JP4743458B2 - 水分検出装置、生体中水分検出装置、自然産物中水分検出装置、および製品・材料中水分検出装置 - Google Patents
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Description
(1)赤外域にまで受光感度を持ち、近赤外域にも受光感度をもつPD、またはそのアレイ。このようなフォトダイオードには、たとえばゲルマニウム(Ge)系PD、硫化鉛(PbS)系PD、HgCdTe系PD、またはその一次元アレイ、二次元アレイがある。
(2)InP系PD、そのInP系PDの範疇に入るInGaAs系PD、またはそのアレイ。これらは、近赤外域の波長1.7μm以下に受光感度を持つ。ここで、InP系PDとは、InP基板に形成されるIII−V族化合物半導体の受光層を含むPDをいい、InGaAs系PDも含まれる。
(C1)常温で硫化鉛(PbS)を用いて、水の吸収帯のうち、波長1.8μm〜1.95μmの吸収帯を、水分含有率の測定に用いる方法が開示されている(特許文献1、2)。
(C2)赤外線撮像素子によって、波長1.2μm〜2μmの光によって画像を形成する方法が開示されている(特許文献3、4)。この方法では、赤外線撮像素子の内容は明記していないが、液体窒素またはペルチエ素子によって冷却されたPbS系PDの二次元アレイが用いられていると考えられる。
(C3)InGaAsPINフォトダイオードを用いた測定装置を用いたものもある(特許文献5、6)。また、使用する波長域からInGaAsPINフォトダイオードと推定される水分検出方法の提案もある(特許文献7)。
(C4)赤外線検出器にどのような素子を用いているか、明確な記述がないものも多い(特許文献8〜11)。この場合、赤外線センサまたは赤外線検出器という名称を受光部(赤外線を受けて電圧を発生する素子)に用いていること、および測定に用いる波長から、(C1)の硫化鉛またはそれに類似のものである可能性が高い。
T.Murakami, H.Takahashi, M.Nakayama, Y.Miura, K.Takemoto, D.Hara,"InxGa1-xAs/InAsyP1-y detector for near infrared(1-2.6μm)", Conference Proceedings of Indium Phosphide and Related Materials 1995, May, Sapporo, pp.528-531 R.Sidhu,"A Long-Wavelength Photodiode on InP Using Lattice-Matched GaInAs-GaAsSb Type-II Quantum Wells, IEEE Photonics Technology Letters, Vol.17, No.12(2005), pp.2715-2717
(1)III−V族化合物半導体により近赤外域用の受光層を形成したとき、その受光層のバンドギャップエネルギより大きいバンドギャップエネルギを窓層に用いる場合があり、その場合、格子整合性等も考慮して、半導体基板と同じ材料が用いられることが多い。拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギは、窓層のバンドギャップエネルギより小さく、受光層のバンドギャップエネルギより大きいことを前提としている。受光層のバンドギャップエネルギより小さい場合には、エピタキシャル層表面を入射面とする構造を採用したとき、拡散濃度分布調整層が対象とする光を吸収し、受光層の受光感度を低下させるからである。
(2)窓層に通常用いられる大きなバンドギャップエネルギの材料よりも小さいバンドギャップエネルギの材料を用いることにより、不純物濃度を低くしても電気抵抗増大の程度、または電気伝導度の低下の程度を小さくすることができる。この結果、上記のように電圧印加状態において応答速度の低下を抑制できる。
これによって、表面トップ側に位置する電極の界面抵抗を抑えながら、またはオーミック接触を可能にしながら、かつ多重量子井戸構造の良好な結晶性を確保することができる。拡散濃度分布調整層内の部分における低い不純物濃度に起因する電気抵抗の増大または電気伝導度の低下の問題は、上記のように、拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギをInP相当のそれよりも小さくすることにより軽減することができる。
図1は、本発明の実施の形態における受光素子10を示す断面図である。図1によれば、受光素子10は、InP基板1の上に次の構成のIII−V族半導体積層構造(エピタキシャルウエハ)を有する。
(InP基板1/InPバッファ層2/InGaAsまたはGaInNAsとGaAsSbとの多重量子井戸構造の受光層3/InGaAs拡散濃度分布調整層4/InP窓層5)
InP窓層5から多重量子井戸構造の受光層3にまで届くように位置するp型領域6は、SiN膜の選択拡散マスクパターン36の開口部から、p型不純物のZnが選択拡散されることで形成される。受光素子10の周縁部の内側に、平面的に周囲限定されて拡散導入されるということは、上記SiN膜の選択拡散マスクパターン36を用いて拡散することによって達せられる。
本実施の形態における特徴は、次の要素で構成される点にある。
1.多重量子井戸構造は、選択拡散で不純物を高濃度に導入した場合、その構造が破壊されるため、選択拡散による不純物導入を低く抑える必要がある。通常、上記の拡散導入するp型不純物の濃度を5×1016/cm3以下とする必要がある。
(InP基板101/InPまたはInGaAsバッファ層102/(GaInNAs/GaAsSb)多重量子井戸構造の受光層103/InP窓層105)
本発明の実施の形態における積層構造と比較して、拡散濃度分布調整層がないことが相違点である。すなわち、InP窓層105の直下に、多重量子井戸構造の受光層103が配置されている。
(1)拡散導入時間を短時間に限定して、高濃度領域が多重量子井戸構造103内にかからないようにする。
(2)InP窓層105の厚みを厚くして、拡散濃度分布調整層の役割をInP窓層105に分担させる。
図6は、上記の(1)および(2)の場合を検討するための参考例2における受光素子110を示す断面図である。参考例2の受光素子110では、参考例1の受光素子とほぼ同じ積層構造を有するが、InP窓層105の厚みは、参考例1よりも厚くしており、上記(2)の場合に対応するが、(1)の場合も検討することは可能である。図6の積層構造において、多重量子井戸構造103内にZnの高濃度領域を形成しないように選択拡散を行った結果、得られたのが図7に示すZn濃度分布である。図7に示すZn濃度分布の場合、InP窓層105内において、Zn濃度は、高濃度から低濃度へと急峻に低下し、受光層側のInP窓層105内において、1×1016/cm3程度の低濃度不純物領域が形成される。
1.水分検出装置における撮像装置(水分布像形成装置)の構造
図8は本発明の実施の形態2における水分検出装置に含まれる撮像装置(受光素子アレイ)の概要を示す図である。レンズなどの光学部品は省略してある。図9は、上記の撮像装置の受光素子アレイを説明するための図である。図10は、図9の受光素子アレイ50のうちの1つの受光素子を示す図である。図8において、この撮像装置70は、共通のInP基板51の上に形成された受光素子10がエピタキシャル層側を、実装基板の機能を有するマルチプレクサ71に向けて、いわゆるエピダウン実装されている。各受光素子10のエピタキシャル層のp型領域6と電気的に接続されるp側電極11と、共通のn型InP基板51(1)に設けられるn側電極12とは、マルチプレクサ71に接続され、電気信号をマルチプレクサに送り、マルチプレクサ71では各受光素子における電気信号を受けて、対象物の全体像を形成する処理を行う。n側電極12およびp側電極11は、それぞれはんだバンプ12b,11bを介在させてマルチプレクサ71と電気的に接続される。入射光は、InP基板51の裏面に形成したAR(Anti-Reflection)膜35を通して導入され、p型領域6と受光層3との界面であるpn接合15で受光される。p型領域6は、保護膜を兼ねるSiNのZn拡散マスク36の開口部から導入される。Zn拡散マスクパターン36は、その上に形成された保護膜のSiON膜パターン43とともにそのまま残される。受光素子アレイおよび各受光素子の構造については、図9および図10を用いて、次に詳しく説明する。
(1)実施の形態3−メロン表皮の水分布像形成装置−
マスクメロン、夕張メロン、アンデスメロンのように、表皮に縞(ネット)を有するネット系メロンにおいては、出荷に際し、メロンの外観の評価を行う。従来は、メロンをカラーカメラで撮影し、そのカラー画像の色情報に基づいて表皮の地の部分と縞の部分とを識別することで評価していた。この方法に従う評価方法では、個体差に起因する着色度の差異や照明むらの影響を受けやすいので、識別精度が低いという欠点があった。そこで、メロンにおける表皮の地と縞では、水分の含有量に差異があることに着目して、近赤外光を用いて識別する方法が提案されている。この方法は、メロンの表皮の地の部分は水分量が多く、縞の部分は、水分量が少ないことを利用する。
籾摺りロールで籾摺りし風選した後の摺落米(混合米)や、揺動選別による選別された状態や、玄米揚穀機から取り出された玄米などについて、籾混入率を高精度で知ることは重要である。従来は、光学センサによって穀粒表面の色彩差によって、籾と玄米とを判別することによって、籾混入率を測定していた。しかし、籾は籾殻に水分を含まず、籾から籾殻をはぎ取られ籾摺りされた玄米は、籾殻に比較して、表面に多くの水分を含んでいる。このため、たとえば波長1.45μmの光を、一粒の籾および一粒の玄米に照射して反射光をフォトダイオード(PD)で受光すると、図16に示すような、発生電圧の相違を生じる。すなわち、籾の反射像は明るく、玄米の反射像は暗い。そこで、籾のPD発生電圧と、玄米のPD発生電圧との間に、しきい値を設け、2値判断することで、籾と玄米とを明確に識別することができる。これは、青米であっても、籾殻の水分量とその中身の水分量とは、大きく相違するので、光学センサによる方法のように、判別誤差を生じない。着色米についても同様である。
撮像装置70を含む水分検出装置100は、フィルタ72をかけた穀粒群からの反射光に基づき、その制御部85の画像処理用コンピュータ85bによって水分布像を形成し、その像を表示装置85cに表示する。揺動選別板211上の穀粒群の水分布像において、籾は明るく、玄米や青米は暗い。しきい値をかけているので、この明暗は強調される。このため、制御部85の画像処理用コンピュータ85bは、面積占有率などを簡単に演算することができ、画像の統計処理によって、揺動選別板上の穀粒群の籾混入率を迅速に求めることができる。しかも、使用する波長については、図13に示す水の吸収スペクトルのうちのどの波長を用いてもよい。たとえば、1.4μm付近の光、および1.9μm付近の光を用いることができる。
ここでは、特定の課題を解決するのではなく、生体中とくに光に敏感な眼における水分布の検出に、本発明に係る生体中水分検出装置または水分布イメージング装置が有用であることを提唱する。
(1)実施の形態5−眼の水分布像−
図18は、本発明の実施の形態5における生体中水分検出装置(眼の水分布像形成装置)100を示す図である。眼の不具合には、乾き眼、なみだ眼、など水分と関連した症状が多い。このような症状が出たとき、図18に示すように、角膜Cだけでなく、眼Eの前面すべての水分布イメージをとることで、その症状を評価することができる。たとえば涙腺に対応する箇所で、水濃度が異常に高いなどを検出することが可能である。凹面鏡76は近赤外光に対する反射率が大きいものを用いるのがよく、たとえば金(Au)で形成したものを用いる。凹面鏡76は、眼の正面ではなく傍らに位置して、眼の各部から出た光を反射して、眼の各部の像を撮像装置70に結像させるようにする。フィルタ72は、水の吸収帯に属する1.4μm付近の光または1.9μmの付近の光を透過させるものがよい。制御部85のマイクロコンピュータ85bは、撮像装置70の画素の出力信号に基づいて、眼Eにおける水分布像を形成し、表示装置85cに表示する。本発明に係る撮像装置70は、たとえば図8に示すものを用いるのがよい。暗電流が低く、長波長側にまで感度が高いため、S/N比の高い、鮮明な水分布像を得ることができる。このため、眼における水の果たす作用、水の動きなどの理解に役立つ。
ArFエキシマレーザを用いて、角膜を蒸散させ、精密な角膜矯正手術を行う方法が知られている。このような角膜矯正手術は、矯正量の制御性がよい、手術が自動化されている、安定性に優れる、術後の感染性副作用が少ない、角膜の強度低下が少ない等の利点を有している。しかしながら、上記の角膜矯正手術は、弱度近視と中程度近視に対する臨床試験結果は有効であるのに対し、ArFエキシマレーザによる角膜中央部へのレーザ照射回数を増加させると、生体液の角膜表面への浸出が顕著になり、角膜の蒸散が進まなくなる。このため、強度近視に対して予定した矯正量を得ることができず、手術の成功率が悪くなるという問題があった。角膜にArFエキシマレーザを照射したとき、蒸散時に角膜表面から発生するキノコ状の噴霧を取り除くために窒素ガスを吹き付けると、表面が乾燥して蒸散面の平滑化が悪化するという問題があった。
顔面の水分布像が、医学的または美容的に、どのような利用価値をもつか明確にすることはできない。しかし、本発明に係る撮像装置70を用いれば、図23に示すように、顔面の鮮明な水分布像を得ることができる。また、上述のように、顔面の水分布像の撮像には、アイセーフが問題とされる。本発明に係る撮像装置70は、微弱な信号でも鮮明な像を得ることができるので、光源を用いずにSWIR宇宙光を用いることができる。また、光源を用いる場合でも、発光強度の低い光源を用いることができる。このため、アイセーフの問題を克服するのが容易である。
図24は、本発明の実施の形態における、ツメ、毛髪、皮膚Sなど生体の各部の水分検出装置100を示す装置を示す図である。図24では、反射光を検出に用いることを想定しているが、透過光を用いてもよい。光源73は1.4μm付近および1.9μm付近の光を含む光を出射する。投光用光ファイバ81を経て、上記の生体各部Sに照射され、反射された光は受光用光ファイバ82を経て、分光検出装置91に入力される。分光検出装置91では、回折格子などの分光器で分光し、たとえば一次元受光素子アレイ50によって波長域ごとに受光して、反射光の強度を測定する。制御部85では、予め記憶された検量線をもとに、演算部85bにおいて波長域ごとの反射光の強度をもとに水分を求め、その結果を表示部85cに表示し、また記録媒体86に記録する。
(1)実施の形態9−自動排油装置への適用−
図25は、自動排油装置を説明する図である。この自動排油装置は、油水分離器内の油を自動的に排出するために用いられる。図25において、原水入口504から油水分離器511へと油と水が流入する。油は水よりも軽いので液面512の近傍には、主として油が存在する。液面より少し下に排油入口513があり、この排油入口513から流入する油と水が、センサ入口508と、オンラインセンサ(水分検出装置)100内に設置したポンプ514とを経て、原水入口504に接続したセンサ出口509へ送られる。
図27は、本発明の実施の形態10における紙製品中の水分とセルロースを検出する装置を示す図である。図27に示す装置では、3つの波長の光A、B、Cを用いる。
A:水分にもセルロースにも吸収を受けない光。たとえば波長1.8μmの光
B:水分の吸収を受ける波長域の光。たとえば波長1.94μmの光
C:セルロースの吸収を受ける波長域の光。たとえば波長2.1μmの光
図28は、本発明の実施の形態11における製品・原料中水分検出装置100を示す図である。汚泥には多くの種類があり、たとえば下水汚泥を例にしても初沈汚泥、余剰汚泥、消火汚泥、およびこれらの混合汚泥などのように処理工程によって数種類の汚泥が発生する。さらに脱水処理工程に送られる汚泥は、刻一刻と変化する。この場合、脱水ケーキの性状によっては、水の吸収帯の波長の光に重なる吸収をもつものが現れる。このとき、脱水ケーキの性状の変化に応じて、一方の水の吸収波長から他方の水の吸収波長へと、重なる部分が変わる場合などが普通に生じる。このため、脱水ケーキの性状に応じて、水分量を求める波長を適切に選択する必要がある。
Λ1:1320nm(水分と油脂とによる吸収(S1,X1))
Λ2:1360nm(参照光(R))
Λ3:1450nm(水分による吸収(S2))
Λ4:1540nm(水分と蛋白質とによる吸収(S3,X2))
Λ5:1590nm(水分と蛋白質とによる吸収(S4,X3))
Λ6:1760nm(油脂による吸収(X4))
検査対象物について、上記の波長の電圧信号が得られる。各波長に付したS1などの符号は、S1〜S4は水分検出用データとして用い、X1〜X4は性状判別用データとして用いることを示す。
図29は、本発明の実施の形態12における石炭中の水分検出装置を示す図である。光源73からの光は、石炭Gに反射されて集光レンズ87によって平行光線とされ、分光器91によって分光される。石炭Gは、石炭粉末を押し固めたものであり、石炭の反射光ではなく、透過光を用いてもよい。分光された光を、波長別に受光するために配置された受光素子10または受光素子アレイ50が出力する電気信号は、制御部85に読み出される。電気信号は、制御部85の入力インターフェイス85aに入力される。制御部85のスペクトル形成部85jでは、受光素子10または受光素子アレイ50の出力信号に基づき近赤外域スペクトルを形成する。制御部85は、中央演算処理装置85b、入力装置85d、回帰モデル記憶装置85f、表示装置85cを、主要部として構成されている。その他、回帰モデル記憶装置のインターフェイス(メモリ駆動回路)、出力装置のインターフェイスなども含んでいる。
図30は、衣類乾燥機610で乾燥中の衣類Lの水分検出装置100を示す図である。この衣類乾燥機610における、外槽や送風機等は省略してある。洗濯を終えた衣類Lは湿った状態で、衣類収納ドラム603に収納され、回転される。衣類収納ドラム603の外側には内槽602が位置し、さらにその外側に、図示を省略された外槽が位置している。乾燥中の衣類Lの水分検出装置100では、近赤外光の光源73として、発光ダイオードLED(Light Emitting Diode)などを用いるのが、限定的なスペースを活用する上で好ましい。LEDの光の波長は、1.4μm付近または1.9μm付近の光を発光するものがよい。
回転する衣類収納ドラム603には、フィルタの窓614,615が設けられていて、回転中のある瞬間に、光源73→窓614→窓615→受光素子10が、一直線に並ぶようにする。
上記の実施例では、油水、石炭、汚泥ケーキ、紙製品、衣類、についての例をあげたが、これらに限定されず、フィルム、樹脂、おむつ等への適用も可能である。
本発明の受光素子アレイの素子間隔または画素ピッチをどの程度まで小さくできるか、図32に示す受光素子アレイを用いた実施例によって検証した。受光素子間隔または画素ピッチは、図32に示すように、SiN選択拡散マスクパターン36の非開口部の幅である。Znの選択拡散の後に、p側電極11はAuZnにより、またn側電極12はAuGeNiにより、それぞれ形成した。図3の場合、InP基板1にFeドープの半絶縁性基板を用いているので、高濃度不純物のバッファ層2にn側電極12を設けているが、図1に示すようにn型InP基板を用いる場合には、基板裏面にn側電極を設けてもよいし、または基板表面側に基板と隣接するn型半導体層(たとえばバッファ層2)にn側電極を設けてもよい。本実施例では、図3の受光素子アレイのp側電極11とn側電極12との間に5Vの逆バイアス電圧を印加して、暗電流を測定した。InP窓層5の厚みは0.6μmと1.6μmの2種類について、また素子間隔は3μm〜20μmの範囲にわたって7種類の素子間隔について、それぞれ受光素子アレイを製造して、暗電流を測定した。拡散濃度分布調整層4の厚みは1μmとした。
Claims (14)
- III−V族半導体基板に形成され、pn接合を受光層に含む、III−V族半導体による受光素子またはその受光素子のアレイを備え、検査対象物の水分を検出する装置であって、
前記受光層がIII−V族半導体の多重量子井戸構造を有し、
前記pn接合は、不純物元素を受光層内に選択拡散して形成したものであり、
前記III−V族半導体基板と反対側の前記受光層の面に接して、III−V族半導体の拡散濃度分布調整層を備え、その拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギが、前記III−V族半導体基板のバンドギャップエネルギより小さく、
前記受光層における前記不純物濃度が、5×1016/cm3以下であり、
前記拡散濃度分布調整層の拡散前のn型不純物濃度が、2×1015/cm3以下であり、該拡散濃度分布調整層は、受光層側の厚み範囲に低い不純物濃度範囲を有し、
前記検出装置は、検査対象物から反射された光のうち、第1波長域1.35μm以上1.8μm未満、第2波長域1.8μm以上2.0μm未満、および第3波長域2.5μm以上3.0μm未満の、3つの波長域のうち、少なくとも2つの波長域の光に対して感度を有しており、当該感度を有する波長域のうちの1つ以上の波長域の光を用いて、水分を検出することを特徴とする、水分検出装置。 - 前記拡散濃度分布調整層は、前記不純物元素の濃度が、前記受光層と接する面と反対側の面側にある1×1018/cm3以上の領域と、前記受光層側にある2×1016/cm3以下の領域と、前記2つの領域の間にあり前記2つの領域よりも厚みが薄く前記不純物元素の濃度が2×1016/cm3より大きく、1×1018/cm3より小さい領域と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の水分検出装置。
- 前記受光層を構成する多重量子井戸構造がタイプIIの量子井戸構造であることを特徴とする、請求項1または2に記載の水分検出装置。
- 前記III−V族半導体積層構造はInP基板上に形成されており、前記受光層がInGaAs/GaAsSb多重量子井戸構造、またはGaInNAs/GaAsSb多重量子井戸構造であることを特徴とする、請求項3に記載の水分検出装置。
- 前記InP基板は、(100)から[111]方向または[11−1]方向に、5°〜20°傾斜したオフアングル基板であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 前記不純物元素が亜鉛(Zn)であり、前記拡散濃度分布調整層がInGaAsから形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 前記拡散濃度分布調整層の上にInP窓層を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 検査対象物の前または後に位置して光を分光する分光部と、前記分光された波長に応じて位置する複数の前記受光素子または受光素子アレイと、前記受光素子または受光素子アレイで受光した結果に基づき演算をして水分を算出する制御部とを備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 前記受光素子の二次元アレイを含む撮像装置を備え、該撮像装置により前記検査対象物の水分布像を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 人工の光源を備えないことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 光源に、スーパーコンティニウム光源(SC光源)または発光ダイオード(LED)を用いることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の水分検出装置。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の水分検出装置を備え、生体中の水分を検出することを特徴とする、生体中水分検出装置。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の水分検出装置を備え、自然産物中の水分を検出することを特徴とする、自然産物中水分検出装置。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の水分検出装置を備え、産業活動の対象となる、原料、中間製品、製品、廃棄物などの製品・材料中の水分を検出することを特徴とする、製品・材料中水分検出装置。
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