JP4749642B2 - 多孔質架橋重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、油中水滴型高分散相エマルション(Water in Oil type High Internal Phase Emulsion;以下、単にHIPEとも略す)を重合して、多孔質架橋重合体、好ましくは表面も内部も連通孔の形成されている連続気泡(open cell;以下、オープンセルとも称す)を有する多孔質架橋重合体を製造するに際して、HIPEを連続重合する多孔質架橋重合体の製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、(1)液体吸収材;例えば、▲1▼水、尿など排泄物等の吸収材としておむつのコア材などに利用できるほか、▲2▼油、有機溶剤などの吸収材として廃油処理剤、廃溶剤処理剤などに、また(2)エネルギー吸収材;例えば、音、熱の吸収材として自動車、建築用の防音材、断熱材などに、さらに、(3)薬剤含浸基材;例えば、芳香剤、洗浄剤、つや出し剤、表面保護剤、難燃化剤などを含浸させたトイレタリー製品などに幅広く利用できるHIPEを連続重合する多孔質架橋重合体の製造方法に関するものである。また、本発明は、HIPEが重合中に接触する部分の材質を選択することによって、多孔質架橋重合体の表面も内部も連通孔の形成されている連続気泡(オープンセル)を有する構造とし、通液速度、吸液率及び吸液容量が改善され、かつHIPEの組成、重合装置や重合条件の選択の自由度の大きい多孔質架橋重合体の製造方法を提供するものである。
背景技術
HIPEを重合して多孔質架橋重合体を製造する方法としては、例えば、WO−A−97−27240号公報及びWO−A−97−37745号公報などに記載されている。
WO−A−97−27240号公報では、HIPEをフィルムを使用して重合させる多孔質架橋重合体の製造方法として、HIPEを垂直(縦型)帯状の樹脂フィルム製ジッパー付き袋に連続的に充填し、巻き取った後バッチ方式で重合する連続とバッチの併用重合方法が開示されている。また、多孔質架橋重合体をスライスすることも開示されている。さらに、フィルムの材質としては、多孔質架橋重合体への付着性が少なく安価でリサイクルが可能なことから、ポリプロピレン(PP)が好ましいと記載されている。
また、WO−A−97−37745号公報では、HIPEを多孔質基材(フェルト等)上に塗布し、少なくとも一部を多孔質基材に含浸させて重合させる多孔質架橋重合体の製造方法が開示されている。また、多孔質架橋重合体をオープンセルにするためにはPET、ガラス、水などの極性の材料と接触させて重合させることの必要性が開示されている。
また、Z.Bhumgara(Filtration & Separation,March,1995,245−251)では、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体においては、PET、ナイロン66、ガラス、鋼を用いるとオープンセルの多孔質架橋重合体が得られることが記載されている。
しかしながら、上記WO−A−97−27240号公報のHIPEの重合法では、HIPEの充填時より下部が厚くなり巻取りによって若干厚みの均一性がアップすると考えられるが、HIPEの自重により下部が厚くなる傾向があり、さらに悪いことには油相と液相とが上下に偏向分離する傾向にあるため、高さ(幅)及び厚さに制限がありかつ厚さ及び性能・品質の均一性が保たれにくく、幅と厚さが自由にコントロールできないという問題があり、かつHIPEの充填から重合までを連続的に行うことができないため、HIPEの連続充填工程からバッチ式の重合工程の間の移行段階が律速となるため、連続充填工程の有利性を最大限に活かすことができないという問題があった。また、フィルム製の袋を使用しているため、同一な性状面の多孔質架橋重合体が得られるだけで、両面の性状を変化させた多孔質架橋重合体を得ることができないという問題もあった。
上記WO−A−97−37745号公報では、重合はバッチ式でも連続式でもどちらでもよいと記載されているが、多孔質基材と極性材料を併用した多孔質架橋重合体の連続的製法についての具体的な提案はなんらなされていない。
したがって、本発明の目的は、多孔質架橋重合体の表面性状を制御することが可能で、幅及び厚さを自由にコントロールすることができ、かつHIPEを重合工程に連続的に供給しながらHIPEを連続重合する多孔質架橋重合体の製造方法を提供することである。
また、WO−A−97−27240号公報では、高温での耐久性を考えたフィルムの選択はされておらず、リサイクル性は考えられていない。以上のように、従来の技術に開示されているフィルムの材質は、限定されたものであり、高温での重合に適した耐久性(耐熱性、耐モノマー性、耐加水分解性、リサイクル性等)が良好でありかつ多孔質架橋重合体の表面特性(平滑性、オープンセル構造性、耐ピンホール・ボイド性等)をコントロールできるフィルムの選択については具体的な提案はなんらなされていない。
さらに、Z.Bhumgara(Filtration & Separation,March,1995,245−251)は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体においては、PET、ナイロン66、ガラス、鋼を用いるとオープンセルの多孔質架橋重合体が得られることを記載しているが、PETは、HIPEの構成成分として含まれる塩化カルシウムなどによりアルカリ性である水相の成分によって加水分解を受けやすく、特に重合温度が高温の場合にその傾向が顕著である。ナイロンは吸水性が高く、膨潤して寸法が変化する現象が見られた。ガラスはもろく伝熱もよくなく、鋼は錆を発生した。
また、アクリル酸エステルを含むモノマー混合物の共重合でオープンセルを形成する材料については記載されておらず、連続シート重合についての記載もない。
したがって、本発明の他の目的は、耐久性が良好であり、多孔質架橋重合体の表面特性をコントロールできるフィルムを含むシート材を選択することにより、フィルムを含むシート材の繰り返し使用が可能になりコストダウンが期待できかつ性能に特徴のある多孔質架橋重合体の製造方法を提供することである。
また、WO−A−97−27240号公報では、HIPEの供給から重合、さらにはスライスまでを連続して行うことのできるスライス方法については具体的な提案はなんらなされていない。
したがって、本発明のさらなる目的は、HIPEの供給、重合、およびスライスの全工程が連続工程である多孔質架橋重合体の連続製造方法を提供することである。
発明の開示
そこで、本発明者は、上記諸目的を達成すべく、未だ提案されていないHIPEの重合工程への供給、重合、(さらにはスライス)の全工程が連続工程である多孔質架橋重合体の連続製造方法(以下、単に連続製法と記す場合がある)につき、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明者は、多孔質架橋重合体の連続製法を試みたところ、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とし、かつ所定の硬化温度で所定時間加熱処理を行ったにも拘わらず、十分に硬化されずにソフトクリーム状(ないしヨーグルト状)のままかたまらない部分ができたり、さらに、W/O比が数十〜数百にも達するHIPEでは水が分離してくるため、また硬化させた場合に発生する遊離水のため得られる多孔質架橋重合体の表面部にあばたのようなピンホールやボイドができるなど多くの問題があることがわかった。そのため、上記WO−A−97−27240号公報の発明者らも、おそらくはこうした実験を重ねた結果、連続製法を採用すれば、WO−A−97−27240号公報に記載の発明のように連続とバッチの併用重合方法による多くの問題点を解決することができるのはわかっていながらも、連続製法の固有の技術的課題を解決することができなかったために、連続とバッチの併用重合方法の開発にとどまったものと考えられる。上記WO−A−97−37745号公報に記載の発明でも、上記WO−A−97−27240号公報に記載の発明と同様に、HIPEの供給から重合、(さらにはスライス)までを連続して行う上での固有の技術的課題を解決することができなかったために、多孔質架橋重合体の連続的製法についての具体的な提案を成し得なかったものと思われる。
そこで、本発明者は、連続とバッチの併用重合方法の技術的な課題を解決するには、未だ開発されていないHIPEの重合工程への供給、重合、(さらにはスライス)の全工程を連続工程とする多孔質架橋重合体の連続製造方法しかないとの信念に基づき、HIPEの供給から重合、(さらにはスライス)までを連続して行うことにより生じる新たな技術的な課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の諸目的は、下記(1)〜(17)により達成される。
(1) 油中水滴型高分散相エマルションを重合工程に連続的に供給する工程及び該エマルションを連続重合して連続的に多孔質架橋重合体を製造する工程を含み、これらの工程において該エマルションの外表面部を、酸素低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態とする事を特徴とする多孔質架橋重合体の製造方法。
(2) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、
(A)周囲空気よりも酸素含有量の低い気体で、前記エマルションの外表面部と接触する周囲空気の一部または全部を置換することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する気体を使った酸素量低減手段、
(B)重合に影響しない液体で、前記エマルションの外表面部に液体層ないし液状膜を形成することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する液体を使った酸素量低減手段、および
(C)接触酸素量を低減ないしカットする固体で、前記エマルションの外表面部に固体層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する固体を使った酸素量低減手段、
の少なくとも1種を用いてなることを特徴とする上記(1)に記載の製造方法。
(3) 酸素低減手段が前記(A)の気体を使った酸素量低減手段であり、該気体が窒素ガスで、前記エマルションの外表面部と接触する周囲空気の全部をガス置換することで、周囲空気のHIPEへの接触を遮断する手段であることを特徴とする上記(2)に記載の製造方法。
(4) 酸素量低減手段が前記(B)の液体を使った酸素量低減手段であり、該液体が重合に影響しない水溶液で、前記エマルションの外表面部に水層を形成することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を遮断する手段であることを特徴とする上記(2)または(3)に記載の多孔質架橋重合体の製造方法。
(5) 酸素量低減手段が前記(C)の固体を使った酸素量低減手段であり、該固体がシートで、前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれか1つに記載の製造方法。
(6) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、
窒素ガスで、前記エマルションの外表面部と接触する周囲空気の全部をガス置換することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を遮断する手段と、シートにより前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段とを含む組み合わせにより構成されていることを特徴とする上記(2)に記載の製造方法。
(7) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、
重合に影響しない水溶液で、前記エマルションの外表面部に水層を形成することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を遮断する手段とシートにより前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段とを含む組み合わせにより構成されていることを特徴とする上記(2)に記載の製造方法。
(8) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、
シートにより前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段を含んで構成されていることを特徴とする上記(2)に記載の製造方法。
(9) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、(C)接触酸素量を低減ないしカットするシートを用いる手段であって、該シートの通気性が、100cm/cm・s以下である上記(2)に記載の製造方法。
(10) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、(C)接触酸素量を低減ないしカットするシートを用いる手段であって、該シートが、▲1▼フィルム、不織布および織物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のシート材、▲2▼金属製および/または樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、▲3▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した金属製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、▲4▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレートのいずれかを単独であるいは2種以上を併用したものである上記(2)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法。
(11) 前記シートが、フッ素樹脂、シリコン樹脂、耐熱性樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂よりなる群(I)から選ばれた少なくとも1種の材料で作られているもの、および/または前記群(I)から選ばれた少なくとも1種の材料で被覆されているものであることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の製造方法。
(12) 前記シートが、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシキロヘキサンテレフタレート;ステンレススチールよりなる群(II)から選ばれた少なくとも1種の材料で作られているもの、または前記群(II)から選ばれた少なくとも1種の材料で被覆されているものであることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の製造方法。
(13) 前記エマルションを重合工程に連続的に供給する工程及び該エマルションを連続重合して連続的に多孔質架橋重合体を製造する工程を水平(横型)方式で行うことを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の製造方法。
(14) 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、(C)接触酸素量を低減ないしカットするシートを用いる手段であって、
(a)前記エマルションの外表面部に使用する該シートが、
▲1▼エンドレスベルト、
▲2▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した金属製または樹脂製のエンドレスベルト、
のいずれかを単独であるいは2種以上を併用したものであって、
(b)エンドレスベルトが温水シャワーによって温度調節されていることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の製造方法。
(15) 重合により得られた多孔質架橋重合体を連続的にスライスすることをさらに含む上記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の製造方法。
さらに、本発明者らは、Z.Bhumgara(Filtration & Separation,March,1995,245−251)やWO−A−97−27240号公報(Shell oil company)で提案されているオープンセルの多孔質架橋重合体におけるような欠点がなく、HIPEを重合することで得られる多孔質架橋重合体の表面がオープンセルになる新規な材料を見出した。すなわち、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのフッ素樹脂、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体、熱硬化性シリコン樹脂などのシリコン樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートなどの耐加水分解性ポリエステル、ステンレススチールなどが本発明の目的を達成し得る材料であることを見出した。さらに、これらの材料では、耐熱性、耐加水分解性、耐水性、強靭性、耐食性に富み、HIPEの組成や重合条件の制約が少なく、重合装置材料として適しているとの知見を得、これに基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の他の目的は、(16) HIPEを重合して連続気泡を有する多孔質架橋重合体を製造する方法において、
重合装置のHIPEと接触する部分が、フッ素樹脂、シリコン樹脂;ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート;ステンレススチールからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料で作られていること、および/またはこれら少なくとも1種の材料で被覆されていることを特徴とする多孔質架橋重合体の製造方法により達成されるものである。
また、本発明の他の目的は、(17) 前記HIPEに含まれる単量体組成物が、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含むものである上記(16)に記載の多孔質架橋重合体の製造方法によっても達成することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、HIPEを重合して多孔質架橋重合体を製造する方法において、該HIPEの外表面部を、酸素量低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態として、該HIPEの供給から重合までを連続して行うことを特徴とするものである。
本発明の多孔質架橋重合体の製造方法について、以下にその工程順に説明する。
[I]原料(HIPE)について
(1)HIPEの組成
まず、本発明の多孔質架橋重合体の製造方法に用いることのできるHIPEとしては、特に制限されるものではなく、従来既知のものを適宜利用することができる。HIPEの組成としては、具体的には、(a)分子中に1個の重合性不飽和基を有する重合性単量体および(b)分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体からなる単量体組成物、(c)界面活性剤、(d)水並びに(e)重合開始剤を必須成分として含むものであればよく、さらに、必要に応じて(f)塩類、(g)その他の添加剤を任意成分として含むものであってもよい。
(a)分子中に1個の重合性不飽和基を有する重合性単量体
上記HIPEを構成する必須の単量体組成物の1種は、分子内に1個の重合性不飽和基を有する重合性単量体であり、分散または油中水滴型高分散相エマルション中で重合可能であってエマルションを形成できれば特に制限されるものではないが、好ましくは少なくとも1部は(メタ)アクリル酸エステルを含むものであり、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを20質量%以上を含むものであり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを35質量%以上を含むものである。分子内に1個の重合性不飽和基を有する重合性単量体として、(メタ)アクリル酸エステルを含有することにより、柔軟性や強靭性に富む多孔質架橋重合体を得ることができるため望ましい。
具体的には、スチレン等のアリレン単量体;エチルスチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼンなどのモノアルキレンアリレン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸エステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロメチルスチレン等の塩素含有単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル化合物;その他、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−オクタデシルアクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブテン等が例示できる。これらは、単量体組成物中に1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
上記重合性単量体の含有量は、該重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体組成物全体の質量に対し、10〜99.9質量%の範囲であることが好ましい。この範囲で、微細な孔径の多孔質架橋重合体が得られるからである。より好ましくは30〜99質量%、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。重合性単量体の含有量が10質量%未満の場合には、得られる多孔質架橋重合体が脆くなったり吸水倍率が不充分となることがある。一方、重合性単量体の含有量が99.9質量%を超える場合には、得られる多孔質架橋重合体の強度、弾性回復力などが不足したり、充分な吸水量および吸水速度を確保できないことがある。
(b)分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体
上記HIPEを構成する必須の単量体組成物の他の1種は、分子内に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体であり、上記重合性単量体と同様に、分散または油中水滴型高分散相エマルション中で重合可能であってエマルションを形成できれば特に制限されるものではない。
具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、p−エチル−ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン類、ジビニルフェナンスレン、ジビニルビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルフィド等の芳香族系単量体;ジビニルフラン等の酸素含有単量体;ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の硫黄含有単量体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等の脂肪族単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、並びにヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ソルビトールなどの多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化合物などが例示できる。これらは、単量体組成物中に1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性単量体の含有量は、上記重合性単量体と該架橋性単量体からなる単量体組成物全体の質量に対し、0.1〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜70質量%、特に好ましは30〜70質量%の範囲である。上記架橋性単量体の含有量が0.1質量%未満では、得られる多孔質架橋重合体の強度、弾性回復力などが不足したり、単位体積当たりまたは単位質量当たりの吸収量が不十分となり、充分な吸水量および吸水速度を確保できないことがある一方、上記架橋性単量体の含有量が90質量%を越えると、多孔質架橋重合体が脆くなったり吸水倍率が不充分となることがある。
(c)界面活性剤
上記HIPEを構成する必須の界面活性剤としては、HIPEを構成する油相中で水相を乳化し得るものであれば特に制限はなく、上記に例示したものに限定されるものではなく、従来公知のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用することができる。
このうち、ノニオン性界面活性剤としては、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド付加物;エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリスチレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ジグリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノミリスチレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等があり、特にHLBが10以下、好ましくは2〜6のものが好ましい。これらのうち2種以上のノニオン性界面活性剤を併用してもよく、併用によりHIPEが安定化する場合がある。
カチオン性界面活性剤としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジタウロジメチルアンモニウムメチルサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドがある。カチオン性界面活性剤を用いることにより、得られる多孔質架橋重合体を吸水材等に利用する場合に優れた抗菌性等を付与することもできる。
なお、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を併用するとHIPEの安定性が改良される場合がある。
上記界面活性剤の含有量は、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体組成物全体の質量100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量部である。界面活性剤の含有量が1質量部未満の場合には、HIPEの高分散性が不安定化することがあったり、界面活性剤本来の作用効果が充分に発現できないことがある。一方、上記界面活性剤の含有量が30質量部を超える場合には、得られる多孔質架橋重合体が脆くなり過ぎることがあり、これを超える添加に見合うさらなる効果が期待できず、不経済である。
(d)水
上記HIPEを構成する必須成分の水は、純水、イオン交換水の他、廃水の再利用を図るべく、多孔質架橋重合体を製造して得た廃水をそのまま、または所定の処理を行ったものを使用することができる。
上記水の含有量は、目的とする連続気泡を有する多孔質架橋重合体の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができる。例えば、HIPEが、後述する所望の水相/油相(W/O)の比となるように決めればよい。
(e)重合開始剤
上記HIPEを構成する必須成分の重合開始剤は、逆相乳化重合で使用できる重合開始剤であればよく、水溶性、油溶性の何れも使用することができる。例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化水素、過酢酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メタンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド等の過酸化物;上記過酸化物と、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、L−アスコルビン酸、第1鉄塩、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、グルコース、デキストロース、ジエタノールアミン等の還元剤とを組み合わせてなるレドックス開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の含有量は、上記単量体組成物および重合開始剤の組み合わせにもよるが、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体組成物全体の質量100質量部に対し、0.05〜15質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10質量部である。重合開始剤の含有量が0.05質量部未満の場合には、未反応の単量体成分が多くなり、従って、得られる多孔質架橋重合体中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、重合開始剤の含有量が15質量部を超える場合には、重合の制御が困難となったり、得られる多孔質架橋重合体中の機械的性質が劣化するので好ましくない。
(f)塩類
上記HIPEを構成する任意成分の1種である塩類は、HIPEの安定性を改良するために必要であれば使用してもよい。
かかる塩類としては、具体的には、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などの水溶性塩が挙げられる。これらの塩類は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。これらの塩類は、水相中に添加することが好ましい。なかでも、重合時のHIPEの安定性の観点から多価金属塩が好ましい。
この様な塩類の含有量は、水100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。塩類の含有量が20質量部を超える場合には、HIPEから搾り出された廃水中に多量の塩類を含むことになり、廃水を処理するコストがかさみ、これを超える添加に見合うさらなる効果も期待できず不経済である。0.1質量部未満の場合には、塩類の添加による作用効果が十分に発現できないおそれがある。
(g)その他添加剤
さらに、他の各種添加剤をこれらが有する性能・機能を付加することにより、製造条件や得られるHIPE特性や多孔質架橋重合体の性能の向上につながるものであれば適当に使用しても良く、例えば、pH調整のために、塩基および/または緩衝剤を加えても良い。これらの他の添加剤の含有量については、それぞれの添加の目的に見合うだけの性能・機能、さらには経済性を十分に発揮できる範囲内で添加すればよい。
(2)水相/油相(W/O)比
上記HIPEの水相/油相(W/O)の比(質量比)は、目的とする連続気泡を有する多孔質架橋重合体の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、W/Oの比が10/1〜100/1の範囲であれば、オムツや衛生材料等その他各種吸収材として使うのに適する多孔質架橋重合体が得られる。但し、W/Oの比によって空孔比率が決定されるために、3/1以上であることが好ましく、より好ましくは10/1〜250/1、特には10/1〜100/1である。W/Oの比が3/1未満の場合には、多孔質架橋重合体の水やエネルギーを吸収する能力が不充分で、開孔度も低くなり、得られる多孔質架橋重合体の表面の開孔度が低くなり、十分な通液性能等が得られないおそれがある。
(3)HIPEの調製法
本発明に用いることのできるHIPEの製法については、特に制限されるものではなく、従来既知のHIPEの製法を適宜利用することができる。以下にその代表的な製法につき、具体的に説明する。
まず、それぞれ上記に規定する含有量にて、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体組成物、油溶性の重合開始剤(水溶性の重合開始剤を用いる場合には、併用しても良いし、使用しなくとも良い)からなる油相を構成する成分を所定温度で撹拌し均一の油相を調製する。
一方、それぞれ上記に規定する含有量にて、水に水溶性の重合開始剤(油溶性の重合開始剤を用いる場合には、併用しても良いし、使用しなくとも良い)、さらに必要に応じて塩類からなる水相側の構成成分を加えながら撹拌し、30〜95℃の所定温度に加温して均一の水相を調製する。
次に、水相と油相を効率良く混合し、適度のせん断力をかけることによってHIPEを安定に調製することができる。なお、水相と油相との撹拌により得られるHIPEは、通常、白色、高粘度のエマルションとなる。
(4)HIPEの製造装置
上記HIPEの製造装置としては、特に制限されるものではなく従来公知の製造装置を利用することができる。例えば、水相と油相とを混合撹拌するために使用する撹拌機(乳化器)としては、公知の撹拌機、混練機が使用できる。例えば、プロペラ型、櫂型、タービン型などの羽根の撹拌機、ホモミキサー類、ラインミキサー、ピンミルなどが例示でき、これらの何れでもよい。
これら水相および油相の至適温度は、20〜100℃の範囲であり、HIPEの安定性の点からは、好ましくは40〜95℃の範囲である。なお、油相及び/又は水相の温度を予め所定に調整しておいて混合する。HIPEの製造では、水相の量が多いため水相の温度を所定の温度に調整することが好ましい。
(5)HIPEの形成温度(乳化温度)
HIPEの形成温度(乳化温度)は、通常20〜100℃の範囲であり、HIPEの安定性の点からは、好ましくは30〜95℃の範囲、より好ましくは40〜95℃、特に好ましくは45〜90℃、最も好ましくは50〜85℃の範囲である。HIPEの形成温度が20℃未満の場合には、乳化物の粘度が高くなるため乳化し難くなったり、またハンドリングしにくくなったりするので好ましくなく、一方、HIPEの形成温度が100℃を超える場合には、常圧での乳化ができなくなり、また高圧で乳化しても乳化物が不安定になるので好ましくない。なお、油相および/または水相の温度を予め所定の形成温度(乳化温度)に調整しておいて撹拌・混合して乳化し、所望のHIPEを形成することが望ましい。ただし、HIPEの調製(形成)では、水相の分量が多いため、少なくとも水相の温度を所定の形成温度(乳化温度)に調整することが好ましいといえる。また、乳化中に重合性単量体や架橋性単量体の重合が開始され、重合体が生成するとHIPEが不安定になることがあるので、重合開始剤(レドックス重合開始剤系を含む)を予め含むHIPEを調製する場合は、HIPEの形成温度(乳化温度)は、重合開始剤(酸化剤)が実質的に熱分解を起こさない温度とするのが良く、重合開始剤(酸化剤)の半減期が10時間である温度(10時間半減期温度)より低温で乳化するのが好ましい。
[II] 多孔質架橋重合体の製造
(1)HIPEの重合法
本発明では、以下に説明するHIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方法がその主要な構成要件である。すなわち、該HIPEの外表面部を、酸素量低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態として、該HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とすることをその主要な構成要件とするものである。これにより、従来の上記WO−A−97−27240号公報の連続とバッチの併用重合方法の種々の技術的課題を全て解決し得るものであり、多孔質架橋重合体の表面性状を思いのままに設計することができ、連続して供給される流動性の少ないソフトクリーム状(ないしヨーグルト状)のHIPEの漏洩を防止し、柔らかくて脆いHIPEの成形幅および成形厚さを自由にコントロールすることができ、かつHIPEの供給から重合までを連続して行うことができるものである。さらに、所定の硬化温度で所定時間加熱処理を行ったにも拘わらず、十分に硬化されずにソフトクリーム状(ないしヨーグルト状)のままかたまらない部分ができたり、さらに、W/O比が数十〜数百にも達するHIPEでは水が分離してくるため、また硬化させた場合に発生する遊離水のため得られる多孔質架橋重合体の表面部にあばたのようなピンホールやボイドができるなど、HIPEの供給から重合までを連続して行う上での固有の技術的課題も解決し得るものである。
本発明では、まず第一に、油中水滴型高分散相エマルションを重合工程に連続的に供給する工程及び該エマルションを連続重合して連続的に多孔質架橋重合体を製造する工程を含み、これらの工程において該エマルションの外表面部を、酸素低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態とする事が主要な構成要件の1つである。これにより、得られる多孔質架橋重合体の外表面部の表層部分に未硬化の部分ができたり、ピンホールやボイドができたり、オープンセル構造化できなかったり、硬化させた場合に遊離水が観察されるなどの、多くの問題を解決することができるものである。
上記酸素量低減手段によって、HIPEの外表面部は、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態になればよいが、好ましくは酸素含有量が2.0体積%以下、より好ましくは0.2体積%以下、特に好ましくは酸素のない雰囲気下ないし状態にすることが望ましい。酸素含有量が2.0体積%を超える場合には、HIPEの外表面部の表層部分が未重合になるため好ましくない。
上記酸素量低減手段としては、HIPEの供給から重合までの間、該HIPEを周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態におくことができるものであればよく、
(A)周囲空気よりも酸素含有量の低い気体、好ましくは酸素を含まない不活性ガス、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスおよびこれら2種以上の混合ガスなど、特に窒素ガス単独又は窒素ガスを含む混合ガスで、HIPEの外表面部と接触する周囲空気の一部または全部、好ましくは全部をガス置換することで、周囲空気(なかでも酸素ガス)のHIPEへの接触を抑制ないし遮断、好ましくは遮断する気体を使った酸素量低減手段、
(B)重合に影響しない液体、例えば、水や電解質水溶液などで、前記HIPEの外表面部に液体層ないし液状膜、好ましくは水により水層を形成することで、周囲空気の前記HIPEへの接触を抑制ないし遮断する液体を使った酸素量低減手段、
(C)接触酸素量を低減ないしカットする固体、好ましくは通気性の低いないし通気性のないシート(例えば、フィルム、プレートの形態を含む)で、前記HIPEの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記HIPEへの接触を抑制ないし遮断する固体(好ましくはシート)を使った酸素量低減手段、のいずれをも必要に応じて適宜組み合わせて利用することができる。
さらに本発明では、上記(A)〜(C)の酸素量低減手段以外にも、▲1▼連続して供給されるHIPEの外表面部からの漏出を防止し、▲2▼HIPEの成形後の形態を一定に保持し、▲3▼HIPEの未重合を防止し、▲4▼外表面部のシート材を保持することができるなど、多機能で有用なものである、堰やガスケット等を適宜併用するのが望ましい。
なお、本明細書において、「HIPEの外表面部を、酸素量低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態とする」のは、実施例や図2、3に示すように、(1)少なくとも重合部分に(供給部分から重合が開始される場合は、以下の(2)ないし(3)に含まれるため、ここでは除く)、(2)好ましくは少なくとも供給した後の部分から、(3)より好ましくは供給部分から、周囲空気のHIPEへの接触を抑制ないし遮断するものであればよいのであって、狭く解釈されるべきものではない。すなわち、上記液体とシート(固体)の場合は、HIPEの供給部分については、外表面部は必ずしも必要でない。すなわち、ガスの場合は、置換しながらHIPEを供給できるが、液体とシートの場合はHIPEを供給した後に液体および/またはシートで周囲空気を抑制ないし遮断すれば足りるのであり(図2、3参照のこと)、厳密に、供給部分から液体やシート(さらに、ガスの場合でも同様である)で周囲空気のHIPEへの接触を抑制ないし遮断する必要はない。これは、供給部分から供給した後の部分までは周囲空気に晒される時間は短く、得られる多孔質架橋重合体の特性に与える影響は小さく、従来法に比して十分な作用効果を発揮し得るためである(後述する各実施例を参照のこと)。
本発明の好ましい実施形態としては、前記(A)の気体を使った酸素量低減手段が、窒素ガスで、前記エマルションの外表面部と接触する周囲空気の全部をガス置換することで、周囲空気のHIPEへの接触を遮断する手段であり、前記(B)の液体を使った酸素量低減手段が、重合に影響しない水溶液で、前記エマルションの外表面部に水層を形成することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を遮断する手段であり、前記(C)の固体を使った酸素量低減手段が、シートにより、前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段である。
よって、前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段としては、上記好適な各酸素量低減手段の組み合わせが好ましく、(a)窒素ガスで、前記エマルションの外表面部と接触する周囲空気の全部をガス置換することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を遮断する手段と、シートにより、前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段との組み合わせにより構成されているもの、(b)重合に影響しない水溶液で、前記エマルションの外表面部に水層を形成することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を遮断する手段とシートにより、前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段との組み合わせにより構成されているもの、(c)シートにより、前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する手段同士の組み合わせにより構成されているものが挙げられる。これにより、多孔質架橋重合体の連続製法において、HIPEの成形後の形態を一定に保持する上での保持精度及び多孔質架橋重合体の収率が良好で、HIPEの成形後の形態(例えば、後述する幅(W)や厚さ(T)など)を自由にコントロールすることができかつ多孔質架橋重合体の外表面部の表面の性状を変化させることができる(後述する実施例を参照のこと)。
このうち、HIPEの外表面部の酸素量低減手段の1つである気体を使った酸素量低減手段および液体を使った酸素量低減手段については、モノマーの飛散性に若干の問題はあり、得られる多孔質架橋重合体の表面物性では、オープンセル構造性と表面平滑性は良好とまではいかない(良好なものより少し低下する)が、加えて耐ピンホール・ボイド性も比較的良好であることから多くの用途に適用可能であり、HIPEの外表面部の酸素量低減手段であるシートを使った酸素量低減手段との組み合わせで表面性状を変化させた多孔質架橋重合体を製造する手法として好ましいものの1つといえる(後述する実施例5、6参照のこと)。
また、HIPEの外表面部の酸素量低減手段の1つであるシートを使った酸素量低減手段については、モノマーの飛散性の問題はなく、また得られる多孔質架橋重合体の表面物性、例えば、外表面部のオープンセル構造性や表面平滑性も良好であり、加えて耐ピンホール・ボイド性も良好であることから多くの用途に適用可能である。また、HIPEの外表面部の酸素量低減手段の1つであるシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層の形態を適当に選択することで表面性状を変化させた多孔質架橋重合体を製造することができる。
前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層は、所望の酸素量低減効果が得られるように一定レベル以上のシール性を有するものであればよい。すなわち、一定レベル以上の通気性(酸素透過性)を有するシール性の低いものは酸素量低減手段として使用するのは困難である。かかる観点から、前記HIPEの外表面部の酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層の通気性は、100cm/cm・s以下、好ましくは5cm/cm・s以下である。上記シート層の通気性が100cm/cm・sを超える場合には、酸素量低減能が低下するため、W/O比などの条件によっては得られる多孔質架橋重合体に未硬化部分が生じるなどの問題が起こるおそれがあるため好ましくない。ここでいう、「通気性」は、JIS L1096(1990)の6.27通気性で規定するいずれかの試験方法により測定して求めたものをいう。
また、上記通気性の上限値は、あくまで外部が周囲空気である場合であり、外部を窒素雰囲気下にするなど、他の酸素量低減手段(特に上記(A)の周囲空気よりも酸素含有量の低い気体を使った酸素量低減手段)と併用する場合には、上記範囲を超えても問題はない。なお通気性が5cm/cm・sを超えて100cm/cm・s以下の範囲でも、他の酸素量低減手段を併用するほうが、ピンホール・ボイド等の欠陥を低減させることができる場合もある。一方、HIPEの硬化温度が高くなると、重合中に内部の水の一部が蒸気化する場合がある。こうした場合には、上記シート層は、シール性の高いもの(ガスバリア性フィルムや通常のフィルムなど)よりも、通気性とシール性のバランスをとることができるように若干の通気性を有するシール性の若干低いシート層(ガス透過性フィルム、多孔質フィルム、不織布、織物など)を用いる方が、多孔質架橋重合体の表面のピンホール・ボイド等の欠陥を低減させるのに有利である場合もあり得る。したがって、上記シート層のシール性(通気性)の決定に際しては、重合条件などを十分に勘案し、必要に応じて予備実験を行うなどして、最適なものを選択するのが望ましい。
次に、前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層として使用するシートの具体的な実施形態としては、▲1▼フィルム、不織布および織物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のシート材、▲2▼金属製および/または樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、▲3▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した金属製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、▲4▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレートのいずれかを単独であるいは2種以上を併用したものを示すものである。なお、本発明では、上記シート、シート材およびフィルムは、それぞれ以下のように規定する。HIPEの外表面部の酸素量低減手段の1種である「シート」は、薄い形態(薄膜状、薄板状など)のものであればよく、特に制限されるものではなく、上記▲1▼〜▲4▼までの形態を含む極めて広い概念が包含されるものとする。「シート材」は、上記シートの上記▲1▼に示すフィルム、不織布および織物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものである。「フィルム」は、上記シートの上記▲1▼に示すシート材の1種であり、薄膜形状のものであればよいものとする。
前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層として使用するシートの具体的な実施の形態の1つである▲1▼フィルム、不織布および織物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のシート材の材質としては、重合条件下で使用可能であれば特に制限されるものではなく、従来公知の高分子材料の中から適当に選択して使用することができるが、連続重合に適した耐久性(耐熱性、耐候性、耐磨耗性、リサイクル性、引っ張り強度等の機械的強度などの諸特性)や離型性が良好で、多孔質架橋重合体の表面特性をコントロールできるものが好ましく、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(以下、単にPTFEともいう)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、単にPFAともいう)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、単にFEPともいう)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(以下、単にETFE)などのフッ素樹脂;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体などのシリコン樹脂;ポリイミド(以下、単にPIともいう)、ポリフェニレンサルファイド(以下、単にPPSともいう)、ポリサルフォン(以下、単にPSFともいう)、ポリエーテルサルフォン(以下、単にPESともいう)、ポリエーテルイミド(以下、単にPEIともいう)、ポリエーテルエーテルケトン(以下、単にPEEKともいう)、パラ系アラミド樹脂などの耐熱性樹脂;ポリエチレンテレフタレート(以下、単にPETともいう)、ポリブチレンテレフタレート(以下、単にPBTともいう)、ポリエチレンナフタレート(以下、単にPENともいう)、ポリブチレンナフタレート(以下、単にPBNともいう)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(以下、単にPCTともいう)等の熱可塑性ポリエステル樹脂、PBTとポリテトラメチレンオキサイドグリコールから構成されるブロック共重合体(ポリエーテル系)、PBTとポリカプロラクトンから構成されるブロック共重合体(ポリエステル系)などの熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(以下、単にTPEEエラストマーともいう)、ポリプロピレンなどのポリオレフィン等が好ましいものとして挙げられる。また、目的に応じてこれらの材質を単独で使用してもあるいは2種以上を併用してもよい。
上記シート材の材質としては、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料が特に好ましいものである。
これらの好適な材料を上記シート材の材質に用いて得られた多孔質架橋重合体では、表面にスキン層ができて開孔度が低下するようなことがなく、通液性、通気性の良いものが得られる。例えば、本発明の製法によって得られた、面積16cmおよび厚み5mmのシート状に形成ないし加工された多孔質架橋重合体(多孔質架橋重合体シート)の通液性を後述する実施例に示す方法で測定したところ、通液速度は0.5cc/sec以上であり、このことからも優れた通液性を有することがわかる。特にHIPEを静置重合して製造すると、重合装置(特に重合容器)の内面形状と同じ多孔質架橋重合体が得られるため、任意の形に賦形できるため、平面または曲面のシート状、棒状、糸状、これらの形状を組み合わせた形状を持つ多孔質架橋重合体の成形体の製造に適している。また、こうした多孔質架橋重合体の形状によってその表面積が変わるが、本発明の製法では、重合装置材料を上記に規定する群から適宜選択することで、得られる連続気泡を有する多孔質架橋重合体の表面の開孔度を自由にコントロールできるので(図7〜28参照のこと)、表面積の大きな多孔質架橋重合体の製造に応用したときにメリットが大きい。
上記重合装置のHIPEと接触する部分の材料を、上記に規定する群から選ばれた少なくとも1種の材料としたのは、機械的強度や耐熱性などを勘案して、2種以上のこれらの材料を適当に組み合わせて複合化してもよいし、多層化してもよいためである。さらに、これらの材料とそれ以外の材料とを組み合わせて多層化してもよいが、この場合には、当然のことながら、重合装置のHIPEと接触する最上層(表面層)の部分に上記材料が使われていればよい。また重合装置のHIPEと接触する部分の鉄製やステンレス製等の装置材料(基材)に上記材料の少なくとも1種を表面被覆してもよい。あるいは重合装置のHIPEと接触する部分が、これらの材料で構成された部分と、これらの材料で表面被覆された部分とを併用したようなものであってもよい。これらの表面層にスキン層を形成しない材料は、前記のような連続重合装置の材料として有用であるばかりで無く、容器内での静置重合のようなバッチ重合装置に応用しても良く、スキン層の無い多孔質架橋重合体を得ることが出来る。例えば、連続重合法ではHIPEを重合しながら連続的に搬送するための搬送手段(例えば、ベルトコンベアなど)と、これに併走してHIPEの表面側と接触しながら酸素を遮蔽することのできる酸素遮蔽可能な搬送手段(フィルム式のコンベアなど)とに、こうした材料で作られている部分と、被覆されている部分を併用するのが良い場合もあり得る。このように、上記重合装置のHIPEと接触する部分に用いる上記材料は、それ自体重合装置の構造体であってもよく、また、例えば、鉄製やステンレス製の装置に前記材料のシート材を積層したもの、あるいは塗装したものでもよい。
前記材料をシート材として使用するにあたって、前記シート材の厚さは、特に制限されるものではない。通常0.01〜3.0mmであれば、連続重合に適した耐久性(耐熱性、耐候性、耐磨耗性、リサイクル性、引っ張り強度等の機械的強度などの諸特性)を得ることができるし、エンドレスベルトにしてリサイクルすることもできる。
さらに、前記シート材の形状としては、フィルム、不織布および織物、ならびにこれらの組み合わせのいずれであってもよい。1例を示せば、▲1▼非通気性フィルム(通気性0〜0.0001cm/cm・s程度)としては、アラミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン(以下、単にPVDCともいう)コートPETフィルムなどのガスバリヤー性フィルム;PENフィルム、PETフィルム、PBTフィルム、PPSフィルム、PIフィルム、ETFEフィルム、ポリプロピレン(以下、単にPPともいう)フィルム、PTFEフィルムなどの通常のフィルムなどが挙げられ、▲2▼通気性フィルム(通気性0.0001〜35cm/cm・s程度)としては、ジメチルポリシロキサンフィルムなどのガス透過性フィルム;PTFE系多孔質フィルム、ポリオレフィン系多孔質フィルムなどの多孔質フィルムなどが挙げられ、▲3▼織物(通気性0.1〜8cm/cm・s程度)としては、PETマルチフィラメントタイプの織物などが挙げられ、▲4▼不織布(通気性10〜100cm/cm・s程度)としては、PETスパンボンドタイプなどの不織布が挙げられる。
なお、前記シート材の耐熱性の判断基準の一つとしては、機械的連続使用温度(UL746B)があり、PET(105℃)、PEN(160℃)、PI(200℃)、PPS(160℃)、PEEK(240℃)、PSF(150℃)、PES(180℃)、PEI(170℃)、アラミドフィルム(180℃)であることが知られており、硬化温度により使用するシート材を適宜選択することができる。
また、前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層として使用するシートの具体的な実施形態の他の1つである▲2▼金属製および/または樹脂製のエンドレスベルトおよび帯状プレートは、HIPEの構成成分である塩化カルシウム等の電解質による腐食対応のため、耐蝕性の良好なタイプを選択することが望ましいことから、これらの材質には、ステンレススチール、炭素鋼などの鉄鋼(純鉄、銑鉄、鋼、フェロアロイなど工業的に供給される実用の鉄の総称)などの金属や上記シート材として選択された樹脂を利用するのがよい。金属の材質では、ステンレススチールが好ましい。これは、連続重合に適した耐久性(耐熱性、耐候性、耐摩耗性、耐薬品性、リサイクル性、引張強度などの機械的強度などの諸特性)を有し、多孔質架橋重合体の表面にスキン層ができて開孔度が低下するようなことがなく、通液性、通気性の良いものが得られるためである。
さらに、前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層として使用するシートの具体的な実施形態の他の1つは、HIPEの構成成分である塩化カルシウム等の電解質による腐食対応のため、耐蝕性の良好なタイプを選択することと、HIPEの外表面部のシールを兼ねる目的から、▲3▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した金属製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、▲4▼前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレートが望ましい。ここでシート材を金属製や樹脂製のエンドレスベルトや帯状プレートに「使用する」手法としては、例えば、金属製や樹脂製のエンドレスベルトや帯状プレートと、耐久性の良好なフィルム等のシート材とを、少なくともHIPEの重合の間、好ましくは供給から重合完了までの間は、外表面部に接するようにして同一速度で同一方向に走行させるだけでも良いし、金属製や樹脂製のエンドレスベルトや帯状プレートに、耐久性の良好なフィルム等のシート材を適当な接着剤や粘着剤などにより粘接着加工することにより貼ってもよいし、金属製や樹脂製のエンドレスベルトや帯状プレートに、耐久性の良好な樹脂原料を樹脂コーティングしてシート材を形成してもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、樹脂製のエンドレスベルトでは、上記シート材として選択されたものをベースとして、布や繊維などの補強材及びエンドレスベルトとの接合方法等を検討して作製することが好ましい。
本発明の製造方法では、第二に、該HIPEの成形後の形態を保持しながら、該HIPEの供給から重合までを連続して行うことが本発明の好適な構成要件の1つである。これにより、成形後のHIPEを所望の形態に作製でき、さらに全体に均質な性状の多孔質架橋重合体を非常に高い生産性で製造できるとする利点を有する。そのため、工業的にも非常に優れたものである。
ここで、HIPEの成形後の形態を保持する方法としては、例えば、駆動搬送装置の支持体上や支持体で囲まれた内部空間にHIPEを供給(注入する場合を含む)し所望の形態に成形することで、HIPEは、ソフトクリーム状ないしヨーグルト状の流動性の少ない動粘性流体であるため表面に多少の凹凸が残る傾向があるが、HIPEの外表面部に適当な堰ないしカスケットなどを設けることでHIPEの成形後の形態の保持効果、連続して供給されるHIPEの外表面部からの漏出防止効果、HIPEの未重合を防止効果、さらには外表面部のシート材の保持効果を得ることができる。例えば、前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記HIPEの外表面部にシート層としてシートを用いてHIPEの外表面部を上下若しくは左右に挟み込むかまたは四方より挟み込んで囲むことで、より安定的に成形後の形態を保持することができる。前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記HIPEの外表面部にシート層としてシートを用いてHIPEの外表面部を上下に挟み込むかまたは四方より挟み込んで囲む場合に、HIPEの成形後の形態を保持する方法としては、シート材に張力をかける方法や、HIPEをシート上に設けた形態調整板等により、HIPEを外表面部から均等に加圧(押圧)する方法等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明の製造方法において、該HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式としては、特に制限されるものではなく、以下に示す各種方式を採用することができる。
(1)HIPEの走行方向に対して垂直な断面形状がT/W≦1を満足するようにして、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式である。ここで、TおよびWは、いずれも図1(A)に規定する通りである。
(2)HIPEの走行方向に対して垂直な断面をとって垂直断面内で、その垂直断面がX軸(水平軸)となす角度θが、0°≦θ≦90°を満足するようにし、かつ断面形状がT/W≦1を満足するようにして、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式である。ここで、TおよびWは、いずれも図1(B)に規定する通りであり、あわせて図1(B)に理解が容易なようにθを示した。
(3)HIPEの走行方向に平行な断面をとって平行断面内で、その平行断面が水平となす角度θ′が、0°≦θ′≦90°を満足するようにし、かつ断面形状がT/W≦1を満足するようにして、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式である。ここで、TおよびWは、いずれも図1(C)、(D)に規定する通りであり、あわせて図1(C)に理解が容易なようにθ′を示した。当該方式では、前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記HIPEの外表面部にシート層としてシートを用いてHIPEの外表面部を四方より挟み込んで囲むことで、より安定的に成形後の形態を保持することができる。特に、駆動搬送装置の支持体に上記シート層としてシートを用い、該支持体で囲まれた内部空間にHIPEを注入ないし圧入して供給することで、所望の形態に成形することができるものである。
なお、(1)〜(3)の各断面形状はTとWの関係がわかりやすいように長方形のものを示したが、本発明においては、上記方式を基本形とし、これの変形バージョンとして、上記断面形状が長方形や正方形でなく、台形になっているような場合も本発明の技術範囲に含まれるものであることは言うまでもない。すなわち、本発明の製造方法において、該HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式としては、上記(1)〜(3)の方式に何ら限定されるものではなく、また、上記(1)〜(3)の方式を適当に組み合わせてもよいし、さらにその一部を適当な変形バージョンに変えてもよい。
本発明の製造方法では、第三に、該HIPEの連続重合を水平(横型)方式(上記(1)の方式においてT/W<1のもの、あるいは上記(2)の方式のθ=0°であって、かつT/W<1のもの)で行うことが本発明のより好適な構成要件の1つである。ここで、「水平(横型)方式」とは、駆動搬送装置の水平(横型)搬送される支持体上に原料のHIPEを供給し層状に成形し、重合する(詳しくは、所定の硬化温度で所定時間加熱処理する)までの一連の操作・工程を連続して行うことをいう。原料のHIPEを層状に成形するには、供給時に層状になるように供給と同時に成形を行っても良いし、供給後に適当な成形部材を使って層状に成形するようにしてもよい。また、駆動搬送装置の水平(横型)搬送される支持体上に原料のHIPEを供給する場合、当該支持体上に直接供給しても良いし、間接的に供給しても良い。間接的とは、支持体であるエンドレスベルトおよび/または帯状プレートに酸素濃度抑制手段としてシートを使用し、該シート上に原料のHIPEを供給する場合をも含む意味である。これは、HIPEが接する材質を変えることにより、得られる多孔質架橋重合体の当該接触面の表層部の多孔質架橋構造を用途に応じて適当に変えるためである。
(2)HIPEの成形厚み及び形状
HIPEの成形厚みに関しては、特に制限されるものではない。これは、後述するように、重合後に適当な厚さにスライスすることができるためである。なお、ここでいう「厚み」とは、例えば、上記(1)〜(3)の方式によらず規定するため、上記(1)〜(3)の方式で利用した図1に示す「T」を指すものとする(以下、同様である)。なお、HIPEの成形厚み「T」が過度に厚くなる場合には、用いる方式によっては、多孔質架橋重合体の物性が「T」方向で不均一化したり、重合中に離水が観察されたりするなどの問題が軽微ではあるが発生するようになるため、成形厚さによって最適な方式を選択するのが好ましい。また、好適な方式の1つである上記「水平(横型)方式」では、好ましくはHIPEの成形厚みは、100mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下の層状に成形されていることが望ましい。なお、成形厚さを20mm以下とすることで、目的の硬化温度まで急速に昇温させることができ、非常に短時間で重合を完結できるとする更なる顕著な効果も得られる。ただし、HIPEの成形厚さが50mmを超えても、比較的低温で長い重合硬化時間が確保できるようにHIPEの搬送速度等を調整すればよい。また、HIPEの成形厚さの下限は、特に制限されるものではなく、使用用途に応じて適宜決定されるべきものではある。すなわち、得られた厚さの薄い多孔質架橋重合体を重ねて使用しても、液体吸収材、エネルギー吸収材、薬剤含浸基材などに求められる性能・品質を確保することができるためである。ただし、厚さが0.5mm未満の場合には、その取り扱いが難しくなる。HIPEの成形形状としては、特に制限されるものではなく、任意の形状をとりえる。
本発明の方法で得られた重合体は長さ方向は勿論のこと、幅方向の厚み精度が優れていることが特徴である。前述のごとくWO−A−97−27240号公報に記載の方法では幅方向の厚さや品質の均一性が保たれにくいが、本発明の方法ではこれらの制限がなく、100cmを越える幅広のシートを製造することも可能で、厚みや品質の均一性も優れている。
(3)硬化温度
HIPEの硬化温度は、通常、常温〜120℃の範囲であるが、HIPEの安定性、重合速度の観点から、好ましくは40〜100℃の範囲、より好ましくは80〜100℃、特に好ましくは95〜100℃の範囲である。硬化温度が常温未満では、重合に長時間を要し、新たに冷却手段を設ける必要があり不経済であり、工業的に好ましくない。他方、硬化温度が120℃を越える場合には、得られる多孔質架橋重合体の孔径が不均一となることがあり、また多孔質架橋重合体の吸収容量が低下するため好ましくない。また、上記HIPEの形成温度(T)(=加熱昇温開始時の温度)と硬化温度(T)との間でT≦Tの関係を満足することが好ましい。これは、搬送装置を使って連続重合する上でも、HIPEをコンベアのベルト上に供給した後に所定の硬化温度まで加熱昇温させて重合させることが温度制御面、性能・品質面、装置設計などの観点から好ましいためである。よって、TとTの関係については、T≦Tを満足するものであればよいが、好ましくはTとTとの温度差[T−T]が50℃以下であることが均一な多孔質架橋重合体を作る面から望ましい。温度差[T−T]が50℃を超える場合には、急速昇温によるHIPE表面の局部加熱により均一な多孔質架橋重合体が得られ難くなる。なお、硬化温度(重合温度)[T]は、外部からのエネルギー量の制御により所定の温度(±数℃)範囲にするのが、得られる多孔質架橋重合体の性能・品質面および温度制御面から好ましい。ただし、上記に規定する温度範囲内であれば硬化温度は、重合中に変動してもよく、こうした重合の仕方を排除するものではない。
なお、重合後(重合硬化時間経過後)は、所定の温度まで、冷却ないし徐冷されるが、重合法によっては、冷却することなく、後述する脱水や圧縮などの後処理工程に移行しても良い。
(4)加熱昇温速度
次に、HIPEの形成温度よりも硬化温度が高い場合に、HIPEを重合する際の硬化温度までの加熱昇温速度は、特に制限されるものではなく、HIPEの組成や厚さ、加熱昇温手段等により異なるため一義的に規定することはできないが、好ましくは5℃/分以上である。加熱昇温速度が5℃/分未満の場合には、重合が遅く、重合中に離水が多く見られるなど好ましくない。好ましくは加熱昇温速度が5〜60℃/分の範囲である。加熱昇温速度が60℃/分を超えて速くなりすぎると、W/O比などによっては、HIPEの乳化状態を安定に維持できずHIPEが潰れるおそれがあるため好ましくない。ここで、「加熱昇温速度」は、式:[(T0.9−T)/(t0.9−t)]によって求められる。上記式において、Tは、HIPEの加熱昇温開始時[t]の温度(HIPEの成形温度)を示す。T0.9は、[T]と所定の硬化温度[T]との温度差を100%とした場合の90%の温度差に相当する温度を示す、即ち、[T0.9]=[T]+([T]−[T])×0.9である。tは、HIPEの加熱昇温を開始する時間を示し、加熱昇温開始時が存在しない場合には、HIPEの供給時を示す。t0.9は、上記温度[T0.9]に到達する時間を示す。
(5)加熱昇温時間
上記加熱昇温速度において、トータルの加熱昇温時間は、15秒以上、好ましくは15秒〜10分、より好ましくは30秒〜7分、特に好ましくは1〜5分である。15秒より短時間で昇温を終えた場合や、10分を超えて昇温を行った場合、HIPEが昇温中に安定に保たれず、離水が多くなったり、不均一に重合する場合がある。ここで、「加熱昇温時間」とは、HIPEの加熱昇温開始時[t]から所定の硬化温度[T]に到達(安定化)する時間[t]までのトータルの時間[t−t]をいうものとする。ただし、T≧Tの場合に限り加熱昇温開始時[t]が存在しないため、HIPEの供給時を[t]とする。
(6)重合硬化時間
本発明の重合硬化時間に関しては、HIPEの組成や成形厚み「T」等により異なるため一義的に規定することができないが、従来の連続とバッチの併用重合方法に比して、本発明のHIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方法では、数十秒〜60分の範囲の短時間で重合を安定に実施するのに非常に有効である。例えば、走行する搬送装置が適当な重合炉内を通り抜ける際に重合完了するように搬送速度のみを制御すればよいからである。重合硬化時間は、好ましくは60秒〜60分の範囲である。重合硬化時間が60分を超える場合には、硬化炉を長くするか、または搬送速度を遅くする必要があるため多孔質架橋重合体の生産性が低下する。なお60秒未満の場合には、重合が完了しないため充分な物性の多孔質架橋重合体が得られない。勿論上記より長い重合硬化時間を採用することを排除するものではない。ここで、「重合硬化時間」とは、加熱昇温開始時[t]から重合終了時[t]までのトータルの時間[t−t]をいうものとする。
(7)重合装置(HIPEの連続重合装置)
本発明に用いることのできる重合装置としては、上記に説明したようにHIPEの供給、重合の両工程を連続工程としうるものであればよく、特に制限されるものではない。
以下に、図面を用いて、本発明の好適な方式の1つである「水平(横型)」方式に利用することができる重合装置につき説明する。なお、かかる方式以外の重合装置においても、当該「水平(横型)」方式をベースに適宜従来公知の重合装置と組み合わせたものなどを適用することができる。
図2は、本発明の「水平(横型)」方式に利用することができるエンドレスベルトによる重合装置の概略側面図である。図3は、本発明の「水平(横型)」方式に利用することができるジャケット付き帯状プレートによる重合装置の概略側面図である。
図2および図3に示すように、HIPE供給部119に対応して水平に設置され一定速度で水平方向に走行するステンレス鋼製のエンドレスベルト式のコンベア(駆動搬送装置)201または水平に設置されたジャケット付き帯状プレート(202)が設置されている。HIPE供給部119からHIPEを連続的に抜き出し、シート材203上に、幅約Xm、厚み約Ymm(回転ローラー209の設定高さで規定される)のHIPEを連続的に供給すると同時に平滑な層状に成形すべく、コンベア201のベルト上をこれと同一速度で同一方向に走行するPETフィルムまたは帯状プレート202の上を走行するPETフィルムからなる巻出・捲取式のシート材203が設けられている(HIPEの下部の酸素量低減手段である)。同様に成形されたHIPEの上部に乗せられ、コンベア201のベルトと同一速度で同一方向に走行するPETフィルムまたは帯状プレート202上を走行するPETフィルムと同一速度で同一方向に走行するPETフィルムからなる巻出・捲取式のシート材205(HIPEの上部の酸素量低減手段である)が設けられている(尚、これら上部および下部のシート材は、リサイクルの観点から、耐久性、離型性に優れる材質を用いてエンドレスベルト式にしてもよい。さらに、これらの酸素量低減手段に代えて、他の酸素量低減手段を採用しても良いことはいうまでもない。)。そしてステンレス鋼製のエンドレスベルト式の場合は、該シート材203は、コンベア201のベルトと同一速度で同一方向に走行できるように巻出・捲取ローラー208、212の回転速度が制御されている。該シート材205は、このHIPEの厚さが一定になるようにテンションをかけながら走行されるように、コンベア201の前方と後方に設置された回転ローラー209、211と巻出・捲取ローラー207、213が適当な高さに設置されており、巻出・捲取ローラーの回転速度が制御されている。これによりシート材203、205は上下に一定間隔を保って水平に維持しつつ同一方向に同一速度で走行される。ジャケット付き帯状プレートの場合は、該シート材203、205は同期して同一速度で同一方向に走行されるように巻出・捲取ローラー208、212と巻出・捲取ローラー207、213の回転速度が制御される、または該シート材205は、このHIPEの厚さが一定になるようにテンションをかけながら走行されるように、ジャケット付き帯状プレート202の前方と後方に設置された回転ローラー209、211と巻出・捲取ローラー207、213が適当な高さに設置されており、巻出・捲取ローラーの回転数が制御される。また、コンベア201のベルト上の、または帯状プレート(202)上の両端部(両辺)には、両辺(長辺側各縁)に沿ってその上を移動しうる直径(高さ)Ymmの連続したガスケットないし堰がそれぞれ設けられている(図示せず)。
さらに、▲1▼コンベア201のHIPEを乗せたベルトが重合炉の通路(トンネル)内を水平方向に走行することができ、または▲2▼帯状プレート202上のHIPEを乗せたシート材203が重合炉のトンネル内を水平方向に走行することができるようにトンネル型の重合炉215が設置されている。また、重合炉215のトンネル内を搬送されるHIPEを上方および下方から加熱し得るように加熱(昇温)手段が備えられている。該加熱(昇温)手段として、重合炉215のトンネル内を搬送されるHIPEの上方には、熱風によりシート材205を介してHIPEを昇温加熱し得るように、熱風循環装置からなる加熱昇温手段217が設けられている。重合炉215のトンネル内を搬送されるHIPEの下方には、ベルトまたは帯状プレート、さらにその上のシート材203を介してHIPEを急速に昇温加熱し得るように、▲1▼熱水を直接ベルト下部に吹きつけるための温水シャワー装置(熱水吹付装置)からなる加熱昇温手段219、または▲2▼帯状プレートのジャケットに熱水を供給するための熱水供給装置(熱水循環装置)からなる加熱昇温手段220が設けられている。
また、加熱昇温手段217として使用される熱風循環装置は、所定の硬化温度にて所定時間安定してHIPEを重合するための加熱硬化手段としても使用される。よって、この熱風循環装置からの熱風により、重合炉215のトンネル内を搬送されるHIPEは、シート材205を介して硬化温度まで急速に昇温加熱され、その後、所定の硬化温度にて保持されるものである。
同様に、加熱昇温手段219として使用される温水シャワー装置、または加熱昇温手段220として使用される熱水供給装置も加熱硬化手段としても使用される。すなわち、重合炉215のトンネル内を搬送されるHIPEは、▲1▼温水シャワー装置からの熱水吹き付けによりベルトの下方からベルトおよびシート材203を介して、または▲2▼熱水供給装置からの熱水循環により帯状プレートおよびシート材203を介して、硬化温度まで急速に昇温加熱され、その後、所定の硬化温度にて保持されるものである。
なお、加熱昇温手段ないし加熱硬化手段としては、上記に制限されるものではなく、放射エネルギー等を利用できるマイクロ波、遠赤外線、近赤外線などの活性熱エネルギー線を照射し得る連続出力マグネトロンなどを用いた発振器や各種赤外線ヒーター、熱水や熱風などの熱媒を吹き付けるための熱風循環装置や熱水吹付装置、熱水循環装置などの手段が利用できる。また、重合炉215の後半のゾーンは、重合後の多孔質架橋重合体をすばやく冷却するための冷却ゾーンに使用しても良く、上記熱風循環装置や熱水吹付装置、熱水循環装置の温度設定を低くすることで十分に対応できる。熱風に窒素ガスを使用すれば、シート材に代えて窒素ガスシールが可能であり、また、上部に熱水吹付装置を用いれば、シート材に代えて水層シールが可能になり、これらは、酸素量低減手段であると同時に加熱手段としても機能し得るものである。
以上が、本発明の重合装置の一実施態様であるが、本発明の製造方法に適用可能な重合装置がこれに限定されるものではないことはいうまでもない。
また、これら重合装置等のHIPEと接触することのない部分の材質に関しては、特に限定されるものではなく、必要な強度(耐久性)や耐食性などの技術的な要求基準を満足する材料の中から、経済性、さらには環境問題やリサイクル性を考慮して最適な材料を適宜選択すればよく、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼などの金属(合金を含む)製、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル樹脂などの合成樹脂製、これらの合成樹脂をガラス繊維や炭素繊維などの繊維で補強した繊維強化樹脂製(FRP)などを使用できる。なお、加熱昇温手段にマイクロ波を利用して高周波誘電加熱する場合には、装置材料やシート材にアルミニウム等を使用した場合には、(渦電流により)発火するおそれがあるため、その材料の選定には留意する必要がある。
(8)多孔質架橋重合体の形態
上記重合工程によって得られる多孔質架橋重合体の形態は、特に制限されるものではなく、任意の形態をとりえる。
(9)多孔質架橋重合体のスライス工程
さらに、本発明では、上述したようにHIPEの連続重合によって得られた多孔質架橋重合体を連続的にスライスすることもできる。
多孔質架橋重合体の連続的なスライス方法としては、特に制限されるものではなく、従来既知のスライス手段を適当に利用することができる。以下に、代表例として、好適な「水平(横型)」方式により得られた多孔質架橋重合体を連続的に上下(水平)にスライスする方法につき、具体的に説明する。まず、上下(水平)にスライス方法では、スライス面の多孔質架橋構造を保持し、スライスされた多孔質架橋重合体に割れや折れを防止する観点からは、ベルトコンベア方式の横型のエンドレスバンドナイフなどが望ましい。とりわけ、エンドレスバンドナイフの上下振動を抑え、スライスの厚み精度を高める観点からは、上下のバンドナイフ用ガイドの構造を特定化することが望ましい。かかる上下のバンドナイフ用ガイドの構造を図面を用いて説明する。図4および図5は、好ましい横型のエンドレスバンドナイフの入口側(搬送されてくる多孔質架橋重合体が入ってくる側をいう。以下同様。)の上側および下側ガイドの断面構造の各実施態様を示す図面であり、図6は、さほど好ましくない横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側および下側ガイドの断面構造を模式的に示す概略断面図である。図4および図5に示すように、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側ガイド301および下側ガイド303の水平位置からの傾斜角θ、θを小さくすることにより、スライスされた多孔質架橋重合体(図示せず)が折れたり割れたりせずに搬送できるものである。一方、図6に示すように、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側ガイド401および下側ガイド403の水平位置からの傾斜角θ、θを大きくすることにより、スライスされた多孔質架橋重合体(図示せず)が折れたり割れたりするようになり、傾斜角によっては、鉋屑(ないし鰹節削り)のように上側ガイドに沿って搬送されるスライスされた多孔質架橋重合体が丸まるようになってしまう。従って、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側ガイドの水平位置からの傾斜角θは、10°以下、好ましくは5〜8°の範囲である。上側ガイドの水平位置からの傾斜角θが5°未満になるとガイドの剛性が小さくなりエンドレスバンドナイフの上下振動を抑えスライスの厚み精度を維持できなくなる。上側ガイドの水平位置からの傾斜角θが、10°を超える場合は、2Xmm厚の多孔質架橋重合体を2枚にスライスした際に、上側にスライスされたXmm厚の多孔質架橋重合体は折れたり割れたりする傾向が認められるため好ましくない(図4〜6を参照のこと)。一方、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の下側ガイドの水平位置からの傾斜角θは、20°以下、好ましくは5〜15°の範囲である。スライスは搬送用ベルトコンベアですぐに搬送できるため上側ガイドの傾斜角より大きくなってもスライスされた多孔質架橋重合体が折れたり割れたりすることはない。下側ガイドの水平位置からの傾斜角θが、20°を超える場合は、2Ymm厚の多孔質架橋重合体を2枚にスライスした際に、下側にスライスされたYmm厚の多孔質架橋重合体は搬送時に折れたり割れたりするため好ましくない。
なお、図5に示すように、上側にスライスされた多孔質架橋重合体と、上側ガイドとのスベリを良くし、折れたり割れたりする傾向を改良するために、(1)上側ガイド301に適当な間隔で空気(ないし水)吹き出し口305を適当数あけ、ここから空気等を吹き出す(ないし水等を流して液状膜を形成する)ための気体(ないし液体)吹き出し機構などの離型手段を設けたり、(2)上側ガイドの傾斜面(多孔質重合体との接触面)に臨界表面張力が低いレベルのフッ素樹脂板307やフッ素樹脂フィルム等のすべり抵抗の小さい板やフィルムを貼ったり、(3)上側ガイド自体を離型性に優れた材料あるいはすべり抵抗の小さいフッ素樹脂などで作ること、などが好ましい方法である。
重合後の多孔質架橋重合体を連続的にスライスする場合、例えば、厚さ(n×X)mmの層状の形態に重合してから厚さXmmのシートないしフィルム状の形態にn−1段階でスライスしてn枚のシートないしフィルムに加工することもできる。この場合、上記横型のエンドレスバンドナイフを搬送経路上に複数直列に、スライス面(搬送装置からの高さ)を階段状に段階的に変えて配置して順次スライスしていく方法などを採用することができる。
さらに、本発明の多孔質架橋重合体の連続的なスライス方法の他の実施の形態としては、例えば、図1(B)のθ=90°の場合などでは、縦型のエンドレスバンドナイフを搬送経路上に複数並列に設けて、同時にスライスを行うようにしてもよい。これは、重力に逆らわないので、特にささえが必要でないので、エンドレスバンドナイフに上記のようにガイドを設けなくともよいためである。したがって、一度に複数スライスすることができるため、搬送経路が短く、スライス時間が短縮できるなど極めて合理的で経済性に優れ、かつ得られるスライスされた多孔質架橋重合体が破壊されたりするようなこともないという利点がある。
また、多孔質架橋重合体のスライス速度は、あまり速くすると多孔質架橋重合体が折れたり割れたりするので、100m/分以下、好ましくは1〜30m/分であることが好ましい。
また、多孔質架橋重合体をスライスするときの温度は、多孔質架橋重合体のガラス転移温度より高い温度で行うのが好ましい。当該温度が重合体のガラス転移温度より低いと多孔質構造が破壊されたり、孔径が変化することがあるためである。
(10)多孔質架橋重合体形成後の後処理(製品化)工程
(a)脱水
重合により、さらに必要により重合後スライス加工により形成された多孔質架橋重合体は、通常、圧縮、減圧吸引およびこれらの組み合わせによって脱水する。一般に、こうした脱水により、使用した水の50〜98%の水が脱水され、残りは多孔質架橋重合体に付着して残る。
脱水率は、多孔質架橋重合体の用途などによって、適当に設定する。通常、完全に乾燥した状態での多孔質架橋重合体1g当たり、1〜10gの含水量、あるいは1〜5gの含水量となるように設定すればよい。
(b)圧縮
本発明の多孔質架橋重合体は、元の厚みの数分の1に圧縮した形態にすることができる。圧縮したシート状などの形態は、元の多孔質架橋重合体に比べて容積が小さく、輸送や貯蔵のコストを低減できる。圧縮形態の多孔質架橋重合体は、多量の水に接すると吸水して元の厚みに戻る性質があり、吸水速度は元の厚みのものより速くなる特徴がある。
圧縮形態にするには、均一に多孔質架橋重合体全体に圧力が加わり、一様に圧縮し得るように、多孔質架橋重合体の形態に応じた圧縮手段を用いればよい。本発明では、重合後も適当な搬送装置を用いて、その後の工程を連続的に行うことが望ましく、重合により得られた多孔質架橋重合体を搬送しながら連続して脱水し、その後、所定の間隔に調整したロールやベルト間を通して圧縮すればよい。また、上記の脱水工程での圧縮、あるいは減圧吸引操作によって、通常、幾分かのシート厚みの減少があるので、脱水工程終了後のシート厚みが所定範囲内にあれば、改めて圧縮工程を設ける必要はない。
前工程の脱水およびこの圧縮工程で、多孔質架橋重合体を圧縮する時の温度は、多孔質架橋重合体のガラス転移温度より高い温度で行うのが好ましい。当該温度が重合体のガラス転移温度より低いと多孔質構造が破壊されたり、孔径が変化することがある。
輸送や在庫スペースの節約、取り扱いやすさの点から、元の厚みの1/2以下に圧縮するのが効果的である。より好ましくは元の厚みの1/4以下に圧縮するのがよい。
(c)洗浄
多孔質架橋重合体の表面状態を改良するなどの目的で、多孔質架橋重合体を純水や任意の添加剤を含む水溶液、溶剤で洗浄してもよい。
(d)乾燥
以上の工程で得られた多孔質架橋重合体は、必要であれば、熱風、マイクロ波などで加熱乾燥してもよく、また加湿して水分を調整してもよい。
(e)切断
以上の工程で得られた多孔質架橋重合体は、必要であれば、所望の形状、サイズに切断して各種用途に応じた製品に加工してもよい。
(f)含浸加工
洗浄剤、芳香剤などを含浸加工して機能性を付与することもできる。
(実施例)
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
実施例1
2−エチルヘキシルアクリレート5.0質量部、55%ジビニルベンゼン3.0質量部の混合物にジグリセリンモノオレエート0.4質量部を添加し均一に溶解し油相を調製した。一方、塩化カルシウム8.0質量部と過硫酸カリウム0.2質量部を純水395質量部に溶解し水相を調製した後、温度55℃に加温した。油相と水相を1/48の比率で動的混合装置内に連続的に供給して混合、乳化し、HIPE(1)を作製した。
このHIPE(1)を水平に設置された幅60cmのエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径5mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)にコーターにより50cm幅、5mm厚みになるように連続的にキャストした後、PETフィルム(上部シート)を乗せ、次いで熱風循環により85℃に加温され、下部スチールベルトに85℃の温水が噴霧される85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させて重合させた。得られた多孔質架橋重合体(以下、単に「重合体」ともいう)(1)は、上面および下面共に平滑な面を有しており、厚みは5±0.2mmであった。ガスケットに接触していた重合体(1)の幅方向の両端部をカットして重合体シートを得た。収率は99.6%であった。評価結果を下記表1に示す。
実施例2
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を、水平に設置された幅1.1mのジャケット付きの帯状スチール製プレートとPETフィルムからなり、両端部に直径5mmのポリテトラフルオロエチレン(デュポン社製;商品名テフロン、以下、単に「テフロン」ともいう)製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより1.0m幅、5mm厚みになるようにコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの85℃の熱風循環、下部ジャケット付きの帯状スチール製プレートへの85℃温水供給が設定された重合炉を60分で通過させて重合させた。得られた重合体(2)は、上面および下面共に平滑な面を有しており、厚みは5±0.3mmであった。ガスケットに接触していた重合体(2)の幅方向の両端部をカットして重合体シートを得た。収率は99.7%であった。評価結果を下記表1に示す。
実施例3
エンドレススチールベルトとPETフィルムの幅を1.6mとし、HIPEを1.5m幅でコートし、熱風で90℃に保たれた重合炉を30分で通過させた他は実施例1と同じ操作を繰り返して重合体(3)を得た。重合体(3)の幅方向の両端部をカットして得た重合体シートの収率は99.8%であった。評価結果を下記表1に示す。
実施例4
帯状スチール製プレートとPETフィルムの幅を2.7mとし、HIPEを2.5m幅でコートし、熱風で85℃に保たれた重合炉を60分で通過させて重合する以外は実施例2と同じ操作を繰り返して重合体(4)を得た。得られた重合体(4)は、上面および下面ともに平滑な面を有しており、厚みは5±0.5mmであった。重合体(4)の幅方向の両端部をカットして得た重合体シートの収率は99.8%であった。評価結果を下記表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を、高さ0.5mのポリプロピレン(PP)製のファスナー付き袋に、厚みが5mmになるように充填しながら、垂直軸を持つ巻取り装置を使用して高さ方向の厚みができるだけ均一になるように巻取った。次いで巻取ったものをバッチ式の重合炉に入れて60℃で8時間重合した。ポリプロピレン製の袋から取り出した比較用重合体(1)は、下部が厚く、上部は薄くなっていたため下端より40mm、上端より20mmをそれぞれカットしたので、収率は88.0%であった。上部および下部をカットして得られた比較用重合体(1)の厚み精度は5.0±1.0mmであった。評価結果を下記表1に示す。
比較例2
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を、高さ1.0mのポリプロピレン(PP)製のファスナー付き袋に、厚みが5mmになるように充填しながら、垂直軸を持つ巻取り装置を使用して高さ方向の厚みができるだけ均一になるように巻取った。次いで巻取ったものをバッチ式の重合炉に入れて60℃で8時間重合した。ポリプロピレン製の袋から取り出した比較用重合体(2)は、下部が厚く、上部は薄くなっていたため下端より90mm、上端より30mmをそれぞれカットしたので、収率は88.0%であった。上部および下部をカットして得られた比較用重合体(2)の厚み精度は5.0±1.2mmであった。評価結果を下記表1に示す。
Figure 0004749642
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実施例5
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたSUS316製エンドレスベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径5mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより5mm厚になるように連続的にコートしながら、上部に窒素ガスを流して窒素雰囲気状態にした。次いで上部への90℃窒素ガス循環、下部SUS316製ベルトへの90℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(5)の上面は若干の波打ち現象が認められ、平滑性が若干低下していた。上面(窒素ガスに接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面はセルの孔径が小さく目詰り傾向が目立ったが、下面は開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(5)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均5〜6個含まれていた。重合体(5)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図7、図8に示す。
実施例6
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたSUS316製エンドレスベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径7mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより5mm厚になるように連続的にコートした後、上部に60℃に加温した実施例1で用いたものと同じ水相(HIPEの製造段階で調製されたもの)を流してガスケット上端部まで2mmの水層でシールされた状態にした。次いで上部への85℃熱風循環、下部SUS316製ベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(6)の上面は若干の波打ち現象が認められ、平滑性が若干低下していた。上面(水層に接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面はやや低くセルの孔径が小さく目詰り傾向が認められたが、下面は開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(6)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイド性が平均3〜4個含まれていた。重合体(6)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図9、図8(下面は、実施例5と同じくPETフィルムに接触していた面であり、同様なセル構造を有していたので代用した。以下、PETフィルムに接触していた面については同様とする。)に示す。
実施例7
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたSUS316製エンドレスベルトとPPフィルムからなり、両端部に直径5mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPPフィルム(下部シート)上にコーターにより5mm厚になるように連続的にコートした後、PPフィルム(上部シート)を乗せて上部PPフィルムへの85℃熱風循環、下部SUS316製ベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(7)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PPフィルムに接触していた面)および下面(PPフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共にセルの孔径が小さく目詰り傾向が認められた。さらに重合体(7)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(7)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図10(上面および下面共に同じフィルムに接触していた面であり、同様なセル構造を有しているので、1つの電子顕微鏡写真のみとした。以下、同じフィルムに接触していた面については同様とする。)に示す。
実施例8
上部シートおよび下部シートを共にPETフィルムとする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(8)を得た。得られた重合体(8)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PETフィルムに接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(8)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(8)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図8に示す。
実施例9
上部シートおよび下部シートを共にPBTフィルムとする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(9)を得た。得られた重合体(9)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PBTフィルムに接触していた面)および下面(PBTフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(9)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(9)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図11に示す。
実施例10
上部シートおよび下部シートを共にPENフィルムとする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(10)を得た。得られた重合体(10)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PENフィルムに接触していた面)および下面(PENフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(10)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(10)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図12に示す。
実施例11
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたSUS316製エンドレスベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径5mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより5mm厚になるように連続的にコートした後、PET長繊維から得られる通気性33cm/cm・sの不織布(上部シート)を乗せた後、窒素ガスを流して窒素雰囲気状態にした。次いで上部への90℃窒素ガス循環、下部SUS316製ベルトへの90℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(11)の上面は表面凹凸が認められ、平滑性が若干低下していた。上面(PET長繊維から得られる不織布に接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面は下面PETフィルムと比較するとセルの孔径がやや小さく若干目詰り傾向であったが、下面は開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(11)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(11)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図13および図8に示す。
実施例12
上部シートをPETマルチフィラメントから得られる織物(通気性0.5cm/cm・s)とする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(12)を得た。得られた重合体(12)の上面は表面凹凸が認められ、平滑性が若干低下していた。上面(PETマルチフィラメントから得られる織物に接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面は下面PETフィルムと比較するとセルの孔径がやや小さく若干目詰り傾向であったが、下面は開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(12)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(12)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図14および図8に示す。
実施例13
上部シートをPTFE多孔質フィルム(通気性0.04cm/cm・s)とする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(13)を得た。得られた重合体(13)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は比較的良好であった。上面(PTFE多孔質フィルムに接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(13)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(13)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図15に示す。
実施例14
上部シートをPFAフィルム、下部シートをSUS316製ベルトにシリコン系粘着剤(東レダウコーティング株式会社製:シリコンSD4580PSA)でPFAフィルムを貼ったものとする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(14)を得た。得られた重合体(14)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は比較的良好であった。上面(PFAフィルムに接触していた面)および下面(SUS316製ベルトにシリコン系粘着剤で貼られたPFAフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(14)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(14)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図16に示す。
実施例15
上部シートをFPEフィルム、下部シートをSUS316製ベルトにエポキシ系接着剤(東レ株式会社製:エポキシ系接着剤TE2001)でFPEフィルムを貼ったものとする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(15)を得た。得られた重合体(15)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(FPEフィルムに接触していた面)および下面(SUS316製ベルトにエポキシ系接着剤で貼られたFPEフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(15)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(15)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図17に示す。
実施例16
上部シートおよび下部シートを共に、離型剤としてシリコン樹脂をコートしたPETフィルムとする他は実施例7と同じ操作を繰り返して重合体(16)を得た。得られた重合体(16)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(シリコン樹脂をコートしたPETフィルムに接触していた面)および下面(シリコン樹脂をコートしたPETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(16)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(16)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図18に示す。
実施例17
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたジャケット付きの帯状スチール製プレートとPIフィルムからなり、両端部に厚み5mmのポリテトラフルオロエチレン(デュポン社製;商品名テフロン)製角棒を持つ駆動搬送装置のPIフィルム(下部シート)上にコーターにより5mm厚みになるように連続的にコートした後、PIフィルム(上部シート)を乗せて上部PIフィルムへの85℃熱風循環、下部ジャケット付きの帯状スチール製プレートへの85℃温水供給が設定された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(17)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PIフィルムに接触していた面)および下面(PIフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の比較的大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(17)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(17)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図19に示す。
実施例18
上部シートおよび下部シートを共にPSFフィルムとする他は実施例17と同じ操作を繰り返して重合体(18)を得た。得られた重合体(18)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PSFフィルムに接触していた面)および下面(PSFフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の比較的大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(18)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(18)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図20に示す。
実施例19
上部シートおよび下部シートを共にPPSフィルムとする他は実施例17と同じ操作を繰り返して重合体(19)を得た。得られた重合体(19)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PPSフィルムに接触していた面)および下面(PPSフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の比較的大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(19)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均0〜2個含まれていた。重合体(19)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図21に示す。
実施例20
上部シートおよび下部シートを共にPESフィルムとする他は実施例17と同じ操作を繰り返して重合体(20)を得た。得られた重合体(20)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PESフィルムに接触していた面)および下面(PESフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の比較的大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(20)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(20)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図22に示す。
実施例21
上部シートおよび下部シートを共にPEIフィルムとする他は実施例17と同じ操作を繰り返して重合体(21)を得た。得られた重合体(21)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PEIフィルムに接触していた面)および下面(PEIフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(21)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(21)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図23に示す。
実施例22
上部シートおよび下部シートを共にPEEKフィルムとする他は実施例17と同じ操作を繰り返して重合体(22)を得た。得られた重合体(22)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PEEKフィルムに接触していた面)および下面(PEEKフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(22)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均2個含まれていた。重合体(22)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図24に示す。
実施例23
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたTPEEエラストマーからなる樹脂製エンドレスベルトと、両端部に直径5mmのテフロン製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のTPEEエラストマーベルト(下部シート)上にコーターにより5mm厚みになるように連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムおよび下部TPEEエラストマーベルトへの90℃熱風循環が設定された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(23)の上面は波打ち現象等が認められず平滑性は良好であった。上面(PETフィルムに接触していた面)および下面(TPEEエラストマーベルトに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(23)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(23)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図8、図25に示す。
実施例24
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置された上下のSUS316製エンドレスベルトと、両端部及び該両端部からそれぞれ横幅の1/3づつ内側に設けられた合計4本の厚み5mmのポリテトラフルオロエチレン(デュポン社製:商品名テフロン)製角棒のガスケットを持つ駆動搬送装置の下部のSUS316製エンドレスベルト(下部シート)上にコーターにより5mm厚みになるように連続的にコートした後、上部のSUS316製エンドレスベルト(上部シート)を乗せて上部SUS316製ベルトへの85℃熱風循環、下部SUS316製ベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(24)はほぼ均等に3つに分割されていた。また、得られた重合体(24)の上面および下面平滑性は、重合体(24)のSUS316製ベルトへの付着性のため若干低下していた。上面(SUS316製ベルトに接触していた面)および下面(SUS316製ベルトに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(24)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(24)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図26に示す。
実施例25
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置された上側はPETフィルム製エンドレスベルト、下側は同調して動くPETフィルム製エンドレスベルトとSUS316製エンドレスベルトの組み合わせからなり、両端部に直径5mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置の下部のPETフィルム製エンドレスベルト(下部シート)上にコーターにより5mm厚みになるように連続的にコートした後、上部のPETフィルム製エンドレスベルト(上部シート)を乗せて上部PETフィルム製エンドレスベルトへの85℃熱風循環、下部SUS316製ベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた重合体(25)の上面は波打ち現象が認められず、平滑性は良好であった。上面(PETフィルムに接触していた面)および下面(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)を撮影し、セル構造を観察したところ、上面および下面共に開孔度の大きいオープンセルを形成していることがわかった。さらに重合体(25)のピンホールやボイドを観察したところ、1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが平均3〜4個含まれていた。重合体(25)の性能評価結果を下記表2に、また上面および下面の電子顕微鏡写真を図8に示す。
比較例3
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたSUS316製エンドレスベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径5mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより5mm厚になるように連続的にコートしながら上部に空気を流して空気雰囲気状態にした。ついで、上部への90℃空気循環、下部SUS316製ベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させ重合した。得られた比較用重合体(3)の上部は未重合のためベタツキがあったので、上面の平滑性、上面のセル構造、ピンホールあるいはボイドはいずれも評価できなかった。比較用重合体(3)の性能評価結果を下記表2に、また下面の電子顕微鏡写真(1000倍率)を図8に示す。
Figure 0004749642
Figure 0004749642
上記表2の上面平滑性、上面および下面のセル構造並びにピンホールやボイドにつき、下記にその試験方法および評価基準につき説明する。
(1)上面の平滑性
▲1▼試験方法
得られた各重合体ごとに、1×1mの大きさに切断した試験片を6個準備し、各試験片に波打ち現象、凹凸、付着による平滑性低下などの表面欠陥が発生している程度を目視で判定した。
▲2▼評価基準
試験片ごとに表面欠陥(波打ち現象、凹凸、付着による平滑性低下など)が含まれている状態を、下記判定基準により4段階に分けて評価した。
◎:平均5〜6個の試験片に表面欠陥がなく平滑性が良好である。
○:平均3〜4個の試験片に表面欠陥がなく平滑性は比較的良好である。
△:平均1〜2個の試験片に表面欠陥がないが全体としての平滑性が低下している。
×:6個の試験片すべてに表面欠陥が認められ平滑性の低下が著しい。
(2)ピンホールあるいはボイド
▲1▼試験方法
得られた各重合体ごとに、1×1mの大きさに切断した試験片を3個準備し、これらの試験片(上下両面)中の2mm以下のピンホールあるいはボイドが含まれている個数をノギスを使ってそれぞれ測定し、各重合体ごとに1m当りの平均値を算出した。なお、「2mm以下」としたのは、2mmを超える場合では欠陥として目立つため、製品としての利用価値が低く、かつ本発明ではこうした重大欠陥は生じ得ないため評価基準から除外したものである。
▲2▼評価基準
1m当り2mm以下のピンホールあるいはボイドが含まれている個数をもとに、下記判定基準により4段階に分けて評価した。
◎:平均0〜2個の欠陥が含まれている。
○:平均3〜4個の欠陥が含まれている。
△:平均5〜6個の欠陥が含まれている。
×:平均7個以上の欠陥が含まれている。
(3)セル構造
▲1▼試験方法
得られた各重合体ごとに、直径2cmの大きさに切り出した試験片の水洗、絞りを十分に行った後、表面部分の電子顕微鏡写真撮影用処理をした試験片の倍率1000倍の写真を撮り、セル構造の孔径大きさ、セル構造の目詰り、セル構造の壁の厚さなどのセル構造の状態を目視で判定した。
▲2▼評価基準
孔径の大きさ、壁の厚さ、目詰りなどのセル構造の状態を下記判定基準により4段階に分けて評価した。
◎:孔径が大きくそろっており、壁の厚さも厚くなく、目詰りなどの欠陥がほとんどない。
○:孔径の大きさ、壁の厚さ、目詰りなどのいずれかの欠陥が若干認められる。
△:孔径の大きさ、壁の厚さ、目詰りなどの欠陥が認められる。
×:孔径の大きさ、壁の厚さ、目詰りなどの欠陥が目立ちセル構造が不十分である。
実施例26
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径10mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの85℃熱風循環、下部スチールベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させて重合して厚さ約10mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図4に示した上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフにより、スライス速度1.0m/分で連続的に上下2枚にスライスした。得られたスライス品は2枚共に折れ、割れなどのないものであった。また厚みは上下スライス共に5±0.2mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
実施例27
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径10mmのテフロン製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの95℃熱風循環、下部スチールベルトへの95℃温水シャワーが設置された重合炉を10分で通過させて重合して厚さ約10mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフにより、スライス速度10.0m/分で連続的に上下2枚にスライスした。得られたスライス品は2枚共に折れ、割れなどのないものであった。また厚みは上下スライス共に5±0.3mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
実施例28
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたジャケット付き帯状スチール製プレートとPETフィルムからなり、両端部に直径10mmのテフロン製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの85℃熱風循環、下部ジャケット付き帯状プレートへの85℃温水供給が設定された重合炉を60分で通過させて重合して厚さ約10mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフにより、スライス速度1.0m/分で連続的に上下2枚にスライスした。得られたスライス品は2枚共に折れ、割れなどのないものであった。また厚みは上下スライス共に5±0.3mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
実施例29
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径10mmのテフロン製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの95℃熱風循環、下部スチールベルトへの95℃温水シャワーが設置された重合炉を10分で通過させて重合して厚さ約10mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図5の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフにより、スライス速度30.0m/分で連続的に上下2枚にスライスした。得られたスライス品は2枚共に折れ、割れなどのないものであった。また厚みは上下スライス共に5±0.5mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
実施例30
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径15mmのテフロン製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの85℃熱風循環、下部スチールベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させて重合して厚さ約15mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフ1により、スライス速度1.0m/分で連続的に上5mm厚み下10mm厚みにスライスした。得られた2枚のスライス品をそれぞれベルトコンベアで搬送した後、引き続いて下10mm厚みの重合体シートを図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフ2により、スライス速度1.0m/分で連続的に5mm厚み2枚にスライスした。得られた3枚のスライス品はいずれも折れ、割れなどのないものであった。また厚みは3枚のスライス品のいずれも5±0.2mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
実施例31
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径20mmのテフロン製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの85℃熱風循環、下部スチールベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させて重合して厚さ約20mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフ1により、スライス速度1.0m/分で連続的に上5mm厚み下15mm厚みにスライスした。得られた2枚のスライス品をそれぞれベルトコンベアで搬送した後、引き続いて下15mm厚みの重合体シートを図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフ2により、スライス速度1.0m/分で連続的に上5mm厚み下10mm厚みにスライスした。得られた2枚のスライス品をそれぞれベルトコンベアで搬送した後、さらに下10mm厚みの重合体シートを図4の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフ3により、スライス速度1.0m/分で連続的に5mm厚み2枚にスライスした。得られた4枚のスライス品はいずれも折れ、割れなどのないものであった。また厚みは4枚のスライス品のいずれも5±0.2mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
比較例4
実施例1と同様にして作製したHIPE(1)を水平に設置されたエンドレススチールベルトとPETフィルムからなり、両端部に直径10mmの軟質塩化ビニル樹脂製チューブのガスケットを持つ駆動搬送装置のPETフィルム(下部シート)上にコーターにより連続的にコートした後、PETフィルム(上部シート)を乗せて上部PETフィルムへの85℃熱風循環、下部スチールベルトへの85℃温水シャワーが設置された重合炉を60分で通過させて重合して厚さ約10mmの重合体シートを得た。続いて該重合体シートをベルトコンベアで搬送でき且つ図6の上下構造のガイドを装着した水平型エンドレスバンドナイフにより、スライス速度1.0m/分で連続的に上下2枚にスライスした。得られた上側のスライス品には折れ、割れなどが発生していたが、下側のスライス品は、折れ、割れなどのないものであった。また下側のスライス品の厚みは5±0.2mmの範囲のものであった。性能評価を下記表3に示す。
Figure 0004749642
実施例32
円筒形容器に、油相として、アクリル酸2−エチルヘキシル2.13質量部、55%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)1.28質量部、およびジグリセロールモノオレエート0.27質量部を仕込んだ。水相として塩化カルシウム10質量部および純水230質量部、およびt−ブチルヒドロペルオキシド(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルH−69)0.125質量部を混合して均一に溶解し、40℃に保った。油相を撹拌しながら水相を約5分間にわたって均一な速度で添加した。混合物がヨーグルト状になり良好に油中水滴型高分散相エマルジョン化したものが得られたのを確認して、ロンガリット(三菱ガス化学株式会社製、商品名SUPERITE C(ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート))0.125質量部を純水10質量部に溶かした溶液を加え、均一に攪拌してHIPE(W/O比=67.9)を得た。
得られたHIPEを、隙間を5mmに調節した2枚のステンレススチール板(10cm×10cm)で出来た型枠(重合容器)に流し込み充填した。充填終了後、型枠を65℃に保って1.5時間重合硬化を行ない重合を完結させた。
重合後の硬化物を型枠(重合容器)から取り外し、水を絞り、60℃の熱風乾燥機で3時間乾燥して、本実施例の連続気泡を有するシート形状の多孔質架橋重合体(多孔質架橋重合体シート(32))を得た。得られた重合体シート(32)の性能評価結果を下記表5に示す。また重合体シート(32)の電子顕微鏡写真は図26と実質同一であり、表面も内部も連通孔が形成されていた。
実施例33
実施例32で用いたものと同じHIPEを用いて、型枠の材質をフッ素樹脂(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)をコーティングした金属板とした他は実施例32と同様にして多孔質架橋重合体シート(33)を得た。得られた重合体シート(33)の性能評価結果を下記表5に示。また重合体シート(33)の電子顕微鏡写真は図17と実質同一であり、表面も内部も連通孔が形成されていた。
実施例34〜35
型枠の材質を下記表4に示したものとする他は実施例32と同じ操作を繰り返して多孔質架橋重合体シート(34)〜(35)を得た。得られた重合体シート(34)の表面の電子顕微鏡写真を図27に示す。多孔質架橋重合体シート(35)の表面は図19と非常に類似したものであった。これらの電子顕微鏡写真より、本実施例の重合体シート(34)〜(35)は表面も内部も連通孔が形成されていることがわかった。
Figure 0004749642
比較例5
型枠の材質をポリプロピレンとする他は実施例32と同じ操作を繰り返して比較用多孔質架橋重合体シート(5)を得た。得られた比較用多孔質架橋重合体シート(5)の性能評価表を下記表5に示す。表面の電子顕微鏡写真は図10と実質的に差のないものであり、表面の開孔度が十分でないことがわかった。
比較例6
型枠の材質をポリ塩化ビニルとする他は実施例32と同じ操作を繰り返して比較用多孔質架橋重合体シート(6)を得た。得られた比較用多孔質架橋重合体シート(6)の性能評価表を下記表5に示す。表面の電子顕微鏡写真は図28に示す。図28より、本比較例の比較用多孔質架橋重合体シート(6)の表面は開孔度が十分でなく、目詰まりした状態になっていることが観察された。
比較例7
型枠の材質をポリエチレンとする他は実施例32と同じ操作を繰り返して比較用多孔質架橋重合体シート(7)を得た。得られた比較用多孔質架橋重合体シート(7)の性能評価表を下記表5に示す。表面の電子顕微鏡写真は図29に示す。図29より、本比較例の比較用多孔質架橋重合体シート(7)の表面は開孔度が十分でなく、目詰まりした状態になっていることが観察された。
Figure 0004749642
実施例36
本発明の重合装置のHIPEと接触する部分に用いられる材質によるシート材(7種類)の熱塩カル水(熱い塩化カルシウム水溶液の略称)およびHIPEに対する耐性をテストした。併せて、前記の公知文献にオープンセルを形成すると記載されているPET製のシートを比較のため同様にテストした。試験結果を下記表6に示す。
試験条件;4%塩カル水(pH約9.5)に120℃×8日間浸漬、およびHIPEに95℃で30日間浸漬したシート材の引張強度変化を測定した。
Figure 0004749642
Figure 0004749642
先の実施例で説明したようにPETは連続重合に用いる酸素遮断用フィルムとして有用な材料であるが、上記表6の結果より、PETは本実施例の試験条件のような厳しい環境では耐久性が十分でなく、破断などのトラブルが生じない短時間の使用あるいはより緩やかな条件での使用にとどめるなどの注意が必要である。それに比べて、本発明でより好ましい材料として開示した材料はPETに比べて明らかに耐久性が優れていることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明の多孔質架橋重合体の製造方法では、エマルションの外表面部を、酸素量低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態として、該エマルションを連続重合することにより、従来のWO−A−97−27240号公報に記載の連続とバッチの併用重合方法により生じる多くの技術的な課題を解決することができ、加えて該エマルションの連続重合を行う上での新たな技術的課題をも解決し得ることができるものである。すなわち、該エマルションの連続重合を行う上での新たな技術的課題をも解決し得ることができるものである。すなわち、該エマルションの供給から重合までを連続して行う上での新たな技術的課題である、HIPEに所定の重合条件を与えても、条件によって表層部に特異的に未硬化部分やピンホールやボイドが生じたり、表層部をオープンセル構造化できずに利用範囲が限定されたりなどの問題を解決でき、得られる多孔質架橋重合体の外表面部の表面性状を自由に制御することが可能で、幅(W)及び厚さ(T)も自由にコントロールすることができ、様々な使用用途に応じて最適な性状等を具備したものを設計することができ、かつHIPEの供給から重合までを連続して極めて短時間で行うことができ、いわゆるカンバン方式のように、必要な時必要な量だけの生産が可能となる。また同じ製造ロット内および各製造ロット間での性能及び品質のバラツキが少なく、高品質で高性能な多孔質架橋重合体を安定して量産し得るものである。また、使用する酸素量低減手段、例えば、シート材の捲取ロール等を適宜交換できるようにしたり、HIPEの組成が適宜変更できるようにすることで、多品種少量生産にもうまく適用できるものである。
さらに、本発明では、重合後の多孔質架橋重合体を(重合で使用した搬送装置と連接された搬送装置の支持体上などに連続的に移行させて安定した状態に保持した状態で搬送しながら)連続的にスライスすることにより、水分を多量に含んでいて脆く、折れたり割れたりし易い重合後の多孔質架橋重合体を折ったり割ったりせずに、かつスライス面の多孔質架橋構造をつぶすことなく所望の厚さに加工することができ、上記水平(横型)重合により得られた多孔質架橋重合体のさらなる生産性をより一層高めることができる。
また、本発明の製法によれば、物性に優れ、通液性、通気性、熱や音などエネルギー吸収性の良い、表面も内部も連通孔の形成されてなる連続気泡を有する多孔質架橋重合体が、HIPEの組成や重合条件の制約が無く、容易に作ることができる。したがって、得られた多孔質架橋重合体の表面のスキン層を除去するための工程が不要で製品収率が良く、重合装置、特にHIPEと接触する部分の耐久性(強度保持率など)も著しく向上するので、製造コストの低減効果も大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る重合法に利用することができるHIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式の代表的な一実施態様を表す概略図である。第1図(A)は、HIPEの走行方向に対して垂直な断面形状がT/W≦1を満足するようにして、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式の代表的な一実施態様を表す概略図である。第1図(B)は、HIPEの走行方向に対して垂直な断面をとって垂直断面内で、その垂直断面がX軸(水平軸)となす角度θが、0°≦θ≦90°を満足するようにし、かつ断面形状がT/W≦1を満足するようにして、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式の代表的な一実施態様を表す概略図である。第1図(C)および(D)は、いずれもHIPEの走行方向に平行な断面をとって平行断面内で、その平行断面が水平となす角度θ′が、0°≦θ′≦90°を満足するようにし、かつ断面形状がT/W≦1を満足するようにして、HIPEの供給、重合の両工程を連続工程とする方式の代表的な一実施態様を表す概略図である。これらの各方式において、HIPEはHIPEを所定の方向に走行させる機構を備えた重合装置に連続的に供給され、走行しながら重合され、走行方向の所定個所において多孔質架橋重合体が連続的に取り出されるものである。
第2図は、本発明に係る好適な方式の1つである「水平(横型)」方式に利用することができる重合装置の代表的な一実施態様を表す概略側面図である。本図において、HIPEは119から連続走行するシート203上に連続的に供給されて重合炉215に送り込まれて重合し、重合炉の出口から多孔質架橋重合体が連続的に取り出される。
第3図は、本発明に係る好適な方式の1つである「水平(横型)」方式に利用することができる重合装置の代表的な他の一実施態様を表す略側面図である。
第4図は、本発明に係る製造方法において、好適な方式の1つである「水平(横型)」方式により得られた多孔質架橋重合体を連続的にスライスするためのベルトコンベア方式の横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側および下側ガイドの断面構造の好適な一実施態様を示す図面であって、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側ガイドおよび下側ガイドの水平位置からの傾斜角θ、θを共に8°としたガイドの断面構造を表す図面である。
第5図は、本発明に係る製造方法において、好適な方式の1つである「水平(横型)」方式により得られた多孔質架橋重合体を連続的にスライスするためのベルトコンベア方式の横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側および下側ガイドの断面構造の好適な他の一実施態様を示す図面であって、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側ガイドおよび下側ガイドの水平位置からの傾斜角θ、θを共に8°としたガイドの断面構造を表す図面であって、上側ガイドの表層部に▲1▼空気吹き出し口を有する空気吹き出し機構および▲2▼テフロン板からなる離型手段を設けてなる実施態様図である。
第6図は、本発明に係る製造方法において、好適な方式の1つである「水平(横型)」方式により得られた多孔質架橋重合体を連続的にスライスするためのベルトコンベア方式の横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側および下側ガイドの断面構造の好ましくない一実施態様を示す図面であって、横型のエンドレスバンドナイフの入口側の上側ガイドおよび下側ガイドの水平位置からの傾斜角θ、θを共に15°としたガイドの断面構造を表す図面である。
第7図は、実施例5で得られた本発明の多孔質架橋重合体(5)の上部表面(窒素ガスに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第8図は、実施例5で得られた本発明の多孔質架橋重合体(5)の下部表面など(PETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第9図は、実施例6で得られた本発明の多孔質架橋重合体(6)の上部表面(水層に接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第10図は、実施例7で得られた本発明の多孔質架橋重合体(7)の上部および下部表面(PPフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第11図は、実施例9で得られた本発明の多孔質架橋重合体(9)の上部および下部表面(PBTフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第12図は、実施例10で得られた本発明の多孔質架橋重合体(10)の上部および下部表面(PENフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第13図は、実施例11で得られた本発明の多孔質架橋重合体(11)の上部表面(PET長繊維から得られる不織布に接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第14図は、実施例12で得られた本発明の多孔質架橋重合体(12)の上部表面(PETマルチフィラメントから得られる織物に接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第15図は、実施例13で得られた本発明の多孔質架橋重合体(13)の上部および下部表面(PTFE多孔質フィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第16図は、実施例14で得られた本発明の多孔質架橋重合体(14)の上部および下部表面(PFAフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第17図は、実施例15で得られた本発明の多孔質架橋重合体(15)の上部および下部表面(FPEフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第18図は、実施例16で得られた本発明の多孔質架橋重合体(16)の上部および下部表面(シリコン樹脂をコートしたPETフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第19図は、実施例17で得られた本発明の多孔質架橋重合体(17)の上部および下部表面(PIフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第20図は、実施例18で得られた本発明の多孔質架橋重合体(18)の上部および下部表面(PSFフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第21図は、実施例19で得られた本発明の多孔質架橋重合体(19)の上部および下部表面(PPSフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第22図は、実施例20で得られた本発明の多孔質架橋重合体(20)の上部および下部表面(PESフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第23図は、実施例21で得られた本発明の多孔質架橋重合体(21)の上部および下部表面(PEIフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第24図は、実施例22で得られた本発明の多孔質架橋重合体(22)の上部および下部表面(PEEKフィルムに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第25図は、実施例23で得られた本発明の多孔質架橋重合体(23)の下部表面(TPEEエラストマーベルトに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第26図は、実施例24で得られた本発明の多孔質架橋重合体(24)の上部および下部表面(SUS316製ベルトに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第27図は、実施例34で得られた本発明の多孔質架橋重合体シート(34)の表面(重合容器の型枠の材質であるポリイミド(NPI)に接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第28図は、比較例6で得られた比較用重合体シート(6)の表面(重合容器の型枠の材質であるポリ塩化ビニルに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
第29図は、比較例7で得られた比較用重合体シート(7)の表面(重合容器の型枠の材質であるポリエチレンに接触していた面)の電子顕微鏡写真(1000倍)である。

Claims (9)

  1. 油中水型高分散相エマルションを重合して多孔質架橋重合体を製造する方法において、
    該エマルションの外表面部を、酸素量低減手段により、周囲空気よりも酸素含有量の低い雰囲気ないし状態とし、
    かつ該エマルションの供給から重合までを連続して行うことを特徴とする多孔質架橋重合体の製造方法であって、
    水平に設置されたコンベアまたは帯状プレート上を走行するシート材を該エマルションの駆動搬送手段として設けてなる重合装置を用いて、該エマルションの供給から重合までを水平(横型)方式で連続して行うことを特徴とする多孔質架橋重合体の製造方法。
  2. 前記エマルションの外表面部の酸素量低減手段が、
    (A)周囲空気よりも酸素含有量の低い気体で、前記エマルションの外表面部と接触する周囲空気の一部または全部を置換することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する気体を使った酸素量低減手段、
    (B)重合に影響しない液体で、前記エマルションの外表面部に液体層ないし液状膜を形成することで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断する液体を使った酸素量低減手段、および
    (C)接触酸素量を低減ないしカットするシートで、前記エマルションの外表面部にシート層を設けることで、周囲空気の前記エマルションへの接触を抑制ないし遮断するシートを使った酸素量低減手段、
    の少なくとも1種を用いてなることを特徴とする請求項1に記載の多孔質架橋重合体の製造方法。
  3. 前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に設けるシート層の通気性が、100cm/cm・s以下である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として前記エマルションの外表面部に使用するシートが、(i)フィルム、不織布および織物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のシート材、(ii)金属製および/または樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、(iii)前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した金属製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレート、(iv)前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した樹脂製のエンドレスベルトおよび/または帯状プレートのいずれかを単独であるいは2種以上を併用したものである請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記シートが、フッ素樹脂、シリコン樹脂、耐熱性樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂よりなる群(I)から選ばれた少なくとも1種の材料で作られているもの、および/または前記群(I)から選ばれた少なくとも1種の材料で被覆されているものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記油中水滴型高分散相エマルションに含まれる単量体組成物が、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含むものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記シートが、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシキロヘキサンテレフタレート;ステンレススチールよりなる群(II)から選ばれた少なくとも1種の材料で作られているもの、または前記群(II)から選ばれた少なくとも1種の材料で被覆されているものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記(C)のシートを使った酸素量低減手段として、
    (1)前記エマルションの外表面部に使用するシートが、
    (i)エンドレスベルト、
    (ii)前記シート材をエマルションの外表面部に接する面に使用した金属製または樹脂製のエンドレスベルト、
    のいずれかを単独であるいは2種以上を併用したものであって、
    (2)エンドレスベルトが温水シャワーによって温度調節されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 重合により得られた多孔質架橋重合体を連続的にスライスすることをさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
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