JP4749575B2 - 樹脂製フィルム状物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂製フィルム状物の製造方法に関し、詳しくは、膜厚精度の良好な熱可塑性樹脂製フィルム状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法としては、広幅のスリットダイ、いわゆるTダイから溶融樹脂を薄膜状に押し出すTダイ成形法や、リングダイ等のダイスリットから樹脂を筒状に押し出し、筒状のフィルムを成形するインフレーション成形法や、複数のカレンダーロールを用いて成形するカレンダー成形法(特開平10−296766号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらTダイ成形法やインフレーション成形法は、成形されたフィルムの膜厚精度が十分でなく、特に、溶融粘度が高い樹脂や溶融伸びの低い樹脂組成物のような難成形樹脂でフィルムを製造する場合は著しく膜厚精度が悪くなり、高い膜厚精度が要求されるフィルムあるいはシートの製造方法としては、適切な成形方法とはいえない。又、カレンダー成形法は、溶融した樹脂組成物のバンクを形成しつつ一対のカレンダーロール間を通過させる際に、加熱した両ロールの周速を異ならせて成形するようにしているので、得られたフィルムの表面は必ずしも平滑で美麗なものではなく、表面にザラ付きが生じるのは避け難いため、この意味からも十分に膜厚精度の高いフィルムを製造することはできない。
【0004】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば、長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有した熱可塑性樹脂組成物からでも、膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る樹脂製フィルム状物の製造方法の特徴構成は、少なくとも一対の回転成形工具を用いて熱可塑性樹脂を含んでなる熱可塑性樹脂材料を圧延成形する方法において、前記回転成形工具の表面温度Tを、下記条件を満たすように設定すると共に、前記一対の回転成形工具の周速を略等速にして圧延成形することにある。
熱可塑性樹脂が結晶性である場合
T>Tm
熱可塑性樹脂が結晶性でない場合
T>Tg
ここに、Tmは熱可塑性樹脂の融点、Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点である。
【0006】
本発明において、「熱可塑性樹脂が結晶性である」とは、X線回折においてその樹脂が明確な結晶性を示すことを意味し、より詳しくは、広角X線回折により求めた樹脂の結晶化度が10%以上であることを意味する。又、「熱可塑性樹脂が結晶性でない」とは、広角X線回折により求めた樹脂の結晶化度が10%未満であることを意味する。尚、この定義は単一樹脂に対しても、混合樹脂に対しても適用される。
【0007】
この構成によれば、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば、長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有した熱可塑性樹脂材料からでも、得られたフィルム状物の表面が平滑性に優れて美麗であり、膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる。又、両回転成形工具の周速度は必ずしも厳密に同一周速度である必要はなく、一対の回転工具の周速度は異っていても、それらの差異が±5%以内程度であればよい。
【0008】
因みに、回転成形工具の表面温度Tに関する上記条件を満たさないと、成形されたフィルム状物に孔が空いたり、圧延前または圧延中に樹脂が固化してしまい圧延成形によって製膜できない等の問題が生じる。
【0009】
熱可塑性樹脂材料としては、単一種の熱可塑性樹脂、二種以上の熱可塑性樹脂からなる組成物、一種以上の熱可塑性樹脂と一種以上の添加剤とからなる組成物などが挙げられ、該熱可塑性樹脂材料に含まれる熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体、および1種類以上のオレフィンとこのオレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体であるポリオレフィン樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらの架橋物などが挙げられる。
【0010】
上記熱可塑性樹脂の内、ポリオレフィン樹脂を用いると、成形されたフィルム状物は、リサイクル性、耐溶剤性に優れ、また、焼却してもダイオキシン等を発生しないため、環境を悪化させることがない等の理由から、ポリオレフィン樹脂を特に好適に使用できる。
【0011】
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどが挙げられる。ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ(4 −メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0012】
以上の結果、本発明によれば、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば、長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有した難成形熱可塑性樹脂からも、その膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる方法を提供することができた。
【0013】
尚、本発明においてフィルム状物とは、本来的にフィルムと称されるもののみならず、多少厚手のシート状のものをも含む概念として用い、要は幅、長さなどに対して厚みの薄い形状物を総称するものとする。
【0014】
周速を略等速にした前記回転成形工具により圧延成形された樹脂製フィルム状物を、ついで前記回転成形工具の周速度の1.08倍以上の周速度で回転する回転工具に接触させることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、圧延成形した樹脂フィルム状物の表面にしわ等が入ったとしても、そのしわを引き延ばして表面を平滑かつ美麗に仕上げることができ、高品質なフィルム状物を生産性良く製造できる。回転成形工具の周速度の1.08倍未満の周速度で回転する回転工具に接触させても、表面を平滑かつ美麗にする効果が低い。
【0016】
前記熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上の熱可塑性樹脂(本発明において、長分子鎖熱可塑性樹脂という)を10重量%以上含むことが好ましい。
【0017】
この構成によれば、分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖熱可塑性樹脂は特に強度に優れ、熱可塑性樹脂が、このような長分子鎖熱可塑性樹脂を10重量%以上、より好ましくは20重量%以上含有していると強度が顕著に優れるフィルムを得ることができ、このようにして得られたフィルムは多用途に利用することができる。30重量%以上含有していると、より強度の高いフィルムが得られる。尚、熱可塑性樹脂の分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、成分の含有量(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。
【0018】
前記熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含むことが好ましい。
【0019】
熱可塑性樹脂材料が、充填剤を10〜300重量部含有していると、従来の加工方法では、メルトフラクチャー、あるいはスダレ状に孔が空く等の問題が発生して、膜厚精度の良いフィルムが得られなかったが、本発明方法によると膜厚精度の良好なフィルム状物が得られるのみならず、得られたフィルム状物の剛性も優れる。充填剤の添加量が10重量部未満では剛性を向上させるのに不十分であり、300重量部を越えて添加しても、添加量の割に剛性の向上効果が低い。
【0020】
充填剤としては無機および有機の充填剤が用いられ、例えば、無機充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、ガラス粉、酸化亜鉛などを使用できる。
【0021】
有機充填剤としては、種々の樹脂粒子を使用することができ、好ましくはスチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の重合体、メラミン、尿素などの重縮合樹脂などの粒子が挙げられる。
【0022】
前記熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖ポリオレフィンを10重量%以上含むことが好ましい。
【0023】
上記したように、ポリオレフィンはリサイクル性、耐溶剤性に優れ、また、焼却してもダイオキシン等を発生しないため、環境を悪化させることがないので好ましい。
【0024】
ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量はGPCにより測定し、特定分子鎖長範囲または特定分子量範囲のポリオレフィンの含有量(重量%)は、GPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。又、多くの場合、GPC測定における溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを使用でき、その場合、測定温度は140℃程度が好ましい。
【0025】
ポリオレフィンの分子鎖長は、具体的には以下の手順で求められる。すなわち、GPC測定の移動相としては、測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンのQファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそれに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にある。
分子量=分子鎖長×Qファクター
次に、未知試料のGPC測定を行い、保持時間ー溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の「ポリスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係を用いて、当該未知試料の前記保持時間ー溶出成分量曲線から、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関係)が求められる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。本実施形態に係る樹脂製フィルム状物の製造方法は、例えば、図1に示す製造装置Aを用いることができる。すなわち、熱可塑性樹脂あるいは、長分子鎖ポリオレフィンを含有した熱可塑性樹脂組成物、あるいはこの熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物と充填剤、場合によっては更に非イオン系界面活性剤などを、目的に応じて予め成分調整し(以下、調整物を単に樹脂組成物ということがある)、これを投入口(ホッパー)21に投入する。これを十分に混練するため、ロール型またはバンバリー型の混練機あるいは押出機などを使用できるが、図1ではスクリュー式の押出装置20を用いた例を示す。この押出装置20はスクリュー22により、樹脂組成物を強混練しつつ前方に押し出し、ダイ23により棒状またはシート状にした溶融樹脂を排出すると共に、下流側の成形工具としての圧延ロールを備えた圧延装置24に送給する。
【0027】
この圧延装置24によって、フィルム状物が得られる。すなわち、樹脂材料を一対の圧延ロールR1、R2の間に通過させるのであるが、一対の圧延ロールR1、R2の表面温度は、前述した条件を満たす温度Tに設定されている。そして、一対の圧延ロールR1、R2は、図外の制御装置により略等速で回転制御される。一対の圧延ロールR1、R2をこのように制御することにより、圧延成形されたフィルムの表面を平滑かつ美麗に仕上げることが可能になる。
【0028】
圧延ロールR1、R2の表面温度を、樹脂材料に含有される樹脂の融点あるいはガラス転移点以上に維持する。この場合の融点は、DSC(示差走査熱量測定)におけるピーク温度のことであり、複数のピークがある場合は、最も融解熱量ΔH(J /g)が大きいピーク温度を融点とする。また、融点を測定するときの昇温速度は、5℃/分とする。
【0029】
ガラス転移温度Tgは、周波数を110Hzとした粘弾性測定における損失弾性率E”のピーク頂点の温度である。複数のピークがあるときは、高温側のピーク頂点の温度をTgとする。尚、圧延ロールの表面温度を所定温度に設定するには、ロール内部にヒータを装着したり、加熱水あるいは蒸気を送給してもよいし、ロール周辺を外部から加熱してもよく、その方法については、特に限定されない。
【0030】
そして、一対の圧延ロールR1、R2により圧延された樹脂材料はフィルムFに成形され、次いで圧延ロールR1、R2より幾分高速で回転される第3ロールR3により、フィルムFに生じた微小なしわは展伸され、更に、第4ロールR4、第5ロールR5、第6ロールR6を経て巻取ロール25に巻き取られる。各ロールR4、R5、R6の回転速度は、第3ロールR3の回転速度と等速若しくは幾分速い速度に制御することが好ましく、後方のロールほど速度を速めるようにすると、得られたフィルムFの表面が一層平滑かつ美麗となって都合がよい。
【0031】
ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量はGPCにより測定し、特定分子鎖長範囲または特定分子量範囲のポリオレフィンの含有量(重量%)は、GPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。また、多くの場合、GPC測定において使用する溶媒はo−ジクロロベンゼンであり、測定温度は140℃である。
【0032】
図1に示す押出装置20を用いた圧延成形法により、難成形樹脂材料を用いた場合にも、200μm以下の厚さまで圧延するときでさえも、±2%程度以内という高い厚み精度でフィルムを得ることができる。もとより、成形し易い樹脂材料については、極めて容易に精度良く薄膜にすることができる。
【0033】
尚、樹脂材料を圧延装置に供給する方法は、特に制限されるものではなく、例えば、押出装置2の先端のダイ3から押し出された棒状の溶融樹脂を供給することができる。また、可能であれば、押出装置2の先端であるダイ3の個所にTダイを取り付け、Tダイ成形法により、厚さ数mm〜数cm程度の予備成形体を形成してこれを供給することもできる。また、回転成形工具としては、前記圧延ロールに代えて、カレンダーロールを用いることもできる。
【0034】
このフィルム状物の製造において、使用する熱可塑性樹脂材料には、本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エステルや安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。まず、用いた測定方法、測定装置などについて説明する。
【0036】
〔GPCによる分子鎖長および分子量測定〕
測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフAlliance GPC2000型を使用した。その他の条件を以下に示す。
【0037】
カラム :東ソー社製TSKgel GMHHR−H(S)HT 30cm×2、TSKgel GMH6 −HTL 30cm×2
移動相 :o−ジクロロベンゼン
検出器 :示差屈折計
流 速 :1.0mL/分
カラム温度:140℃
注入量 :500μL
試料30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が0.45μmの焼結フィルターでろ過し、そのろ液を供給液とした。
【0038】
尚、較正曲線は、分子量既知の16種の標準ポリスチレンを用いて作成した。
ポリスチレンのQファクターとして41.3を用いた。
【0039】
〔フィルム厚み測定〕
得られたフィルムの厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚み計(TOF2 Var3.22)を用いて、幅方向、長さ方向にわたり、複数点を測定して求めた。全測定値の平均値を算出し、更に、測定値の中の最大値と平均値との差の、平均値に対する割合(正符号)を算出した。更に、測定値の中の最小値と平均値との差の、平均値に対する割合(負符号)を算出した。これらの割合で厚み精度を表示する。
【0040】
〔実施例1〕
長分子鎖ポリオレフィン粉末70重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万。融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末30重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000。融点110℃)を二軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物100重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。この組成物中の樹脂中の分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は27重量%であった。この樹脂組成物をロール表面温度149℃で等速度で回転する一対のロール(図1に示すR1,R2)で圧延し、膜厚約50μmのフィルムを作製した。
【0041】
この場合、圧延成形は図1に示す圧延ロールR1〜R6を用いたロール圧延機構24により行ったが、このときの各圧延ロールの回転速度はR1=R2=1.30,R3=1.42,R4=1.43,R5=1.45,R6=1.47(m/分)であった。
【0042】
〔実施例2〕
長分子鎖ポリエチレン粉末60重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万。融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末28重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000。融点110℃)、線状ポリエチレン12重量%(住友化学工業(株)製FS240)を二軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物100重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練した後、ロール表面温度145℃で等速度で回転する一対のロールで圧延すると共に、以後の圧延ロール速度を実施例1と同様にして圧延し、膜厚約50μmのフィルムを作製した。
【0043】
〔実施例3〕
長分子鎖ポリエチレン粉末80重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万。融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末20重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000。融点110℃)、を二軸混練機にて混練し、230℃で溶融混練した後、ロール表面温度139℃で等速度で回転する一対のロールで圧延すると共に、以後の圧延ロール速度を実施例1と同様にして圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0044】
〔比較例1〕
実施例1におけると同じ圧延ロールを用いたが、ロール表面温度を175℃の条件で圧延し、その他は実施例1と同様にして膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0045】
〔比較例2〕
実施例1におけると同じ圧延ロールを用いたが、ロール表面温度を130℃の条件でロール圧延し、その他は実施例1と同様にして膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0046】
〔比較例3〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、金型表面温度230℃でTダイ成形法により製膜を試みた。しかしながら、得られた成形物にはフラクチャーが多数発生してスダレ状になっており、膜厚を測定することはできなかった。
【0047】
〔比較例4〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、金型表面温度230℃でインフレーション成形法により製膜を試みた。しかしながら、比較例3と同様に、得られた成形物にはフラクチャーが多数発生してスダレ状になっており、膜厚を測定することはできなかった。
【0048】
〔比較例5〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、同様の押出機により溶融混練した後、一対の圧延ロールの回転速度を、R1=1.00,R2=1.30の非等速で圧延を試みた。
【0049】
しかしながら、得られた成形物の表面には凹凸が多数生じて肌荒れ状態になると共に、孔が多数発生し、膜厚を測定することはできなかった。
【0050】
表1に、上記実施例および比較例についての結果をまとめた。表1から明らかなように、実施例1〜3のものは比較例1〜5のものに比べて、厚み精度に優れるのみならず、外観形状にも優れることがわかる。
【0051】
【表1】
Figure 0004749575

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂製フィルム状物の製造方法に用いる製造装置の一実施形態を示す概略全体構成図
【符号の説明】
R1,R2 圧延ロール

Claims (3)

  1. 少なくとも一対の回転成形工具を用いて、分子鎖長が2850nm以上の熱可塑性樹脂を10重量%以上含む熱可塑性樹脂を含んでなる、押出装置から押し出された溶融熱可塑性樹脂材料を圧延成形する樹脂製フィルム状物の製造方法において、前記回転成形工具の表面温度Tを、下記条件を満たすように設定すると共に、前記一対の回転成形工具の周速の差異を±5%以内にして圧延成形することを特徴とする樹脂製フィルム状物の製造方法、
    熱可塑性樹脂が結晶性である場合
    T>Tm
    熱可塑性樹脂が結晶性でない場合
    T>Tg
    ここに、Tmは熱可塑性樹脂の融点、Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点である。
  2. 周速の差異を±5%以内にした前記回転成形工具により圧延成形された樹脂製フィルム状物を、ついで前記回転成形工具の周速度の1.08倍以上の周速度で回転する回転工具に接触させる請求項1の樹脂製フィルム状物の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含む請求項1又は2の樹脂製フィルム状物の製造方法。
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