JP5691205B2 - 受光素子、受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法 - Google Patents

受光素子、受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法 Download PDF

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本発明は、近赤外から赤外域に受光感度を有する、受光素子、受光素子アレイ、その受光素子アレイを用いた、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法に関するものである。
近赤外の波長域は、動植物などの生体や環境に関連した吸収スペクトルに対応するため、受光層にIII−V族化合物半導体を用いた近赤外域の検出器の開発が盛んに行われている。たとえば受光層にExtended−InGaAsを用いることで波長2.6μmまで感度を持たせた受光素子アレイに読み出し回路(ROIC:Read-out IC)であるCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)回路を接続して、光電流を出力信号に変換する検出器の例が発表されている(非特許文献1)。受光素子アレイでは、pn接合に入射した光によって発生する電子/正孔対のうち電子を共通のn側電極に集合的に集め、正孔を画素電極であるp側電極からCMOSへ読み出している。
また受光層にInGaAs/GaAsSbのタイプ2の多重量子井戸構造(MQW:Multi-Quantum Wells)を用いた受光素子について、波長2.5μmまで感度を持つことが報告されている(非特許文献2)。
また、近赤外域ではなく、より短い波長域(可視域)の受光素子アレイにCMOSの読み出し回路を用いた例が開示されている(特許文献1,2)。この場合、半導体にはシリコンを用いてn型領域の画素から電子の信号電荷を読み出す。
特開平11−307753号公報 特開2002−217397号公報
高橋秀夫ら「近赤外用InGaAs光検出器」,OPTRONICS(1997),No.3, pp.107-113 R.Sidhu, N.Duan, J.C.Campbell, and A.L.Holmes, Jr.," A 2.3μm cutoff wavelength photodiode on InP using lattice-matched GaInAs-GaAsSb type II quantum wells"2005 International Conference on Indium Phosphide and Related Materials
上記の非特許文献1の近赤外用InGaAs光検出器(イメージセンサ)では、InP基板に格子整合しない組成のInGaAsを受光層としているため、暗電流が大きくなりセンサのノイズが大きい。バッファ層によって徐々に歪みを緩和するなどの工夫をしているが限界がある。このノイズを低減してS/N比を実用可能なレベルまで改善しようとすると冷却装置が必要になり、大掛かりな装置となる。また、InGaAs受光層上にエピタキシャル成長させる窓層には、InP等を用いることができず、たとえばInGaAs受光層に格子整合するInAsP(As/Pはほぼ0.6/0.4)を窓層に用いると、InAsP層は波長1〜1.5μmに吸収帯があるため、表面入射でも裏面入射でも、この波長域の光に対する感度は小さくなる。
また、非特許文献2の受光素子については、これまで、アレイ化して検出装置としたことはなく、ましてアレイ化された検出装置の感度などの測定がなされた例はない。
また、半導体にシリコンを用いた特許文献1〜2における受光素子は近赤外域に感度を持たない。
本発明は、近赤外域に高い受光感度を持つ、受光素子、受光素子アレイ、その受光素子アレイを用いた、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の受光素子アレイは、受光素子が配列されている。この受光素子アレイは、p型のInP基板と、バンドギャップ波長1.65μm〜3.0μmを有してInP基板の上に位置する受光層と、受光層上に位置する不純物濃度分布調整層と、不純物濃度分布調整層上に位置するキャップ層とを備える。受光層は、InP基板と格子整合する、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNP)、および(GaAsSb/InGaAsNSb)、のうちのいずれか1つのタイプ2型のMQWからなり、受光素子ごとにキャップ層上に位置する電極を備え、該電極は、当該受光素子ごとに設けられたn型領域においてキャップ層にオーミック接触しており、隣りの受光素子と、溝またはn型化されていない領域によって隔てられており、pn接合は、前記受光層内であって前記受光素子ごとのn型領域の先端部に位置し、傾斜型接合となっており、
(1)n型領域のn型キャリア濃度の分布が、不純物濃度分布調整層内で1e16/cm 以下の低濃度に急に低下したあと緩やかな勾配になり、受光層へとその緩やかな勾配で傾斜して入っていて、前記pn接合は該受光層内に形成されている、または、
(2)前記受光層の底面に接して前記InP基板へとp型キャリア濃度がステップ状に高くなるp型半導体層を備え、前記n型領域が前記受光層の底部にまで届き、前記pn接合は該n型領域と前記p型半導体層との界面に形成されていて、キャップ層が、InP層、またはInGaAs層とInP層との複合層、であることを特徴とする。ここで、受光素子アレイにおける受光素子は、一次元配列でも二次元配列でもよく、また、どちらの場合とも規則配列でも不規則配列でもよい。
上記の構成によれば、受光層はタイプ2型のMQWで構成され、受光素子によって構成される画素の電極は、n型領域にオーミック接触する。このため、MQWで受光して形成された電子正孔対のうち電子による電荷が画素情報として読み出される。
一般的に、半導体のバンド内のキャリア(電子および正孔)のうち、正孔は電子に比べて移動度が小さい傾向があった。タイプ2型のMQWを受光層として、画素の読み出し部をp型領域としても、InP基板と反対側のキャップ層側からの光入射では、上記の近赤外域にわたって量子効率0.3〜0.9程度の感度を有していた。しかし、InP基板の裏面側から光を入射する場合、タイプ2型のMQWを受光層として、画素の読み出し部をp型領域とした場合には、上記波長域の受光感度は大幅に低下する。この現象は、本発明者らによってごく最近知るところとなった現象である。この現象が起きる機構は次のように推測される。
「MQWの一つの量子井戸内に正孔がトラップされると、その量子井戸の障壁ポテンシャルを超えるのに所定のエネルギを要する。InP基板と反対側のキャップ層側からの光入射では、入射して直ぐにキャップ層に近い範囲のMQWで光電変換しやすく、生成した電子正孔対のうち移動度が小さい正孔が位置する量子井戸から画素電極まで少数の量子井戸しかない。この場合、正孔は画素電極に比較的容易に到達して十分な感度を得ることができる。しかし、InP基板裏面からの入射の場合、入射して直ぐに受光する位置はInP基板に近い範囲の量子井戸である。このため、InP基板の裏面入射では、正孔は、画素電極に到達するのに、多数の量子井戸を越える必要がある。しかし、正孔は移動度が小さいため相当の割合が、多数の量子井戸のポテンシャル障壁を超えて画素電極にまで到達することができなくなる。このため、タイプ2型のMQWを受光層として画素をp型領域とする場合、キャップ層側入射では高い感度を示しながら、InP基板の裏面入射では、感度が大幅に低下する。この感度低下の度合いは、波長によって変動する受光層の光吸収率に影響される。」
これまでは、もっぱら、タイプ2型MQWの受光層を持つ1つの受光素子について、キャップ層側入射についてデータが採取されていた。しかし、受光素子を複数、二次元アレイ化すると、画素の配線が入射光に対して障害とならないようにするには、InP基板の裏面入射は避けられない。
InP系III−V属化合物半導体の画素をp型領域とするのは、不純物元素の取り扱いのし易さ、これまでに蓄積された技術などによる。亜鉛(Zn)は、InPの不純物として非常に扱いやすいために広く用いられ、多くの蓄積データがあり、InPの不純物の定番とされてきた。このためZnはInPに選択拡散されて、選択拡散領域(p型領域)を画素とする技術等が蓄積されてきた。各画素は、選択拡散されていない領域によって隔絶される。InPには、Zn以外に他の不純物をあえて用いない状況が続いてきた。Znは、それくらい、InPにとって扱いやすい不純物である。ただし、ZnはInPのp型不純物なので、画素をp型領域とすることで、他の不都合な点についてはコストをかけて対応していた。たとえば、マルチプレクサを例にあげると、画素をn型領域とするシリコンによる受光素子アレイを用いた撮像装置では、CMOSやCCDの読み出し電極は電子による信号電荷を読み出す回路構成となっている。このため、正孔による信号電荷を読み出して処理するには、極性を変える対応が必要となる。
上述のように、受光層をタイプ2型のMQWとし、選択拡散領域(p型領域)を画素とする受光素子アレイをInP基板側からの裏面入射とすると、受光により生成した電子正孔対のうち正孔のかなりの割合がMQWを通って画素電極に到達できなくなり、受光感度の低下をもたらす。そこで、InPにおけるZnの使い易さに頼らずに、n型不純物の選択拡散領域を画素とするのが本発明の基本的な考え方である。このためnip型受光素子アレイとする。本発明は、タイプ2型のMQWによる受光素子アレイをpin型で構成することは、感度をいちじるしく低下させるという、このたび確認された現象に基づいている。本発明では、受光層をタイプ2型のMQWとし、選択拡散領域(n型領域)を画素とする受光素子アレイをInP基板側からの裏面入射とすることで、次の作用を得ることができる。
(1)電子はホールに比べて移動度が大きいなどの理由から、多数の量子井戸を、比較的容易に超えて、効率(歩留まり)よく、画素電極に到達することができる。このため、波長による感度の変動を小さくすることができる。
(2)また、上記(1)の作用を得ることができるので、InP基板の裏面入射において、pn接合をInP基板に近い範囲のMQW内に配置することができる。このような配置にすることで、InP基板裏面入射の場合に、入射して直ぐの光量が多い領域において、pn接合からの空乏層を広げることができる。このような光量が多い領域では、光吸収の程度が大きい。この結果、受光感度を向上させ、波長による感度の変動が小さい受光素子アレイを得ることができる。
なお、所定のエピタキシャル層が、InP基板と格子整合するとは、InPの格子定数との相違が、0.002以下であること、すなわち、InP基板の格子定数をao、エピタキシャル層の格子定数をaとするとき、|a−ao|/ao≦0.002、を満たすことをいう。
pn接合の位置を、受光層内〜MQWの底面の範囲に、配置する。たとえばpn接合の位置がInP基板に近い場合、空乏層を裏面の入射面に近づけて、入射して直ぐに光電変換することができる。電子はホールに比べて移動度が大きいので、多数の量子井戸を、比較的容易に超えて、効率(歩留まり)よく、画素電極に到達することができる。このため、波長による感度の変動を小さくすることができる。また、MQWの結晶性が劣化することが考えられるので、MQWの結晶性も考慮して上記のn型不純物を導入する深さを選択するのがよい。
キャップ層を、InP層、またはInGaAs層とInP層との複合層、とする。InPおよびInGaAsは、波長1μm〜1.5μmの吸収が小さいので、波長1μm〜近赤外域の範囲全体の受光感度を高くすることができる。
またInPおよびInGaAsは、InP基板と格子整合するため、キャップ層だけでなく、バッファ層に用いることで、上記の波長域の吸収が小さいので、InP基板裏面入射の場合に、受光層に届くまでの吸収を抑えることができ、感度を高くすることができる。
ここで、キャップ層を、InP層とInGaAs層との複合層として、InP層/InGaAs層/受光層、の積層構造をとる場合、InGaAs層を不純物濃度分布調整層と呼ぶ。キャップ層の語は、InP層のみをさす場合と、(InP層/InGaAs不純物濃度分布調整層)の複合層をさす場合とがあるが、とくに断らない限りは、両方の場合をさす。しかし、本発明の趣旨に沿って広く解釈されるべきである。
不純物濃度分布調整層は、画素におけるnip型フォトダイオードを、多様な形態とするために、pn接合を多様な深さ位置に、逆バイアス電圧下で空乏層を受光層(低濃度キャリアとされる)に広く張り出すために配置することができる。不純物濃度分布調整層は、多様な製造方法に応じて、適切な形態のnip型フォトダイオードを形成するために、配置してもよい。
受光素子を、選択拡散または選択イオン注入、によって形成されたn型領域を有し、前記選択拡散されずn型化されていない領域または選択イオン注入されずn型化されていない領域によって、他の受光素子と隔てられているようにできる。これによって、メサエッチングをすることなく、不純物濃度分布のみにより、受光素子アレイを形成することができる。このため、メサエッチングに伴う結晶損傷などを避けることができる。
参考的にこの段落に挙げるものであるが、受光素子が、n型不純物をドーピングされたキャップ層、またはn型不純物をドーピングされたキャップ層および受光層、を有し、隣の受光素子と溝で隔てられているようにできる。これによれば、選択拡散によらず、エピタキシャル成膜の際にn型不純物をドープしておき、メサエッチングによって、隣り合う受光素子を隔離する。このため、n型不純物の種類によっては選択拡散が難しい場合、受光素子の独立を保ちながらアレイ化することができる。
参考的にこの段落に挙げるものであるが、受光素子が、n型不純物をドーピングされたキャップ層、またはn型不純物をドーピングされたキャップ層および受光層を有し、p型不純物を選択拡散されたp型領域、またはp型不純物を選択イオン注入されたp型領域、によって隣の受光素子と隔てられているようにできる。これによって、メサエッチングすることなく、受光素子の間の領域に、成膜時のドーピングによるn型領域をp型領域化するほどのp型不純物を選択拡散または選択イオン注入して、受光素子を隣から隔離する。
受光層を、(1)n型層、(2)p型層、および(3)キャップ層側をn型層としかつInP基板側をp型層とする不純物複合層、の(1)〜(3)のうちのいずれか1つであり、キャリア濃度をいずれも1e16/cm以下とすることができる。いずれの場合も、受光層のどの部分のキャリア濃度も1e16/cm以下とする。これによって、結晶性の良好なMQWを得ることができる。また、pn接合から空乏層を受光層(MQW)内に広く広げやすくなり、感度を高めることができる。
本発明のハイブリッド型検出装置は、上記のいずれかの受光素子アレイと、シリコン読み出し回路とを備え、受光素子アレイの受光素子ごとの電極と、シリコン読み出し回路の読み出し電極とが、接合バンプを介在させて導電接続しており、受光素子アレイにおけるInP基板の裏面から光が入射することを特徴とする。これによって、近赤外域に高い受光感度を持つハイブリッド型検出装置を得ることができる。
受光素子アレイにおける受光素子に印加する逆バイアス電圧を0〜−1Vとすることができる。これによって、小さい電源を用いて近赤外光の受光することができる。このため、小型軽量化ができ、携行に便利なハイブリッド型検出装置を得ることができる。
本発明の光学センサ装置は、上記のいずれかの受光素子アレイ、またはいずれかのハイブリッド検出装置を用いることを特徴とする。これによって、近赤外域の長波長域まで高感度で受光できるので、たとえば所定の成分の特定に用いることができる波長を、複数本、用いて検査を遂行できる。このため、検査の精度を高めることができ、または本発明より前では不可能な検査を実施することができる。
ここで、光学センサ装置は、光学素子、たとえば分光器、レンズ等の光学系と組み合わせたものであり、波長分布測定を遂行したり、撮像装置として用いたり、多くの有用な実用製品を得ることができる。当然、マイコン等の制御装置等を含む場合が多い。上記の光学センサ装置の具体例として、(1)視界支援もしくは監視をするための撮像装置、(2)生体中の成分を検査するための生体成分検査装置、(3)水分濃度を検査するための水分検査装置、(4)食品の品質を検査するための食品品質検査装置、および(5)焼却装置等の気体中の成分をモニタするための環境モニタ装置等がをあげることができる。
本発明の受光素子は、p型のInP基板と、バンドギャップ波長1.65μm〜3.0μmを有し、InP基板の上に位置する受光層と、受光層上に位置する不純物濃度分布調整層と、不純物濃度分布調整層上に位置するキャップ層とを備え、受光層は、InP基板と格子整合する、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNP)、および(GaAsSb/InGaAsNSb)、のうちのいずれか1つのタイプ2型の多重量子井戸構造からなり、キャップ層上に位置する電極を備え、該電極は、n型領域においてキャップ層にオーミック接触しており、n型領域は、周りとn型化されていない領域によって隔てられており、pn接合は、受光層内であって受光素子ごとのn型領域の先端部に位置し、傾斜型接合となっており、
(あ1)n型領域のn型キャリア濃度の分布が、不純物濃度分布調整層内で1e16/cm 以下の低濃度に急に低下したあと緩やかな勾配になり、受光層へとその緩やかな勾配で傾斜して入っていて、pn接合は該受光層内に形成されている、または、
(2)受光層の底面に接してInP基板へとp型キャリア濃度がステップ状に高くなるp型半導体層を備え、n型領域が受光層の底部にまで届き、pn接合は該n型領域とp型半導体層との界面に形成されていて、
キャップ層が、InP層、またはInGaAs層とInP層との複合層、であることを特徴とする。これによって、基板入射でもキャップ層入射でも、近赤外域の長波長範囲にまで高い受光感度を有する受光素子を得ることができる。この受光素子は、逆バイアス電圧も低くてよく、電源の小型化、軽量化などに貢献することができる。さらに、CMOS等の読み出し電極を正孔に対応する特殊仕様にする必要がなく安価な光学センサ装置を得ることができる。
本発明の受光素子アレイの製造方法は、受光素子が配列された受光素子アレイを製造する。この製造方法は、p型InP基板上またはp型InP基板上のp型バッファ層上に、格子整合する、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNP)、および(GaAsSb/InGaAsNSb)、のうちのいずれか1つのタイプ2型のMQWの受光層を形成する工程と、受光層上に不純物濃度分布調整層を形成する工程と、不純物濃度分布調整層上にキャップ層を形成する工程と、キャップ層からn型不純物を導入してn型領域を形成して該n型領域の先端にpn接合を受光素子ごとに形成する工程と、n型領域に受光素子ごとに電極を形成する工程とを備え、
(あ1)n型領域のn型キャリア濃度の分布が、不純物濃度分布調整層内で1e16/cm 以下の低濃度に急に低下したあと緩やかな勾配になり、受光層へとその緩やかな勾配で傾斜して入るようにしてpn接合を該受光層内に形成する、または、
(2)受光層を形成する前に、受光層とInP基板との間に位置し、InP基板へとp型キャリア濃度がステップ状に高くなるようにp型バッファ層を形成し、n型領域が受光層の底部にまで届き、pn接合が該n型領域とp型バッファ層との界面に形成される、ことを特徴とする。
これによって、近赤外域に高い受光感度を有する受光素子アレイを比較的簡単に製造することができる。
受光素子ごとのn型領域の形成では、(1)キャップ層の表面から選択拡散または選択イオン注入することで該n型領域を形成し、選択拡散されていない領域または選択イオン注入されていない領域によって他の受光素子と隔てる、ことができる。
これによって、選択肢のうちから不純物元素の特徴などに適した、隣と隔離された受光素子の配列を得ることができる。
本発明により、近赤外域に高い受光感度を持つ、受光素子アレイ等を得ることができる。
本発明の実施の形態1における近赤外域のハイブリッド型検出装置を示す断面図である。 図1の受光素子アレイを光入射側から見た平面図である。 図1の受光素子アレイ内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。 本発明の実施の形態2における近赤外域のハイブリッド検出装置を示す断面図である。 図4の受光素子アレイ内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。 参考例として挙げる実施の形態3における近赤外域のハイブリッド検出装置を示す断面図である。 図6の受光素子アレイ内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。 参考例として挙げる実施の形態4における近赤外域のハイブリッド検出装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態5における光学センサ装置である撮像装置または視界支援装置を示す図である。 夜間の後方の視界支援装置を示す図である。 本発明の実施の形態6における光学センサ装置である生体成分検出装置を示す図である。 本発明の実施の形態7における光学センサ装置である生体中の水分検出装置(眼の水分布像形成装置)を示す図である。 本発明の実施の形態8における光学センサ装置である食品品質検査装置である食味を検査する装置を示す図である。 異なる3つの銘柄の米の1200nm〜2500nmの範囲の吸収スペクトルを示す図である。 本発明の実施の形態9における光学センサ装置である、ごみの燃焼炉においてごみの温度分布を得るための温度分布測定装置である。 図15における温度分布撮像装置20aを示す図である。 ごみ燃焼炉における近赤外スペクトルを示す図である。 水の吸収スペクトルを示す図である。 本発明より前の近赤外域のハイブリッド検出装置を示す断面図である。 図19の受光素子アレイ内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。 本発明より前の受光素子アレイのMQWにおける正孔の価電子帯における準位を示す図である。
<本発明より前のハイブリッド型検出装置の問題>
ここで説明する、近赤外域用のMQWを受光層とする本発明より前のハイブリッド型検出装置についての問題は未だ知られていない。
図19は、本発明より前の受光素子アレイ150と、読み出し回路(ROIC)を構成するCMOS170と、を備えるハイブリッド型検出装置110を示す図である。受光素子アレイ150は次の積層構造を有する。
n型InP基板101/n型InP(またはInGaAs)バッファ層102/n型受光層103(InGaAs/GaAsSb)のタイプ2型MQW/n型InGaAs選択拡散濃度分布調整層104/n型InPキャップ層105
受光素子またはフォトダイオードは、n型InPキャップ層105の表面から選択拡散によって導入されたp型領域106の先端に位置するpn接合115を備える。各受光素子は、選択拡散されていない領域によって隔てられている。選択拡散されるp型不純物はZnである。上述のように、InPの不純物としてZnは非常に扱いやすく、これまでに蓄積された技術データが豊富にある。選択拡散に用いた選択拡散マスクパターン136はそのまま残され、その選択拡散マスクパターン136上に保護膜137が被覆される。
受光素子の電極または画素電極111は、p型領域106にオーミック接触するように配置され、グランド電極112は、各受光素子に共通に、n型InP基板101にオーミック接触するように配置される。CMOS170の読み出し電極を形成するパッド171は、接合バンプ131を介在させて画素電極111と導電接続される。CMOS170のグランド電極172および受光素子アレイ150のグランド電極112は、外部にアースされる。
図20は、キャリア濃度分布を受光素子アレイ150の厚み方向に沿って示す図である。図20では、Znの選択拡散の濃度分布に対応するp型キャリアは、選択拡散の導入層における高濃度のキャップ層105からInGaAs選択拡散濃度分布調整層104を経て、受光層103において、p型キャリア濃度は低いレベルになる。タイプ2型MQWにおけるフラットなn型キャリア濃度は、成膜時のドーピングによる。受光層トップ側(キャップ層側)で傾斜して低下するp型キャリア濃度と、フラットなn型キャリア濃度との交点(交面または界面)にpn接合115が形成される。
受光の際には、pn接合115に逆バイアス電圧、すなわち画素電極111とグランド電極112との間に、グランド電極112の電圧が画素電極111より高くなるように電圧を印加する。空乏層はタイプ2型のMQWの受光層103に拡がり、ここに到達した光によって電子正孔対が形成される。画素電極111はグランドより電圧が低いので正孔を集めて、正孔の電荷が画素情報を形成する。この画素の電荷を所定時間ピッチで読み出すことで、画像または測定信号の強度分布等を形成することができる。
受光層のタイプ2型MQWでは、正孔は、図21に示すように、GaAsSbの価電子帯に形成される。図21に示すバンド図は電子に対するバンド図なので、正孔については上下を逆に読む。最低準位にトラップされた正孔は、価電子帯における高い障壁を越えて、キャップ層105側にドリフトする。InP基板101の裏面から入射された光は、直ぐに空乏層内で受光され、正孔を生成する。このとき、正孔は、逆バイアスの電界による駆動は受けるものの、多数の高い障壁を越えて、MQWの受光層103を通って、p型領域106に到達しなければならない。このため、p型領域106または画素電極111に到達する正孔の数は相当の割合が減少する。この結果、受光感度が低下する。もともと、正孔は有効質量が電子に比べて大きく、移動度が小さいことは知られていた。しかし、上記の受光感度の低下は、そのような一般的な移動度の大小では説明がつかない。上記の受光感度が低下する現象については、その機構を究明中であるが、ともかくタイプ2型のMQWの受光層103を備え、p型領域106に画素電極111を配置して正孔を信号電荷とする受光素子アレイ150またはハイブリッド型検出装置110について次の実験事実を確認している。
1.タイプ2型のMQWを受光層とする受光素子に対して、キャップ層105側から入射した場合、近赤外光の量子効率は、0.3〜0.9を示す。この量子効率は、良好である。
2.しかしながら、同じ受光素子アレイをInP基板の裏面入射とすると、近赤外域の量子効率は、0.05〜0.5という非常に低い値に低下してしまう。受光素子アレイを用いる場合、各画素に配線を設けるため、配線による光に対する妨害を避けるため、InP基板の裏面からの入射とせざるをえない。
<本発明のポイント>
本発明のポイントは次の点にある。ハイブリッド型検出装置は、受光層をタイプ2型のMQW(たとえば(InGaAs/GaAsSb))とした受光素子アレイと、読み出し回路(ROIC)とで構成される。とくに受光層にタイプ2型のMQWが用いられる点が重要である。その受光素子アレイにおいて、個々の受光素子の電極配置部をn型領域として、グランド電極を各受光素子に共通のp型領域に配置する。波長1.65μm〜3.0μmの近赤外光は受光素子アレイのInP基板の裏面から入射され、読み出し回路を構成するCMOSは、タイプ2型MQWで光電変換によって生じる電子正孔対のうちの電子による電荷を読み出す。
本発明では、正孔を信号電荷に用いず、電子を信号電荷とする。電子は、正孔に比べて移動度が高い。伝導帯に放出される電子を信号電荷にすることで、受光感度または量子効率を高めることができる。画素電極が配置されるn型領域の形成は、p型不純物のZnほどの技術蓄積はないが、Snや、その他のn型不純物の選択拡散、またはこれまでにない他のn型領域形成方法もしくはpn接合形成方法を用いる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるハイブリッド検出装置10を示す断面図である。受光素子アレイ50は、p型InP基板1/p型InPバッファ層2/p型受光層(光吸収層)3/p型InGaAs不純物濃度分布調整層4/p型InPキャップ層5、の積層体に形成されている。各受光素子では、n型不純物の錫(Sn)が選択拡散されてn型領域6が形成され、n型領域6の先端にpn接合15が形成されている。画素Pを構成する受光素子におけるn型領域6は、隣り合うn型領域とは選択拡散されていない領域によって隔てられている。このためメサ構造などを形成することなく簡単な構造で、暗電流の低い受光素子アレイ50を得ることができる。各受光素子に共通のp型領域であるInP基板1にグランド電極12が配置される。
ハイブリッド検出装置10の読み出し回路は、読み出し電極またはパッド71を有するCMOS70によって構成される。CMOS70にもグランド電極72が設けられ、受光素子アレイ50におけるグランド電極12とともに外部にアースされる。
受光素子アレイ50の受光素子または画素Pの電極11と、CMOS70の読み出し電極となるパッド71とは、接合バンプ31によって導電接続されている。接合バンプ31を形成する金属材料は、インジウム合金を用いるのがよい。光が入射される入射面となるInP基板1の裏面にはSiON膜の反射防止膜35が配置されている。また、n型領域6の形成のための選択拡散に用いられたSiNの選択拡散マスクパターン36は、そのまま残される。さらに、選択拡散マスクパターン36の開口部またはInPキャップ層5の表面、および当該選択拡散マスクパターン36を被覆するポリイミド樹脂等の保護膜37が設けられている。
受光層3は、上述のようにタイプ2型のMQWを用いる。n型不純物である錫(Sn)等を選択拡散するときの不純物濃度、または、実施の形態2以降で説明するドーピングによるn型不純物濃度を調整するために、キャップ層をInPキャップ層5と不純物濃度分布調整層4との混合層とする。すなわち不純物濃度分布調整層4を、InPキャップ層5と受光層3との間に挿入する。タイプ2型MQWの具体的構造については、あとで詳しく説明する。
本実施の形態では、ハイブリッド型検出装置10として組み上げられる前、受光素子アレイ50のn型領域6にオーミック接触する画素電極11上に接合バンプ31が設けられている。そして、接続または圧着のときに、その接合バンプ31は、CMOS70のパッド71に圧着され、導電接続する。
図2は、受光素子アレイ50を光入射側から見た平面図である。たとえば、全体サイズは横10mm×縦9mmであり、画素Pは320×256個(約8.2万画素)、ピッチ25μmである。
図3は、受光素子アレイ50内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。図20に示す本発明より前の受光素子のキャリア濃度分布と比較して分かるように、キャリアの担体である、正孔(p型キャリア)と電子(n型キャリア)とが入れ替わっている。すなわち、InP基板1/InPバッファ層2/タイプ2型MQWの受光層3/InGaAs不純物濃度調整層4/InPキャップ層5、はp型層とされている。なかでもグランド電極12がオーミック接触するInP基板1のp型キャリア濃度は高く設定される。受光素子または画素の形成のために、InPキャップ層5の表面からn型不純物を選択拡散によって導入することで形成されたn型領域6では、n型キャリア濃度は、図3に示すように高くなる。n型領域6において、不純物濃度分布調整層4内では、キャップ層5側では、n型キャリアは高濃度(1e18/cm程度)であるが、不純物濃度分布調整層4内で低濃度(1e16/cm以下)に急に低下したあと緩やかな勾配になり、受光層3へとその緩やかな勾配で傾斜して入っている。
受光層3内におけるフラットなp型キャリア濃度(約2e15/cm)は、MQWの成膜時にp型不純物をドーピングすることで形成されたものである。このフラットなp型キャリア濃度と、不純物濃度分布調整層4からの緩い傾斜のn型キャリア濃度とが、交差して形成される境界面がpn接合15となる。すなわちpn接合15は傾斜型接合となる。本実施の形態の場合、pn接合15は、受光層3内のInGaAs不純物濃度分布調整層4に近い位置、ほとんど(受光層3/不純物濃度分布調整層4)の界面に位置する。受光層3内で、p型キャリア濃度は低くフラットであり、n型キャリア濃度は高濃度から傾斜して受光層3に入ってくるので、pn接合への逆バイアス電圧印加で生じる空乏層は、受光層3内に大きく広がる。
受光待機の際、pn接合15には逆バイアス電圧(好ましくは0〜−1Vの電圧)を印加して、空乏層をInP基板1に向かうように受光層3内へと広げる。あとで説明するように、MQWでは、InGaAs/GaAsSbが数十ペア〜数百ペア積層されている。図1に示すように、InP基板1の裏面から入射された光は、InP基板1に近い空乏層内で受光される。受光によって、電子正孔対が形成される。本発明より前の受光素子アレイでは、正孔を画素電極に移動させていたが、本発明では、n型キャリアである電子を画素電極11へと集める。本実施の形態の特徴は次のとおりである。
(1)(i)電子は、図21に示す正孔のように、タイプ2型MQWにおける井戸の価電子帯の底部準位に束縛されない。電子は、伝導帯において伝導帯の障壁によって束縛力を受けるかもしれないが、下記(2)に示すように、正孔に比べて大きい移動度を持つ。このため伝導帯の電子は、価電子帯における正孔ほど、強く束縛されない。すなわち、個々の井戸は正孔に対してのみ大きな移動の障害として作用する。
(ii)入射光は、InP基板1に近い側ほど減衰しておらず、受光量(光電量)は大きい。そして、InP基板1に近い側で生成した担体ほど多数の井戸を越えて、不純物濃度調整層4/キャップ層5を経て画素電極11まで到達しなければならない。担体を正孔から電子に代えることで、空乏層をInP基板に近接する位置にまで広げても、信号担体のトラップ、消滅等は生じにくいので、量子効率をより大きくすることができる。
(2)また、バンド構造における伝導帯のエネルギ−波数(E−k)曲面の曲率変化は、価電子帯の曲面のそれより大きいので、電子の有効質量は、正孔の有効質量より小さく、移動度は大きい。MQWによる移動障害は正孔に大きく作用するが、井戸構造がなくても、バンド構造の伝導帯と価電子帯のE−k曲面の形状から電子のほうが正孔よりも移動しやすく、生成位置から画素電極11へと容易に移動できる。
上記の理由(1)(i)(ii)および(2)によって、本実施の形態におけるハイブリッド型検出装置10では、受光素子アレイ50において受光によって生成した電子は、画素電極11に効率よく移動して、信号に寄与することができる。この結果、近赤外域における量子効率が高く受光感度が優れた、ハイブリッド型検出装置10を得ることができる。
次に製造方法の一例について説明する(図1参照)。まずInP基板1上に、0.1μm程度のp型InPバッファ層2を成膜する。次いで、(InGaAs/GaAsSb)または(GaInNAs/GaAsSb)のMQWの受光層3を形成する。InPと格子整合するようInGaAsの組成はIn0.53Ga0.47Asとし、GaAsSbの組成はGaAs0.52Sb0.48とする。これにより格子整合度(|Δa/a|:ただし、aはInP基板の格子定数、Δa=ai−a(aiは各層の格子定数)は、InP基板との間の格子定数差)を0.002以下とすることができる。
単位量子井戸構造を構成する、InGaAs層の厚みは5nm、またGaAsSb層の厚みは5nmであり、ペア数(単位量子井戸の繰り返し数)は250である。次いで、受光層3の上に、不純物濃度分布調整層4として、厚み0.3μm程度のIn0.53Ga0.47As層をエピタキシャル成長し、次いで、最後に厚み0.8μm程度のInPキャップ層5をエピタキシャル成長する。上記の受光層3、不純物濃度分布調整層4は、ともにMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によってエピタキシャル成長するのがよい。また、InPキャップ層5は、MBE法でエピタキシャル成長してもよいし、不純物濃度調整層4を成長させた後、MBE装置から取り出して、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法によってエピタキシャル成長してもよい。
InPキャップ層5からMQWの受光層3にまで届くように位置するn型領域6は、SiN膜の選択拡散マスクパターン36の開口部から、Sn等のn型不純物が選択拡散されることで形成される。各画素の周縁部の内側に、平面的に周囲限定されての選択拡散導入は、上記SiN膜の選択拡散マスクパターン36を用いて拡散することによって実現される。周囲限定されるため、n型領域6は選択拡散されていない領域によって隔てられる。
n型領域6には、AuGeNi/Ti/Auのn側電極11が、オーミック接触するように設けられている。接合バンプ31を形成するインジウム合金としては、たとえばIn85重量%〜97.5重量%、Zn2.5重量%〜15重量%のIn−Zn合金などを用いるのがよい。In96%−Zn4%の合金などがよい。この他に、InPにオーミック接触する金属として、In97%−Ag3%、In100%などを用いることができる。インジウム以外の金属としては、Sn96.5%−Ag3.5%、などを用いることができる。p型のInP基板1にオーミック接触するグランド電極12は、AuZnで形成するのがよい。
InP基板1は、裏面にp側電極12をオーミック接触するので、Zn等のp型不純物を所定レベル以上含むものを用いるのがよい。たとえばZnなどp型ドーパントを1×1017/cm程度またはそれ以上含むものがよい。
InGaAs/GaAsSbのタイプ2型MQWの受光層3、InGaAs不純物濃度分布調整層4、InPキャップ層5は、ノンドープでもよいし、または、Znなどp型ドーパントを極微量(たとえば2×1015/cm程度)ドーピングしてもよい。
pn接合15は、受光層3内において、n型不純物元素が選択拡散で導入される側と反対の面側の領域のp型不純物濃度が、上述のように、真性半導体とみなせるほど低い不純物領域(i領域と呼ばれる)である。選択拡散により形成されたn型領域6と当該i領域との間に形成される接合(pn接合)15をも含むものである。すなわち上記のpn接合は、ni接合などであってもよく、np接合におけるp濃度が非常に低い場合も含むものである。
上述のように、InPキャップ層5の表面に形成したSiN選択拡散マスクパターン36を用いて、その開口部からSnなどのn型不純物を選択拡散してInGaAs/GaAsSbのMQWの受光層3内に届くようにn型領域6を形成する。n型領域6のフロント先端部がpn接合15を形成する。このとき、n型不純物濃度が1×1018/cm程度以上の高濃度領域は、InGaAs不純物濃度分布調整層4内に限定されるようにするのがよい。すなわち、上記高濃度不純物分布は、InPキャップ層5の表面から深さ方向に、InGaAs不純物濃度分布調整層4内にまで連続し、不純物濃度分布調整層4内のトップ側で大きく低下したあと、1×1016/cm程度から緩やかな濃度勾配にするのがよい。受光層3には、その緩やかな勾配で入ってゆく。その結果、受光層3内のpn接合15の近傍におけるn型不純物濃度分布は、傾斜型接合を示すような分布になっている。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるハイブリッド検出装置10を示す断面図である。また、図5は、受光素子アレイ50内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。図4において、実施の形態1の受光素子アレイ50とは、n型領域6が受光層3の大部分を通りInPバッファ層2との境界に近い位置まで届いている点に相違がある。すなわちn型不純物の選択拡散によって形成されたn型領域6は、キャップ層5/不純物濃度分布調整層4、を通って、受光層3とバッファ層2との境界に近い位置まで届いている。n型領域6の深さが深いという点で相違しており、その他の点では各部の符合も含めて実施の形態1と同じである。
数値的には、図5に示すように、n型キャリア濃度は、受光層3において、不純物濃度分布調整層4との境界付近では1e18/cm程度であるが、0.2μmの厚み範囲で急峻に1e16/cm程度に低下して、緩やかな勾配になる。上記境界から0.25μm位置程度から底部に向かって、さらに緩やかな勾配になって低下する。pn接合15はInPバッファ層2との境界付近に形成される。したがって、傾斜型接合といっても、実施の形態1における傾斜よりもn型キャリアの濃度勾配は小さく、かつそのn型キャリア濃度レベルは低い。逆に、pn接合15のp型キャリア側のp型キャリア濃度はInP基板側へとステップ状に高くなる。
図4には、pn接合15に逆バイアス電圧を印加する電源を示している。本実施の形態に限らず、n型不純物の選択拡散領域を画素とする場合、受光素子アレイにおける受光素子に印加する逆バイアス電圧を0〜−1V程度とすることができる。これによって、電源を小さくできることができ、小型化および軽量化を遂行することができる。この結果、携行に便利なハイブリッド型検出装置を得ることができる。図4の受光素子アレイについてのみ電源を例示したが、本発明のすべての受光素子アレイについて、上記の逆バイアス電圧の範囲は適用できる。したがって、すべての実施の形態において、小型化および軽量化を遂行することができる。
空乏層は、p型領域側には、ステップ状の高濃度を有するInPバッファ層2に接するまでで止まり、n型領域側には、n型キャリア濃度が低い受光層3の側により大きく広がる。タイプ2型のMQWの受光層3の厚みの大部分をn型とすることで、受光によって生成した電子を、逃がさずに画素電極11に向かってn型領域6を経由させて確実に画素電極11にまで移動させることができる。このため、より一層確実に受光で生成した電子を捕捉することができ、量子効率を向上させることができる。
製造方法については、n型領域6以外の部分は、実施の形態1における方法による。また、本実施の形態におけるn型領域6は、実施の形態1におけるn型不純物の選択拡散の温度よりも高温にして時間を長めにとって選択拡散することで実現することができる。
(参考例として挙げる実施の形態3)
図6は、参考例として挙げる実施の形態3におけるハイブリッド検出装置10を示す断面図である。また、図7は、受光素子アレイ50内の一つの受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布を示す図である。実施の形態1,2では、n型不純物の選択拡散によって隣の画素と隔てていた。本実施の形態では、受光素子または画素の間に、溝19を設けることで隣の画素と隔てている点で、相違する。このため、本実施の形態では、選択拡散に用いる選択拡散用マスクパターン36は不要である。溝19は、エピタキシャル層をメサエッチングすることで設けられるが、露出したエピタキシャル層の端面等は保護する必要があり、図6に示すように、保護膜37によって被覆される。
本実施の形態では、pn接合15は、タイプ2型MQWの受光層3とInPバッファ層2との界面に位置する。すべてのエピタキシャル層の不純物は、成膜の際、ドーピングによって導入される。このため、図7に示すように、各エピタキシャル層におけるキャリア濃度は厚み方向にフラットな分布となる。
本実施の形態では、pn接合が 型受光層3と 型バッファ層2との境界に位置し、逆バイアス電圧の印加によって、空乏層は主に受光層3内に広がる。このため、InP基板1の裏面から入射された光は、電界がかかった空乏層において受光されて有効に電子を生成する。その電子は、n型領域6内のMQWの伝導帯を経由して、n側電極11に歩留まりよく、到達することができる。すなわち、実施の形態2とほぼ同様の効果を得ることができる。
しかし、本実施の形態では、pn接合15が、溝19の底面で囲まれた画素全体に広いフラットな面で形成される。このため空乏層は、画素にわたって均一な厚みの偏平直方体のようになる。この結果、光の入射角度によらず、各画素は光を同じような空乏層の形状で受けるようになる。この結果、斜めに角度がついた光も正面入射の光と同様な位置で受光することができる。実施の形態1,2では、n型領域は先細りの凸状曲面であり、空乏層はその凸状曲面に沿って形成される。入射光線の角度によって、凸状曲面の斜面位置で受光し、または凸状曲面の頂上で受光することになる。このため、実施の形態1,2では、受光感度の、入射角度依存性は大きくなるが、本実施の形態では、入射角度依存性は小さくなる。
製造方法は、次の点で実施の形態1,2と相違する。pInP基板上に、つぎのように、順次、エピタキシャル層を成長してゆく。不純物は、成膜時にドーピングする。
InP基板1/pInPバッファ層2/nタイプ2型MQW受光層3/nInGaAs不純物濃度分布調整層4/nInPキャップ層
上記のエピタキシャル層を形成したあと、画素領域の間に選択エッチングによって溝19を設ける。選択エッチングは、InP系III−V族半導体に用いられる既存の選択エッチング法を用いて行うことができる。溝19を形成した後、ポリイミドなどの保護膜37で上述のように被覆する。電極11,12の形成等は、実施の形態1,2と同様に行うことができる。
(参考例として挙げる実施の形態4)
図8は、参考例として挙げる実施の形態4におけるハイブリッド検出装置10を示す断面図である。本実施の形態では、不純物は、実施の形態3と同様に、エピタキシャル層の成膜時にドーピングによって導入する。このため、受光素子におけるキャリア濃度の厚み方向分布は、実施の形態3と同じ図7に示すとおりである。pn接合15の位置も、受光層3とバッファ層2との境界である。しかし、受光素子を分離する手段は、本実施の形態では、受光素子の間にp型不純物を選択拡散することで行う。すなわちドーピングによるn型領域6dは、選択拡散によるp型領域6pに取り囲まれる。実施の形態3では、溝によって分離していた。
溝を用いないで、p型不純物の選択拡散によって受光素子を分離することで、メサエッチングに伴う結晶性の劣化、それに伴う暗電流の増大などを除くことができる。ただ、p型不純物の選択拡散で形成されるp型領域6pの先端形状が重要になり、確実にバッファ層2内にまで届かせないと、pn接合15が隣同士の受光素子に連続して形成されるので配慮が必要である。
(実施の形態5:光学センサ装置(1)−撮像装置または視界支援装置−)
図9は、本発明の実施の形態5における光学センサ装置20である撮像装置または視界支援装置を示す図である。本視界支援装置は、自動車の夜間運転における運転者の前方の視界を支援するために、車両に搭載される。車両には、実施の形態1〜2において説明した受光素子アレイ50と、図示しない、CMOSやレンズなど光学素子等とを含むハイブリッド型検出装置10と、撮像された画像を表示する表示モニター61と、これらを駆動制御する制御装置60とが搭載される。また、図10は、自動車の夜間運転における運転者の後方の視界を支援するために、車両に搭載される、夜間後方の視界支援装置を示す図である。自動車の後部に後ろ向きに取り付けられた、実施の形態1〜4の受光素子アレイ50、CMOS、レンズなど光学素子等を含むハイブリッド型検出装置10で撮像した画像は、運転者の上部前方の表示装置61に表示される。ハイブリッド型検出装置10もしくは受光素子アレイ50および表示装置61は、制御装置60によって駆動制御される。
本発明より前の車両用視界支援装置では、物体からの赤外域の反射光または放出光を受光して画像とするため、次のような問題があった。反射光を利用する場合、光源が必要であり、搭載スペースを要し、またコスト増となる。また、物体の放射熱を利用する場合、人以外の非発熱体や防寒具を着た歩行者等は認識が難しいため、赤外カメラ以外の認識手段と併用する必要がある。また、光源を使う場合、使用する波長域によっては人体への影響、すなわちアイセーフ対策を講じる必要がある。
本実施の形態における視界支援装置では、上記のような余分の光源やアイセーフ対策は不要である。また、撮像対象の発熱、非発熱を問わない。さらに霧中など水分を含む環境中でも、対象物の鮮明な画像を得ることができる。このため夜間における優れた車両用の視界支援装置を提供することができる。これは、物体からのSWIR(Short Wavelength Infra-Red)帯の宇宙光の反射光を利用して、かつ暗電流が十分少なく、優れたダイナミックレンジ(S/N)を持つ受光素子を用いているからである。
上記は自動車の視界支援装置であるが、その他、暗視装置、航海支援装置、侵入者監視装置、室内監視装置、高い位置に配置した都市火災監視装置等に利用することができる。
(実施の形態6:光学センサ装置(2)−生体成分検出装置−)
図11は、本発明の実施の形態6における光学センサ装置20である生体成分検出装置を示す図である。図11において、受光部に上述のハイブリッド型検出装置10を用い、グルコースの近赤外域の長波長域に位置する吸収帯を用いて濃度測定を行う。本実施の形態では、生体を透過した近赤外光を測定してグルコース濃度を求める。人体の反射光を用いてもよい。光は次の経路を通る。
光源63→照射用ファイバ64→検出部位(ユビ)→情報搭載光ファイバ65→回折格子(分光器)91→ハイブリッド型検出装置10→制御部85
なお分光器は光源と照射用ファイバの間においてもよい。
検出部位において血液成分の吸収スペクトルを得ることで、制御部85において血糖値の絶対値、またはその相対値もしくは大小を検出することができる。図11に示す例は、ヒトの指の透過光を受光するが、皮膚、筋肉、血液など多くの生体組織の情報を得ることができる。
レファレンス信号の測定は、生体(指)の装入時には退き、生体が退いた時に装入されるように、アクチュエータ67によって駆動される基準板の透過光によって行う。基準板の厚みは、基準板の材料にもよるが透過光の光量が十分あるように薄くしておくのがよい。基準板の移動は、アクチュエータ67によって行うことで、位置や姿勢(角度)のばらつきが生じないようにする。
上記は、ハイブリッド型検出装置10を、人体透過光による血糖値の測定に用いた例であるが、その他、人体反射光による血糖値、体脂肪、眼の角膜のコラーゲン、顔面のコラーゲン分布像などの測定に用いることができる。
(実施の形態7:光学センサ装置(3)−水分検出装置−)
図12は、本発明の実施の形態7における光学センサ装置20である生体中の水分検出装置(眼の水分布像形成装置)を示す図である。眼の不具合には、乾き眼、なみだ眼、など水分と関連した症状が多い。このような症状が出たとき、図12に示すように、角膜Cだけでなく、眼Eの前面すべての水分布イメージをとることで、その症状を評価することができる。たとえば涙腺に対応する箇所で、水濃度が異常に高いなどを検出することが可能である。凹面鏡68は近赤外光に対する反射率が大きいものを用いるのがよく、たとえば金(Au)で形成したものを用いる。凹面鏡68は、眼の正面ではなく傍らに位置して、光源63から発して眼の各部からの光を反射して、眼の各部の像をハイブリッド検出装置10による撮像装置に結像させるようにする。フィルタ69は、水の吸収帯に属する1.4μm付近の光または1.9μmの付近の光を透過させるものがよい。制御部85のマイクロコンピュータ85bは、撮像装置(ハイブリッド型検出装置)10の画素の出力信号に基づいて、眼Eにおける水分布像を形成し、表示装置85cに表示する。本発明に係る撮像装置10は、暗電流が低く、長波長側にまで感度が高いため、S/N比の高い、鮮明な水分布像を得ることができる。このため、眼における水の果たす作用、水の動きなどの理解に役立つ。
眼は光に対して非常に敏感に反応するので、できれば光源63は使用しないことが好ましい。たとえば、このSWIR宇宙光のスペクトルのピークIを、光源に用いることができる。ピークIの波長は、1.4μm付近にあり、水の吸収帯に属する波長である、このため、光源63を除いて、SWIR宇宙光で代用することができる。または、人工の光源63を用いるにしても、光を近赤外域に限定して、しかもそのピーク値をSWIR宇宙光のピーク強度のたとえば2倍とすることでもよい。上記SWIR宇宙光を光源にすることでアイセーフが確実に実現される。上記のように、SWIR宇宙光を用いたり、強度レベルの低い光源を用いることができるのは、本実施の形態に係る撮像装置を構成するハイブリッド型検出装置10の暗電流を低くできるからである。すなわち微弱な信号でも、鮮明な画像を形成することができるからである。
上記は生体の部分である眼の水分検出装置の例であるが、このほか、自然産物の水分測定(メロンの水分測定(品質検定)、水分による籾混入率の測定、他の果物、海苔、魚介類、乳製品など)、角膜矯正手術における角膜水分測定、顔面肌など生体の水分測定、紙製品の水分測定、自動排油装置中の油中の水分測定、汚泥の脱水ケーキの水分測定、石炭の水分測定、衣類乾燥機における衣類の水分測定などに用いることができる。
(実施の形態8:光学センサ装置(4)−食品品質検査装置−)
図13は、本発明の実施の形態8における光学センサ装置20である食品品質検査装置である食味を検査する装置を示す図である。図13において、検査対象の米Sは、米粒のままでもよいが、破砕して粉体であってもよい。光源63から出射された近赤外光は、米Sを透過した後、回折格子91で回折されて分光され、受光素子アレイ50を含むハイブリッド型検出装置10で受光され、吸収スペクトルの電気信号となる。マイコン85b、表示部85c、入力キーボード85d、プリンタ85pなどを備える制御部85では、吸収スペクトルの解析等を行って、表示する。上述のように、実施の形態1〜4のいずれかの受光素子アレイ50を含むハイブリッド型検出装置10を用いることで、波長3000nmまで高いS/N比の信号を得ることができる。
一般に、食味のようなヒトの五感に依存する品質は、単一の成分ではなく複数の成分が寄与することで成り立っている。このため、近赤外域での当該食品の吸収スペクトルの採取を行う。そして、別途、当該食品について、パネラーによる試食官能試験を行い、食品の官能評価値を求めておく。その官能評価値と、食品の吸収スペクトルの特定波長の吸光度、その一次微分値、または二次微分値と、の間に相関関数を設定しておく。この相関関数に基づいて、検査対象の近赤外光の吸収スペクトルから官能評価値を求め、食味を検査する。吸収スペクトルのどの波長を相関関数にとり入れるかは、次の要素に依存する。
(1)食品の種類
(2)食味検査装置の受光可能範囲、とくにS/N比が高い範囲
上記の(1)および(2)は、食品に依存して、吸収スペクトルのどの波長を採用するか決まるが、それだけでなく、食味検査装置の受光波長域にも依存することを示す。食味検査について、つぎのアプローチが可能である。
図14は、異なる3つの銘柄S,S,Sの米の1200nm〜2500nmの範囲の吸収スペクトルを示す。波長1900nm以上には、アミロースをはじめ蛋白質、水分など米を構成する各成分の吸光度が大きく、各成分の吸光度を特定することができる。食味についての官能試験の評価と、各成分の濃度との相関をとると、米の食味(官能試験の評価)は、米中の蛋白質、アミロース、水分が主要なファクタであることが判明した。上記の蛋白質、アミロース、水分の含有率は、波長2100nm,2130nm,2270nm,2370nmの吸光度から求められる。したがって、これらの波長における吸光度から、蛋白質、アミロース、水分を求めること、上記の相関関数に基づいて食味値を求めることができる。すなわち、食味指数=f(x)・f(x)・f(x)で表すことができる。ここに、xはアミロース濃度、xは蛋白質濃度、xは水分濃度であり、f,f,fは、関数を表す。このアプローチは、米の食味と、米の各成分とを結びつけた上で、近赤外分光データから食味を検査する。
米の食味検査は、上記アプローチに従って、近赤外分光スペクトルから、十分な精度で可能になった。採用する波長域は、その装置の光電変換装置などに応じて、適宜、選ぶことができる。米については、今後の課題は、できるだけ広い範囲の波長を利用して、統計手法を駆使して多くの情報を得ることにより、ブランド米の特定を可能にすることである。ブランド米の特定を可能にすることで、たとえば商標権の不正目的の取得などを意味のないものにすることができる。その実現のために、高S/N比の信号を得られる上記の受光素子アレイ50またはハイブリッド型検出装置を用いることができる。
上記は食味を検査するための食品品質検査装置の例を示したが、このほか、成育中または出荷中の果物、野菜等の成分検査、牛肉枝肉の脂肪分の検出、異常肉の検出、脂肪中のPCB等の検出、食品の加熱履歴検査などに用いることができる。
(実施の形態9:光学センサ装置(5)−環境モニタ装置−)
図15は、本発明の実施の形態9における光学センサ装置20である、ごみの燃焼炉においてごみの温度分布を得るための温度分布測定装置である。気体中の成分濃度を検出するための環境モニタ装置の一具体例である。また図16は温度分布撮像装置20aを示す図である。ごみ燃焼炉では、炭素または炭化水素は塊状であり燃料に適した形態で存在するわけではないので、すすは少なく、また水分が多量に存在する。図17は、ごみ燃焼炉における近赤外スペクトルを示すが、水の発光スペクトル波長λ,λが顕著である。本実施の形態においては、水の発光スペクトルが温度によって変化することを利用して、図18に示す水の吸収スペクトルと合わせて、水の濃度と温度とをモニタリングする。図18中、(K1)および(K2)は、それぞれ10mmおよび1mmのキュベットセルを用いて測定したものである。発光スペクトルの強度は、水の濃度にも比例するので、2つの発光ピーク波長だけでは、精度のよい測定が難しいので、吸収スペクトルも用いる。
温度分布撮像装置20aでは、干渉フィルタ10aが重要である。干渉フィルタ10aは、上記の水の発光ピーク波長λ,λ、および複数の吸収ピーク波長のそれぞれに透過波長をもつフィルタとする。たとえば吸収ピーク波長は、図18に示すように、近赤外域に2つの鋭いピークM2,M3をもつが、干渉フィルタ10aは、これらの波長の光を通すようにする。したがって、干渉フィルタ10aは、上記の2つの発光ピーク波長と合わせて全部で4種類、または4つの透過波長のフィルタを配置することになる。外部の操作によって自動的に、これら4種類の干渉フィルタを選択する自動選択機構を設けることが望ましい。レンズ等の光学系10cについても自動的にピントを合わせる自動焦点機構を設けるのがよい。たとえば、上記4種類の干渉フィルタに対応して、4つの波長の光について、ごみまたはその少し上方の撮像を行う。これによって4つの波長の像を得ることができる。
予め、水蒸気温度および水蒸気濃度を変えた空気について、上記の波長における光の強度を求め、温度の回帰式を求めておくことができる。この温度回帰式を制御部のマイコン85bに記憶させておく。上記の撮像によって、各位置において、波長ごとの強度を得ることができる。上記の温度回帰式を用いれば、各位置において、温度を求めることができる。このように、水の温度および濃度を両方ともモニタすることで、ごみの燃焼状態を精度よく検知することができる。
従来は、多くの温度センサをごみ焼却装置内に配置していたが、本実施の形態の装置を、焼却炉の上方部または頂部に配置することで、温度センサの数を削減することができる。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置等によれば、タイプ2型MQWを用いて、n型不純物の選択拡散領域を画素とし、InP基板の裏面入射によって、近赤外域に高い受光感度を持つ、受光素子アレイ、およびハイブリッド型検出装置等を得ることができる。
1 InP基板、2 InPバッファ層、3 タイプ2型MQWの受光層、4 不純物濃度分布調整層、5 InPキャップ層、6 選択拡散によるn型領域、6d ドーピングによるn型領域、6p 選択拡散によるp型領域、10 ハイブリッド型検出装置、10a,10c 検出装置に付加される光学部品、11 n側電極(画素電極)、12 p側電極(グランド電極)、15 pn接合、19 溝、20 光学センサ装置、20a 温度分布撮像装置、31 接合バンプ、35 反射防止膜、36 選択拡散マスクパターン、37 保護膜、50 受光素子アレイ、60 制御装置、61 表示装置、63 光源、64 照射用光ファイバ、65 情報搭載光ファイバ、67 アクチュエータ、69 フィルタ、70 CMOS(読み出し回路)、71 パッド(読み出し電極)、72 グランド電極、76 凹面鏡、85 制御部、85b マイコン、85c 表示部、85d キーボード(入力部)、85p プリンタ、91 回折格子(分光器)。

Claims (9)

  1. 受光素子が配列された受光素子アレイであって、
    p型のInP基板と、
    バンドギャップ波長1.65μm〜3.0μmを有し、前記InP基板の上に位置する受光層と、
    前記受光層上に位置する不純物濃度分布調整層と、
    前記不純物濃度分布調整層上に位置するキャップ層とを備え、
    前記受光層は、前記InP基板と格子整合する、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNP)、および(GaAsSb/InGaAsNSb)、のうちのいずれか1つのタイプ2型の多重量子井戸構造からなり、
    前記受光素子ごとに前記キャップ層上に位置する電極を備え、該電極は、当該受光素子ごとに設けられたn型領域において前記キャップ層にオーミック接触しており、隣りの受光素子と、溝またはn型化されていない領域によって隔てられており、
    pn接合は、前記受光層内であって前記受光素子ごとのn型領域の先端部に位置し、傾斜型接合となっており、
    (1)前記n型領域のn型キャリア濃度の分布が、前記不純物濃度分布調整層内で1e16/cm 以下の低濃度に急に低下したあと緩やかな勾配になり、前記受光層へとその緩やかな勾配で傾斜して入っていて、前記pn接合は該受光層内に形成されている、または、
    (2)前記受光層の底面に接して前記InP基板へとp型キャリア濃度がステップ状に高くなるp型半導体層を備え、前記n型領域が前記受光層の底部にまで届き、前記pn接合は該n型領域と前記p型半導体層との界面に形成されていて、
    前記キャップ層が、InP層、またはInGaAs層とInP層との複合層、であることを特徴とする、受光素子アレイ。
  2. 前記受光素子が、選択拡散または選択イオン注入、によって形成されたn型領域を有し、前記選択拡散されずn型化されていない領域または選択イオン注入されずn型化されていない領域によって、他の受光素子と隔てられていることを特徴とする、請求項1に記載の受光素子アレイ。
  3. 前記受光層は、(1)n型層、(2)p型層、および(3)キャップ層側をn型層としかつInP基板側をp型層とする不純物複合層、の(1)〜(3)のうちのいずれか1つであり、いずれの場合もキャリア濃度が1e16/cm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の受光素子アレイ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の受光素子アレイと、シリコン読み出し回路とを備え、前記受光素子アレイの受光素子ごとの電極と、前記シリコン読み出し回路の読み出し電極とが、接合バンプを介在させて導電接続しており、前記受光素子アレイにおけるInP基板の裏面から光が入射することを特徴とする、ハイブリッド型検出装置。
  5. 前記受光素子アレイにおける受光素子に印加する逆バイアス電圧が0〜−1Vであることを特徴とする、請求項4に記載のハイブリッド型検出装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の受光素子アレイ、または請求項4もしくは5に記載のハイブリッド検出装置を用いたことを特徴とする、光学センサ装置。
  7. p型のInP基板と、
    バンドギャップ波長1.65μm〜3.0μmを有し、前記InP基板の上に位置する受光層と、
    前記受光層上に位置する不純物濃度分布調整層と、
    前記不純物濃度分布調整層上に位置するキャップ層とを備え、
    前記受光層は、前記InP基板と格子整合する、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNP)、および(GaAsSb/InGaAsNSb)、のうちのいずれか1つのタイプ2型の多重量子井戸構造からなり、
    前記キャップ層上に位置する電極を備え、該電極は、前記n型領域において前記キャップ層にオーミック接触しており、
    前記n型領域は、周りとn型化されていない領域によって隔てられており、
    pn接合は、前記受光層内であって前記受光素子ごとのn型領域の先端部に位置し、傾斜型接合となっており、
    (1)前記n型領域のn型キャリア濃度の分布が、前記不純物濃度分布調整層内で1e16/cm 以下の低濃度に急に低下したあと緩やかな勾配になり、前記受光層へとその緩やかな勾配で傾斜して入っていて、前記pn接合は該受光層内に形成されている、または、
    (2)前記受光層の底面に接して前記InP基板へとp型キャリア濃度がステップ状に高くなるp型半導体層を備え、前記n型領域が前記受光層の底部にまで届き、前記pn接合は該n型領域と前記p型半導体層との界面に形成されていて、
    前記キャップ層が、InP層、またはInGaAs層とInP層との複合層、であることを特徴とする、受光素子。
  8. 受光素子が配列された受光素子アレイの製造方法であって、
    p型InP基板上またはp型InP基板上のp型バッファ層上に、格子整合する、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNP)、および(GaAsSb/InGaAsNSb)、のうちのいずれか1つのタイプ2型の多重量子井戸構造の受光層を形成する工程と、
    前記受光層上に不純物濃度分布調整層を形成する工程と、
    前記不純物濃度分布調整層上にキャップ層を形成する工程と、
    前記キャップ層からn型不純物を導入してn型領域を形成して該n型領域の先端にpn接合を前記受光素子ごとに形成する工程と、
    前記n型領域に前記受光素子ごとに電極を形成する工程とを備え、
    (1)前記n型領域のn型キャリア濃度の分布が、前記不純物濃度分布調整層内で1e16/cm 以下の低濃度に急に低下したあと緩やかな勾配になり、受光層へとその緩やかな勾配で傾斜して入るようにしてpn接合を該受光層内に形成する、または、
    (2)前記受光層を形成する前に、前記受光層と前記InP基板との間に位置し、前記InP基板へとp型キャリア濃度がステップ状に高くなるように前記p型バッファ層を形成し、前記n型領域が前記受光層の底部にまで届き、前記pn接合が該n型領域と前記p型バッファ層との界面に形成される、ことを特徴とする、受光素子アレイの製造方法。
  9. 前記受光素子ごとのn型領域の形成では、(1)前記キャップ層の表面から選択拡散または選択イオン注入することで該n型領域を形成し、選択拡散されていない領域または選択イオン注入されていない領域によって他の受光素子と隔てる、ことを特徴とする、請求項8に記載の受光素子アレイの製造方法。
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