JP7199183B2 - 減速機構、及び減速機付モータ - Google Patents
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Description
ここで、この種の減速機構の中には、組立作業を容易化するために、一面が開口された箱状のケースに、モータと減速機構とを収納したものがある。また、このものは、ケースにシャフトを立設し、シャフトの先端から減速機構を構成するギヤを挿入するように構成されている。そして、ケースの一面側からモータと減速機構とを収納した後、一面の開口をカバーで閉塞する。このように、ケース内への部品の組付けを、全て一面側から行えるので、減速機構の組立作業を容易に行える。
すなわち、本発明の減速機構は、ケースのベース面に一端が固定され、他端に雌ネジ孔が形成されたシャフトと、前記シャフトに回転可能に支持され、外部動力の回転力により回転する少なくとも1つのギヤと、前記シャフトの前記雌ネジ孔に締結され、前記シャフトの外周面よりも径方向外側に張り出して前記ギヤの前記シャフトからの抜けを防止する頭部を有するボルト部材と、前記ケースに固定され、前記ケースの前記ベース面に対向する側に形成された開口部を閉塞するカバーと、を備え、前記ケースには、取付対象に前記ケースを固定する取付面を有する複数の座部が形成されており、前記カバーは、有底円筒状に形成され内側に前記頭部が収容される軸受ボスを有し、前記ボルト部材の前記頭部、及び前記カバーの前記軸受ボスは、前記取付面に対し、前記取付面から前記取付対象側にボルト部材の前記頭部及び前記カバーが突出しないように前記シャフトの一端側に設けられていることを特徴とする。
また、シャフトの他端に形成された雌ネジ孔にボルト部材を締結することによって軸方向長さを小さくした減速機構を、ケース及びカバー内に収容することで、ケース及びカバーを小型化することができる。さらに、ボルト部材の頭部及びカバーを、取付面よりもシャフトの一端側に設けることで、取付面よりも取付対象側にボルト部材の頭部及びカバーが突出しない。これにより、減速機構と取付対象との間に、ボルト部材の頭部及びカバーとの干渉を避けるためにスペースを確保する必要が無い。
また、クラッチ機構を設けることにより、外部機器からの荷重により、減速機構が逆転、換言すれば、ウォームホイールが逆転してしまうことを確実に防止できる。さらに、クラッチ機構が、係合孔、係合凸部、受入れ面、及びロックプレートにより構成されているので、係合凸部の先端面と受入れ面との突き合わせ状態により、平歯車が浮き上がろうとしてしまう。つまり、平歯車に、シャフトの他端からの抜け方向の力が作用してしまう。しかしながら、シャフトの他端に締結したボルト部材により、平歯車のシャフトからの抜けも確実に防止できる。
(減速機付モータ)
図1は、減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。図2は、減速機付モータ1の部品構成を示す展開斜視図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば、車両のパワーウインドウ装置等に用いられるものである。減速機付モータ1は、モータ2と、モータ2に連結された減速機構3と、を備え、減速機構3にクラッチ機構4が内装されている。
モータ2は、いわゆるブラシ付DCモータである。モータ2は、略有底筒状のヨーク5と、ヨーク5の径方向内側に回転自在に設けられたアーマチュア6と、を備えている。ヨーク5の筒部5aには、内周面に、複数の永久磁石40が周方向に並んで配置されている。ヨーク5は、開口部5bを減速機構3側に向けて配置されている。
アーマチュア6は、回転軸7と、回転軸7の永久磁石40に対応する位置に外嵌固定されているアーマチュアコア8と、回転軸7のアーマチュアコア8よりも減速機構3側に外嵌固定されているコンミテータ9と、を備えている。
アーマチュアコア8には、不図示のコイルが巻回されている。コイルの端末部がコンミテータ9に接続されている。コンミテータ9は、略円柱状に形成されている。コンミテータ9は、外周面に複数の導電性のセグメント9aが周方向に並んで配置されている。これらセグメント9aに不図示のコイルが接続される。
また、セグメント9aには、ブラシユニット10の不図示のブラシが摺接される。ブラシユニット10は、コネクタ部11を介して不図示の外部電源に電気的に接続されている。このため、ブラシユニット10の不図示のブラシ、及びセグメント9aを介し、不図示のコイルの電流が供給される。
コネクタ受部13には、外部電源から延びる不図示のコネクタが嵌着される。コネクタ受部13の不図示の端子が、ブラシユニット10と電気的に接続される。
(ケース)
図3は、図1のA-A線に沿う断面図である。
図2、図3に示すように、減速機構3は、一面に開口部14aを有する略箱状のケース14と、ケース14のモータ2側に一体成形され、ケース14の開口部14aと同じ向きで第1開口部16aを有するモータ収容部16と、ケース14の開口部14a、及びモータ収容部16の第1開口部16aを閉塞するカバー15と、ケース14内に収容された減速機部30と、ケース14内に収容されたクラッチ機構4と、を備えている。
ウォーム軸収容凹部17は、ケース14の側壁14bを貫通するように延出形成されている。ケース14の側壁14bには、ウォーム軸収容凹部17が貫通された箇所に、ケース14の開口部14aと同じ向きで開口された軸受収容凹部21a,21b(第1軸受収容凹部21a、第2軸受収容凹部21b)が形成されている。
一方、軸受収容凹部21a,21bのうち、モータ収容部16とは反対側の第2軸受収容凹部21bには、回転軸7と一体化された後述のウォーム軸31の端部31a(図2における左端)を回転自在に支持する軸受22bが圧入されて収容されている。
また、クラッチ収容凹部20の底部20aには、略円筒状の軸受部25が一体成形されている。この軸受部25に、後述のウォームホイール(ギヤ)32を回転自在に支持するためのウォーム支軸(シャフト)24の基端(一端)が圧入される。
また、ケース14の外側面には、複数の雌ネジ座81が形成されている。この雌ネジ座81は、ケース14にカバー15を締結固定するためのものである。
また、ケース14の開口部14aの内周縁には、カバー15が嵌め込まれる段差部29が形成されている。
減速機部30は、モータ2から突出された回転軸7と一体成形され、ウォーム軸収容凹部17に収容されるウォーム軸31と、ウォーム軸31に噛合され、ウォームホイール収容凹部18に収容されるウォームホイール32と、ウォームホイール32のクラッチ収容凹部20とは反対側の上部に配置されクラッチ機構4と一体化されたピニオンギヤ(ギヤ、平歯車)33と、ピニオンギヤ33に噛合されるスパーギヤ34と、スパーギヤ34と一体化されるドライブギヤ35と、ボルト部材46と、を備えている。
図2~図4に示すように、ウォームホイール32は、略円板状に形成されている。ウォームホイール32の外周面には、ウォーム軸31に噛合される歯部32aが形成されている。ウォームホイール32の径方向中央には、ウォーム支軸24が挿通可能な挿通孔32bが形成されている。この挿通孔32bにウォーム支軸24を挿通することにより、ウォーム支軸24にウォームホイール32が回転自在に支持される。
また、ウォームホイール32の一面32cとは反対側の他面32dには、径方向中央の大部分に凹部32eが形成されている。この凹部32eにピニオンギヤ33の一部が収容される。
図2、図3、図5に示すように、ピニオンギヤ33は、略円板状のベース部41とベース部41のウォームホイール32とは反対側にベース部41と同軸上に配置された略円柱状のピニオン本体42と、ベース部41のピニオン本体42とは反対側の面から突出する3つのピニオン凸部(係合凸部)43と、が一体成形されたものである。
ピニオン本体42の外周面には、スパーギヤ34と噛合される歯部42aが形成されている。ベース部41、及びピニオン本体42の径方向中央には、ウォーム支軸24が挿通可能な挿通孔44が形成されている。挿通孔44にウォーム支軸24を挿通することにより、ウォーム支軸24にピニオンギヤ33が回転自在に支持される。
ピニオン凸部43は、ウォームホイール32が回転するとピニオン係合孔37と係合し、ウォームホイール32とピニオンギヤ33とが共回りする。各ピニオン凸部43の先端には、周方向中央から両端にかけて軸方向の高さが減少するように楔部45が一体成形されている。楔部45は、傾斜面45aを有している。
また、ウォーム支軸24には、ピニオン本体42とボルト部材46との間に、平ワッシャ(図示無し)を挿入してもよい。
ここで、ドライブギヤ収容凹部19の深さは、ウォームホイール収容凹部18の深さと比較して浅く設定されている。具体的には、ドライブギヤ収容凹部19は、底部19aがベース部41と径方向で並ぶように形成されている。このため、ドライブギヤ収容凹部19に収容されたスパーギヤ34は、一部がウォームホイール32の一部とウォーム支軸24の軸方向で重なる。また、ピニオンギヤ33の歯部42aに、スパーギヤ34の外周面に形成された歯部34aが噛合される。
ドライブギヤ35は、略円板状のベース部52と、ベース部52におけるドライブギヤ収容凹部19の底部19aとは反対側に配置されたドライブ本体53と、が一体成形されたものである。
大径部54の外周面には、スパーギヤ34の係合凹部51に対応する位置に、これら係合凹部51に嵌る係合凸部54aが、径方向外側に向かって突出形成されている。係合凹部51に係合凸部54aが嵌ることにより、スパーギヤ34とドライブギヤ35とが相対回転不能に一体化される。これらスパーギヤ34とドライブギヤ35とにより、出力部50を構成している。
ドライブ本体53は、略円柱状に形成されている。ドライブ本体53、及びベース部41の径方向中央には、ドライブ支軸23が挿通可能な挿通孔58が形成されている。挿通孔58にドライブ支軸23を挿通することにより、ドライブ支軸23にドライブギヤ35が回転自在に支持される。
また、ドライブギヤ収容凹部19の底部19aには、ドライブギヤ35のベース部52に対応する位置に、ドライブ支軸23の軸方向からみて円環状の凸部57が一体成形されている。この凸部57に、ベース部52の大径部54が当接するように、ドライブギヤ収容凹部19に出力部50が収容される。出力部50は、ドライブギヤ収容凹部19の凸部57に大径部54が当接するだけなので、ドライブギヤ収容凹部19に対する出力部50の摺動抵抗を最小限に抑えることができる。
カバー15は、樹脂材料により略板状に形成されている。カバー15は、ケース14の開口部14aを閉塞するカバー本体61と、モータ収容部16の第1開口部16aを閉塞するモータ側カバー62と、が一体成形されている。
カバー15の外周部には、ケース14の雌ネジ座81に対応する位置に、取付座82が形成されている。取付座82には、ボルト80を挿通可能な挿通孔82aが形成されている。この挿通孔82aにケース14とは反対側からボルト80が挿入され、このボルト80がケース14に螺入される。これにより、ケース14にカバー15が締結固定される。
ここで、ボルト部材46の頭部46b、及びカバー15の軸受ボス65は、ケース14を車両等の取付対象100に固定するボルト座27の取付面27fに対し、ウォーム支軸24の基端側に設けられている。つまり、ボルト部材46の頭部46b、及びカバー15の軸受ボス65は、ボルト座27の取付面27fから取付対象100側に突出していない。
さらに、カバー本体61には、開口部67の周縁に、この開口部67とシール壁56との間をシールするためのシール部68が設けられている。シール部68は、例えばゴム等により形成されている。
ケース14内に収容されたクラッチ機構4は、ピニオンギヤ33のピニオン凸部43と、ウォームホイール32のピニオン係合孔37及びロック係合孔38と、ケース14のクラッチ収容凹部20と、ロックプレート70と、により構成されている。ピニオンギヤ33とウォームホイール32との間には、ウォームホイール32がウォームギヤ(図示せず)反力により浮いてくるのを防止するために平ワッシャ76が設けられている。クラッチ収容凹部20は、ウォーム支軸24の軸方向からみて略円形状に形成されている。また、クラッチ収容凹部20は、内周面20bの直径がウォームホイール32に形成されているピニオン係合孔37及びロック係合孔38の外周の直径とほぼ同等になるように形成されている。クラッチ収容凹部20の内周面20bには、底部20aからウォームホイール32側に向かうに従って徐々に拡径するように傾斜面(テーパ面)20cが形成されている。このように形成されたクラッチ収容凹部20に、ロックプレート70が収容されている。
図3、図7に示すように、ロックプレート70は、略円板状に形成されたプレート本体71を有している。プレート本体71の外径は、クラッチ収容凹部20の直径よりもやや小さく設定されている。また、プレート本体71の外周面には、クラッチ収容凹部20の傾斜面20cに対応するように、クラッチ収容凹部20の底部20aに向かうに従って先細りとなるように傾斜面(テーパ面)71aが形成されている。これらクラッチ収容凹部20の傾斜面20cとプレート本体71の傾斜面71aとが摺動される。
プレート本体71のウォームホイール32側の一面71bには、ウォームホイール32のロック係合孔38に対応する位置に、ロック係合孔38に挿入可能な3つのロック凸部73が突出形成されている。ロック凸部73は、ロック係合孔38の形状に対応するように形成されている。すなわち、ロック凸部73は、径方向外側に向かって末広がりとなるように、ウォーム支軸24の軸方向からみて略扇状に形成されている。ロック凸部73の周方向の幅は、ロック係合孔38の周方向の幅よりも小さく設定されている。ロック凸部73は、ウォームホイール32が回転するとロック係合孔38と係合し、ウォームホイール32とロックプレート70とが共回りする。
このような構成のもと、ケース14内に減速機構3及びクラッチ機構4を収納した状態では、ピニオン凸部43における楔部45の傾斜面45aとロックプレート70におけるロック凹部74の傾斜面74aとの間に、周方向に微小なクリアランスが形成される。
ここで、ウォームホイール32のピニオン係合孔37、ロック係合孔38、ピニオンギヤ33のピニオン凸部43、ロックプレート70のロック凸部73、及びロック凹部74の各々の形成位置、及び周方向の幅は、以下のように設定されている。
図8に基づいて、減速機付モータ1の動作、及びクラッチ機構4の作用について説明する。図8は、クラッチ機構4の作用説明であり、(a)~(c)は、クラッチ機構4を状態別に図示したものである。なお、以下の説明において、減速機付モータ1を、車両に搭載されているパワーウインドウ装置に用いた場合について説明する。また、以下の説明では、ウォームホイール32のロック係合孔38とロックプレート70のロック凸部73との係合状態については、図示を省略する。
ピニオンギヤ33が回転すると、これに噛合されているスパーギヤ34、及びスパーギヤ34と一体化されているドライブギヤ35(以下、総称して出力部50という場合がある)が回転する。すると、出力部50のドライブ本体53に噛合されているパワーウインドウ装置(不図示)に減速機付モータ1の回転が出力される。これによってパワーウインドウ装置が駆動し、車両のウインドガラスの開閉動作が行われる。
次に、減速機付モータ1の組立方法について説明する。
まず、回転軸7に、アーマチュアコア8及びコンミテータ9を組み付けてアーマチュア6を完成させておくとともに、回転軸7と一体化されたウォーム軸31に、軸受22a,22bを組み付けておく。また、ケース14のクラッチ収容凹部20の底部20aに、ウォーム支軸24を組み付けておく。さらに、ドライブギヤ35にスパーギヤ34を組み付けておく。
次いで、ケース14のモータ収容部16に、第1開口部16a側からブラシユニット10及びコネクタ部11を組み付ける。この際、コネクタ部11は、フレーム部12の開口部12aにアーマチュア6を予め挿入しておく。
次いで、ウォーム支軸24に、先端側から(ケース14の開口部14a側から)ロックプレート70、平ワッシャ76、ウォームホイール32、及びピニオンギヤ33を、この順で挿入する。その後、ウォーム支軸24の先端に形成されている雌ネジ孔24bに、ボルト部材46を締結する。
次いで、ケース14の開口部14a及びモータ収容部16の第1開口部16aを閉塞するように、これら開口部14a,16aの上からカバー15を組み付ける。この際、ウォーム支軸24の先端に取り付けられているコロホルダー90の筒状部91の外周面にカバー15に形成されている軸受ボス65を外嵌させる。そして、ケース14の雌ネジ座81にカバー15の取付座82の上からボルト80(図1参照)を締結固定する。これにより、ケース14へのカバー15の組み付けが完了する。カバー15を組み付けることにより、出力部50のドライブ支軸23からの抜けが規制される。
次に、ウォームホイール32、ピニオンギヤ33、及びロックプレート70が回転自在に支持されているウォーム支軸24の先端に設けられているボルト部材46の作用について説明する。
図3に示すように、ウォーム支軸24の先端に形成された雌ネジ孔24bにボルト部材46を締結すると、ウォーム支軸24の先端からはボルト部材46の頭部46bのみが突出する。つまり、ウォーム支軸24の先端にナットを締結した場合のように、ナットからウォーム支軸24の先端を突出させる必要がない。したがって、ボルト部材46の頭部46bまでを含んだ減速機構3の軸方向長さが小さくなる。これにより、減速機構3を主要するケース14及びカバー15内が小型化される。
さらに、ボルト部材46の頭部46b及びカバー15を、取付面27fよりもウォーム支軸24の基端側に設けることで、取付面27fから取付対象100側にボルト部材46の頭部46b及びカバー15が突出しない。これにより、減速機構3と取付対象100との間に、ボルト部材46の頭部46b及びカバー15との干渉を避けるためにスペースを確保する必要が無くなる。
さらに、クラッチ機構4は、ピニオンギヤ33のピニオン凸部43と、ウォームホイール32のピニオン係合孔37及びロック係合孔38と、ケース14のクラッチ収容凹部20と、ロック凹部74を有するロックプレート70と、により構成されている。そして、ピニオン凸部43の傾斜面45aと、ロック凹部74の傾斜面74aとが当接されることにより、ピニオンギヤ33が浮き上がろうとしてしまう。つまり、ピニオンギヤ33に、ウォーム支軸24の先端らの抜け方向の力が作用してしまう。しかしながら、ウォーム支軸24に締結されたボルト部材46により、ピニオンギヤ33のウォーム支軸24からの抜けも確実に防止できる。
次に、本発明の第二実施形態に係る減速機付モータについて、図面を参照して説明をする。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態とコロ47の構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図9は、本発明の第二実施形態における減速機付モータの構成を示す断面図である。図10は、本発明の実施形態におけるウォーム支軸の先端側に設けたナット、コロ、及びコロホルダーを示す断面図である。
図9、図10に示すように、本実施形態の減速機構3、減速機付モータ1においては、ウォーム支軸24の雌ネジ孔24bに締結されたボルト(ボルト部材)46Bの緩み止めとして、コロ47を備える。
図11は、本発明の実施形態におけるウォーム支軸の先端側に設けたナット、コロ、及びコロホルダーを、ウォーム支軸の軸方向からみた平面図である。
図10、図11に示すように、軸受ボス65の円筒状内周面65cと、ボルト部材46Bの平坦面46eとの間には、コロ(転動部材)47が設けられている。コロ47は、ウォーム支軸24周りの周方向に間隔をあけて複数、本実施形態では3つが設けられている。各コロ47は、ウォーム支軸24の軸方向から見て円形面を有し、ウォーム支軸24の軸方向に延びる円柱状をなしている。各コロ47は、ボルト部材46Bの平坦面46eの周方向中央部と、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間に挟み込まれている。コロ47の外径は、各コロ47は、ボルト部材46Bの平坦面46eの周方向中央部と、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間隔d(図11参照)と略同一に設定され、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間で転動可能に設けられている。
図9、図10、図12に示すように、これら複数のコロ47は、軸受ボス65の円筒状内周面65cと、ボルト部材46Bの平坦面46eとの間に設けられたコロホルダー90によって保持されている。
図10~図14に示すように、コロホルダー90は、樹脂製又は金属製で、円筒状の筒状部91と、筒状部91の周方向に間隔をあけて複数形成されたコロ収容凹部(転動部材収容部)92と、コロ収容凹部92に設けられたコロ受け部(受け座部材)93と、を一体に有する。
これにより、カバー本体61にウォーム支軸24の先端が、ボルト部材46B、コロ47、及び軸受ボス65を介し、ケース14に固定されたカバー15に支持される。
次に、ウォームホイール32、ピニオンギヤ33、及びロックプレート70が回転自在に支持されているウォーム支軸24の先端に設けられているボルト部材46Bの作用について説明する。
図11に示すように、ボルト部材46Bに形成された各平坦面46eと、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間隔は、平坦面46eの周方向中央部から周方向両側に向かって漸次狭くなる。コロ47は、平坦面46eと円筒状内周面65cとの径方向の間隔dが最大である平坦面46eの周方向中央部で平坦面46eに当接するよう設けられている。ウォーム支軸24に対してボルト部材46Bが回転しようとすると、平坦面46eがコロ47に対して周方向に移動し、コロ47が設けられた部分において、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間隔が狭まろうとする。しかし、コロ47が設けられた部分において、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間隔は、コロ47の直径以下にはならない。このため、コロ47によって、ボルト部材46Bの回転が拘束される。これにより、ウォーム支軸24の先端に締結されたボルト部材46Bが緩むことが防止される。
さらに、上述の実施形態では、ボルト部材46Bの平坦面46eと、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間に、コロ47が設けられている。これにより、ウォーム支軸24に対してボルト部材46Bが回転しようとすると、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間に設けられたコロ47によって、ボルト部材46Bの回転が拘束される。したがって、減速機構3、及び減速機付モータ1において、ウォーム支軸24に装着したボルト部材46Bが緩むのを確実に防止することができる。
また、このような構成において、ウォーム支軸24の先端側からウォームホイール32を組み付けてケース14内にウォームホイール32を収納することができるので、減速機構3の組立作業を容易化できる。
例えば、上記第二実施形態では、コロ47によってボルト部材46の緩み止めがなされているので、緩み止め機能を備えない通常の円環状のワッシャを用いることも可能である。
また、コロ47は、円柱状に限らず、球形等であってもよい。
また、上述の減速機付モータ1を、車両のウィンドウレギュレータ等の駆動源に適用した場合について説明したが、これに限られない。上述の減速機付モータ1は、ワイパーモータ、サンルーフ、電動シートなどの駆動源、さらには、車両以外の電装品など、さまざまな装置にも適用可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
Claims (4)
- ケースのベース面に一端が固定され、他端に雌ネジ孔が形成されたシャフトと、
前記シャフトに回転可能に支持され、外部動力の回転力により回転する少なくとも1つのギヤと、
前記シャフトの前記雌ネジ孔に締結され、前記シャフトの外周面よりも径方向外側に張り出して前記ギヤの前記シャフトからの抜けを防止する頭部を有するボルト部材と、
前記ケースに固定され、前記ケースの前記ベース面に対向する側に形成された開口部を閉塞するカバーと、
を備え、
前記ケースには、取付対象に前記ケースを固定する取付面を有する複数の座部が形成されており、
前記カバーは、有底円筒状に形成され内側に前記頭部が収容される軸受ボスを有し、
前記ボルト部材の前記頭部、及び前記カバーの前記軸受ボスは、前記取付面に対し、前記取付面から前記取付対象側にボルト部材の前記頭部及び前記カバーが突出しないように前記シャフトの一端側に設けられている
ことを特徴とする減速機構。 - 前記ケースに、
前記外部動力の回転力が入力されるウォーム軸と、
前記ウォーム軸に噛合されるウォームホイールと、
前記ウォームホイールと同軸上に配置され、前記ウォームホイールと一体となって回転可能な平歯車と、
前記平歯車に噛合され、外部機器に回転力を伝達する出力部と、
が収納されており、
前記ギヤは、前記ウォームホイール及び前記平歯車である
ことを特徴とする請求項1に記載の減速機構。 - 前記ケースに収納され、前記ウォームホイールからの回転を前記平歯車に伝達するとともに、前記平歯車からの回転が前記ウォームホイールに伝達されてしまうことを阻止するクラッチ機構をさらに備え、
前記クラッチ機構は、
前記ウォームホイールに軸方向に貫通形成された複数の係合孔と、
前記平歯車に形成され前記係合孔に挿入される係合凸部と、
前記ウォームホイールの前記平歯車とは反対側の面に配置され、前記係合凸部の先端面と突き合わされる受入れ面を有するとともに、前記ケースと摺動可能、かつ前記ケースによって軸方向への移動が規制されたロックプレートと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の減速機構。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減速機構と、
前記減速機構に連結されたモータと、
を備え、
前記モータは、前記外部動力である
ことを特徴とする減速機付モータ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018168762A JP7199183B2 (ja) | 2018-09-10 | 2018-09-10 | 減速機構、及び減速機付モータ |
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