JP4742223B2 - 監視装置付き電子線照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は監視装置付き電子線照射装置に関し、特に電子線照射手段から被照射物に照射される電子線照射状況を把握し、電子線異常の際には異常原因を個別具体的に特定するのに好適な監視装置付き電子線照射装置に関する。
電子線照射装置には、被照射物に電子線がムラ無く均一に照射され、滅菌が正常に行われているか否かを確認するため監視装置が多く用いられている。従来、電子線照射の照射状況を監視するものとして、電子線が被照射物に照射される際に放出される発光を撮影し、その発光の強度分布を画像処理することで電子線照射状況を確認するものがあった(特許文献1参照)。またフィラメント切れを検知することで電子線照射状況の異常を判定するものとして、複数のフィラメントを2つのグループに分けて、両グループの電流の向きが相反するように配置し、両グループの電流値の差を変流器で計測し、電流値の均衡が破れた際にフィラメント切れと判定するものもあった(特許文献2参照)。さらには、電子線照射装置の運転中に照射窓の温度を検出する状態検出器を有し、照射窓の状態データに基づいて照射窓の寿命診断を行うと共に、照射窓の温度上昇とその分布から、電子線の照射量と照射分布を把握し、フィードバック回路で電子銃制御回路と電子線照射範囲調整用の電磁石にフィードバックを行い、照射窓が破損しない範囲で電子線照射装置を継続運転させることができるものもあった(特許文献3参照)。そのほか、画像処理装置の異常判定方法として、画像データを明部と暗部に2値化し、特定位置の輝度が複数の閾値のどの範囲にあるかで、画像処理装置の照明用の光源や撮像装置の異常原因を判定するものもあった(特許文献4参照)。
特開平8−265738 特開平11−84099 特開平8−313700 特開2005−121925
しかしながら、特許文献1では電子線照射が正常か異常かの判断は行うものの、電子線照射が異常の際に異常原因を特定することは開示されておらず、その異常が、例えばフィラメントによるものなのか、真空窓によるものなのかを区別することは開示されていない。そのため特許文献1で異常と判断した際には、電子線照射装置を停止させて、異常箇所を全て確認した上で対応しなければならず、点検作業に多くの時間がかかるという恐れがあった。
また、特許文献2では瞬時にフィラメント切れを検知することができるものの、真空窓の異常や軸ずれによる異常は検知することは開示されていない。そのため特許文献2では、真空窓の異常や軸ずれがあっても、フィラメントに異常がなければ、電子線照射の異常を検知することは困難で、電子線が被照射物に十分に照射されないまま被照射物が滅菌処理を終える恐れがあった。
特許文献3では、照射窓の温度を測定することにより温度上昇とその分布を把握して照射窓の寿命診断を行うことから、照射窓の異常を検知できるものの、照射窓以外の異常原因については考慮されておらず、フィラメント切れによる異常原因や軸ずれによる異常原因を検知するためには別途検出装置が必要となり機器が煩雑化する恐れがあった。
特許文献4では画像データを閾値処理することで異常原因を特定しているが、被撮像物を照らす光源ランプや撮像装置の異常を対象としており、電子線が被照射物に照射されることにより放出される発光輝度を観測して、閾値処理を行い、電子線照射状況の異常原因を特定するものではない。換言すると電子線照射手段のいずれの箇所に異常原因があるのかを個別具体的に特定するものではない。
そこで本発明は上記課題に鑑み、電子線照射の正常又は異常の判断のみならず、異常の際には、異常原因を具体的に特定することで、点検作業にかかる時間を短縮すると共に、記憶手段に記憶された画像の輝度を用いることで1つの装置で複数の異常原因を判定することができる監視装置付き電子線照射装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る監視装置付き電子線照射装置は、複数のフィラメントが放出する熱電子を加速することで電子線を照射処理室内の被照射物に照射する電子線照射手段と、電子線が被照射物に照射されることにより放出する発光を撮影する撮影手段と、電子線照射状況が予め記憶された記憶手段と、撮影手段により撮影された画像を処理し、記憶手段に記憶された電子線照射状況を判定する演算手段とを有している。記憶手段には、電子線照射状況に対応する画像の輝度が記憶されると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、又は真空窓劣化のうち少なくとも3つの電子線照射状況が記憶され、演算手段は撮影手段により撮影された画像を取り込んで、記憶手段に記憶された画像の輝度と比較し、画像の輝度と関連する記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込んで電子線照射状況を判定する。記憶手段に記憶される電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、「真空窓劣化」から任意の3つを選択し、決定することとなる。また、記憶手段に記憶される電子線照射状況に対応する画像の輝度には、少なくとも3つの電子線照射状況に対応する画像の輝度データや発光輝度を数値化した閾値が用いられる。演算手段では、記憶された画像を撮影手段により撮影された画像と比較し、記憶された画像の輝度データの中から一致するものを選択し、電子線照射状況を判定することとなる。画像の輝度に閾値を用いた場合には、演算手段では、撮影された画像の発光輝度の値と閾値とを比較し、閾値の上下により電子線照射状況を判定することとなる。なお、演算手段は撮影された画像を処理するに際し、撮影手段の設置される位置により、適宜補正を加えることになっている。
請求項2に係る監視装置付き電子線照射装置は、複数のフィラメントが放出する熱電子を加速することで電子線を照射処理室内の被照射物に照射する電子線照射手段と、電子線が被照射物に照射されることにより放出する発光を撮影する撮影手段と、電子線照射状況が予め記憶された記憶手段と、撮影手段により撮影された画像を処理し、記憶手段に記憶された電子線照射状況を判定する演算手段とを有している。記憶手段には、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定される第1の閾値と、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の下限値に設定され、かつ、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度よりも高い値に設定される第2の閾値と、この第2の閾値より低い値に設定され、かつ、フィラメント切れが生じた際に放出する発光輝度よりも高い値に設定され、かつ、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度の下限値に設定される第3の閾値と、が記憶されると共に、3つの閾値で区切られる領域に対応し、かつ、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、又は真空窓劣化のうち少なくとも3つの電子線照射状況が記憶される。演算手段は撮影手段により撮影された画像の発光輝度を取り込み、記憶手段に記憶された各閾値と比較し、第2の閾値以上かつ第1の閾値以下の際に、記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込み、電子線照射状況は正常と判定し、第2の閾値より低く第3の閾値以上の際に、記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込み、電子線照射状況は軸ずれと判定し、第3の閾値より低い際に、記憶手段に記憶された電子線照射状況のうち、電子線照射状況はフィラメント切れと判定する。なお、記憶手段に記憶される少なくとも3つの電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、及び「真空窓劣化」から任意の3つを選択し、決定することとなる。少なくとも3つの電子線照射状況のうちに「真空窓劣化」が含まれる場合は、撮影された画像の発光輝度が第1の閾値より高い際に、記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込み、電子線照射状況は真空窓劣化と判定する。
請求項3に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項2において、記憶手段には、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定され、かつ、真空窓劣化が生じた際に放出される発光輝度よりも低い値に設定される第1の閾値が記憶されると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、及び真空窓劣化が記憶される。演算手段は、第1の閾値より高い際に、記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込み、電子線照射状況は真空窓劣化であると判定する。なお、記憶手段に記憶される電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、及び「真空窓劣化」である。
請求項4に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項3において、電子線照射手段が複数のフィラメントに接続される定電流制御型のフィラメント電源を有すると共に、フィラメントの電圧を測定する電圧計を有する。記憶手段には、真空窓劣化を生じる際のフィラメント電圧よりも高い値に設定され、かつ、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電圧以下に設定される電圧設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶される。演算手段は、撮影手段により撮影された画像の発光輝度が第1の閾値より高い際に電圧計からフィラメント電圧を取り込み、記憶手段に記憶された電圧設定値と比較することにより、電圧設定値以上の場合にフィラメント劣化と判定する。なお、記憶手段に記憶される電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、「真空窓劣化」、及び「フィラメント劣化」である。
請求項5に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項3において、電子線照射手段が複数のフィラメントに接続される定電圧制御型のフィラメント電源を有すると共に、フィラメントの電流を測定する電流計を有する。記憶手段には、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電流以上に設定され、かつ、軸ずれを生じる際のフィラメント電流よりも低い値に設定される電圧設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶される。演算手段は、撮影手段により撮影された画像の発光輝度が第2の閾値よりも低く、第3の閾値以上の際に電流計からフィラメント電流を取り込み、記憶手段に記憶された電流設定値と比較することにより、電流設定値以下の場合にフィラメント劣化を判定する。なお、記憶手段に記憶される電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、「真空窓劣化」、及び「フィラメント劣化」である。
請求項6に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項3において、電子線照射手段が複数のフィラメントに接続される定電流制御型のフィラメント電源を有すると共に、フィラメントの電圧を測定する電圧計を有し、フィラメントの対向部にグリッド電源に接続されるグリッドを有すると共に、グリッド電源の電圧を調節することによりフィラメントが放出する熱電子量を一定に制御する制御手段を有する。記憶手段には、電子線が正常に行われる際のフィラメント電圧よりも高い値に設定され、かつ、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電圧以下に設定される電圧設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶される。演算手段は、撮影手段により撮影された画像の発光輝度が第2の閾値以上かつ第1の閾値以下の際に電圧計からフィラメント電圧を取り込み、記憶手段に記憶された電圧設定値と比較することにより、電圧設定値以上の場合にフィラメント劣化と判定する。なお、記憶手段に記憶される電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、「真空窓劣化」、及び「フィラメント劣化」である。
請求項7に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項3において、電子線照射手段が複数のフィラメントに接続される定電圧制御型のフィラメント電圧を有すると共に、フィラメントの電流を測定する電流計を有し、フィラメントの対向部にグリッド電源に接続されるグリッドを有すると共に、グリッド電源の電圧を調節することによりフィラメントが放出する熱電子量を一定に制御する制御手段を有する。記憶手段には、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電流以上の値に設定され、かつ、電子線照射が正常に行われる際のフィラメント電流より低い値に設定される電流設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶される。演算手段は、撮影手段により撮影された画像の発光輝度が第1の閾値よりも高い際に電流計からフィラメント電流を取り込み、予め記憶手段に記憶された電流設定値と比較することにより、電流設定値以下の場合にフィラメント劣化と判定する。なお、記憶手段に記憶される電子線照射状況は「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」、「真空窓劣化」、及び「フィラメント劣化」である。
請求項8に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項4又は請求項6において、記憶手段に記憶された電圧設定値は、フィラメントの電圧初期値の1.1倍に設定される。電圧設定値の設定が困難な場合に、フィラメントの電圧初期値の1.1倍に設定することで、電圧設定値の計算を容易に行うことができる。
請求項9に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項5又は請求項7において、記憶手段に記憶された電流設定値はフィラメントの電流初期値の0.9倍に設定される。電流設定値の設定が困難な場合にフィラメントの電流初期値の0.9倍に設定することで、電流設定値の計算を容易に行うことができる。
請求項10に係る監視装置付き電子線照射装置は、請求項1〜9のいずれかにおいて、演算手段は撮影された画像を複数のセグメントに分割し、セグメント毎の発光輝度を記憶手段に記憶された閾値と比較する。
本発明によれば、電子線照射装置の電子線照射状況の正常、異常を判定するのみならず、異常の際には、少なくとも2つの異常原因を判定することで、異常原因を個別具体的に把握することができる。異常原因を具体的に把握することにより、電子線照射手段の異常箇所を認識でき、運転を停止させる時間を短縮すると共に、点検作業にかかる時間を短縮することができる。
また、本発明によれば、異常の際には少なくとも2つの異常原因を判定することから、異常原因毎に監視装置を設ける必要はなく、1つの監視装置で複数の異常原因を判定することができる。これにより監視装置を簡素化でき、汎用性のある監視装置付き電子線照射装置とすることができる。
さらに、本発明によれば、記憶手段に記憶された画像の輝度に閾値を用いることで、撮影された画像の発光輝度の値と閾値とを比較し、閾値で区切られる領域により電子線照射状況を判定でき、演算手段の処理を迅速に行うことができる。
以下、本発明の監視装置付き電子線照射装置を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、被照射物を連続搬送するラインの一部を示しており、外部と遮断した搬送路9の上方に電子線照射手段4を配置し、搬送されてくる被照射物に電子線照射手段4から電子線を照射し、被照射物を滅菌処理するものである。図1では被照射物の例として、食品用の包装に用いられるプラスチックフィルム材1で説明する。プラスチックフィルム材1は、プラスチックフィルム材1を挟み込むように複数設けられたローラ2により図1上の右側から左側にかけて搬送される。その際にプラスチックフィルム材1は滅菌処理のため、ステンレス鋼材等の金属からなる中空箱状の搬送路9を通過する。搬送路9は電子線照射手段4を有すると共に、電子線がプラスチックフィルム材1に照射される照射処理室5とその前後に設けられた減圧室3で構成される。減圧室3には排気ポンプPの減圧手段を接続し、照射処理室5内を大気圧以下の一定の減圧状態としている。これにより電子線照射の滅菌効率を向上させると共に、低い加速電圧の電子線発生装置が使用可能となる。また、搬送路9の搬入側及び搬出側のローラ2には、照射処理室5内が減圧状態を維持できるよう隔壁10にて包囲されている。
搬送路9には電子線がプラスチックフィルム材1に照射される様子が観察することができる位置に観測窓7を設ける。図1では観測窓7は、照射処理室5内にステンレス鋼材等の金属に固定され、観測窓7の内部は撮影手段6が収納される空間が確保されている。なお、撮影手段6を収納するため観測窓7とステンレス鋼材等の金属で包囲された空間の上方は取り外し可能となっている。
撮影手段6には輝度センサを有するCCDカメラを用いる。このCCDカメラには画像処理を行うための記憶手段と演算手段を有していることが好ましい。記憶手段と演算手段を備えていないCCDカメラを使用する場合には、別途、記憶手段と演算手段を有するパソコン(図示せず)に接続することも可能である。また、CCDカメラは演算手段で判定された結果を表示する表示手段8に接続される。表示手段8にはパソコンのディスプレイや電光掲示板、更には電源ユニットを制御する制御盤などの表示部分が用いられる。表示手段8には異常原因を表示する際にアラーム音が出るように設定されることが好ましい。
図2は図1のA−A線断面であり、照射処理室5内でプラスチックフィルム材1に電子線照射手段4から電子線が照射されている様子を表している。中空箱状の搬送路9内はプラスチックフィルム材1が搬送される空間を除いて、閉じられた空間となっており、暗室となっている。かかる照射処理室5内で電子線がプラスチックフィルム材1に照射されると、照射面において電子線のエネルギーによって決定される波長と強度を持った発光が生じる。この発光の輝度を撮影手段6で観測することにより、電子線照射状況を判定する。
図3は電子線照射手段4の詳細を表す図面である。電子線照射手段4は、真空排気用のロータリーポンプRPとターボ分子ポンプTMP等を用いて高真空状態にする電子線発生室11内に、電子線を発生させるカソード13と、カソード13で発生した電子線を真空空間で加速するアノード15とを有する。カソード13は、熱電子を放出するフィラメント12と、フィラメント12で発生した熱電子をコントロールするグリッド14とを有する。フィラメント12には例えば、20〜30本のフィラメントを所定の間隔をおいて一直線上に配置し、5本のフィラメントの組を5組つくり、それぞれの組は5本のフィラメントを直列に接続するようにする。このようにフィラメントを配置することで1本のフィラメント切れが生じた際でも、残り4本のフィラメントに電流が流れなくなり、フィラメント切れを生じた組からは熱電子を取り出すことができず、その個所に対応するプラスチックフィルム1上では発光が観測されず、発光輝度の相違を容易に発見することができる。
また、フィラメント12はケーブル17を介してフィラメント電源18bに接続される。フィラメント電源18bはフィラメント12を加熱して熱電子を発生させる。フィラメント12とグリッド14との間には、電圧を印加し、熱電子を制御するためのグリッド電源18cがケーブル17を介して接続される。そしてグリッド14と真空窓16との間には、加速電圧を印加する高電圧直流電源18aがケーブル17を介して接続される。フィラメント電源18bからの交流電流を通じて、フィラメント12は加熱され、熱電子を放出し、グリッド14を通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして電子線は高電圧直流からの加速電圧により加速され、真空窓16を突き抜け、被照射物に電子線が照射される。
図4は記憶手段21に記憶された画像の輝度に閾値を用いた例を表し、撮影手段6で撮影された画像から電子線照射状況を判定するまでをブロック図で表したものである。図4では少なくとも3つの電子線照射状況に「正常」、「軸ずれ」、「フィラメント切れ」を選択した例で説明する。なお、記憶手段21に記憶された画像の輝度としては、閾値のほか少なくとも3つの電子線照射状況に対応した画像の輝度データを予め記憶手段21に記憶しておき、撮影手段6で撮影された画像と記憶手段21に記憶した画像の輝度データを比較することで電子線照射状況を判定するようにしてもよい。このような場合、記憶手段21には多くの画像の輝度データが必要となるため、演算手段20の処理速度を考慮すると、閾値を用いることが好ましい。
撮影手段6では、電子線が被照射物に照射されることにより放出される発光を撮影し、撮影手段6が有するメモリ(図示せず)に一時的に記憶する。そしてメモリに記憶された画像は演算手段20に運ばれて、発光輝度Kが取り込まれる。発光輝度Kが取り込まれ、演算手段20では記憶手段21に予め記憶された所定の閾値S、S、Sが読み込まれる。演算手段20は、この読み込まれた閾値S、S、Sと発光輝度Kとを比較し、発光輝度KがS、S、Sで区切られる領域のいずれに属するかにより、記憶手段21に記憶された少なくとも3つの電子線照射状況のいずれであるかを判定する。
ここで第1の閾値Sは、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定される。この上限値は予め電子線照射が正常に行われている際の発光輝度の値を一定期間、記録しておき、その記録された発光輝度の値のうち最大値に設定される。
第2の閾値Sは、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の下限値に設定され、かつ、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度よりも高い値に設定される。この下限値も、上限値を決めるのと同様に、電子線照射が正常に行われている際の発光輝度の値を一定期間、記録しておき、その記録された発光輝度の値のうち最小値に設定される。また、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度よりも高い値は、予め軸ずれを生じている状態で電子線が照射されている際に放出する発光輝度の値を一定期間、記録しておき、その記録された発光輝度の値のうち最大値よりも高い値に設定される。下限値と軸ずれの値は一致していることが好ましいが、仮に一致していない場合には、下限値を優先して設定することが好ましい。
第3の閾値Sは、第2の閾値Sより低い値に設定され、かつ、フィラメント切れが生じた際に放出する発光輝度よりも高い輝度に設定され、かつ、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度の下限値に設定される。フィラメント切れが生じた際に放出する発光輝度よりも高い輝度は、予め複数のフィラメントのうち1つがフィラメント切れを生じている状態で電子線が照射されている際に放出する発光輝度の値を一定期間、記録しておき、その記録された発光輝度の値のうち、最大値よりも高い値に設定される。また、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度の下限値は、予め軸ずれを生じている状態で電子線が照射されている際に放出する発光輝度の値を一定期間、記録しておき、その記録された発光輝度の値のうち最小値に設定される。フィラメント切れの値と軸ずれの値は一致していることが好ましいが、仮に一致していない場合には、フィラメント切れの値を優先して設定することが好ましい。
また電子線照射状況には、電子線照射状況が正常に行われている際の「正常」と、電子線照射状況が異常を生じている際の「軸ずれ」、「フィラメント切れ」がある。「正常」とは、被照射物に電子線が所定量均一に照射されている状態を意味する。「軸ずれ」とは、図2のアノード15とグリッド14との穴がずれた状態を意味し、このようなずれを生じた状態で電子線照射が行われると、熱電子が上手く真空窓16を突き抜けることなく、被照射物に十分な電子線が照射されないこととなり、照射漏れの原因となりうる。「フィラメント切れ」とは、複数のフィラメント12のうち1つでもフィラメントが切れ、電流を流さなくなった状態を意味する。かかる状態で電子線照射が行われると、フィラメント切れを生じた箇所のみ電子線が被照射物に照射されず、照射漏れを生じる。
演算手段20で判定された電子線照射状況の結果は表示手段8に運ばれ出力可能となる。
図5は演算手段20の具体的処理を表したフローチャート図である。演算手段20ではまず撮影手段6により撮影された画像から発光輝度Kを取り込む(S1)。発光輝度Kを取り込んだ後、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された第1の閾値Sを取り込み、撮影された画像の発光輝度Kと比較する(S2)。比較の際には、発光輝度Kが第1の閾値S以下か否かを比較する(S3)。発光輝度Kが第1の閾値S以下であれば、演算手段20は続いて、記憶手段21から第2の閾値Sを取り込み、第2の閾値Sと発光輝度Kとを比較する(S4)。比較の際には、発光輝度Kが第2の閾値S以上か否かを比較する(S5)。 一方、発光輝度Kが第1の閾値Sより高ければ、本実施例では演算手段20は特段判定を行うことなく処理を終了する。なお、かかる場合、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定される閾値Sより、発光輝度Kが高いので、何らかの異常があるものとして、異常を判定するようにしてもよい。少なくとも3つの電子線照射状況のうちに「真空窓劣化」が含まれる場合は、発光輝度Kが閾値Sより高い際に真空窓劣化と判定する。S5の処理において、発光輝度Kが第2の閾値S以上の際には、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された少なくとも3つの電子線照射状況から「正常」を読み込み、電子線照射状況は正常と判定する。一方、発光輝度Kが第2の閾値Sより低い際には、演算手段20は、記憶手段21から第3の閾値Sを取り込み、第3の閾値Sと発光輝度Kとを比較する(S6)。比較の際には、発光輝度Kが第3の閾値S以上か否かを比較する(S7)。発光輝度Kが第3の閾値S以上の際には、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された少なくとも3つの電子線照射状況から「軸ずれ」を読み込み、電子線照射状況は軸ずれと判定する。一方、発光輝度Kが第3の閾値Sより低い際には、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された少なくとも3つの電子線照射状況から「フィラメント切れ」を読み込み、電子線照射状況はフィラメント切れと判定する。
実施例2は実施例1と比較して、電子線照射状況に真空窓劣化を加えた例である。図6のブロック図を参照して説明する。なお図4と同一部分には同一符号を用い、図4と重複する箇所については説明を省略する。
実施例2では、真空窓劣化を判定するべく、記憶手段21に記憶された第1の閾値は、電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定され、かつ、真空窓劣化が生じた際に放出される発光輝度よりも低い値に設定される。この真空窓劣化が生じた際に放出される発光輝度よりも低い値は、予め真空窓劣化を生じている状態で、電子線が照射されている際に放出する発光輝度の値を一定期間、記録しておき、その記録された発光輝度の最小値よりも低い値に設定される。この値と正常時の発光輝度の上限値は一致していることが好ましいが、仮に一致していない場合には正常時の発光輝度の上限値を優先して設定することが好ましい。また記憶手段21には、真空窓劣化という4番目の電子線照射状況が記憶される。「真空窓劣化」とは、経年の使用により、グラファイトシート等からなる真空窓が消耗し、厚さが減少し、電子線照射手段4から必要以上の電子線が被照射物に照射されている状態を意味する。このような場合、被照射物には過剰な量の電子線が照射され、被照射物の劣化、オゾンの発生による異臭の原因となりかねない。また、過剰な量の電子線が照射されることから発光輝度は正常時と比較し、明るくなる。そこで実施例2では、このような発光輝度の明るさを捉え、真空窓劣化を判定する。
真空窓劣化を判定するに際し、演算手段20では、撮影手段6で撮影された撮影画像の発光輝度Kを取り込み、第1の閾値Sと比較し、発光輝度Kがこの第1の閾値Sより高い際に、記憶手段21に記憶された真空窓劣化の電子線照射状況を読み込み、電子線照射状況は真空窓劣化と判定する。そして判定結果は表示手段8に運ばれ出力可能となる。
続いて、演算手段20の具体的処理を表した図7のフローチャート図を用いて説明する。なお、図5と同一部分には同一符号を用い、図5と重複する箇所については説明を省略する。
図7では、S3の過程において、発光輝度Kが第1の閾値よりも高い際に、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「真空窓劣化」を読み込み、電子線照射状況は真空窓劣化と判定する。このほかの処理は実施例1と同様である。
実施例3は、フィラメント電源18bに定電流制御型のフィラメント電源を用いた例で、実施例2と比較して電子線照射状況にフィラメント劣化が加わっている。図8のブロック図を参照して説明する。なお、図4又は図6と同一部分には同一符号を用い、図4又は図6と重複する箇所については説明を省略する。
図8では、記憶手段21に電圧設定値Vと5つ目の電子線照射状況であるフィラメント劣化が記憶される。電圧設定値Vは真空窓劣化を生じる際のフィラメント電圧よりも高い値に設定され、かつ、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電圧以下に設定される。電圧設定値Vを設定するに際し、真空窓劣化時のフィラメント電圧とフィラメント劣化時のフィラメント電圧を把握しておくことが好ましい。また、電圧設定値Vは、フィラメントの電圧初期値の1.1倍に設定することも可能である。ここで、「フィラメント劣化」とは、経年の使用により、フィラメントが劣化し、フィラメントの抵抗が大きくなった状態を意味する。本実施例の場合、定電流制御型のフィラメント電源を用いていることから、フィラメントの抵抗が大きくなっても、フィラメント電流は常に一定に保たれ、抵抗が大きくなった分、フィラメント電圧も大きくなる。その結果、フィラメント劣化が生じた状態で電子線照射が行われると、フィラメント電圧が大きくなり、被照射物には過剰な量の電子線照射が行われ、被照射物の劣化、オゾンの発生による異臭の原因となりかねない。そこでかかるフィラメント劣化を判定すべく、フィラメントとフィラメント電源の間には電圧計22が設置される。この電圧計22はフィラメントのフィラメント電圧Vを測定しており、複数のフィラメントにおけるフィラメント電圧Vの合計値を測定するようにすることが好ましい。なお、電圧計22が複数のフィラメントにおけるフィラメント電圧Vの合計値を測定する場合、記憶手段21に記憶される電圧設定値Vも複数のフィラメントの合計値を考慮した値に設定される。電圧計22で測定されたフィラメント電圧Vは所定の場合、演算手段20に取り込まれる。
演算手段20では、フィラメント劣化を判定するに際し、撮影手段6で撮影された撮影画像の発光輝度Kを取り込み、第1の閾値Sと比較し、発光輝度Kがこの第1の閾値Sより高いと判断した場合に、電圧計22からフィラメント電圧Vを取り込み、このフィラメント電圧Vと記憶手段21に記憶された電圧設定値Vとを比較する。その結果、フィラメント電圧Vが電圧設定値Vよりも小さい場合、演算手段20は記憶手段21に記憶された真空窓劣化を読み込み、電子線照射状況は真空窓劣化と判定する。一方、フィラメント電圧Vが電圧設定値V以上である場合、演算手段20は記憶手段21に記憶されたフィラメント劣化を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。そして判定結果は表示手段8に運ばれ出力可能となる。
続いて、演算手段20の具体的処理を表した図9のフローチャート図を用いて説明する。なお、図5又は図7と同一部分には同一符号を用い、図5又は図7と重複する箇所については説明を省略する。
演算手段20では、S3の過程において発光輝度Kが第1の閾値S以下でないと判断した場合、電圧計22からフィラメント電圧Vを取り込む(S8)。そして、演算手段20はこのフィラメント電圧Vが記憶手段21に記憶された電圧設定値V以上か否かを判断する(S9)。フィラメント電圧Vが電圧設定値V以上であれば、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「フィラメント劣化」を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電圧Vが電圧設定値V以上でない場合、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「真空窓劣化」を読み込み、電子線照射状況は真空窓劣化と判定する。
実施例4は、フィラメント電源18bに定電圧制御型のフィラメント電源を用いた例で、実施例3と同様、電子線照射状況にフィラメント劣化が加わっている。図10のブロック図を参照して説明する。なお、図4、図6、又は図8と同一部分には同一符号を用い、図4、図6又は図8と重複する箇所については説明を省略する。
図8では記憶手段21に電流設定値Iと5つ目の電子線照射状況であるフィラメント劣化が記憶される。電流設定値Iは、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電流以上に設定され、かつ、軸ずれを生じる際のフィラメント電流よりも低い値に設定される。電流設定値Iを設定するに際し、フィラメント劣化時のフィラメント電流と軸ずれ時のフィラメント電流を把握しておくことが好ましい。また、電流設定値Iはフィラメントの電流初期値の0.9倍に設定することも可能である。
本実施の場合、定電圧制御型のフィラメント電源を用いていることから、フィラメントが経年の使用で劣化した場合、フィラメントの抵抗は大きくなっても、フィラメント電圧は常に一定に保たれ、抵抗が大きくなった分、フィラメント電流は小さくなる。その結果熱電子の量は減少し、フィラメント劣化が生じた状態で電子線照射が行われると、被照射物に十分な量の電子線が照射されず、照射漏れの原因となりうる。また、被照射物には十分な量の電子線が照射されないことから、発光量も「正常」の際の発光量と比較し、減少する。
フィラメントとフィラメント電源の間には電流計23が設置され、電流計23はフィラメントのフィラメント電流Iを測定する。フィラメントは複数用いられることから、電流計23で複数のフィラメントにおけるフィラメント電流Iの合計値を測定するようにすることが好ましい。なお、かかる場合、記憶手段21に記憶される電流設定値Iも複数のフィラメントの合計値を考慮した値に設定される。電流計23で測定されたフィラメント電流Iは、所定の場合に演算手段20に取り込まれる。
演算手段20では、フィラメント劣化を判定するに際し、撮影手段6で撮影された撮影画像の発光輝度Kを取り込み、第2の閾値S及び第3の閾値Sと比較し、発光輝度Kが第3の閾値S以上で、かつ第2の閾値Sより小さい場合に電流計23からフィラメント電流Iを取り込み、このフィラメント電流Iと記憶手段21に記憶された電流設定値Iとを比較する。その結果、フィラメント電流Iが電流設定値I以下の場合、演算手段20は記憶手段21に記憶されたフィラメント劣化を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電流Iが電流設定値Iより大きい場合、演算手段20は記憶手段21に記憶された軸ずれを読み込み、電子線照射手段は軸ずれと判定する。そして判定結果は表示手段8に運ばれ出力可能となる。
続いて、演算手段20の具体的処理を表した図11のフローチャート図を用いて説明する。なお、図5、図7又は図9と同一部分には同一符号を用い、図5、図7又は図9と重複する箇所については説明を省略する。
演算手段20では、S7の過程において発光輝度Kが第3の閾値S以上であると判断した場合、電流計23からフィラメント電流Iを取り込む(S10)。そして、演算手段20はこのフィラメント電流Iが記憶手段21に記憶された電流設定値I以下か否かを判断する(S11)。フィラメント電流Iが電流設定値I以下であれば、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「フィラメント劣化」を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電流Iが電流設定値I以下でない場合、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「軸ずれ」を読み込み、電子線照射状況は軸ずれと判定する。
実施例5は、実施例3の例にグリッド電圧を調整し、フィラメントが放出する熱電子量を一定に制御するフィードバック制御手段(図示せず)を有する例である。かかる制御手段により、熱電子量が正常の範囲を超えた場合でも、グリッド電圧の調節により、引き続き正常の範囲で電子線照射を行うことができる。この制御手段を用いた例を図12のブロック図を参照して説明する。なお、図4、図6、図8、図10と同一部分には同一符号を用い、これらと重複する箇所については説明を省略する。
図12では、記憶手段21にフィラメント劣化が記憶されると共に、電圧設定値Vが記憶される。電圧設定値Vは電子線照射が正常に行われる際のフィラメント電圧により高い値に設定され、かつ、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電圧以下に設定される。電圧設定値Vを設定するに際し、正常時のフィラメント電圧とフィラメント劣化時のフィラメント電圧を把握しておくことが好ましい。また、電圧設定値Vはフィラメントの電圧初期値の1.1倍に設定することも可能である。
本実施例の場合、実施例3と同様に、定電流制御型のフィラメント電源を用いていることから、フィラメントが経年の使用により劣化した場合、フィラメントの抵抗が大きくなると共に、フィラメント電圧も増加し、過剰な電子線照射が行われることになる。また本実施では、制御手段を有していることから、多少フィラメント劣化が生じた場合でも、制御手段によりグリッド電圧を調節し、正常時の電子線照射と変わらない状態とすることができる。フィラメント劣化が進み制御手段では調節できない範囲となった場合、演算手段20は電圧設定値Vと比較し、フィラメント劣化と判定することとなる。
演算手段20では、フィラメント劣化を判定するに際し、撮影手段6で撮影された撮影画像の発光輝度Kを取り込み、第1の閾値S及び第2の閾値Sと比較し、発光輝度Kが第2の閾値S以上で、かつ、第1の閾値S以下である場合に、電圧計22からフィラメント電圧Vを取り込み、このフィラメント電圧Vと記憶手段21に記憶された電圧設定値Vとを比較する。その結果、フィラメント電圧Vが電圧設定値V以上の場合、演算手段20は記憶手段21に記憶されたフィラメント劣化を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電圧Vが電圧設定値Vより小さい場合、演算手段20は記憶手段21に記憶された正常を読み込み、電子線照射状況は正常と判定する。そして判定結果は表示手段8に運ばれ出力可能となる。
続いて、演算手段20の具体的処理を表した図13のフローチャート図を用いて説明する。なお、図5、図7、図9、図11と同一部分には同一符号を用い、これらと重複する箇所については説明を省略する。
演算手段20では、S5の過程において発光輝度Kが第2の閾値S以上であると判断した場合、電圧計22からフィラメント電圧Vを取り込む(S12)。そして、演算手段20はこのフィラメント電圧Vが記憶手段21に記憶された電圧設定値V以上か否かを判断する(S13)。フィラメント電圧Vが電圧設定値V以上であれば、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「フィラメント劣化」を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電圧Vが電圧設定値V以上でない場合、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「正常」と読み込み、電子線照射状況は正常と判定する。
実施例6は、実施例4の例に、実施例5と同様のグリッド電圧を調節し、フィラメントが放出する熱電子量を一定に制御するフィードバック制御手段(図示せず)を有する例である。かかる制御手段により、熱電子量が正常の範囲を超えた場合でもグリッド電圧の調節により、引き続き正常の範囲で電子線照射を行うことができる。定電圧制御型のフィラメント電源を用い、制御手段を用いる例について、図14のブロック図を参照して説明する。なお、図4、図6、図8、図10、図12と同一部分には同一符号を用い、これらと重複する箇所については説明を省略する。
図14では記憶手段21にフィラメント劣化が記憶されると共に、電流設定値Iが記憶される。電流設定値Iはフィラメント劣化を生じる際のフィラメント電流以上の値に設定され、かつ、電子線照射が正常に行われる際のフィラメント電流より低い値に設定される。電流設定値Iを設定するに際し、フィラメント劣化時のフィラメント電流と正常時のフィラメント電流を把握しておくことが好ましい。また電流設定値Iはフィラメントの電流初期値の0.9倍に設定することも可能である。
本実施例の場合、定電圧制御型のフィラメント電源を用いていることから、フィラメントが経年の使用により劣化した場合、フィラメントの抵抗が大きくなると共に、フィラメント電流は減少し、十分な電子線照射が行われなくなる。また本実施例では、制御手段を有していることから、多少フィラメント劣化が生じた場合でも、制御手段によりグリッド電圧を調節し、正常時の電子線照射と変わらない状態とすることができる。フィラメント劣化が進み、制御手段では調節できない範囲となった場合、演算手段20は電流設定値Iと比較し、フィラメント劣化を判定する。この際、制御手段によるグリッド電圧の調節は最大限のものとなっているものの、フィラメント劣化により、取り出せる熱電子の量は減少し、発光輝度は正常時と比較し暗くなる。
演算手段20では、フィラメント劣化を判定するに際し、撮影手段6で撮影された撮影画像の発光輝度Kを取り込み、第1の閾値S及び第2の閾値Sと比較し、発光輝度Kが第2の閾値S以上でかつ第1の閾値S以下である場合に電流計23からフィラメント電流Iを取り込み、このフィラメント電流Iと記憶手段21に記憶された電流設定値Iとを比較する。その結果、フィラメント電流Iが電流設定値I以下の場合、演算手段20は記憶手段21に記憶されたフィラメント劣化を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電流Iが電流設定値Iより大きい場合、演算手段20は記憶手段21に記憶された正常を読み込み、電子線照射状況は正常と判定する。そして判定結果は表示手段8に運ばれ出力可能となる。
続いて、演算手段20の具体的処理を表した図15のフローチャート図を用いて説明する。なお、図5、図7、図9、図11、図13と同一部分には同一符号を用い、これらと重複する箇所については説明を省略する。
演算手段20では、S5の過程において、発光輝度Kが第2の閾値S以上であると判断した場合、電流計23からフィラメント電流Iを取り込む(S14)。そして、演算手段20はこのフィラメント電流Iが記憶手段21に記憶された電流設定値I以下か否かを判定する(S15)。フィラメント電流Iが電流設定値I以下であれば、演算手段20は記憶手段21に予め記憶された電子線照射状況から「フィラメント劣化」を読み込み、電子線照射状況はフィラメント劣化と判定する。一方、フィラメント電流Iが電流設定値I以下でない場合、演算手段20は記憶手段21で予め記憶された電子線照射状況から「正常」を読み込み、電子線照射状況は正常と判定する。
実施例7は、演算手段20が撮影手段6により撮影された画像を複数のセグメントに分割し、セグメント毎の発光輝度を取り込む例である。図16は撮影手段6により撮影されたプラスチックフィルム材1の平面図を表し、演算手段20により12のセグメントに分割されている。プラスチックフィルム材1は図16中の矢印の方向に搬送され、セグメント毎に分割されたプラスチックフィルム材1の上部には電子線照射手段4(図示せず)を有している。演算手段20は、このようにセグメントに分割された箇所の発光輝度Kを取り込み、記憶手段21に記憶された各閾値と比較することで、セグメント毎の発光輝度Kを把握することができ、電子線照射状況が異常時の異常箇所を、セグメントの位置に対応させて、より詳細に把握することができる。図16中の黒い箇所は、フィラメント切れを生じた際の発光輝度Kを表し、セグメントの上部に設置されたフィラメントが切れていることを意味する。なお、本実施では12のセグメントに分割された例を説明したが、セグメントの数はプラスチックフィルム材1の幅、搬送速度により適宜変更可能である。
実施例8は、撮影手段6の配置を示した例である。図17から図19を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を用い、これらと重複する箇所については説明を省略する。
図17では、図1において照射処理室5内に設置されていた撮影手段6を収納する観測窓7とステンレス鋼材等の金属で包囲された空間が照射処理室5外である紙面手前方向に設置されている。
図18は図17のB−B線断面であり、照射処理室5内でプラスチックフィルム材1に電子線照射手段4から電子線が照射されている様子を表している。図18において、撮影手段6を収納する空間は中空箱状の搬送路9の側面に平行して設置される。図1において、撮影手段6は観測窓7越しにプラスチックフィルム材1の搬送方向に対向する位置から発光を撮影していたのに対し、図18において、撮影手段6は観測窓7越しにプラスチックフィルム材1の搬送方向に直角する側面から発光を撮影する。かかる位置に撮影手段6を収納する空間を設置することで、減圧下である照射処理室5内に撮影手段6を収納する空間を設けるのに比べ、観測窓7の気密を考慮するだけでよく、撮影手段6を収納する空間の取り付けが容易となる。なお、撮影手段6はプラスチックフィルム材1の幅方向全体が撮影できるよう、プラスチックフィルム材1の斜め上方に配置することが好ましい。プラスチックフィルム材1の幅が広い場合、奥行き方向の撮影が困難となるため、かかる場合、図19に示すミラー24を設けることがより好ましい。ミラー24を用いた場合、撮影手段6は観測窓7越しにミラー24にレンズを向け、ミラー24で反射した発光を撮影することとなる。その際ミラー24はプラスチックフィルム材1の発光が捉えられるよう、斜めに傾けた状態で設置する。
本発明の実施例1を示す監視装置付き電子線照射装置の横断面概略図である。 図1をA−A線で断面した際の縦断面図である。 本発明の実施例1から実施例8を示す監視装置付き電子線照射装置における電子線照射手段の概略図である。 本発明の実施例1を示す監視装置付き電子線照射装置の監視装置を表すブロック図である。 図4の演算手段で行われる具体的処理を表すフローチャート図である。 本発明の実施例2を示す監視装置付き電子線照射装置の監視装置を表すブロック図である。 図6の演算手段で行われる具体的処理を表すフローチャート図である。 本発明の実施例3を示す監視装置付き電子線照射装置の監視装置を表すブロック図である。 図8の演算手段で行われる具体的処理を表すフローチャート図である。 本発明の実施例4を示す監視装置付き電子線照射装置の監視装置を表すブロック図である。 図10の演算手段で行われる具体的処理を表すフローチャート図である。 本発明の実施例5を示す監視装置付き電子線照射装置の監視装置を表すブロック図である。 図12の演算手段で行われる具体的処理を表すフローチャート図である。 本発明の実施例6を示す監視装置付き電子線照射装置の監視装置を表すブロック図である。 図14の演算手段で行われる具体的処理を表すフローチャート図である。 本発明の実施例7を示す監視装置付き電子線照射装置の撮影手段により撮影された画像を演算手段が捉えた際の平面図である。 本発明の実施例8を示す監視装置付き電子線照射装置の横断面概略図である。 図17をB−B線で断面した際の縦断面図である。 本発明の実施例8における他の実施例であり、図17をB−B線で断面した際の縦断面図である。
符号の説明
1…プラスチックフィルム材、3…減圧室、4…電子線照射手段、5…照射処理室、6…撮影手段、7…観測窓、8…表示手段、9…搬送路、11…電子線発生室、12…フィラメント、13…カソード、14…グリッド、15…アノード、16…真空窓、18…電源ユニット、20…演算手段、21…記憶手段、22…電圧計、23…電流計、24…ミラー。

Claims (10)

  1. 複数のフィラメントが放出する熱電子を加速することで電子線を照射処理室内の被照射物に照射する電子線照射手段と、
    前記電子線が前記被照射物に照射されることにより放出する発光を撮影する撮影手段と、
    電子線照射状況が予め記憶された記憶手段と、
    前記撮影手段により撮影された画像を処理し、前記記憶手段に記憶された電子線照射状況を判定する演算手段と、
    を有する監視装置付き電子線照射装置であって、
    前記記憶手段は、
    前記電子線照射状況に対応する画像の輝度が記憶されると共に、前記電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、又は真空窓劣化のうち少なくとも3つの電子線照射状況が記憶され、
    前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された画像を取り込んで、前記記憶手段に記憶された画像の輝度と比較し、前記画像の輝度と関連する前記記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込んで電子線照射状況を判定することを特徴とする監視装置付き電子線照射装置。
  2. 複数のフィラメントが放出する熱電子を加速することで電子線を照射処理室内の被照射物に照射する電子線照射手段と、
    前記電子線が前記被照射物に照射されることにより放出する発光を撮影する撮影手段と、
    電子線照射状況が予め記憶された記憶手段と、
    前記撮影手段により撮影された画像を処理し、前記記憶手段に記憶された電子線照射状況を判定する演算手段と、
    を有する監視装置付き電子線照射装置であって、
    前記記憶手段は、
    電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定される第1の閾値と、
    電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の下限値に設定され、かつ、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度よりも高い値に設定される第2の閾値と、
    前記第2の閾値より低い値に設定され、かつ、フィラメント切れが生じた際に放出する発光輝度よりも高い値に設定され、かつ、軸ずれを生じている際に放出する発光輝度の下限値に設定される第3の閾値と、が記憶されると共に、
    前記3つの閾値で区切られる領域に対応し、かつ、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、又は真空窓劣化のうち少なくとも3つの電子線照射状況が記憶され、
    前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された画像の発光輝度を取り込み、前記記憶手段に記憶された各閾値と比較し、
    前記第2の閾値以上かつ前記第1の閾値以下の際に、前記記憶手段に記憶された電子線 照射状況を読み込み、前記電子線照射状況は正常と判定し、
    前記第2の閾値より低く前記第3の閾値以上の際に、前記記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込み、前記電子線照射状況は軸ずれと判定し、
    前記第3の閾値より低い際に、前記記憶手段に記憶された電子線照射状況のうち、前記電子線照射状況はフィラメント切れと判定することを特徴とする監視装置付き電子線照射装置。
  3. 前記記憶手段は、
    電子線照射が正常に行われている際に放出する発光輝度の上限値に設定され、かつ、真空窓劣化が生じた際に放出される発光輝度よりも低い値に設定される第1の閾値が記憶されると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、及び真空窓劣化が記憶され、
    前記演算手段は、前記第1の閾値より高い際に、前記記憶手段に記憶された電子線照射状況を読み込み、前記電子線照射状況は真空窓劣化であると判定することを特徴とする請求項2に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  4. 前記電子線照射手段は、前記複数のフィラメントに接続される定電流制御型のフィラメント電源を有すると共に、前記フィラメントの電圧を測定する電圧計を有し、
    前記記憶手段は、
    真空窓劣化を生じる際のフィラメント電圧よりも高い値に設定され、かつ、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電圧以下に設定される電圧設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶され、
    前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された画像の発光輝度が前記第1の閾値より高い際に前記電圧計からフィラメント電圧を取り込み、
    前記記憶手段に記憶された電圧設定値と比較することにより、前記電圧設定値以上の場合にフィラメント劣化と判定することを特徴とする請求項3に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  5. 前記電子線照射手段は、前記複数のフィラメントに接続される定電圧制御型のフィラメント電源を有すると共に、前記フィラメントの電流を測定する電流計を有し、
    前記記憶手段は、
    フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電流以上に設定され、かつ、軸ずれを生じる際のフィラメント電流よりも低い値に設定される電圧設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶され、
    前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された画像の発光輝度が前記第2の閾値より低く、前記第3の閾値以上の際に前記電流計からフィラメント電流を取り込み、
    前記記憶手段に記憶された電流設定値と比較することにより、前記電流設定値以下の場合にフィラメント劣化を判定することを特徴とする請求項3に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  6. 前記電子線照射手段は、前記複数のフィラメントに接続される定電流制御型のフィラメント電源を有すると共に、前記フィラメントの電圧を測定する電圧計を有し、前記フィラメントの対向部にグリッド電源に接続されるグリッドを有すると共に、前記グリッド電源の電圧を調節することにより前記フィラメントが放出する熱電子量を一定に制御する制御手段を有し、
    前記記憶手段は、
    電子線照射が正常に行われる際のフィラメント電圧より高い値に設定され、かつ、フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電圧以下に設定される電圧設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶され、
    前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された画像の発光輝度が前記第2の閾値以上かつ前記第1の閾値以下の際に前記電圧計からフィラメント電圧を取り込み、前記記憶手段に記憶された電圧設定値と比較することにより、前記電圧設定値以上の場合にフィラメント劣化と判定することを特徴とする請求項3に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  7. 前記電子線照射手段は、前記複数のフィラメントに接続される定電圧制御型のフィラメント電源を有すると共に、前記フィラメントの電流を測定する電流計を有し、
    前記フィラメントの対向部にグリッド電源に接続されるグリッドを有すると共に、前記グリッド電源の電圧を調節することにより前記フィラメントが放出する熱電子量を一定に制御する制御手段を有し、
    前記記憶手段は、
    フィラメント劣化を生じる際のフィラメント電流以上の値に設定され、かつ、電子線照射が正常に行われる際のフィラメント電流より低い値に設定される電流設定値を記憶すると共に、電子線照射状況を表す正常、軸ずれ、フィラメント切れ、真空窓劣化、及びフィラメント劣化が記憶され、
    前記演算手段は、前記撮影手段により撮影された画像の発光輝度が前記第1の閾値より高い際に前記電流計からフィラメント電流を取り込み、予め前記記憶手段に記憶された電流設定値と比較することにより、前記電流設定値以下の場合にフィラメント劣化と判定することを特徴とする請求項3に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  8. 前記記憶手段に記憶された前記電圧設定値は前記フィラメントの電圧初期値の1.1倍に設定されることを特徴とする請求項4又は請求項6に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  9. 前記記憶手段に記憶された前記電流設定値は前記フィラメントの電流初期値の0.9倍に設定されることを特徴とする請求項5又は請求項7に記載の監視装置付き電子線照射装置。
  10. 前記演算手段は、前記撮影手段により撮影された画像を複数のセグメントに分割し、前記セグメント毎の発光輝度を前記記憶手段に記憶された閾値と比較することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の監視装置付き電子線照射装置。
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