JPH1171480A - 加硫ゴム及びタイヤ - Google Patents

加硫ゴム及びタイヤ

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JPH1171480A
JPH1171480A JP10186222A JP18622298A JPH1171480A JP H1171480 A JPH1171480 A JP H1171480A JP 10186222 A JP10186222 A JP 10186222A JP 18622298 A JP18622298 A JP 18622298A JP H1171480 A JPH1171480 A JP H1171480A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた氷上性能及び耐クラック性を有するタ
イヤのトレッド等に好適な加硫ゴムの提供。 【解決手段】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ば
れた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分1
00重量部に対し、0℃におけるJIS−C硬度が低く
とも75の素材よりなり、平均粒径が5〜3000μm
である粒子3〜30重量部と、を含有してなり、長手方
向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が小
さくとも3であり、かつ樹脂で被覆された長尺状気泡を
有することを特徴とする加硫ゴムである。前記粒子が、
表面の平均孔径が40〜1000Åであり、かつBET
窒素吸着法により測定した比表面積が10〜800m2
/gである多孔質粒子である態様、前記粒子が、表面に
珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なくと
も一方を有する態様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫ゴム及びタイ
ヤに関し、更に詳しくは、クラック等の発生がなく、特
に市場が要望する優れた氷上性能を有するタイヤ、及
び、該タイヤのトレッド等に好適に使用できる加硫ゴム
に関する。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪
路面上でのタイヤの制動・駆動性能(氷上性能)を向上
させるため、特にタイヤのトレッドについての研究が盛
んに行われてきている。前記氷雪路面においては、該氷
雪路面と前記タイヤとの摩擦熱等により水膜が発生し易
く、該水膜が、タイヤと氷雪路面との間の摩擦係数を低
下させる原因になっている。このため、前記タイヤのト
レッドの水膜除去能やエッヂ効果が、前記氷上性能に大
きく影響する。したがって、タイヤにおける前記氷上性
能を向上させるためには、前記トレッドの水膜除去能や
エッヂ効果を改良することが必要である。
【0003】そこで、特開平4−38207号公報等に
おいては、前記トレッドの表面にミクロな排水溝(深
さ、幅共に100μm程度)を多数設け、該ミクロな排
水溝により前記水膜を排除し、該トレッドを有するタイ
ヤの前記氷雪路面上での摩擦係数を大きくさせ、前記氷
上性能を向上させることが提案されている。しかし、こ
の場合、該タイヤの使用初期における前記氷上性能を向
上させることはできるものの、該タイヤの摩耗に伴い、
徐々に前記氷上性能が低下してしまうという問題があ
る。
【0004】また、前記トレッドに発泡ゴムを用い、該
発泡ゴムにおける気泡が露出して形成される凹部により
前記水膜を除去し、前記氷上性能を向上させることが提
案されている。しかし、単なる発泡ゴムにおける気泡気
泡が露出して形成される凹部は、その断面が球状であり
異方性を持たず、ミクロな排水溝として機能し得ないた
め、この場合、市場の要求レベルを満たす程度にまで前
記氷上性能を向上させることができないという問題があ
る。
【0005】更に、特開平4−38207号公報等にお
いては、短繊維入発泡ゴムを前記トレッドに用いること
により、該トレッドの表面に前記ミクロな排水溝を形成
することが記載されている。しかし、この場合、該短繊
維は熱収縮によりカールしたり、モールド加硫時にサイ
プ部に押し込まれて屈曲してしまい、走行により該トレ
ッドが摩耗しても、摩耗面と略平行でない該短繊維は、
該トレッドから容易に離脱せず、当初の狙いのような前
記ミクロな排水溝が効率的に形成できず、前記氷雪路面
上での摩擦係数の向上が十分でない。また、前記短繊維
の離脱は走行条件等に大きく左右され、確実に前記氷上
性能を向上させることができない。また、前記ミクロな
排水溝は、タイヤにかかる負荷が大きい場合には潰れて
しまう等の問題がある。
【0006】一方、特開平4−110212号公報等に
おいては、前記トレッドに中空繊維を分散させることに
より、前記氷雪路面と前記トレッドとの間に存在する前
記水膜を該中空繊維の中空部分で排除し得るタイヤが開
示されている。しかしながら、このタイヤの場合、該中
空繊維のゴム中への混練時や成形時における圧力、ゴム
流れ、温度等によって該中空繊維が潰れてしまい、実際
には該中空繊維は中空形状を保つことができず、前記ミ
クロな排水溝が効率的に形成できず、依然として前記氷
上性能が十分でないという問題がある。
【0007】他方、各種の高硬度材料を前記トレッド中
に混入し、該高硬度材料による引っ掻き効果を利用して
前記トレッドの前記氷雪路面に対する摩擦係数を大きく
させる技術も知られている(特公昭46−31732
号、特開昭51−147803号、特公昭56−520
57号公報、特公平6−102737号公報等)。しか
しながら、この場合、前記水膜が存在し得る0℃付近に
おける前記氷上性能を十分には向上させることができ
ず、また、前記高硬度材料がゴムに親和性のない異物と
して存在するため、耐摩耗性や破壊特性の低下が著し
く、クラック等が発生し易い等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、クラック等の発生がなく、
前記氷雪路面上に生ずる水膜の除去能力に優れ、該氷雪
路面との間の摩擦係数が大きく、前記氷上性能に優れる
タイヤを提供することを目的とする。また、本発明は、
前記タイヤのトレッド等の氷上でのスリップを抑えるこ
とが必要な構造物に好適に使用できる加硫ゴムを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少
なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重
量部に対し、0℃におけるJIS−C硬度が低くとも7
5の素材よりなり、かつ平均粒径が5〜3000μmで
ある粒子3〜30重量部と、を含有してなり、長手方向
最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が小さ
くとも3であり、かつ樹脂で被覆された長尺状気泡を有
することを特徴とする加硫ゴムである。 <2> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少
なくとも1種からなるゴム成分と粒子とを含むゴムマト
リックスと、加硫時に該ゴムマトリックスの温度が加硫
最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリッ
クスの粘度よりも低くなる樹脂とを含有してなるゴム組
成物を加硫して得られる前記<1>に記載の加硫ゴムで
ある。 <3> 樹脂が結晶性高分子を含んでなり、その融点が
加硫最高温度よりも低い前記<2>に記載の加硫ゴムで
ある。 <4> 粒子が、表面の平均孔径が40〜1000Åで
あり、かつBET窒素吸着法により測定した比表面積が
10〜800m2 /gである多孔質粒子である前記<1
>から<3>のいずれかに記載の加硫ゴムである。 <5> 粒子が、表面に珪素結合水酸基及びアルミニウ
ム結合水酸基の少なくとも一方を有する前記<1>から
<4>のいずれかに記載の加硫ゴムである。 <6> 一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で表される
カップリング剤の少なくとも1種を、粒子の重量に対
し、3〜50重量%含有してなる前記<1>から<5>
のいずれかに記載の加硫ゴムである。ただし、該一般式
において、Yは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキ
シル基又は塩素原子を表す。3個のYは、互いに同一で
あってもよいし、異なっていてもよい。nは、1〜6の
整数を表す。Aは、−Sm n 2nSi−Y3 又は−S
m Zを表す。ここで、Zは、以下に示すいずれかの基を
表す。mは、1〜6の整数を表す。Y及びnは、前記の
通りである。
【0010】
【化2】
【0011】<7> 平均発泡率が3〜40%である前
記<1>から<6>のいずれかに記載の加硫ゴムであ
る。
【0012】<8> 1対のビード部、該ビード部にト
ロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウ
ン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、
少なくとも該トレッドが前記<1>から<7>のいずれ
かに記載の加硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイ
ヤである。 <9> 長尺状気泡がタイヤ周方向に沿って配向された
前記<8>に記載のタイヤである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の加硫ゴム及びタ
イヤについて以下に詳細に説明する。
【0014】(加硫ゴム)本発明の加硫ゴムは、ゴム成
分と粒子とを少なくとも含有してなり、長尺状気泡を有
する。本発明の加硫ゴムは、以下のゴムマトリックスと
樹脂とを含有するゴム組成物を加硫して得られる。
【0015】−−ゴムマトリックス−− 前記ゴムマトリックスは、前記ゴム組成物における前記
樹脂を除く成分を含み、具体的には、天然ゴム及びジエ
ン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム
成分と、粒子とを少なくとも含み、好ましくは更にカッ
プリング剤を含み、更に必要に応じて発泡剤、発泡助剤
等のその他の成分を含む。
【0016】−ゴム成分− 前記ゴム成分は、天然ゴムのみを含んでいてもよいし、
ジエン系合成ゴムのみを含んでいてもよいし、両者を含
んでいてもよい。前記ジエン系合成ゴムとしては、特に
制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択
することができるが、例えば、スチレン−ブタジエン共
重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタ
ジエン(BR)などが挙げられる。これらのジエン系合
成ゴムの中でも、ガラス転移温度が低く、氷上性能の効
果が大きい点で、シス−1,4−ポリブタジエンが好ま
しく、シス含有率が90%以上のものが特に好ましい。
【0017】なお、前記ゴム組成物を加硫して得た加硫
ゴムをトレッド等に用いる場合、前記ゴム成分として
は、−60℃以下のガラス転移温度を有するものが好ま
しい。このようなガラス転移温度を有するゴム成分を用
いると、該トレッド等は、低温域においても十分なゴム
弾性を維持し、良好な前記氷上性能を示す点で有利であ
る。
【0018】−粒子− 前記粒子としては、0℃においてJIS−K 6301
−C形硬度計で測定される硬度(以下「0℃におけるJ
IS−C硬度」という)が低くとも75であり、かつ平
均粒径が5〜3000μmであることが必要である。
【0019】前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度
は、上述の通り低くとも75(75以上)であることが
必要であり、低くとも90(90以上)が好ましく、低
くとも95(95以上)が特に好ましい。なお、前記粒
子の0℃におけるJIS−C硬度の上限としては、特に
制限はないが、90程度が選択される。また、本発明に
おいては、前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度とし
て、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又
は後述の実施例において採用した0℃におけるJIS−
C硬度のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいず
れかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において
採用した0℃におけるJIS−C硬度のいずれかの値を
上限とする数値範囲も好ましい。
【0020】前記粒子の0℃におけるJIS−C硬度の
値が、75未満であると、0℃の氷雪路面でのJIS−
C硬度はMin値で75であるため、該ゴム組成物を加
硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても
十分な引っ掻き効果が得られない点で好ましくない。一
方、低くとも75(75以上)であるとそのようなこと
はなく、十分な引っ掻き効果が得られ、低くとも90
(90以上)、95(95以上)であると、十分な引っ
掻き効果が得られる点で有利である。
【0021】前記粒子の平均粒径は、上述の通り5〜3
000μmであることが必要であり、10〜2500μ
mが好ましく、10〜500μmがより好ましい。ま
た、本発明においては、前記粒子の平均粒径として、前
記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述
の実施例において採用した平均粒径のいずれかの値を下
限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限
値又は後述の実施例において採用した平均粒径のいずれ
かの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0022】前記粒子の平均粒径が、5μm未満である
と、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのト
レッド等に使用しても十分な引っ掻き効果が得られず、
3000μmを超えると、該粒子と前記ゴム成分との接
着力よりも粒子が路面より受ける力が優り、該粒子が前
記ゴムマトリックスから脱離してしまうため、引っ掻き
効果が得られない点で、いずれも好ましくない。なお、
前記粒子の平均粒径は、レーザー回折測定(光散乱法)
等の原理により、常法に従って測定することができ、例
えば、公知の粒度分析計等を用いて測定することができ
る。前記粒度分析計として、市販品を好適に使用するこ
とができ、該市販品としては、日機装株式会社製NIK
KISOマイクロトラックMKII粒度分析計等が挙げら
れる。
【0023】本発明においては、前記粒子の中でも多孔
質粒子を特に好ましく使用することができる。前記粒子
が多孔質であると、該粒子と前記ゴム成分との間で物理
的なアンカー効果が生じ、該粒子がゴムマトリックスか
ら脱離し難くなり、該ゴム組成物を加硫して得られる加
硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いた場合において、該
タイヤ等の氷上での十分な引っ掻き効果が得られる点で
有利である。
【0024】本発明においては、前記粒子の中でも、表
面の平均孔径が40〜1000Åであり、かつBET窒
素吸着法により測定した比表面積が10〜800m2
gである多孔質粒子が好ましい。
【0025】前記粒子の表面の平均孔径は、上述の通り
40〜1000Åが好ましく、40〜300Åがより好
ましい。また、本発明においては、前記粒子の表面の平
均孔径として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しく
は上限値又は後述の実施例において採用した表面の平均
孔径のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれ
かの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採
用した表面の平均孔径のいずれかの値を上限とする数値
範囲も好ましい。
【0026】前記粒子の表面の平均孔径が40Å未満で
あると、BET窒素吸着法により測定した比表面積が上
記範囲を満たしていても、該多孔質粒子の表面と前記ゴ
ム成分との接着性が低いために、該ゴム組成物を加硫し
て得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても、走
行中に該トレッド等の表面から該粒子が脱離してしまう
ことがあるため好ましくない。一方、1000Åを超え
ると、BET窒素吸着法により測定した比表面積が上記
範囲を満たしていても、該粒子が脆くなって破壊し、十
分な引っ掻き効果が得られないことがあるため好ましく
ない。
【0027】前記粒子のBET窒素吸着法により測定し
た比表面積としては、上述の通り10〜800m2 /g
が好ましく、100〜600m2 /gがより好ましい。
また、本発明においては、前記粒子のBET窒素吸着法
により測定した比表面積として、前記数値範囲のいずれ
かの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採
用した該比表面積のいずれかの値を下限とし、前記数値
範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施
例において採用した該比表面積のいずれかの値を上限と
する数値範囲も好ましい。
【0028】前記粒子のBET窒素吸着法により測定し
た比表面積が、10m2 /g未満であると、該粒子の表
面積が小さいために該粒子の前記ゴム成分との接着力が
十分でなく、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタ
イヤのトレッド等に使用しても、走行中に該粒子がトレ
ッド等から脱離してしまうことがある。一方、800m
2 /gを超えると、該粒子の孔による空隙体積が増大す
るために、該粒子自体の強度が低下し、路面との接触中
に該粒子が破壊してしまうことがある。なお、前記粒子
の比表面積は、BET窒素吸着法により測定するが、該
BET窒素吸着法は、ASTM D3037に準拠す
る。
【0029】前記粒子の材質としては、例えば、Al2
3 、ZnO、TiO2 、SiC、Si、SiO2 、フ
ェライト、ジルコニア、MgO等のセラミックス、F
e、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Cr等の金
属、及びこれら金属よりなる合金、真ちゅう、ステンレ
ス等、更にはこれら金属の窒化物、酸化物、水酸化物、
炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、その他、ガラス、カーボ
ン、カーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリ
ン、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、グ
ラファイト等が挙げられる。これらは1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】これらの中でも、該粒子の表面が、後述す
る珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少なく
とも一方を有し得る点で、Al2 3 、SiC、Si、
C、SiO2 等が好ましく、後述する実施例で使用した
ものが特に好ましい。なお、本発明においては、前記粒
子は、1種の材質で形成されていてもよいし、2種以上
の材質で形成されていてもよい。
【0031】本発明における前記粒子は、前記0℃にお
けるJIS−C硬度、前記平均粒径、前記平均孔径、前
記BET窒素吸着法により測定した比表面積、前記材質
等がそれぞれ互いに同じであってもよいし、異なってい
てもよい。
【0032】前記粒子の前記ゴム組成物における含有量
としては、該ゴム成分100重量部に対し、3〜30重
量部であることが必要であり、3〜15重量部が好まし
い。また、本発明においては、前記粒子のゴム組成物に
おける含有量として、前記数値範囲のいずれかの下限値
若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有
量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれか
の下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用
した含有量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ま
しい。
【0033】前記粒子のゴム組成物における含有量が、
前記ゴム成分100重量部に対し、3重量部未満である
と、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのト
レッド等に使用しても、十分な引っ掻き効果が得られ
ず、30重量部を超えると、耐久性の問題が生じる点
で、いずれも好ましくない。
【0034】本発明においては、前記粒子が、前記ゴム
成分との親和性を向上させ得る表面処理が施されている
のが好ましい。前記粒子に、このような表面処理が施さ
れていると、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタ
イヤのトレッド等に使用した場合、走行時に該粒子がゴ
ムマトリックスから離脱し難く、十分な引っ掻き効果が
得られ、前記トレッド等の破壊特性及び耐摩耗性を良好
にすることができる点で有利である。
【0035】前記表面処理方法としては、前記粒子の表
面に接着剤をコーティングする方法、前記粒子の表面に
メッキ、プラズマ処理やスパッタ処理等による蒸着を行
う方法、カップリング剤やポリアルキレンオキサイド等
による処理を行う方法、などが挙げられる。なお、前記
表面処理方法は、単独で行ってもよいし、あるいは2以
上を組合わせて行っても、即ち2種以上の材料によるコ
ーティング層を前記粒子の表面に形成してもよい。
【0036】前記粒子の表面に接着剤をコーティングす
る方法の場合、前記接着剤としては、前記ゴム成分と前
記粒子との双方に強固に装着し得る接着剤等が挙げら
れ、例えば、RFL(レゾルシン−ホルマリンラテック
ス)等が挙げられる。前記粒子の表面にメッキ、プラズ
マ処理やスパッタ処理等による蒸着を行う方法の場合、
メッキ乃至蒸着される素材としては、真ちゅう、銅、コ
バルト等が挙げられる。
【0037】前記カップリング剤としては、例えば、後
述のカップリング剤の外、シラン系、チタネート系、ク
ロム系、アルミニウム系等の各種カップリング剤が挙げ
られる。これらの場合においては、前記ゴムマトリック
スに加硫促進剤を配合しておくのが好ましい。このよう
にすると、該粒子と前記ゴムマトリックスとが共架橋を
形成し、親和性の向上が期待でき、より強い接着力を得
ることができる点で有利である。
【0038】また、本発明においては、前記粒子が、被
覆材料でコーティングされているのも好ましい。この場
合、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのト
レッド等に使用した場合、走行時に該粒子が前記ゴムマ
トリックスから離脱し難く、十分な引っ掻き効果が得ら
れ、前記トレッド等の破壊特性及び耐摩耗性を良好にす
ることができる点で有利である。
【0039】前記被覆材料としては、例えば、接着用ゴ
ム材料、樹脂、形状記憶性高分子などが挙げられる。
【0040】前記接着用ゴム材料としては、前記ゴムマ
トリックス中の前記ゴム成分であってもよいし、他のゴ
ム材料であってもよい。該接着用ゴム材料として、前記
ゴムマトリックス中の前記ゴム成分と異なるゴム材料を
使用する場合、該ゴム材料としては、ラテックス、エマ
ルジョン又は熱可塑性ゴムを用いることができる。これ
らの接着用ゴム材料は、粘度が高い場合には適当な溶剤
を加えてから前記粒子に塗布することができる。
【0041】前記樹脂としては、例えば、SPB樹脂、
スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル、水酸化ポリ
エステル、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクト
ン−ポリオール、水酸化ポリエステル−ポリイソシアネ
ート、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル、フェノール樹脂、トリレンジイソシアネート、ビ
スフェノールAのグリシジルエーテル、ポリシロキサ
ン、シリコーン樹脂、PVA(ポリビニルアルコー
ル)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ピッチ、メチルメタクリ
レート、スチレン等が好適に挙げられる。
【0042】前記形状記憶性高分子としては、例えば、
ポリノルボルネン熱可塑性ゴム等が挙げられる。前記形
状記憶性高分子は、低温(氷結温度)では強固に前記粒
子を固定し、高温になると柔らかくなって前記ゴムマト
リックスに親和することによって、大きな改善効果を発
揮する。
【0043】前記粒子の表面性状としては、該粒子の表
面が、珪素結合水酸基及びアルミニウム結合水酸基の少
なくとも一方を有する化学性状を有するのが好ましい。
この場合、以下のカップリング剤を使用すると、該粒子
の表面に存在する珪素結合水酸基及びアルミニウム結合
水酸基の少なくとも一方が該カップリング剤と容易に反
応し、前記ゴムマトリックスと一次結合するため、該ゴ
ムマトリックスと孔を介した物理的結合のみならず化学
的に接着することができ、より強固な接着力が得られ、
該粒子が前記ゴムマトリックスから脱離する問題を大幅
に改善することができる点で有利である。
【0044】−カップリング剤− 前記カップリング剤としては、一般式、Y3 −Si−C
n 2nA で表されるの少なくとも1種を好適に使用す
ることができる。ただし、該一般式において、Yは、炭
素数1〜4のアルキル基、アルコキシル基又は塩素原子
を表し、これらの中でもアルコキシル基が好ましい。3
個のYは、互いに同一であってもよいし、異なっていて
もよい。nは、1〜6の整数を表す。Aは、−Sm n
2nSi−Y3 又は−Sm Zを表す。ここで、Zは、以
下に示すいずれかの基を表す。mは、1〜6の整数を表
し、2〜5が好ましい。Y及びnは、前記の通りであ
る。
【0045】
【化3】
【0046】前記一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で
表されるシランカップリング剤の具体例としては、ビス
(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィ
ド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスル
フィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テト
ラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)
テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−ニ
トロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピル
トリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−
クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルト
リエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−
N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、
3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチ
オカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシ
リルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラ
スルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチ
アゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプ
ロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエ
トキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、
3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノス
ルフィド等が挙げられる。これらは1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】これらの中でも、ビス(3−トリエトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシ
シリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなど
が好しく、後述の実施例において使用したものがより好
ましく、特にビス(3−トリエトキシシリルプロピル)
テトラスルフィドが好ましい。
【0048】前記一般式において、3個のYは互いに同
一であってもよいし、異なっていてもよい。前者の具体
例としては、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメト
キシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチ
ルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラ
ン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチ
ルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチ
ルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドな
どが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0049】前記カップリング剤の前記ゴム組成物にお
ける含有量としては、前記粒子の重量に対して3〜50
重量%であるのが好ましく、3〜20重量%であるのが
より好ましい。前記カップリング剤のゴム組成物におけ
る含有量が、前記粒子の重量に対し、3重量%未満であ
ると、前記粒子と前記ゴム成分との接着力が不足し、該
ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッド
等に使用しても前記氷上性能が改善されないことがあ
り、50重量%を超えると、前記ゴムマトリックスが高
弾性率化し、前記氷上性能が低下し、クラックが発生し
易くなる点でいずれも好ましくない。
【0050】−その他の成分− 前記その他の成分としては、本発明の目的を害しない範
囲で使用することができ、例えば、カーボンブラック、
シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填材、軟化剤、硫黄
等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促
進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スル
フェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル
−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステア
リン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤等の他、通常ゴム
業界で用いる各種配合剤などを適宜使用することができ
る。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を
併用してもよい。なお、本発明においては、前記その他
の成分については市販品を使用することができる。
【0051】本発明においては、前記その他の成分とし
て、発泡剤を特に好ましく使用することができる。少な
くとも前記発泡剤を使用すると、該ゴム組成物を加硫し
て得られる加硫ゴム中に、所望の長尺状気泡を効率的に
形成することができる点で有利である。
【0052】前記発泡剤としては、例えば、ジニトロソ
ペンタメチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボ
ンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテト
ラミンやベンゼンスルフォニルヒドラジド誘導体、オキ
シビスベンゼンスルフォニルヒドラジド(OBSH)、
二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナト
リウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソス
ルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−
ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジ
ド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’
−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)
等が挙げられる。
【0053】これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考
慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(D
PT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好まし
く、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好まし
い。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。前記発泡剤により、前記ゴム組成物
を加硫して加硫ゴムを得た場合に、該加硫ゴムを発泡率
に富む発泡ゴムとすることができる。
【0054】また、本発明においては、効率的な発泡を
行う観点から、前記その他の成分として発泡助剤を用
い、該発泡助剤を前記発泡剤に併用するのが好ましい。
前記発泡助剤としては、例えば、尿素、ステアリン酸亜
鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡
製品の製造に用る助剤等が挙げられる。これらの中で
も、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜
鉛等が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0055】−−樹脂−− 前記樹脂としては、前記ゴムマトリックスが加硫最高温
度に達するまでの間に溶融(軟化を含む)する熱特性を
有していること、換言すれば、前記ゴム組成物の加硫時
に前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達する
までの間に前記樹脂の粘度が該ゴムマトリックスの粘度
よりも低くなる熱特性を有していることが特に好まし
い。
【0056】前記加硫最高温度とは、前記ゴム組成物の
加硫時における前記ゴムマトリックスが達する最高温度
を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、該ゴム
組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却さ
れるまでに前記ゴムマトリックスが達する最高温度を意
味する。前記加硫最高温度は、例えば、前記ゴムマトリ
ックス中に熱電対を埋め込むこと等により測定すること
ができる。
【0057】なお、前記ゴムマトリックスの粘度は流動
粘度を意味し、前記樹脂の粘度は溶融粘度を意味し、こ
れらは、例えばコーンレオメーター、キャピラリーレオ
メーター等を用いて測定することができる。
【0058】前記樹脂の素材としては、前記熱特性を有
している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることができる。前記熱特性を有する樹脂としては、例
えば、その融点が前記加硫最高温度よりも低い結晶性高
分子からなる樹脂などが好適に挙げられる。
【0059】該結晶性高分子からなる樹脂を例に説明す
ると、該樹脂の融点と、前記ゴムマトリックスの前記加
硫最高温度との差が大きくなる程、前記ゴム組成物の加
硫中に速やかに該樹脂が溶融するため、該樹脂の粘度が
前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる時期が早く
なる。このため、該樹脂が溶融すると、該ゴム組成物中
に含まれる発泡剤等により生じたガスは、前記ゴムマト
リックスよりも低粘度である該樹脂の内部に移動し、滞
留する。その結果、該加硫ゴム中には、該樹脂で被覆さ
れた長尺状気泡が多く存在する。
【0060】一方、前記樹脂の融点が、前記ゴムマトリ
ックスの前記加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初
期に速やかに該樹脂が溶融せず、加硫終期に該樹脂が溶
融する。加硫終期では、該ゴム組成物に含まれる前記発
泡剤等により生じたガスの一部が加硫ゴム中に取り込ま
れており、溶融した該樹脂の内部に移動・滞留しない。
その結果、溶融した樹脂内でのガスの保持が不十分にな
ることがある。他方、前記樹脂の融点が低くなり過ぎる
と、該ゴム組成物の混練り時の熱で該樹脂が溶融し、混
練りの段階で該樹脂同士が融着し分散性が低下してしま
う、混練りの段階で該樹脂が複数に分断されてしまう、
あるいは該樹脂が前記ゴム組成物中に溶け込んでミクロ
に分散してしまうことがある。
【0061】前記樹脂の融点の上限としては、特に制限
はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好まし
く、一般的には、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高
温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上
低いのがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度
は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例え
ば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合
には、前記樹脂の融点としては、通常190℃以下の範
囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下
がより好ましい。
【0062】一方、ゴム組成物の混練りを考慮すると、
前記樹脂の融点としては、混練り時の最高温度に対し
て、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、
20℃以上が特に好ましい。前記ゴム組成物の混練りで
の最高温度を例えば95℃と想定した場合には、前記樹
脂の融点としては、100℃以上が好ましく、105℃
以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。
【0063】なお、前記樹脂の融点は、それ自体公知の
融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、
DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記
融点とすることができる。
【0064】前記樹脂は、結晶性高分子から形成されて
いてもよいし、非結晶性高分子から形成されていてもよ
いし、結晶性高分子と非結晶性高分子とから形成されて
いてもよいが、本発明においては、相転移があるために
粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な
点で結晶性高分子を含む有機素材から形成されているの
が好ましく、結晶性高分子のみから形成されるのがより
好ましい。
【0065】前記結晶性高分子の具体例としては、例え
ば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレ
ンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリ
ブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PV
A)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により
融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれ
らに添加剤を加えたものも使用できる。これらは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの結晶性高分子の中でも、ポリオレフィン、ポリ
オレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点で
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより
好ましく、融点が低く、取扱いが容易な点でポリエチレ
ン(PE)が特に好ましい。
【0066】前記非結晶性高分子としては、例えば、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリ
ルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレ
ン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロ
ニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が
挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。
【0067】前記樹脂には、本発明の目的を害しない範
囲において、必要に応じて公知の添加剤が添加されてい
てもよい。
【0068】前記樹脂の素材の分子量としては、該素材
の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概
に規定することはできないが、一般に、該樹脂は、同じ
素材で形成されていてもその分子量が高い程、ある一定
の温度における粘度(溶融粘度)は高くなる。本発明に
おいては、前記樹脂における素材の分子量は、前記ゴム
マトリックスの加硫最高温度における粘度(流動粘度)
よりも該樹脂の粘度(溶融粘度)が高くならないような
範囲で選択するのが好ましい。
【0069】なお、一試験例では、前記樹脂が、1〜2
×105 程度の重量平均分子量のポリエチレンの場合の
方が、7×105 以上の重量平均分子量のポリエチレン
の場合よりも、前記ゴム組成物の加硫後において、該ゴ
ム組成物中に含まれる発泡剤等により生じたガスが、該
樹脂の内部に多量に取り込まれていた。この相違は、該
樹脂の素材であるポリエチレンの分子量の違いに起因す
る粘度(溶融粘度)の差に基づくものと推測される。
【0070】前記樹脂の前記ゴム組成物における含有量
としては、前記ゴムマトリックス100重量部に対し
て、0.5〜30重量部が好ましく、1.0〜10重量
部がより好ましい。また、本発明においては、前記樹脂
の前記ゴム組成物における含有量として、前記数値範囲
のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例に
おいて採用した含有量のいずれかの値を下限とし、前記
数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の
実施例において採用した含有量のいずれかの値を上限と
する数値範囲も好ましい。
【0071】前記含有量が、0.5重量部未満である
と、前記ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に取
り込み乃至保持されるガスの量が少なく、該加硫ゴムを
タイヤのトレッド等に使用した場合、前記氷上性能を十
分に向上させることができないことがあり、30重量部
を超えると、該樹脂の前記ゴム組成物中での分散性が悪
化する、ゴム押出時の作業性が悪化する、前記トレッド
にクラックが発生する等の不都合が生ずることがある。
一方、前記含有量が前記好ましい数値範囲内にあると、
そのようなことがない点で好ましい。
【0072】前記樹脂は、前記ゴム組成物の調製後(加
硫時)において該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成
することができれば、各ゴム組成物の各成分の配合乃至
混合等時においては、ペレット状、粒状、粉状、球状、
繊維状等のいずれの形態を有していてもよい。
【0073】−−ゴム組成物の調製−− 前記ゴム組成物は、以上の各成分を適宜選択した条件、
手法にて混練り、熱入れ、押出等することにより調製さ
れる。
【0074】前記混練りは、混練り装置への投入体積、
ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時
間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装置
としては、市販品を好適に使用することができる。
【0075】前記熱入れ又は押出は、熱入れ又は押出の
時間、熱入れ又は押出の装置等の諸条件について特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前
記熱入れ又は押出の装置としては、市販品を好適に使用
することができる。ただし、熱入れ又は押出の温度は、
前記発泡剤が発泡を起こさないような範囲で適宜選択さ
れる。なお、前記押出温度は、一般的には90〜110
℃程度である。
【0076】なお、前記樹脂が、前記ゴム組成物の加硫
前にペレット状、粒状等である場合、例えば、以下のよ
うにして該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成するこ
とができる。即ち、前記ゴム組成物の前記混練り時に該
樹脂を該ゴム組成物の各成分と共に添加し、溶融分散さ
せる。該樹脂の平均径が3.8〜1000μm程度にな
るまで、前記混練りの温度や時間等の条件を適宜コント
ロールしながら前記混練りを行う。前記混練りの後、前
記樹脂の融点以上の温度で前記押出等を行い、混練り物
中に含まれる略球状の前記樹脂の形状を長尺状に変化さ
せる。その結果、該ゴム組成物の調製後(加硫時)にお
いて該ゴム組成物中に長尺状樹脂の相を形成することが
できる。
【0077】また、前記樹脂が、前記ゴム組成物の加硫
前に粉状である場合、例えば、以下のようにして該ゴム
組成物中に長尺状樹脂の相を形成することができる。即
ち、該樹脂の平均径が3.8〜1000μmである場
合、前記ゴム組成物の前記混練り時に前記樹脂を添加
し、溶融分散させる必要はなく、該樹脂の融点以下の温
度で該樹脂を前記ゴム組成物中に分散させて前記混練り
を行う。前記混練りの後、前記樹脂の融点以上の温度で
押出等を行い、混練り物中に含まれる略球状の前記樹脂
の形状を長尺状に変化させる。その結果、該ゴム組成物
の調製後(加硫時)において該ゴム組成物中に長尺状樹
脂の相を形成することができる。
【0078】更に、前記樹脂が、前記ゴム組成物の加硫
前に糸状乃至繊維状等の長尺状樹脂である場合には、該
長尺状樹脂を所望の長さにカットしてから、あるいはそ
のまま、これを前記ゴム組成物の各成分と混合した後、
前記混練り、前記熱入れ、前記押出等を適宜行うことに
より、調製された前記ゴム組成物中に前記長尺状樹脂の
相を形成することができる。ただし、前記長尺状樹脂を
用いて前記混練り等を行う場合には、以下の二点に注意
する必要がある。
【0079】第一点は、前記長尺状樹脂の融点以下の温
度で前記混練りを行い、混練り時に該長尺状樹脂による
前記長尺状樹脂の相を溶融させない点である。このため
には、前記混練り中の最大温度が前記長尺状樹脂の融点
以下に抑えられるように、かつ前記長尺状樹脂の分散が
良好になるように、混練り物全体の投入体積、ローター
の回転速度、ラム圧等の混練り条件を細かく設定するこ
とが必要になる。
【0080】第二点は、前記押出においても上記同様、
前記長尺状樹脂の融点以下の温度で行い、該押出時に該
長尺状樹脂による前記長尺状樹脂の相を溶融させない点
である。このためには、押出時の最大温度が前記長尺状
樹脂の融点以下に抑えることが必要になる。更に、前記
押出において、前記長尺状樹脂を押出方向に配向させる
点である。このためには、限られた温度範囲の中で前記
ゴムマトリックスの流動性をコントロールすることが重
要である。即ち、前記ゴムマトリックス中に、オイル、
液状ポリマー等の加工性改良剤を適宜添加することによ
り、該ゴムマトリックスの粘度を低下させ、その流動性
を高めることにより、前記長尺状樹脂の融点以下という
押出温度の制約条件下でも、極めて良好に押出を行うこ
とができ、かつ理想的に前記長尺状樹脂による前記長尺
状樹脂の相を前記押出方向に配向させることができる。
【0081】前記長尺状樹脂の相の長手方向最大長さ
(L)と平均径(D)との関係は、逆相関関係にあり、
前記押出の温度と速度とをコントロールすることにより
調整することができる。即ち、前記押出の温度を前記樹
脂の融点よりも大幅に高く設定することで前記長尺状樹
脂の相の粘度を下げ、前記押出の速度を速めることで前
記長尺状樹脂の相の平均径(D)を小さく(細く)し、
長手方向最大長さ(L)を長くすることができ、前記長
尺状樹脂の相の長手方向最大長さ(L)と平均径(D)
との比(L/D)を大きくすることができる。
【0082】したがって、所望する前記長尺状樹脂の相
の寸法(長手方向最大長さ(L)及び平均径(D))に
応じて、押出の温度、押出の速度、初期分散粒径
を設定し、それに伴う前記混練りの最高温度や回数等の
混練り条件を設定することが必要となるが、各条件を
適宜変えることで、細径でかつ長手方向最大長さ(L)
と平均径(D)との比(L/D)が小さい前記長尺状樹
脂の相から、太径でかつ長手方向最大長さ(L)と平均
径(D)との比(L/D)が大きい前記長尺状樹脂の相
まで任意に形成することができる。
【0083】調製された前記ゴム組成物中においては、
前記長尺状樹脂の相は前記押出による押出方向に配向す
るが、この配向を効果的に行うには、限られた温度範囲
の中で前記ゴム組成物の流動性を制御すればよく、具体
的には、前記ゴム組成物中に、アロマ系オイル、ナフテ
ン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等
の可塑剤、液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエ
ンゴム等の液状ポリマーなどの加工性改良剤を適宜添加
して該ゴム組成物の粘度を低下させ、その流動性を高め
ることが好ましい。この場合、前記押出を良好に行うこ
とができ、かつ理想的に前記長尺状樹脂の相を前記押出
方向に配向させることができる。
【0084】前記長尺状樹脂の相を前記押出方向に配向
させた状態で含む前記ゴム組成物を加硫してトレッド等
を製造する場合、該長尺状樹脂の相を、該トレッドにお
ける接地面に平行な方向に配向させるのが好ましく、タ
イヤの周方向に配向させるのがより好ましい。これらの
場合、該タイヤの走行方向の排水性を高めることがで
き、前記氷上性能を効果的に向上させることができる点
で有利である。
【0085】前記長尺状樹脂の相の配向を揃える方法と
しては、例えば、図1に示すように、樹脂15を含むゴ
ム組成物16を、流路断面積が出口に向かって減少する
押出機の口金17から押し出すことにより、該樹脂15
を一定の方向に配向させればよい。なお、この場合、押
し出される前のゴム組成物16中の樹脂15は、口金1
7へ押し出されていく過程でその長手方向が押出方向
(矢印A方向)に沿って除々に揃うようになり、口金1
7から押し出されるときには、その長手方向が押出方向
(矢印A方向)にほぼ完全に配向させることができる。
この場合における樹脂15のゴム組成物16中での配向
の程度は、流路断面積の減少程度、押出速度、ゴム組成
物16の粘度等によって変化する。
【0086】−ゴム組成物の加硫− 前記ゴム組成物の加硫の条件乃至方法等については、特
に制限はなく、前記ゴム成分の種類等に応じて適宜選択
することができるが、前記トレッドを製造する場合には
モールド加硫が好ましい。前記加硫の温度としては、一
般に前記加硫中の前記ゴムマトリックスの加硫最高温度
が前記樹脂の融点以上になるように選択される。前記加
硫最高温度が前記樹脂の融点未満であると、前記樹脂が
溶融せず、発泡等により生じたガスを該樹脂中に保持さ
せることができず、加硫ゴム中に長尺状気泡を効率良く
形成することができない。なお、前記加硫を行う装置と
しては、特に制限はなく、市販品を好適に使用すること
ができる。
【0087】前記加硫の前の前記ゴム組成物において
は、該ゴム組成物よりも前記長尺状樹脂の方が粘度が高
い。該ゴム組成物の加硫開始後であって前記ゴムマトリ
ックスが加硫最高温度に達するまでの間に、該ゴムマト
リックスは加硫によりその粘度が上昇していき、前記長
尺状樹脂は溶融して粘度が大幅に低下していく。そし
て、加硫途中において、前記ゴム組成物よりも該長尺状
樹脂の方が粘度が低くなる。即ち、加硫前の前記ゴム組
成物と該長尺状樹脂との間における粘度の関係が、加硫
途中の段階で逆転する現象が生ずる。
【0088】この間、前記ゴム組成物中では、前記発泡
剤等による発泡が生じ、ガスが生ずる。このガスは、加
硫反応が進行して粘度が高くなった前記ゴムマトリック
スに比べ、溶融して相対的に粘度が低下した前記長尺状
樹脂の内部に留まる。その結果、該ゴム組成物を加硫し
て得られた加硫ゴムにおいては、前記長尺状樹脂が存在
していた場所に長尺状気泡が形成されている。この長尺
状気泡は、その周囲(長尺状気泡の壁面)が前記長尺状
樹脂の素材によって覆われ、カプセル状になっている。
なお、前記長尺状樹脂によるカプセル状の被覆層は、以
下において「保護層」と称することがある。前記長尺状
気泡は、加硫ゴム内において独立して存在している。前
記ゴム組成物において前記発泡剤等を使用した場合に
は、該ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、発泡率に
富む発泡ゴムである。
【0089】なお、前記長尺状樹脂の素材をポリエチレ
ン、ポリプロピレン等とした場合、加硫したゴムマトリ
ックスと前記長尺状樹脂の素材とは強固に接着してい
る。なお、前記接着の力を向上させる必要がある場合に
は、例えば、前記長尺状樹脂に前記ゴムマトリックスと
の接着性を向上させ得る成分を添加させてもよい。
【0090】以上のように、本発明の加硫ゴムは、前記
ゴム組成物を加硫することにより容易に得ることができ
る。本発明の加硫ゴムにおいては、図2に示すように、
加硫したゴムマトリックス6A中に長尺状気泡12が存
在している。前記長尺状樹脂15の前記ゴム組成物中で
の配向を押出方向(A方向)に揃えた場合には、長尺状
気泡12が一方向に配向した状態で存在している。長尺
状気泡12は、溶融した長尺状樹脂15が、加硫したゴ
ムマトリックス6Aに接着してなる保護層14により囲
まれている。保護層14内には、前記発泡剤等から発生
したガスが取り込まれている。なお、前記ゴムマトリッ
クス中に前記発泡剤等を添加した場合には、前記加硫ゴ
ム中においては、長尺状気泡12の外、長尺状気泡12
内に取り込まれなかったガスが、球状の気泡18として
存在している。
【0091】本発明の加硫ゴムをタイヤのトレッド等に
使用した場合においては、長尺状気泡12が表面に露出
して形成される凹部が、効率的な排水を行う排水路とし
て機能する。また、本発明の加硫ゴムは、該凹部の表面
が保護層14で形成されているため、該凹部が耐剥離性
に優れ、水路形状保持性、水路エッジ部摩耗性、荷重入
力時の水路保持性等にも優れる。保護層14の厚みとし
ては、0.5〜50μmが好ましい。
【0092】本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡
12の1個当たりの長手方向最大長さ(L)(図2参
照)と、前記平均径(D)との比(L/D)としては、
小さくとも3(即ち、3以上)である必要がある。な
お、前記比(L/D)の上限は、特に制限はないが、8
〜17程度が選択される。また、本発明においては、前
記比(L/D)として、前記数値範囲のいずれかの下限
値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該
比(L/D)のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲
のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例に
おいて採用した該比(L/D)のいずれかの値を上限と
する数値範囲も好ましい。
【0093】前記比(L/D)が3未満であると、摩耗
した加硫ゴムの表面に現れる長尺状の排水溝としての長
尺状気泡12の長さを長くすることができず、また容積
を大きくすることができないため、該加硫ゴムをタイヤ
のトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性
能を向上させることができない点で好ましくない。
【0094】本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡
12の長手方向最大長さ(L)が短すぎると、該加硫ゴ
ムをタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等
の水排除性能が低下し、長すぎると、該加硫ゴムの耐カ
ット性、ブロック欠けが悪化し、乾燥路面での耐摩耗性
が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0095】本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡
12の平均径(D)(=保護層14の内径、図2参照)
としては、20〜500μmが好ましい。前記平均径
(D)が、20μm未満であると、該加硫ゴムをタイヤ
のトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性
能が低下し、500μmを超えると、該加硫ゴムの耐カ
ット性、ブロック欠けが悪化し、乾燥路面での耐摩耗性
が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0096】本発明の加硫ゴムにおける平均発泡率Vs
としては、3〜40%が好ましく、5〜35%がより好
ましい。また、本発明においては、前記平均発泡率Vs
として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限
値又は後述の実施例で採用した平均発泡率Vsのいずれ
かの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若
しくは上限値又は後述の実施例で採用した平均発泡率V
sのいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0097】前記平均発泡率をVsとは、長尺状気泡1
2の発泡率Vs2 の合計を意味し(図2に示すように、
球状の気泡18が形成されている場合には、球状の気泡
18の発泡率Vs1 と長尺状気泡12の発泡率Vs2 と
の合計を意味し)、次式により算出できる。 Vs=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%) ここで、ρ1 は、加硫ゴム(発泡ゴム)の密度(g/c
3 )を表す。ρ0 は、加硫ゴム(発泡ゴム)における
固相部の密度(g/cm3 )を表す。なお、前記加硫ゴ
ム(発泡ゴム)の密度及び前記加硫ゴム(発泡ゴム)に
おける固相部の密度は、例えば、エタノール中の重量と
空気中の重量を測定し、これから算出した。
【0098】前記平均発泡率Vsが3%未満であると、
発生する水膜に対し、前記長尺状気泡による凹部体積の
絶対的な不足により十分な水排除機能が得られず、該加
硫ゴムの氷上性能を十分に向上させることができない可
能性がある。一方、前記平均発泡率Vsが40%を越え
ると、前記氷上性能を向上させることができるものの、
該加硫ゴム中の気泡の量が多くなり過ぎるために、該加
硫ゴムの破壊限界が大巾に低下し、耐久性の点で好まし
くない。なお、前記平均発泡率Vsは、前記発泡剤の種
類、量、組み合わせる前記発泡助剤の種類、量、樹脂の
配合量等により適宜変化させることができる。
【0099】本発明においては、前記平均発泡率Vsが
3〜40%であると共に、長尺状気泡12が前記平均発
泡率Vsにおける10%以上を占めることが好ましく、
50%以上を占めることがより好ましい。換言すれば、
長尺状気泡12が加硫ゴム中の全気泡の少なくとも10
体積%(10体積%以上)を占めることが好ましく、長
尺状気泡12が加硫ゴム中の全気泡の少なくとも50体
積%(50体積%以上)を占めることがより好ましい。
前記比率が10%未満であると、長尺状気泡12による
排水路が少ないために、水排除機能が十分でないことが
ある。
【0100】本発明の加硫ゴムは、各種分野において好
適に使用することができるが、氷上でのスリップを抑え
ることが必要な構造物に特に好適に使用でき、タイヤの
トレッド等に最も好適に用いることができる。前記氷上
でのスリップを抑えることが必要な構造物としては、例
えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイ
ヤ、氷雪路走行に用いるゴム製タイヤチェーンの接地部
分、雪上車のクローラー、靴底等が挙げられる。
【0101】(タイヤ)本発明のタイヤは、少なくとも
トレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが前記本
発明の加硫ゴムを含んでなる限り、他の構成としては特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
る。換言すれば、前記ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴ
ムによるトレッドを有するタイヤが、本発明のタイヤで
ある。
【0102】本発明のタイヤの一例を図面を用いて説明
すると以下の通りである。図3に示すように、本発明の
タイヤ4は、一対のビード部1と、該一対のビード部1
にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス
2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5
とを順次配置したラジアル構造を有する。なお、トレッ
ド5以外の内部構造は、一般のラジアルタイヤの構造と
変わりないので説明は省略する。
【0103】トレッド5には、図4に示すように、複数
本の周方向溝8及びこの周方向溝8と交差する複数本の
横溝9とによって複数のブロック10が形成されてい
る。また、ブロック10には、氷上でのブレーキ性能及
びトラクション性能を向上させるために、タイヤの幅方
向(B方向)に沿って延びるサイプ11が形成されてい
る。
【0104】トレッド5は、図5に示すように、直接路
面に接地する上層のキャップ部6と、このキャップ部6
のタイヤの内側に隣接して配置される下層のベース部7
とから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造
を有する。
【0105】キャップ部6は、図2及び図7に示すよう
に、長尺状気泡12を無数に含んだ発泡ゴムであり、ベ
ース部7には発泡されていない通常のゴムが使用されて
いる。前記発泡ゴムが、前記本発明の加硫ゴムである。
長尺状気泡12は、図2に示すように、実質的にタイヤ
の周方向(矢印A方向)に配向されており、その周囲が
前記長尺状樹脂による保護層14で被覆されている。な
お、本発明においては、長尺状気泡12の配向の向き
は、総てタイヤの周方向となっていなくてもよく、一部
タイヤの周方向以外の向きになっていてもよい(図5参
照)。
【0106】タイヤ4は、その製造方法については特に
制限はないが、例えば、以下のようにして製造すること
ができる。即ち、まず、前記ゴム組成物を調製する。こ
のゴム組成物においては、前記長尺状樹脂を一方向に配
向させておく。該ゴム組成物を、生タイヤケースのクラ
ウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部7(図5
参照)の上に貼り付ける。このとき、前記長尺状樹脂の
配向の方向を、タイヤの周方向と一致させておく。そし
て、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成
形する。その結果、前記ゴム組成物が加硫されてなる本
発明の加硫ゴムで形成されたキャップ部6を、加硫され
たベース部7上に有してなるタイヤ4が得られる。
【0107】なお、このとき、未加硫のキャップ部6が
モールド内で加熱されると、前記ゴムマトリックス中で
前記発泡剤等による発泡が生じ、ガスが生ずる。一方、
前記長尺状樹脂15は溶融(又は軟化)し、その粘度
(溶融粘度)がゴムマトリックスの粘度(流動粘度)よ
りも低下することにより、前記ガスは、溶融して相対的
に粘度が低下した長尺状樹脂の内部に移動し、滞留す
る。図2に示すように、冷却後のキャップ部6は、実質
的にタイヤの周方向に配向した長尺状気泡12が多数存
在する発泡率に富む加硫ゴムとなっている。この長尺状
気泡12の含有率に富む加硫ゴムは、前記本発明の加硫
ゴムである。
【0108】次に、タイヤ4の作用について説明する。
氷雪路面上でタイヤ4を走行させる。タイヤ4と前記氷
雪路面との摩擦により、タイヤ4のトレッド5の表面が
摩耗する。すると、図6に示すように、長尺状気泡12
による溝状の凹部13(球状の気泡18が存在するとき
は該球状の気泡18による凹部19も、同段落において
同じ)が、トレッド5のキャップ部6の接地面に露出す
る。更にタイヤ4を走行させると、タイヤ4とその接地
面との間の接地圧及び摩擦熱により、タイヤ4と氷雪路
面との間に水膜が生じる。この水膜は、トレッド5のキ
ャップ部6の接地面に露出する無数の凹部13により、
素早く排除され、除去される。このため、タイヤ4は、
前記氷雪路面上でもスリップ等することがない。
【0109】タイヤ4においては、実質的にタイヤの周
方向に配向している溝状の凹部13が効率的な排水を行
う排水溝として機能する。凹部13は、その表面(周
囲)が耐剥離性に優れる保護層14で形成されているた
め、高荷重時でも潰れ難く、高い排水溝形状保持性、水
排除性能を保持しており、この凹部13により、タイヤ
4の回転方向後側への水排除性能が向上するため、タイ
ヤ4は、氷上ブレーキ性能に特に優れる。タイヤ4にお
いては、保護層14の引っ掻き効果によって横方向の氷
上μが向上し、氷上ハンドリングが良好である。
【0110】本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみ
ならず、トラック・バス用等の各種の乗物にも好適に適
用できる。
【0111】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0112】(実施例1〜14及び比較例1〜8)表1
に示す組成のゴム組成物を調製した。これらのゴム組成
物の加硫時におけるゴムマトリックスの加硫最高温度
は、該ゴムマトリックス中に熱電対を埋め込んで測定し
たところ175℃であった。表1における長尺状樹脂
は、通常の溶融紡糸法に従って製造されたものであり、
軸に直交する方向の断面が円形である。この長尺状樹脂
は、実施例1〜11及び比較例2、7及び8では、ポリ
エチレン(HDPE)であり、Dupont社製DSC
により、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの
条件にて測定した融点ピーク温度(融点)が135℃で
あった。また、実施例12〜14及び比較例5では、ポ
リプロピレンであり、Dupont社製DSCにより、
昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて
測定した融点ピーク温度(融点)が167℃であった。
【0113】したがって、長尺状樹脂の融点は、実施例
1〜14並びに比較例2、5、7及び8では、前記ゴム
マトリックスの加硫時における加硫最高温度よりも低く
なっている。前記ゴム組成物の加硫時において、前記ゴ
ムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間
に、前記長尺状樹脂の粘度が、実施例1〜14並びに比
較例2、5、7及び8では、前記ゴムマトリックスの粘
度よりも低くなった(図6参照)。なお、前記長尺状樹
脂の前記加硫最高温度における粘度(溶融粘度)は、コ
ーンレオメーターを用いて測定(スタート温度を190
℃とし、5℃ずつ温度を下げながら発生するトルクを長
尺状樹脂の粘度として、該粘度の温度依存性を測定し、
得られたカーブからトレッドの最高温度での長尺状樹脂
の粘度を読み取り、ゴムマトリクスの粘度と比較した。
温度以外は、後述のゴムマトリックスの粘度の測定と同
条件で行った。)したところ、実施例1〜14では、5
〜6kg・cmであった。
【0114】前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度
における粘度(流動粘度)は、モンサント社製コーンレ
オメーター型式1−C型を使用し、温度を変化させなが
ら100サイクル/分の一定振幅入力を与えて経時的に
トルクを測定し、その際の最小トルク値を粘度としたと
ころ(ドーム圧力0.59MPa、ホールディング圧力
0.78MPa、クロージング圧力0.78MPa、振
り角±5°)、実施例1〜14では26.5〜26.6
kg・cmであった。
【0115】次に、表1〜3に示す組成の各ゴム組成物
を製造した。得られた各ゴム組成物を加硫した加硫ゴム
を用いてタイヤのトレッドを形成し、通常のタイヤ製造
条件に従って各試験用のタイヤを製造した。
【0116】このタイヤは、乗用車用ラジアルタイヤで
あり、そのタイヤサイズは185/70R13であり、
その構造は図3に示す通りである。即ち、一対のビード
部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連な
るカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締め
するベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル
構造を有する。
【0117】このタイヤにおいて、カーカス2のコード
は、タイヤの周方向に対し90°の角度で配置され、そ
の打ち込み数は50本/5cmである。タイヤ4のトレ
ッド5には、図4に示す通り、タイヤの幅方向に4個の
ブロック10が配列されている。ブロック10のサイズ
は、タイヤの周方向の寸法が35mmであり、タイヤの
幅方向の寸法が30mmである。ブロック10に形成さ
れているサイプ11は、幅が0.4mmであり、タイヤ
の周方向の間隔が約7mmになっている。なお、このタ
イヤ4のトレッド5には、長尺状気泡12が含まれてお
り、その長手方向が実質的にタイヤの周方向(矢印A方
向)に配向されており、その周囲が樹脂による保護層1
4で被覆されている。
【0118】得られた各タイヤの氷上性能について評価
した。その結果を表1に示した。 <氷上性能>各タイヤを国産1600CCクラスの乗用
車に装着し、該乗用車を、一般アスファルト路上に20
0km走行させた後、氷上平坦路を走行させ、時速20
km/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさ
せ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆
数を比較例2のタイヤを100として指数表示した。な
お、数値が大きいほど氷上性能が良いことを示す。該氷
上性能については、−2℃及び−8℃の条件下でそれぞ
れ測定した。なお、有意差は5%以上とした。なお、ト
レッド5における加硫ゴムについての発泡率は、既述の
計算式より算出(測定)した。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】なお、表1において、「平均孔径」は、上
記「粒子の表面の平均孔径」を意味し、「粒子径」は、
上記「粒子の平均粒径」を意味し、「BET」は、上記
「BET窒素吸着法により測定した比表面積」を意味
し、「Hd JIS−C」は、前記0℃におけるJIS
−C硬度を意味する。また、「SPB」は、シンジオタ
クティック−1,2−ポリブタジエン(JSR(株)
製、JSR RB840)を意味し、「C/B」は、カ
ーボンブラックであるカーボンN220(旭カーボン
(株)製)を意味する。
【0124】また、表2〜4において、「ブタジエンゴ
ム」は、シス−1,4−ポリブタジエン(日本合成ゴム
社製、BR01)を意味し、「カーボンブラック」は、
カーボンN220(旭カーボン(株)製)を意味し、
「老化防止剤」は、大内新興化学(株)製、ノクラック
6Cを意味し、上段の「加硫促進剤」は、ジベンゾチア
ジルジスルフィドを意味し、下段の「加硫促進剤」は、
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリル−スルフェ
ンアミドを意味し、「発泡剤 DPT」は、ジニトロペ
ンタメチレンテトラミンを意味し、「発泡剤 ADC
A」は、アゾジカルボンアミドを意味し、「発泡助剤
A」は、ベンゼンスルフィン酸亜鉛を意味し、「発泡助
剤B」は、ステアリン酸:尿素=15:85の混合物を
意味し、「発泡助剤C」は、尿素を意味する。
【0125】「長尺状樹脂 種類」の欄における「P
E」は、ポリエチレンを意味し、同欄における「PP」
は、ポリプロピレンを意味する。長尺状樹脂に関し、
「Tm(℃)」は融点を意味し、「φ(μm)」は平均
径を意味し、「l(mm)」は長手方向最大長さを意味
する。粒子に関し、「φ(μm)」は平均粒径を意味
し、「硬度 Hd JIS−C」は、前記0℃における
JIS−C硬度を意味し、「平均孔径」は粒子の表面の
平均孔径を意味する。発泡率に関し、「第1:第2 体
積比」における、「第1」は第1独立気泡を意味し、
「第2」は第2独立気泡を意味する。「第1独立気泡」
は、球状の気泡を意味し、「第2独立気泡」は長尺状気
泡を意味し、該長尺状気泡の「平均中空径」の単位は
「μm」である。
【0126】表1〜3の結果から、以下のことが明らか
である。即ち、長尺状気泡及び粒子を含んでいない比較
例1では、氷上性能は不十分な結果しか得られなかっ
た。長尺状気泡は含むが粒子を含んでいない比較例2で
は、比較例1よりも氷上性能は僅かに良いものの、その
程度は依然として不十分であった。粒子を含むが長尺状
気泡を含んでいない比較例3では、比較例1よりも氷上
性能は僅かに良いものの、その程度は依然として不十分
であった。長尺状気泡及び粒子を含んでいないが発泡剤
及び発泡助剤を含む比較例4では、比較例1よりは僅か
に氷上性能は良いものの、その程度は不十分であった。
長尺状気泡は含むが粒子を含んでなく、発泡剤及び発泡
助剤を含む比較例5では、比較例2よりは僅かに氷上性
能は良いものの、その程度は不十分であった。粒子を含
むが長尺状気泡を含んでいない比較例6では、比較例3
よりは僅かに氷上性能は良いものの、その程度は不十分
であった。長尺状気泡及び粒子を含むが、該長尺状樹脂
の比(L/D)が3未満である比較例7では、比較例2
よりは僅かに氷上性能は良いものの、その程度は不十分
であった。長尺状気泡及び粒子を含むが、該粒子の含有
量がゴム成分100重量部に対して3重量部未満である
比較例8では、比較例2の氷上性能と同等であった。
【0127】一方、実施例1〜14では、氷上性能は良
好な結果を示している。特に、本発明における最も好ま
しい態様である実施例8〜11では、氷上性能が最も好
ましい結果を示した。また、全発泡率における長尺状気
泡の割合が小さく、また複合粒子を使用した実施例12
〜14では、他の実施例に比べると氷上性能がやや劣っ
ていたが、実用上問題のないレベルであった。
【0128】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、ク
ラック等の発生がなく、前記氷雪路面上に生ずる水膜の
除去能力に優れ、該氷雪路面との間の摩擦係数が大き
く、前記氷上性能に優れるタイヤを提供することができ
る。また、本発明によると、前記タイヤのトレッド等の
氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適に
使用できる加硫ゴムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、長尺状樹脂の配向を揃える原理を説明
する説明図である。
【図2】図2は、本発明の加硫ゴムの断面概略説明図で
ある。
【図3】図3は、本発明のタイヤの一部断面概略説明図
である。
【図4】図4は、本発明のタイヤの周面の一部概略説明
図である。
【図5】図5は、本発明のタイヤのトレッドの一部断面
概略説明図である。
【図6】図6は、温度(加硫時間)とゴムマトリックス
の粘度及び長尺状樹脂の粘度との関係を示したグラフで
ある。
【図7】図7は、摩耗した状態のトレッドを示す一部断
面拡大概略説明図である。
【符号の説明】
1 一対のビード部 2 カーカス 3 ベルト 4 タイヤ 5 トレッド 6 キャップ部 6A 加硫ゴム 7 ベース部 8 周方向溝 9 横溝 10 ブロック 11 サイプ 12 長尺状気泡 13 凹部 14 保護層 15 長尺状樹脂 16 ゴムマトリックス 17 口金 18 球状の気泡 19 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 9/00 C08L 9/00 // B29D 30/06 B29D 30/06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ば
    れた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分1
    00重量部に対し、0℃におけるJIS−C硬度が低く
    とも75の素材よりなり、平均粒径が5〜3000μm
    である粒子3〜30重量部と、を含有してなり、 長手方向最大長さ(L)と平均径(D)との比(L/
    D)が小さくとも3であり、かつ樹脂で被覆された長尺
    状気泡を有することを特徴とする加硫ゴム。
  2. 【請求項2】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ば
    れた少なくとも1種からなるゴム成分と粒子とを含むゴ
    ムマトリックスと、加硫時に該ゴムマトリックスの温度
    が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマ
    トリックスの粘度よりも低くなる樹脂とを含有してなる
    ゴム組成物を加硫して得られる請求項1に記載の加硫ゴ
    ム。
  3. 【請求項3】 樹脂が結晶性高分子を含んでなり、その
    融点が加硫最高温度よりも低い請求項2に記載の加硫ゴ
    ム。
  4. 【請求項4】 粒子が、表面の平均孔径が40〜100
    0Åであり、かつBET窒素吸着法により測定した比表
    面積が10〜800m2 /gである多孔質粒子である請
    求項1から3のいずれかに記載の加硫ゴム。
  5. 【請求項5】 粒子が、表面に珪素結合水酸基及びアル
    ミニウム結合水酸基の少なくとも一方を有する請求項1
    から4のいずれかに記載の加硫ゴム。
  6. 【請求項6】 一般式、Y3 −Si−Cn 2nA で表
    されるカップリング剤の少なくとも1種を、粒子の重量
    に対し、3〜50重量%含有してなる請求項1から5の
    いずれかに記載の加硫ゴム。ただし、該一般式におい
    て、Yは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル基
    又は塩素原子を表す。3個のYは、互いに同一であって
    もよいし、異なっていてもよい。nは、1〜6の整数を
    表す。Aは、−Sm n 2nSi−Y3 又は−Sm Zを
    表す。ここで、Zは、以下に示すいずれかの基を表す。
    mは、1〜6の整数を表す。Y及びnは、前記の通りで
    ある。 【化1】
  7. 【請求項7】 平均発泡率が3〜40%である請求項1
    から6のいずれかに記載の加硫ゴム。
  8. 【請求項8】 1対のビード部、該ビード部にトロイド
    状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部を
    たが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なく
    とも該トレッドが請求項1から7のいずれかに記載の加
    硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤ。
  9. 【請求項9】 長尺状気泡がタイヤ周方向に沿って配向
    された請求項8に記載のタイヤ。
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