JP2009121607A - 電磁クラッチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータによって回転駆動されるウォームホイール2と、電磁コイル5を有するロータ4と、ウォームホイール2の側に取り付けられ、電磁コイル5への電力供給時にロータ4に吸着されて当該ロータ4と一体回転するアーマチャ3とを備え、アーマチャ3に板バネ部材10を取り付けるとともに、アーマチャ3をウォームホイール2の側に付勢しつつアーマチャ3をウォームホイール2に保持するよう、ウォームホイール2と板バネ部材10とを係合してある。
【選択図】図3
Description
また、この電磁クラッチは、背景技術の欄でも説明したように、電磁クラッチの給電状態/非給電状態に関係なく、常にアーマチャがロータに当接した状態となるため、車両用ドアを手動で開閉操作する場合において、アーマチャとロータとの擦れによる異音が発生し易いという問題もある。
さらに、上記係合を行った状態では、板バネ部材によってアーマチャがウォームホイールの側に弾性付勢されつつ保持されているので、電磁コイルに電力を供給していない非給電時には、アーマチャはロータから確実に引き離される。このため、車両用ドアを手動で開閉操作する場合でも、アーマチャとロータとの擦れによる異音が発生することはなく、少ない力で操作することができる。また、アーマチャは板バネ部材によってウォームホイールの側に引き寄せられるので、振動による接触音等も発生しない。
また、この当接部はウォームホイールの回転方向の衝撃を吸収することができるので、例えば、振動による接触音や、駆動・停止に際しての打音の発生をより確実に抑制することができる。
そこで、本構成の電磁クラッチでは、アーマチャとウォームホイールとの間に回転抑制部材を設けてある。これにより、ウォームホイールがアーマチャに対して過剰に相対回転するような場合でも、ウォームホイールの相対回転が所定角度に抑制されるので、板バネ部材の塑性変形を防止することができる。
また、ウォームホイールとアーマチャとは回転抑制部材を介して確実に当接するので、一旦両者が当接すれば、その後は回転駆動力の伝達速度に遅れは生じない。つまり、初期の伝達速度の遅延を最小限に抑制することができる。
図1〜4に示すように、本発明の電磁クラッチ1を採用した車両用ドアの開閉装置Aは、ギア側カバー部材91と給電部側カバー部材92とからなるカバー部材9の内部に、車両用ドアの駆動源である電動モータM、電動モータMに直結されたウォームギア103、ウォームギア103と噛合するウォームホイール2、ウォームホイール2と一体回転するアーマチャ3、アーマチャ3と協同で電磁クラッチ1を構成する電磁コイル5を内蔵したロータ4、ロータ4の回転を伝達するクラッチシャフト100、電磁コイル5に対して電力を供給する給電部S、及び電磁クラッチ1を接続/切断するように給電部Sを制御する制御部Eを備えている。
先ず、電磁クラッチ1の構成について説明する。図5は、ウォームホイール2へのアーマチャ3の取付態様を示す分解図である。図6は、ウォームホイール2へのアーマチャ3の取付部を示す要部拡大断面図である。図7は、電磁クラッチ1の分解斜視図である。
ロータ4には、図7に示すように、アーマチャ3との対向面の外周付近に沿って電磁コイル5が巻回されたボビン50を収納する環状の凹部41が形成される。この凹部41は、底部から上方に行くに従って、凹部41の内周壁部42の内径が小さくなるように、内周壁部42が傾斜して形成される。一方、凹部41の外周壁部43は略垂直に立設される。従って、底部から上方に行くに従って、凹部41の幅が大きくなる。
このロータ4において、磁場の通過面積が、外周壁部43の側と内周壁部42の側とで等しくなるように、外周壁部43のアーマチャ3と対向する端面43aの面積と、内周壁部42のアーマチャ3と対向する端面42aの面積とが等しく設定される。つまり、端面42aの周方向に垂直な方向の幅が、端面43aの周方向に垂直な方向の幅よりも大きく設定される。
そこで、このロータ4では、ロータ4の外周部近傍の所定領域のみがアーマチャ3と当接するように構成される。具体的には、外周壁部43が内周壁部42よりも高く形成され、アーマチャ3を吸着した際に、外周壁部43の端面43aのみがアーマチャ3と当接する。このような構成とすることにより、アーマチャ3とロータ4との当接部位を一定に保ち、回転トルクを一定に保つことができる。
次に、電磁クラッチ1の動作について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、電磁クラッチ1が切断状態にある場合を示す。給電部Sから電磁コイル5に対して電力供給が行われていない非給電時では、アーマチャ3は板バネ部材10によってウォームホイール2の側に弾性付勢(弾性保持)されている。このため、アーマチャ3とロータ4との間には隙間が存在し、電磁クラッチ1は切断状態となる。この切断状態では、図示しない車両用ドアは電動モータMに直結していないので、手動での開閉操作を少ない力で容易に行うことができる。また、アーマチャ3とロータ4との擦れによる異音が発生することもない。さらに、アーマチャ3は板バネ部材10によってウォームホイール2の側に引き寄せられているので、振動による接触音(いわゆる、カタカタ音)等も発生しない。
本発明の電磁クラッチ1は、ウォームホイール2へのアーマチャ3の取付状態を工夫したことにより、「部品点数の低減」、及び「組み立ての容易化」を達成する。
図5及び図6に示すように、アーマチャ3は、板バネ部材10を介してウォームホイール2に取り付けられる。アーマチャ3と板バネ部材10とはカシメピン40で固定される。ウォームホイール2には、複数の係合孔21(図5に示す実施形態では3つの貫通孔)が形成されている。アーマチャ3に固定される板バネ部材10には、前記複数の係合孔21に対応する位置に複数の係合爪11(図5に示す実施形態では3つの鍵状突片)が形成されている。ここで、板バネ部材10の側の係合爪11をウォームホイール2の側の係合孔21に貫通させて係合する。これにより、アーマチャ3はウォームホイール2に吊り下げられた状態で取り付けられる。また、この状態においては、アーマチャ3は板バネ部材10によってウォームホイール2の側に弾性付勢されつつ保持されている。このため、アーマチャ3はロータ4から確実に引き離される。また、係合爪11と係合孔21とが係合することにより、ウォームホイール2の側からアーマチャ3の側へ回転駆動力が伝達される。
この当接形態においては、当接部12はウォームホイール2の回転トルクの一部を負担することになる。このため、ウォームホイール2の側からアーマチャ3の側への駆動力の伝達が良好になる。例えば、入力された駆動力に対する応答速度が向上する。
また、当接部12はウォームホイール2の回転方向の衝撃を吸収することができる。その結果、例えば、振動による接触音や、駆動・停止に際しての打音の発生をより確実に抑制することができる。
電動モータMがウォームギア103を介してウォームホイール2を回転させると、ウォームホイール2の被当接部22と板バネ部材10の当接部12とが回転方向において弾性的に当接し、次いでアーマチャ3に回転駆動力が伝達される。ところが、ウォームホイール2がアーマチャ3に対して過剰に相対回転すると、板バネ部材10が弾性変形可能な領域を超えて塑性変形するおそれがある。例えば、板バネ部材10の当接部12が過大な力を受けて塑性変形すると、ウォームホイール2とアーマチャ3との間で回転方向の隙間(遊び)が生じ、異音の原因となる。また、板バネ部材10の係合爪11が塑性変形した場合には、ウォームホイール2に対するアーマチャ3の取付状態が変化し、電磁クラッチ1の接続/切断操作に悪影響を及ぼすこともある。
なお、例えば、板バネ部材10に所定以上の厚みを持たせることにより、板バネ部材10のみでウォームホイール2の回転駆動力を負担できる場合には、上述した回転抑制部材を設ける必要はない。
通常、ウォームホイール2には潤滑のためのグリースが塗布されている。ところが、このグリースがアーマチャ3に付着すると、アーマチャ3とロータ4とが接続されたときにロータ4の摩擦面にグリースが付着し、回転駆動力の伝達に悪影響を及ぼすおそれがある。
次に、電磁コイル5への給電を行う給電部Sの構成について説明する。
図8は、給電部Sの分解図である。図9は、給電部Sの内部平面図である。図10は、給電部Sの給電部側カバー部材92への固定状態を示す斜視図である。
先ず、スリップリング固定部材8へのスリップリング87,88の取り付けについて説明する。図8に示すように、スリップリング87,88の爪部87a,88aを、上方から開口部83a,84aに挿入し、スリップリング87,88を回転させることにより、爪部87a,88aがスリット83b,84bに挿入される。このとき、爪部87a,88aを折り返して形成した端子部87b,88bがスリットから裏面の側へ突出する。
なお、スリップリング87,88は、スリップリング固定部材8にインサート成形にて固定してもよい。
なお、ブラシ部材76は、ブラシ固定部材7にインサート成形にて固定してもよい。
なお、スリップリング87,88に対するブラシ部材76の配置は、厳密にロータ4の中心部(回転軸心)を挟んで対向していなくても、ブラシ固定部材7がブラシ部材76によって全体的に持ち上げられる状態であれば、多少のずれは許容される。
スリップリング固定部材8に形成された係合部86が給電部側カバー部材92に形成された穴部92aに係合して、スリップリング固定部材8が固定される。このとき、スリップリング固定部材8に形成された位相決め突起85が給電部側カバー部材92に形成された穴部92eに挿入されることにより、導電部材92cとスリップリング87,88の端子部87b、88bとの回転位相とが一致する。これにより、導電部材92cとスリップリング87,88とが互いに接触し、電気的に接続される。
(1)上記実施形態では、板バネ部材10の側に係合爪11を形成し、ウォームホイール2の側に係合孔21を形成したが、これとは反対に、板バネ部材10の側に係合孔を形成し、ウォームホイール2の側に係合爪を形成しても構わない。この場合、板バネ部材10を適切な厚みに形成し、板バネ部材10の係合孔の位置に対応するアーマチャ3の表面部分に係合爪の先端部を突出させるための凹部空間を設ければよい。
2 ウォームホイール
3 アーマチャ
4 ロータ
5 電磁コイル
10 板バネ部材
11 係合爪
12 当接部
13 鍔部
21 係合孔
22 被当接部
41 凹凸部材(回転抑制部材)
M 電動モータ
Claims (5)
- モータによって回転駆動されるウォームホイールと、
電磁コイルを有するロータと、
前記ウォームホイールの側に取り付けられ、前記電磁コイルへの電力供給時に前記ロータに吸着されて当該ロータと一体回転するアーマチャとを備え、
前記アーマチャに板バネ部材を取り付けるとともに、前記アーマチャを前記ウォームホイールの側に付勢しつつ前記アーマチャを前記ウォームホイールに保持するよう、前記ウォームホイールと前記板バネ部材とを係合してある電磁クラッチ。 - 前記板バネ部材に形成された係合爪を前記ウォームホイールに形成された係合孔に係合させて、前記アーマチャを前記ウォームホイールに弾性付勢しつつ保持する請求項1に記載の電磁クラッチ。
- 前記板バネ部材が前記ウォームホイールの回転方向に沿って弾性力を発揮する当接部を備えるとともに、前記ウォームホイールが前記当接部を内嵌する被当接部を備えている請求項1又は2に記載の電磁クラッチ。
- 前記アーマチャに対する前記ウォームホイールの相対回転を所定角度に抑制する回転抑制部材を、前記アーマチャと前記ウォームホイールとに亘って設けてある請求項1〜3の何れか一項に記載の電磁クラッチ。
- 前記板バネ部材の外径を前記アーマチャの外径より大きく形成し、前記板バネ部材の周囲に前記アーマチャの側に折り曲げた鍔部を設けてある請求項1〜4の何れか一項に記載の電磁クラッチ。
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