JP4744721B2 - ウィンドウレギュレータ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワーウィンドウ等を開閉するのに好適なウィンドウレギュレータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、自動車のパワーウィンドウを昇降させるウィンドウレギュレータには、ワイヤ式のものと、Xアーム式のものとがあり、そのウィンドウレギュレータ用駆動装置は、ウィンドウガラスに連結されたワイヤを巻き取るドラムや、Xアームに取り付けられたセクタギヤを回転させるピニオンより成るウィンドウガラス駆動用の回転体と、この回転体を駆動する駆動モータと、駆動モータの出力軸に取り付けられ、その回転をウォームホイール等の単数又は複数のギヤを介して回転体に伝達するウォームとを備える。
【0003】
ところで、駆動モータが作動すると、ウォームホイールと噛み合うウォームには、軸方向に移動させようとするスラスト荷重が加わる。
従来、このスラスト荷重に対応するには、駆動モータの両端部に、ラジアル荷重と共にスラスト荷重を受ける軸受を装着していた。
ところが、駆動モータの出力軸の前後部でスラスト荷重を受けると、ウォームと共に駆動モータまでもが軸方向に移動することになるので、スラスト荷重によるがたつきが大きくなるばかりか、荷重受け面に加わる摺動抵抗の経時変化が多くなる。
また、駆動モータそのものに、スラスト荷重に対応するための構造を設けなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、モータの出力軸にスラスト荷重が加わるのを防ぐことができるウィンドウレギュレータ駆動装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のウィンドウレギュレータ駆動装置は、ウィンドウガラス昇降駆動用の回転体と、該回転体を回転させる駆動モータと、該駆動モータの出力軸に取り付けられ、その回転を単数又は複数のギヤを介して回転体に伝達するウォームとを備え、前記駆動モータの前面にブラケットを介してギヤケースが取り付けられると共に、該ギヤケース内に前記ウォーム及びギヤが収納され、前記ウォームの軸方向両側に作用して、該ウォームに加わる軸力を受ける軸受け部材をそれぞれ設置し、前記駆動モータ側の軸受け部材は、後面が開口した円筒キャップ状をなして、前記ブラケットと一体に形成され、該駆動モータ側の軸受け部材に前記駆動モータの前面に突出された出力軸支持部を嵌合してある。
ウォームに加わるスラスト荷重を軸受け部材で受けて、駆動モータの出力軸に伝達されるのを防ぎ、駆動モータに影響を及ぼすことがない。
また、モータ側の軸受け部材を別部材として形成する必要がなくなる。
【0006】
軸受け部材とウォームの両端面との間に、それぞれ推力受部材を介在しても良い。
この構成は、推力受部材の厚みを変えることにより、スラスト荷重によるウォームのがたつき量を調整可能とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、ワイヤ式のウィンドウレギュレータ駆動装置である実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、ウィンドウレギュレータ駆動装置1は、ウィンドウガラスに連結されたワイヤを巻取・巻戻するドラム2より成るウィンドウガラス昇降駆動用の回転体と、ドラム2を回転させる駆動モータ3と、駆動モータ3の出力軸4に取り付けられ、その回転をウォームホイール5及び出力ギヤ6を介してドラム2に伝達するウォーム7と、ウォーム7の軸方向両側に作用して、ウォーム7に加わるスラスト荷重を受ける第1及び第2の軸受け部材8,9とを設置する。
【0008】
図1に示すように、駆動モータ3の出力軸4の外周には、駆動モータ3の回転速度及び回転方向を制御するための磁石15が装着されている。
駆動モータ3の前方(出力軸4の延出側)には、ブラケット10を介してギヤケース11が取り付けられる。図1乃至図3に示すように、ギヤケース11は、ウォーム収納室12と、その側方に形成されたウォームホイール収納室13と、ウォーム収納室12の前方に形成された出力ギヤ収納室14とを有し、ウォーム収納室12の内部に出力軸4及びウォーム6が、ウォームホイール収納室13の内部にウォームホイール5が、出力ギヤ収納室14の内部に出力ギヤ6がそれぞれ収納されている。
【0009】
また、ウォーム7はウォームホイール5の上半部に噛み合い、ウォームホイール5の下半部は出力ギヤ6に噛み合っている。
さらに、出力ギヤ6の上面には、ドラム2が回転軸を一致させて連動するよう重合されている。
駆動モータ3が作動してその出力軸4が回動すると、出力軸4に取り付けられたウォーム6が回転し、さらに、ウォーム6と噛み合うウォームホイール5が回転して、ウォームホイール5と噛み合う出力ギヤ6が回転する。
この結果、出力ギヤ6と連動するドラム2も回転し、ドラム2に巻き付けられたワイヤが巻き取られたり、巻き戻されて、ウィンドウガラスが昇降するようになっている。
【0010】
図1に示すように、第1の軸受け部材8は金属を素材として円筒状に形成され、ウォーム収納室12の前端部内面に嵌合固定され、その中心部に出力軸4の先端部が回動自在に挿入されている。
また、第1の軸受け部材8のスラスト受け面とウォーム7のドラム2寄り端面との間には、摺動抵抗を軽減するために、合成樹脂等を素材とする第1のワッシャ16が介在されている。
【0011】
第2の軸受け部材9は、駆動モータ3の前面中央に突出された出力軸支持部18に嵌合するよう、後面が開口した略円筒キャップ状をなし、ブラケット10の中央部に一体に形成されている。そして、第2の軸受け部材9の中心に、駆動モータ3の出力軸4が回動自在に挿通されている。
また、第2の軸受け部材9のスラスト受け面とウォーム7の駆動モータ3寄り端面との間には、摺動抵抗を軽減するために、合成樹脂等を素材とする第2のワッシャ17より成る推力受部材が介在されている。
従って、ウォーム7に加わるスラスト荷重は、第1の軸受け部材8及び第2の軸受け部材9で受けることになり、駆動モータ3の出力軸4に伝達されることはない。
なお、推力受部材としては、ワッシャの外に摩擦またはころがり推力軸受が用いられる。
【0012】
なお、上記第1の実施形態は、ワイヤ式のウィンドウレギュレータ駆動装置について説明したが、Xアーム式のウィンドウレギュレータ駆動装置とすることもできる。この場合、ウィンドウガラス昇降駆動用の回転体はXアームに設けられたセクタギヤと噛み合うピニオンとなる。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、ウォームに加わるスラスト荷重を軸受け部材で受けて、駆動モータの出力軸に伝達されるのを防ぎ、駆動モータに影響を及ぼすことがないので、駆動モータ自体がスラスト荷重によってがたつく心配がなく、このため、がたつき量を小さく抑えることができ、しかも、スラスト荷重受け面における摺動抵抗の経時変化を少なく設定できる。
駆動モータの出力軸にスラスト荷重に対応するための装置を設ける必要がなく、どのようなタイプの駆動モータにも応用可能である。
モータ側の軸受け部材を別途形成して取付ける必要がないため、構造が簡単でコストを低く抑えられる。
請求項2に係る発明によれば、ワッシャの厚みを変えることによって、スラスト荷重によるウォームのがたつき量を簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示すウィンドウレギュレータ駆動装置の要部平断面図
【図2】 同上の一部破断平面図
【図3】 同上の一部破断側面図
【符号の説明】
1 ウィンドウレギュレータ駆動装置
2 ドラム(回転体)
3 駆動モータ
4 出力軸
5 ウォームホイール
6 出力軸
7 ウォーム
8 第1の軸受け部材
9 第2の軸受け部材
10 ブラケット
11 ギヤケース
12 ウォーム収納室
13 ウォームホイール収納室
14 出力ギヤ収納室
15 磁石
16 第1のワッシャ
17 第2のワッシャ
18 出力軸支持部
Claims (2)
- ウィンドウガラス昇降駆動用の回転体と、該回転体を回転させる駆動モータと、該駆動モータの出力軸に取り付けられ、その回転を単数又は複数のギヤを介して前記回転体に伝達するウォームとを備えたウィンドウレギュレータ駆動装置において、前記駆動モータの前面にブラケットを介してギヤケースが取り付けられると共に、該ギヤケース内に前記ウォーム及びギヤが収納され、前記ウォームの軸方向両側に作用して、該ウォームに加わる軸力を受ける軸受け部材をそれぞれ設置し、前記駆動モータ側の軸受け部材は、後面が開口した円筒キャップ状をなして、前記ブラケットと一体に形成され、該駆動モータ側の軸受け部材に前記駆動モータの前面に突出された出力軸支持部を嵌合したことを特徴とするウィンドウレギュレータ駆動装置。
- 前記軸受け部材と前記ウォームの両端面との間に、それぞれ推力受部材を介在した請求項1に記載のウィンドウレギュレータ駆動装置。
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