JP4688273B2 - 多孔質架橋重合体シートの製造方法 - Google Patents

多孔質架橋重合体シートの製造方法 Download PDF

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    • C08J2201/028Foaming by preparing of a high internal phase emulsion

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油中水滴型高分散相エマルション(Water in Oil type High Internal Phase Emulsion;以下、単にHIPEとも称す)から得た特定厚さの多孔質架橋重合体を不織布ロールによって脱水して、極めて含水率の少ない多孔質架橋重合体シートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
孔径が微細で均一な連続気泡からなる多孔質を得る方法として、特定の界面活性剤の存在下にHIPEを架橋重合して重合体を得る方法がある。ここに、HIPEとは、該エマルションの全容積に占める分散相の比率が70容量%を超えるもの(K.J.LISSANT, Journal of Colloid and Interface Science vol.22,462(1966))と一般にいわれている。例えば米国特許第5,334,621号には、このようなHIPEを用いて多孔質架橋重合体を製造する方法(以下、単にHIPE法と称す。)が開示されている。
【0003】
ここにHIPE法は、(i)油溶性ビニル単量体と分子内に2以上の官能基を有する架橋単量体とを含有する重合性単量体混合物、(ii)エマルションの90質量%、より好ましくは95質量%、特に好ましくは97質量%を占める水相、(iii)ソルビタン脂肪酸エステルとグリセロールモノ脂肪酸エステルなどの界面活性剤、および(iv)重合開始剤とを含有するHIPEを調製し、該HIPEを加熱し、重合および架橋することで多孔質架橋重合体を製造するものである。このHIPE法によれば、逆相乳化重合により網目状の連続気泡からなる多孔質架橋重合体が成形される。このため、HIPE法によって得られる多孔質架橋重合体は低密度かつ吸水性、保持性、断熱性、防音性などの特性を有するものとなる。
【0004】
しかしながら、この様なHIPE法によって製造される多孔質架橋重合体は、その製造工程において、逆相乳化重合の際の内相である水相と外相である油相の比、つまりW/Oによって多孔の成形が影響を受ける。より空孔容積率の大きい多孔質架橋重合体を得ようとすればW/Oは必然的に水相側の比率が高くなる。一方、このような多孔質架橋重合体の需要は大きい。空孔容積率の大きな多孔質架橋重合体は、吸収性に加え、断熱性や防音性にも優れるため、建築材料、オーディオ製品、園芸など数々の分野で使用することができるからである。このため、多孔質架橋重合体をHIPE法によって製造する場合、例えば上記米国特許第5,334,621号では特に好ましくは97質量%(W/O=33/1)であるとされ、一般的にもW/Oが30/1〜100/1で実施されることが多い。すなわち、HIPE法によって多孔質架橋重合体を製造しようとすれば、油中水滴型高分散相エマルションを成形するために多量の水が必要となる。このことは、HIPE法で多孔質架橋重合体を製造する場合には、多孔質架橋重合体の製造後に該多孔質架橋重合体に含まれる水分の脱水および乾燥の必要があることを意味する。
【0005】
このようなHIPEを重合して得た多孔質架橋重合体を脱水する方法としては、例えば、特表2000−500,796号公報の実施例2では、該重合体をペーパータオルの間に挟んでゆっくり絞り、水性相を除去している。
【0006】
また、特表平11−503,177号公報では、HIPEフォームを圧縮して残存水を搾り出し、またはフォームおよびその中の水を約60℃ないし約220℃の温度またはマイクロウェーブ処理に供し、もしくは真空脱水し、または圧縮と熱的乾燥/マイクロウェーブ/真空脱水技術の組み合わせにより脱水を行っている。そして、このような圧縮脱水は、重合したモノマーの質量の約3倍まで残存水相を減量させる真空を備えた一連の2つの多孔質ニップロールによる圧縮によって行っている。
【0007】
また、WO86/06,766号公報には、液体を含む被処理物から液体を除去するための吸液装置が開示されており、具体的には、初期吸液力が優れるフェルト等を吸液ロール表面に巻き付けてなり、かつ吸引機構とを組み合わせることで、繊維質シートが本来有する多数の細孔に基づくキャピラリー効果を効果的に利用し、液移動をスムーズにし、吸液力および吸液力持続性を向上させるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、HIPEを重合して得た多孔質架橋重合体は、高含水率であって強度も弱い。従って、特表2,000−500,796号公報や特表平11−503,177号公報で開示されたフォーム発泡体やHIPEを重合して得られる多孔質架橋重合体を脱水すると、十分に脱水ができないか、または十分な脱水を行おうとすると脱水工程で多孔質架橋重合体が破損する場合がある。即ち、HIPEを重合して得た多孔質架橋重合体は、使用するHIPEのW/O比にもよるが、重合体質量を基準にした含水率は300〜25,000(w/w)%に達するため機械的強度が特に弱いのである。一旦、金属ロールによる圧縮操作によってロール接触面に亀裂が入れば、製品の概観評価を低下させる原因となる。また、このような亀裂や折れ曲がり等が生じると、本来要求される吸水性を劣化させる原因ともなり、機能面における製品品質の劣化を招く場合もある。
【0009】
また、HIPE作成時には乳化安定化作用を有する塩類を水相中に配合して乳化を円滑に進行させるために塩化カルシウム等の電解質を添加している。このため、吸引機構を有する多孔質ニップロールを用いて脱水するのみでは、難溶性の析出物や未反応のモノマーも脱水するために、ロール表面が汚れ、細孔が目詰まりして脱水能力が低下し、脱水工程を停止させざるを得ない場合もある。このような脱水工程の停止は、特に、高速かつ連続した多孔質架橋重合体の製造において、生産効率の低下を招く原因となる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、HIPEを重合して得た多孔質架橋重合体を、該重合体の損傷を生じさせずに脱水し、かつ連続した脱水処理が円滑に行える多孔質架橋重合体シートの製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、HIPEを重合して得た多孔質架橋重合体を脱水する際に、多孔質架橋重合体を不織布ロールと吸引機構とを併用して脱水処理することで、折れや割れ等がない重合体シートを極めて効率的に製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)によって達成される。
【0013】
(1) 油中水型高分散相エマルションを成形および重合して得た多孔質架橋重合体を、吸引機構を有する不織布ロールを用いて脱水するものである、多孔質架橋重合体シートの製造方法。
【0014】
(2) 該不織布ロールに使用される不織布は、吸液力が1.0以上である、上記(1)記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
【0015】
(3) 該多孔質架橋重合体を、シート移送速度0.5〜150m/分で脱水するものである、上記(1)または(2)記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
【0016】
(4) 該多孔質架橋重合体に予備絞りを行い、その後に吸引機構を有する不織布ロールを用いて脱水するものである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
【0017】
(5) 該予備絞りが、ゴムロール、金属ロール、金属ロールにフェルトシートを被覆したニップロールおよび吸引機構を有する不織布ロールからなる群から選ばれる少なくとも1対のニップロールによるものである、上記(4)記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
【0018】
(6) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の脱水の際には、または上記(4)または(5)記載の予備絞りおよび/またはその後の脱水の際に、該多孔質架橋重合体と脱水ロールとの間にメッシュベルトを介することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、油中水型高分散相エマルションを成形および重合して得た多孔質架橋重合体を、吸引機構を有する不織布ロールを用いて脱水するものである、多孔質架橋重合体シートの製造方法である。
【0020】
吸引機構を有する不織布ロールを使用して脱水することを特徴とするが、特にニップロール表面に不織布を被覆させたことで、圧縮によって出水した水を瞬時に除くことができるからである。特に、多孔質架橋重合体は、多量の水を含むためにそれ自体が脆く、脱水のためのロール線圧を高めると容易に亀裂が入ったり脆く崩れる場合がある。しかしながら、本発明では、ニップロールの表面に不織布を使用する事で十分な初期吸引力を確保でき、これによって多孔質架橋重合体を破損することなく、極めて効率的に脱水することができるのである。
【0021】
特に、多孔質架橋重合体の脱水機構としては、絞りを物理的に考えた場合、絞り初期は、ニップロールのロール線圧による体積減少分だけ水を放出する。多孔質に残存する水は、毛管現象によってロール線圧による体積減少を維持するので、その体積減少分は多孔質架橋重合体に対して永久圧縮ひずみとして残る。本発明では、これを第一段階と称する。しかし、絞りが進んで毛管現象による永久圧縮ひずみよりも多孔質架橋重合体の弾性力が増大するようになる。この場合には、ニップロールによる圧縮によって出水するが、圧縮が開放されると直に膨張して出水した水を瞬時に取り戻すように作用する。本発明では、これを第二段階と称する。これを図1を用いて説明するが、図1は、含水率4,500(w/w)%、厚み10mmの多孔質架橋重合体シートをニップロールを用いて脱水した場合の、脱水による含水率の変化とシートの体積変化との関係を示す図である。4,500(w/w)%から1,000(w/w)%の間は、圧縮による脱水に従って体積も減少する。これが第一段階である。しかし、1,000(w/w)%を下回ると圧縮によって含水率は変化するが、シート体積は変動しない。即ち、第二段階である。本発明では、不織布ロールを使用する事で、特に第二段階における脱水率を効率よく、かつ極めて低値にまで到達含水率を低下させることができることが判明したのである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】
[I]脱水処理
(1)吸引機構を有する不織布ロール
本発明で使用する吸引機構を有する不織布ロールは、吸液部であるニップロール表面に不織布を被覆したものであり、該構成を有すれば、特に制限はない。
【0023】
(a)不織布
本発明において、「不織布」とは、紡いだり、織ったり、または編んだりせずに繊維を集積し、熱や機械的、化学的作用により接着もしくは絡み合わせたシート状の単繊維構造体をいう。
【0024】
本発明において不織布を構成する繊維について、特に制限はなく、合成繊維、植物繊維、動物繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維およびこれらの混紡繊維を好ましく使用することができる。合成繊維としては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリオレフィン繊維、アラミド繊維、その他ポリウレタン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、アセチルセルロース系繊維、レーヨン系繊維などがある。また、動物性繊維としては、絹、羊毛、ヤギ毛、モヘア、カシミヤ、アルパカ、ラクダ、ウサギ、ビーバー、豚毛などがある。また、植物繊維としては、木綿、アマ、タイマ等の靱皮繊維、アサなどの葉脈繊維がある。ガラス繊維としては、いわゆるグラスファイバーであり、溶融ガラスよりつくられる繊維で、短繊維と長繊維がある。
【0025】
金属繊維としては、ステンレス繊維、アルミニウム繊維がある。
【0026】
セラミック繊維としては、シリカ、アルミナファイバーがある。
本発明では、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、耐久性などの観点から合成繊維を使用することが好ましく、特にポリエステル系繊維を使用することが好ましい。本発明では、これらの繊維の1種を単独で使用するほか、2種以上を混合して使用してもよい。
【0027】
不織布を構成する繊維は、その太さが、50デニール以下であることが好ましく、より好ましくは0.02〜10デニール、特には0.02〜0.4デニールである。このような極細い繊維を使用することで、脱水処理の際に、キャピラリー効果に基づく初期吸液力および吸液した液体の移動に基づく吸液力持続性の双方を確保することができるからである。繊度があまり小さくなりすぎると、液体保持力が劣る傾向があり、好ましくない。その一方、50デニールを越えると、吸液した液体を受け入れる空間が小さくなり、吸液力が短時間で失われるので好ましくない。
【0028】
不織布は、従来公知の方法によって調製でき、例えば、予め繊維シート層を形成し、ついで該繊維シート層を結合すればよい。また、繊維シート層を形成する方法としては、乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、湿式法等があり、繊維シート層を結合する方法としては、サーマルボンド法、ケミカルボンド法(含浸法)、ケミカルボンド法、、ニードルパンチ法、水流絡合法等がある。本発明では、いずれの方法で繊維シート層を構成してもよく、いずれの方法で該シート層を結合してもよい。
【0029】
該不織布は、吸液力が1.0以上、好ましくは1.0〜15、より好ましくは1.0〜5.0、特に好ましくは1.3〜4.0である。吸液力が1.0を下回ると、初期吸液力が低下し、その一方、吸液力が大きすぎると初期吸液力は増加するが、脱水、吸引、再吸収において劣るようになるため、好ましくない。
【0030】
なお、本発明における「吸液力」とは、30cm×30cmの不織布を水中に1時間浸漬させた後、マングル絞液し、これを4回繰り返した後、再び試料を水に浸漬して引き上げ、ろ紙上に3秒間置き表面の水を吸い取らせた直後、試料の質量を測定した場合の質量増加率で示すものとする。従って、吸液力とは、(湿質量−乾質量)/乾質量で表される数値である。本発明で使用する不織布は、上記吸液力を有すれば厚みなどは問わない。
【0031】
また、本発明の不織布は、高分子弾性体を不織布の空隙に充填してもよい。該高分子弾性体の存在により、不織布全体の弾性が過度に保たれ、吸液力および吸液力持続性を向上させ、かつ不織布の形態を安定させることができるからである。
【0032】
このような高分子弾性体としては、吸液力1.0以上を確保できれば、その種類、配合量等に制限はないが、ポリウレタンエラストマーが好ましい。高分子弾性体が不織布の空隙に充填された繊維質シートは従来公知の方法により容易に得られる。具体的には、不織布を調製した後に、ポリウレタンエラストマー溶液または分散液に含浸させまたは塗布し、湿式凝固させて、高分子弾性体を含む不織布を調製することができる。
【0033】
本発明では、特に、極細繊維が立体的に絡合された不織布の空隙部に高分子弾性体が多孔質構造で充填された構造が特に好ましく、このような繊維シートは高分子相互配列体繊維、混合紡糸法、直接紡糸法、複合紡糸法等の方法により得られた極細繊維形成繊維を不織布とし、ついで極細化と高分子弾性体の含浸・湿式凝固を適宜な順に実施することにより得られる。
【0034】
(b)吸引機構
本発明で使用する不織布ロールは、ニップロール部が吸液部となり、この吸液部に吸引機構を付設するものである。従って、該吸液部はロール状である。吸液機構は、不織布から液体を積極的に吸引できるものであるならば、特に制限はない。例えば、ニップロールの内部または表面部に負圧発生源に連結した吸引機構を設けることができる。内部に吸引機構を設ける場合には、ロールの筒状軸の内部を減圧にすればよい。
【0035】
(c)不織布ロールの製造方法
本発明で使用する吸引機構を有する不織布ロールは、例えば、多数の貫通孔を有するステンレススチールなどの金属板を巻き上げたロール本体に、上記した不織布を巻き付けて製造することができる。この場合は、吸引性を均一にするために、接着剤を点状に付与したり、または、不織布が熱溶融性樹脂を含む場合には熱圧着したり、更には、不織布を縫い付けたりすることもできる。なお、本発明で使用する不織布ロールは、ニップロールに巻き付ける不織布の重ね枚数に制限はない。しかしながら、1〜15枚であることが好ましく、より好ましくは1〜5枚である。
【0036】
また、図3に示すように、細孔2を有するロール本体1の片端にフランジ3を設け、他の片端からこのフランジ3に、順次、所望の大きさのディスク状にカットした前記不織布4を何枚も貫通させ、次いで他の片端にもフランジを設け、これら両フランジと多数の不織布シートとで吸液機構を有する不織布ロールを製造することもできる。通常、上記ディスク状物を多数重畳したものに、重ね合わせ方向にプレス作業を行う。これにより緻密なロールを得ることができる。多孔質架橋重合体シートをこのような不織布ロールを複数使用して脱水する場合には、不織布の異なるニップロールを使用することができる。
【0037】
吸液部を構成するロールは、不織布からなるディスク状物を多数枚重畳して製造したものが、初期吸液力およびその持続性に優れるばかりか、被処理物の表面を傷つけることがないので好ましい。更に、不織布の端部を接着剤で止める必要も無いため、ロール表面を均一に形成することが可能である。その上、重畳するディスク状物の枚数を増やすことで、容易に幅広のロールとすることができ、また、形態安定性が極めてよく、ロール表面が長持間使用により損傷を受けた場合でも、該表面を削ることにより再び良好なロール表面とすることが可能である。
【0038】
また、不織布が極細繊維を使用したものであって、多孔質構造の高分子弾性体が充填されている場合には、極めて細い連続した空隙部を形成する。これがいわゆるキャピラリー効果となって、ロールの濾液部に優れた吸液力を付与するのである。また、上記不織布のディスク状物を重畳してロールとすると、ロール厚み方向に上記の極めて細い連続した空隙部に断続点が生じないので、キャピラリー効果が最大限に発揮されるのである。
【0039】
係るロールにおいては、不織布が極細繊維と高分子弾性体からなっている場合には、ロール表面がソフトであり、かつ緻密であって、被処理物に対してあまりロール線圧をかけなくても絞ることができ、被処理物の表面を傷つけることなく均一に絞ることができる。特に、繊維が極細繊維の場合には、この効果が顕著に生ずるので好ましい。また、ディスク状の不織布を多数枚重畳してなるロールを芯とし、更にこの表面に吸液性の良好なシート状物を巻きつけるようにすると、このシート状物で構成された外層部を有するため、芯部が目詰まりしたり被処理物などから損傷を受けて径が小さくなったり、凹凸が生じたりするなどのトラブルから保護される。そのため、芯部の形態が保持されたまま長期間に亘り優れた吸液性を維持することができる。
【0040】
(2)脱水方法
次に、図2を用いて本発明の多孔質架橋重合体シートの製造方法の連続方法による一例を説明する。まず、図2に示すように、HIPE101をHIPE供給部119から連続的にシート材203上に供給し、回転ローラー209の設定高さ調整により所定厚みのシート状に成形する。シート材203はコンベアベルト201と同期できるように巻出・巻取ローラー208,212の回転速度が制御されている。シート材205はHIPE101の厚さが一定になるようにテンションをかけながら回転ローラー209,211と巻出・巻取ローラー207,213により回転速度が制御されている。該コンベアベルト201の下部から温水シャワーからなる加熱昇温手段219とコンベアベルト上方から熱風循環装置からなる加熱昇温手段217によって、重合炉215内でHIPE101を重合させて多孔質架橋重合体102を得る。上下のシート材203,205が剥された該重合体を脱水装置303の回転ロールによる搬送用コンベア302によって回転するベルト上に載せ、ベルトの上下に設けた吸引機構を有する不織布ロール301の間に挟んでロールを回転しつつ脱水する。なお、脱水した多孔質架橋重合体102は連続して設けたエンドレスバンドナイフ式スライサー401に移送させ回転するバンドナイフ402により厚み方向にスライスすることができる。
【0041】
なお、本発明では、このような連続方法に限られるものでなく、HIPEをバッチ式でシート状に重合したものを脱水する場合や、バッチ式で重合したものを更に適当な厚さにスライスしたものを連続的またはバッチ式に脱水して、多孔質架橋重合シートを製造することができる。
【0042】
(a)シート移送速度
本発明によって多孔質架橋重合体を脱水するためには、従来公知のニップロールによる脱水工程において、ニップロールとして、吸引機構を有する不織布ロールを使用し、これによって多孔質架橋重合体を脱水すればよい。一般には、シート状の多孔質架橋重合体シートを連続的に脱水するには、例えば、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造等の、走行するベルト上にHIPEを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状にHIPEを成形しつつ重合し、次いでこれを上記したニップロールで脱水する。
【0043】
本発明では、上記不織布ロールによる脱水に際しては、シート移送速度0.5〜150m/分で脱水することが好ましい。より好ましくは、シート移送速度2〜100m/分、特に好ましくはシート移送速度5〜75m/分である。また、この際のロール線圧は、適宜調整されるものであるが、30kg/cm以下であることが好ましい。また、各不織布ロールによる線圧は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ロール線圧が低すぎると物理的な圧縮による脱水が十分に行われないために好ましくない。その一方、ロール線圧がロール線圧が30kg/cmを超えると、シート移送速度の如何を問わず多孔質架橋重合体を破損する場合があり好ましくない。また、シート移送速度が0.5m/分を下回ると、生産性の低下に直結する。その一方、150m/分を上回ると、脱水効率が低下して脱水装置を長くする必要が生じ好ましくない。
【0044】
また、多孔質架橋重合体の機械的強度は、HIPEのW/O比によって変動する。本発明ではW/O比について特に制限はないが、W/O比が3/1以上であればよいが、より好ましくは10/1〜250/1、特には10/1〜80/1の場合に有効である。W/O比が3/1を下回ると、重合性モノマーを含む油相の含量が多すぎて、機械的強度は向上するが単位体積当たりの保水力に優れる多孔質架橋重合体シートが得られず、その一方、250/1を越えると脱水時にシートに亀裂が入り、またはシートがばらばらになる場合もあるからである。
【0045】
(b)メッシュベルト
なお、本発明では、該多孔質架橋重合体と不織布ロールとの間の多孔質架橋重合体の上下または上もしくは下の片面に、メッシュベルトを介して脱水することもできる。多孔質架橋重合体を不織布ロールで脱水すると、多孔質架橋重合体の狭い範囲にロール線圧がかかるために、不織布ロールによって挟まれた部分が破損しやすくなる。しかしながら、メッシュベルトを介することにより、強度の弱い高含水率の多孔質架橋重合体の搬送を容易にし、ロールから受けるせん断力およびロール線圧を緩和し、多孔質架橋重合体が粉砕されることを防ぐことができる。
【0046】
このようなメッシュベルトの素材としては、金属ワイヤ、合成樹脂、植物繊維、動物繊維、ガラス繊維およびこれらの混紡物をメッシュに構成させたものである。メッシュベルトを構成する金属ワイヤとしては、ステンレス、アルミニウム、鉄、亜鉛などがある。また、合成樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、その他ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリフルオロエチレン系樹脂、アセチルセルロース系樹脂、レーヨン系樹脂などがある。また、動物性繊維としては、絹、羊毛、ヤギ毛、モヘア、カシミヤ、アルパカ、ラクダ、ウサギ、ビーバー、豚毛などがある。また、植物繊維としては、木綿、アマ、タイマ等の靱皮繊維、アサなどの葉脈繊維がある。ガラス繊維としては、いわゆるグラスファイバーであり、溶融ガラスよりつくられる繊維で、短繊維と長繊維がある。本発明では、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、耐久性などの観点から合成樹脂を使用することが好ましく、特にポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。本発明では、これらの素材の1種を単独で使用するほか、2種以上を混合してメッシュベルトを調製してもよい。
【0047】
メッシュベルトのメッシュ間隔は、充分な通液度があることが好ましく、好ましくは5000ml/cm2・min以上、特に好ましくは10000〜60000ml/cm2・minである。5000ml/cm2・minを下回ると通液が不十分となるからである。
【0048】
このメッシュベルトの幅に関しては、多孔質架橋重合体のシート幅と同じ幅以上のものを用いることができる。なお、このようなメッシュベルトは、HIPEの重合が終了した時点で、多孔質架橋重合体上に上置きすることができ、脱水終了後に巻き上げることで回収および再使用することができるが、メッシュベルトは、上下の脱水ロールをそれぞれにエンドレスメッシュベルトとして設置されることがより好ましい。なお、エンドレスメッシュベルトを使用して、脱水する場合を図4を用いて説明する。まず、図4は、図2で示す脱水工程の一部における、メッシュベルトの使用例を示すものである。図4に示すように、多孔質架橋重合体102を吸引機構を有する不織布ロール301で脱水する際に、多孔質架橋重合体102の上下に設けた複数のロール301において、該ロール301と回転ロール211とにエンドレスベルトをかけて脱水する。エンドレスベルトは、すべての吸引機構を有する不織布ロール301に亘り使用する必要はなく、図4のBに示すように、一部の吸引機構を有する不織布ロール301に使用してもよい。
【0049】
(c)二段階脱水
本発明においては、使用する不織布ロールの数には制限はない。この場合、本発明においては脱水処理に使用するニップロールは、全てが吸引機構を有する不織布ロールである必要はない。HIPEを重合して得た多孔質架橋重合体を予め他のニップロールで脱水し、次いで、吸引機構を有する不織布ロールを用いて脱水してもよい。この際、予備絞り後の脱水率としては、初期含水率が1000〜3000(w/w)%の場合には、1000(w/w)%以下に、初期含水率が3000〜7000(w/w)%の場合には500〜2000(w/w)%に、初期含水率が7000〜25000(w/w)%の場合には、1000〜5000(w/w)%の範囲に予備絞りすることが好ましい。
【0050】
即ち、先に図1を用いて説明した通り、ニップロールによって脱水すると、含水率の観点から脱水機構は、永久圧縮ひずみを生ずる第一段階とそれ以降の第二段階とに分けることができる。本発明では、特に第二段階における脱水に極めて優れた効果を生ずるものであるため、第二段階において吸引機構を有する不織布ロールを使用すれば、特に第一段階において他のニップロールを使用してもよい。第二段階のみに使用する場合であっても、最終的な脱水率、即ち到達脱水率に与える影響は極めて少ないからである。この点、予備絞りにおける脱水率を多孔質架橋重合体の初期含水率によって異なる数値として上記範囲に定めは、一般に、上記各初期含水率における脱水率の下限が、上記脱水機構における第一段階の状態に該当するからである。また、多孔質架橋重合体から排出される水には、HIPE調製時の不純物や未反応モノマー、塩類、未架橋重合体などが含まれる。このため、直ちに吸引機構を有する不織布ロールを使用すると、不織布にこれらの不純物が付着し、吸引能力を低下させ、装置の早期停止や定期点検を余儀なくされ、多孔質架橋重合体の生産効率を低下させる原因となる。
【0051】
具体的には、例えば連続的な多孔質架橋重合体シートの製造方法において、二段絞りを行う場合には、図2における脱水不織布ロール301の脱水装置を複数設け、第一の脱水装置303で予備絞りを行い、ついで第二の脱水装置303で吸引機構を有する不織布ロールによる脱水を行うことができる。なお、二段脱水も、このような連続式に限られず、バッチ法で得た多孔質架橋重合体シートをそれぞれ非連続的に予備絞りおよび吸引機構を有する不織布ロールによる脱水を行うことができる。
【0052】
予備絞りに適するニップロールとしては、従来公知のニップロールを広く使用することができる。例えば、ゴムロール、金属ロール、金属ロールにフェルトシートを被覆したニップロール、吸引機構を有する不織布ロールがある。
【0053】
また、予備絞りは本絞りと同様に、シート移送速度0.5〜150m/分で脱水することが好ましい。より好ましくは、シート移送速度2〜100m/分、特に好ましくはシート移送速度5〜75m/分である。この際のロール線圧は、適宜調整されるものであるが、30kg/cm以下であることが好ましい。また、各不織布ロールによる線圧はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。ロール線圧が低すぎると物理的な圧縮による脱水が十分に行われないために好ましくない。その一方、ロール線圧が30kg/cmを超えると、シート移送速度の如何を問わず多孔質架橋重合体を破損する場合があり好ましくない。また、シート移送速度が0.5m/分を下回ると、生産性の低下に直結する。その一方、150m/分を上回ると、脱水効率が低下して脱水装置を長くする必要が生じ好ましくない。
【0054】
なお、予備絞りにおいて複数のニップロールを使用する場合には、ロール線圧はそれぞれ同一でもことなっていてもよい。また、上記したメッシュベルトに関しては、予備絞りの際に使用することも、また使用せずに脱水することもできる。
【0055】
[II]多孔質架橋重合体の調製
次ぎに、本発明で脱水する多孔質架橋重合体について説明する。本発明の脱水の対象となる多孔質架橋重合体は、HIPEを調製した後にこれを重合したものである。以下、多孔質架橋重合体の調整について説明する。
【0056】
(1)HIPEの使用原料
HIPEの使用原料は、少なくとも(a)重合性単量体、(b)架橋性単量体および(c)界面活性剤を油相を構成する必須成分として含有し、(d)水を水相を構成する必須成分として含有するものであればよい。さらに、必要に応じて、(e)重合開始剤、(f)塩類、(g)その他の添加剤を油相および/または水相を構成する任意成分として含有するものであってもよい。
【0057】
(a)重合性単量体
上記重合性単量体としては、分子内に1個の重合性不飽和基を有するものであればよく、分散または油中水滴型高分散相エマルション中で重合可能であって気泡を形成できれば特に制限されるものではない。好ましくは少なくとも一部は(メタ)アクリル酸エステルを含むものであり、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを20質量%以上を含むものであり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを35質量%以上を含むものである。重合性単量体として、(メタ)アクリル酸エステルを含有することにより、柔軟性や強靭性に富む多孔質架橋重合体を得ることができるため望ましい。
【0058】
重合性単量体としては、具体的には、スチレン等のアリレン単量体;スチレン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼンなどのモノアルキレンアリレン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸エステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロメチルスチレン等の塩素含有単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル化合物;その他、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−オクタデシルアクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブテン等が例示できる。これらは、1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
【0059】
上記重合性単量体の使用量は、該重合性単量体と下記架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量に対し、10〜99.9質量%の範囲であることが好ましい。この範囲で、微細な孔径の多孔質架橋重合体が得られるからである。より好ましくは30〜99質量%、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。重合性単量体の使用量が10質量%未満の場合には、得られる多孔質架橋重合体が脆くなったり吸水倍率が不充分となることがある。一方、重合性単量体の使用量が99.9質量%を超える場合には、得られる多孔質架橋重合体の強度、弾性回復力などが不足したり、充分な吸水量および吸水速度を確保できないことがある。
【0060】
(b)架橋性単量体
上記架橋性単量体としては、分子内に少なくとも2個の重合性不飽和基を有するものであればよく、上記重合性単量体と同様に、分散または油中水滴型高分散相エマルション中で重合可能であって気泡を形成できれば特に制限されるものではない。
【0061】
架橋性単量体としては、具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、p−エチル−ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン類、ジビニルフェナンスレン、ジビニルビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルフィド等の芳香族系単量体;ジビニルフラン等の酸素含有単量体;ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の硫黄含有単量体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等の脂肪族単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、並びにヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ソルビトールなどの多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化合物などが例示できる。これらは、1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
【0062】
上記架橋性単量体の使用量は、上記重合性単量体と該架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量に対し、0.1〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜70質量%、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。上記架橋性単量体の使用量が0.1質量%未満では、得られる多孔質架橋重合体の強度、弾性回復力などが不足したり、単位体積当たりまたは単位質量当たりの吸収量が不十分となり、充分な吸水量および吸水速度を確保できないことがある一方、上記架橋性単量体の使用量が90質量%を越えると、多孔質架橋重合体が脆くなったり吸水倍率が不充分となることがある。
【0063】
(c)界面活性剤
上記界面活性剤としては、HIPEを構成する油相中で水相を乳化し得るものであれば特に制限はなく、従来公知のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用することができる。
【0064】
このうち、ノニオン性界面活性剤としては、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド付加物;エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリスチレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ジグリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル; ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等があり、特にHLBが10以下、好ましくは2〜6のものが好ましい。これらのうち2種以上のノニオン性界面活性剤を併用してもよく、併用によりHIPEの安定性が改良される場合がある。
【0065】
カチオン性界面活性剤としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジタウロジメチルアンモニウムメチルサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドがある。カチオン性界面活性剤を用いることにより、得られる多孔質架橋重合体を吸水材等に利用する場合に優れた抗菌性等を付与することもできる。
【0066】
アニオン界面活性剤としては、アニオン部と油溶性部とを有するものが好ましく使用でき、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等の如きアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィン塩等の如きアルキルスルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等の如きアルキルスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアヒエート等の如き脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の如き二重結合を持った反応性アニオン乳化剤等が使用できる。アニオン性界面活性剤にカチオン性界面活性剤を併用してHIPEを調製することができる。
【0067】
なお、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を併用するとHIPEの安定性が改良される場合がある。
【0068】
上記界面活性剤の使用量は、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量部である。界面活性剤の使用量が1質量部未満の場合には、HIPEの高分散性が不安定化することがあったり、界面活性剤本来の作用効果が充分に発現できないことがある。一方、上記界面活性剤の使用量が30質量部を超える場合には、得られる多孔質架橋重合体が脆くなり過ぎることがあり、これを超える添加に見合うさらなる効果が期待できず、不経済である。
【0069】
(d)水
上記水は、水道水、純水、イオン交換水の他、廃水の再利用を図るべく、多孔質架橋重合体を製造して得た廃水をそのまま、または所定の処理を行ったものを使用することができる。
【0070】
上記水の使用量は、連続気泡を有する多孔質架橋重合体の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができる。すなわち、水の使用量は、HIPEの水相/油相(W/O)比を変化させることによって多孔質架橋重合体の空孔比率が決定されることから、用途、目的に合致する空孔比率になるようにW/O比を選択すれば、自ずと決定される。
【0071】
(e)重合開始剤
本発明の目的である非常に短時間でのHIPEの重合を達成するためには、重合開始剤を用いることが好ましい。該重合開始剤としては、逆相乳化重合で使用できるものであればよく、水溶性、油溶性の何れも使用することができる。
【0072】
このうち、水溶性重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム等の過酸化物等が挙げられる。
【0073】
油溶性重合開始剤としては、例えば、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシドなどの過酸化物などが挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。10時間で濃度が半分になるときの温度である10時間半減期温度の異なる2種以上の重合開始剤を併用する事が好ましい。当然のことながら、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とを併用してもよいことはいうまでもない。
【0074】
上記逆相乳化重合で使用できる重合開始剤の使用量は、上記単量体成分および重合開始剤の組み合わせにもよるが、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量100質量部に対し、0.05〜25質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10質量部である。上記重合開始剤の使用量が0.05質量部未満の場合には、未反応の単量体成分が多くなり、従って、得られる多孔質架橋重合体中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、上記重合開始剤の使用量が25質量部を超える場合には、重合の制御が困難となったり、得られる多孔質架橋重合体中の機械的性質が劣化するので好ましくない。
【0075】
さらに、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせてなるレドックス重合開始剤系を使用しても良い。この場合、重合開始剤としては、水溶性、油溶性の何れも使用することができ、水溶性レドックス重合開始剤系と油溶性レドックス重合開始剤系とを併用してもよい。
【0076】
上記還元剤のうち、水溶性還元剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、L−アスコルビン酸、第1鉄塩、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、グルコース、デキストロース、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。また、油溶性還元剤としては、例えば、ジメチルアニリン、オクチル酸スズ、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらレドックス重合開始剤系の還元剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0077】
上記レドックス重合開始剤系の場合の還元剤の含有比率(質量比)は、重合開始剤(酸化剤)/還元剤=1/0.01〜1/10、好ましくは1/0.2〜1/5程度である。
【0078】
なお、上記重合開始剤(レドックス重合開始剤系を含む)は、少なくともHIPEの重合時に存在していればよく、後述するように、▲1▼油相および/または水相中に予め添加してHIPEを成形しても良いほか、▲2▼HIPEを成形させると同時に、または▲3▼成形させた後に、添加しても良い。また、レドックス重合開始剤系の場合には、重合開始剤(酸化剤)と還元剤を別々のタイミングで添加させても良い。
【0079】
(f)塩類
上記塩類としては、HIPEの安定性を改良するために必要であれば使用してもよい。
【0080】
上記塩類としては、具体的には、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などの水溶性塩が挙げられる。これらの塩類は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。これらの塩類は、水相中に添加することが好ましい。なかでも、重合時のHIPEの安定性の観点から多価金属塩が好ましい。
【0081】
この様な塩類の使用量は、水100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。塩類の使用量が20質量部を超える場合には、HIPEから搾り出された廃水中に多量の塩類を含むことになり、廃水を処理するコストがかさみ、これを超える添加に見合うさらなる効果も期待できず不経済である。塩類の使用量が0.1質量部未満の場合には、塩類の添加による作用効果が十分に発現できないおそれがある。
【0082】
(g)その他添加剤
さらに、他の各種添加剤をこれらが有する性能・機能を付加することにより、製造条件や得られるHIPE特性や多孔質架橋重合体の性能の向上につながるものであれば適当に使用しても良く、例えば、pH調整のために、塩基および/または緩衝剤を加えても良い。これらの他の添加剤の使用量については、それぞれの添加の目的に見合うだけの性能・機能、さらには経済性を十分に発揮できる範囲内で添加すればよい。このような添加剤としては、活性炭、無機粉末、有機粉末、金属粉末、消臭剤、抗菌剤、防かび剤、香料、各種高分子などが例示できる。
【0083】
(2)HIPEの調製法
本発明に用いることのできるHIPEの調製法については、特に制限されるものではなく、従来既知のHIPEの調製法を適宜利用することができる。以下にその代表的な調製法につき、具体的に説明する。
【0084】
まず、それぞれ上記に規定する使用量にて、重合性単量体、架橋性単量体および界面活性剤、さらに必要に応じて添加し得る油溶性重合開始剤(油溶性レドックス重合開始剤系を含む)、その他の添加剤からなる油相を構成する成分を所定温度で撹拌し均一の油相を調製する。
【0085】
一方、それぞれ上記に規定する使用量にて、水に、さらに必要に応じて添加し得る水溶性重合開始剤(水溶性レドックス重合開始剤系を含む)、塩類、その他の添加剤からなる水相を構成する成分を加えながら撹拌し、30〜95℃の所定温度に加温して均一の水相を調製する。
【0086】
次に、上記により調製された、単量体成分、界面活性剤などの混合物である油相と、水、水溶性塩などの混合物である水相とを合一し、以下に説明するHIPEの成形温度(乳化温度)にて、効率良く混合撹拌して適度のせん断力をかけ、乳化することによってHIPEを安定に調製することができる。特に、HIPEを安定に調製するための水相と油相の撹拌・混合法としては、油相の撹拌下、油相に水相を数分ないし数十分に亘って連続的に添加する方法が好ましい。また、水相成分の一部と油相成分とを撹拌・混合してヨーグルト状のHIPEを成形し、その後に残りの水相成分を加えながら撹拌・混合して所望のHIPEを製造しても良い。
【0087】
(3)水相/油相(W/O)比
こうして得られるHIPEの水相/油相(W/O)比(質量比)は、連続気泡を有する多孔質架橋重合体の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができるものであり、特に制限されるものではなく、先に規定したとおり3/1以上のものであればよいが、好ましくは10/1〜250/1、特には10/1〜80/1である。
【0088】
(4)HIPEの製造装置
上記HIPEの製造装置としては、特に制限されるものではなく従来公知の製造装置を利用することができる。例えば、水相と油相とを混合撹拌するために使用する撹拌機(乳化器)としては、公知の撹拌機、混練機が使用できる。例えば、プロペラ型、櫂型、タービン型などの羽根の撹拌機、ホモミキサー類、ラインミキサー、ピンミルなどが例示でき、これらの何れでもよい。
【0089】
(5)HIPEの乳化温度
HIPEの乳化温度は、通常20〜110℃の範囲であり、HIPEの安定性の点からは、好ましくは30〜105℃の範囲、より好ましくは40〜100℃の範囲である。HIPEの乳化温度が20℃未満の場合には、重合温度によっては加熱に長持間を有する場合があり、一方、HIPEの乳化温度が100℃を超える場合には、成形したHIPEの安定性に劣る場合がある。なお、油相および/または水相の温度を予め所定の乳化温度に調整しておいて撹拌・混合して乳化し、所望のHIPEを成形することが望ましい。ただし、HIPEの調製では、水相の分量が多いため、少なくとも水相の温度を所定の乳化温度に調整しておくことが好ましいといえる。また、乳化中に重合性単量体や架橋性単量体の重合が開始され、重合体が生成するとHIPEが不安定になることがある。このためHIPE調製時に予め重合開始剤(レドックス重合開始剤系を含む)を含ませる場合は、HIPEの乳化温度は、重合開始剤(酸化剤)が実質的に熱分解を起こし、これによってHIPEの重合が開始されない温度とするのが好ましい。このため、乳化温度は、重合開始剤(酸化剤)の半減期が10時間である温度(10時間半減期温度)よりも低温とすることがより好ましい。
【0090】
(6)HIPEの成形
調製されたHIPEは、HIPE中のモノマーを重合する前に所望の形に成形する。本発明では、成形は、HIPEをバッチ法または連続法で供給して行うことができる。ここに「連続法」とは、得られたHIPEを連続的に成形装置に供給し、次いでこれらを連続的に重合装置で重合する場合をいい、「バッチ法」とは、HIPEの全量を成形しおよび重合することをいう。
【0091】
HIPEを連続的に成形および重合する連続法は生産性が高く、連続的に脱水することができるため、本発明の製造方法を最も有効に利用できるので好ましい方法である。具体的には、シート状の多孔質架橋重合体シートの連続製造方法としては、例えば、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造等の、走行するベルト上にHIPEを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状にHIPEを成形しつつ重合する方法である。該コンベアーのエマルション接触面が平滑であればHIPEを所定厚みでベルト上に供給することで所望の厚みの連続したシート状物を得ることができる。
【0092】
また、三次元立体形状の多孔質架橋ポリマーを製造するには、HIPEを該形状のメス型に注入して重合する方法、即ち注型重合を行うこともできる。なお、注型重合は上記のごとくバッチ法でもよく、型を連続して走行させる連続法でもよい。
【0093】
なお、HIPEは、PETなどのフィルムで密封し、HIPE表面が空気に触れないようにすることが好ましい。空気接触面は多孔が維持できず、得られた多孔質架橋重合体の吸水性が劣る場合があるからである。この密封は、HIPEの重合が終了したのちに開放する。
【0094】
(7)HIPEの重合
(a)重合開始剤の添加の時期
HIPEは、重合開始剤の添加と加熱によって重合を開始する。重合開始剤は、▲1▼HIPEを成形させる前の水相および/または油相に重合開始剤を予め添加、混合するか、▲2▼HIPEを成形させると同時に、または▲3▼HIPEを成形させた後に重合開始剤を添加する。▲2▼による場合にも、上記HIPEの成形法において説明した▲1▼と同様に、レドックス重合開始剤系を用いても良い。
【0095】
この際、重合開始剤または還元剤が油溶性の場合は油相に、水溶性の場合は水相に予め添加しておく方法が簡便である。また、水相に油溶性重合開始剤(酸化剤)または還元剤の乳化物を加える方法なども例示できる。また、重合開始剤は、無希釈、または水や有機溶剤の溶液、あるいは分散体などの形態で使用することができる。HIPEを成形させると同時に、またはHIPEを成形させた後に添加した場合、添加した重合開始剤は、単量体成分の不均一な重合を回避するためにHIPEにすばやく均一に混合することが好ましい。
【0096】
重合開始剤を混合したHIPEは、速やかに重合装置である重合容器あるいは連続重合機に導入する。HIPEを調製する乳化器から重合容器あるいは連続重合機への経路に還元剤または酸化剤その他の重合開始剤の導入経路を設けてHIPEに添加し、ラインミキサーで混合するなどの方法が推奨される。
【0097】
(b)重合温度と重合時間
HIPEの重合温度は、通常、常温〜150℃の範囲である。HIPEの安定性、重合速度の観点から、好ましくは60〜110℃の範囲、より好ましくは80〜110℃、特に好ましくは90〜100℃の範囲である。重合温度が常温未満では、重合に長時間を要し、工業的生産に好ましくない場合がある。他方、重合温度が150℃を越える場合には、得られる多孔質架橋重合体の孔径が不均一となったり、また多孔質架橋重合体の強度が低下するため好ましくない場合がある。また、重合温度は、重合中に2段階、さらには多段階に変更させてもよく、こうした重合の仕方を排除するものではない。
【0098】
HIPEの重合時間は、通常1分〜20時間の範囲である。好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内、特に好ましくは1〜20分の範囲である。重合時間が20時間を超える場合には、生産性に劣り工業的に好ましくない場合がある。なお、1分未満の場合には、多孔質架橋重合体の強度が十分でない場合がある。勿論上記より長い重合時間を採用することを排除するものではない。
【0099】
なお、重合後は、所定の温度まで、冷却ないし徐冷されるが、特に限定されず、重合された多孔質架橋重合体を冷却することなく、後述する脱水やスライス、洗浄、圧縮などの後処理工程に移行してもよい。また、多孔質架橋重合体の脱水およびスライスが可能な程度の機械的強度を保持していれば、HIPE中に含まれる重合性単量体の重合が完了している必要はない。この場合には、脱水処理またはスライス後に多孔質架橋重合体を加熱などすることによって重合を完了させることができる。
【0100】
なお、得られた多孔質架橋重合体を、脱水前に所望の厚さにスライスする場合には、従来公知の多孔質架橋重合体をスライスするための機器をそのまま使用することができる。一般的には、ガイドに挟まれた鋸刃を回転させることによって脱水後の多孔質架橋重合体をスライスするが、鋸刃の運動が回転運動によらず、前後、左右、上下運動によるものであってもよく、ガイドが存在しなくてもよい。
【0101】
(c)重合装置
本発明に用いることのできる重合装置は、特に制限されるものではなく、例えば、温度調整装置を備えたベルトコンベア方式の連続重合機、連続式注型重合機などを使用できる。HIPEの成形の項で記載したように、HIPEを連続的に成形および重合する連続法では、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造等の、走行するベルト上にHIPEを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状にHIPEを形成しつつ重合する装置などがある。もちろん、バッチ式重合槽やバッチ式注型重合機を用いることもできる。
【0102】
バッチ式でHIPEを重合する場合には、例えばHIPEを円柱状の重合容器に投入し、該重合容器を外部から加熱する。但し、シート状の多孔質架橋重合体を得るためには、上記したように該円柱状の多孔質架橋重合体を従来公知のピーリングマシンで所定厚にスライスして、予め長尺のシート状物を得ておく。
【0103】
(d)多孔質架橋重合体
本発明において、脱水する多孔質架橋重合体の厚さは、好ましくは100mm以下であり、より好ましくは0.5〜50mm、特には0.5〜30mmである。上記のごとく、この範囲であれば、シート中央まで均一に、かつ極めて低値にまで到達含水率を下げることができるからである。したがって、バッチ式でHIPEを重合して多孔質架橋重合体を製造した場合にも、ピーリングマシンで厚さ0.5〜100mmにスライスしておく。
【0104】
また、得られた該多孔質架橋重合体は、一般に含水量が300〜2500w/w%である。
【0105】
[III]多孔質架橋重合体シートの他の処理
本発明の多孔質架橋重合体シートは、上記方法によって脱水して得られたシートであるが、必要に応じてその前後で他の処理を行うこともできる。このような処理としては、圧縮処理、洗浄処理、乾燥処理、その他所定の特性を付与させるための含浸処理や細切処理などがある。これらは、目的に応じて多孔質架橋重合体を調製した後のどの段階でも行うことができる。
【0106】
(a)洗浄処理
多孔質架橋重合体シートの表面状態を改良するなどの目的で、多孔質架橋重合体を純水や任意の添加剤を含む水溶液、溶剤で洗浄してもよい。また、洗浄後の多孔質架橋重合体シートを脱水する場合には、上記脱水方法によって脱水することができる。この際の含水率は、目的に応じて任意に好ましい含水率を選択することができる。
【0107】
(b)乾燥処理
本発明で製造した多孔質架橋重合体シートは、必要であれば、熱風、マイクロ波などで加熱乾燥してもよく、また加湿して水分を調整してもよい。
【0108】
(c)含浸加工処理
洗浄剤、芳香剤、消臭剤、抗菌剤などの添加剤を含浸加工して機能性を付与することもできる。
【0109】
(d)圧縮処理
本発明の多孔質架橋重合体シートは、元の厚みの数分の1に圧縮した形態にすることができる。圧縮したシート状などの形態は、元の多孔質架橋重合体に比べて容積が小さく、輸送や貯蔵のコストを低減できる。圧縮形態の多孔質架橋重合体は、多量の水に接すると吸水して元の厚みに戻る性質があり、吸水速度は元の厚みのものより速くなる特徴がある。
【0110】
圧縮形態にするには、均一に多孔質架橋重合体全体に圧力が加わり、一様に圧縮し得るように、多孔質架橋重合体の形態に応じた圧縮手段を用いればよい。特にシート状の多孔質架橋重合体では、スライス後に所定の間隔に調整したロールやベルト間を通せばよい。この圧縮工程で、多孔質架橋重合体を圧縮する時の温度は、多孔質架橋重合体のガラス転移温度より高い温度で行うのが好ましい。当該温度が重合体のガラス転移温度より低いと多孔質構造が破壊されたり、孔径が変化することがある。なお、輸送や在庫スペースの節約、取り扱いやすさの点から、元の厚みの1/2以下に圧縮するのが効果的である。より好ましくは元の厚みの1/4以下に圧縮するのがよい。なお、脱水工程終了後のシート厚みが、所定範囲内にあれば、改めて圧縮工程を設ける必要はない。
【0111】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0112】
(製造例1)
0.1デニールのポリエステル極細繊維200質量部を多次元的に絡合した不織布の空隙部にポリウレタン100質量部を多孔質構造で充填して、吸液力が2.3の繊維質シートを得た。これをディスク状に打ち抜き、吸引機構を有する金属製の軸に多数重畳し、50kg/cm2の圧力を加えてロール末端を固定し、次いでロール表面を研磨して吸引機構を有する不織布ロールを調製した。これを脱水装置に配設した。
【0113】
(製造例2)
1デニールのポリエステル繊維100質量部と5デニールのポリエステル繊維100質量部の混合物を多次元的に絡合した吸液力が5.5の繊維質シートを得た。これをディスク状に打ち抜き、吸引機構を有する金属製の軸に多数重畳し、50kg/cm2の圧力を加えてロール末端を固定し、次いでロール表面を研磨して吸引機構を有する不織布ロールを調製した。これを脱水装置に配設した。
【0114】
(製造例3)
1デニールのポリエチレンテレフタレート繊維100質量部と5デニールのポリエチレンテレフタレート繊維100質量部の混合物を多次元的に絡合した吸液力が6.0の繊維質シートを得た。これを吸引機構を有する金属製の軸表面に巻き付けて吸引機構を有する不織布ロールを調製した。これを脱水装置に配設した。
【0115】
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート5.0質量部、55%ジビニルベンゼン3.0質量部の混合物にジグリセリンモノオレエート0.4質量部を添加し均一に溶解し油相を調整した。一方、塩化カルシウム8.0質量部と過硫酸カリウム0.2質量部を純水369.8質量部に溶解し水相を調整した後65℃に加温した。油相と水相を1/45の比率で動的混合装置内に連続的に供給して混合・乳化し、HIPEを作成した。このHIPEを重合槽に注入した後、重合温度65℃、重合時間16時間で重合して形状形成されて多孔質架橋重合体を得た。この重合体を重合槽から取り出し、厚み5mmにスライスした。これを表1に示す条件で脱水した。結果を表1に示す。
【0116】
なお、表1において、不織布の項における種類は、Aが製造例1で得たもの、Bが製造例2で得たもの、Cが製造例3で得たものである。また、Dは、金属ロールにゴムシートを巻き付けたロールを対設(吸引機構なし)したものであり、Eは対設したステンレスロールの下ロール部にサクションボックスを併設したものである。
【0117】
(実施例2〜4、比較例1〜3)
実施例1で得た多孔質架橋重合体について、表1に示す条件で脱水を行った。結果を表1に示す。
【0118】
この結果、脱水ロールに不織布を用いたものは、いずれも到達含水率が低く良好な結果となった。また、比較例2,3においては、対設したステンレスロールの下ロール部にサクションボックスを併設したロール(E)を用いて、本数を増やし、更に絞り込んだが、到達含水率はほとんど変化しなかった。
【0119】
【表1】
Figure 0004688273
【0120】
(実施例5)
2−エチルヘキシルアクリレート5.0質量部、55%ジビニルベンゼン3.0質量部の混合物にジグリセリンモノオレエート0.4質量部を添加し均一に溶解し油相を調整した。一方、塩化カルシウム8.0質量部と過硫酸カリウム0.2質量部を純水285.8質量部に溶解し水相を調整した後65℃に加温した。油相と水相を1/35の比率で動的混合装置内に連続的に供給して混合・乳化し、HIPEを作成した。
【0121】
このHIPEをエンドレススチールベルトと上下のPETフィルムからなる連続重合装置により重合温度95℃、重合時間10分、重合速度7m/分で、厚み35mmに形状を形成させた後、上下のPETフィルムを巻き取った。表2の条件で脱水した結果を表2に示す。なお、表2におけるロールの種類は、表1と同じである。
【0122】
(実施例6〜8、比較例4、5)
実施例5で得た多孔質架橋重合体について、表2に示す条件で脱水を行った。結果を表2に示す。
【0123】
この結果、不織布ロールを使用した実施例5〜8のものは効率よく脱水できた。これに対し、不織布ロールを使用しない比較例4,5では、必要とするロール数が多く、到達含水率も低かった。
【0124】
【表2】
Figure 0004688273
【0125】
(実施例9、10、比較例6)
2−エチルヘキシルアクリレート5.0質量部、55%ジビニルベンゼン3.0質量部の混合物にジグリセリンモノオレエート0.4質量部を添加し均一に溶解し油相を調整した。一方、塩化カルシウム8.0質量部と過硫酸カリウム0.2質量部を純水453.8質量部に溶解し水相を調整した後65℃に加温した。W/O比を65/1として動的混合装置内に連続的に供給して混合・乳化し、HIPEを作成した。
【0126】
このHIPEをエンドレススチールベルトと上下のPETフィルムからなる連続重合装置により重合温度95℃、重合時間10分、重合速度15m/分で、厚み10mmに形状に形成させた後、上下のPETフィルムを巻き取り、表3に示した各種脱水ロールで徐々に絞り到達含水率を比較した。結果を表3に示す。なお、表3におけるロールの種類は、表1と同じである。
【0127】
W/O比の高い、非常につぶれ易く弱い多孔質架橋重合体を脱水する場合には、多孔質架橋重合体と脱水ロールとの間にメッシュベルトを介さずに絞ると、多孔質架橋重合体の割れ、壊れを防ぐために徐々に絞り込む必要が生じ、必要ロール本数も多くなり、絞りライン速度も速くできなかった。多孔質架橋重合体と脱水ロールの間にメッシュベルトを介したものは、効率よく絞ることができ、割れや壊れを生じることなく、到達脱水率も低く良好な結果となった。
【0128】
【表3】
Figure 0004688273
【0129】
(実施例11〜13、比較例7、8)
2−エチルヘキシルアクリレート5.0質量部、55%ジビニルベンゼン3.0質量部の混合物にジグリセリンモノオレエート0.4質量部を添加し均一に溶解し油相を調整した。一方、塩化カルシウム8.0質量部と過硫酸カリウム0.2質量部を純水369.8質量部に溶解し水相を調整した後65℃に加温した。油相と水相を1/45の比率で動的混合装置内に連続的に供給して混合・乳化し、HIPEを作成した。このHIPEをエンドレススチールベルトと上下のPETフィルムからなる連続重合装置により重合温度95℃、重合時間10分、重合速度10m/分で、厚み10mmに形状を形成させた後、上下のPETフィルムを巻き取り、表4に示した各種脱水ロールで絞った。結果を表4に示す。なお、表4におけるロールの種類は、表1と同じである。また、耐久性評価は、○は、連続運転による脱水能力の低下は認められなかった、△は、連続運転により脱水効率がやや低下し、逆洗浄を必要とした、×は、連続運転により目詰まりを生じた、である。
【0130】
この結果、予備絞りと不織布ロールの組み合わせは、到達含水率も低くなり、不織布ロールの耐久性も優れるものであった。
【0131】
【表4】
Figure 0004688273
【0132】
(実施例14〜16、比較例9)
2−エチルヘキシルアクリレート5.0質量部、55%ジビニルベンゼン3.0質量部の混合物にジグリセリンモノオレエート0.4質量部を添加し均一に溶解し油相を調整した。一方、塩化カルシウム8.0質量部と過硫酸カリウム0.2質量部を純水411.8質量部に溶解し水相を調整した後65℃に加温した。W/O比を55/1として動的混合装置内に連続的に供給して混合・乳化し、HIPEを作成した。このHIPEをエンドレススチールベルトと上下のPETフィルムからなる連続重合装置により重合温度95℃、重合時間10分、重合速度10m/分で、厚み25mmに形状形成させた後、上下のPETフィルムを巻き取り、表5に示した各種脱水ロールで絞った。結果を表5に示す。なお、表5におけるロールの種類は、表1と同じであり、耐久性評価は、表4と同じである。この結果、予備絞りと不織布ロールの組み合わせは、到達含水率も低くなり、不織布ロールの耐久性も優れるものであった。
【0133】
【表5】
Figure 0004688273
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、吸引機構を有する不織布ロールを使用することで、多孔質架橋重合体を、極めて低い含水率にまで脱水することができる。従来の方法でこの含水率を得ようとすれば、ロール線圧を高くする必要があり、多孔質架橋重合体を破損させることが一般的であった。しかしながら、本発明では、特に多孔質架橋重合体の厚さを特定したことで、極めて効率的に、しかも、シートの中央まで十分に脱水することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多孔質架橋重合体を脱水した場合の、含水量と多孔質架橋重合体の体積との関係を示す図である。
【図2】 図1は、本発明の多孔質架橋重合体の製造方法における、好適な連続重合装置の代表的な一実施態様を表す概略側面図である。
【図3】 ディスク状に切断した不織布を用いて吸引機構を有する不織布ロールを製造する概略図である。
【図4】 エンドレスメッシュベルトの使用方法を示す図である。
【符号の説明】
1…ロール本体、2…細孔、3…フランジ、4…ディスク状の不織布、
5…エンドレスメッシュベルト、
101…HIPE、102…多孔質架橋重合体、119…HIPE供給装置部、
201…エンドレスベルト式のコンベア(駆動搬送装置付き)、
203,205…シート材、207,208…巻出ローラー、
209,211…回転ローラー、212,213…巻取ローラー、
215…重合炉、217…加熱昇温手段、219…温水シャワー、
301…吸引機構を有する不織布ロール、302…搬送用コンベア、
303…脱水装置、402…バンドナイフ、401…スライサー、
403、405…搬送用コンベア。

Claims (4)

  1. 油中水型高分散相エマルションを成形および重合して得た多孔質架橋重合体を、吸引機構を有する不織布ロールを用いて脱水するものである、多孔質架橋重合体シートの製造方法。
  2. 該不織布ロールに使用される不織布は、吸液力が1.0以上である、請求項1記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
  3. 該多孔質架橋重合体に予備絞りを行い、その後に吸引機構を有する不織布ロールを用いて脱水するものである、請求項1または2に記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
  4. 請求項1または2記載の脱水の際に、または請求項3記載の予備絞りおよび/またはその後の脱水の際に、該多孔質架橋重合体と脱水ロールとの間にメッシュベルトを介することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質架橋重合体シートの製造方法。
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