JP4749574B2 - 樹脂製フィルム状物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂製フィルム状物の製造方法に関し、詳しくは、膜厚精度の良好な熱可塑性樹脂製フィルム状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法としては、広幅のスリットダイ、いわゆるTダイから溶融樹脂を薄膜状に押し出すTダイ成形法や、リングダイ等のダイスリットから樹脂を筒状に押し出し、筒状のフィルムを成形するインフレーション成形法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらTダイ成形法やインフレーション成形法は、成形されたフィルムの膜厚精度が十分でなく、特に、溶融粘度が高い樹脂や溶融伸びの低い難成形樹脂でフィルムを製造する場合は著しく膜厚精度が悪くなり、高い膜厚精度が要求されるフィルムあるいはシートの製造方法としては、適切な成形方法とはいえない。
【0004】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料である、例えば長分子鎖ポリオレフィンを含有した熱可塑性樹脂材料についても、膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る熱可塑性樹脂製フィルム状物の製造方法の特徴構成は、少なくとも一対の成形工具を用いて熱可塑性樹脂を含んでなる熱可塑性樹脂材料を圧延成形する方法において、前記成形工具の表面温度Tを、下記条件1、2を満たすように設定して圧延成形することにある。
【0006】
(条件1)熱可塑性樹脂材料の溶融張力MT、伸長度Lが以下の範囲となる温度T
MT>10g かつ L>100%
(条件2)熱可塑性樹脂が結晶性である場合
T>Tm
熱可塑性樹脂が結晶性でない場合
T>Tg
ここに、Tmは熱可塑性樹脂の融点、Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点である。
【0007】
本発明において、「熱可塑性樹脂が結晶性である」とは、X線回折においてその樹脂が明確な結晶性を示すことを意味し、より詳しくは、広角X線回折により求めた樹脂の結晶化度が10%以上であることを意味する。又、「熱可塑性樹脂が結晶性でない」とは、広角X線回折により求めた樹脂の結晶化度が10%未満であることを意味する。尚、この定義は単一樹脂に対しても、混合樹脂に対しても適用される。
【0008】
この構成によれば、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有した熱可塑性樹脂材料について、膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる。
【0009】
因みに、条件1を満たさない温度で圧延成形すると、フラクチャーが発生したり、スダレ状に破膜したり、成形工具から剥離できず、さらに連続膜になっても膜厚精度が悪い等の問題が生じて好ましくない。又、条件2を満たさないと、成形されたフィルム状物に孔が空いたり、圧延前または圧延中に樹脂が固化してしまい圧延成形によって製膜できない等の問題が生じて好ましくない。
【0010】
熱可塑性樹脂材料としては、単一種の熱可塑性樹脂、二種以上の熱可塑性樹脂からなる組成物、一種以上の熱可塑性樹脂と一種以上の添加剤とからなる組成物などが挙げられ、該熱可塑性樹脂材料に含まれる熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体、および1種類以上のオレフィンとこのオレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体であるポリオレフィン樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらの架橋物などが挙げられる。
【0011】
上記熱可塑性樹脂の内、ポリオレフィン樹脂を用いると、成形されたフィルム状物は、リサイクル性、耐溶剤性に優れ、また、焼却してもダイオキシン等を発生しないため、環境を悪化させることがない等の理由から、ポリオレフィン樹脂を特に好適に使用できる。
【0012】
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどが挙げられる。ポリオレフィン樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ(4 −メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0013】
以上の結果、本発明によれば、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば、長分子鎖ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物のような難成形熱可塑性樹脂材料についても、膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することができる方法を提供することができた。
【0014】
尚、本発明においてフィルム状物とは、本来的にフィルムと称されるもののみならず、多少厚手のシート状のものをも含む概念として用い、要は幅、長さなどに対して厚みの薄い形状物を総称するものとする。
【0015】
前記熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィン(本発明において、長分子鎖ポリオレフィンという)を10重量%以上含むことが好ましい。
【0016】
熱可塑性樹脂中に、分子鎖長が2850nmの長分子鎖ポリオレフィンを含有するフィルムは特に強度に優れ、このような長分子鎖ポリオレフィンを10重量%以上含有していると強度が顕著に優れるので、多用途に利用でき、20重量%以上含有していることがより好ましく、30重量%以上含有していると、より強度の高いものが得られる。
【0017】
ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、より具体的には以下の手順で求められるパラメータである。
【0018】
すなわち、GPC測定の移動相としては、測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンのQファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそれに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にある。
分子量=分子鎖長×Qファクター
次に、未知試料のGPC測定を行い、保持時間ー溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の「ポリスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係を用いて、当該未知試料の前記保持時間ー溶出成分量曲線から、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関係)が求められる。
【0019】
前記熱可塑性樹脂材料が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含むことが好ましい。
【0020】
前記熱可塑性樹脂材料が充填剤を10〜300重量部含有していると、従来の加工方法では、メルトフラクチャー、あるいはスダレ状に孔が空く等の問題が発生して、膜厚精度の良いフィルムが得られなかったが、本発明方法によると膜厚精度の良好なフィルム状物が得られるのみならず、得られたフィルム状物の剛性も優れる。充填剤の含有量が10重量部未満では剛性を向上させるのに不十分であり、300重量部を越えて含有しても、含有量の割に剛性の向上効果が低く好ましくない。
【0021】
充填剤としては無機および有機の充填剤が用いられ、例えば、無機充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、ガラス粉、酸化亜鉛などを使用できる。
【0022】
有機充填剤としては、種々の樹脂粒子を使用することができ、好ましくはスチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の重合体、メラミン、尿素などの重縮合樹脂などの粒子が挙げられる。
【0023】
前記成形工具が一対の圧延ロールであり、これら両ロールを略同周速度で回転させて圧延成形することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、表面が平滑かつ美麗で、膜厚精度の高いフィルム状物を確実に製造することができて都合がよい。
【0025】
請求項1〜4のいずれか1の製造方法によって得られるフィルム状物は、食品包装用フィルム、各種包装容器など各種包装材料として、更には電気・電子部品材料などの中間製品あるいは最終製品として好適に使用できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係る樹脂製フィルム状物の製造方法の実施の形態を、以下に詳細に説明する。本実施形態では、熱可塑性樹脂中に超高分子量ポリオレフィンを含有したポリオレフィン樹脂組成物、またはこの熱可塑性樹脂組成物中に充填材を含んだ組成物を、形成工具としての圧延ロールを備えた圧延装置を用いて圧延するフィルム製造方法を例に挙げて説明する。
【0027】
圧延に使用するロールの表面温度を、前述した条件1、2を満たす温度Tに設定する。この場合、熱可塑性樹脂の融点は、DSC(示差走査熱量測定)におけるピーク温度のことであり、複数のピークがある場合は、最も融解熱量ΔH(J /g)が大きいピーク温度を融点とする。また、融点を測定するときの昇温速度は、5℃/分とする。尚、圧延ロールの表面温度を所定温度に設定するには、ロール内部にヒータを装着したり、加熱水あるいは蒸気を送してもよいし、ロール周辺を外部から加熱してもよく、その方法については、特に限定されない。
【0028】
熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgは、周波数を110Hzとした粘弾性測定における損失弾性率E”のピーク頂点の温度である。複数のピークがあるときは、高温側のピーク頂点の温度をTgとする。
【0029】
ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量、および重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、各成分の含有量(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。多くの場合、GPC測定において使用する溶媒はo−ジクロロベンゼンであり、測定温度は140℃である。
【0030】
本実施形態の熱可塑性樹脂フィルムを製造する方法は次の通りである。まず熱可塑性樹脂あるいは、長分子鎖ポリオレフィンを含有した熱可塑性樹脂組成物、あるいはこの熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物と充填剤、場合によっては更に非イオン系界面活性剤とを、ロール型またはバンバリー型の混練機あるいは押出機などを用いて強混練して樹脂組成物を得、次いで前述した(条件1)、(条件2)を満たす温度に表面温度が調節された成形工具としての圧延ロールを備えた圧延装置を用い、前記樹脂組成物を圧延してフィルム化する。この圧延成形法によって、難成形樹脂材料を用いた場合にも200μm以下の厚さまで圧延するときでさえも、±2%程度という高い厚み精度でフィルムを得ることができる。もとより、成形し易い樹脂材料については、極めて容易に精度良く薄膜にすることができる。
【0031】
尚、樹脂材料を圧延装置に供給する方法は、特に制限されるものではなく、例えば、押出機から押し出された棒状の溶融樹脂材料を供給することができる。また、可能であれば予めTダイ成形法などにより、厚さ数mm〜数cm程度の予備成形体を形成して、これを供給してもよい。
【0032】
本発明の実施において、成形工具としては、例えば圧延ロール、連続プレス、あるいはカレンダーロール等の装置を用いることができ、好ましくは略同周速度で回転する一対のロールで圧延することのできる圧延ロール装置を用いることが好ましい。成形されたフィルム状物の表面が平滑かつ美麗で、膜厚精度の高いフィルム状物を確実に製造することができるからである。この場合、両ロールの周速度は必ずしも厳密に同一周速度である必要はなく、両ロールの周速度は異なっていてもそれらの差異が±5%以内程度であればよい。又、圧延装置の圧延部位は複数個あってもよい。
【0033】
このフィルム状物の製造において、使用する熱可塑性樹脂材料には、本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エステルや安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。まず、用いた測定方法、測定装置などについて説明する。
【0035】
〔溶融張力〕
測定装置として東洋精機製作所製(株)Capirograph 1B PC−9801VMを使用し、径D=2.095mm、長さL=14.75mmのオリフィスを使用する。まず、所定の温度で樹脂を5mm/分の速度で押出し、引取り速度を変化させて樹脂を引き取り、樹脂が切れたときの引取り速度を「最大引取り速度」する。この最大引取り速度での溶融張力をその温度での溶融張力とする。
【0036】
〔伸長度〕
測定装置として東洋精機製作所(株)製Capirograph 1B PC−9801VMを使用し、径D=2.095mm、長さL=14.75mmのオリフィスを使用する。まず、樹脂を5mm/分の速度で押出し、樹脂の直径D1 (mm)を求める。次いで、引取り速度を変化させて樹脂を引き取り、樹脂が切れたときの樹脂の直径D2 (mm)を求め、下記式により伸長度を求める。
【0037】
伸長度(%)=[(D1 2 −D2 2)/ 2 ]×100
〔GPCによる分子鎖長および分子量の測定〕測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフAlliance GPC2000型を使用した。その他の条件を以下に示す。
【0038】
カラム :東ソー社製TSKgel GMHHR−H(S)HT 30cm×2、TSKgel GMH6 −HTL 30cm×2
移動相 :o−ジクロロベンゼン
検出器 :示差屈折計
流 速 :1.0mL/分
カラム温度:140℃
注入量 :500μL
試料30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が0.45μmの焼結フィルターでろ過し、そのろ液を供給液とした。
【0039】
尚、較正曲線は、分子量既知の16種の標準ポリスチレンを用いて作成した。ポリスチレンのQファクターとして41.3を用いた。
【0040】
〔フィルム厚み測定〕
得られたフィルムの厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚み計(TOF2 Var3.22)を用いて、幅方向、長さ方向にわたり、複数点を測定して求めた。全測定値の平均値を算出し、更に、測定値の中の最大値と平均値との差の、平均値に対する割合(正符号)を算出した。更に、測定値の中の最小値と平均値との差の、平均値に対する割合(負符号)を算出した。これらの割合で厚み精度を表示する。
【0041】
〔実施例1〕
長分子鎖ポリエチレン粉末70重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万。融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末30重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000。融点110℃)を2軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物100重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。この組成物中の樹脂中の分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は27重量%であった。この樹脂組成物をロール表面温度149℃で同周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約50μmのフィルムを作製した。尚、溶融張力は正確な値を測定することこそできなかったが、140g以上あり、又、伸張度は約300%であった。
【0042】
〔実施例2〕
長分子鎖ポリエチレン粉末60重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万。融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末28重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000。融点110℃)、線状ポリエチレン12重量%(住友化学工業(株)製FS240)を2軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物100重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練した後、ロール表面温度145℃で同周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約50μmのフィルムを作製した。尚、実施例1の場合同様、溶融張力は正確な値を測定することこそできなかったが、140g以上あり、又、伸張度は約300%であった。
【0043】
〔実施例3〕
長分子鎖ポリエチレン粉末80重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万。融点136℃)、低分子量ポリエチレン粉末20重量%(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000。融点110℃)、を2軸混練機にて混練し、230℃で溶融混練した後、ロール表面温度139℃で同周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。尚、実施例1、2と同様に、溶融張力は正確な値を測定することこそできなかったが、140g以上あり、又、伸張度は約300%であった。
【0044】
〔比較例1〕
実施例1におけると同じ圧延ロールを用いたが、ロール表面温度を175℃の条件で圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0045】
〔比較例2〕
実施例1におけると同じ圧延ロールを用いたが、ロール表面温度を130℃の条件でロール圧延し、膜厚約300μmのフィルムを作製した。
【0046】
〔比較例3〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、金型表面温度230℃でTダイ成形法により製膜を試みた。しかしながら、得られた成形物にはフラクチャーが多数発生してスダレ状になっており、膜厚を測定することはできなかった。
【0047】
〔比較例4〕
実施例1と同様の樹脂組成物(充填剤も含む)を、金型表面温度230℃でインフレーション成形法により製膜を試みた。しかしながら、比較例3と同様に、得られた成形物にはフラクチャーが多数発生してスダレ状になっており、膜厚を測定することはできなかった。
【0048】
表1に、上記実施例および比較例についての結果をまとめた。表1から明らかなように、実施例1〜3のものは比較例1〜4のものに比べて、厚み精度に優れるのみならず、外観形状にも優れることがわかる。
【0049】
【表1】
Figure 0004749574

Claims (2)

  1. 少なくとも一対の成形工具を用いて、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含む熱可塑性樹脂を含んでなる、押出機から押し出された溶融熱可塑性樹脂材料を圧延成形する樹脂製フィルム状物の製造方法において、前記成形工具の表面温度Tを、下記条件1、2を満たすように設定して圧延成形することを特徴とする樹脂製フィルム状物の製造方法、
    (条件1)熱可塑性樹脂材料の溶融張力MT、伸長度Lが以下の範囲となる温度T
    MT>10g かつ L>100%
    (条件2)熱可塑性樹脂が結晶性である場合
    T>Tm
    熱可塑性樹脂が結晶性でない場合
    T>Tg
    ここに、Tmは熱可塑性樹脂の融点、Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点である。
  2. 前記熱可塑性樹脂材料が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含む請求項1の樹脂製フィルム状物の製造方法。
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