えると、前記ゴムマトリックスが高弾性率化し、前記氷上性能が低下し、クラックが発生し易くなる点でいずれも好ましくない。
【0050】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の目的を害しない範囲で使用することができ、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填材、軟化剤、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤等の他、通常ゴム業界で用いる各種配合剤などを適宜使用することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本発明においては、前記その他の成分については市販品を使用することができる。
【0051】
本発明においては、前記その他の成分として、発泡剤を特に好ましく使用することができる。少なくとも前記発泡剤を使用すると、該ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に、所望の長尺状気泡を効率的に形成することができる点で有利である。
【0052】
前記発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルフォニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられる。
【0053】
これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発泡剤により、前記ゴム組成物を加硫して加硫ゴムを得た場合に、該加硫ゴムを発泡率に富む発泡ゴムとすることができる。
【0054】
また、本発明においては、効率的な発泡を行う観点から、前記その他の成分として発泡助剤を用い、該発泡助剤を前記発泡剤に併用するのが好ましい。
前記発泡助剤としては、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡製品の製造に用る助剤等が挙げられる。これらの中でも、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛等が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0055】
−−加硫最高温度より融点の低い樹脂−−
前記樹脂としては、前記ゴムマトリックスが加硫最高温度に達するまでの間に溶融(軟化を含む)する熱特性を有していること、換言すれば、前記ゴム組成物の加硫時に前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間に前記樹脂の粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる熱特性を有していることが特に好ましい。
【0056】
前記加硫最高温度とは、前記ゴム組成物の加硫時における前記ゴムマトリックスが達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、該ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに前記ゴムマトリックスが達する最高温度を意味する。前記加硫最高温度は、例えば、前記ゴムマトリックス中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
【0057】
なお、前記ゴムマトリックスの粘度は流動粘度を意味し、前記樹脂の粘度は溶融粘度を意味し、これらは、例えばコーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定することができる。
【0058】
前記樹脂の素材としては、前記熱特性を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱特性を有する樹脂としては、例えば、その融点が前記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子からなる樹脂などが好適に挙げられる。
【0059】
該結晶性高分子からなる樹脂を例に説明すると、該樹脂の融点と、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度との差が大きくなる程、前記ゴム組成物の加硫中に速やかに該樹脂が溶融するため、該樹脂の粘度が前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる時期が早くなる。このため、該樹脂が溶融すると、該ゴム組成物中に含まれる発泡剤等により生じたガスは、前記ゴムマトリックスよりも低粘度である該樹脂の内部に移動し、滞留する。その結果、該加硫ゴム中には、該樹脂で被覆された長尺状気泡が多く存在する。
【0060】
一方、前記樹脂の融点が、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初期に速やかに該樹脂が溶融せず、加硫終期に該樹脂が溶融する。加硫終期では、該ゴム組成物に含まれる前記発泡剤等により生じたガスの一部が加硫ゴム中に取り込まれており、溶融した該樹脂の内部に移動・滞留しない。その結果、溶融した樹脂内でのガスの保持が不十分になることがある。
他方、前記樹脂の融点が低くなり過ぎると、該ゴム組成物の混練り時の熱で該樹脂が溶融し、混練りの段階で該樹脂同士が融着し分散性が低下してしまう、混練りの段階で該樹脂が複数に分断されてしまう、あるいは該樹脂が前記ゴム組成物中に溶け込んでミクロに分散してしまうことがある。
【0061】
前記樹脂の融点の上限としては、特に制限はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合には、前記樹脂の融点としては、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
【0062】
一方、ゴム組成物の混練りを考慮すると、前記樹脂の融点としては、混練り時の最高温度に対して、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が特に好ましい。前記ゴム組成物の混練りでの最高温度を例えば95℃と想定した場合には、前記樹脂の融点としては、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。
【0063】
なお、前記樹脂の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
【0064】
前記樹脂は、結晶性高分子から形成されていてもよいし、非結晶性高分子から形成されていてもよいし、結晶性高分子と非結晶性高分子とから形成されていてもよいが、本発明においては、相転移があるために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な点で結晶性高分子を含む有機素材から形成されているのが好ましく、結晶性高分子のみから形成されるのがより好ましい。
【0065】
前記結晶性高分子の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれらに添加剤を加えたものも使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの結晶性高分子の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
【0066】
前記非結晶性高分子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0067】
前記樹脂には、本発明の目的を害しない範囲において、必要に応じて公知の添加剤が添加されていてもよい。
【0068】
前記樹脂の素材の分子量としては、該素材の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概に規定することはできないが、一般に、該樹脂は、同じ素材で形成されていてもその分子量が高い程、ある一定の温度における粘度(溶融粘度)は高くなる。本発明においては、前記樹脂における素材の分子量は、前記ゴムマトリックスの加硫最高温度における粘度(流動粘度)よりも該樹脂の粘度(溶融粘度)が高くならないような範囲で選択するのが好ましい。
【0069】
なお、一試験例では、前記樹脂が、1〜2×105 程度の重量平均分子量のポリエチレンの場合の方が、7×105 以上の重量平均分子量のポリエチレンの場合よりも、前記ゴム組成物の加硫後において、該ゴム組成物中に含まれる発泡剤等により生じたガスが、該樹脂の内部に多量に取り込まれていた。この相違は、該樹脂の素材であるポリエチレンの分子量の違いに起因する粘度(溶融粘度)の差に基づくものと推測される。
【0070】
前記樹脂の前記ゴム組成物における含有量としては、前記ゴムマトリックス100重量部に対して、0.5〜30重量部が好ましく、1.0〜10重量部がより好ましい。
また、本発明においては、前記樹脂の前記ゴム組成物における含有量として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0071】
前記含有量が、0.5重量部未満であると、前記ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に取り込み乃至保持されるガスの量が少なく、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用した場合、前記氷上性能を十分に向上させることができないことがあり、30重量部を超えると、該樹脂の前記ゴム組成物中での分散性が悪化する、ゴム押出時の作業性が悪化する、前記トレッドにクラックが発生する等の不都合が生ずることがある。一方、前記含有量が前記好ましい数値範囲内にあると、そのようなことがない点で好ましい。
【0072】
前記樹脂は、前記ゴム組成物の調製後(加硫時)において該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成することができれば、各ゴム組成物の各成分の配合乃至混合等時においては、ペレット状、粒状、粉状、球状、繊維状等のいずれの形態を有していてもよい。
【0073】
−−ゴム組成物の調製−−
前記ゴム組成物は、以上の各成分を適宜選択した条件、手法にて混練り、熱入れ、押出等することにより調製される。
【0074】
前記混練りは、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装置としては、市販品を好適に使用することができる。
【0075】
前記熱入れ又は押出は、熱入れ又は押出の時間、熱入れ又は押出の装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱入れ又は押出の装置としては、市販品を好適に使用することができる。
ただし、熱入れ又は押出の温度は、前記発泡剤が発泡を起こさないような範囲で適宜選択される。なお、前記押出温度は、一般的には90〜110℃程度である。
【0076】
なお、前記樹脂が、前記ゴム組成物の加硫前にペレット状、粒状等である場合、例えば、以下のようにして該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成することができる。即ち、前記ゴム組成物の前記混練り時に該樹脂を該ゴム組成物の各成分と共に添加し、溶融分散させる。該樹脂の平均径が3.8〜1000μm程度になるまで、前記混練りの温度や時間等の条件を適宜コントロールしながら前記混練りを行う。前記混練りの後、前記樹脂の融点以上の温度で前記押出等を行い、混練り物中に含まれる略球状の前記樹脂の形状を長尺状に変化させる。その結果、該ゴム組成物の調製後(加硫時)において該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成することができる。
【0077】
また、前記樹脂が、前記ゴム組成物の加硫前に粉状である場合、例えば、以下のようにして該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成することができる。即ち、該樹脂の平均径が3.8〜1000μmである場合、前記ゴム組成物の前記混練り時に前記樹脂を添加し、溶融分散させる必要はなく、該樹脂の融点以下の温度で該樹脂を前記ゴム組成物中に分散させて前記混練りを行う。前記混練りの後、前記樹脂の融点以上の温度で押出等を行い、混練り物中に含まれる略球状の前記樹脂の形状を長尺状に変化させる。その結果、該ゴム組成物の調製後(加硫時)において該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成することができる。
【0078】
更に、前記樹脂が、前記ゴム組成物の加硫前に糸状乃至繊維状等の長尺状樹脂である場合には、該長尺状樹脂を所望の長さにカットしてから、あるいはそのまま、これを前記ゴム組成物の各成分と混合した後、前記混練り、前記熱入れ、前記押出等を適宜行うことにより、調製された前記ゴム組成物中に前記長尺状樹脂の相を形成することができる。
ただし、前記長尺状樹脂を用いて前記混練り等を行う場合には、以下の二点に注意する必要がある。
【0079】
第一点は、前記長尺状樹脂の融点以下の温度で前記混練りを行い、混練り時に該長尺状樹脂による前記長尺状樹脂の相を溶融させない点である。このためには、前記混練り中の最大温度が前記長尺状樹脂の融点以下に抑えられるように、かつ前記長尺状樹脂の分散が良好になるように、混練り物全体の投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等の混練り条件を細かく設定することが必要になる。
【0080】
第二点は、前記押出においても上記同様、前記長尺状樹脂の融点以下の温度で行い、該押出時に該長尺状樹脂による前記長尺状樹脂の相を溶融させない点である。このためには、押出時の最大温度が前記長尺状樹脂の融点以下に抑えることが必要になる。更に、前記押出において、前記長尺状樹脂を押出方向に配向させる点である。このためには、限られた温度範囲の中で前記ゴムマトリックスの流動性をコントロールすることが重要である。即ち、前記ゴムマトリックス中に、オイル、液状ポリマー等の加工性改良剤を適宜添加することにより、該ゴムマトリックスの粘度を低下させ、その流動性を高めることにより、前記長尺状樹脂の融点以下という押出温度の制約条件下でも、極めて良好に押出を行うことができ、かつ理想的に前記長尺状樹脂による前記長尺状樹脂の相を前記押出方向に配向させることができる。
【0081】
前記長尺状樹脂の相の長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との関係は、逆相関関係にあり、前記押出の温度と速度とをコントロールすることにより調整することができる。即ち、前記押出の温度を前記樹脂の融点よりも大幅に高く設定することで前記長尺状樹脂の相の粘度を下げ、前記押出の速度を速めることで前記長尺状樹脂の相の平均径(D)を小さく(細く)し、長手方向最大長さ(L)を長くすることができ、前記長尺状樹脂の相の長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)を大きくすることができる。
【0082】
したがって、所望する前記長尺状樹脂の相の寸法(長手方向最大長さ(L)及び平均径(D))に応じて、▲1▼押出の温度、▲2▼押出の速度、▲3▼初期分散粒径を設定し、それに伴う前記混練りの最高温度や回数等の▲4▼混練り条件を設定することが必要となるが、各条件を適宜変えることで、細径でかつ長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が小さい前記長尺状樹脂の相から、太径でかつ長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が大きい前記長尺状樹脂の相まで任意に形成することができる。
【0083】
調製された前記ゴム組成物中においては、前記長尺状樹脂の相は前記押出による押出方向に配向するが、この配向を効果的に行うには、限られた温度範囲の中で前記ゴム組成物の流動性を制御すればよく、具体的には、前記ゴム組成物中に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等の可塑剤、液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴム等の液状ポリマーなどの加工性改良剤を適宜添加して該ゴム組成物の粘度を低下させ、その流動性を高めることが好ましい。
この場合、前記押出を良好に行うことができ、かつ理想的に前記長尺状樹脂の相を前記押出方向に配向させることができる。
【0084】
前記長尺状樹脂の相を前記押出方向に配向させた状態で含む前記ゴム組成物を加硫してトレッド等を製造する場合、該長尺状樹脂の相を、該トレッドにおける接地面に平行な方向に配向させるのが好ましく、タイヤの周方向に配向させるのがより好ましい。これらの場合、該タイヤの走行方向の排水性を高めることができ、前記氷上性能を効果的に向上させることができる点で有利である。
【0085】
前記長尺状樹脂の相の配向を揃える方法としては、例えば、図1に示すように、樹脂15を含むゴム組成物16を、流路断面積が出口に向かって減少する押出機の口金17から押し出すことにより、該樹脂15を一定の方向に配向させればよい。なお、この場合、押し出される前のゴム組成物16中の樹脂15は、口金17へ押し出されていく過程でその長手方向が押出方向(矢印A方向)に沿って除々に揃うようになり、口金17から押し出されるときには、その長手方向が押出方向(矢印A方向)にほぼ完全に配向させることができる。この場合における樹脂15のゴム組成物16中での配向の程度は、流路断面積の減少程度、押出速度、ゴム組成物16の粘度等によって変化する。
【0086】
−ゴム組成物の加硫−
前記ゴム組成物の加硫の条件乃至方法等については、特に制限はなく、前記ゴム成分の種類等に応じて適宜選択することができるが、前記トレッドを製造する場合にはモールド加硫が好ましい。
前記加硫の温度としては、一般に前記加硫中の前記ゴムマトリックスの加硫最高温度が前記樹脂の融点以上になるように選択される。前記加硫最高温度が前記樹脂の融点未満であると、前記樹脂が溶融せず、発泡等により生じたガスを該樹脂中に保持させることができず、加硫ゴム中に長尺状気泡を効率良く形成することができない。
なお、前記加硫を行う装置としては、特に制限はなく、市販品を好適に使用することができる。
【0087】
前記加硫の前の前記ゴム組成物においては、該ゴム組成物よりも前記長尺状樹脂の方が粘度が高い。該ゴム組成物の加硫開始後であって前記ゴムマトリックスが加硫最高温度に達するまでの間に、該ゴムマトリックスは加硫によりその粘度が上昇していき、前記長尺状樹脂は溶融して粘度が大幅に低下していく。そして、加硫途中において、前記ゴム組成物よりも該長尺状樹脂の方が粘度が低くなる。即ち、加硫前の前記ゴム組成物と該長尺状樹脂との間における粘度の関係が、加硫途中の段階で逆転する現象が生ずる。
【0088】
この間、前記ゴム組成物中では、前記発泡剤等による発泡が生じ、ガスが生ずる。このガスは、加硫反応が進行して粘度が高くなった前記ゴムマトリックスに比べ、溶融して相対的に粘度が低下した前記長尺状樹脂の内部に留まる。その結果、該ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムにおいては、前記長尺状樹脂が存在していた場所に長尺状気泡が形成されている。
この長尺状気泡は、その周囲(長尺状気泡の壁面)が前記長尺状樹脂の素材によって覆われ、カプセル状になっている。なお、前記長尺状樹脂によるカプセル状の被覆層は、以下において「保護層」と称することがある。前記長尺状気泡は、加硫ゴム内において独立して存在している。前記ゴム組成物において前記発泡剤等を使用した場合には、該ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、発泡率に富む発泡ゴムである。
【0089】
なお、前記長尺状樹脂の素材をポリエチレン、ポリプロピレン等とした場合、加硫したゴムマトリックスと前記長尺状樹脂の素材とは強固に接着している。なお、前記接着の力を向上させる必要がある場合には、例えば、前記長尺状樹脂に前記ゴムマトリックスとの接着性を向上させ得る成分を添加させてもよい。
【0090】
以上のように、本発明の加硫ゴムは、前記ゴム組成物を加硫することにより容易に得ることができる。
本発明の加硫ゴムにおいては、図2に示すように、加硫したゴムマトリックス6A中に長尺状気泡12が存在している。前記長尺状樹脂15の前記ゴム組成物中での配向を押出方向(A方向)に揃えた場合には、長尺状気泡12が一方向に配向した状態で存在している。長尺状気泡12は、溶融した長尺状樹脂15が、加硫したゴムマトリックス6Aに接着してなる保護層14により囲まれている。保護層14内には、前記発泡剤等から発生したガスが取り込まれている。なお、前記ゴムマトリックス中に前記発泡剤等を添加した場合には、前記加硫ゴム中においては、長尺状気泡12の外、長尺状気泡12内に取り込まれなかったガスが、球状の気泡18として存在している。
【0091】
本発明の加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用した場合においては、長尺状気泡12が表面に露出して形成される凹部が、効率的な排水を行う排水路として機能する。
また、本発明の加硫ゴムは、該凹部の表面が保護層14で形成されているため、該凹部が耐剥離性に優れ、水路形状保持性、水路エッジ部摩耗性、荷重入力時の水路保持性等にも優れる。保護層14の厚みとしては、0.5〜50μmが好ましい。
【0092】
本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡12の1個当たりの長手方向最大長さ(L)(図2参照)と、前記平均径(D)との比(L/D)としては、小さくとも3(即ち、3以上)である必要がある。なお、前記比(L/D)の上限は、特に制限はないが、8〜17程度が選択される。
また、本発明においては、前記比(L/D)として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比(L/D)のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比(L/D)のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0093】
前記比(L/D)が3未満であると、摩耗した加硫ゴムの表面に現れる長尺状の排水溝としての長尺状気泡12の長さを長くすることができず、また容積を大きくすることができないため、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性能を向上させることができない点で好ましくない。
【0094】
本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡12の長手方向最大長さ(L)が短すぎると、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性能が低下し、長すぎると、該加硫ゴムの耐カット性、ブロック欠けが悪化し、乾燥路面での耐摩耗性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0095】
本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡12の平均径(D)(=保護層14の内径、図2参照)としては、20〜500μmが好ましい。
前記平均径(D)が、20μm未満であると、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性能が低下し、500μmを超えると、該加硫ゴムの耐カット性、ブロック欠けが悪化し、乾燥路面での耐摩耗性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0096】
本発明の加硫ゴムにおける平均発泡率Vsとしては、3〜40%が好ましく、5〜35%がより好ましい。
また、本発明においては、前記平均発泡率Vsとして、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例で採用した平均発泡率Vsのいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例で採用した平均発泡率Vsのいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0097】
前記平均発泡率をVsとは、長尺状気泡12の発泡率Vs2 の合計を意味し(図2に示すように、球状の気泡18が形成されている場合には、球状の気泡18の発泡率Vs1 と長尺状気泡12の発泡率Vs2 との合計を意味し)、次式により算出できる。
Vs=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)
ここで、ρ1 は、加硫ゴム(発泡ゴム)の密度(g/cm3 )を表す。ρ0 は、加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度(g/cm3 )を表す。
なお、前記加硫ゴム(発泡ゴム)の密度及び前記加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度は、例えば、エタノール中の重量と空気中の重量を測定し、これから算出した。
【0098】
前記平均発泡率Vsが3%未満であると、発生する水膜に対し、前記長尺状気泡による凹部体積の絶対的な不足により十分な水排除機能が得られず、該加硫ゴムの氷上性能を十分に向上させることができない可能性がある。一方、前記平均発泡率Vsが40%を越えると、前記氷上性能を向上させることができるものの、該加硫ゴム中の気泡の量が多くなり過ぎるために、該加硫ゴムの破壊限界が大巾に低下し、耐久性の点で好ましくない。
なお、前記平均発泡率Vsは、前記発泡剤の種類、量、組み合わせる前記発泡助剤の種類、量、樹脂の配合量等により適宜変化させることができる。
【0099】
本発明においては、前記平均発泡率Vsが3〜40%であると共に、長尺状気泡12が前記平均発泡率Vsにおける10%以上を占めることが好ましく、50%以上を占めることがより好ましい。換言すれば、長尺状気泡12が加硫ゴム中の全気泡の少なくとも10体積%(10体積%以上)を占めることが好ましく、長尺状気泡12が加硫ゴム中の全気泡の少なくとも50体積%(50体積%以上)を占めることがより好ましい。
前記比率が10%未満であると、長尺状気泡12による排水路が少ないために、水排除機能が十分でないことがある。
【0100】
本発明の加硫ゴムは、各種分野において好適に使用することができるが、氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物に特に好適に使用でき、タイヤのトレッド等に最も好適に用いることができる。
前記氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物としては、例えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイヤ、氷雪路走行に用いるゴム製タイヤチェーンの接地部分、雪上車のクローラー、靴底等が挙げられる。
【0101】
(タイヤ)
本発明のタイヤは、少なくともトレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが前記本発明の加硫ゴムを含んでなる限り、他の構成としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。換言すれば、前記ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムによるトレッドを有するタイヤが、本発明のタイヤである。
【0102】
本発明のタイヤの一例を図面を用いて説明すると以下の通りである。図3に示すように、本発明のタイヤ4は、一対のビード部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。なお、トレッド5以外の内部構造は、一般のラジアルタイヤの構造と変わりないので説明は省略する。
【0103】
トレッド5には、図4に示すように、複数本の周方向溝8及びこの周方向溝8と交差する複数本の横溝9とによって複数のブロック10が形成されている。また、ブロック10には、氷上でのブレーキ性能及びトラクション性能を向上させるために、タイヤの幅方向(B方向)に沿って延びるサイプ11が形成されている。
【0104】
トレッド5は、図5に示すように、直接路面に接地する上層のキャップ部6と、このキャップ部6のタイヤの内側に隣接して配置される下層のベース部7とから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造を有する。
【0105】
キャップ部6は、図2及び図7に示すように、長尺状気泡12を無数に含んだ発泡ゴムであり、ベース部7には発泡されていない通常のゴムが使用されている。前記発泡ゴムが、前記本発明の加硫ゴムである。
長尺状気泡12は、図2に示すように、実質的にタイヤの周方向(矢印A方向)に配向されており、その周囲が前記長尺状樹脂による保護層14で被覆されている。なお、本発明においては、長尺状気泡12の配向の向きは、総てタイヤの周方向となっていなくてもよく、一部タイヤの周方向以外の向きになっていてもよい(図5参照)。
【0106】
タイヤ4は、その製造方法については特に制限はないが、例えば、以下のようにして製造することができる。即ち、まず、前記ゴム組成物を調製する。このゴム組成物においては、前記長尺状樹脂を一方向に配向させておく。該ゴム組成物を、生タイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部7(図5参照)の上に貼り付ける。このとき、前記長尺状樹脂の配向の方向を、タイヤの周方向と一致させておく。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形する。その結果、前記ゴム組成物が加硫されてなる本発明の加硫ゴムで形成されたキャップ部6を、加硫されたベース部7上に有してなるタイヤ4が得られる。
【0107】
なお、このとき、未加硫のキャップ部6がモールド内で加熱されると、前記ゴムマトリックス中で前記発泡剤等による発泡が生じ、ガスが生ずる。一方、前記長尺状樹脂15は溶融(又は軟化)し、その粘度(溶融粘度)がゴムマトリックスの粘度(流動粘度)よりも低下することにより、前記ガスは、溶融して相対的に粘度が低下した長尺状樹脂の内部に移動し、滞留する。図2に示すように、冷却後のキャップ部6は、実質的にタイヤの周方向に配向した長尺状気泡12が多数存在する発泡率に富む加硫ゴムとなっている。この長尺状気泡12の含有率に富む加硫ゴムは、前記本発明の加硫ゴムである。
【0108】
次に、タイヤ4の作用について説明する。氷雪路面上でタイヤ4を走行させる。タイヤ4と前記氷雪路面との摩擦により、タイヤ4のトレッド5の表面が摩耗する。すると、図6に示すように、長尺状気泡12による溝状の凹部13(球状の気泡18が存在するときは該球状の気泡18による凹部19も、同段落において同じ)が、トレッド5のキャップ部6の接地面に露出する。更にタイヤ4を走行させると、タイヤ4とその接地面との間の接地圧及び摩擦熱により、タイヤ4と氷雪路面との間に水膜が生じる。この水膜は、トレッド5のキャップ部6の接地面に露出する無数の凹部13により、素早く排除され、除去される。このため、タイヤ4は、前記氷雪路面上でもスリップ等することがない。
【0109】
タイヤ4においては、実質的にタイヤの周方向に配向している溝状の凹部13が効率的な排水を行う排水溝として機能する。凹部13は、その表面(周囲)が耐剥離性に優れる保護層14で形成されているため、高荷重時でも潰れ難く、高い排水溝形状保持性、水排除性能を保持しており、この凹部13により、タイヤ4の回転方向後側への水排除性能が向上するため、タイヤ4は、氷上ブレーキ性能に特に優れる。タイヤ4においては、保護層14の引っ掻き効果によって横方向の氷上μが向上し、氷上ハンドリングが良好である。
【0110】
本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物にも好適に適用できる。
【0111】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0112】
(実施例1〜2、参考例1〜12及び比較例1〜8)
表1に示す組成のゴム組成物を調製した。
これらのゴム組成物の加硫時におけるゴムマトリックスの加硫最高温度は、該ゴムマトリックス中に熱電対を埋め込んで測定したところ175℃であった。
表1における長尺状樹脂は、通常の溶融紡糸法に従って製造されたものであり、軸に直交する方向の断面が円形である。この長尺状樹脂は、実施例1〜2、参考例1〜9並びに比較例2、7及び8では、ポリエチレン(HDPE)であり、Dupont社製DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)が135℃であった。また、参考例10〜12及び比較例5では、ポリプロピレンであり、Dupont社製DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)が167℃であった。
【0113】
したがって、長尺状樹脂の融点は、実施例1〜2、参考例1〜12並びに比較例2、5、7及び8では、前記ゴムマトリックスの加硫時における加硫最高温度よりも低くなっている。
前記ゴム組成物の加硫時において、前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間に、前記長尺状樹脂の粘度が、実施例1〜2、参考例1〜12並びに比較例2、5、7及び8では、前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなった(図6参照)。
なお、前記長尺状樹脂の前記加硫最高温度における粘度(溶融粘度)は、コーンレオメーターを用いて測定(スタート温度を190℃とし、5℃ずつ温度を下げながら発生するトルクを長尺状樹脂の粘度として、該粘度の温度依存性を測定し、得られたカーブからトレッドの最高温度での長尺状樹脂の粘度を読み取り、ゴムマトリクスの粘度と比較した。温度以外は、後述のゴムマトリックスの粘度の測定と同条件で行った。)したところ、実施例1〜2、参考例1〜12では、5〜6kg・cmであった。
【0114】
前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度における粘度(流動粘度)は、モンサント社製コーンレオメーター型式1−C型を使用し、温度を変化させながら100サイクル/分の一定振幅入力を与えて経時的にトルクを測定し、その際の最小トルク値を粘度としたところ(ドーム圧力0.59MPa、ホールディング圧力0.78MPa、クロージング圧力0.78MPa、振り角±5°)、実施例1〜2、参考例1〜12では26.5〜26.6kg・cmであった。
【0115】
次に、表1〜3に示す組成の各ゴム組成物を製造した。得られた各ゴム組成物を加硫した加硫ゴムを用いてタイヤのトレッドを形成し、通常のタイヤ製造条件に従って各試験用のタイヤを製造した。
【0116】
このタイヤは、乗用車用ラジアルタイヤであり、そのタイヤサイズは185/70R13であり、その構造は図3に示す通りである。即ち、一対のビード部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。
【0117】
このタイヤにおいて、カーカス2のコードは、タイヤの周方向に対し90°の角度で配置され、その打ち込み数は50本/5cmである。タイヤ4のトレッド5には、図4に示す通り、タイヤの幅方向に4個のブロック10が配列されている。ブロック10のサイズは、タイヤの周方向の寸法が35mmであり、タイヤの幅方向の寸法が30mmである。ブロック10に形成されているサイプ11は、幅が0.4mmであり、タイヤの周方向の間隔が約7mmになっている。
なお、このタイヤ4のトレッド5には、長尺状気泡12が含まれており、その長手方向が実質的にタイヤの周方向(矢印A方向)に配向されており、その周囲が樹脂による保護層14で被覆されている。
【0118】
得られた各タイヤの氷上性能について評価した。その結果を表1に示した。
<氷上性能>
各タイヤを国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗用車を、一般アスファルト路上に200km走行させた後、氷上平坦路を走行させ、時速20km/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例2のタイヤを100として指数表示した。なお、数値が大きいほど氷上性能が良いことを示す。該氷上性能については、−2℃及び−8℃の条件下でそれぞれ測定した。なお、有意差は5%以上とした。
なお、トレッド5における加硫ゴムについての発泡率は、既述の計算式より算出(測定)した。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】
なお、表1において、「平均孔径」は、上記「粒子の表面の平均孔径」を意味し、「粒子径」は、上記「粒子の平均粒径」を意味し、「BET」は、上記「BET窒素吸着法により測定した比表面積」を意味し、「Hd JIS−C」は、前記0℃におけるJIS−C硬度を意味する。また、「SPB」は、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、JSR RB840)を意味し、「C/B」は、カーボンブラックであるカーボンN220(旭カーボン(株)製)を意味する。
【0124】
また、表2〜4において、「ブタジエンゴム」は、シス−1,4−ポリブタジエン(日本合成ゴム社製、BR01)を意味し、「カーボンブラック」は、カーボンN220(旭カーボン(株)製)を意味し、「老化防止剤」は、大内新興化学(株)製、ノクラック6Cを意味し、上段の「加硫促進剤」は、ジベンゾチアジルジスルフィドを意味し、下段の「加硫促進剤」は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリル−スルフェンアミドを意味し、「発泡剤 DPT」は、ジニトロペンタメチレンテトラミンを意味し、「発泡剤 ADCA」は、アゾジカルボンアミドを意味し、「発泡助剤A」は、ベンゼンスルフィン酸亜鉛を意味し、「発泡助剤B」は、ステアリン酸:尿素=15:85の混合物を意味し、「発泡助剤C」は、尿素を意味する。
【0125】
「長尺状樹脂 種類」の欄における「PE」は、ポリエチレンを意味し、同欄における「PP」は、ポリプロピレンを意味する。長尺状樹脂に関し、「Tm(℃)」は融点を意味し、「φ(μm)」は平均径を意味し、「l(mm)」は長手方向最大長さを意味する。
粒子に関し、「φ(μm)」は平均粒径を意味し、「硬度 Hd JIS−C」は、前記0℃におけるJIS−C硬度を意味し、「平均孔径」は粒子の表面の平均孔径を意味する。
発泡率に関し、「第1:第2 体積比」における、「第1」は第1独立気泡を意味し、「第2」は第2独立気泡を意味する。「第1独立気泡」は、球状の気泡を意味し、「第2独立気泡」は長尺状気泡を意味し、該長尺状気泡の「平均中空径」の単位は「μm」である。
【0126】
表1〜3の結果から、以下のことが明らかである。即ち、長尺状気泡及び粒子を含んでいない比較例1では、氷上性能は不十分な結果しか得られなかった。長尺状気泡は含むが粒子を含んでいない比較例2では、比較例1よりも氷上性能は僅かに良いものの、その程度は依然として不十分であった。粒子を含むが長尺状気泡を含んでいない比較例3では、比較例1よりも氷上性能は僅かに良いものの、その程度は依然として不十分であった。長尺状気泡及び粒子を含んでいないが発泡剤及び発泡助剤を含む比較例4では、比較例1よりは僅かに氷上性能は良いものの、その程度は不十分であった。
長尺状気泡は含むが粒子を含んでなく、発泡剤及び発泡助剤を含む比較例5では、比較例2よりは僅かに氷上性能は良いものの、その程度は不十分であった。粒子を含むが長尺状気泡を含んでいない比較例6では、比較例3よりは僅かに氷上性能は良いものの、その程度は不十分であった。
長尺状気泡及び粒子を含むが、該長尺状樹脂の比(L/D)が3未満である比較例7では、比較例2よりは僅かに氷上性能は良いものの、その程度は不十分であった。長尺状気泡及び粒子を含むが、該粒子の含有量がゴム成分100重量部に対して3重量部未満である比較例8では、比較例2の氷上性能と同等であった。
【0127】
一方、実施例1〜2、参考例1〜12では、氷上性能は良好な結果を示している。特に、本発明における最も好ましい態様である参考例6〜9では、氷上性能が最も好ましい結果を示した。また、全発泡率における長尺状気泡の割合が小さく、また複合粒子を使用した参考例10〜12では、他の実施例に比べると氷上性能がやや劣っていたが、実用上問題のないレベルであった。
【0128】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における諸問題を解決することができる。また、本発明によると、クラック等の発生がなく、前記氷雪路面上に生ずる水膜の除去能力に優れ、該氷雪路面との間の摩擦係数が大きく、前記氷上性能に優れるタイヤを提供することができる。また、本発明によると、前記タイヤのトレッド等の氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適に使用できる加硫ゴムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、長尺状樹脂の配向を揃える原理を説明する説明図である。
【図2】図2は、本発明の加硫ゴムの断面概略説明図である。
【図3】図3は、本発明のタイヤの一部断面概略説明図である。
【図4】図4は、本発明のタイヤの周面の一部概略説明図である。
【図5】図5は、本発明のタイヤのトレッドの一部断面概略説明図である。
【図6】図6は、温度(加硫時間)とゴムマトリックスの粘度及び長尺状樹脂の粘度との関係を示したグラフである。
【図7】図7は、摩耗した状態のトレッドを示す一部断面拡大概略説明図である。
【符号の説明】
1 一対のビード部
2 カーカス
3 ベルト
4 タイヤ
5 トレッド
6 キャップ部
6A 加硫ゴム
7 ベース部
8 周方向溝
9 横溝
10 ブロック
11 サイプ
12 長尺状気泡
13 凹部
14 保護層
15 長尺状樹脂
16 ゴムマトリックス
17 口金
18 球状の気泡
19 凹部

Claims (9)

  1. 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、0℃におけるJIS−C硬度が低くとも75の素材よりなり、平均粒径が5〜3000μmであり、BET窒素吸着法により測定した比表面積が10〜800m 2 /gである多孔質の粒子3〜30重量部と、を含有してなり、
    前記素材は、セラミックスとして、Al 2 3 、ZnO、TiO 2 、SiC、フェライト、ジルコニア、およびMgO;金属として、Fe、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Cr、および上記金属よりなる合金;上記金属の窒化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、および硫酸塩;真ちゅう、ステンレス、ガラス、カーボン、カーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリン、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、並びにグラファイトから選択される少なくとも1種であり、
    長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が小さくとも3であり、かつ加硫最高温度より融点の低い樹脂で被覆された長尺状気泡を有することを特徴とする加硫ゴム。
  2. 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と粒子とを含むゴムマトリックスと、加硫時に該ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる樹脂とを含有してなるゴム組成物を加硫して得られる請求項1に記載の加硫ゴム。
  3. 樹脂が結晶性高分子を含んでなる請求項2に記載の加硫ゴム。
  4. 粒子が、表面に珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なくとも一方を有する請求項1からのいずれかに記載の加硫ゴム。
  5. 一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で表されるカップリング剤の少なくとも1種を、粒子の重量に対し、3〜50重量%含有してなる請求項1からのいずれかに記載の加硫ゴム。
    ただし、該一般式において、Yは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル基又は塩素原子を表す。3個のYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。nは、1〜6の整数を表す。Aは、−Sm n 2nSi−Y3 又は−Sm Zを表す。ここで、Zは、以下に示すいずれかの基を表す。mは、1〜6の整数を表す。Y及びnは、前記の通りである。
  6. 平均発泡率が3〜40%である請求項1からのいずれかに記載の加硫ゴム。
  7. タイヤに用いられる請求項1からのいずれかに記載の加硫ゴム。
  8. 1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが請求項1からのいずれかに記載の加硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤ。
  9. 長尺状気泡がタイヤ周方向に沿って配向された請求項に記載のタイヤ。
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