JP2008205001A - 受光素子、センサおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長1.7μmより長波長域に感度を拡大し、近赤外の短波長側で従来と同等の感度を有する受光素子、センサおよび撮像装置を提供する。
【解決手段】入射面側に位置するn型層5と、少なくともIn、GaおよびAsを含み、InとGaとの原子数比が(0.53/0.47)より大きい受光層6と、InAsP窓層7と、窓層内に位置するか、または窓層から受光層内に至るp型領域12とを備え、n型層5が、少なくともIn、GaおよびAsを含む層であるか、またはn型InAsP層であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、受光素子、センサおよび撮像装置に関し、より具体的には、近赤外域の広い範囲にわたって受光感度を有する受光素子、センサおよび撮像装置に関するものである。
化合物半導体InGaAsを用いた受光素子は、波長範囲0.9μm〜1.7μmの近赤外域光に高い受光感度を有するため、使用が拡大している。とくにIn0.53Ga0.47Asを受光層とする受光素子は、光ファイバーの損失最小となる波長1.55μmで高感度を有するため、非常に多くの実績がある。また、光ファイバー通信以外のIn0.53Ga0.47As受光層の用途に、天候に左右されない、アイセーフの夜間の監視カメラ等の紹介がなされている(非特許文献1)。しかし、このカメラに用いられている、InP基板に格子整合するIn0.53Ga0.47As受光層は、上記のように、長波長側には波長1.6〜1.7μmまでしか感度を持たず、たとえば利用価値が大きいと考えられる、宇宙光を完全にカバーして受光することが難しい。
波長1.7μm以上の長波長域について感度を高めるには、たとえば、従来の光ファイバー通信用In0.53Ga0.47Asのバンドギャップを小さくするために、In組成をより高くする必要がある。しかし、In組成をより高くすると格子定数も変わり(大きくなり)、そのままではInP基板を用いてエピタキシャル積層体を形成することはできない。InP基板上に、In組成を(0.53/0.47)よりも高めたInGaAs(「高In組成のInGaAs」と記す。)を格子整合した状態で成膜するために、InP基板上に、InPの格子定数から高In組成のInGaAsの格子定数へと格子定数をステップ状に変えたステップバッファ層を設け、そのステップバッファ層上に高In組成のInGaAs受光層を形成する方法が提案された(特許文献1)。この方法によれば、理論上、格子整合がとれた(格子欠陥密度が低い)高In組成のInGaAs受光層が形成されるはずである。
Marshall J.Cohen, "Near-IR imaging cameras operate at room temperature", LASER FOCUS WORLD JUNE1993 p.109 (Sensors Unlimited) 特開2002−373999号公報
しかしながら、InP基板上にステップバッファ層を介在させて形成した高In組成のInGaAs層は、ステップバッファ層においてステップ層相互の完全な格子整合が得られないため、ステップバッファ層自体、格子欠陥密度が高くなり、その上に形成される高In組成のInGaAs受光層も格子欠陥密度が高くなる。このため、2次元アレイにして撮像装置を構成した場合、格子欠陥に起因した暗電流増加を避けることができず、十分なダイナミックレンジ(S/N比)を確保することができず、ノイズレベルが高い画像となる。また、物質の検出に用いる検出装置や分光分析装置等とした場合、上記と同様の理由により、解像度が低いデータしか得られず、十分な解像度を得ることを目的に冷却装置を用いている。また、上記の検出装置類(センサ)および撮像装置では、波長1.7μm以上の範囲だけでなく、近赤外の短波長側でも、従来のIn0.53Ga0.47As受光層を用いたものと同等の感度を備えることが当然に求められる。
本発明は、波長1.7μmより長波長域に感度を拡大し、かつ近赤外の短波長側で従来と同等の感度を有する受光素子、それを用いたセンサおよび撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の受光素子は、化合物半導体の積層構造を含む受光素子である。この受光素子は、入射面側に位置するn型層と、n型層に接して位置し、少なくともIn、GaおよびAsを含み、InとGaとの原子数比が(0.53/0.47)より大きい受光層と、受光層内に位置するp型領域とを備える。そして、n型層が、少なくともIn、GaおよびAsを含む層であるか、またはn型InAsP層であり、受光層は、該受光層の格子定数をaとし、該受光層の格子定数と前記n型層の格子定数との差をΔaとして、|Δa/a|≦0.002となるような格子定数を有し、n型層より入射側に、半導体層を備えないことを特徴とする。
この構成により、高In組成のInGaAs受光層の格子欠陥密度が低くできるため、暗電流を十分低く抑制でき、ノイズを低レベルにすることができる。このため、波長1.7μm以上の長波長域の感度を高めることができる。上記のn型層は、たとえば基板を含まない構成としてその厚みを薄くできるので、近赤外域の光の吸収は低く、短波長側の反射や吸収を小さくできる。このため、短波長側の感度を向上することができる。このため、低温になり、多少、受光波長が短波長化しても、鮮明な像を得ることができる。
なお、上記の格子整合についての条件式|Δa/a|≦0.002、はX線回折測定などにより容易に検証することができる。また、上記のn型層は、上記の組成上の限定要件を満たす限り、いわゆる基板と呼ばれる材料またはそれを減厚したものであってもよいし、基板上にn型層をエピタキシャル成長した後、基板を除去したものであってもよい。
また、上記の受光層に接して位置するInAsP窓層を備え、p型領域はInAsP窓層の全厚みを通り受光層内に至るように位置するp型領域であり、InAsP窓層は、該InAsP窓層の格子定数をbとするとき、|(a−b)/b|≦0.002となるようなAsとPの比とすることができる。これにより、さらに格子歪等を減らすことができ、暗電流をさらに抑制し、ノイズをさらに低レベルにすることができる。
また、上記のn型層の厚みを100nm以上10μm以下とすることができる。
上記のn型層の厚みとすることにより、近赤外域の光の吸収を低く、短波長側の反射や吸収を小さくできるので、短波長側の感度を向上することができる。このため、低温になり、多少、受光波長が短波長化しても、鮮明な像を得ることができる。上記のn型層の厚みは、受光層に至る光を吸収で減らさないために2μm以下とすることが、より望ましい。
また、上記の受光層が、In、GaおよびAsに加えて、Nを含む層であってもよい。この構成によれば、高In組成の受光層は格子定数をほとんど大きくすることなく長波長域の感度を高めることができる。すなわちNを含む高In組成の受光層は格子定数をほとんど大きくすることなくバンドギャップを小さくすることができる。このため、たとえばn型層にn型InAsP層を用いた場合、As組成を低く抑えることができるので、長波長域でのn型InAsP層の吸収をさらに減らして長波長域の感度を向上することができる。
また、上記の受光層が、In、Ga、Asに加えて、N、ならびにSbおよびPの一方または両方を含む構成とすることができる。これにより、結晶性に優れ、暗電流に小さい受光層を得ることができる。
また、上記のエピタキシャル構造における格子欠陥密度より高い格子欠陥密度を有する領域が、エピタキシャル構造の領域に、平面的に見て、隣接している構成をとってもよい。これにより、格子欠陥密度の低い受光層を確実に得ることができる。
本発明のセンサは、受光層で生じた光電流の量を検知して所定量に変換する変換部を備えるセンサであって、上記のいずれかに記載の受光素子を1つ配置し、または複数個を1次元または2次元アレイ配列したことを特徴とする。
上記の構成によれば、近赤外域の2.5μm以下でノイズレベルが低く、室温でも十分高い分解能を持つことができる検査装置等のラインセンサを実現することができる。これにより、たとえばグルコース、蛋白質、脂質、澱粉等について感度のよい分析が可能となる。
また、上記の複数の受光素子を1次元または2次元アレイ配列した場合、受光素子間に受光素子の領域より格子欠陥密度が高い領域が配置される構成とすることができる。この構成によれば、高い格子欠陥密度の領域が光を吸収するため、光のクロストークを防止することができ、素子間分解能に優れたセンサを実現することができる。
本発明の撮像装置は、画像を形成するための撮像装置であって、上記のいずれかの受光素子を複数個、2次元アレイ配列したことを特徴とする。
上記の構成によれば、近赤外域の波長2.5μm以下程度でノイズレベルが低く、室温でも十分高い分解能を持つ撮像装置を実現することができる。
また、受光素子間に受光素子の領域より格子欠陥密度が高い領域が配置される構成としてもよい。この構成によれば、受光素子に隣接する高格子欠陥密度の領域が光を吸収するため、光のクロストークを防止することができ、像がぼやけたり、にじむことを防止することができ、鮮明な像を得ることができる。
本発明の受光素子の製造方法は、化合物半導体のエピタキシャル積層構造を含む受光素子の製造方法である。この製造方法は、化合物半導体基板上にn型層を形成する工程と、n型層に接して、少なくともIn、GaおよびAsを含み、InとGaとの原子数比が(0.53/0.47)より大きい受光層を形成する工程と、受光層内にp型領域を形成する工程と、n型層を露出させる工程とを備える。そして、n型層を、少なくともIn、GaおよびAsを含む層とするか、またはn型InAsP層とし、受光層を、該受光層の格子定数をaとし、該受光層の格子定数と前記n型層の格子定数との差をΔaとして、|Δa/a|≦0.002となるようにすることを特徴とする。
この方法により、高In組成のInGaAs受光層の格子欠陥密度が低くできるため、暗電流を十分低く抑制でき、ノイズを低レベルにすることができる。このため、波長1.7μm以上の長波長域の感度を高めることができる。n型層は、たとえば基板を含まない構成としてその厚みを薄くできるので、近赤外域の光の吸収は低く、短波長側の反射や吸収を小さくできる。このため、短波長側の感度を向上することができる。このため、低温になり、多少、受光波長が短波長化しても、鮮明な像を得ることができる。なお、上記のn型層を露出させる工程は、化合物半導体基板上にバッファ層を介在させ、またはバッファ層なしに直接、化合物半導体基板上にn型層を形成した場合には、その化合物半導体基板を除去することを含む。また、n型層の底部に他の層を配置せずにエピタキシャル積層構造を形成した場合には、n型層の底部を固定部等から解放させるだけでもよい。
本発明のセンサの製造方法は、上記の受光素子の製造方法の後、n型層を入射面側にして、1つの受光素子を配置または複数個の受光素子を1次元または2次元アレイ配列したことを特徴とする。この方法によれば、近赤外域の2.5μm以下でノイズレベルが低く、室温でも十分高い分解能を持つことができる検査装置等のセンサを実現することができる。
本発明の撮像装置の製造方法は、上記の受光素子の製造方法の後、前記受光素子を画素として、前記n型層を入射面側にして複数個の受光素子を2次元アレイ配列することを特徴とする。この方法によれば、近赤外域の波長2.5μm以下程度でノイズレベルが低く、室温でも十分高い分解能を持つ撮像装置を実現することができる。
本発明によれば、波長1.7μmより長波長域に感度を拡大し、かつ近赤外の短波長側で従来と同等の感度を有する受光素子、それを用いたセンサおよび撮像装置を得ることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における受光素子10を示す断面図である。図1によれば、受光素子10は、光の入射側にn型In0.8Ga0.2As層5を、その下にIn0.8Ga0.2As受光層6を、そしてその下にIn0.63As0.37P窓層7を、順次、配置した積層構造を備えている。In0.63As0.37P窓層7の所定領域には全厚みにわたってp型不純物であるZnが分布し、In0.8Ga0.2As受光層6にまで届き、p型領域12を形成している。ZnをIn0.63As0.37P窓層7から拡散導入させた際に用いたSiNからなるマスクパターン14を保護膜として残している。
n型In0.8Ga0.2As層5を被覆するARコート層13を部分的にエッチングにより除去して露出したn型In0.8Ga0.2As層5にn部電極15をオーミック接触するように配置している。n型In0.8Ga0.2As層5の厚みは、100nm以上10μm以下とするが、より好ましくは受光層に至る光を吸収で減らさないために2μm以下とするのがよい。また、p型領域12にオーミック接触するようにp部電極17を配置している。n型In0.8Ga0.2As層5の前面およびIn0.63As0.37P窓層7の後面に、ARコート層13が設けられ光の反射を防止している。ARコート層13にはSiON膜を用いるのがよいが、他の材質であってもよい。なお、上記の構成は、n型層より入射側に、AR(Anti
Reflection)コート層を除いて、n型層に接して位置する半導体層を備えない、と言うことができる。
上記の(n型In0.8Ga0.2As層5/In0.8Ga0.2As受光層6/In0.63As0.37P窓層7)は、相互に格子整合しており、後で製造方法において説明するように製造時に下層側に位置するn型層5の側から順にエピタキシャル成長させた積層構造となっている。(0.53/0.47)よりもIn組成比が高い、高In組成のIn0.8Ga0.2As受光層6は、良好な結晶性を有し、波長1.7μmよりも長波長側に感度を持っている。このため、上記の長波長域に感度を拡大した上で、室温で用いても暗電流を実用レベルにまで低くすることができる。
n型In0.8Ga0.2As層5の前面には、ARコート層13などが位置して、ある場合にはARコート層が半導体層を含む場合もあるが、このような半導体層を含む場合のARコート層を除いて、半導体層は位置していない。図1に示す受光素子10の積層構造は、たとえば半導体基板にエピタキシャル成長させた積層体をエピダウン実装して、半導体基板を除去した構造を有している。このため半導体基板が、近赤外域の短波長側、たとえば波長1.4μm付近に、有限の反射率や吸収率を有している場合、その波長域に対応して受光素子の感度は低下するが、図1の受光素子では、そのような半導体基板が除去されているため、たとえば近赤外の短波長域1.4μm付近の感度を低下させないという利点を有する。
図1に示す受光素子の第1の特徴は、受光層6を(0.53/0.47)よりもIn組成比が高い、高In組成のIn0.8Ga0.2Asで形成した点にあるが、そのような組成の受光層6を持つエピタキシャル積層体の作製方法は、いくつかある。図2は、エピタキシャル成長の基になる基板1に、In0.63As0.37P基板またはIn0.8Ga0.2As基板を用いて、図1に示す受光素子10を作製する方法を例示する図である。In0.63As0.37PおよびIn0.8Ga0.2Asは格子定数が同じで、相互に格子整合するInAsP系結晶およびInGaAs系結晶である。このようなIn0.63As0.37PまたはIn0.8Ga0.2Asの基板を用いることにより、高In組成のIn0.8Ga0.2As受光層6を含むエピタキシャル積層体を、通常用いられる方法により作製することができる。
その作製方法では、まずIn0.63As0.37P基板またはIn0.8Ga0.2As基板1上にIn0.63As0.37Pバッファ層2をエピタキシャル成膜し、次いでその上に、n型In0.8Ga0.2As層5/In0.8Ga0.2As受光層6/In0.63As0.37P窓層7の順にエピタキシャル成膜する。SiNのマスクパターン14を形成した後、マスクパターン14の受光開口部からp型不純物であるZnをIn0.63As0.37P窓層7に拡散導入して、In0.63As0.37P窓層7を経てIn0.8Ga0.2As受光層6内にまで届くp型領域12を形成する。このp型領域12の形成により、p型領域12/In0.8Ga0.2As受光層6/n型In0.8Ga0.2As層5にわたってpin型ダイオードが形成される。p型領域12にオーミック接触するようにp部電極17を設け、このp部電極17と、保護膜として残されたSiN膜(マスクパターン)14と、露出したIn0.63As0.37P窓層7の部分とを覆うように、反射防止のARコート層13が形成される。このARコート層13は、受光層6の後側に位置しており、受光層で受光された後の光の反射を防止するためであり、光のクロストークを防止して鮮明な信号を得るためのものである。
この後、積層体10aの部分を残して、基板1およびバッファ層2は除去される。除去の方法は、研磨、選択エッチング、レーザ照射などを挙げることができる。選択エッチングのエッチャントとしては、In0.8Ga0.2As基板1を用いた場合には、HPO系の(HCl+HPO+HO)液でエッチングした後、HCl系の(HCl+HO)液でエッチングするのがよい。また、In0.63As0.37P基板などの場合には、HBr系の(HBr+H+HO)液などを用いてもよい。基板1およびバッファ層2を除去した後、ARコート層13を形成し、入射光の入射光量を減少させないようにし、さらに、ARコート層13を部分的にエッチングして、n型In0.8Ga0.2As層5を部分的に露出させる。その露出したn型In0.8Ga0.2As層5の部分に、n部電極15をオーミック接触するように形成して受光素子10を完成に導く。なお、受光素子10は、1つの受光素子10で構成されるセンサと考えてもよい。このセンサには、受光層6で生じる光電流の量を所定量に変換する変換部(図示せず)を備えることができる。この変換部は、光電流を単に増幅する増幅器であってもよい。
上記の受光素子10の作製方法では、高In組成のInGaAs系受光層6に格子整合する基板を用いたが、そのような基板を用いないで作製する方法もある。図3は、そのうちの1つの方法を例示する図である。この作製方法では、基板に高In組成のInGaAs系受光層6とは格子整合関係にないInP基板31を用い、バッファ層に傾斜組成バッファ層32を用いる点に特徴がある。傾斜組成InAsPバッファ層32では、InP基板31の側ではInP組成とし、n型In0.8Ga0.2As層5に近づくにつれIn0.8Ga0.2As組成になるように、P組成をゼロに近づけながら、Gaを加えてIn組成比を高めるように組成傾斜を構成する。そして、傾斜組成InAsPバッファ層32の最上層をIn0.8Ga0.2As組成とするのであるが、この最上層において格子欠陥密度は小さいことが望ましい。また、傾斜組成InAsPバッファ層32では、格子欠陥密度は不可避的に有限値をとるので、積層面交差方向に沿って見て、高密度の格子欠陥の分布位置をp型領域12に重ならないような位置にずらす等の措置を、予めとっておくことが望ましい。傾斜組成InAsPバッファ層の上に形成されるn型層5、受光層6等は、格子欠陥を下層から順に引き継ぐので、格子欠陥密度が高い領域が受光層6内に形成されても、pin型ダイオードを形成する部分の格子欠陥密度が高くなければ、暗電流には大きな影響を及ぼさないからである。
図1〜図3に示す受光層6の材料は、In0.8Ga0.2Asに限定されず、上述のように、Nの濃度が0.01at%〜12at%のGaInNAsであってもよいし、N濃度0.01at%〜12at%およびP濃度0.01at%〜1at%のGaInNAsP、またはN濃度0.01at%〜12at%およびSb濃度0.01at%〜10at%のGaInNAsSbであってもよい。このとき、p型領域を含むInAsP窓層の格子定数bと、上記のGaInNAs受光層、GaInNAsP受光層、またはGaInNAsSb受光層の格子定数aの差|b−a|とは、|(b−a)/b|が0.002以下、たとえば0.001以下となるようにするのがよい。これにより、確実に歪や格子欠陥密度を低くでき、暗電流を十分低く抑制でき、ノイズを低レベルにすることができるからである。これから後で説明する受光素子10、または撮像装置もしくはセンサを構成する受光素子10において、受光層6の材料はIn0.8Ga0.2Asに限定されず、上記の組成範囲内のGaInNAs、GaInNAsPまたはGaInNAsSbで置き換えることができる。
n型層5を形成する材料については、図1〜図3では、n型In0.8Ga0.2Asを示しているが、n型In0.8Ga0.2Asに限定されず、たとえば図4に示す受光素子10のように、n型層5をn型In0.63As0.37Pで形成してもよい。n型層5を形成する材料については、図4に示す受光素子以外は、n型In0.8Ga0.2Asを例示するが、このn型In0.8Ga0.2Asをn型In0.63As0.37Pで置き換えてもよいことは言うまでもない。そして、n型層5を、n型In0.8Ga0.2Asで形成しても、またn型In0.63As0.37Pで形成しても、受光層6を形成する上記各種の結晶層の格子定数aと、上記n型層5の格子定数との差Δaは、|Δa/a|が0.002以下となるようにするのがよい。
図5は、上記の受光素子10を2次元アレイ配列して形成した撮像装置50を示す断面図である。撮像装置50を受光素子10を2次元アレイ配列して形成したセンサと考えることもできる。また図6は、マルチプレクサ51に2次元アレイ配列された画素(受光素子)10をマクロ的に示す平面図であり、図7は、画素(受光素子)10の平面図である。図5において、入射面側のn型層5は、n型In0.8Ga0.2As層またはn型In0.63As0.37P層で形成されており、その前面にARコート層13が設けられている。n部電極15はn部電極接続部15aにより延長され、そのn部電極接続部15aにはんだバンプ15bが設けられ、そのはんだバンプ15bは、マルチプレクサ51側のはんだバンプ15cに接合されている。ARコート層13は、入射面側のn部側にも、また実装側のp部側にも設けられている。さらに、実装側には、ARコート層13を被覆するポリイミド保護膜19が配置される。
p型領域12にオーミック接触するp部電極17は、エピタキシャル積層体側のはんだバンプ17bに被覆されており、そのはんだバンプ17bはマルチプレクサ51側の電極(図示せず)に設けたはんだバンプ17cに接合されて電気的に接続され、マルチプレクサ51の入力信号経路を形成している。各画素(受光素子)のマルチプレクサ51への入力信号を発信する部分は、図7に示すように構成されている。p部電極17は、SiNのマスクパターン兼保護膜14に囲まれた開口部にp型不純物を拡散導入して形成されたp型領域12に接続している。マルチプレクサ51は、各位置の受光素子10から入力信号を受け、画像等を形成することになる。撮像装置50をセンサとみる場合、マルチプレクサ51に、各受光素子10からの信号を所定量の値に変換する変換部(図示せず)を備えている。変換部は、入力信号の単なる増幅部であってもよい。
上記の受光素子10、センサおよび撮像装置は、波長1.7μm以上の長波長域に感度を有し、結晶性も高いために暗電流が少ない。その上、入射面側において、n型半導体層5の前面に、ARコート層を除いて、半導体層を備えないので、入射面側で、受光する光の反射や吸収が抑えられ、近赤外域の短波長側の受光感度を低下させない。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における受光素子10を示す断面図である。本実施の形態における特徴は、受光素子10を構成するエピタキシャル積層体の側壁に高格子欠陥密度の歪緩和領域35を備える点にある。歪緩和領域35の表面(積層体の側面に対応する)は、スクライブドされたへき開面を呈している。その他の部分の構造は、実施の形態1における図1の受光素子と同じである。すなわちエピタキシャル積層体(n型In0.8Ga0.2As層5/In0.8Ga0.2As受光層6/In0.63As0.37P窓層7)およびp型領域12を備え、ARコート層13および保護膜謙マスクパターン14で被覆されている。p型領域12にオーミック接触するp部電極17と、n型In0.8Ga0.2As層5にオーミック接触するn部電極15とが、配置される位置も同じである。また、上記の受光素子10をセンサと考えてもよく、実施の形態1の説明がそのままあてはまる。
図9は、図8の受光素子10の作製方法を説明するための断面図である。エピタキシャル積層体を形成するための半導体基板にはInP基板31を用いる。InP基板31の格子定数は、上記の高In組成のInGaAs受光層6より小さく、InP基板31上に直接的にエピタキシャル積層体を積み上げたのでは格子整合した状態の高In組成のInGaAs受光層6は形成されない。このため、InP基板31の上に、直接、SiN等で形成される調整パターン33を設ける。この調整パターン33は、InP基板31上に、格子定数がInPと所定範囲異なる結晶膜をエピタキシャル成膜する際、成膜条件を調整することにより、格子欠陥密度の高い結晶を調整パターン33の領域(非開口部)上に集中させ、その他の領域(開口部)上には低格子欠陥密度の結晶層を形成させる機能を有する。成膜条件によっては、調整パターン33の領域上に低格子欠陥密度の結晶層を、また開口部に高格子欠陥密度の結晶層を形成する場合もある。調整パターン33を形成する材料には、SiN膜など絶縁膜が通常用いられる。
図9において、調整パターン33を配置したInP基板31上に、In0.8Ga0.2AsまたはIn0.63As0.37Pの結晶層32を成膜する。このとき、調整パターン33の領域上には、格子欠陥密度の高い歪緩和領域35が形成される。歪緩和領域35は、その隣接する領域の格子欠陥を吸収して、隣接領域の歪を少なくするという趣旨で、このように呼ばれる。歪緩和領域35が形成されることにより、それに隣接する結晶層32の格子欠陥密度は小さくなる。図9においては、調整パターン層33が位置する領域上に高格子欠陥密度の歪緩和領域35が形成されているが、上述のように、調整パターン層33と、結晶層32の成膜条件とによっては、調整パターン層33の隣接領域に高格子欠陥密度の層、すなわち歪緩和領域35を形成する場合もあり、一概に、調整パターン層33の上に歪緩和領域35が形成されると言い切れない。本説明では、図9に従って、調整パターン層(非開口部)33の上に歪緩和領域35が形成されるとして説明する。
次いで、図10に示すように、InP基板31を削除して、結晶層32および調整パターン層33を主体とする基材34を形成し、その基材34の上に、In0.8Ga0.2As層またはIn0.63As0.37P層により、バッファ層37を成膜する。InP基板31の削除には、研磨、選択エッチング、レーザ処理などどのような方法を用いてもよい。選択エッチングのエッチャントとしては、HPO系の(HCl+HPO+HO)液、HCl系の(HCl+HO)液などを用いることができる。また、HBr系の(HBr+H+HO)液などを用いてもよい。格子欠陥は、結晶層32からバッファ層37に引き継がれて、バッファ層中にも高格子欠陥密度の歪緩和領域35が形成される。図9に示すような位置関係で歪緩和領域35が形成される場合には、平面的に見て、pin型ダイオードが形成される領域と重複する領域には、調整パターンの層33は配置しないようにされている。
図10に示すように、In0.8Ga0.2AsまたはIn0.63As0.37Pでバッファ層37を成膜した後、そのバッファ層37の上にn型In0.8Ga0.2As層またはn型In0.63As0.37P層によりn型半導体層5をエピタキシャル成膜する。このとき、歪緩和領域35の格子欠陥、主として転位は、n型半導体層5にも引き継がれ、やはりn型半導体層5内に歪緩和領域35が形成される。次いで、In0.8Ga0.2As受光層6をn型半導体層5の上にエピタキシャル成膜させ、さらにIn0.63As0.37P窓層7を形成するが、これら受光層6および窓層7にも、同様に歪緩和領域35は引き継がれる。
p型不純物であるZnを拡散導入するために用いるSiN等によるマスクパターン14、p型領域12およびp部電極17の作製については、実施の形態1と同様である。次いで、図11に示すように、基材34およびバッファ層37を削除して、n型半導体層5を露出させる。このn型半導体層5に対してARコート層13を被覆して、図8に示すように、メサエッチして露出したn型半導体層5にオーミック接触するようにn部電極15を形成して、受光素子10を完成させる。
本実施の形態における受光素子は、InP基板という汎用の半導体基板を用いて、InPより格子定数の大きい結晶膜を成長させる場合において、デバイス特性に影響しない領域に格子欠陥を集中させることにより、pin型ダイオードの領域には格子欠陥密度を十分低くすることができる。このため、波長1.7μm以上の長波長域に感度を拡大した上で、暗電流の小さい受光素子を安価に提供することが可能となる。さらに受光層6の入射面側にはn型半導体層5しか配置せずに、その前面にはARコート層を除いて、半導体層を設けないので、上記波長域より短波長域における吸収や反射を少なくして、上記短波長域の感度を向上させることができる。
図12は、上記の受光素子10を2次元アレイ配列して形成した撮像装置50を示す断面図である。また図13は、画素(受光素子)10の平面図である。図12において、入射面側のn型層5は、n型In0.8Ga0.2As層またはn型In0.63As0.37P層で形成されており、その前面にARコート層13が設けられている。n部電極15はn部電極接続部15aにより延長され、そのn部電極接続部15aにはんだバンプ15bを設けられ、そのはんだバンプ15bは、マルチプレクサ51側のはんだバンプ15cに接合されている。
p型領域12にオーミック接触するp部電極17は、エピタキシャル積層構造側のはんだバンプ17bに被覆されており、そのはんだバンプ17bはマルチプレクサ51側の電極(図示せず)に設けたはんだバンプ17cに接合されて電気的に接続され、マルチプレクサ51の入力信号経路を形成している。各画素(受光素子)のマルチプレクサ51への入力信号を発信する部分は、図13に示すように構成されている。p部電極17は、SiNのマスクパターン兼保護膜14に囲まれた開口部にp型不純物を拡散導入して形成されたp型領域12に接続している。マルチプレクサ51は、各位置の受光素子10から入力信号を受け、画像等を形成することになる。上記の撮像装置50を受光素子10を2次元アレイ配列して形成したセンサとみることができることは、実施の形態1で説明したとおりである。
上記の受光素子10、センサおよび撮像装置は、波長1.7μm以上の長波長域に感度を有し、結晶性も高いために暗電流が少ない。その上、入射面側において、n型半導体層5の前面に、ARコート層を除いて(半導体層を含む場合もある)、半導体層を備えないので、入射面側で、受光する光の反射や吸収が抑えられ、受光感度を向上させることができる。
次に、受光素子について、受光感度の波長依存性および暗電流を測定した結果について説明する。用いた試験体は、次の3種類である。
(本発明例):図1に示す受光素子(n部電極15/n型In0.8Ga0.2As層5/In0.8Ga0.2As受光層6/In0.63As0.37P窓層7/p型領域12/p部電極17)
本発明例では、基板を持たず、受光層に高In組成のIn0.8Ga0.2As受光層を用いている。
(比較例A):(n部電極(バック電極)/n型InP基板/n型InPバッファ層/In0.53Ga0.47As受光層/InP窓層/p型領域/p部電極)
比較例Aは、受光層にIn0.53Ga0.47Asを用い、InP基板をそのまま配置して受光素子としている点で、本発明例と相違する。
(比較例B):(n部電極(バック電極)/n型InP基板/傾斜組成InAsPバッファ層/In0.8Ga0.2As受光層/In0.63As0.37P窓層/p型領域/p部電極)
比較例Bは、受光層に本発明例と同様にIn0.8Ga0.2Asを用いているものの、InP基板をそのまま配置して受光素子としている点で、本発明例と相違する。
(実験1:暗電流の測定)
温度300K(室温)にて、電圧2Vを印加した状態での暗電流を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008205001
表1によれば、比較例Aは、結晶性に優れるため暗電流は1nA以下と、非常に低い値を示すのに対して、比較例Bは、格子定数が異なるInP基板を用い、傾斜バッファ層により高In組成のInGaAs受光層を形成したために結晶性が劣ることを反映して、20000nA〜30000nAという非常に大きな暗電流が生じていて、室温での実用化は不可能なことを示している。これに対して、本発明例は、1nAという暗電流となっており、室温にて使用可能であることを示している。
(実験2:近赤外域の感度スペクトル)
上記の本発明例、比較例Aおよび比較例Bの受光素子に対して、近赤外域における感度スペクトルを測定した。比較例Bについては、室温で暗電流が大きすぎて感度測定が不可能なため、冷却して測定した。測定結果を、図14に、宇宙自然光の放射輝度の波長依存性と合わせて示す。図14によれば、比較例Aの受光素子では、波長1.7μm以下波長1.1μm以上の波長域に感度を有することが分かる。また、暗電流が非常に大きかった比較例Bの受光素子は、冷却されているので波長2.0μmを超える範囲にまで感度を有するが、波長1.8μm以下では感度は急減している。これらに比べて、本発明例の受光素子は、波長1.1μm以上2.4μm程度にまで感度を拡大していることが確認された。
上記の実験1および2によれば、本発明例は、感度を波長2.4μm程度にまで拡大した上で、室温の暗電流が低く実用レベルにあることが確認できた。短波長側でもInP基板を用いたIn0.53Ga0.47As受光層と同等の感度を有することが確認された。また、図14に合わせて示す宇宙自然光の放射輝度スペクトルと比較すると、宇宙自然光の近赤外域のピーク波長1.65μmおよび1.4μmを含む近赤外範囲をカバーしていることが分かる。このため、本発明例の受光素子およびこの受光素子を含む撮像装置は、宇宙自然光を利用した夜間視界支援装置などに用いて、闇夜にも十分大きな信号または明るい像を得ることが可能となる。
また、図15は、上記の3種類の試験体が受光感度を有する波長域を、各種の動物または植物の構成物質の吸収波長域と合わせて示す図である。本発明例の受光素子を、1次元または2次元配列して生体等のセンサに用いることにより、その受光感度の広さより、多くの生体物質の吸収に感度を持つセンサを構成できることが分かる。本発明例では、In/Gaの組成比は(0.8/0.2)であったが、In/Gaの組成比をさらに高めることにより、波長3.0μm程度まで感度を有するセンサを形成することが可能となり、アミン類のセンシングが可能となる。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の受光素子、撮像装置およびセンサは、近赤外域の長波長域まで感度を有し、暗電流を室温で実用レベルにまで抑制することができる。
本発明の実施の形態1における受光素子を示す断面図である。 図1の受光素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1の受光素子の別の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の実施の形態1における受光素子の変形例を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における撮像装置を示す断面図である。 撮像装置における受光素子の配置をマクロ的に示す平面図である。 撮像装置における受光素子を示す平面図である。 本発明の実施の形態2における受光素子を示す断面図である。 図8の受光素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図9の後の製造プロセスを説明するための断面図である。 図10の後の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の実施の形態2おける撮像装置を示す断面図である。 撮像装置における受光素子を示す平面図である。 実施例における各試験体の近赤外域の感度の波長依存性を、宇宙自然光の放射輝度の波長依存性と合わせて示す図である。 実施例における各試験体の感度の波長範囲を、生体物質の吸収帯の波長範囲と合わせて示す図である。
符号の説明
5 n型半導体(In0.8Ga0.2As,In0.63As0.37P)層、6 In0.8Ga0.2As受光層、7 In0.63As0.37P窓層、10 受光素子、10a 受光素子を形成する積層体、12 p型領域、13 ARコート層、14 マスクパターン兼保護膜、15 n部電極、15a 電極接続部、15b,15c はんだバンプ、17 p部電極、17b,17c はんだバンプ、19 ポリイミド保護膜、31 InP基板、32 結晶層、33 調整パターン層、34 基材、35 歪緩和領域、37 バッファ層、50 撮像装置、51 マルチプレクサ。

Claims (13)

  1. 化合物半導体の積層構造を含む受光素子であって、
    入射面側に位置するn型層と、
    前記n型層に接して位置し、少なくともIn、GaおよびAsを含み、InとGaとの原子数比が(0.53/0.47)より大きい受光層と、
    前記受光層内に位置するp型領域とを備え、
    前記n型層が、少なくともIn、GaおよびAsを含む層であるか、またはn型InAsP層であり、
    前記受光層は、該受光層の格子定数をaとし、該受光層の格子定数と前記n型層の格子定数との差をΔaとして、|Δa/a|≦0.002となるような格子定数を有し、
    前記n型層より入射側に、半導体層を備えないことを特徴とする、受光素子。
  2. 前記受光層に接して位置するInAsP窓層を備え、前記p型領域は前記InAsP窓層の全厚みを通り前記受光層内に至るように位置するp型領域であり、前記InAsP窓層は、該InAsP窓層の格子定数をbとするとき、|(a−b)/b|≦0.002となるようなAsとPの比とされていることを特徴とする、請求項1に記載の受光素子。
  3. 前記n型層の厚みが100nm以上10μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の受光素子。
  4. 前記受光層が、In、GaおよびAsに加えて、Nを含む層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の受光素子。
  5. 前記受光層が、In、Ga、Asに加えて、N、ならびにSbおよびPの一方または両方を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の受光素子。
  6. 前記エピタキシャル構造における格子欠陥密度より高い格子欠陥密度を有する領域が、前記エピタキシャル構造の領域に、平面的に見て、隣接していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の受光素子。
  7. 前記受光層で生じた光電流の量を検知して所定量に変換する変換部を備えるセンサであって、前記請求項1〜5にいずれかに記載の受光素子を1つ配置し、または複数個を1次元または2次元アレイ配列したことを特徴とする、センサ。
  8. 前記複数の受光素子を1次元または2次元アレイ配列した場合、前記受光素子間に受光素子の領域より格子欠陥密度が高い領域が配置されていることを特徴とする、請求項7に記載のセンサ。
  9. 画像を形成するための撮像装置であって、前記請求項1〜5のいずれかに記載の受光素子を複数個、2次元アレイ配列したことを特徴とする、撮像装置。
  10. 前記受光素子間に受光素子の領域より格子欠陥密度が高い領域が配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の撮像装置。
  11. 化合物半導体のエピタキシャル積層構造を含む受光素子の製造方法であって、
    化合物半導体基板上にn型層を形成する工程と、
    前記n型層に接して、少なくともIn、GaおよびAsを含み、InとGaとの原子数比が(0.53/0.47)より大きい受光層を形成する工程と、
    前記受光層内にp型領域を形成する工程と、
    前記n型層を露出させる工程とを備え、
    前記n型層を、少なくともIn、GaおよびAsを含む層とするか、またはn型InAsP層とし、
    前記受光層を、該受光層の格子定数をaとし、該受光層の格子定数と前記n型層の格子定数との差をΔaとして、|Δa/a|≦0.002となるようにすることを特徴とする、受光素子の製造方法。
  12. 前記請求項11の受光素子の製造方法の後、前記n型層を入射面側にして、1つの受光素子を配置または複数個の受光素子を1次元または2次元アレイ配列したことを特徴とする、センサの製造方法。
  13. 前記請求項11の受光素子の製造方法の後、前記受光素子を画素として、前記n型層を入射面側にして複数個の受光素子を2次元アレイ配列することを特徴とする、撮像装置の製造方法。
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