JP2008171885A - 半導体受光素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長波長域に検出感度が広くあり、欠陥密度を小さくして暗電流を抑制することが可能な受光層を有する半導体受光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 InP基板11上に位置し、該InP基板に格子整合するバッファ層12と、バッファ層上に位置する受光層13とを備え、受光層がNを含む化合物半導体層であり、バッファ層は、受光層の側にNおよびSbを含む部分層12aを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 InP基板11上に位置し、該InP基板に格子整合するバッファ層12と、バッファ層上に位置する受光層13とを備え、受光層がNを含む化合物半導体層であり、バッファ層は、受光層の側にNおよびSbを含む部分層12aを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体受光素子およびその製造方法に関に関するものである。
夜間の監視カメラに用いるセンサ、食品の非破壊検査には近赤外光を感知できる受光素子が用いられる。このような受光素子としては、InP基板上に格子整合成長したInGaAs層を受光層に用いたものがあり、波長0.9〜1.7μmの近赤外光を感知できる。しかし上述の用途にはより長波長域の近赤外光(波長2〜3μm)を感知できることが望ましい。これら長波長域用の受光素子の一つに、受光層に歪InGaAs層を用い、InP基板との格子不整合から発生する結晶欠陥を減らすために歪バッファ層を用いる構成が提案されている(特許文献1)。また、長波長域の近赤外光を検出する受光素子として、受光層にGaInNAsを用いたものが提案されている(特許文献2)。上記の受光素子によれば、波長1.7μmを超える長波長域の光を検出することが可能となる。
特開2002−373999号公報
特開平9−219563号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された受光素子では、歪緩和のために歪バッファ層を用いても、エピタキシャル成長中に格子定数を変えることになり、歪バッファ層の成長中に結晶欠陥の発生を避けることができない。このため、受光層の結晶欠陥密度も高くなり、フォトダイオードを形成した場合、暗電流およびノイズが大きくなり、感度が劣化する。
一方、特許文献2に開示された受光素子には、次の問題が付随する。すなわち、InGaNAs系膜のエピタキシャル成長には、炭素などの不純物の混入の少ないMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長)法を用いることが望ましい。しかし、MBE法では、InGaNAs系の原料の一つである窒素は、プラズマ(Nプラズマ)の形態で供給される。Nプラズマは発生に数分間程度の時間が必要であるため、InGaNAs受光層の成長に先立ってNプラズマを発生させておく必要がある。しかし、エピタキシャル成長層は炉内で成長温度にて放置すると表面が粗くなるため、InGaNAs受光層の下地層となるバッファ層を成長させている間にNプラズマを発生しておかなければならない。
Nプラズマを発生させるには、(1)MBEチェンバ内にN2ガスを流し続けるか、または(2)MBEチェンバに設けられた励起用セル内に限ってNプラズマを発生させておかなければならない。上記(2)のNプラズマを励起用セル内に発生させる場合、MBEチェンバに連結されたセル内に封じ込めておこうとしても通常のゲートバルブなどでは微小なリークを防止することはできず、完全に封じ込めるには大掛かりな装置にならざるをえない。したがって、通常のMBE装置を用いて、上記(1)の操作によりInGaNAs受光層を形成しようとすると、バッファ層はその形成終期に窒素雰囲気内で成長することになり、バッファ層の受光層側の層内(部分層)にはNが混入する。
バッファ層にNが混入すると、格子定数が小さくなり、歪または結晶欠陥密度が増大し、バッファ層の結晶品質が劣化する。結晶欠陥密度の高いバッファ層上にエピタキシャル成長されたInGaNAs受光層には、やはり高密度の結晶欠陥が生成し、その結果、フォトダイオードを形成したとき、実用に耐えうるレベルを超えて暗電流が増大する。
本発明は、結晶性の良好なNを含む受光層を容易に形成することができるバッファ層を備える半導体受光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体受光素子は、InP基板と、InP基板上に位置し、該InP基板に格子整合するバッファ層と、バッファ層上に位置する受光層とを備える。そして、受光層がNを含む半導体層であり、バッファ層は、受光層側に、NおよびSbを含む部分を有することを特徴とする。
バッファ層に不純物として混入したNは格子定数を小さくするが、不純物Sbは逆にバッファ層の格子定数を大きくする作用を有する。このため、受光層への円滑な導入を目的に準備したがためにバッファ層に不純物として混入することになったNによる格子定数減少作用を、補償用不純物Sbにより補償することができ、Nのみが混入した場合に起きる結晶欠陥密度の増加を防止することができる。このため、バッファ層における受光層側の歪または結晶欠陥密度の増加が抑制され、受光層の下地となるバッファ層の上層部分(NおよびSbを含む部分)において、良好な結晶性を確保できる。その結果、バッファ層上にエピタキシャル成長するNを含む受光層についても良好な結晶性を確保でき、暗電流の小さい、高感度のフォトダイオードを得ることができる。
上記のバッファ層のNおよびSbを含まない部分を、InxGayAl1−x−yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)およびInPのいずれかで構成し、バッファ層のNおよびSbを含む部分をInxGayAl1−x−yNzAswSb1−z−w(0<z<1、0≦w<1)またはInPvNuSb1−v−u(0≦v<1、0<u<1)で構成し、かつそのN組成を受光層のN組成よりも小さくすることができる。これにより、InP基板に格子整合するバッファ層を容易に作製することができる。
上記受光層を、InaGa1−aNbAscSb1−b−c(0<a≦1、0<b≦1、0≦c<1)またはIndGa1−dPeNfAsgSb1−e−f−g(0<d≦1、0≦e≦1、0<f<1、0≦g<1)で形成することができる。これにより、受光層として、InGaNAs層、InGaNAsSb層、InGaPNAs層またはInGaPNSb層を形成して、波長1.7μm以上の長波長域に感度を有し、結晶性の良好な受光層を容易に得ることができる。
上記のバッファ層の格子定数は、InP基板の格子定数の99.9%以上で、かつ100.1%以下の範囲内にすることができる。これにより、NおよびSbを含む部分を含めてバッファ層の結晶性を良好にすることができ、さらにはこれを下地としてエピタキシャル成長する受光層の結晶性も良好にすることが可能となる。また、Nを含む受光層の格子定数をInP基板の格子定数に合わせるので、波長1.7μm以上の長波長域の受光感度を高めることができる。
本発明の半導体受光素子の製造方法は、分子線エピタキシャル成長法のチェンバ内において、InP基板上に格子整合するバッファ層を介在させてNを含む受光層を形成する半導体受光素子の製造方法である。この製造方法では、バッファ層の形成の終了前に、受光層に導入するためにNを含むガスをチャンバ内に流し、かつSbの分子線をバッファ層に照射しつつそのバッファ層を形成して、Nを含むガスを流しながら受光層の形成に移行することを特徴とする。
この方法により、バッファ層における受光層側の部分には、NとSbとが含まれることになり、格子定数に及ぼすNおよびSbの影響は逆方向なので、結局バッファ層の格子定数は大きく変わらず、結晶欠陥密度の増大は抑制される。この結果、良好な結晶性のNを含む受光層が形成され、暗電流の低いフォトダイオードを得ることができる。
また、上記のNを含むガスを流し、Sbの分子線を前記バッファ層に照射しつつ、前記バッファ層の格子定数が、InP基板の格子定数の99.9%以上で、かつ100.1%以下の範囲内になるように、バッファ層の組成を調整することができる。この方法により、InP基板と格子整合がよく、結晶性の良好なバッファ層を得ることができる。その結果、バッファ層上にエピタキシャル成長するNを含む受光層の結晶性を良好にし、かつ格子定数をInPの格子定数に合わせて、波長1.7μm以上の長波長域の受光感度を高めることができる。NおよびSbが、バッファ層の格子定数に逆方向に大きく作用するので、他の受光層構成元素とともに、Nを含むガスの流量とSbの分子線量との均衡をとった調整が重要である。
本発明の半導体受光素子およびその製造方法によれば、結晶性の良好なNを含む受光層を容易に形成することができる。
次に、図面を用いて本発明の実施の形態および実施例について説明する。図1は、本発明の実施の形態における半導体受光素子を説明するためのエピタキシャル積層構造を示す図である。InP基板11上に、そのInP基板に格子整合するバッファ層12がエピタキシャル成長し、そのバッファ層12は、その上層部分にNおよびSbを含む部分層12aを有する。そのバッファ層12の部分層12aの上にNを含む受光層13が形成され、N含有受光層13上に窓層14が設けられている。
バッファ層12がNを含む受光層13の側に、NおよびSbを含む部分を持つことの利点は、次のとおりである。(1)Nを含む受光層13を形成する前から、バッファ層12の形成の終期に、Nを含むガスであるN2ガスをMBE装置のチェンバ内に流し続けることができ、バッファ層の形成終了の後、バッファ層を放置することなく、直ぐにNを含む受光層13を形成することができる。このため、バッファ層12の表面を粗くすることがない。(2)バッファ層の形成終期にN2ガスをチェンバ内に流すことによりバッファ層にはNが混入するが、SbもNと一緒にバッファ層に導入される。Nは格子定数を小さくする作用を有し、N単独の混入では結晶欠陥密度を増大させるが、SbはNとは逆に格子定数を大きく作用を有し、Nの影響を打ち消すため、NとSbとを両方とも含有させることにより、結晶欠陥密度の増大を抑制することができる。
NおよびSbを含むバッファ層の部分12aは結晶欠陥密度が小さく、その上にエピタキシャル成長するNを含む受光層13は、やはり結晶欠陥密度が低く、かつ波長1.7μm以上の長波長域に感度を有する。このため、上記エピタキシャル積層構造を用いてフォトダイオードを形成したとき、長波長域の光を感度良く感知して、かつ暗電流などを低く抑えることができる。
上記のエピタキシャル積層構造は、MBE装置を用いてInP基板11上に形成することができる。InP基板11に格子整合するバッファ層12としては、InxGayAl1−x−yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)およびInPのいずれかを用いることができる。バッファ層12の形成を終了する前から、Nを含む受光層13の形成の準備のために、MBE装置のチェンバ内に流し続ける。その理由は、上述のように、Nを含む受光層13の形成においてはNプラズマを用いるが、Nプラズマの形成にはNを含むガス、たとえばN2ガスを流し始めて数分間かかるため、その間、形成が終了したバッファ層を放置するとバッファ層の表面に凹凸が生じるからである。バッファ層12を形成している間にN2ガスを流し始め、バッファ層12の形成終了後、直ちにNプラズマを生じさせ、Nを含む受光層13の形成の開始を迅速に行う必要がある。
上記のようにNを含むガスをMBE装置のチェンバ内に流すことにより、バッファ層12にはNが混入する。このN混入の時期に合わせて、MBE装置のSb照射用セルからSb分子線を生成し、バッファ層13にSbの分子線を照射する。この結果、バッファ層12の上層部には、NおよびSbをともに含む部分層12aが形成される。バッファ層13を、InxGayAl1−x−yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)で形成した場合には、NおよびSbをともに含む部分層12aとして、InxGayAl1−x−yNzAswSb1−z−w(0<z<1、0≦w<1)が形成される。またバッファ層13をInPで形成した場合には、NおよびSbをともに含む部分層12aとして、InPvNuSb1−v−u(0≦v<1、0<u<1)が形成される。そして、いずれの場合でもNおよびSbをともに含む部分層12aでは、N組成は受光層のN組成よりも小さくなる。これにより、InP基板に格子整合するバッファ層を容易に作製することができる。
NおよびSbをともに含むバッファ層の格子定数は、InP基板の格子定数の99.9%以上で、かつ100.1%以下の範囲内にするのがよい。この実現のためには、格子定数に大きな影響を持つ、Sbの組成をNの組成に応じて調整する必要がある。Nの組成は、Nを含むガスの流量、プラズマの電力の結晶成長条件で決まるので、格子定数が上記の範囲に入るようSbの組成を調整する。Sbの組成は、分子線の供給源であるSb照射用セルの温度およびシャッタの開口角の加減により調整することができる。また、Sb照射用セルのシャッタの開閉を短い周期で行い、開時間の合計と、閉時間の合計との比を変えることによっても、Sbの混入量を調整することができる。
Nを含む受光層13には、InaGa1−aNbAscSb1−b−c(0<a≦1、0<b≦1、0≦c<1)またはIndGa1−dPeNfAsgSb1−e−f−g(0<d≦1、0≦e≦1、0<f<1、0≦g<1)を用いることができる。すなわちNを含む受光層として、InGaNAs層、InGaNAsSb層、InGaPNAs層またはInGaPNSb層を用いることができる。バッファ層上にエピタキシャル成長するNを含む受光層13は、InP基板の格子定数に合うように組成を選ぶので、そのためInの組成をバッファ層のそれより高くすることになる。この結果、InGaNAs層、InGaNAsSb層、InGaPNAs層またはInGaPNSb層では、バンドギャップが狭くなり、長波長域へと感度を拡大する。上記のように、NおよびSbを含むバッファ層12aと、InGaNAs層、InGaNAsSb層、InGaPNAs層またはInGaPNSb層等の受光層13との組み合わせにより、波長1.7μm以上の長波長域に感度を有し、暗電流の小さいフォトダイオードを得ることができる。次に上記本発明の実施例について説明する。
(本発明例1−InGaAsバッファ層−)
実施例1における本発明例1のフォトダイオードにおけるエピタキシャル積層構造は、図1に示すものと同じであり、MBE成長法により形成した。格子整合バッファ層12には、InGaAs層を用いている。InGaAsバッファ層12の膜厚は1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型としている。キャリア濃度は5×1016cm−3とした。組成は、III族中で、Inを53%(原子比、以下いずれも同様)、Gaを47%とした。InGaAsバッファ層12の形成の終期に、InGaNAs受光層13を形成用のNプラズマを形成するためにN2ガスを流し始め、同時にSbビーム用セルからSb分子線を形成途中のInGaAsバッファ層12に照射する。その結果、InGaAsバッファ層の上層側に、NおよびSbを含むInGaAsバッファ層(部分層)12aが形成される。N組成の調整は、ガス流量およびプラズマ形成のRF(Radio Frequency)電力により、またSb組成の調整は、セル温度により行うことができる。Sbセルの平均温度は400℃程度とした。
実施例1における本発明例1のフォトダイオードにおけるエピタキシャル積層構造は、図1に示すものと同じであり、MBE成長法により形成した。格子整合バッファ層12には、InGaAs層を用いている。InGaAsバッファ層12の膜厚は1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型としている。キャリア濃度は5×1016cm−3とした。組成は、III族中で、Inを53%(原子比、以下いずれも同様)、Gaを47%とした。InGaAsバッファ層12の形成の終期に、InGaNAs受光層13を形成用のNプラズマを形成するためにN2ガスを流し始め、同時にSbビーム用セルからSb分子線を形成途中のInGaAsバッファ層12に照射する。その結果、InGaAsバッファ層の上層側に、NおよびSbを含むInGaAsバッファ層(部分層)12aが形成される。N組成の調整は、ガス流量およびプラズマ形成のRF(Radio Frequency)電力により、またSb組成の調整は、セル温度により行うことができる。Sbセルの平均温度は400℃程度とした。
次いで、N2ガスを流してNプラズマを形成しながら、バッファ層12の上にInGaNAsからなる受光層13を形成した。InGaNAs受光層13では、III族の組成は、Inは83%、Gaは17%とし、V族の組成は、Nは10%、Asは90%として、InP基板11の格子定数に合うようにした。InGaNAs受光層13の膜厚は2.5μmとし、不純物のドーピングは行わない。次に、InAlAs層により窓層14を形成した。InAlAs窓層14のIII族内の、In組成52%、Al48%とし、その格子定数がInP基板の格子定数と合うようにしている。膜厚は0.6μmとした。
図2に、本発明例1のInGaNAs受光層13およびInGaAsバッファ層12の各元素組成プロファイルを示す。InGaNAs受光層13とInGaAsバッファ層12との界面からInGaAsバッファ層の0.2μm以内の部分層12aにNおよびSbが混入している。Nが混入した部分は格子定数が小さくなり歪を受けるが、そのような歪を生じさせないように、Nの混入を見越してInGaAsバッファ層12の成長中に、Nプラズマ発生と同時にSb分子線によりSbを供給した結果である。図2には、格子定数の変化率(Δa/a)の分布を合わせて示すが、InGaAsバッファ層12では、NおよびSbが混入する部分層12aも合わせて、格子定数の変化率(Δa/a)は±0.1%の範囲内に収まっている。また、InGaNAs受光層13では、Nを含み、かつ格子定数をInP基板11のそれに合わせるために、InGaAsバッファ層12の組成に比べて、In組成を高め、Ga組成を低下させている。
(比較例1)
本発明例1と同じようにMBE成長により、図3に示すようなエピタキシャル積層構造を作製した。InP基板111の上にInGaAsバッファ層112を形成した。III族内の組成は、In52%、Ga48%として、InP基板111に格子整合させている。InGaAsバッファ層112の膜厚は、1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型とし、キャリア濃度は5×1016cm−3とした。InGaAsバッファ層112には、本発明例1と同様に受光層113との界面から0.3μmのInGaAsバッファ層の部分に、Nが混入しているが、Sbは混入していない。受光層113および窓層114については、本発明例1と同様に、それぞれ、InGaNAs受光層およびInAlAs窓層とした。
本発明例1と同じようにMBE成長により、図3に示すようなエピタキシャル積層構造を作製した。InP基板111の上にInGaAsバッファ層112を形成した。III族内の組成は、In52%、Ga48%として、InP基板111に格子整合させている。InGaAsバッファ層112の膜厚は、1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型とし、キャリア濃度は5×1016cm−3とした。InGaAsバッファ層112には、本発明例1と同様に受光層113との界面から0.3μmのInGaAsバッファ層の部分に、Nが混入しているが、Sbは混入していない。受光層113および窓層114については、本発明例1と同様に、それぞれ、InGaNAs受光層およびInAlAs窓層とした。
図4に、比較例1のInGaNAs受光層113およびInGaAsバッファ層112の各元素組成プロファイルを示す。InGaAsバッファ層112のNを含む領域112aでは、Nの混入を反映して格子定数の減少が大きく、(Δa/a)が約−0.2%強に達する箇所が生じており、(Δa/a)が±0.1%以内という範囲を超えている。
(暗電流の測定)
本発明例1のエピタキシャル積層構造を用いて、図5に示すようなPIN型フォトダイオード50を作製した。InAlAs窓層14上にSiN膜26をプラズマCVD(PCVD)法により形成し、通常の写真製版、エッチング技術により、p型不純物を導入するための拡散窓または受光部領域を開孔する。次いで、このSiN膜26のパターンをマスクとして、受光部からp型不純物のZnを、InAlAs窓層14を通りInGaNAs受光層13に到達するように導入することにより、p型領域19を形成する。p型領域19の形成により、InGaNAs受光層13の中にpn(pin)接合が形成される。
本発明例1のエピタキシャル積層構造を用いて、図5に示すようなPIN型フォトダイオード50を作製した。InAlAs窓層14上にSiN膜26をプラズマCVD(PCVD)法により形成し、通常の写真製版、エッチング技術により、p型不純物を導入するための拡散窓または受光部領域を開孔する。次いで、このSiN膜26のパターンをマスクとして、受光部からp型不純物のZnを、InAlAs窓層14を通りInGaNAs受光層13に到達するように導入することにより、p型領域19を形成する。p型領域19の形成により、InGaNAs受光層13の中にpn(pin)接合が形成される。
次いで、p型領域19とオーミック接触するように、p部電極27を形成し、そのp部電極27、受光部領域およびSiNマスク26を被覆するように、AR(Anti-Reflection)コート膜28を形成した。上記のようにInP基板の第1の主面(表面)にエピタキシャル積層構造を形成したあと、第1の主面と反対側の第2の主面(裏面)上にn部電極31を、AuGeNiにより形成する。上記の受光部の受光径は30μmとした。比較例1のエピタキシャル積層構造110についても、図5のPIN型フォトダイオードのエピタキシャル積層構造10の部分を、図3のエピタキシャル積層構造110に置き換えることにより、比較例1のPIN型フォトダイオードを作製した。
本発明例および比較例について作製した上記のPIN型フォトダイオードについて暗電流を測定した。測定結果を、図6に示す。図6によれば、本発明例1のフォトダイオードは、比較例1のフォトダイオードに比べて、暗電流が約二桁低減されている。以上を総合すると、本実施例における本発明例1の半導体受光素子は、その検出感度範囲を1.7μm以上3.0μmに至る長波長域まで確実に拡大できた上で、さらに暗電流を大幅に抑制できることが確認された。
(本発明例2−InAlAsバッファ層−)
実施例2における本発明例2のエピタキシャル積層構造は、図1に示すものと同じであり、MBE成長法により形成した。格子整合バッファ層12には、InAlAs層を用いている。InAlAsバッファ層12の膜厚は1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型としている。キャリア濃度は5×1016cm−3とした。組成は、III族内で、Inを52%、Alを48%とした。InAlAsバッファ層12の形成の終期に、InGaNAs受光層13用のNプラズマを形成するためにN2ガスを流し始め、同時にSbビーム用セルからSb分子線を形成途中のInAlAsバッファ層12に照射する。その結果、InAlAsバッファ層の上層側に、NおよびSbを含むInAlAsバッファ層(部分層)12aが形成される。N組成の調整がガス流量およびプラズマ形成のRF(Radio Frequency)電力により、またSb組成の調整にはセル温度により行うことができる。Sbセルの平均温度は400℃程度とした。
実施例2における本発明例2のエピタキシャル積層構造は、図1に示すものと同じであり、MBE成長法により形成した。格子整合バッファ層12には、InAlAs層を用いている。InAlAsバッファ層12の膜厚は1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型としている。キャリア濃度は5×1016cm−3とした。組成は、III族内で、Inを52%、Alを48%とした。InAlAsバッファ層12の形成の終期に、InGaNAs受光層13用のNプラズマを形成するためにN2ガスを流し始め、同時にSbビーム用セルからSb分子線を形成途中のInAlAsバッファ層12に照射する。その結果、InAlAsバッファ層の上層側に、NおよびSbを含むInAlAsバッファ層(部分層)12aが形成される。N組成の調整がガス流量およびプラズマ形成のRF(Radio Frequency)電力により、またSb組成の調整にはセル温度により行うことができる。Sbセルの平均温度は400℃程度とした。
次いで、N2ガスを流し続けてNプラズマを形成しながら、InAlAsバッファ層12の上にInGaNAsからなる受光層13を形成した。InGaNAs受光層13では、III族の組成は、Inは83%、Gaは17%とし、V族の組成は、Nは10%、Asは90%として、InP基板11の格子定数に合うようにしている。InGaNAs受光層13の膜厚は、2.5μmとし、不純物のドーピングは行わなかった。次に、InAlAsからなる窓層14を成長した。InAlAs窓層14のIII族内のIn組成は52%であり、その格子定数がInP基板の格子定数と合うようにした。膜厚は0.6μmとした。
図7に、本発明例2のInGaNAs受光層13およびInAlAsバッファ層12の各元素組成プロファイルを示す。InGaNAs受光層13とInAlAsバッファ層13との界面からInAlAsバッファ層の約0.4μm以内の部分12aにNおよびSbが混入している。Nが混入した部分は格子定数が小さくなり歪を受けるが、歪を生じさせないように、Nの混入を見越してInAlAsバッファ層12の成長中に、Nプラズマ発生と同時にSb分子線によりSbを供給した結果である。図7には、格子定数の変化率(Δa/a)の分布を合わせて示すが、InAlAsバッファ層12では、NおよびSbが混入する部分層12aも合わせて、格子定数の変化率(Δa/a)は±0.1%の範囲内に収まる。また、InGaNAs受光層13では、Nを含み、かつ格子定数をInP基板11のそれに合わせるために、バッファ層12に比べて、In組成を高め、Ga組成を低下させている。
(比較例2)
比較例1と同様に、MBE成長により、図3に示すようなエピタキシャル積層構造を作製した。InP基板111の上にInAlAsバッファ層112を形成した。III族内の組成は、In52%、Al48%として、InP基板111に格子整合させている。InAlAsバッファ層112の膜厚は、1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型とし、キャリア濃度は5×1016cm−3とした。図8に示すように、InAlAsバッファ層112には、比較例1と同様に、受光層113との界面から約0.4μmのInAlAsバッファ層の領域に、窒素原子が混入しているが、Sbは混入していない。受光層113および窓層114については、比較例1と同様に、それぞれ、InGaNAs受光層およびInAlAs窓層とした。
比較例1と同様に、MBE成長により、図3に示すようなエピタキシャル積層構造を作製した。InP基板111の上にInAlAsバッファ層112を形成した。III族内の組成は、In52%、Al48%として、InP基板111に格子整合させている。InAlAsバッファ層112の膜厚は、1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型とし、キャリア濃度は5×1016cm−3とした。図8に示すように、InAlAsバッファ層112には、比較例1と同様に、受光層113との界面から約0.4μmのInAlAsバッファ層の領域に、窒素原子が混入しているが、Sbは混入していない。受光層113および窓層114については、比較例1と同様に、それぞれ、InGaNAs受光層およびInAlAs窓層とした。
図8に、比較例2のInGaNAs受光層113およびInAlAsバッファ層112の各元素組成プロファイルを示す。InAlAsバッファ層112のNを含む領域112aでは、Nの混入を反映して格子定数の減少が大きく、(Δa/a)が約−1.7%に達する箇所が生じており、(Δa/a)が±0.1%以内という範囲をはるかに大きく超えている。
(暗電流の測定)
本発明例2のエピタキシャル積層構造を用いて、実施例1におけるPIN型フォトダイオードを作製した。比較例2についても比較例1と同様にPIN型フォトダイオードを作製した。本発明例2および比較例2について作製した上記のPIN型フォトダイオードについて暗電流を測定した。測定結果を、図9に示す。図9によれば、本発明例2のフォトダイオードは、比較例2のフォトダイオードに比べて、暗電流が約二桁低減されている。以上を総合すると、本実施例における本発明例2の半導体受光素子は、その検出感度範囲を1.7μm以上3.0μmに至る長波長域まで確実に拡大できた上で、さらに暗電流を大幅に抑制できることが確認された。
本発明例2のエピタキシャル積層構造を用いて、実施例1におけるPIN型フォトダイオードを作製した。比較例2についても比較例1と同様にPIN型フォトダイオードを作製した。本発明例2および比較例2について作製した上記のPIN型フォトダイオードについて暗電流を測定した。測定結果を、図9に示す。図9によれば、本発明例2のフォトダイオードは、比較例2のフォトダイオードに比べて、暗電流が約二桁低減されている。以上を総合すると、本実施例における本発明例2の半導体受光素子は、その検出感度範囲を1.7μm以上3.0μmに至る長波長域まで確実に拡大できた上で、さらに暗電流を大幅に抑制できることが確認された。
(本発明例3−InPバッファ層−)
実施例3における本発明例3のエピタキシャル積層構造は、図1に示すものと同じであり、MBE成長法により形成した。格子整合バッファ層12には、InP層を用いた。InPバッファ層12の膜厚は1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型としている。キャリア濃度は5×1016cm−3とした。InPバッファ層12の形成の終期に、InGaNAs受光層13の形成用のNプラズマを形成するためにN2ガスを流し始め、同時にSbビーム用セルからSb分子線を形成途中のInPバッファ層12に照射する。その結果、InPバッファ層の上層側に、NおよびSbを含むInPバッファ層(部分層)12aが形成される。N組成の調整がガス流量およびプラズマ形成のRF(Radio Frequency)電力により、またSb組成の調整にはセル温度により行うことができる。Sbセルの平均温度は400℃程度とした。
実施例3における本発明例3のエピタキシャル積層構造は、図1に示すものと同じであり、MBE成長法により形成した。格子整合バッファ層12には、InP層を用いた。InPバッファ層12の膜厚は1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型としている。キャリア濃度は5×1016cm−3とした。InPバッファ層12の形成の終期に、InGaNAs受光層13の形成用のNプラズマを形成するためにN2ガスを流し始め、同時にSbビーム用セルからSb分子線を形成途中のInPバッファ層12に照射する。その結果、InPバッファ層の上層側に、NおよびSbを含むInPバッファ層(部分層)12aが形成される。N組成の調整がガス流量およびプラズマ形成のRF(Radio Frequency)電力により、またSb組成の調整にはセル温度により行うことができる。Sbセルの平均温度は400℃程度とした。
次いで、N2ガスを流し続けてNプラズマを形成しながら、InPバッファ層12の上にInGaNAsからなる受光層13を形成した。InGaNAs受光層13では、III族の組成は、Inは83%、Gaは17%とし、V族の組成は、Nは10%、Asは90%として、InP基板11の格子定数に合うようにしている。InGaNAs受光層13の膜厚は、2.5μmとし、不純物のドーピングは行わなかった。次に、InPからなる窓層14を成長した。InP窓層14の膜厚は0.6μmとした。
図10に、本発明例3のInGaNAs受光層13およびInPバッファ層12の各元素組成プロファイルを示す。InGaNAs受光層13とInPバッファ層13との界面からInPバッファ層の約0.2μm以内の部分12aに、NおよびSbが混入している。Nが混入した部分は格子定数が小さくなり歪を受けるが、そのような歪を生じさせないように、Nの混入を見越してInPバッファ層12の成長中に、Nプラズマ発生と同時にSb分子線によりSbを供給した結果である。図10には、格子定数の変化率(Δa/a)の分布を合わせて示すが、InPバッファ層12では、NおよびSbが混入する部分層12aも合わせて、格子定数の変化率(Δa/a)は小さく、±0.1%の範囲内に収まる。
(比較例3)
比較例1と同様に、MBE成長により、図3に示すようなエピタキシャル積層構造を作製した。InP基板111の上にInPバッファ層112を形成した。InPバッファ層112の膜厚は、1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型とし、キャリア濃度は5×1016cm−3とした。図11に示すように、InPバッファ層112には、比較例1と同様に、受光層113との界面から約0.2μmのInPバッファ層の領域に、Nが混入しているが、Sbは混入していない。受光層113および窓層114については、それぞれ、本発明例3と同様に、InGaNAs受光層およびInP窓層とした。
比較例1と同様に、MBE成長により、図3に示すようなエピタキシャル積層構造を作製した。InP基板111の上にInPバッファ層112を形成した。InPバッファ層112の膜厚は、1.5μmであり、成長時にSiを供給してn導電型とし、キャリア濃度は5×1016cm−3とした。図11に示すように、InPバッファ層112には、比較例1と同様に、受光層113との界面から約0.2μmのInPバッファ層の領域に、Nが混入しているが、Sbは混入していない。受光層113および窓層114については、それぞれ、本発明例3と同様に、InGaNAs受光層およびInP窓層とした。
図11に、比較例3のInGaNAs受光層113およびInPバッファ層112の各元素組成プロファイルを示す。InPバッファ層112のNを含む部分112aでは、Nの混入を反映して格子定数の減少が大きく、(Δa/a)が約−0.2%に達する箇所が生じており、(Δa/a)が±0.1%以内という範囲を超えている。
(暗電流の測定)
本発明例3のエピタキシャル積層構造を用いて、実施例1におけるPIN型フォトダイオードを作製した。比較例3についても比較例1と同様にPIN型フォトダイオードを作製した。本発明例3および比較例3について作製した上記のPIN型フォトダイオードについて暗電流を測定した。測定結果を、図12に示す。図12によれば、本発明例3のフォトダイオードは、比較例3のフォトダイオードに比べて、暗電流が約二桁低減されている。以上を総合すると、本実施例における本発明例3の半導体受光素子は、その検出感度範囲を1.7μm以上3.0μmに至る長波長域まで確実に拡大できた上で、さらに暗電流を大幅に抑制できることが確認された。
本発明例3のエピタキシャル積層構造を用いて、実施例1におけるPIN型フォトダイオードを作製した。比較例3についても比較例1と同様にPIN型フォトダイオードを作製した。本発明例3および比較例3について作製した上記のPIN型フォトダイオードについて暗電流を測定した。測定結果を、図12に示す。図12によれば、本発明例3のフォトダイオードは、比較例3のフォトダイオードに比べて、暗電流が約二桁低減されている。以上を総合すると、本実施例における本発明例3の半導体受光素子は、その検出感度範囲を1.7μm以上3.0μmに至る長波長域まで確実に拡大できた上で、さらに暗電流を大幅に抑制できることが確認された。
(実施の形態以外の形態)
1.実装構造
上記の実施例1〜3の本発明例1〜3では、いずれも、n部電極をInP基板の裏面に広く形成するエピアップ実装構造について説明したが、上記n部電極の形状を変えるなどして、エピダウン実装構造にすることはもちろん可能である。2.半導体受光素子の形態
フォトダイオードとしての形態以外に、エピアップ実装とエピダウン実装とを問わず、画素に対応させて電極をアレイ配列して撮像装置を構成してもよい。
3. バッファ層、受光層、窓層の材料
格子整合バッファ層は、InP基板に格子整合する限り何でもよく、最も広くは、InxGayAl1−x−yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)およびInPのいずれかに限定されない。また、受光層も、Nを含みInP基板と格子定数が合えば何でもよく、InGaNAs、InGaNAsSb、InGaNAsPおよびINGaPNSbのいずれかに限定されない。そして、窓層については、何でもよく、InAlAsおよびInPに限定されない。
4. 製造方法
半導体受光素子の製造方法は、MBE成長法によるのが好ましいが、半導体受光素子については、その構成が本発明の構成を満たす限り、どのような製造方法で製造されたものであってもよい。
1.実装構造
上記の実施例1〜3の本発明例1〜3では、いずれも、n部電極をInP基板の裏面に広く形成するエピアップ実装構造について説明したが、上記n部電極の形状を変えるなどして、エピダウン実装構造にすることはもちろん可能である。2.半導体受光素子の形態
フォトダイオードとしての形態以外に、エピアップ実装とエピダウン実装とを問わず、画素に対応させて電極をアレイ配列して撮像装置を構成してもよい。
3. バッファ層、受光層、窓層の材料
格子整合バッファ層は、InP基板に格子整合する限り何でもよく、最も広くは、InxGayAl1−x−yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)およびInPのいずれかに限定されない。また、受光層も、Nを含みInP基板と格子定数が合えば何でもよく、InGaNAs、InGaNAsSb、InGaNAsPおよびINGaPNSbのいずれかに限定されない。そして、窓層については、何でもよく、InAlAsおよびInPに限定されない。
4. 製造方法
半導体受光素子の製造方法は、MBE成長法によるのが好ましいが、半導体受光素子については、その構成が本発明の構成を満たす限り、どのような製造方法で製造されたものであってもよい。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の半導体受光素子およびその製造方法を用いることにより、結晶性の良好なNを含む受光層を形成できるので、暗電流を抑制した上で、波長1.7μmを超えて3.0μmに至る長波長域にまで検出感度を有する受光素子を得ることができる。このため、夜間に宇宙光などを利用して視界を支援することができる装置や、生体の検査に役立つ装置等への適用が期待される。
10 エピタキシャル積層構造、11 InP基板、12 格子整合バッファ層、12a (N+Sb)含有バッファ層、13 受光層、14 窓層、19 p型領域、26 SiN膜(SiNマスク)、27 p部電極、28 AR膜、31 n部電極、50 PIN型フォトダイオード、110 エピタキシャル積層構造、111 InP基板、112 バッファ層、112a N含有バッファ層、113 受光層、114 窓層。
Claims (6)
- InP基板と、
前記InP基板上に位置し、該InP基板に格子整合するバッファ層と、
前記バッファ層上に位置する受光層とを備え、
前記受光層がNを含む半導体層であり、
前記バッファ層は、前記受光層の側にNおよびSbを含む部分を有することを特徴とする、半導体受光素子。 - 前記バッファ層のNおよびSbを含まない部分が、InxGayAl1−x−yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)およびInPのいずれかで構成され、前記バッファ層のNおよびSbを含む部分がInxGayAl1−x−yNzAswSb1−z−w(0<z<1、0≦w<1)またはInPvNuSb1−v−u(0≦v<1、0<u<1)で構成されかつそのN組成が受光層のN組成よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の半導体受光素子。
- 前記受光層が、InaGa1−aNbAscSb1−b−c(0<a≦1、0<b≦1、0≦c<1)またはIndGa1−dPeNfAsgSb1−e−f−g(0<d≦1、0≦e≦1、0<f<1、0≦g<1)で形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体受光素子。
- 前記バッファ層の格子定数は、前記InP基板の格子定数の99.9%以上で、かつ100.1%以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体受光素子。
- 分子線エピタキシャル成長法のチェンバ内において、InP基板上に格子整合するバッファ層を介在させてNを含む受光層を形成する半導体受光素子の製造方法であって、
前記バッファ層の形成の終了前に、前記受光層に導入するためにNを含むガスを前記チャンバ内に流し、かつSbの分子線を前記バッファ層に照射しつつそのバッファ層を形成して、前記Nを含むガスを流しながら前記受光層の形成に移行することを特徴とする、半導体受光素子の製造方法。 - 前記Nを含むガスを流し、かつ前記Sbの分子線を前記バッファ層に照射しつつ、前記バッファ層の格子定数が、前記InP基板の格子定数の99.9%以上で、かつ100.1%以下の範囲内になるように、前記バッファ層の組成を調整することを特徴とする、請求項5に記載の半導体受光素子の製造方法。
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