JP4737478B2 - 食品品質検査装置、食品成分検査装置、異物成分検査装置、食味検査装置および変移状態検査装置 - Google Patents

食品品質検査装置、食品成分検査装置、異物成分検査装置、食味検査装置および変移状態検査装置 Download PDF

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本発明は、食品品質検査装置、食品成分検査装置、異物成分検査装置、食味検査装置および変移状態検査装置に関し、より具体的には、冷却なしで近赤外域の長波長域にまで高い感度をもつ受光素子を用いた、食品品質検査装置、それを用いた、食品成分検査装置、異物成分検査装置、食味検査装置および変移状態検査装置、に関するものである。
植物、動物などの生体成分、医薬品、環境関連物質等は、近赤外域に吸収帯を持つので、近赤外分光法は、非侵襲の分析法として注目され、研究および実用化が急速に進んでいる。とくに近年、食の安全の問題が注目されているが、上記のように植物、動物に属する大豆、米、澱粉、脂質等の吸収スペクトルが近赤外域にあるため、近赤外分光法を食品の品質検査に用いる研究が盛んに行われている(非特許文献1)。近赤外分光による分析では、出力信号に、必要な情報と、受光素子に起因する大きなノイズが含まれている。このため、センサ(受光素子)の性能向上に全面的に頼らずに、出力信号について必要な情報を抽出するために、分光学的方法またはケモメトリックスなどが重要な手法として用いられている。
上記センサ(受光素子)は、近赤外域では、電子管タイプと固体素子のフォトダイオード(PD)とに、大別される。このなかで、PDは、小型で、一次元アレイおよび二次元アレイなどの高集積化が容易なので、多くの研究開発が行われている(非特許文献2)。本発明は、PDを用いた食品の品質の関する検出装置を対象にする。現在、次のようなPD、またはPDアレイが用いられている。
(1)赤外域にまで受光感度を持ち、近赤外域にも受光感度をもつPD、またはそのアレイ。このようなフォトダイオードには、たとえばゲルマニウム(Ge)系PD、硫化鉛(PbS)系PD、HgCdTe系PD、またはその一次元アレイ、二次元アレイがある。
(2)近赤外域の波長1.7μm以下に受光感度を持つInP系PD、そのInP系PDの範疇に入るInGaAs系PD、またはそのアレイ。ここで、InP系PDとは、InP基板に形成されるIII−V族化合物半導体の受光層を含むPDをいい、InGaAs系PDも含まれる。
上記のフォトダイオードのうち、(1)は、ノイズを抑制するため冷却する場合が多く、たとえば液体窒素温度(77K)やペルチエ素子で冷却して稼動させるものが多い。このため、装置が大がかりになり装置コストが大きくなる。室温でも用いることはできるが、波長域2.5μm以下の範囲で暗電流が大きく、検出能力が劣るという問題を有している。(2)一方、InP系PDの短所は、(I)InPに格子整合するInGaAsは暗電流が低いが、受光感度が近赤外域の1.7μm以下の波長域に限定されること、および(II)受光可能な波長域を2.6μmまで拡大したextended−InGaAsでは暗電流が大きく冷却する必要があること、である。したがって、InP系PDでは、食品の検査で重要となる2.0μm以上の光を、用いることができないか、または用いる場合には冷却する必要がある。
これまでの食品の品質検査において、どのような受光素子を用いているかを以下に示す。
(C1)常温で硫化鉛(PbS)を用いて、食品の品質検査に用いる方法が開示されている(特許文献1〜4)。
(C2)InGaAsPINフォトダイオードを用いた測定装置を用いたものもある(特許文献5)。
(C3)赤外線検出器にどのような素子を用いているか、明確な記述がないものも多い(特許文献6〜13)。
上記引用文献にあげた食品品質検査方法において、受光素子自体の感度を問題にしたものはなく、すべて、食品に対して、どのような手法を用いて検査をするのがよいかという提案がなされている。
InGaAsPINフォトダイオードについては、上述のように、受光感度を近赤外の長波長側まで拡大する課題がある。これを改善するために、下記の方策が提案されている。
(K1)InGaAs受光層のIn組成を高め、InP基板との格子不整合は、その間に挿入してIn組成を段階的に変えたステップバッファ層によって吸収する(特許文献14)。
(K2)InGaAs受光層にNを含有させてGaInNAs受光層とする(特許文献15)。InP基板との格子整合は、Nを多量に含有させることで満足させる。
(K3)GaAsSbとInGaAsとのタイプII型多重量子井戸構造によって、受光域の長波長化をはかる(非特許文献3)。InP基板との格子整合は、満たされている。
(K4)二次元アレイ化は、受光素子(画素)間に、素子分離溝をウエットエッチングを形成することで実現する(特許文献16)。
上記の改善の提案はあるものの、受光感度を波長1.7μm以上に拡大した上で、ノイズや暗電流を抑制するという点で、上記の(K1)〜(K4)のいずれも、まだ満足できる段階にいたっていない。
河野澄夫「食品の非破壊計測ハンドブック」SCIENCE FORUM 社、p.34-40 中山雅夫「赤外線検出素子の技術動向」センサー技術、1989年3月号(Vol.9, No.3),p.61-64 R.Sidhu,"A Long-Wavelength Photodiode on InP Using Lattice-Matched GaInAs-GaAsSb Type-II Quantum Wells, IEEE Photonics Technology Letters, Vol.17, No.12(2005), pp.2715-2717 特開2005−233824号公報 特表2003−510601号公報 特開平8−29336号公報 特開平8−29335号公報 特開2007−93506号公報 特開平9−9767号公報 特開平5−232017号公報 特開2001−4616号公報 特開2007−212335号公報 特開2007−225293号公報 特開平9−119894号公報 特開平9−250983号公報 特開平9−288056号公報 特開2002−373999号公報 特開平9−219563号公報 特開2001−144278号公報
液体窒素またはペルチエ素子による冷却が不要で、近赤外域の長波長側に受光感度を有する受光素子および受光素子アレイは、上記(K1)〜(K4)に示すように、いくつかの候補はある。しかし、結晶性の低さ、高い暗電流、製造の困難性等に阻まれ、実用上克服すべき困難な課題が多く、開発途上にある。このため、冷却機構を設けないフォトダイオードを用いた測定では、ノイズが多くなる。しかしながら、受光素子自体の性能を向上させて、その性能向上の内容に応じて、検査対象物にとって適切な食品品質検査装置を得ることは、意義の高いことである。すなわち、冷却機構なしで暗電流を抑制したフォトダイオードを用いて、高い感度で近赤外分光が行えるようになれば、食品について簡単に有用な情報を得ることができることになり、食品に関連した多くの分野の発展を促すことができる。
本発明は、冷却機構なしで暗電流を減らし、受光感度を波長1.8μm以上に拡大したInP系フォトダイオードを用いて、食品の品質を高感度で検査することができる食品品質検査装置、それを用いた食品成分検査装置、異物成分検査装置、食味検査装置および変移状態検査装置を提供することを目的とする。
本発明の食品品質検査装置は、近赤外光を受光するIII−V族半導体による受光素子または受光素子のアレイを備えて、食品の品質を検査する。この装置は、受光素子がInP基板上に形成された多重量子井戸構造の受光層を有し、その受光層のバンドギャップ波長が1.8μm以上3μm以下であり、受光層のInP基板側と反対側の面に接するIII−V族化合物半導体の拡散濃度分布調整層とを備え(すなわち拡散濃度分布調整層は、InP基板との間に受光層をはさむように位置する)、その拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギがInPよりも小さい。受光素子では、拡散濃度分布調整層を通して受光層へと届く、不純物元素の選択拡散によってpn接合が形成され、受光層における不純物元素の濃度が5×1016/cm以下である。拡散濃度分布調整層の拡散前のn型不純物濃度が、2×1015/cm以下であり、該拡散濃度分布調整層は、受光層側の厚み範囲に低い不純物濃度範囲を有する。そして、食品からの透過光または反射光について、波長3μm以下の少なくとも1つの波長の光を受光素子により受光して、検査をすることを特徴とする。
上記の構成によって、近赤外域に対応したバンドギャップエネルギを有する多重量子井戸構造を、不純物濃度を5×1016cm−3以下に低くすることにより多重量子井戸構造を破壊されず、すなわち結晶性を損なわずに、形成することができる。そして、受光素子のpn接合形成のための不純物が選択拡散され、すなわち周縁部から内側に平面的に周囲限定されて、個々の受光素子に分離されるように導入される。このため、各受光素子を高精度で形成しやすく、素子分離溝を設ける必要がないので、暗電流の低い受光素子を形成することができる。このため、波長3μm以下において、冷却なしで高い感度の受光をすることができる。食品を構成する成分(分子)の吸収帯は、波長1.2μm〜3μmに多く存在するので、感度よく食品の検査を行うことができる。
拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギをInPより小さくすることによって、拡散濃度分布調整層の受光層側の厚み範囲の不純物濃度を低くしても、電気抵抗を低く抑えることができ、このため応答速度の低下防止に資することができる。さらに詳しく説明すると、拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギをInP基板のバンドギャップエネルギより小さくした理由は、次のとおりである。
(1)III−V族化合物半導体により近赤外域用の受光層を形成したとき、その受光層のバンドギャップエネルギより大きいバンドギャップエネルギを窓層に用いる場合があり、その場合、格子整合性等も考慮して、半導体基板と同じ材料が用いられることが多い。拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギは、窓層のバンドギャップエネルギより小さく、受光層のバンドギャップエネルギより大きいことを前提としている。受光層のバンドギャップエネルギより小さい場合には、エピタキシャル層表面を入射面とする構造を採用したとき、拡散濃度分布調整層が対象とする光を吸収し、受光層の受光感度を低下させるからである。
(2)窓層に通常用いられる大きなバンドギャップエネルギの材料よりも小さいバンドギャップエネルギの材料を用いることにより、不純物濃度を低くしても電気抵抗増大の程度、または電気伝導度の低下の程度を小さくすることができる。この結果、上記のように電圧印加状態において応答速度の低下を抑制できる。
ここで、検査とは、あらかじめ所定成分の検量線(所定成分の濃度と、その波長での光の強度または吸収度との関係)を作成しておいて、所定成分の濃度または含有率を求めることであってもよいし、そのような検量線を用いない手法であってもよい。なお、上記のpn接合は、次のように、広く解釈されるべきである。受光層内において、不純物元素が選択拡散で導入される側と反対の面側の領域の不純物濃度が、真性半導体とみなせるほど低い不純物領域(i領域と呼ばれる)であり、上記拡散導入された不純物領域と当該i領域との間に形成される接合をも含むものである。すなわち上記のpn接合は、pi接合またはni接合などであってもよく、さらに、これらpi接合またはni接合におけるp濃度またはn濃度が非常に低い場合も含むものである。
拡散濃度分布調整層は、不純物元素の濃度が、受光層と接する面と反対側の面側にある1×1018/cm以上の領域と、受光層側にある2×1016/cm以下の領域と、2つの領域の間にあり2つの領域よりも厚みが薄く不純物元素の濃度が2×1016/cmより大きく、1×1018/cmより小さい領域と、を有することができる。
これによって、表面トップ側に位置する電極の界面抵抗を抑えながら、またはオーミック接触を可能にしながら、かつ多重量子井戸構造の良好な結晶性を確保することができる。拡散濃度分布調整層内の部分における低い不純物濃度に起因する電気抵抗の増大または電気伝導度の低下の問題は、上記のように、拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギをInP相当のそれよりも小さくすることにより軽減することができる。
上記の受光層をタイプIIの量子井戸構造とすることができる。これによって、電磁波の吸収の際に、電子の高い価電子帯の層から低い導電帯の層への遷移が可能となり、より長波長域の光に対する受光感度を獲得することが容易になる。
上記の受光層を、(InGaAs/GaAsSb)の多重量子井戸構造、または(GaInNAs(P,Sb)/GaAsSb)の多重量子井戸構造とすることができる。これによって、これまで蓄積した材料および技術を用いて、容易に、結晶性に優れ、暗電流の低い受光素子を得ることができる。
上記のInP基板を、(100)から[111]方向または[11−1]方向に、5°〜20°傾斜したオフアングル基板とすることができる。これによって、欠陥密度が小さく結晶性に優れた、多重量子井戸構造の受光層を含む積層体を得ることができる。この結果、暗電流が抑制され、暗点が少ない受光層を得ることができる。
上記の不純物元素を亜鉛(Zn)とし、拡散濃度分布調整層をInGaAsから形成することができる。これにより、電気抵抗の不純物濃度依存性が小さく、不純物濃度が低くても電気抵抗はそれほど高くならない材料で、拡散濃度分布調整層を形成することができる。電気抵抗の増大抑制は、応答速度の劣化を防止する。また、不純物の亜鉛は、これまでの選択拡散の実績が豊富であり、高い精度で拡散領域を形成することができる。このため、拡散濃度分布調整層内で、拡散導入側の上側で高い濃度の不純物を、受光層側の下側で低い濃度としながら、その下側での電気抵抗を高めないようにできる。このため量子井戸構造を有する受光層内に、高い不純物濃度の領域を形成しないようにできる。この結果、応答性を低下させずに、結晶性の良好な量子井戸構造の受光素子を得ることができる。なお、InGaAsのバンドギャップエネルギは0.75eVである。
拡散濃度分布調整層の上にInP窓層を備えることができる。InPによる窓層の形成は、内部の半導体積層構造の結晶性を損なわないことから、エピタキシャル層を入射面側とする構造を採用した場合、受光層より入射側での近赤外光の吸収などを防止しながら、暗電流の抑制にも有効に作用する。また、InPの結晶表面にパッシベーション膜を形成する技術は、他の結晶表面に形成する場合、たとえばInGaAsの表面にパッシベーション膜を形成する技術よりも蓄積があり、技術的に確立されており、表面での電流リークを容易に抑制することができる。
上記のInP基板、受光層の量子井戸構造を構成する各層、拡散濃度分布調整層、およびInP窓層、の任意の相互間において、格子整合度(|Δa/a|:ただし、aは格子定数、Δaは相互間の格子定数差)を0.002以下とすることができる。この構成により、普通に入手ができるInP基板を用いて、結晶性に優れた受光層を得ることができる。このため、波長1.8μm以上の近赤外光の受光素子または受光素子アレイにおいて、暗電流を画期的に抑制することができる。
ここで、受光素子アレイは、受光素子が、複数、半導体積層構造を共通にし、かつ不純物元素が受光素子ごとに受光層内に選択拡散されて形成されており、一次元または二次元配列されている。この構成によれば、受光素子が個々の不純物拡散領域で形成されるため、素子分離溝を設ける必要がない。このため、高精度で形成しやすく、暗電流を低くできる受光素子アレイを形成することができる。
検査対象の食品の前または後に位置して光を分光する分光部と、分光された波長に応じて位置する複数の受光素子または受光素子アレイと、受光素子または受光素子アレイで受光した結果に基づき演算をして、食品の品質の評価値を算出する制御部とを備えることができる。これによって、多波長同時受光などを、迅速に、かつ精度よく行うことができる。分光部は、回折格子などで形成するのが好ましい。また、制御部には、当然、記憶部、外部からの入力部などが含まれており、対象波長の検量線などがあらかじめ入力され、記憶されていてもよい。
検査対象の食品に、スーパーコンティニウム光源(SC光源)または発光ダイオード(LED)による光を照射し、検査対象の食品からの透過光または反射光を受光することができる。通常ハロゲンランプが光源として用いられるが、ハロゲンランプは発熱するため、照射することで食品の鮮度が落ちる場合がある。これに対して、SC光源やLEDは発熱しないことから食品の品質に関する測定用光源に適している。本発明の食品検査装置は、上記のSC光源、LEDの場合、および通常のハロゲンランプの場合を含めて、上記の受光素子または受光素子アレイで受光した結果に基づき演算をして、食品の品質の評価値を算出する制御部とを備えるのが普通である。
上記受光素子の二次元アレイを含む撮像装置を備え、該撮像装置により検査対象の食品に含まれる物質の分布像を形成することができる。これによって、感覚的に理解しやすい検査対象物中の所定成分の分布像を得ることができる。
上記のInP基板の側を入射側とする構造において、当該InP基板を除去することができる。このように、基板側入射実装した場合、InP基板を剥離することで、1000nm以下の光でも受光層で受光し検出することができるようになる。
本発明の食品成分検査装置は、上記のいずれか1つの食品品質検査装置を備え、食品を構成する成分を検出することを特徴とする。これによって、たとえば果物の糖度、牛肉やウナギの脂肪分、穀類の水分や蛋白質などを検出することができる。また、ある地域特産の食材の特定(他地域の同種食材との相違点の特定)などに用いることもできる。なお、ここでいう特定は、厳密な意味での食材の特定だけでなく、単に特徴が検出できる程度のものも含んでもよい。
上記の食品を構成する成分のその食品の特定範囲における濃度分布等を検出することによって、その食品の産地、原産地、ブランド等を特定することができる。これによって、粗悪品を非破壊的に特定して、たとえば商標権の保護に資することができる。また、出荷に際し、特定成分が所定の濃度分布に入らないものは廃棄するなどして、特定の産地の名産品の品質維持、もしくは登録商標の保護対象の名産品の品質維持に用いることができる。
本発明の異物成分検査装置は、上記のいずれか1つの食品品質検査装置を備え、食品の異物の成分を検出することを特徴とする。これによって、食品に含まれる有害物質などを簡単かつ迅速に検出することができ、食の安全に資することができる。
本発明の食味検査装置は、上記のいずれか1つの食品品質検査装置を備え、食品の食味を検査することを特徴とする。これによって、食味など複雑で評価が難しい品質を検査することができる。このためには、長波長側の近赤外域で、多くの波長での吸光度を測定する必要がある。
本発明の変移状態検査装置は、上記のいずれか1つの食品品質検査装置を備え、食品の加工状態、鮮度などの変化する品質の現状を検査することを特徴とする。これによって、食品の安全性を確保することができる。
本発明によれば、冷却機構なしで暗電流を減らし、受光感度を波長1.8μm以上に拡大したInP系フォトダイオードを用いて、食品品質を高感度で検査することができる食品品質検査装置、それを用いた、食品成分検査装置、異物成分検査装置、食味検査装置および変移状態検査装置を得ることができる。
(実施の形態1−半導体受光素子アレイの構造−)
図1は、本発明の実施の形態における受光素子10を示す断面図である。図1によれば、受光素子10は、InP基板1の上に次の構成のIII−V族半導体積層構造(エピタキシャルウエハ)を有する。
(InP基板1/InPバッファ層2/InGaAsまたはGaInNAsとGaAsSbとの多重量子井戸構造の受光層3/InGaAs拡散濃度分布調整層4/InP窓層5)
InP窓層5から多重量子井戸構造の受光層3にまで届くように位置するp型領域6は、SiN膜の選択拡散マスクパターン36の開口部から、p型不純物のZnが選択拡散されることで形成される。受光素子10の周縁部の内側に、平面的に周囲限定されて拡散導入されるということは、上記SiN膜の選択拡散マスクパターン36を用いて拡散することによって達せられる。
p型領域6にはAuZnによるp側電極11が、またInP基板1の裏面にはAuGeNiのn側電極12が、それぞれオーミック接触するように設けられている。この場合、InP基板1にはn型不純物がドープされ、所定レベルの導電性を確保されている。InP基板1の裏面には、またSiONの反射防止膜35を設け、InP基板の裏面側から光を入射するようにして使用することもできるようになっている。
多重量子井戸構造の受光層3には、上記のp型領域6の境界フロントに対応する位置にpn接合が形成され、上記のp側電極11およびn側電極12間に逆バイアス電圧を印加することにより、n型不純物濃度が低い側(n型不純物バックグラウンド)により広く空乏層を生じる。多重量子井戸構造の受光層3におけるバックグラウンドは、n型不純物濃度(キャリア濃度)で5×1015/cm程度またはそれ以下である。そして、pn接合の位置15は、多重量子井戸の受光層3のバックグラウンド(n型キャリア濃度)と、p型不純物のZnの濃度プロファイルとの交点で決まる。すなわち図2に示す位置となる。
拡散濃度分布調整層4内では、InP窓層5の表面5aから選択拡散されたp型不純物の濃度が、InP窓層側における高濃度領域から受光層側にかけて急峻に低下している。このため、受光層3内では、Zn濃度は5×1016/cm以下の不純物濃度を容易に実現することができる。図2では、受光層3内のZn濃度は、より低い1×1016/cm程度以下が実現されている。
本発明が対象とする受光素子10は、近赤外域からその長波長側に受光感度を有することを追求するので、窓層には、受光層3のバンドギャップエネルギより大きいバンドギャップエネルギの材料を用いるのが好ましい。このため、窓層には、通常、受光層よりもバンドギャップエネルギが大きく、格子整合の良い材料であるInPが用いられる。InPとほぼ同じバンドギャップエネルギを有するInAlAsを用いてもよい。
(本実施の形態の受光素子アレイのポイント)
本実施の形態における特徴は、次の要素で構成される点にある。
1.多重量子井戸構造は、選択拡散で不純物を高濃度に導入した場合、その構造が破壊されるため、選択拡散による不純物導入を低く抑える必要がある。通常、上記の拡散導入するp型不純物の濃度を5×1016/cm以下とする必要がある。
2.上記の低いp型不純物の濃度を、実生産上、再現性よく安定して得るために、InGaAsによる拡散濃度分布調整層4を、受光層3の上に設ける。この拡散濃度分布調整層4において、受光層側の厚み範囲が、上記のような低い不純物濃度になると、その低い不純物濃度の範囲の電気伝導性は低下し、または電気抵抗は増大する。拡散濃度分布調整層4における低不純物濃度範囲の電気伝導性が低下すると、応答性が低下して、たとえば良好な動画を得ることができない。しかしながら、InP相当のバンドギャップエネルギより小さいバンドギャップエネルギの材料、具体的には1.34eV未満のバンドギャップエネルギを持つIII−V族半導体材料によって拡散濃度分布調整層を形成した場合には、不純物濃度が低くても、電気伝導性は非常に大幅には低下しない。上記拡散濃度分布調整層の要件を満たすIII−V族半導体材料として、たとえばInGaAsなどを挙げることができる。
拡散濃度分布調整層にバンドギャップエネルギの狭い材料を用いると、不純物濃度が低くても電気抵抗の増加を抑制することができる。逆バイアス電圧印加等に対する応答速度は、容量および電気抵抗によるCR時定数で決まると考えられるので、電気抵抗Rの増大を、上記のように抑制することにより応答速度を短くすることができる。
3.本実施の形態では、多重量子井戸構造をタイプIIとする。タイプIの量子井戸構造では、バンドギャップエネルギの小さい半導体層を、バンドギャップエネルギの大きい半導体層で挟みながら、近赤外域に受光感度を持たせる受光素子の場合、小さいバンドギャップエネルギの半導体層のバンドギャップにより受光感度の波長上限(カットオフ波長)が定まる。すなわち、光による電子または正孔の遷移は、小さいバンドギャップエネルギの半導体層内で行われる(直接遷移)。この場合、カットオフ波長をより長波長域まで拡大する材料は、III−V族化合物半導体内で、非常に限定される。これに対して、タイプIIの量子井戸構造では、フェルミエネルギを共通にして異なる2種の半導体層が交互に積層されたとき、第1の半導体の伝導帯と、第2の半導体の価電子帯とのエネルギ差が、受光感度の波長上限(カットオフ波長)を決める。すなわち、光による電子または正孔の遷移は、第2の半導体の価電子帯と、第1の半導体の伝導帯との間で行われる(間接遷移)。このため、第2の半導体の価電子帯のエネルギを、第1の半導体の価電子帯より高くし、かつ第1の半導体の伝導帯のエネルギを、第2の半導体の伝導帯のエネルギより低くすることにより、1つの半導体内の直接遷移による場合よりも、受光感度の長波長化を実現しやすい。
4.上述のように、選択拡散マスクパターンを用いて選択拡散により、受光素子の周縁部より内側に、平面的に周囲限定してp型不純物を拡散導入するので、上記のpn接合は受光素子の端面に露出しない。この結果、光電流のリークは抑制される。
図3は、上記の受光素子10を、共通のInP基板を含むエピタキシャルウエハに複数個配列した受光素子アレイ50を示す断面図である。受光素子10が複数個、素子分離溝なしに配列されている点に特徴を持つ。上述の4.で述べたように、各受光素子の内側にp型領域6が限定され、隣接する受光素子とは、確実に区分けされている。受光層3が多重量子井戸構造で形成されており、受光層3の上に拡散濃度分布調整層4が配置されて、受光層3内のp型不純物濃度が5×1016/cm以下とされている点などは、図1の受光素子10と同じである。
次に、図1に示す受光素子10の製造方法について説明する。n型InP基板1上に、2μm厚みのInPバッファ層2またはInGaAsバッファ層2を成膜する。次いで、(InGaAs/GaAsSb)または(GaInNAs/GaAsSb)の多重量子井戸構造の受光層3を形成する。単位量子井戸構造を形成するInGaAs層(またはGaInNAs層)の厚みは5nmであり、ペア数(単位量子井戸の繰り返し数)は300である。次いで、受光層3の上に、Zn拡散導入の際の拡散濃度分布調整層4として、厚み1μmのInGaAs層をエピタキシャル成長し、次いで、最後に厚み1μmのInP窓層5をエピタキシャル成長する。上記の受光層3および拡散濃度分布調整層4は、ともにMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によってエピタキシャル成長するのがよい。また、InP窓層5は、MBE法でエピタキシャル成長してもよいし、拡散濃度調整層4を成長させた後、MBE装置から取り出して、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法によってエピタキシャル成長してもよい。
InPバッファ層2またはInGaAsバッファ層2は、ノンドープでもよいし、Siなどn型ドーパントを1×1017/cm程度ドーピングしてもよい。GaInNAs/GaAsSbの多重量子井戸構造の受光層3、InGaAsの拡散濃度分布調整層4、およびInP窓層5は、ノンドープが望ましいが、Siなどn型ドーパントを極微量(たとえば2×1015/cm程度)ドーピングしてもよい。また、InP基板1とバッファ層2との間に、n型ドーパントを1E18cm−3程度ドープしたn側電極を形成するための高濃度のn側電極形成層を挿入してもよい。また、InP基板1は、Feドープの半絶縁性InP基板であってもよい。この場合は、その半絶縁性InP基板1とバッファ層2との間に、n型ドーパントを1×1018/cm程度ドープしたn側電極形成層を挿入する。
上述のInP基板1を含む積層構造(エピタキシャルウエハ)を用いて、光デバイスを製造する。InP窓層5の表面5aに形成したSiNマスクパターン36を用いて、その開口部からZnを選択拡散してInGaAs/GaAsSb(またはGaInNAs/GaAsSb)多重量子井戸構造の受光層3内に届くようにp型領域6を形成する。p型領域6のフロント先端部がpn接合15を形成する。このとき、Zn濃度が1×1018/cm程度以上の高濃度領域は、InGaAs拡散濃度分布調整層4内に限定される。すなわち、上記高濃度不純物分布は、InP窓層5の表面5aから深さ方向に、InGaAs拡散濃度分布調整層4内にまで連続し、さらに拡散濃度分布調整層4内のより深い位置で5×1016/cm以下に低下する。そして、pn接合15の近傍におけるZn濃度分布は、傾斜型接合を示すような分布になっている。
受光素子10の一次元または二次元配列、すなわち図3に示す受光素子アレイは、素子分離用のメサエッチングをすることなくZnの選択拡散(受光素子の周縁部の内側になるように平面的に周囲限定した拡散)によって、隣り合う受光素子どうし分離する。すなわち、Zn選択拡散領域6が1つの受光素子10の主要部となり、1つの画素を形成するが、Znが拡散していない領域が、各画素を分離する。このため、メサエッチングに付随する結晶の損傷などを受けることがなく、暗電流を抑制することができる。
不純物の選択拡散によってpn接合を形成する場合、拡散が深さ方向だけでなく横方向(深さ直交方向)にも進行するので、素子間隔を一定以上、狭くすることができない懸念が、上記特許文献2に表明されている。しかしながら、実際にZnの選択拡散を行ってみると、最表面にInP窓層5があり、その下にInGaAs拡散濃度分布調整層4が配置された構造では、横方向の拡散は、深さ方向と同程度またはそれ以下に収まることが確認された。すなわち、Znの選択拡散において、Znはマスクパターンの開口径よりも横方向に広がるが、その程度は小さく、図1、図3などに模式的に示すように、マスクパターン開口部よりも少し広がるだけである。
図4は、本発明とは異なる参考例1における受光素子110を示す断面図である。参考例1の受光素子110では、次の積層構造を有する。
(InP基板101/InPまたはInGaAsバッファ層102/(GaInNAs/GaAsSb)多重量子井戸構造の受光層103/InP窓層105)
本発明の実施の形態における積層構造と比較して、拡散濃度分布調整層がないことが相違点である。すなわち、InP窓層105の直下に、多重量子井戸構造の受光層103が配置されている。
拡散濃度分布調整層がないと、図5に示すように、たとえばZn濃度分布は多重量子井戸構造の受光層103まで高い濃度となる。すなわち、多重量子井戸構造内において、5×1016/cmを超えて1×1018/cmの高い不純物濃度領域が形成される。多重量子井戸構造に高濃度不純物が導入されると、その構造が破壊され、暗電流が大きく増大する。逆に、このような高濃度不純物領域が、多重量子井戸構造内に形成されないようにするために、拡散濃度分布調整層を設けて選択拡散を行うのである。
しかしながら、Znの選択拡散において、次のような考え方が成立する余地がある。
(1)拡散導入時間を短時間に限定して、高濃度領域が多重量子井戸構造103内にかからないようにする。
(2)InP窓層105の厚みを厚くして、拡散濃度分布調整層の役割をInP窓層105に分担させる。
図6は、上記の(1)および(2)の場合を検討するための参考例2における受光素子110を示す断面図である。参考例2の受光素子110では、参考例1の受光素子とほぼ同じ積層構造を有するが、InP窓層105の厚みは、参考例1よりも厚くしており、上記(2)の場合に対応するが、(1)の場合も検討することは可能である。図6の積層構造において、多重量子井戸構造103内にZnの高濃度領域を形成しないように選択拡散を行った結果、得られたのが図7に示すZn濃度分布である。図7に示すZn濃度分布の場合、InP窓層105内において、Zn濃度は、高濃度から低濃度へと急峻に低下し、受光層側のInP窓層105内において、1×1016/cm程度の低濃度不純物領域が形成される。
InP窓層105内において、1×1016/cm程度の低濃度不純物領域が形成されると、その領域では、繰り返し説明してきたように電気抵抗が高くなり、応答速度が低下する。このため、窓層を形成するほどバンドギャップエネルギが大きい材料に、具体的にはその典型材料であるInP窓層105に、拡散濃度分布調整層の役割を果たさせることはできない。このことは、上記(1)および(2)の場合について同じである。よって、拡散濃度調整層には、バンドギャップエネルギがInP相当以下、具体的には1.34eV未満を満たす材料を用いるのがよい。すなわち、低濃度不純物領域でも、電気伝導度の低下が比較的小さく、電気抵抗の増加が比較的小さいInGaAsのような材料を用いる必要がある。
(実施の形態2−食品成分または異物成分検出装置における撮像装置(成分の分布像形成装置)の構造−)
図8は本発明の実施の形態2における、食品成分または異物成分検出装置に含まれる撮像装置(受光素子アレイ)の概要を示す図である。レンズなどの光学部品は省略してある。図9は、上記の撮像装置の受光素子アレイを説明するための図である。図10は、図9の受光素子アレイ50のうちの1つの受光素子を示す図である。図8において、この撮像装置70は、共通のInP基板51の上に形成された受光素子10がエピタキシャル層側を、実装基板の機能を有するマルチプレクサ71に向けて、いわゆるエピダウン実装されている。各受光素子10のエピタキシャル層のp型領域6と電気的に接続されるp側電極11と、共通のn型InP基板51(1)に設けられるn側電極12とは、マルチプレクサ71に接続され、電気信号をマルチプレクサに送り、マルチプレクサ71では各受光素子における電気信号を受けて、対象物の全体像を形成する処理を行う。n側電極12およびp側電極11は、それぞれはんだバンプ12b,11bを介在させてマルチプレクサ71と電気的に接続される。入射光は、InP基板51の裏面に形成したAR(Anti-Reflection)膜35を通して導入され、p型領域6と受光層3との界面であるpn接合15で受光される。p型領域6は、保護膜を兼ねるSiNのZn拡散マスク36の開口部から導入される。Zn拡散マスクパターン36は、その上に形成された保護膜のSiON膜パターン43とともにそのまま残される。受光素子アレイおよび各受光素子の構造については、図9および図10を用いて、次に詳しく説明する。
図9において、受光素子アレイ50の受光素子10は、共通のInP基板51(1)に設けられている。各受光素子でSWIR帯の光を受光することにより生じた電流信号は、上述のように実装基板を兼ねたマルチプレクサ71に送られ、画像形成の処理がなされる。各受光素子のサイズやピッチ、アレイの大きさを変えながら、画素数を変化させる。図9に示す受光素子アレイ50は9万画素のものである。図10に示す受光素子10は、InP基板1の上に形成された複数のエピタキシャル膜を有し、また、p型領域6を形成する際に用いた、p型不純物導入用の拡散マスク36を残している。p型領域6にはp部電極11が接続され、はんだバンプなどによりマルチプレクサ71など実装基板の配線などへと接続される。
図11は、図8に示したエピダウンの受光素子と異なり、エピアップ実装の受光素子を説明する断面図である。本発明においては、撮像装置内の受光素子はエピダウン実装でもエピアップ実装でも、どちらでもよい。この受光素子10は、n型InP基板1上に、下から順に、n型InPバッファ層2/受光層3/拡散濃度分布調整層4/InP窓層5/拡散マスク36/反射防止膜(AR膜:Anti-Reflection)35が位置している。p型領域6は、InP窓層5から拡散濃度分布調整層4を経て受光層3内のpn接合15まで形成されている。また、n側電極12がn型InP基板の裏面に位置し、p側電極11は、p型領域6のInP窓層5の表面に位置し、配線電極27に電気的に接続されている。本実施の形態においては、受光層3は、波長1.0μm〜3.0μmの範囲の光を受光する。具体的には、受光層3は、上述のタイプIIの多重量子井戸構造によって形成される。
図11に示す受光素子は、上記したようにエピアップ実装され、エピタキシャル層すなわちInP窓層5の側から光を入射される。本実施の形態における受光素子は、上述のように、エピアップ実装でもエピダウン実装でもよく、図12に示すように、エピダウン実装され、InP基板1の裏面側から光を入射されるタイプでもよい。図12のエピダウン実装の受光素子10の場合、InP基板1の裏面にAR膜35が施される。拡散濃度調整層4、InP窓層5、p側電極11および保護膜を兼ねるSiNの拡散マスク36は、エピアップ実装の場合と同様に設けられる。図12に示すエピダウン実装の場合、InP基板などInPはSWIR帯光に透明なので、SWIR帯光は吸収されることなく、受光層3のpn接合15に到達する。図12の構造においても、受光層は、上述のタイプIIの多重量子井戸構造によって形成される。以後の本発明例においても、とくに断らない限り、同様である。
p側電極11と、n側電極12とは、図11に示すようにInP基板1を間に挟んで対向する位置に配置してもよいし、図12に示すようにInP基板1の同じ側の位置に配置してもよい。図12に示す構造の場合、図9に示す受光素子アレイ50の各受光素子10と集積回路とはフリップチップ実装により電気的に接続される。図11および図12の構造の受光素子において、pn接合15に到達した光は吸収され、電流信号を生じ、上述のように、集積回路を通して各々一画素の像に変換される。
InP基板1は、(100)から[111]方向または[11−1]方向に5度〜20度傾斜したオフアングル基板とするのがよい。より望ましくは、(100)から[111]方向または[11−1]方向に10度〜15度傾斜させる。このような大きなオフ角基板を用いることにより、欠陥密度が小さく結晶性に優れたn型InPバッファ層2、タイプIIの量子井戸構造の受光層3、InGaAs拡散濃度分布調整層4およびInP窓層5を得ることができる。この結果、暗電流が抑制され、暗点が少ない受光層を得ることができる。このため、微弱なSWIR帯の宇宙光を受光して撮像する装置の性能を大きく向上させる受光層を得ることができる。すなわち上記オフアングル基板を用いて形成された受光素子の有する作用は、宇宙光を受光して撮像する撮像装置の品質向上にとくに有用である。
上記のような大きなオフ角は、InP基板について提唱されたことはなく、本発明者らによってはじめて確認されたものであり、InP基板上に良好な結晶性のエピタキシャル膜を成長させる場合の重要な要素である。たとえば、非常に長波長域の発光及び受光が可能であるとする、上記の量子井戸構造の受光層3中に、Nを含む化合物半導体、たとえばGaInNAsが含まれる場合、上記のような大きなオフ角のInP基板を用いない限り、実際には、実用に耐える、良好なエピアキシャル層として形成されることは不可能である。すなわち、上記のような大きなオフ角のInP基板を用いない限り、Nを含む化合物半導体、たとえばGaInNAsは暗電流を抑制し、暗点を減らした受光層になることはない。この結果、微弱なSWIR帯の宇宙光を用いて鮮明な画像を得ることができない。上記例としてあげたGaInNAsだけでなく、GaInNAsPおよびGaInNAsSbにおいてもInP基板のオフ角は、上記のような大きい角度範囲が、良好な結晶性を得るのに必要であるという点で同じである。
図11および図12に示す受光素子10では、受光層3を覆うように位置するInGaAs拡散濃度調整層4およびInP窓層5を備える。受光層3の格子定数がInP基板1の格子定数と同じであるため、受光層3の上に、暗電流を小さくすることで定評があるInGaAs拡散濃度調整層4およびInP窓層5を形成することができる。このため、暗電流を抑制し、素子信頼性を向上させることができる。
(実施の形態3:食品成分検査装置(1)−成育中、出荷中等の果物、野菜等の成分検査装置−)
図13は、本発明の実施の形態3における食品品質検査装置100を示す図である。この食品品質検査装置100は、食品を構成する成分、とくに糖度の含有率を検査する。場所を選ばず、樹上のりんご、さくらんぼ、ブドウ等の果実や、生育中の野菜に対して非破壊的に、1000nm〜3000nmの広い波長域で精度よく糖度等の検査が遂行できるように、受光素子10または受光素子アレイ50には、実施の形態1および2で説明したものを用いる。そして、電池55を備え、この食品成分検査装置100の携行を可能にする。筐体本体45aの先端部に、りんご等の検査対象物をはさむ際にサイズ調整ができるように、投光部筐体45bおよび受光部筐体45cが、ともに筐体本体45aと係合しながら移動可能に取り付けられている。移動可能な筐体は、投光部筐体45bおよび受光部筐体45cのいずれか一方だけでもよい。
発光ダイオード等の光源73から出射した近赤外光を含む光は、投光用光ファイバ81を経て、投受光部83から果実等の検査対象物Sに照射される。果実Sを透過した光は、集光レンズ87により集光され、受光用光ファイバ82を経由して、分光部91の入射スリットに導入される。図14は、分光部91および受光素子アレイ50を示す図である。分光部91には主要部材として回折格子91aが位置微調整用ステージに配置されていて、リファレンス方向に対する光軸方向の角度α,βを微調整することができる。この回折格子91aが、検査対象物Sを透過した光を波長に応じて異なる回折角で回折する。この回折されることで分光された光を、上述の受光素子アレイ50、すなわち光電変換部で受光して電気信号に変換する。受光素子アレイ50は、複数個の受光素子10を配置してもよい。図15は、受光素子アレイ50からの電気信号を演算処理して吸光度を算出し、糖度を求めるプロセスを示す図である。受光素子アレイ50からの電気信号を、制御部85に入力して、マイコン等のデータ処理部85bにおいてデータ処理し、その結果を表示部85cに表示する。
本実施の形態における食品成分検査装置100では、携帯用であり樹上の果実や土壌に生育中の野菜の成分などを測定できるが、とくに携帯用であるにもかかわらず検査対象物Sを透過した光に基づく点に特徴をもつ。このため、摂食する主要部分について近赤外分光を行うことができる。また、上記の食品成分検査装置10では、上記のように受光素子10または受光素子アレイ50に、上記実施の形態1または2に示す受光素子等を用いる。したがって、暗電流を非常に低くでき、高いS/N比の電気信号を得ることができる。このため、ケモメトリックス等を用いても、または用いなくても、精度のよい検出をすることができる。
たとえば食品成分として糖度の検出方法の一例をりんごについて示す。図15に示すデータ処理部85bの吸光度演算部では、糖に由来する波長λの吸光度と、糖とは無関係の波長λの吸光度とを求める。吸光度の演算に先立って、これらの波長の検量線を求めておくことが必要である。糖度演算部では、二次微分演算部によって演算された二次微分値を用いて、次式によってその青果物の糖度を演算することができる。
糖度C=KO+K1(d(λ)/dλ)+K2(d(λ)/dλ
ここで、A(λ)は波長λにおける吸光度であり、A(λ)波長λにおける吸光度であり、また、KO,K,Kは、十分大きい母集団で測定された吸光度と実測した糖度とを用いて最小自乗法などで求めた定数(係数)である。糖に由来する波長と、糖とは無関係の波長とについて吸光度を求めることで、検査対象のりんご等の種類が異なっても、同一の検量線を用いて糖度を検出することが可能になる。波長λ,λについては、さらに精度を高めるために、第3の波長λ、第4の波長λ...を、順次、導入して、糖度を算出することもできる。
(実施の形態4:食品成分検査装置(2)−成分の濃度分布の検出−)
図16および図17は、本発明の実施の形態4における食品成分検査装置100を説明するための図である。本実施の形態においては、食品に含まれる成分の、当該食品での濃度分布像を得る。濃度分布は、特定波長の近赤外光の吸光度から換算した指数、または上記吸光度を変数とする関数値であってもよい。たとえば、野菜のネギ、大根、人参など、および、果物のりんご、梨などは、産地ごとに独自の特徴をもつ。この独自の特徴は、見た目では識別することが難しい。近赤外分光は、上記野菜や果物に含まれる成分の、その野菜内における濃度分布によって識別できる可能性がある。とくにネギ等は、所定方向に長い形状を持ち、長手方向および巾方向に沿って、所定の成分、たとえば糖の濃度分布を検出することで、産地またはブランドを特定できる可能性が高い。このようにその食品が有する形状内の成分濃度分布像を得るために、図17に示すようにX−Y方向に可動なX−Yテーブル46およびそのX−Yテーブルに固定された試料台47を用いる。X−Yテーブル46および試料台47は、検査対象物Sを透過した近赤外光の障害にならないように、いずれもスペースまたは窓が設けられたものとする。光学系は固定され、図16に示すように、検査対象物Sの一カ所に対して近赤外光を照射して、透過光を受光する。巾方向はX方向であり、長手方向はY方向である。
図16において、発光ダイオード等の光源73から出射した光は、投光用光ファイバ81によって導光され、検査対象物Sの非中心部に照射される。検査対象物Sを透過した光は、集光レンズ87を経て、分光部91で分光され、受光素子アレイ50が配置された受光部で、波長ごとに光電変換される。この電気信号に基づいて、制御部85でデータ処理等を行い、所定の成分の濃度分布像を得ることができる。上記の検出装置によれば、X方向に沿ってX−Yテーブルを移動させることで巾方向の分布を、またY方向に移動させることで長手方向の分布を得ることができる。したがって、りんご、梨、茄子、胡瓜などだけでなく、ネギ、大根、人参のような長い野菜でも、面的に成分分析を行うことができる。このため、上記のブランドや産地の特定、およびその産地業者における品質管理を、より高い精度で行うことができる。とくに、上記のように受光素子10または受光素子アレイ50に、上記実施の形態1または2に示す受光素子等を用いるため、暗電流を非常に低くでき、高いS/N比の電気信号を得ることができる。このため、ケモメトリックス等を用いなくても、またはケモメトリックス等を用いてより多くの情報を得て、精度のよい検出をすることができる。ブランド品の特定を可能にすることで、たとえば後進国等における商標権の不正目的の取得などを意味のないものにすることができる。その実現のために、高S/N比の信号を得られる上記の受光素子10または受光素子アレイ50を用いることは、非常に適切である。
取れたての野菜は甘い、とよくいわれるが、これを基にして鮮度状態を検査することができる。たとえば糖度に対応する波長の吸光度、およびその他の波長における吸光度に重み付けした関数を、実測データをもとに設定して、この関数値を鮮度対応旨み指数とする。このような関数値の算出は、制御部85に所定定数の入力をしておけば、制御部85で自動的に遂行することができる。ある産地の長い野菜の一方端から他方端にいたる、その鮮度対応旨み指数は、図18に示すようになる。曲線Fは、野菜収穫の当日の指数であり、曲線Fは、収穫2日目、曲線Fは、収穫から三日たった指数である。このようにして、鮮度状態を検査することができる。とくに、鮮度の変化は、野菜の表面に生じやすいと思われるが、そのことを調査・確認するために、上述のように、巾(X)方向に、すなわち照射位置を野菜の芯から端に移動させながら、上記の鮮度対応旨み指数を求めることが可能である。上記の方法では、鮮度対応旨み指数を、糖度を主体に設定したが、旨みとは離れて、表面の水分など主体にして、鮮度指数の関数を設定することもできる。この場合特に光源73は、スーパーコンティニウム光源(SC光源)または発光ダイオード(LED)とするのがよい。光源の発熱が極めて小さいからである。ハロゲンランプ等の場合発熱が大きく、被検査物の鮮度を悪化させる場合がある。
(実施の形態5:食品成分検査装置(3)−牛肉枝肉の脂肪分検出−)
図19および図20は、本発明の実施の形態5における食品成分検査装置を説明するための図である。本実施の形態における食品検査装置100は、牛肉のミンチなどの特別の試料を準備することなく、枝肉Sの切開面Saにプローブ先端83を押し当てるだけで、オンラインで脂肪分を検出することができる。これを実現するために、光電変換部に、暗電流を低く抑え、S/N比の高い信号を得ることができる、実施の形態1および2で説明した受光素子アレイ50を用いている。
牛肉の市場、流通の段階において牛肉の品質格付けが行われている。この品質格付け評価については、近赤外分光によって脂肪含量等を短時間で正確に行うことができれば、熟練者による評価作業を補助ないし省くことができる。波長1000〜2500nmの近赤外光を牛肉等に照射すると、そこに含まれる脂肪に固有の吸収スペクトルが得られる。脂肪に特有なCH基は、1053nm,1143nm,1195nm,1533nmに強い吸収を示す。これを利用して、ミンチ加工した試料について、上記波長での吸光度を測定することで脂肪含有率を検出することができることが知られている。しかし、枝肉の切開面については、上記波長での吸光度を十分高い感度で得ることはできていない。
本実施の形態においては、図20に示すように、実施の形態1および2で説明した受光素子アレイ50を、光電変換部に用いる。このため、図19に示すように、たとえばフックに吊り下げられた牛枝肉Sの切開面Saにプローブ83を押し当てるだけで、上記の波長における吸光度を高い精度で迅速に測定することができる。図19において、キャスタ付きラック48には、光学システム91,50,73と、制御部85とが搭載されている。光学システム91,50,73には、投光用光ファイバ81と受光用光ファイバ82とが連結されている。図20に示すように、発光ダイオード等の光源73を出射された光は、投光用光ファイバ81を経て、その端部に位置するプローブ83から枝肉切開面Saに照射される。枝肉切開面Saから戻ってくる光を受光用光ファイバ82に通して、分光部の主要部の回折格子91に投射する。この回折格子91で回折する光を受光素子アレイ50で受光する。受光素子アレイ50は、複数個の受光素子10で置き換えることができる。受光素子で光電変換された電圧信号が、演算部インターフェイス85aを経て制御部85に入力される。
上記の受光素子アレイ50では、暗電流が十分低く、高いS/N比の信号を出力することができる。このため、枝肉の切開面にプローブ83を押し当てる方法によって、上記の波長において十分高い感度で吸光度を測定することができ、これに基づき当該牛肉の脂肪分を検出することができる。また、複数の波長λ1、λ2、λ3などにおける吸光度の二次微分値を求め、たとえば、実際にミンチ加工して実測した実測値と対応づけた重回帰式によって脂肪分を求めてもよい。
(実施の形態6:食品成分検査装置(4)−異常肉の検出−)
本発明の実施の形態6では、異常肉の検出に近赤外分光を用いるが、その食品品質検査装置には、実施の形態5で説明した装置100をそのまま用いる。ただ、制御部85に、本実施の形態に特有のソフトウエアを搭載する。異常肉の一種に、PSE肉があり、その発生原因は十分解明されていない。PSE肉は、硬直後に色が淡く(pale)、肉質が柔らかく(soft)、滲出性が高く水っぽい(exudative)性状を示す筋肉のことをいい、ふけ肉、むれ肉、やけ肉などと呼ばれることもある。正常肉が弱酸性を示すのに対してPSE肉は強い酸性を示し、結着性に乏しく、保水性も低い。加熱したものは食味が劣り、食感がバサつくので加工用にも不適である。このようなPSE肉の生成には、遺伝的および環境的な多くの要因があげられている。品種の差、同一品種内の系統の差、屠殺前のストレスの影響などがあげられている。PSE肉の発生割合は増加傾向にあり、抑制方法は確立されていない。
たとえば上記特許文献8では、波長800〜2500nmのなかの1109nmの吸光度が1.1付近ではPSE肉であり、1.5付近では正常肉であるとして、その判別が可能であるとしている。本実施の形態では、上述の受光素子アレイ50を用いるので、1000nmから3000nmまでの近赤外光を受光して、高いS/N比の信号に変換することができる。このため、1000nm〜3000nmの光について、吸光度を高い精度で測定することができ、さらに制御部においてその二次微分値等を得ることも容易である。たとえば、2つ以上の波長において、高精度で、吸光度およびその二次微分値を得ることができる。この結果、より高い確度でPSE肉の検査を遂行することが可能である。
(実施の形態7:異物成分検査装置−脂肪中のPCB等の検出−)
図21は、本発明の実施の形態7における脂肪中のPCB等の検査装置を示す図である。この異物成分検査装置100では、脂肪を熱、有機溶媒または酵素等で液状にして脂肪中のハロゲン化有機化合物、とくにPCB(ポリ塩素化ビフェニル polychlorinated biphenyl)を検出する。この異物成分検査装置100にも、上述の受光素子アレイ50が配置されている。脂肪中のPCBは、微量であり、得られる信号が微弱であるので、高いS/N比の信号を得ることができる上記の受光素子アレイ50の採用は非常に重要である。また、PCBを含む液状の脂肪Sに対して近赤外光を照射して、反射光を受光するので、容器501の底部に反射めっき層501aを形成しておくのがよい。また、熱的に脂肪を液状にする場合には、試料Sの容器501には、精密な温度制御が可能なヒータ501bを設けるのがよい。PCBを含む液状の脂肪Sに照射された光は、脂肪Sを透過して底部の反射めっき層501aで反射され、再び脂肪Sを透過し、集光レンズ87を経て、受光用光ファイバ82に導入される。そのあとの光の進行過程は、これまで説明した過程と同じである。また、熱的に脂肪を液状にするためにヒータ501bを稼動させた場合は、熱の輻射による近赤外光放射の影響を除くために、一次微分値、二次微分値を用いるのがよい。また、検査対象の脂肪を装入しないブランク状態での測定データを採取しておくのがよい。脂肪Sを装入した実測データから、そのブランク状態の測定データを控除して、検査対象物Sからの正味の近赤外光スペクトルを得ることが望ましい。
上記の異物成分検査装置100を用いて、波長1000nm〜3000nmの範囲の吸収スペクトルを高精度で得ることができる。予め、PCB濃度が分かった脂肪について、特定の波長での吸光度、その一次微分値、または二次微分値との間で相関をとっておき、相関関数を設定しておく。そして、検査対象の脂肪について、その特定波長について吸光度、一次微分値、二次微分値を求めて、相関関数にしたがって、PCB濃度を検出することができる。本実施の形態の異物成分検査装置100では、上記の受光素子アレイ50を用いるため、高いS/N比の信号が、全波長にわたって得られるので、高精度のPCB等の検査が可能である。
(実施の形態8:変移状態検査装置−食品の加熱履歴検査−)
本発明の実施の形態8の変移状態検査装置は、図13、図16に示す光透過型の検査装置でもよいし、図20に示す光反射型の検査装置でもよい。本実施の形態では、たとえば卵加工食品の加熱履歴を検査する。その他、乳製品、コーヒー、ココアなどの熱管理に用いてもよい。熱履歴は、そのほかの当該食品の製造履歴と組み合わせて、殺菌処理の評価とすることができるので、殺菌状態と解釈することもできる。
本実施の形態における加熱履歴検査の場合、加熱履歴が既知の検量線(検量スペクトル)を周到に準備することが重要である。既知の加熱履歴を指標化して、たとえば1つの熱履歴指標を得る。この熱履歴指標と、当該既知試料についてのスペクトル中の特定の波長における吸光度、その一次微分値、二次微分値との間に相関関係、すなわち相関関数を見いだすことが、重要な準備作業となる。このとき採用する特定の波長としては、卵を構成する成分に由来する吸収スペクトル帯の波長を含むのがよい。さらに、卵成分に無関係の波長を含んでもよい。検査対象の卵について、上記採用した波長での吸光度、一次微分値、二次微分値を測定し、上記の準備作業で設定された相関関数にしたがって、熱履歴指標を算出することができる。この熱履歴指標を加熱の履歴の評価値として、その卵製品の熱履歴を検査することができる。
上記のような、熱履歴の場合、食品によっては吸収スペクトルの変化が微弱であることが十分予測される。このような場合、暗電流が大きい受光素子を用いたのでは、信頼性が高い高精度の検査を行うことは難しい。本発明の実施の形態におけるように、上述の受光素子アレイ50または受光素子10を用いることによって、多くの食品の変移状態を検査を遂行することが可能となる。本実施の形態と同類のものに、変移状態の一項目である鮮度状態を検査する装置があるが、実施の形態4(図18参照)の食品成分検査装置において説明した。食品成分検査装置などと、変移状態検査装置との区分けは、厳密ではなく、両方の検査装置が分担する食品検査の分野は多く存在する。
(実施の形態9:食味検査装置−米の食味検査−)
図22は、本発明の実施の形態9における食味検査装置を示す図である。この食味検査装置100は、基本的に図13、図16に示す装置と同じであるが、制御部85における内容が異なる。制御部85の内容は、どのような考え方に基づいて、近赤外分光データから食味を検査するか、というソフトウエアの部分である。図22において、検査対象の米Sは、米粒のままでもよいが、破砕して粉体であってもよい。光源73から出射された近赤外光は、米Sを透過した後、回折格子91で回折されて分光され、受光素子アレイ50で受光され、吸収スペクトルの電気信号となる。本実施の形態においても、受光素子アレイ50または受光素子10には、上述のものを用いる。このため、波長3000nmまで高いS/N比の信号を得ることができる。
一般に、食味のようなヒトの五感に依存する品質は、単一の成分ではなく複数の成分が寄与することで成り立っている。このため、近赤外域での当該食品の吸収スペクトルの採取を行う。そして、別途、当該食品について、パネラーによる試食官能試験を行い、食品の官能評価値を求めておく。その官能評価値と、食品の吸収スペクトルの特定波長の吸光度、その一次微分値、または二次微分値と、の間に相関関数を設定しておく。この相関関数に基づいて、検査対象の近赤外光の吸収スペクトルから官能評価値を求め、食味を検査する。吸収スペクトルのどの波長を相関関数にとり入れるかは、次の要素に依存する。
(1)食品の種類
(2)食味検査装置の受光可能範囲、とくにS/N比が高い範囲
上記の(1)および(2)は、食品に依存して、吸収スペクトルのどの波長を採用するか決まるが、それだけでなく、食味検査装置100の受光波長域にも依存することを示す。食味検査について、つぎのアプローチが可能である。
(A1)図23は、異なる3つの銘柄S,S,Sの米の1200nm〜2500nmの範囲の吸収スペクトルを示す。波長1900nm以上には、アミロースをはじめ蛋白質、水分など米を構成する各成分の吸光度が大きく、各成分の吸光度を特定することができる。食味についての官能試験の評価と、各成分の濃度との相関をとると、米の食味(官能試験の評価)は、米中の蛋白質、アミロース、水分が主要なファクタであることが判明した。上記の蛋白質、アミロース、水分の含有率は、波長2100nm,2130nm,2270nm,2370nmの吸光度から求められる。したがって、これらの波長における吸光度から、蛋白質、アミロース、水分を求めること、上記の相関関数に基づいて食味値を求めることができる。すなわち、食味指数=f(x)・f(x)・f(x)で表すことができる。ここに、xはアミロース濃度、xは蛋白質濃度、xは水分濃度であり、f,f,fは、関数を表す。このアプローチは、米の食味と、米の各成分とを結びつけた上で、近赤外分光データから食味を検査する。
(A2)このアプローチでは、各成分とは関係なく、比較的、短い波長域の吸収スペクトルの特定波長の吸光度を、相関関数の変数に採用する。図24(a)は、ある銘柄の米の吸収スペクトルを示し、図24(b)はその二次微分値を示す。波長域は、1000nm以下である。
受光素子アレイは、図12の形態で、InP基板を剥離したものを使用するのがよい。InP基板は1000nm以下の光を吸収するため、InP基板を剥離することで、1000nm以下の光でも受光層で受光し検出することができるようになる。本発明の食品品質検査装置は、通常はInP基板を含んだ状態で用いられるが、上記実施の形態にように、とくにInP基板を除去することもできる。InP基板を前提に受光層を含む積層体(InP基板を除く)は形成されるが、本発明の装置固有の構造上の特徴は積層体にあるので、上記のように、InP基板はなくてもよい。InP基板なくして、本発明における上記積層体は形成することはできないので、上記の実施の形態の食品品質検査装置を特定するに当たり、問題はまったく生じない。
米中の成分とは関連づけを行うことなく、上記波長域の、たとえばλ,λなどの吸光度の二次微分値と、食味官能試験の評価値との相関関数を設定する。この方法の場合、波長1000nm以下では、アミロース、蛋白質、水分などの成分に由来する吸光度は鋭敏ではないが、二次微分値をとることで、補っていると推測される。また、上記推測の当否は別にして、成分とは関係なく近赤外光の吸収スペクトルのみに着目して、食味の官能試験評価値との相関をとるアプローチは、たとえば、食味が、うどんのように、粉の成分と同時にうどんの打ち方にも影響を受ける場合に、有効であると考えられる。
米の食味検査は、上記(A1)および(A2)に従って、近赤外分光スペクトルから、十分な精度で可能になった。採用する波長域は、その装置の光電変換装置などに応じて、適宜、選ぶことができる。米については、今後の課題は、できるだけ広い範囲の波長を利用して、統計手法を駆使して多くの情報を得ることにより、ブランド米の特定を可能にすることである。ブランド米の特定を可能にすることで、たとえば商標権の不正目的の取得などを意味のないものにすることができる。その実現のために、高S/N比の信号を得られる上記の受光素子10または受光素子アレイ50を用いることは、非常に適切である。
−半導体受光素子アレイの構造についての実施例−
本発明の受光素子アレイの素子間隔または画素ピッチをどの程度まで小さくできるか、図25に示す受光素子アレイを用いた実施例によって検証した。受光素子間隔または画素ピッチは、図25に示すように、SiN選択拡散マスクパターン36の非開口部の幅である。Znの選択拡散の後に、p側電極11はAuZnにより、またn側電極12はAuGeNiにより、それぞれ形成した。図3の場合、InP基板1にFeドープの半絶縁性基板を用いているので、高濃度不純物のバッファ層2にn側電極12を設けているが、図1に示すようにn型InP基板を用いる場合には、基板裏面にn側電極を設けてもよいし、または基板表面側に基板と隣接するn型半導体層(たとえばバッファ層2)にn側電極を設けてもよい。本実施例では、図3の受光素子アレイのp側電極11とn側電極12との間に5Vの逆バイアス電圧を印加して、暗電流を測定した。InP窓層5の厚みは0.6μmと1.6μmの2種類について、また素子間隔は3μm〜20μmの範囲にわたって7種類の素子間隔について、それぞれ受光素子アレイを製造して、暗電流を測定した。拡散濃度分布調整層4の厚みは1μmとした。
結果を図26に示す。図26によれば、InP窓層5の厚みが0.6μmと薄い場合、素子間隔または画素ピッチを5μmまで小さくしても、暗電流は1×10−10A(アンペア)とすることができる。InP窓層5の厚みが1.6μmの場合には、上述したように、横方向へのZnの拡散が広がり、素子間隔7μmを超えないと、1×10−10Aとすることができない。しかし、本実施例によって、InP窓層5の厚みを0.6μmと薄くし、かつ拡散濃度分布調整層を配置することによって、素子間隔5μmとすることができることを確認した。
拡散濃度分布調整層4の作用については、Znの深さ方向濃度分布をSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)分析によって検証した。図27に、Znの深さ方向濃度分布を示す。図27によれば、InGaAs拡散濃度分布調整層4と受光層3との界面において、Znのパイルアップのピーク値は5×1016cm-3以下に抑制されている。このため、受光層3のn型キャリア濃度のバックグラウンドと、Zn濃度との交差位置(図中○印)に形成されるpn接合において、Zn濃度は確実に低くすることができ、結晶性等の劣化を防止することができる。そして、この拡散濃度分布調整層4の配置によって、受光層の多重量子井戸構造にその本来の作用を奏させることが可能になる。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明は、InP系PDの画期的な性能向上によって、既存の食品品質検査装置に対して、高精度な検査を行うことができ、食品の信頼性に資することができる。また、たとえばブランド食材の特定を行うことが可能になる等の変革をもたらす可能性を有する。
本発明の実施の形態1における受光素子を示す断面図である。 図1の受光素子におけるZn濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態1における受光素子アレイを示す断面図である。 本発明と異なる参考例1の受光素子の断面図である。 図4の受光素子におけるZn濃度分布を示す図である。 本発明と異なる参考例2の受光素子の断面図である。 図6の受光素子におけるZn濃度分布を示す図である。 本発明の実施の形態2における撮像装置の概要を示す図である。 図8の撮像装置の受光素子アレイを示す図である。 図9の受光素子アレイにおける一つの受光素子を示す図である。 エピアップ実装の受光素子の断面図である。 エピダウン(フリップチップ)実装の受光素子の断面図である。 本発明の実施の形態3における食品成分検査装置(1)を示す図である。 図13の食品成分検査装置の分光部と受光部とを示す図である。 分光部および制御部を示す図である。 本発明の実施の形態4における食品成分検査装置(2)を示す図である。 図16の食品成分検査装置における検査対象物の配置構造を示す図である。 食品中の特定成分の分布が、時間と共に変化することを示す図である。 本発明の実施の形態5の食品成分検査装置(3)を用いて、牛枝肉を検査する状態を示す図である。 図19に示す食品成分検査装置を示す図である。 本発明の実施の形態7の異物検査装置を示す図である。 本発明の実施の形態9の食味検査装置を示す図である。 米の3つの銘柄の米の近赤外域の吸収スペクトルを示す図である。 (a)は米の短波長側の近赤外吸収スペクトルを示す図であり、(b)は、その二次微分値を示す図である。 実施例に用いた受光素子アレイの部分断面図である。 実施例において測定した暗電流と素子間隔との関係を示す図である。 実施例におけるZnの深さ方向濃度分布を示す図である。
1 InP基板、2 バッファ層、3 多重量子井戸構造の受光層、4 拡散濃度分布調整層、5 InP窓層、5a 窓層の表面、6 p型領域、10 受光素子、11 p側電極、12 n側電極、12b はんだバンプ、15 pn接合、35 反射防止膜、36 選択拡散マスクパターン、27 配線電極、43 SiON膜、45a 筐体本体、45b 投光部筐体、45c 受光部筐体、48 キャスタ付きラック、50 受光素子アレイ、51 InP基板、65 表示装置、70 撮像装置、71 マルチプレクサ(実装基板)、73 光源、81 投光用光ファイバ、82 受光用光ファイバ、83 プローブ、85 制御部、85a 入力インターフェイス、85b マイコン(演算部、CPU)、85c 表示部(出力装置)、85d 入力部、85p プリンタ、87 集光レンズ、91 分光器、100 食品品質検査装置(食品成分検査装置など)、501 試料容器、501a 反射層、501b ヒータ、S 検査対象物、Sa 検査対象物の切開面。

Claims (17)

  1. 近赤外光を受光するIII−V族半導体による受光素子または受光素子のアレイを備え、食品の品質を検査するための装置であって、
    前記受光素子がInP基板上に形成された多重量子井戸構造の受光層を有し、
    前記受光層のバンドギャップ波長が1.8μm以上3μm以下であり、
    前記受光層の前記InP基板側と反対側の面に接するIII−V族半導体の拡散濃度分布調整層とを備え、
    前記拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギがInPよりも小さく、
    前記受光素子では、前記拡散濃度分布調整層を通して前記受光層へと届く、不純物元素の選択拡散によってpn接合が形成され、
    前記受光層における前記不純物元素の濃度が5×1016/cm以下であり、
    前記拡散濃度分布調整層の拡散前のn型不純物濃度が、2×1015/cm以下であり、該拡散濃度分布調整層は、受光層側の厚み範囲に低い不純物濃度範囲を有し、
    前記食品からの透過光または反射光について、波長3μm以下の少なくとも1つの波長の光を前記受光素子により受光して、前記検査をすることを特徴とする、食品品質検査装置。
  2. 前記拡散濃度分布調整層は、前記不純物元素の濃度が、前記受光層と接する面と反対側の面側にある1×1018/cm以上の領域と、前記受光層側にある2×1016/cm以下の領域と、前記2つの領域の間にあり前記2つの領域よりも厚みが薄く前記不純物元素の濃度が2×1016/cmより大きく、1×1018/cmより小さい領域と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の食品品質検査装置。
  3. 前記受光層がタイプIIの量子井戸構造であることを特徴とする、請求項1または2に記載の食品品質検査装置。
  4. 前記受光層が(InGaAs/GaAsSb)の多重量子井戸構造、または(GaInNAs(P,Sb)/GaAsSb)の多重量子井戸構造であることを特徴とする、請求項3に記載の食品品質検査装置。
  5. 前記InP基板は、(100)から[111]方向または[11−1]方向に、5°〜20°傾斜したオフアングル基板であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  6. 前記不純物元素が亜鉛(Zn)であり、前記拡散濃度分布調整層がInGaAsから形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  7. 前記拡散濃度分布調整層の上にInP窓層を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  8. 前記InP基板、前記受光層の量子井戸構造を構成する各層、拡散濃度分布調整層、および前記InP窓層の任意の相互間において、格子整合度(|Δa/a|:ただし、aは格子定数、Δaは相互間の格子定数差)が0.002以下であることを特徴とする、請求項7に記載の食品品質検査装置。
  9. 検査対象の食品の前または後に位置して光を分光する分光部と、前記分光された波長に応じて位置する複数の前記受光素子または受光素子アレイと、前記受光素子または受光素子アレイで受光した結果に基づき演算をして、食品の品質の評価値を算出する制御部とを備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  10. 検査対象の食品に、スーパーコンティニウム光源(SC光源)または発光ダイオード(LED)による光を照射し、検査対象の食品からの透過光または反射光を受光することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  11. 前記受光素子の二次元アレイを含む撮像装置を備え、該撮像装置により前記検査対象の食品に含まれる物質の分布像を形成することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  12. 前記InP基板の側を入射側とする構造において、当該InP基板が除去されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載の食品品質検査装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の食品品質検査装置を備え、前記食品を構成する成分を検出することを特徴とする、食品成分検査装置。
  14. 前記食品を構成する成分の当該食品の特定範囲における濃度分布等を検出することによって、該食品の産地、原産地、ブランド等を特定することを特徴とする、請求項13に記載の食品成分検査装置。
  15. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の食品品質検査装置を備え、前記食品の異物成分を検出することを特徴とする、異物成分検査装置。
  16. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の食品品質検査装置を備え、前記食品の食味を検査することを特徴とする、食味検査装置。
  17. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の食品品質検査装置を備え、前記食品の加工状態、鮮度状態などの変化する品質の現状を検査することを特徴とする、変移状態検査装置。
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