JP4749576B2 - 樹脂製フィルム状物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製フィルム状物の製造方法に関し、詳しくは、外観の良好な熱可塑性樹脂製フィルム状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂製フィルムの製造方法としては、広幅のスリットダイ、いわゆるTダイから溶融樹脂を薄膜状に押し出すTダイ成形法や、リングダイ等のダイスリットから樹脂を筒状に押し出し、冷却しながら2枚の板で扁平にしつつ筒状のフィルムを成形するインフレーション成形法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法は、分子量の高い樹脂や溶融粘度の高い樹脂、あるいは、溶融伸びの乏しい樹脂で行うと、孔等の欠陥が生じやすくフィルム外観が悪化し、特に膜厚200μm以下のフィルムでは著しく外観の不良が見られた。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、外観の優れた樹脂製フィルム状物を得ることのできる製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る樹脂製フィルム状物の製造方法は、
少なくとも一対の回転成形工具を用いて熱可塑性樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂材料を圧延成形して樹脂製フィルム状物を製造するに、前記圧延成形を下記の条件1下で行うことを特徴とするものである。
【0006】
(条件1)3×9.8≦P、かつ、
3×9.8×10-6≦P/(R/H2 )≦2×9.8×10-5
ただし、Pは線圧(kN/m)、Rは回転成形工具の周速度(m/sec)、Hは圧延後の樹脂製フィルム状物の厚み(m)である。
【0007】
線圧とは、一対の回転成形工具の間(最も隙間の狭くなっている位置)に作用する押圧力を押圧により得られたフィルム状物の幅で割ったものをいう。本発明の発明者らは鋭意検討した結果、上記のごとく条件を設定することにより、孔や欠陥等の生じにくい樹脂製フィルム状物が得られることを見出したものである。
これにより、外観の優れた樹脂製フィルム状物を得ることができた。
【0008】
本発明の好適な実施形態として、 前記圧延成形に用いる前記回転成形工具の表面温度Tを下記条件を満たすように設定するものがあげられる。
【0009】
(条件)熱可塑性樹脂が結晶性である場合
T>Tm
熱可塑性樹脂が結晶性でない場合
T>Tg
ただし、Tmは熱可塑性樹脂の融点、Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点である。
【0010】
本発明において、「熱可塑性樹脂が結晶性である」とは、X線回折においてその樹脂が明確な結晶性を示すことを意味し、より詳しくは、広角X線回折により求めた樹脂の結晶化度が10%以上であることを意味する。 また、「 熱可塑性樹脂が結晶性でない」 とは、広角X線回折により求めた樹脂の結晶化度が10%未満であることを意味する。 尚、この定義は単一樹脂に対しても、混合樹脂に対しても適用される。
【0011】
この構成によれば、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有した熱可塑性樹脂組成物についても、表面が平滑性に優れて美麗であり、しかも、膜厚精度が高い樹脂製フィルム状物を製造することができる。
【0012】
因みに、回転成形工具の表面温度Tに関する上記条件を満たさないと、成形されたフィルム状物に孔が空いたり、圧延前または圧延中に樹脂が固化してしまい圧延成形によって製膜できない等の問題が生じて好ましくない。
【0013】
熱可塑性樹脂材料としては、単一種の熱可塑性樹脂、二種以上の熱可塑性樹脂からなる組成物、一種以上の熱可塑性樹脂と一種以上の添加剤とからなる組成物などが挙げられ、該熱可塑性樹脂材料に含まれる熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体、および1種類以上のオレフィンとこのオレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体であるポリオレフィン樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらの架橋物などが挙げられる。
【0014】
上記熱可塑性樹脂の内、ポリオレフィン樹脂を用いると、成形されたフィルム状物は、リサイクル性、耐溶剤性に優れ、また、焼却してもダイオキシン等を発生しないため、環境を悪化させることがない等の理由から、ポリオレフィン樹脂は、特に好適に使用できる。
【0015】
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどが挙げられる。ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ(4 −メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0016】
以上の結果、本発明によれば、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有した熱可塑性樹脂組成物のような難成形性樹脂材料からも、膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる方法を提供することができた。
【0017】
尚、本発明においてフィルム状物とは、本来的にフィルムと称されるもののみならず、多少厚手のシート状のものをも含む概念として用い、要は幅、長さなどに対して厚みの薄い形状物の総称である。
【0018】
本発明の別の好適な実施形態として、 前記熱可塑性樹脂が、分子鎖長が2850nm以上の熱可塑性樹脂(本発明において長分子鎖熱可塑性樹脂という。)を10重量%以上含む態様があげられる。
【0019】
分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖熱可塑性樹脂は特に強度に優れるので、熱可塑性樹脂がこのような長分子鎖熱可塑性樹脂を10重量%以上、より好ましくは20重量%以上含有していると、強度が顕著に優れるフィルム状物が得られ、こうして得られるフィルム状物は、多用途に利用できる。前記長分子鎖熱可塑性樹脂を30重量%以上含有していると、より強度の高いフィルム状物が得られる。尚、熱可塑性樹脂の分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、特定分子鎖長範囲または特定分子量範囲の熱可塑性樹脂の含有量(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。
【0020】
本発明の更に別の好適な実施形態として、 前記熱可塑性樹脂材料が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含む態様があげられる。
【0021】
熱可塑性樹脂材料が熱可塑性樹脂100重量部に対して充填剤を10〜300重量部含有していると、従来の加工方法では、メルトフラクチャー、あるいはスダレ状に孔が空く等の問題が発生して、膜厚精度の良いフィルムが得られなかったが、本発明方法によると膜厚精度の良好なフィルム状物が得られるのみならず、得られたフィルム状物の剛性も優れる。充填剤の含有量が10重量部未満では剛性を向上させるのに不十分であり、300重量部を越えて含有しても、含有量の割に剛性の向上効果が低く好ましくない。
【0022】
充填剤としては無機および有機の充填剤が用いられ、例えば、無機充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、ガラス粉、酸化亜鉛などを使用できる。
【0023】
有機充填剤としては、種々の樹脂粒子を使用することができ、好ましくはスチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の重合体、メラミン、尿素などの重縮合樹脂などの粒子が挙げられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
<製造ラインの構成>
図1は、多孔性フィルムを製造するための製造ラインを示す模式図である。本製造ラインは、工程順に混練工程1、圧延工程2、第1のスリット工程3、延伸工程4、第2のスリット工程5の各工程から成っている。
【0025】
混練工程1には、スクリュー混練装置10が使用され、この混練装置は混合樹脂を供給する第1ホッパー11と充填剤を供給する第2ホッパー12とを備えている。スクリュー混練装置10は、二軸のスクリュー13を備えており、各ホッパー11,12から供給される混合樹脂と充填剤とを強混練しつつ前方に押し出す。混練して得られた樹脂組成物は、ペレット化される。
【0026】
圧延工程2には、スクリュー押し出し装置20が用いられる。この装置20には、混練工程1により得られた樹脂組成物のペレットを投入するホッパー21と、スクリュー22とを備えている。この装置20により、 樹脂組成物を前方に押し出し、ダイ23により棒状またはシート状にして排出し、圧延ロール機構24により圧延して圧延フィルムを得る。
【0027】
第1のスリット工程3では、圧延工程2で得られた圧延フィルムを幅方向で2つにカットし、例えば600mm幅のフィルムから300mm幅のフィルムを2丁得る。
【0028】
延伸工程4では、所定の温度条件下で例えば300mm幅のフィルムを幅方向で4〜5倍に延伸する。これにより、サブミクロンオーダーの孔が形成され、多孔性フィルムを得ることができる。
【0029】
第2のスリット工程5では、得られた多孔性フィルムを所望の幅寸法にカットする。
【0030】
<押し出し装置の構成>
次に、圧延工程2に用いられるスクリュー押し出し装置及び圧延ロール機構24の構成を図2により説明する。
【0031】
すなわち、熱可塑性樹脂あるいは、長分子鎖熱可塑性樹脂を含有した熱可塑性樹脂組成物、あるいはこの熱可塑性樹脂組成物と充填剤、場合によっては更に非イオン系界面活性剤などを、目的に応じて予め成分調整し(以下、調整物を単に樹脂組成物ということがある)、これを投入口(ホッパー)21に投入する。これを十分に混練するため、ロール型またはバンバリー型の混練機あるいは押出機などを使用できるが、図2ではスクリュー式の押出装置20を用いた例を示す。この押出装置20により、樹脂組成物を強混練しつつ前方に押し出し、ダイ23により棒状またはシート状にして排出すると共に、一対の圧延ロールR1、R2の間を通過させる。一対の圧延ロールR1、R2の表面温度は、前述の条件を満たす温度Tに設定されており、一対の圧延ロールR1、R2は、図外の制御装置により略等速で回転される。一対の圧延ロールR1、R2をこのように制御することにより、圧延成形されたフィルムの表面を平滑かつ美麗に仕上げることが可能になる。
【0032】
圧延ロールR1、R2の表面温度を樹脂組成物の融点あるいはガラス転移点以上に維持するのであるが、この場合の融点は、DSC(示差走査熱量測定)におけるピーク温度のことであり、複数のピークがある場合は、最も融解熱量ΔH(J /g)が大きいピーク温度を融点とする。また、融点を測定するときの昇温速度は、5℃/分とすることができる。
【0033】
ガラス転移温度Tgは、周波数を110Hzとした粘弾性測定における損失弾性率E”のピーク頂点の温度である。複数のピークがあるときは、高温側のピーク頂点の温度をTgとする。尚、圧延ロールの表面温度を所定温度に設定するには、ロール内部にヒータを装着したり、加熱水あるいは蒸気を送給してもよいし、ロール周辺を外部から加熱してもよく、その方法については、特に限定されない。
【0034】
そして、一対の圧延ロールR1、R2により圧延された樹脂組成物はフィルムFに成形され、次いで圧延ロールR1、R2より幾分高速で回転される第3ロールR3により、フィルムFに生じた微小なしわは展伸され、更に、第4ロールR4、第5ロールR5、第6ロールR6を経て巻取ロール25に巻き取られる。各ロールR4、R5、R6の周速度は、第3ロールR3の周速度と等速若しくは幾分速い速度に制御することが好ましく、後方のロールほど高速度にすると、得られたフィルムFの表面が一層平滑かつ美麗となって都合がよい。
【0035】
ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量はGPCにより測定し、特定分子鎖長範囲または特定分子量範囲のポリオレフィンの含有量(重量%)は、GPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。また、多くの場合には、GPC測定において使用する溶媒はo−ジクロロベンゼンであり、測定温度は140℃である。
【0036】
図2に示す製造装置20を用いた圧延成形法により、難成形樹脂材料を用いた場合にも200μm以下の厚さまで圧延するときでさえも、±2%程度以内といった高い厚み精度でフィルムを得ることができる。もとより、成形し易い樹脂組成物については、極めて容易に精度良く薄膜にすることができる。
【0037】
尚、樹脂組成物を圧延ロール機構24に供給する方法は、特に制限されるものではなく、押出装置20の先端であるダイ23の個所にTダイを取り付け、Tダイ成形法により、厚さ数mm〜数cm程度の予備成形体を形成してこれを供給することもできる。
【0038】
このフィルム状物の製造において、使用する熱可塑性樹脂材料には、本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エステルや安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0039】
<圧延成形条件>
次に圧延ロール機構24により圧延成形する場合の好ましい条件を説明する。図3は、一対の圧延ロールR1,R2を示す拡大図である。圧延ロールR1,R2は押出装置20から樹脂組成物の供給を受け、フィルムFを成形する。圧延ロールR1,R2は図示される矢印方向に回転することにより、樹脂組成物を圧延成形する。
【0040】
圧延ロールR1,R2の回転軸芯同士を結んだ直線に沿って、押圧力が樹脂組成物Pに作用する。この押圧力は、圧延ロール間の最も隙間が狭い位置に、作用するものと仮定し、この押圧力をこの押圧により得られたフィルムの幅寸法で割ったものが線圧Pである。この線圧をP(kN(キロニュートン)/m)とし、圧延後のフィルムFの厚みをH(m)とし、圧延ロールR1,R2の周速度をR(m/sec)とした場合に、下記の条件下で圧延成形を行うことにより外観の良好なフィルムが得られることを本発明の発明者らは見出した。
【0041】
(条件)3×9.8≦P
3×9.8×10-6≦P/(R/H2 )≦2×9.8×10-5
上記関係をグラフで示したものが図4である。
【0042】
図4において縦軸(y軸) はP/9.8を表し、横軸 (x軸) は(R/H2 )/9.8を表す。発明者らは、線圧条件を変更して実験を行った結果、
直線y=3×10-6xよりも下方の領域では、フィルムにクラックが入りスダレ状の模様が表面に表れる外観不良が生じることが分かった。
【0043】
直線y=2×10-5xよりも上方の領域では、フィルムにクラックが入ったり表面に凹凸が形成されるなどの外観不良が生じることが分かった。
また、直線y=3×10-6x、及び、直線y=2×10-5xで挟まれる領域であって、かつ、P≧3である場合には、外観不良が生じないことが判明した。
【0044】
なお、上記条件式の線圧をtonの単位で表すと、
(条件)3×≦P
3×10-6≦P/(R/H2 )≦2×10-5
となる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。まず、用いた測定方法、測定装置などについて説明する。
【0046】
〔溶融張力〕
測定装置として東洋精機製作所製(株)Capirograph 1B PC−9801VMを使用し、径D=2.095mm、長さL=14.75mmのオリフィスを使用する。まず、所定の温度の樹脂を5mm/分の速度で押し出し、引取り速度を変化させて樹脂を引き取り、樹脂が切れたときの引取り速度を最大引取り速度とする。この最大引取り速度での溶融張力をその温度での溶融張力をする。
【0047】
〔伸長度〕
測定装置として東洋精機製作所(株)製Capirograph 1B PC−9801VMを使用し、径D=2.095mm、長さL=14.75mmのオリフィスを使用する。まず、所定の温度で樹脂を5mm/分の速度で押し出し、樹脂の直径D1 (mm)を求める 次いで、引取り速度を変化させて樹脂を引き取り、樹脂が切れたときの樹脂の直径D2 (mm)を求め下記式により伸長度を求める。
【0048】
伸長度(%)=(D1 2 −D2 2 )/D1 2 ×100
〔分子量測定〕
測定装置としてWaters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型を使用した。その他の条件を以下に示す。
【0049】
カラム:東ソー製TSKgel GMHHRH(S)HT30cm×2
GMH6 HTL30cm×2
移動相:o−ジクロロベンゼン
検出器:示差屈折計
カラム温度 :140℃
流速 :1.0mL/分
注入量:500μL
試料30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が0.45μmの焼結フィルターでろ過し、そのろ液を供給液とした。
【0050】
なお、較正曲線は、分子量既知の16種の標準ポリスチレンを用いて作成した。ポリスチレンのQファクターとしては41.3を用いた。
【0051】
〔フィルム厚み測定〕
得られたフィルムの厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚み計(TOF2 Var3.22)を用いて、幅方向、長さ方向にわたり、複数点を測定して求めた。
【0052】
全測定値の平均値を算出し、更に、測定値中の最大値と平均値との差の、平均値に対する割合(正符号)を算出した。更に、測定値中の最小値と平均値との差の、平均値に対する割合(負符号)を算出した。これらの割合で厚み精度を表示する。
【0053】
〔実施例1〕
長分子鎖ポリエチレン粉末70重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末30重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000、融点110℃)を2軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物100重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。この組成物中の樹脂分中の分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は27重量%であった。この樹脂組成物をロール表面温度149℃で等周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約50μmのフィルムを作製した。
【0054】
〔実施例2〕
長分子鎖ポリエチレン粉末60重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末28重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000、 融点110℃)、線状ポリエチレン12重量%(住友化学工業(株)製FS240)を2軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物100重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練した後、ロール表面温度145℃で等周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約50μmのフィルムを作製した。
【0055】
〔実施例3〕
長分子鎖ポリエチレン粉末80重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、 融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末20重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000、 融点110℃)、を2軸混練機にて混練し、230℃で溶融混練した後、ロール表面温度135℃で等周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0056】
〔比較例1〕
実施例1におけると同じ圧延ロールを用いたが、ロール表面温度を175℃の条件で圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0057】
〔比較例2〕
実施例1におけると同じ圧延ロールを用いたが、ロール表面温度を130℃の条件でロール圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0058】
〔比較例3〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、金型表面温度230℃でTダイ成形法により製膜を試みた。しかしながら、得られた成形物にはフラクチャーが多数発生してスダレ状になっており、膜厚を測定することはできなかった。
【0059】
〔比較例4〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、金型表面温度230℃でインフレーション成形法により製膜を試みた。しかしながら、比較例3と同様に、得られた成形物にはフラクチャーが多数発生してスダレ状になっており、膜厚を測定することはできなかった。
【0060】
表1に、上記実施例および比較例についての結果をまとめた。表1から明らかなように、実施例1〜3のものは比較例1〜4のものに比べて、厚み精度に優れるのみならず、外観形状にも優れることがわかる。
【0061】
【表1】
Figure 0004749576
<別実施形態>
圧延ロール機構については本実施形態に示されるものに限定されない。また、条件式については他の圧延ロールについても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔性フィルムの製造工程を示す模式図
【図2】スクリュー押出装置及びロール圧延機構の構成を示す図
【図3】圧延ロールの拡大図
【図4】外観良好なフィルムが得られるパラメータの範囲を示すグラフ
【符号の説明】
20 スクリュー押出装置
24 圧延ロール機構
R1,R2 圧延ロール

Claims (3)

  1. 少なくとも一対の回転成形工具を用いて、分子鎖長が2850nm以上の熱可塑性樹脂を10重量%以上含む熱可塑性樹脂を含有してなる、押出装置から押し出された熱可塑性樹脂材料を圧延成形して樹脂製フィルム状物を製造するにあたり、前記圧延成形を下記の条件1下で行うことを特徴とする樹脂製フィルム状物の製造方法、
    (条件1)3×9.8≦P
    3×9.8×10-6≦P/(R/H2 )≦2×9.8×10-5
    ただし、Pは線圧(kN/m)、Rは回転成形工具の周速度(m/sec)、Hは圧延後の樹脂製フィルム状物の厚み(m)である。
  2. 前記圧延成形に用いる前記回転成形工具の表面温度Tを下記条件2を満たすように設定することを特徴とする請求項1に記載の樹脂製フィルム状物の製造方法、
    (条件2)熱可塑性樹脂が結晶性である場合
    T>Tm
    熱可塑性樹脂が結晶性でない場合
    T>Tg
    ただし、Tmは熱可塑性樹脂の融点、Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点である。
  3. 前記熱可塑性樹脂材料が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製フィルム状物の製造方法。
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