JPH11196552A - 小型モータ - Google Patents

小型モータ

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Publication number
JPH11196552A
JPH11196552A JP36120397A JP36120397A JPH11196552A JP H11196552 A JPH11196552 A JP H11196552A JP 36120397 A JP36120397 A JP 36120397A JP 36120397 A JP36120397 A JP 36120397A JP H11196552 A JPH11196552 A JP H11196552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
pipe member
small motor
wheel gear
side coupling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36120397A
Other languages
English (en)
Inventor
Youichi Ikeishi
石 陽 一 池
Hiroshi Uchino
野 広 志 内
Emi Suzui
井 絵 美 鈴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Denki Kogyo KK
Original Assignee
Jidosha Denki Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jidosha Denki Kogyo KK filed Critical Jidosha Denki Kogyo KK
Priority to JP36120397A priority Critical patent/JPH11196552A/ja
Publication of JPH11196552A publication Critical patent/JPH11196552A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウインドガラスやサンルーフリッドなどの負
荷が停止して出力軸が回転を拘束された際にホイールギ
ヤがウオームにクリープしないようにすることにより、
ホイールギヤが変形したり、破損したりすることのない
信頼性のある小型モータを提供する。 【解決手段】 ケース2、3に回転可能に支持され、ア
ーマチュアコア23、コンミュテータ24、アーマチュ
アコイル25が取付けられたパイプ部材20と、パイプ
部材20の内側に配置されて回転方向に弾性的に捩じれ
可能な第1のシャフト21と、第1、第2の軸受11、
12によって回転可能に支持されて第1のシャフト21
に結合され、ホイールギヤ15に噛み合うウオーム22
dが形成された第2のシャフトを備えている小型モータ
1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウインドガラス
やサンルーフリッドを駆動するのに利用される小型モー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】ウインドガラスやサンルーフリッドを駆
動する小型モータとしては、通電されると回転するアー
マチュアの軸状のアーマチュアシャフトにウオームが一
体的に形成されており、このウオームにホイールギヤが
噛合っているものが知られている。ホイールギヤには、
ダンパ材としてゴム製の弾性部材が収められており、こ
の弾性部材に出力軸が結合され、出力軸がウインドガラ
スやサンルーフリッドに連結されている。通電されるこ
とによってアーマチュアが回転すると、ウオームを介し
てホイールギヤが回転し、ホイールギヤの回転力が弾性
部材を介して出力軸に伝達され、出力軸が回転してウイ
ンドガラスやサンルーフリッドが開く側または閉る側に
移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の小型
モータにおいては、ウインドガラスやサンルーフリッド
がストローク端に到達した際に、ウインドガラスやサン
ルーフリッドがストローク端において車体側に押付けら
れることによって締め切られてから、アーマチュアに対
する通電がカットされる。それ故、ウインドガラスやサ
ンルーフリッドの移動を阻止されることによって出力軸
の回転が拘束されてからも、アーマチュアが回転を続け
る。そして、ホイールギヤに収められた弾性部材が弾性
変形した状態で、通電がカットされてアーマチュアが回
転を停止するようになっている。そのため、ウインドガ
ラスやサンルーフリッドを全閉位置や全開位置まで移動
して停止している際に、弾性変形した弾性部材より与え
られる復元力がホイールギヤに加えられたままになり、
それにより、ウオームに対してクリープ荷重がかかった
ままとなって、いわゆる食らい付きの状態となる。特
に、ウオームが形成されたアーマチュアシャフトが金属
製であって、ホイールギヤが樹脂製の場合に、ホイール
ギヤが変形や破損(歯欠け)する可能性があるという問
題点があり、この問題点を解決することが課題になって
いた。
【0004】
【発明の目的】この発明に係わる小型モータは、ウイン
ドガラスやサンルーフリッドなどの負荷が停止して出力
軸が回転を拘束された際に弾性部材より与えられた弾性
復元力によってホイールギヤがウオームにクリープした
ままにならないようにすることにより、ホイールギヤが
変形したり、破損したりすることがなく、信頼性のある
小型モータを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
わる小型モータでは、ケースと、円筒形に形成され、ケ
ースに回転可能に支持されたパイプ部材と、パイプ部材
上に固定されたアーマチュアコアと、パイプ部材上に固
定されたコンミュテータと、アーマチュアコアに巻回さ
れているとともに、コンミュテータに電気的に接続され
たアーマチュアコイルと、コンミュテータに電気的に接
続可能にしてコンミュテータの外側に配置されたブラシ
と、アーマチュアコアの外側に配置されて、ケースの内
側に取付けられたマグネットと、パイプ部材の内側に配
置されていて、一端側がパイプ部材の一端部に結合さ
れ、他端側がパイプ部材の他端部に非接触で配置され、
回転方向に弾性的に捩じれ可能な第1のシャフトと、ウ
オームが形成され、第1のシャフトの回転方向に結合さ
れ、且つ、軸方向に第1のシャフトに対して移動可能に
配置された第2のシャフトと、第2のシャフトの端部に
それぞれ配置された第1、第2のスラスト受部材と、第
2のシャフトの軸方向に対して回動可能に配置され、第
2のシャフトを回転可能に支持する第1、第2の軸受
と、第2のシャフトのウオームに噛合されたホイールギ
ヤと、ホイールギヤに収容された弾性部材と、弾性部材
に結合されるとともに負荷に結合される出力軸を備えて
いる構成としたことを特徴としている。
【0007】この発明の請求項2に係わる小型モータで
は、第2のシャフトには、ウオームが形成された第2の
シャフト本体の端部に、第2のシャフト本体よりも外径
が小さい第1、第2の小径軸部がそれぞれ形成されてお
り、第1の小径軸部に、ケース側に支持された第1のス
ラスト受部材を介して第1の軸受が挿通されているとと
もに、第2の小径軸部に、ケース側に支持された第2の
スラスト受部材を介して第2の軸受が挿通されている構
成としたことを特徴としている。
【0008】この発明の請求項3に係わる小型モータで
は、第1のシャフトの他端部および第2のシャフトの第
1のシャフト側には、第1のシャフトの回転力を第2の
シャフトに伝達可能にして、且つ、第2のシャフトのス
ラスト方向の移動力を第1のシャフトに対して遮断可能
な動力伝達部が形成されている構成としたことを特徴と
している。
【0009】この発明の請求項4に係わる小型モータで
は、動力伝達部には、第1のシャフトの他端部に多角形
状に形成された第2のシャフト側結合部と、第2のシャ
フトの第1のシャフト側に配置され、第1のシャフトを
軸方向に移動可能にして第2のシャフト側結合部に係合
可能な多角形の孔状に形成された第1のシャフト側結合
部とが備えられている構成としたことを特徴としてい
る。
【0010】この発明の請求項5に係わる小型モータで
は、第1のシャフトには、一端部と他端部とのあいだ
に、回転方向に弾性的に捩じれ可能な弾性変形部が形成
されている構成としたことを特徴としている。
【0011】この発明の請求項6に係わる小型モータで
は、弾性変形部がねじりコイルばねにより成形されたば
ね部になっている構成としたことを特徴としている。
【0012】
【発明の作用】この発明の請求項1に係わる小型モータ
において、負荷がストローク端まで移動して出力軸が回
転を拘束されてから、ブラシに対する通電がカットされ
るまでの間に、パイプ部材は、与えられた回転力により
第1のシャフトに回転力を与えるため、第1のシャフト
および第2のシャフトが回動して、ホイールギヤが回動
し、弾性部材が弾性変形する。弾性部材が弾性変形し終
わると、第2のシャフトが回動しなくなり、第2のシャ
フトに対して第1のシャフトが弾性的に捩じれ、第1の
シャフトに弾性反発力が蓄積される。その後に、パイプ
部材に回転力が与えられなくなると、弾性部材より与え
られた弾性復元力によってホイールギヤに逆方向の回転
力が与えられ、同時に、捩じられることによって弾性反
発力が蓄積されていた第1のシャフトより第2のシャフ
トに逆方向の回転力が与えられる。このとき、ホイール
ギヤから第2のシャフトに曲げ応力が与えられても、第
1、第2の軸受が第2のシャフトの軸方向に対して回動
することによって、第2のシャフトに与えられた応力を
緩和する一方、ホイールギヤから与えられた逆方向の回
転力によってスラスト荷重を受けた第2のシャフトがス
ラスト方向に配置された第1、第2のスラスト受部材に
当接する。そして、この第2のシャフトに対して第1の
シャフトが軸方向に移動可能にされているから、第2の
シャフトに与えられたスラスト荷重が第1のシャフトに
直接及ばない。それ故、一旦弾性変形した弾性部材が復
元する際に発生するトルクと、第1のシャフトの復元力
によって逆方向に回転する第2のシャフトのトルクとが
合わされてホイールギヤが速やかに戻され、第2のシャ
フトにかけられたスラスト荷重が第1のシャフトに加え
られることがない。
【0013】この発明の請求項2に係わる小型モータに
おいて、第2のシャフトは、第1の小径軸部に第1のス
ラスト受部材が挿通されて第1の軸受により回転可能に
支持され、第2の軸部に第2のスラスト受部材が挿通さ
れて第2の軸受により回転可能に支持されている。それ
故、請求項1の作用に加え、第2のシャフトは、第2の
シャフト本体の両端で第1のシャフトと独立して2点で
支持されているから、回転振れが起きにくい。
【0014】この発明の請求項3に係わる小型モータに
おいて、ホイールギヤから与えられた回転力によってス
ラスト荷重を受けた第2のシャフトが回転する際、動力
伝達部によって、第2のシャフトのスラスト方向の移動
力が第1のシャフトに対して遮断される。それ故、請求
項1または2の作用に加え、第2のシャフトに生じたス
ラスト荷重によって、第1のシャフトに対する曲げ応力
が与えられることがない。
【0015】この発明の請求項4に係わる小型モータに
おいて、第1のシャフトの第2のシャフト側結合部が多
角形状に形成され、第2のシャフトの第2のシャフト側
結合部が多角形の孔状に形成されている。それ故、請求
項3の作用に加え、動力伝達部は、第1のシャフトに単
純な形状で形成されるとともに第2のシャフトに単純な
形状で形成されるから、動力伝達部を第1、第2のシャ
フトとは独立して成形する必要がない。
【0016】この発明の請求項5に係わる小型モータに
おいて、第1のシャフトに回転力が与えられると、第1
のシャフトの弾性変形部が回転方向に弾性的に捩じれな
がら、その回転力が第2のシャフトに伝達する。また、
弾性部材より与えられた弾性復元力によってホイールギ
ヤに逆方向の回転力が与えられた際、捩じられることに
よって弾性反発力が蓄積されていた第1のシャフトが第
2のシャフトに対して回転力を与える。それ故、請求項
1、2、3、4の作用に加え、第1のシャフトに弾性変
形部が一体的に形成されているから、別体のものを結合
したりする工数が必要ない。
【0017】この発明の請求項6に係わる小型モータに
おいて、弾性変形部がねじりコイルばねのばね部になっ
ている。それ故、請求項5の作用に加え、このねじりコ
イルばねの弾性変形率を適宜変更することによって、第
1のシャフトから第2のシャフトに対して与える回転力
の調整が簡単に行われる。
【0018】
【実施例】図1ないし図4にはこの発明に係わる小型モ
ータの第1実施例が示されており、ウインドガラスを駆
動するのに用いられる。
【0019】図示される小型モータ1は、主として、モ
ータケース(ケース)2、ギヤケース(ケース)3、第
1のマグネット(マグネット)4、第2のマグネット
(マグネット)5、アーマチュア6、第1のブラシ(ブ
ラシ)7、第2のブラシ(ブラシ)8、第1のスラスト
受部材9、第2のスラスト受部材10、第1の軸受1
1、第2の軸受12、第3の軸受13、第4の軸受1
4、ホイールギヤ15、ダンパ(弾性部材)16、出力
軸17から構成されており、アーマチュア6に、パイプ
部材20、第1のシャフト21、第2のシャフト22、
アーマチュアコア23、コンミュテータ24、アーマチ
ュアコイル25が備えられ、第1のシャフト21と第2
のシャフト22とのあいだに動力伝達部50が配置され
ている。
【0020】モータケース2は、一端部が閉塞されてい
るとともに他端部が開放されており、筒状部分の内側に
第1のマグネット4、第2のマグネット5がそれぞれ取
付けられている。第1、第2のマグネット4、5は対向
する内周側にN極、S極がそれぞれ着磁されており、第
1、第2のマグネット4、5の内側にアーマチュア6が
配置されている。
【0021】モータケース2の閉塞側端部の内側には、
アーマチュア6に備えたパイプ部材20の一端側を回転
可能に支持するための第4の軸受14が取付けられてい
るとともに、パイプ部材20の一端部からわずかに離れ
て平板状の第2の端板26が取付けられている。第4の
軸受14は、外形が球形状のすべり軸受である。
【0022】モータケース2の開放側端部には、エンド
カバー27が配置されており、このエンドカバー27の
中央に形成された丸孔27a内に第3の軸受13が取付
けられている。第3の軸受13は、外形が円筒形状のす
べり軸受であって、パイプ部材20の他端部を回転可能
に支持する。モータケース2の開放側端部の内側には、
ホルダベース28が配置されており、このホルダベース
28上には後述する第1、第2のブラシ7、8を支持す
るための第1、第2のブラシホルダ29、30が固定さ
れている。モータケース2は開放側の端部がビス31に
よってギヤケース3にねじ止められている。
【0023】ギヤケース3の中央部には、モータケース
2の筒方向に丸孔状のシャフト孔3aが形成されてお
り、シャフト孔3aの閉塞側に第1の軸受11が配置さ
れているとともに、シャフト孔3aの開放側に第2の軸
受12が配置されている。第1の軸受11、第2の軸受
12は、図3に示されるように、いずれも外形が球形状
のすべり軸受であって、シャフト孔3aの孔方向である
第2のシャフト22の軸方向に対して回動可能になって
いる。
【0024】モータケース2に取付けられた第4の軸受
14と、エンドカバー27に取付けられた第3の軸受1
3には、パイプ部材20が挿通されている。パイプ部材
20は円筒形状にされており、このパイプ部材20に
は、後述する第1のシャフト21の外径寸法よりも大き
い内径寸法であって、第1のシャフト21のほぼ全体を
覆うパイプ部材本体20aが備えられている。
【0025】パイプ部材20には、パイプ部材本体20
aの一端部の内側に第1のシャフト結合部材32が固定
されている。この第1のシャフト結合部材32には、第
2の端板26側に球体33が回転可能に収容されてお
り、この球体33が第2の端板26に当接している。ま
た、第1のシャフト結合部材32には、第2の端板26
とは反対側に第1のシャフト21が結合されている。
【0026】パイプ部材20のほぼ中央の外側には、ア
ーマチュアコア23が固定されている。アーマチュアコ
ア23には、予め定められたスロット数の巻回部23a
が形成されている。アーマチュアコア23の近傍には、
パイプ部材20上にコンミュテータ24が固定されてい
る。コンミュテータ24には、アーマチュアコア23の
巻回部23aと同数のコンミュテータ片24aが備えら
れている。そして、アーマチュアコア23には、コンミ
ュテータ片24aにそれぞれ電気的に接続されたアーマ
チュアコイル25が巻回部23aに巻き付けられてい
る。アーマチュアコア23は第1、第2のマグネット
4、5の内周部に非接触で配置されている。
【0027】アーマチュア6のコンミュテータ24の外
側には、第1、第2のブラシ7、8がコンミュテータ片
24aにそれぞれ電気的に接続可能に対向配置されてい
る。第1、第2のブラシ7、8は、前述したホルダベー
ス28上で第1、第2のブラシホルダ29、30により
それぞれのコンミュテータ片24aに向け押圧された状
態で保持されているとともに、図2に示される外部接続
配線34によって図示しない外部の制御回路に電気的に
接続される。制御回路には、ウインド開スイッチ、ウイ
ンド閉スイッチが設けられている。
【0028】制御回路のウインド開スイッチがオン切換
えされると、外部接続配線34を通じて第1のブラシ7
に電源の電位が与えられるとともに第2のブラシ8が接
地されるため、コンミュテータ24を通じて、第1のブ
ラシ7、アーマチュアコイル24、第2のブラシ8に向
けて電源の電流が流れ、アーマチュアコア23の巻回部
23aにおいて磁力が発生し、アーマチュアコア23よ
り発生した磁力と、第1、第2のマグネット4、5より
発生している磁力とによる電磁誘導によって、パイプ部
材20に正方向の回転力が与えられる。
【0029】上記に反して、制御回路のウインド閉スイ
ッチがオン切換えされると、外部接続配線34を通じて
第2のブラシ8に電源の電位が与えられるとともに第1
のブラシ7が接地されるため、コンミュテータ24を通
じて、第2のブラシ8、アーマチュアコイル24、第1
のブラシ7に向けて電源の電流が流れ、アーマチュアコ
ア23の巻回部23aにおいて磁力が発生し、アーマチ
ュアコア23より発生した磁力と、第1、第2のマグネ
ット4、5より発生している磁力とによる電磁誘導によ
って、パイプ部材20に逆方向の回転力が与えられる。
【0030】一方、パイプ部材20の内側には第1のシ
ャフト21が配置されている。この第1のシャフト21
には、断面が長方形(多角形)の棒状をなす第1のシャ
フト本体21aが備えられているとともに、第1のシャ
フト本体21aの一端部が第1の結合部21bになって
おり、この第1の結合部21bが第1のシャフト結合部
材32に固定されている。そして、第1のシャフト21
には、パイプ部材20の他端部から突出した他端部に、
動力伝達部50の一部を構成する第2のシャフト側結合
部21cが形成されている。第2のシャフト側結合部2
1cは断面が長方形の棒の端部に配置されているため、
第1のシャフト本体21aと同一の断面をもつ単純な形
状に形成されている。第2のシャフト側結合部21cは
後述する第2のシャフト22に係合される。
【0031】第1のシャフト21には、第1のシャフト
本体21aの第1の結合部21bと第2のシャフト側結
合部21cとのあいだに、弾性変形部21dが形成され
ている。この弾性変形部21dは、第1のシャフト21
の回転方向に対して弾性的に捩じれ可能になっており、
弾性変形部21dは、パイプ部材20に回転力が与えら
れてパイプ部材20が回転する際に、第2のシャフト2
2に回転力を与える一方、ホイールギヤ15が回転を拘
束されてからもパイプ部材20に回転力が与えられた際
に、パイプ部材20の回転方向に弾性変形することによ
って弾性力を蓄積し、弾性変形している状態で、後述す
るダンパ16の弾性復元力によってホイールギヤ15が
戻り回転する際に、ダンパ16の弾性復元と同時に弾性
復元することによって第2のシャフト22を介してホイ
ールギヤ15を速やかに回転させる機能をもつ。
【0032】第2のシャフト22には、ほぼ中央部に配
置された第2のシャフト本体22a上にウオーム22b
が形成されている。ウオーム22bはホイールギヤ15
に噛合されている。また、第2のシャフト本体22aの
第1のシャフト21側の一端部には第1の小径軸部22
cが形成され、第2のシャフト本体22aの第1のシャ
フト21側とは反対側の他端部に第2の小径軸部22d
が形成されている。
【0033】第1の小径軸部22cは、第2のシャフト
本体22aの外径寸法よりも小さい外径寸法に形成され
ており、この第1の小径軸部22cには、図3に示され
るように、第2のシャフト本体22a側から第1の板部
材35、第1のスラスト受部材9、第2の板部材36、
前述した第2の軸受12の順に挿通されている。第1、
第2の板部材35、36はそれぞれ剛性を有する部材
(好ましくは金属部材)よりなるワッシャであり、第1
のスラスト受部材9は弾性を有する部材(好ましくは樹
脂部材)よりなるワッシャである。
【0034】第1のスラスト受部材9は、第1のシャフ
ト21に向けたスラスト荷重が第2のシャフト本体22
aにかかった際に、第1の板部材35を介し、そのスラ
スト荷重を受けて弾性変形することによって、第2の板
部材36を介して第2の軸受12にスラスト荷重により
発生する衝撃力を吸収する機能をもつ。
【0035】第1の小径軸部22cの一端側には、動力
伝達部50の他の一部を構成する第1のシャフト側結合
部22c1が形成されている。第1のシャフト側結合部
22c1は、十字形の孔状にして、第1の小径軸部22
cの一端部から第2のシャフト本体22aの近傍までの
深さ寸法をもつ。第1のシャフト側結合部22c1に
は、第1のシャフト21の第2のシャフト側結合部21
cが十字のうちの長方形を形成する部分に挿入される。
このとき、図4に示されるように、第1のシャフト21
の第2のシャフト側結合部21cが長方形であって、第
2のシャフト22の第1のシャフト側結合部22c1が
十字形の孔になっているため、第1のシャフト21、第
2のシャフト22間に回転方向に90度よりも小さい結
合許容角が設定される。それ故、第1のシャフト21、
第2のシャフト22の結合が容易に行われる。また、図
3に示されるように、第1のシャフト21の第2のシャ
フト側結合部21cが第2のシャフト22の第1のシャ
フト側結合部22c1に予め定められた隙間寸法Gを残
して挿入されるように、第1のシャフト21、第2のシ
ャフト22が配置されている。そのため、動力伝達部5
0によって、第1のシャフト21の回転力は第2のシャ
フト22に伝達されるが、第2のシャフト22に生じた
スラスト荷重は第1のシャフト21に伝わらない。
【0036】第2の小径軸部22dは、第2のシャフト
本体22aの外径寸法よりも小さい外径寸法に形成され
ており、この第2の小径軸部22dには、図3に示され
るように、第2のシャフト本体22a側から第3の板部
材37、第2のスラスト受部材10、第4の板部材3
8、前述した第1の軸受11の順に挿通されている。第
3、第4の板部材37、38はそれぞれ剛性を有する部
材(好ましくは金属部材)よりなるワッシャであり、第
1のスラスト受部材9は弾性を有する部材(好ましくは
樹脂部材)よりなるワッシャである。
【0037】第2のスラスト受部材10は、第1のシャ
フト21との反対側に向けたスラスト荷重が第2のシャ
フト本体22aにかかった際に、第3の板部材37を介
し、そのスラスト荷重を受けて弾性変形することによっ
て、第4の板部材38を介して第1の軸受11にスラス
ト荷重をかけないようにする機能をもつ。
【0038】第2の小径軸部22dの他端部には、ギヤ
ケース3のシャフト孔3aの閉塞端に取付けられた平板
状の第1の端板39が当接している。
【0039】第2のシャフト22は、ウオーム22bが
形成された第2のシャフト本体22aの両端が第1、第
2の軸受11、12によって回転可能に支持されている
から、回転振れが少ない。それ故、第1のシャフト21
から与えられた回転力をウオーム22bからホイールギ
ヤ15に効率よく伝達できる。また、ウオーム22bに
曲げ応力がかかった際に、第1、第2の軸受11、12
がシャフト孔3a内で回動することによって、曲げ応力
に対抗しない。そして、第2のシャフト22では、ウオ
ーム22bにスラスト荷重がかかった際に、第1、第2
のスラスト受部材9、10がそのスラスト荷重を受ける
ことによって、第1、第2の軸受11、12にスラスト
荷重をかけない。
【0040】第2のシャフト22のウオーム22bに
は、ホイールギヤ15が噛合されている。ホイールギヤ
15は、ギヤケース3に形成されたホイールギヤ収容部
3b内に配置されて、このギヤケース3に回転可能に支
持されている。
【0041】ホイールギヤ15には、第2のシャフト2
2のウオーム22bに噛合される歯部15aの内側に星
形(多角形)の凹状をなすダンパ収容部15bが形成さ
れており、このダンパ収容部15b内に、ダンパ収容部
15bと相似形状であってゴム製のダンパ16が嵌入さ
れている。ダンパ16の中央には、金属製でコ字形状の
ハブ40が一体的に固着されており、このハブ40に出
力軸17が結合されている。出力軸17には図示しない
ガラス昇降機を介して同じく図示しないウインドガラス
が連結される。
【0042】ホイールギヤ15は、パイプ部材20に正
方向の回転力が与えられることによって、第1のシャフ
ト21を介して第2のシャフト22が正回転し、ウオー
ム22bを介し動力が伝達されて正回転するため、ホイ
ールギヤ15の正回転の回転力がダンパ16を介してハ
ブ40に伝達されて出力軸17を正回転させ、ウインド
ガラスを開ける。ウインドガラスがストローク端である
全開位置に到達すると、図示しない位置センサによって
ウインドガラスが全開位置に到達したことが検出される
ため、制御回路により第1、第2のブラシ7、8に対す
る通電がカットオフされる。
【0043】このとき、ウインドガラスが全開のストロ
ーク端に到達した後に第1、第2のブラシ7、8に対す
る通電が遅れてカットオフされるため、ホイールギヤ1
5が正回転を停止するまでの間、出力軸17が回転を拘
束されている状態で、パイプ部材20、第1のシャフト
21、第2のシャフト22が正方向に回動する。第2の
シャフト22が正方向に回動すると、ホイールギヤ15
が正方向に回動してダンパ16が弾性変形する。その
後、ダンパ16の弾性変形が終了してからも、パイプ部
材20に正方向の回転力が与えられ続けるため、正方向
の回転力によって、第1のシャフト21の弾性変形部2
1dが正回転の方向に捩じれ、パイプ部材20のみが正
方向に回動して第1のシャフト21が捩じれ、第1のシ
ャフト21の弾性変形部21dに捩じれによる弾性反発
力が蓄積される。
【0044】そして、第1、第2のブラシ7、8に対す
る通電がカットオフされると、パイプ部材20に対する
回転力が解除される。パイプ部材20に回転力が与えら
れなくなると、弾性反発力が蓄積された第1のシャフト
21はパイプ部材20に与えられていた正方向の回転力
とは反対の逆回転の方向に自らの復元力によって戻り回
動する。同時に、弾性変形して弾性反発力が蓄積されて
いたダンパ16より復元力が発生し、ホイールギヤ15
が逆方向に回動し、ダンパ16が弾性復元してから、ホ
イールギヤ15が逆方向の回動を終了して停止する。そ
のため、ホイールギヤ15は、ダンパ16が弾性復元す
ることによって、第2のシャフト22のウオーム22b
に食らい付かないで停止する。
【0045】上記に反して、パイプ部材20に逆方向の
回転力が与えられることによって、第1のシャフト21
を介して第2のシャフト22が逆回転すると、ウオーム
22bを介し動力が伝達されてホイールギヤ15は逆回
転し、ホイールギヤ15の逆回転の回転力がダンパ16
を介してハブ40に伝達されて出力軸17を逆回転さ
せ、ウインドガラスを閉める。ウインドガラスがストロ
ーク端である全閉位置に到達すると、図示しない位置セ
ンサによってウインドガラスが全閉位置に到達したこと
が検出されるため、制御回路により第2、第1のブラシ
8、7に対する通電がカットオフされる。
【0046】このとき、ウインドガラスが全閉位置に到
達した際、ウインドガラスとドアパネル等の車体との密
着性を良くするためにウインドガラスが車体側に押し付
けられて締切られてから第2、第1のブラシ8、7に対
する通電がカットオフされるようになっている。そのた
め、ホイールギヤ15が逆回転を停止するまでの間、出
力軸17が回転を拘束されている状態で、パイプ部材2
0、第1のシャフト21、第2のシャフト22が逆方向
に回動し、ダンパ16は、ウインドガラスが全閉位置に
おいて車体側に締め切られている状態で、出力軸17に
対してホイールギヤ15が相対的に回転することによっ
て弾性変形する。
【0047】その後、ダンパ16の弾性変形が終了して
からも、パイプ部材20に逆方向の回転力が与えられ続
けるため、逆方向の回転力によって、第1のシャフト2
1の弾性変形部21dが逆回転の方向に捩じれ、パイプ
部材20のみが逆方向に回動して第1のシャフト21が
捩じれ、第1のシャフト21の弾性変形部21dに捩じ
れによる弾性反発力が蓄積される。
【0048】そして、第2、第1のブラシ8、7に対す
る通電がカットオフされると、パイプ部材20に対する
回転力が解除される。パイプ部材20に回転力が与えら
れなくなると、弾性反発力が蓄積された第1のシャフト
21の弾性変形部21dはパイプ部材20に与えられて
いた逆方向の回転力とは反対の正回転の方向に自らの復
元力によって戻り回動する。同時に、弾性変形して弾性
反発力が蓄積されていたダンパ16より復元力が発生
し、ホイールギヤ15が正方向に回動し、ダンパ16が
弾性復元してから、ホイールギヤ15が正方向の回動を
終了して停止する。そのため、ホイールギヤ15は、ダ
ンパ16が弾性復元することによって、第2のシャフト
22のウオーム22bに食らい付かないで停止する。こ
のとき、ウインドガラスが全閉位置に到達した直後に、
第1、第2のブラシ7、8に対して少しの時間だけ通電
が行われることによってウインドガラスが全閉位置から
開く方向に移動されて停止し、その後に、第2、第1の
ブラシ8、7に対して再度通電された場合、ダンパ16
は、ウインドガラスが全閉位置に到達したときに一旦弾
性復元されているため、ウインドガラスが再び全閉位置
まで移動したとしても、ウインドガラスよりの衝撃をダ
ンパ16が吸収し、大きな衝撃がホイールギヤ15およ
び第2のシャフト22のウオーム22bに伝わることが
ない。また、ウインドガラスがいずれの位置で停止して
も、ダンパ16は、弾性復元した状態に戻る一方、第1
のシャフト21に対する捩じり応力が解除された状態で
回転を停止するため、パイプ部材20が回転を開始する
際の起動トルクが小さくてすむ。
【0049】このような構造を有する小型モータ1は、
ギヤケース3がドアパネルの内側に取付けられ、出力軸
17がガラス昇降機を介してウインドガラスに連結さ
れ、外部接続配線34が制御回路に電気的に接続されて
車体に取付けられる。
【0050】制御回路のウインド開スイッチがオン切換
えされることによって、第1のブラシ7から第2のブラ
シ8に向けて電流が供給されると、パイプ部材20に正
方向の回転力が与えられ、パイプ部材20より第1のシ
ャフト21を通じて第2のシャフト21に正方向の回転
力が伝達され、第2のシャフト22のウオーム22bを
介してホイールギヤ15が正回転を始め、ウインドガラ
スが全開位置に向けて移動する。
【0051】ウインドガラスが全開位置に到達して車体
に衝突すると、ホイールギヤ15が回転を拘束されるこ
とによって、ダンパ16が弾性変形すると同時に、第1
のシャフト21の弾性変形部21dが正回転の方向に捩
じれて弾性変形し、第1、第2のブラシ7、8に対する
通電がカットオフされてから、弾性変形部21dに弾性
反発力が蓄積された第1のシャフト21が逆方向に戻り
回動して第2のシャフト22が逆方向に回動され、同時
に、弾性変形して弾性反発力が蓄積されていたダンパ1
6が弾性復元して、ホイールギヤ17が逆方向に回動さ
れ、第2のシャフト22のウオーム22bに食らい付か
ない状態でホイールギヤ15が停止する。
【0052】一方、ウインドガラスが全開位置にある状
態で、制御回路のウインド閉スイッチがオン切換えされ
ることによって、第2のブラシ8から第1のブラシ7に
向け電流が供給されると、パイプ部材20に逆方向の回
転力が与えられ、パイプ部材20より第1のシャフト2
1を通じて第2のシャフト22に逆方向の回転力が伝達
され、第2のシャフト22のウオーム22bを介してホ
イールギヤ15が逆回転を始め、ウインドガラスが全閉
位置に向けて移動する。
【0053】ウインドガラスが全閉位置に到達して車体
に衝突すると、ホイールギヤ15が逆回転を拘束される
ことによって、ダンパ16が弾性変形し、第1のシャフ
ト21の弾性変形部21dが逆回転の方向に捩じれて弾
性変形し、第2、第1のブラシ8、7に対する通電がカ
ットオフされてから、弾性変形部21dに弾性反発力が
蓄積された第1のシャフト21が正方向に戻り回動して
第2のシャフト22が正方向に回動され、同時に、弾性
変形して弾性反発力が蓄積されていたダンパ16が弾性
復元して、ホイールギヤ17が正方向に回動され、第2
のシャフト22のウオーム22bに食らい付かない状態
でホイールギヤ15が停止するものとなる。
【0054】図5にはこの発明に係わる小型モータの第
2実施例が示されており、パイプ部材20、第1のシャ
フト21、第2のシャフト22のみが示されている。
【0055】この場合、パイプ部材20は、第1実施例
と同様にして形成されており、第1のシャフト21の第
2のシャフト側結合部21cも第1の実施例と同様にし
て長方形の断面形状をもち、第2のシャフト22の第1
のシャフト側結合部22c1も第1実施例と同様にして
十字の孔状に形成されているが、第1のシャフト21の
第1のシャフト本体21aの弾性変形部21dがねじり
コイルばねによって成形されたばね部21eになってい
る。
【0056】第1のシャフト21のばね部21eは、第
2のシャフト22が回転を拘束されている状態で、パイ
プ部材20から回転力が与えられた際にパイプ部材20
の回転方向に捩じれることによって弾性力が蓄積され
る。その際、このばね部21eがねじりコイルばねによ
って成形されているから、ばね部21eが弾性変形する
割合が設計時に比較的容易に選択され、その弾性変形率
を適宜変更することによって、第1のシャフト21から
第2のシャフト22に対して与える回転力が調整され
る。
【0057】そして、第1のシャフト21の第2のシャ
フト側結合部21cが長方形の断面形状であって、第2
のシャフト22の第1のシャフト側結合部22c1が十
字の孔状に形成されているから、第1のシャフト21、
第2のシャフト22間に回転方向に90度よりも小さい
結合許容角が設定される。この場合も、第1実施例と同
様にして動作が行われるが、第1実施例よりも小さいト
ルク特性をもつ小型モータに適用される。
【0058】図6にはこの発明に係わる小型モータの第
3実施例が示されており、パイプ部材20、第1のシャ
フト21、第2のシャフト22のみが示されている。
【0059】この場合、パイプ部材20は、第1実施例
と同様にして形成されているが、第1のシャフト21の
第1のシャフト本体21a(弾性変形部21d)が正方
形の断面形状をもつものとして形成され、第1のシャフ
ト21の第2のシャフト側結合部21cも第1のシャフ
ト本体21aと同一の正方形の断面形状をもつものとし
て形成されている。そして、第2のシャフト22の第1
のシャフト側結合部22c1は第1のシャフトの第2の
シャフト側結合部21cが挿入されるように、第1のシ
ャフト側結合部22c1の外形よりもわずかに大きい正
方形の孔状にして形成されている。
【0060】この場合、第1のシャフト21は、第2の
シャフト22が回転を拘束されている状態で、パイプ部
材20から回転力が与えられた際に、正方形の断面形状
にされた弾性変形部21dがパイプ部材20の回転方向
に捩じれることによって弾性力が蓄積される。また、第
1のシャフト21の第2のシャフト側結合部21cが正
方形の断面形状に形成され、第2のシャフト22の第1
のシャフト側結合部22c1が正方形の孔状に形成され
ているから、第1のシャフト21が単純な角棒形状によ
って簡単に作成され、第1のシャフト21、第2のシャ
フト22間に回転方向に90度よりも小さい結合許容角
が設定される。そして、この場合も、第1実施例と同様
にして動作が行われる。
【0061】図7にはこの発明に係わる小型モータの第
4実施例が示されており、パイプ部材20、第1のシャ
フト21、第2のシャフト22のみが示されている。
【0062】この場合、パイプ部材20は、第1実施例
と同様にして形成されているが、第1のシャフト21の
第1のシャフト本体21aの弾性変形部21dが第2実
施例に示したものと同様のばね部21eになっており、
第1のシャフト21の第2のシャフト側結合部21cが
正方形の断面形状をもつものとして形成されている。そ
して、第2のシャフト22の第1のシャフト側結合部2
2c1は第1のシャフトの第2のシャフト側結合部21
cが挿入されるように、第1のシャフト側結合部22c
1の外形よりもわずかに大きい正方形の孔状にして形成
されている。
【0063】この場合、第1のシャフト21は、第2の
シャフト22が回転を拘束されている状態で、パイプ部
材20から回転力が与えられた際に、ばね部21eがパ
イプ部材20の回転方向に捩じれることによって弾性力
が蓄積される。また、第1のシャフト21の第1のシャ
フト本体21aがねじりコイルばねによって成形されて
いるから、ばね部21eの弾性変形率を適宜変更するこ
とによって、第1のシャフト21から第2のシャフト2
2に対して与える回転力が調整される。そして、第1の
シャフト21の第2のシャフト側結合部21cが正方形
の断面形状に形成され、第2のシャフト22の第1のシ
ャフト側結合部22c1が正方形の孔状に形成されてい
るから、第1のシャフト21、第2のシャフト22間に
回転方向に90度よりも小さい結合許容角が設定され
る。この場合も、第1実施例と同様にして動作が行われ
る。
【0064】図8にはこの発明に係わる小型モータの第
5実施例が示されており、パイプ部材20、第1のシャ
フト21、第2のシャフト22のみが示されている。
【0065】この場合、パイプ部材20は、第1実施例
と同様にして形成されており、第1のシャフト21の第
1のシャフト本体21a(弾性変形部21d)が第1の
実施例と同様にして長方形の断面形状をもつが、第1の
シャフト21の第2のシャフト側結合部21cが六角形
の玉状に形成され、第2のシャフト22の第1のシャフ
ト側結合部22c1が第1のシャフトの第2のシャフト
側結合部21cを挿入するように、第1のシャフト側結
合部22c1の外形よりもわずかに大きい六角形の孔状
にして形成されている。
【0066】そして、第1のシャフト21は、第2のシ
ャフト22が回転を拘束されている状態で、パイプ部材
20から回転力が与えられた際に、弾性変形部21dが
パイプ部材20の回転方向に捩じれることによって弾性
力が蓄積される。そして、第1のシャフト21の第2の
シャフト側結合部21cが六角形の断面形状であって、
第2のシャフト22の第1のシャフト側結合部22c1
が六角形の孔状に形成されているから、第1のシャフト
21、第2のシャフト22間に回転方向に60度よりも
小さい結合許容角が設定される。この場合も、第1実施
例と同様にして動作が行われる。第1のシャフト21の
第2のシャフト側結合部21cおよび第2のシャフト2
2の第1のシャフト側結合部22c1はそれぞれ多角形
状でよい。
【0067】図9にはこの発明に係わる小型モータの第
6実施例が示されており、パイプ部材20、第1のシャ
フト21、第2のシャフト22のみが示されている。
【0068】この場合、パイプ部材20は、第1実施例
と同様にして形成されており、第1のシャフト21の第
1のシャフト本体21aが第2実施例に示したばね部2
1eになっており、第1のシャフト21の第2のシャフ
ト側結合部21cが六角形の玉状に形成され、第2のシ
ャフト22の第1のシャフト側結合部22c1が第1の
シャフトの第2のシャフト側結合部21cを挿入するよ
うに、第1のシャフト側結合部22c1の外形よりもわ
ずかに大きい六角形の孔状にして形成されている。
【0069】そして、第1のシャフト21は、第2のシ
ャフト22が回転を拘束されている状態で、パイプ部材
20から回転力が与えられた際に、ばね部21eがパイ
プ部材20の回転方向に捩じれることによって弾性力が
蓄積される。そして、第1のシャフト21の第2のシャ
フト側結合部21cが六角形の断面形状であって、第2
のシャフト22の第1のシャフト側結合部22c1が六
角形の孔状に形成されているから、第1のシャフト2
1、第2のシャフト22間に回転方向に60度よりも小
さい結合許容角が設定される。この場合も、第1実施例
と同様にして動作が行われる。第1のシャフト21の第
2のシャフト側結合部21cおよび第2のシャフト22
の第1のシャフト側結合部22c1はそれぞれ多角形状
でよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項1に係わる小型モータによれば、負荷がストローク
端まで移動して出力軸が回転を拘束されてから、ブラシ
に対する通電がカットされるまでの間に、パイプ部材
は、与えられた回転力により第1のシャフトに回転力を
与えるため、第1のシャフトおよび第2のシャフトが回
動して、ホイールギヤが回動し、弾性部材が弾性変形す
る。弾性部材が弾性変形し終わると、第2のシャフトが
回動しなくなり、第2のシャフトに対して第1のシャフ
トが弾性的に捩じれ、第1のシャフトに弾性反発力が蓄
積される。その後に、パイプ部材に回転力が与えられな
くなると、弾性部材より与えられた弾性復元力によって
ホイールギヤに逆方向の回転力が与えられ、同時に、捩
じられることによって弾性反発力が蓄積されていた第1
のシャフトより第2のシャフトに逆方向の回転力が与え
られる。このとき、ホイールギヤから第2のシャフトに
曲げ応力が与えられても、第1、第2の軸受が第2のシ
ャフトの軸方向に対して回動することによって、第2の
シャフトに与えられた応力を緩和する一方、ホイールギ
ヤから与えられた逆方向の回転力によってスラスト荷重
を受けた第2のシャフトがスラスト方向に配置された第
1、第2のスラスト受部材に当接する。そして、この第
2のシャフトに対して第1のシャフトが軸方向に移動可
能にされているから、第2のシャフトに与えられたスラ
スト荷重が第1のシャフトに直接及ばない。それ故、一
旦弾性変形した弾性部材が復元する際に発生するトルク
と、第1のシャフトの復元力によって逆方向に回転する
第2のシャフトのトルクとが合わされてホイールギヤが
速やかに戻され、第2のシャフトにかけられたスラスト
荷重が第1のシャフトに加えられることがない。よっ
て、高い信頼性が得られるという優れた効果を奏する。
【0071】この発明の請求項2に係わる小型モータに
よれば、第2のシャフトは、第1の小径軸部に第1のス
ラスト受部材が挿通されて第1の軸受により回転可能に
支持され、第2の軸部に第2のスラスト受部材が挿通さ
れて第2の軸受により回転可能に支持されている。それ
故、請求項1の効果に加え、第2のシャフトは、第2の
シャフト本体の両端で第1のシャフトと独立して2点で
支持されているから、回転振れが起きにくく、安定した
回転を行えるという優れた効果を奏する。
【0072】この発明の請求項3に係わる小型モータに
よれば、ホイールギヤから与えられた回転力によってス
ラスト荷重を受けた第2のシャフトが回転する際、動力
伝達部によって、第2のシャフトのスラスト方向の移動
力が第1のシャフトに対して遮断される。それ故、請求
項1または2の効果に加え、第2のシャフトに生じたス
ラスト荷重によって、第1のシャフトに対する曲げ応力
が与えられることがないから、アーマチュアコアからコ
ンミュテータまでのあいだでのアーマチュアコイルが折
損したりして、作動不良になることがないという優れた
効果を奏する。
【0073】この発明の請求項4に係わる小型モータに
よれば、第1のシャフトの第2のシャフト側結合部が多
角形状に形成され、第2のシャフトの第2のシャフト側
結合部が多角形の孔状に形成されている。それ故、請求
項3の効果に加え、動力伝達部は、第1のシャフトに単
純な形状で形成されるとともに第2のシャフトに単純な
形状で形成されるから、動力伝達部を第1、第2のシャ
フトとは独立して成形する必要がなく、生産性の向上を
図れるという優れた効果を奏する。
【0074】この発明の請求項5に係わる小型モータに
よれば、第1のシャフトに回転力が与えられると、第1
のシャフトの弾性変形部が回転方向に弾性的に捩じれな
がら、その回転力が第2のシャフトに伝達する。また、
弾性部材より与えられた弾性復元力によってホイールギ
ヤに逆方向の回転力が与えられた際、捩じられることに
よって弾性反発力が蓄積されていた第1のシャフトが第
2のシャフトに対して回転力を与える。それ故、請求項
1、2、3、4の効果に加え、第1のシャフトに弾性変
形部が一体的に形成されているから、別体のものを結合
したりする工数が必要なく、材料の無駄を省くことがで
きるという優れた効果を奏する。
【0075】この発明の請求項6に係わる小型モータに
よれば、弾性変形部がねじりコイルばねのばね部になっ
ている。それ故、請求項5の効果に加え、このねじりコ
イルばねの弾性変形率を適宜変更することによって、第
1のシャフトから第2のシャフトに対して与える回転力
の調整が簡単に行われるから、汎用範囲を拡大すること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる小型モータの第1実施例の部
分破断正面図である。
【図2】図1に示した小型モータにおいての出力軸まわ
りの縦断側面図である。
【図3】図1に示した小型モータにおいての第2のシャ
フトまわりの断面図である。
【図4】図1に示した小型モータにおいてのパイプ部
材、第1のシャフト、第2のシャフトの組付け関係を説
明する外観斜視図である。
【図5】この発明に係わる小型モータの第2実施例に用
いたパイプ部材、第1のシャフト、第2のシャフトの組
付け関係を説明する外観斜視図である。
【図6】この発明に係わる小型モータの第3実施例に用
いたパイプ部材、第1のシャフト、第2のシャフトの組
付け関係を説明する外観斜視図である。
【図7】この発明に係わる小型モータの第4実施例に用
いたパイプ部材、第1のシャフト、第2のシャフトの組
付け関係を説明する外観斜視図である。
【図8】この発明に係わる小型モータの第5実施例に用
いたパイプ部材、第1のシャフト、第2のシャフトの組
付け関係を説明する外観斜視図である。
【図9】この発明に係わる小型モータの第6実施例に用
いたパイプ部材、第1のシャフト、第2のシャフトの組
付け関係を説明する外観斜視図である。
【符号の説明】
1 小型モータ 2 (ケース)モータケース 3 (ケース)ギヤケース 4 (マグネット)第1のマグネット 5 (マグネット)第2のマグネット 7 (ブラシ)第1のブラシ 8 (ブラシ)第2のブラシ 9 第1のスラスト受部材 10 第2のスラスト受部材 11 第1の軸受 12 第2の軸受 15 ホイールギヤ 16 (弾性部材)ダンパ 17 出力軸 20 パイプ部材 21 第1のシャフト 21c 第2のシャフト側結合部 21d 弾性変形部 21e ばね部 22 第2のシャフト 22a 第2のシャフト本体 22b ウオーム 22c 第1の小径軸部 22c1 第1のシャフト側結合部 22d 第2の小径軸部 23 アーマチュアコア 24 コンミュテータ 25 アーマチュアコイル 50 動力伝達部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースと、 円筒形に形成され、上記ケースに回転可能に支持された
    パイプ部材と、 上記パイプ部材上に固定されたアーマチュアコアと、 上記パイプ部材上に固定されたコンミュテータと、 上記アーマチュアコアに巻回されているとともに、上記
    コンミュテータに電気的に接続されたアーマチュアコイ
    ルと、 上記コンミュテータに電気的に接続可能にして該コンミ
    ュテータの外側に配置されたブラシと、 上記アーマチュアコアの外側に配置されて、上記ケース
    の内側に取付けられたマグネットと、 上記パイプ部材の内側に配置されていて、一端側が該パ
    イプ部材の一端部に結合され、他端側が該パイプ部材の
    他端部に非接触で配置され、回転方向に弾性的に捩じれ
    可能な第1のシャフトと、 ウオームが形成され、上記第1のシャフトの回転方向に
    結合され、且つ、軸方向に該第1のシャフトに対して移
    動可能に配置された第2のシャフトと、 上記第2のシャフトの端部にそれぞれ配置された第1、
    第2のスラスト受部材と、 上記第2のシャフトの軸方向に対して回動可能に配置さ
    れ、上記第2のシャフトを回転可能に支持する第1、第
    2の軸受と、 上記第2のシャフトのウオームに噛合されたホイールギ
    ヤと、 上記ホイールギヤに収容された弾性部材と、 上記弾性部材に結合されるとともに負荷に結合される出
    力軸を備えていることを特徴とする小型モータ。
  2. 【請求項2】 第2のシャフトには、ウオームが形成さ
    れた第2のシャフト本体の端部に、該第2のシャフト本
    体よりも外径が小さい第1、第2の小径軸部がそれぞれ
    形成されており、該第1の小径軸部に、ケース側に支持
    された第1のスラスト受部材を介して第1の軸受が挿通
    されているとともに、該第2の小径軸部に、ケース側に
    支持された第2のスラスト受部材を介して第2の軸受が
    挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の小型
    モータ。
  3. 【請求項3】 第1のシャフトの他端部および第2のシ
    ャフトの第1のシャフト側には、第1のシャフトの回転
    力を第2のシャフトに伝達可能にして、且つ、第2のシ
    ャフトのスラスト方向の移動力を第1のシャフトに対し
    て遮断可能な動力伝達部が形成されていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の小型モータ。
  4. 【請求項4】 動力伝達部には、第1のシャフトの他端
    部に多角形状に形成された第2のシャフト側結合部と、
    第2のシャフトの第1のシャフト側に配置され、第1の
    シャフトを軸方向に移動可能にして該第2のシャフト側
    結合部に係合可能な多角形の孔状に形成された第1のシ
    ャフト側結合部とが備えられていることを特徴とする請
    求項3に記載の小型モータ。
  5. 【請求項5】 第1のシャフトには、一端部と他端部と
    のあいだに、回転方向に弾性的に捩じれ可能な弾性変形
    部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、
    3、4に記載の小型モータ。
  6. 【請求項6】 弾性変形部がねじりコイルばねにより成
    形されたばね部になっていることを特徴とする請求項5
    に記載の小型モータ。
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