JP2005160240A - 減速機構付モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】3つの軸受を採用しても、モータ軸を円滑に回転させることができる共に、異音の発生を確実に防止でき、ウォームとウォームホイールとの噛合い強度が低下することのない減速機構付モータを提供する。
【解決手段】正逆回転可能なモータ軸9の一端部9a近傍に形成したウォーム10に噛合するウォームホイール19と、ウォーム10を収納する軸穴4a及びウォームホイール19を収納する減速機構収納部4dを形成したギヤケース4と、モータ軸9の他端部9bを回転自在に支持した第1の軸受6を有するモータケース2と、軸穴4aに嵌合され、モータ軸9の一端部9a及び中間部9cを回転自在に支持する第2及び第3の軸受7,8と、を備えた減速機構付モータ1において、第3の軸受8とギヤケース4の軸穴4aとの間に該第3の軸受8の外周部の全体を覆うゴム製の弾性体20を介在した。
【選択図】図1
【解決手段】正逆回転可能なモータ軸9の一端部9a近傍に形成したウォーム10に噛合するウォームホイール19と、ウォーム10を収納する軸穴4a及びウォームホイール19を収納する減速機構収納部4dを形成したギヤケース4と、モータ軸9の他端部9bを回転自在に支持した第1の軸受6を有するモータケース2と、軸穴4aに嵌合され、モータ軸9の一端部9a及び中間部9cを回転自在に支持する第2及び第3の軸受7,8と、を備えた減速機構付モータ1において、第3の軸受8とギヤケース4の軸穴4aとの間に該第3の軸受8の外周部の全体を覆うゴム製の弾性体20を介在した。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車のパワーウインドモータやサンルーフ用モータ等に用いて好適な減速機構付モータに関する。
例えば、自動車のパワーウインドモータ等に用いられる減速機構付モータとして、図4に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。
この減速機構付モータ100は、一端近傍に形成したウォーム102及び他端近傍に固定したアーマチュア103を有する正逆回転可能なモータ軸101と、このモータ軸101のウォーム102に噛合するウォームホイール104と、ウォーム102を収納する軸穴105a及びウォームホイール104を収納する減速機構収納部105bを形成したギヤケース105と、このギヤケース105に結合され、モータ軸101の基端部を回転自在に支持した第1の軸受107を有するモータケース106と、ギヤケース105の軸穴105aに嵌合され、モータ軸101の先端部及び中間部を回転自在に支持する第2及び第3の軸受108,109とを備えている。
そして、ウォーム102とウォームホイール104とで減速機構110が構成されている。
前記従来の減速機構付モータ100では、長尺のモータ軸101を3つの各軸受107,108,109で正逆回転自在に支持しているため、各部品の製造誤差または組付誤差によって各軸受107,108,109の軸心にズレが生じる。このため、モータ軸101と各軸受107,108,109間の機械的損失が大きくなってモータ効率が低下し、モータ軸101が円滑に回転できない不具合があった。この不具合を解消するために、各軸受107,108,109の内、特にモータ軸101の中間部を支持する第3の軸受109とモータ軸101とのクリアランスを、通常の軸受と軸とのクリアランスに比べ大きくすると、該モータ軸101の撓みによる振動で、第3の軸受109とモータ軸101との間で大きな打音(異音)が発生するとともに、ウォーム102とウォームホイール104間の噛み合いが浅くなって、噛合い強度を低下して破損する畏れがあった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、3つの軸受を採用した減速機構付モータであっても、この3つの軸受とモータ軸とのクリアランスを大きくする必要がなく、各部品の製造誤差または組付誤差による3つの軸受の軸心にズレが生じてもモータ軸と3つの軸受間の機械的損失が大きくならず、従ってモータ効率が低下することなくモータ軸を円滑に回転させることができると共に、出力軸に負荷がかかった際にモータ軸と軸受との間で異音の発生を確実に防止でき、更に、ウォームとウォームホイール間の噛合い強度が低下することのない減速機構付モータを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、一端部近傍に形成したウォーム及び他端部近傍に固定したアーマチュアを有する正逆回転可能なモータ軸と、このモータ軸のウォームに噛合するウォームホイールと、前記ウォームを収納する軸穴及び前記ウォームホイールを収納する減速機構収納部を形成したギヤケースと、このギヤケースに結合され、前記モータ軸の他端部を回転自在に支持した第1の軸受を有するモータケースと、前記ギヤケースの軸穴に嵌合され、前記モータ軸の一端部及び中間部を回転自在に支持する第2及び第3の軸受と、を備えた減速機構付モータにおいて、前記第3の軸受と前記ギヤケースの軸穴との間に該第3の軸受の外周部の全体を覆う弾性体を介在したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の減速機構付モータであって、前記弾性体を円筒状に形成し、この円筒状の弾性体の半径方向の最大弾性変形量が0.2mm未満となるように、該弾性体の硬度および肉厚を選定したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の減速機構付モータであって、前記円筒状の弾性体の内周面に前記モータ軸の軸方向に延びる凹状の溝を等間隔毎に複数形成したことを特徴とする。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、第3の軸受とギヤケースの軸穴との間に該第3の軸受の外周部の全体を覆う弾性体を介在したので、この弾性体の弾性変形による第3の軸受の調心作用によって、各部品の製造誤差または組付誤差による3つの軸受の軸心にズレが生じても、そのズレを吸収することが出来るので、モータ軸と3つの軸受間の機械的損失が大きくならず、従ってモータ効率が低下することがなくモータ軸を円滑に回転することができると共に、出力軸に負荷がかかった際に第3の軸受とモータ軸との間の異音の発生を確実に防止することができる。また、第3の軸受とモータ軸とのクリアランスを大きくする必要がないので、ウォームとウォームホイールとの噛合い強度が低下することのない。
請求項2の発明によれば、弾性体を円筒状に形成し、この円筒状の弾性体の半径方向の最大弾性変形量が0.2mm未満となるようにしているので、出力軸にかかる負荷によりウォームとウォームホイールを介してモータ軸の中間部が撓んでも、その撓み量が規制され、ウォームとウォームホイールとの噛合い強度を確保することができる。
請求項3の発明によれば、円筒状の弾性体の内周面に複数の凹状の溝を等間隔毎に形成したので、該弾性体の内周面近傍の各溝に隣接する部分のばね定数が小さくなり、モータ軸の中間部の僅かな撓みにも素早く追従して弾性変形することができ、モータ軸をより円滑に回転することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態の減速機構付モータを示す断面図、図2は同モータの要部の断面図、図3は図2中X−X線に沿う断面図である。
図1に示すように、パワーウインドモータ(減速機構付モータ)1は、一端が開口した略円筒状のヨーク(モータケース)2と、このヨーク2の開口端2aの周りのフランジ部2bをビス3を介して締結固定したギヤケース4とを備えている。ヨーク2の内周面2cには一対のマグネット5,5を接着剤等を介して固着してある。そして、ヨーク2の他端の有底筒部2dに嵌合された第1の軸受6と、ギヤケース4の軸穴4aの両端近傍に嵌合された第2の軸受7と第3の軸受8とでアーマチュア軸(モータ軸)9を回転自在に支持してある。即ち、このアーマチュア軸9の両端部9a,9bは前記第1の軸受6と第2の軸受7とで回転自在に支持され、その中間部9cは第3の軸受8で回転自在に支持されている。尚、各軸受6,7,8とアーマチュア軸9とのクリアランスは、それぞれ通常の軸受と軸とのクリアランスにしており、3つの軸受を採用したからといって特別大きなクリアランスにはしていない。
図1に示すように、アーマチュア軸9は、その先端部(一端部)9a近傍にウォーム10が形成されている。このアーマチュア軸9は、上記ウォーム10が形成された先端部9a近傍とは反対側の基端部(他端部)9b近傍に後述するアーマチュア14を有している。そして、アーマチュア軸9の先端部(一端部)9aと中間部9cは第2の軸受7と第3の軸受8により回転自在に支持されていると共に、該アーマチュア軸9の基端部(他端部)9bは第1の軸受6により回転自在に支持されている。また、アーマチュア軸9の先端部9aは軸受板12を介してスラストプラグ13に当接している。このスラストプラグ13によりアーマチュア軸9の軸方向のガタが所定量に規制されるようになっている。
また、アーマチュア軸9の一対のマグネット5,5に対向する位置には、アーマチュア14を取り付けてある。このアーマチュア14は、アーマチュア軸9に固定され、所定のスロット数のコイル巻回部14bを持つアーマチュアコア14aと、このアーマチュアコア14aのコイル巻回部14bに巻き回されたアーマチュアコイル14cとで構成されている。
さらに、アーマチュア軸9のヨーク2とギヤケース4との境部分に対向する位置には、コンミュテータ15を固定してある。このコンミュテータ15は、アーマチュアコア14aのコイル巻回部14bと同数のコンミュテータ片15aを備えていて、各コンミュテータ片15aとアーマチュアコイル14cとは電気的にそれぞれ接続されている。
さらに、ギヤケース4の軸穴4aの開口端は大径穴部4cとなっており、この大径穴部4c内のコンミュテータ15に対向する位置には、各ブラシホルダ16を介して一対のブラシ17,17をコンミュテータ片15aに接触するように取り付けてある。各ブラシ17は図示しないパワーウインドモータ制御回路にそれぞれ電気的に接続されている。そして、このパワーウインドモータ制御回路のガラス開スイッチをオフからオンに切り替えると、電流がアーマチュア14等に流れてアーマチュア軸9が正回転すると共に、パワーウインドモータ制御回路のガラス閉スイッチをオフからオンに切り替えると、電流がアーマチュア14等に流れてアーマチュア軸9が逆回転するようになっている。
図1に示すように、ギヤケース4の略中央には軸穴4aを形成してあり、この軸穴4aに連通して円環凹状の減速機構収納部4dを形成してある。この減速機構収納部4dの中央には、円筒状の出力軸支持部4eを一体突出形成してある。この出力軸支持部4eと減速機構収納部4dの一端開口を覆う金属製のカバーの中央の円筒部との間には、一対の軸受を介してウインドレギュレータ(いずれも図示省略)に連結される出力軸18の両端部を回転自在に支持してある。この出力軸18は、衝撃力を緩和するダンパ(図示省略)を介してウォームホイール19に連結してある。このウォームホイール19のはす歯(歯部)19aはアーマチュア軸9のウォーム10に噛合されている。これらウォーム10と出力軸18とダンパ及びウォームホイール19はギヤケース4の減速機構収納部4d内に収納され、減速機構を構成している。
図1〜図3に示すように、アーマチュア軸9の中間部9cを回転自在に支持する第3の軸受8とギヤケース4の軸穴4aの中径穴部4bとの間に該第3の軸受8の外周部8aの全体を覆うゴム製の弾性体20を介在してある。図2,図3に示すように、弾性体20は円筒状に形成してあり、該弾性体20の一端は、内周面22の内方に突出する環状の鍔部21を一体に設けており、この鍔部21が第3の軸受8の前端部8bに係止されるようになっている。また、弾性体20の内周面22にはアーマチュア軸9の軸方向に延びる凹状の溝23を等間隔毎に複数形成してある。この円筒状の弾性体20は、半径方向の最大弾性変形量が0.2mm未満となるように、該弾性体20の硬度および肉厚を選定している。尚、本実施形態では、弾性体20の内周面22に凹状の溝23を等間隔に6箇所形成した。第3の軸受8とギヤケース4の軸穴4aの中径穴部4bとの間に該第3の軸受8の外周部8aの全体を覆うゴム製の弾性体20を介在したので、この弾性体20の弾性変形による第3の軸受8の調心作用によって、各部品の製造誤差または組付誤差による3つの軸受6,7,8の軸心にズレが生じても、そのズレを吸収することが出来るので、アーマチュア軸9と3つの軸受6,7,8間の機械的損失が大きくならず、従ってモータ効率が低下することがなくアーマチュア軸9を円滑に回転することができると共に、第3の軸受8とアーマチュア軸9とのクリアランスを大きくする必要がないので、ウォーム10とウォームホイール19との噛合い強度が低下することのない。
尚、前記ウインドレギュレータはウォームホイール19に連結された出力軸18の駆動により図示しないウインドガラス(窓ガラス)を開閉(昇降動)させるものである。
以上実施形態のパワーウインドモータ1によれば、該パワーウインドモータ1の駆動力によりウインドガラスを開閉する場合に、図示しないガラス開閉スイッチを操作すると、アーマチュア軸9(アーマチュア14)が逆回転或いは正回転し、ウォームホイール19が所定の方向に回転する。
この際、出力軸18にかかる負荷によりウォームホイール19、ウォーム10を介してアーマチュア軸9の中間部9cが図1における上方向に撓むが、第3の軸受8とギヤケース4の軸穴4aの中径穴部4bとの間に該第3の軸受8の外周部8aの全体を覆うゴム製の弾性体20を介在したことにより、該弾性体20の弾性変形による第3の軸受8の調心作用によって、アーマチュア軸9を円滑に回転することができると共に、第3の軸受8とアーマチュア軸9との間の異音の発生を確実に防止することができる。
また、図2,図3に示すように、ゴム製の弾性体20を円筒状に形成し、この円筒状の弾性体20の半径方向の最大弾性変形量が0.2mm未満となるようにしているので、出力軸18にかかる負荷によりウォームホイール19とウォーム10を介してアーマチュア軸9の中間部9cが撓んでも、その撓み量が規制され、ウォーム10とウォームホイール19との噛合い強度を確保することができる。
更に、円筒状の弾性体20の内周面22に複数の凹状の溝23を等間隔毎に形成したので、該弾性体20の内周面22近傍の各溝23に隣接する部分のばね定数が小さくなり、アーマチュア軸9の中間部9cの僅かな撓みにも素早く追従して弾性変形することができ、アーマチュア軸9をより円滑に回転することができる。
尚、前記実施形態では、パワーウインドモータについて説明したが、サンルーフ用のモータ等の他の減速機構付モータに前記実施形態を適用できることは勿論である。また、弾性体はゴム製に限られるものでないことは勿論である。
1 パワーウインドモータ(減速機構付モータ)
2 ヨーク(モータケース)
4 ギヤケース
4a 軸穴
4d 減速機構収納部
6 第1の軸受
7 第2の軸受
8 第3の軸受
8a 外周部
9 アーマチュア軸(モータ軸)
9a 先端部(一端部)
9b 基端部(他端部)
9c 中間部
10 ウォーム
19 ウォームホイール
20 弾性体
22 内周面
23 凹状の溝
2 ヨーク(モータケース)
4 ギヤケース
4a 軸穴
4d 減速機構収納部
6 第1の軸受
7 第2の軸受
8 第3の軸受
8a 外周部
9 アーマチュア軸(モータ軸)
9a 先端部(一端部)
9b 基端部(他端部)
9c 中間部
10 ウォーム
19 ウォームホイール
20 弾性体
22 内周面
23 凹状の溝
Claims (3)
- 一端部近傍に形成したウォーム及び他端部近傍に固定したアーマチュアを有する正逆回転可能なモータ軸と、このモータ軸のウォームに噛合するウォームホイールと、前記ウォームを収納する軸穴及び前記ウォームホイールを収納する減速機構収納部を形成したギヤケースと、このギヤケースに結合され、前記モータ軸の他端部を回転自在に支持した第1の軸受を有するモータケースと、前記ギヤケースの軸穴に嵌合され、前記モータ軸の一端部及び中間部を回転自在に支持する第2及び第3の軸受と、を備えた減速機構付モータにおいて、
前記第3の軸受と前記ギヤケースの軸穴との間に該第3の軸受の外周部の全体を覆う弾性体を介在したことを特徴とする減速機構付モータ。 - 請求項1記載の減速機構付モータであって、
前記弾性体を円筒状に形成し、この円筒状の弾性体の半径方向の最大弾性変形量が0.2mm未満となるように、該弾性体の硬度および肉厚を選定したことを特徴とする減速機構付モータ。 - 請求項2記載の減速機構付モータであって、
前記円筒状の弾性体の内周面に前記モータ軸の軸方向に延びる凹状の溝を等間隔毎に複数形成したことを特徴とする減速機構付モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003396744A JP2005160240A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 減速機構付モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003396744A JP2005160240A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 減速機構付モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005160240A true JP2005160240A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34722096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003396744A Abandoned JP2005160240A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 減速機構付モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005160240A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-11-27 JP JP2003396744A patent/JP2005160240A/ja not_active Abandoned
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