JP4742647B2 - 極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法 - Google Patents

極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、極性モノマー−オレフィン共重合体およびその製造方法に関する。
極性モノマー−オレフィン共重合体は、メタクリル系重合体に代表される極性モノマー重合体が有する透明性、耐候性および機械的特性といった特性と、オレフィン系重合体が有する耐水性や機械的特性とを兼ね備えた重合体として、近年、用途に応じて種々の該共重合体が開発されている。
特に、極性モノマーとオレフィンの含有量の近い、中間的な共重合組成を有する極性モノマー−オレフィン共重合体として、例えば、非特許文献1にはアクリル酸メチルと1−アルケンの交互共重合体が記載されている。
「ポリマー・プレプリンツ」、第45巻、707−708ページ、2004年)
しかしながら、非特許文献1に記載の交互共重合体は、極性モノマー重合体およびオレフィン系重合体それぞれが有する上記諸特性の発現において必ずしも十分とはいえず、それら諸特性を一層特徴的にかつバランスよく具備した共重合体が求められていた。
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、極性モノマー重合体およびオレフィン系重合体それぞれが有する諸特性をバランスさせた極性モノマー−オレフィン共重合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第一は、極性モノマーおよびオレフィンを共重合させて得られる極性モノマー−オレフィン共重合体であって、該共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位の含有量が25〜50モル%(ただし、該共重合体中の全モノマー単位を100モル%とする。)であり、かつ、該共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位が2以上の連鎖を構成する構造を含有する極性モノマー−オレフィン共重合体にかかるものである。本発明の第二は、ラジカル重合方法を用いる極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法にかかるものである。
本発明によれば、極性モノマー重合体およびオレフィン系重合体それぞれが有する諸特性をバランスさせた極性モノマー−オレフィン共重合体およびその製造方法が提供される。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体は、極性モノマーおよびオレフィンを共重合して得られる共重合体である。
極性モノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、N−アルキル置換−アクリルアミド、N−アルキル置換−メタクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−アクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−メタクリルアミド等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸エステルである。極性モノマーは単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
上記、アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸−sec−ペンチル、アクリル酸−tert−ペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ジシクロペンチル、アクリル酸メンチル、アクリル酸ノルアダマンチル、アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸アルキルエステル、および、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アリールエステル、および、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−アミノエチル、γ−(アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(アクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。好ましくはアクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくはアクリル酸メチルである。
上記、メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸−sec−ペンチル、メタクリル酸−tert−ペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−n−ヘプチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ジシクロペンチル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸ノルアダマンチル、メタクリル酸アダマンチル等のメタクリル酸アルキルエステル、および、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル、および、メタクリル酸−2−メトキシエチル、メタクリル酸−3−メトキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル、メタクリル酸パーフルオロメチル、メタクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。上記メタクリル酸エステルは単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
上記、N−アルキル置換−アクリルアミドとしては、例えば、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等が挙げられる。上記、N,N−ジアルキル置換−アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジフェニルアクリルアミド等が挙げられる。上記、N−アルキル置換−メタクリルアミドとしては、例えば、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド等が挙げられる。上記、N,N−ジアルキル置換−メタクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジフェニルメタクリルアミド等が挙げられる。上記、N−アルキル置換−アクリルアミド、N−アルキル置換−メタクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−アクリルアミドおよびN,N−ジアルキル置換−メタクリルアミドはそれぞれ、単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明でいうオレフィンは、エチレンである。
本発明における極性モノマー−オレフィン共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位の含有量は25〜50モル%であり、好ましくは30〜45モル%である。
本発明における極性モノマー−オレフィン共重合体は、オレフィン由来のモノマー単位が2以上の連鎖を構成する構造を含有する共重合体である。オレフィン由来のモノマー単位が2以上の連鎖を構成する構造の含有量としては特に限定されないが、好ましくは4.0〜50モル%であり、より好ましくは6.0〜40モル%であり、さらに好ましくは10〜30モル%である(ただし、該共重合体中の全モノマー単位を100モル%とする。)。
上記極性モノマー−オレフィン共重合体中の、オレフィン由来のモノマー単位の含有量および2以上の連鎖を構成する構造をなすオレフィン由来のモノマー単位の含有量は、以下に説明する13C−NMR分析法によって定量される。該分析法においては、下記の連鎖構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)それぞれに由来する各炭素原子を用いる。即ち、(a)P−P−P連鎖構造、(b)NP−P−P連鎖構造およびP−P−NP連鎖構造、(c)NP−P−NP連鎖構造、(d)P−NP−NP連鎖構造およびNP−NP−P連鎖構造、(e)NP−NP−NP連鎖構造である(ただし、Pは極性モノマー由来のモノマー単位を表し、NPはオレフィン由来のモノマー単位を表す)。これらの連鎖構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)それぞれに由来するピーク面積に対して、各ピークに含まれる炭素原子数が等しくなるように換算した値a、b、c、d、eをそれぞれ得る。これらを下記の[式1]および[式2]に代入することにより、極性モノマー−オレフィン共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位の含有量および2以上の連鎖を構成する構造をなすオレフィン由来のモノマー単位の含有量がそれぞれ算出される。
(オレフィン由来のモノマー単位の含有量、モル%)=(b/2+c+d/2+e)/(c+b+a+b/2+c+d/2+e)×100 [式1]
(2以上の連鎖を構成する構造をなすオレフィン由来のモノマー単位の含有量(モル%))=(d+e)/(c+b+a+b/2+c+d)×100 [式2]
上記、オレフィン由来のモノマー単位の含有量および2以上の連鎖を構成する構造をなすオレフィン由来のモノマー単位の含有量の定量方法を、例えば、アクリル酸メチル(以下、MAと称する。)−エチレン(以下、Eと称する。)共重合体について説明する。アクリル酸メチル−エチレン共重合体中のエチレン由来のモノマー単位の含有量は、重クロロホルム中、22℃の条件の13C−NMR測定により、以下のケミカルシフトに位置するシグナルを用いて得られる。即ち、(a)MA−MA−MA連鎖構造は41.4ppm付近:エステル基付け根のメチン炭素、(b)E−MA−MA連鎖構造およびMA−MA−E連鎖構造は43.2ppm付近:エステル基付け根のメチン炭素、(c)E−MA−E連鎖構造は45.2ppm:エステル基付け根のメチン炭素、(d)E−E連鎖構造は27.0および29.3ppm付近:MA−E−E−MA連鎖構造における、エステル基付け根のメチン炭素のβ位およびγ位に位置するメチレン炭素(したがって、この場合はd=(β位メチレン炭素のピーク面積+γ位メチレン炭素のピーク面積)×2/(2×3)となる)である。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体は、好ましくは、極性モノマーおよびオレフィンに由来しない、エチル基およびブチル基といった、重合体に対する連鎖移動(多くの場合、水素引き抜き反応)に由来する短鎖分岐構造が、観測周波数67.5MHz程度の13C−NMR分析装置を用いて分析しても確認されない。より好ましくは実質的に直鎖状である。
本発明における極性モノマー−オレフィン共重合体の分子量は、加工性の観点から、好ましくは重量平均分子量で1万以上である。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、好ましくは1.0〜5.0であり、より好ましくは1.0〜2.5である。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法としては、ラジカル重合機構に関わる重合方法であれば特に限定されないが、例えば、フリーラジカル重合法、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)によるラジカルリビング重合法、安定ラジカルによるラジカルリビング重合法、遷移金属化合物によるラジカルリビング重合法、などが挙げられる。
上記、フリーラジカル重合法で用いる重合開始剤としては、例えば、アゾ開始剤、過酸化物開始剤、置換エタン開始剤、光重合開始剤、電子移動型開始剤等の、フリーラジカル開始剤を用いることができる。
上記、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)によるラジカルリビング重合法で用いる重合開始剤としては、上記フリーラジカル重合法で用いることのできる重合開始剤を用いてもよいし、RAFT型ラジカルリビング重合における休止種(ドーマント種)を開始剤として用いてもよい。また、RAFT型重合調整剤として、例えばチオエステルなどの硫黄化合物の他に、ヨードホルムや2−ヨウ化酢酸エチルエステルなどのヨウ素化合物などを用いることができる。
上記、安定ラジカルによるラジカルリビング重合法で用いる重合開始剤としては、上記フリーラジカル重合法で用いることのできる重合開始剤を用いてもよいし、上記安定ラジカルと有機ラジカルからなる休止種(ドーマント)を重合開始剤として用いてもよい。また、添加剤として安定ラジカルを用いることができ、例えばTEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ)などのニトロキシド化合物や、コバルトポルフィリン錯体、有機テルル、有機アンチモンなどが挙げられる。
上記、遷移金属化合物によるラジカルリビング重合法で用いる重合開始剤としては、上記フリーラジカル重合法で用いることのできる重合開始剤を用いてもよいし、または遷移金属化合物および移動可能な原子または原子団を有する化合物からなる重合開始系を用いてもよい。
上記、遷移金属化合物および移動可能な原子または原子団を有する化合物からなる重合開始系としては、例えば、元素周期律表(IUPAC1985年)の第8族および第12族の金属原子を含む金属化合物のうち少なくともいずれか一つの金属錯体(以下、成分(A)と称する。)、および有機ハロゲン化合物(以下、成分(B)と称する。)からなるラジカルリビング重合開始剤系を用いる。なお、成分(A)の金属錯体は単独で用いてもよいが、複数の錯体を同時に使用してもよい。その場合にも、それぞれ単独で使用した場合と同様の効果が期待できる。
かかる極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、遷移金属化合物によるラジカルリビング重合法のうちで、重合開始剤系の必須成分の一つとして使用する成分(A)のルテニウムを中心金属に有する金属錯体として、好ましくは、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロベンゼンルテニウム、ジクロロ−p−シメンルテニウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)ルテニウム、シス−ジクロロビス(2,2’−ビピリジン)ルテニウム、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(2−N,N−ジメチルアミノインデニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウム(ペンタフルオロフェニル)ボレート、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート等が挙げられ、これらルテニウムを中心金属に有する金属錯体は単独でまたは複数を併用して使用することができる。これらの中でも好ましくは、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(2−N,N−ジメチルアミノインデニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウム(ペンタフルオロフェニル)ボレート、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート等であり、より好ましくは、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート等である。
かかる極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、遷移金属化合物によるラジカルリビング重合法のうちで、重合開始剤系の必須成分の一つとして使用する成分(A)の鉄を中心金属とする金属錯体としては、例えば、フェロセン、アセチルフェロセン、1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジ−イソプロピルフォスフィノ)フェロセン、ビス(エチルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)アイロン、n−ブチルフェロセン、tert−ブチルフェロセン、シクロヘキサジエンアイロントリカルボニル、シクロオクタテトラエンアイロントリカルボニル、α−(N,N−ジメチルアミノ)エチルフェロセン、N,N−ジメチルアミノメチルフェロセン、1,1’−ジメチルフェロセン、エチルフェロセン、α−ヒドロキシエチルフェロセン、ヒドロキシメチルフェロセン、アイロン(II)アセテート、アイロン(III)アセチルアセトナート、アイロン(II)ブロマイド、アイロン(II)クロライド、アイロン(II)ヨード、アイロン(III)ブロマイド、アイロン(III)クロライド、アイロン(II)フタロシアニン、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)アイロン、ブロモジカルボニルシクロペンタジエニルアイロン、ブロモジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロン、ジカルボニルシクロペンタジエニルヨードアイロン、ジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヨードアイロン、1,1’−ジアセチルフェロセン、ジカルボニルシクロペンタジエニルアイロンダイマー、ジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロンダイマー等が挙げられ、これらは単独でまたは複数を併用して使用することができる。これらの中でも好ましくは、ジカルボニルシクロペンタジエニルアイロンダイマーおよびジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロンダイマーである。
前記成分(A)のコバルトを中心金属とする金属錯体としては、例えばコバルトセンが挙げられる。
前記成分(A)の銅を中心金属とする金属錯体としては、例えば、銅原子に対して周期律表(IUPAC1985年)の第13族および第17族の原子を含む配位子が配位した錯体が挙げられる。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、遷移金属化合物によるラジカルリビング重合法のうちで、重合開始剤系の他の必須成分として使用する成分(B)の有機ハロゲン化合物は、重合開始剤として機能する。このような有機ハロゲン化合物としては、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、モノクロロエタン、トリクロロフェニルメタン、ジクロロジフェニルメタン、モノブロモメタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、モノヨードメタン、ジヨードメタン、ヨードホルム、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、1−ヨードブタン、2−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン等のハロゲン化炭化水素化合物、2,2,2−トリクロロアセトン、2,2−ジクロロアセトフェノン等のα−ハロゲノカルボニル化合物、2−クロロ酢酸エチル、2−ブロモ酢酸エチル、2−ヨード酢酸エチル、2,2,2−トリクロロ酢酸メチル、2,2−ジクロロ酢酸メチル、2−クロロプロパン酸メチル、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル、2−ヨード−2−メチルプロパン酸エチル、2−ブロモ−プロパン酸エチル、2−ヨード−プロパン酸エチル、2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、2−ブロモ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、2−ヨード−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、1,2−ビス(2’−ブロモ−2’−メチルプロピオニルオキシ)エタン、1,2−ビス(2’−ヨード−2’−メチルプロピオニルオキシ)エタン、1,2−ビス(2’−ブロモプロピオニルオキシ)エタン、1,2−ビス(2’−ヨードプロピオニルオキシ)エタン、2−(2’−ブロモ−2’−メチルプロピオニルオキシ)エチルアルコール、2−(2’−ヨード−2’−メチルプロピオニルオキシ)エチルアルコール等のα−ハロゲノカルボン酸エステル、1−ブロモ−1−フェニルエタン、4−(1−ブロモエチル)安息香酸、4−(1−ブロモエチル)安息香酸エステル等の(1−ハロゲノアルキル)ベンゼン誘導体を挙げることができる。これらは単独でまたは複数を併用して使用できるが、これらのなかでも、好ましくはα−ハロゲノカルボニル化合物、α−ハロゲノカルボン酸エステル、ハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル、2−ヨード−プロパン酸エチル、2−ヨードブタンである。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において、オレフィンの使用量は通常、0.04〜100mol/Lであり、極性モノマーの使用量は通常、0.01〜25mol/Lのである。また、オレフィンに対する極性モノマーの使用量のモル比は、好ましくは1〜0.01であり、より好ましくは0.25〜0.025である。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、フリーラジカル重合法のうちで、重合開始剤の使用量は通常、0.01〜1000mmol/Lであり、好ましくは0.1〜100mmol/Lにあるように、重合開始剤を用いる。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)によるラジカルリビング重合法のうちで、重合開始剤の使用量は通常、0.01〜100mmol/Lであり、好ましくは0.1〜40mmol/Lにあるように、重合開始剤を用い、RAFT型重合調整剤は通常、0.01〜2000mmol/Lであり、好ましくは0.1〜500mmol/Lにあるように用いる。
かかる極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、安定ラジカルによるラジカルリビング重合法のうちで、重合開始剤の使用量は通常、0.01〜100mmol/Lであり、好ましくは0.1〜40mmol/Lにあるように、重合開始剤を用い、添加剤は通常、0.01〜2000mmol/Lであり、好ましくは0.1〜500mmol/Lにあるように用いる。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる、遷移金属化合物によるラジカルリビング重合法のうちで、重合開始系を構成する成分(A)の金属錯体及び成分(B)の有機ハロゲン化合物の重合反応系内における濃度は、本発明の効果が奏されるかぎりは特に限定されないが、成分(A)の金属錯体の濃度が好ましくは0.01〜100mmol/L、より好ましくは0.1〜40mmol/Lであり、また成分(B)の有機ハロゲン化合物の濃度が好ましくは0.1〜100mmol/L、より好ましくは0.5〜60mmol/Lである。また、本発明の効果が維持される場合においてのみ、添加剤成分としてルイス酸またはアミン化合物を適宜濃度を調整して使用できるが、好ましくは0.5〜1000mmol/L、より好ましくは1〜60mmol/Lである。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において重合温度は、通常−30〜300℃の範囲に渡って実施することができるが、好ましくは0〜280℃の範囲であり、より好ましくは20〜250℃である。
また、重合圧力としては、オレフィンとしてエチレンを用いる場合においては、さらに好ましくは4〜10MPaである。重合時間は、一般的に、目的とする共重合体の種類、反応装置によって適宜決定されるが、例えば15秒〜40時間の範囲を採りうる。
本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法において用いることのできる重合プロセスは、連続式でもバッチ式でもいずれも採用し得る。また、例えば、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合、溶媒重合または無溶媒による液相重合または気相重合も採用し得る。
また、本発明の極性モノマー−オレフィン共重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を重合時に添加することもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、下記の条件で測定した。また、検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
測定機 ミリポアウオーターズ社製 150CV型
カラム Shodex M/S 80
測定温度 145℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、
サンプル濃度 5mg/8ml
(2)示差走査熱量(DSC)測定
Perkin−Elmer社製DSC−VIIを用いて、以下の条件で測定した。
昇温:20℃から200℃(20℃/分) 10分保持
冷却:200℃から−100℃(20℃/分) 10分保持
測定:−100℃から300℃(20℃/分で昇温)
(3)13C核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定
JEOL社製Exculiber/270MHzを用い、クロロホルム−d溶媒中で20〜45℃の温度範囲内で測定した。
[実施例1]
充分に乾燥させた400mLのステンレス製オートクレーブ内を窒素置換した後、常温常圧下において、極性モノマーとして東京化成工業社製アクリル酸メチル(以下、MAと称す。)9mL、重合溶媒として精製したトルエン90mLをそれぞれシリンジを用いて仕込み、続いて、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)657mgを投入したのち、オレフィンとしてエチレン(以下、Eと称す。)を4.6MPaまで加圧し、60℃に加熱した。昇温に伴い反応容器の圧力は上昇し、最終的に7.4MPaまで上昇した。60℃に達した時点を起点とし、30分重合を行った。反応終了後、未反応エチレンをパージし、オートクレーブ内容物を減圧下溶媒溜去し、常温下で約3時間乾燥を行った。その結果、重合体1.40gが得られた。
得られた重合体を分析した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量Mw=25800、Mn=8800、Mw/Mn=2.9、ガラス転移点は−19.8℃であり、かつ該重合体は、単峰性の分子量分布および単一ガラス転移点であった。得られた重合体の13C−NMR測定結果より得られた、(a)MA−MA−MA連鎖構造(41.4ppm付近、エステル基付け根のメチン炭素)、(b)E−MA−MA連鎖構造およびMA−MA−E連鎖構造(43.2ppm付近、エステル基付け根のメチン)、(c)E−MA−E連鎖構造(45.2ppm、エステル基付け根のメチン炭素、32.5ppm付近、エステル基付け根のメチンに隣接するメチレン炭素)、(d)MA−E−E連鎖構造およびE−E−MA連鎖構造(29.3および27.0ppm付近、メチレン炭素)、(e)E−E−E連鎖構造(32.2ppm付近、メチレン炭素)における各炭素シグナルのピーク面積値(ただし、(e)については他のシグナルと重なったため積算不能であった。)から、各ピークに含まれる炭素原子数が等しくなるよう換算した値a、b、c、d、eは、それぞれ300.00、483.21、215.72、190.29、0.00であった。これらより、得られた重合体は、エチレン由来のモノマー単位の含有量が36mol%であり、2以上の連鎖を構成する構造をなすエチレン由来のモノマー単位の含有量が12mol%である、エチレン−アクリル酸メチル共重合体であった。なお、13C−NMR測定結果においてエステル基以外の、エチル基およびブチル基等の主鎖からの短鎖分岐に由来するシグナルは確認されなかった。
[実施例2]
充分に乾燥させた400mLのステンレス製オートクレーブ内を窒素置換した後、常温常圧下において、極性モノマーとしてアクリル酸メチル(東京化成工業社製)18mL、重合溶媒として精製したトルエン180mLをそれぞれシリンジを用いて仕込み、続いて、60℃に加熱した後で、オレフィンとしてエチレンを5.0MPaまで加圧し、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.31gを投入した。2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを投入した時点を起点とし、4時間重合を行った。反応終了後、未反応エチレンをパージし、オートクレーブ内容物を減圧下溶媒溜去し、常温下で約4時間乾燥を行った。その結果、重合体67.1gが得られた。得られた重合体を分析した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量Mw=5400、Mn=2400、Mw/Mn=2.3、ガラス転移点は−23.5℃であり、かつ該重合体は、単峰性の分子量分布および単一ガラス転移点であった。実施例1と同様に13C−NMR解析を実施した結果、値a、b、c、d、eは、それぞれ497.66、414.27、88.01、91.31、0.00であり、得られた重合体は、エチレン由来のモノマー単位の含有量が25mol%であり、2以上の連鎖を構成する構造をなすエチレン由来のモノマー単位の含有量が6.8mol%である、エチレン−アクリル酸メチル共重合体であった。なお、13C−NMR測定結果においてエステル基以外の、エチル基およびブチル基等の主鎖からの短鎖分岐に由来するシグナルは確認されなかった。
[実施例3]
充分に乾燥させた400mLのステンレス製オートクレーブ内を窒素置換した後、常温常圧下において、極性モノマーとしてアクリル酸メチル(東京化成工業社製)9mL、重合溶媒として精製したトルエン90mLをそれぞれシリンジを用いて仕込み、続いて、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)657mgを投入したのち、オレフィンとしてエチレンを4.7MPaまで加圧し、60℃に加熱した。昇温に伴い反応容器の圧力は上昇し、最終的に8.0MPaまで上昇した。60℃に達した時点を起点とし、1時間重合を行った。反応終了後、未反応エチレンをパージし、オートクレーブ内容物を減圧下溶媒溜去し、常温下で約3時間乾燥を行った。その結果、重合体2.05gが得られた。得られた重合体を分析した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量Mw=14400、Mn=7500、Mw/Mn=1.9、ガラス転移点は−19.7℃であり、かつ該重合体は、単峰性の分子量分布および単一ガラス転移点であった。実施例1と同様に13C−NMR解析を実施した結果、値a、b、c、d、eは、それぞれ287.61、486.25、176.02、191.24、0.00であり、得られた重合体は、エチレン由来のモノマー単位の含有量が34mol%であり、2以上の連鎖を構成する構造をなすエチレン由来のモノマー単位の含有量が13mol%である、エチレン−アクリル酸メチル共重合体であった。なお、13C−NMR測定結果においてエステル基以外の、エチル基およびブチル基等の主鎖からの短鎖分岐に由来するシグナルは確認されなかった。
[実施例4]
充分に乾燥させた400mLのステンレス製オートクレーブ内を窒素置換した後、常温常圧下において、ジシクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー(アルドリッチ社製)354mg、アクリル酸メチル(東京化成工業社製)18mL、精製したトルエン80mLをそれぞれシリンジを用いて仕込み、オレフィンとしてエチレン(E)を4.6MPaまで加圧した。最後に2−ヨウ化プロピオン酸メチル(1mol/Lトルエン溶液)0.5mLを投入したのち、60℃に加熱した。10分ほどで昇温が終わったが、昇温に伴い反応容器の圧力は上昇し、最終的に7.6MPaまで上昇した。60℃に達した時点を起点とし、15分間重合を行った。反応終了後、未反応エチレンをパージし、オートクレーブ内容物を減圧下溶媒溜去し、常温下で約3時間乾燥を行った。その結果、重合体3.73gが得られた。得られた重合体を分析した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量Mw=13600、Mn=7900、Mw/Mn=1.7、ガラス転移点は−26.6℃であり、かつ該重合体は、単峰性の分子量分布および単一ガラス転移点であった。実施例1と同様に13C−NMR解析を実施した結果、値a、b、c、d、eは、それぞれ227.65、334.37、128.97、201.00、0.00であり、得られた重合体は、エチレン由来のモノマー単位の含有量が34mol%であり、2以上の連鎖を構成する構造をなすエチレン由来のモノマー単位の含有量が18mol%である、エチレン−アクリル酸メチル共重合体であった。なお、13C−NMR測定結果においてエステル基以外の、エチル基およびブチル基等の主鎖からの短鎖分岐に由来するシグナルは確認されなかった。

Claims (5)

  1. ラジカル重合方法を用いて極性モノマーおよびオレフィンを共重合させる極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法であって、
    該極性モノマーがアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、N−アルキル置換−アクリルアミド、N−アルキル置換−メタクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−アクリルアミド又はN,N−ジアルキル置換−メタクリルアミドであり、
    該オレフィンがエチレンであり、
    該共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位の含有量が25〜50モル%(ただし、該共重合体中の全モノマー単位を100モル%とする。)であり、かつ、該共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位が2以上の連鎖を構成する構造を含有する極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法
  2. 該共重合体が実質的に直鎖状である、請求項1に記載の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法
  3. 該共重合体中の2以上の連鎖を構成する構造をなすオレフィン由来のモノマー単位の含有量が4.0〜50モル%(ただし、該共重合体中の全モノマー単位を100モル%とする。)である、請求項1または2に記載の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法
  4. 前記極性モノマーがアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルである、請求項1〜3のいずれかに記載の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法
  5. アクリル酸エステルがアクリル酸アルキルエステルであり、メタクリル酸エステルがメタクリル酸アルキルエステルである、請求項1〜4のいずれかに記載の極性モノマー−オレフィン共重合体の製造方法
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