JP4738665B2 - 使用済み電子写真ユニットの洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は粉体収納容器の洗浄方法、洗浄装置に関するものであり、具体的には、電子写真装置の乾式トナーなどの、粉体収納容器又は現像ユニットの内部に残留している残存トナーを除去し、この粉体収納容器およびユニットを繰り返し使用するための、使用済み電子写真ユニットの洗浄方法及び洗浄装置に関するものであり、乾式の簡便な洗浄によって能率的に、かつ高い洗浄精度で、しかも省エネルギーで粉体収納容器を洗浄することができるものである。
【0002】
【従来技術】
容器内で研磨媒体(メディア)を運動させて、これによって容器内に残留している残存トナーを除去(研磨)する技術が特開平5−329766号公報等に種々記載されているが、洗浄媒体に電子写真現像剤を使用し残存トナーを吸着させることで、容器の内部に付着しているトナーを除去(洗浄)する方法に関するものはなく、また、未公開のものではあるが、特願2001−066637号の明細書に電子写真ユニットの洗浄方法に関する技術が記載されている。これは使用済み電子写真装置のトナー容器又は現像ユニットの内部を洗浄する洗浄方法であって、洗浄媒体として電子写真プロセスに用いる現像剤中のキャリアを使用し、外部より作用させた磁場により洗浄媒体を移動させ容器表面及び内部の洗浄を行うものである。
ところで、近年、地球環境保全に対する取り組みが急務となっており、省廃棄物の観点から、従来のように使用済みの電子機器製品、家庭電気製品、事務務機器をそのまま廃棄することなく、資源種類別に分別してマテリアルリサイクルを行ったり、一度使用した部品を再生処理して再使用するようになっている。この再生処理は、各種機器製品を構成している部品単位毎に分解、洗浄、検査に大別される。特に洗浄工程においては、洗浄溶剤を使用した湿式の洗浄方法が中心であり、洗浄工程が複雑のためコスト高となる。また、湿式洗浄は洗浄液の排水処理及び、洗浄後の乾燥のために大量のエネルギーを消費する等のため、環境負荷の面においても好ましいものではない。
【0003】
他方、特開平8−173922号公報、特開平11−90368号公報に電子写真用乾式トナーなどの粉体収納容器の内外表面に付着している付着物(汚れ)を除去するための粉体容器の洗浄装置が記載されており、これは、粉体が付着した物品の粉体付着部分(被洗浄部)にエアブローする手段と、エアブローにより生じたダストを集塵する手段とを備えているものである。しかしながら、上記従来技術は、物品に付着した粉体(トナー)はエアブローにより吹き飛ばされて飛散するが、集塵手段により完全に回収することは不可能であり、また、樹脂部品等はエアブローによる物品表面が摩擦帯電して、この静電気力により微細な粉体(トナー)が表面に再付着し残留することが避けられない。さらにまた、エアブロー方式は被洗浄容器品の形状により洗浄エアーの吹付け方向によって吹付け力が大きく変動し、複雑に凹凸した形状や袋小路部などの狭隘な部分があるものににおいては、ブローによる空気圧が隅々まで行き届かないため、除去能力が著しく低い。更に、洗浄対象となる使用済み製品には、上記粉体(トナー)が付着しているだけでなく、長い時間放置されたなどのために、使用済み製品の内外面には粉体(トナー)が凝集して固着しているものもある。凝集して固着した粉体はエアブローによる空気の吹付け力では容易に除去されないので、このような使用済み製品は再使用に不適となってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、確実かつ能率的に使用済み製品を洗浄して再使用に供し得るようにすることを目的として、電子写真装置の乾式トナー等の粉体収納容器あるいは現像ユニット形状構造の如何に関わらず、その内部に固着して残留しているトナーを最も効果的に除去することができるように、使用済み製品の姿勢、洗浄手段を工夫し、かつ、低コスト、低環境負荷でトナー除去作業を行えるようにその洗浄方法・洗浄装置を工夫することを課題とするものである。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】
(請求項1に対応)
上記課題解決のために講じた、使用済み電子写真ユニットの洗浄方法に関する手段は、使用済み電子写真装置のトナー容器又は現像ユニットである被洗浄容器の内部を洗浄する洗浄方法について、被洗浄容器内部に洗浄媒体として電子写真プロセスに用いる現像剤中のキャリアを導入した後、該被洗浄容器の姿勢を制御することにより、上記洗浄媒体及び残存トナーの相対運動により該洗浄媒体(キャリア)及び該残存トナーに静電帯電させ、その後、上記洗浄媒体に上記残存トナーを静電吸着させて該被洗浄容器外に排出することにより、被洗浄容器内の残存トナーを除去することである。
【0006】
【作用】
使用済み電子写真装置の粉体収納容器あるいは現像ユニット等の被洗浄容器を被洗浄容器支持台に載置して保持させ、上記被洗浄容器の開口部より内部に洗浄媒体として現像剤中のキャリアを適当量導入した後、該被洗浄容器をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向の少なくとも一方向に、複数回にわたって姿勢制御することにより、上記洗浄媒体によって残存トナーを撹拌し、該洗浄媒体(キャリア)及び該残存トナーを相互に逆極性の電荷に静電帯電させ、該帯電力により上記洗浄媒体に上記残存トナーを静電吸着させる。その後、更に上記被洗浄容器の姿勢を制御し前述の如く静電吸着した洗浄媒体及び残存トナーを上記開口部より被洗浄容器の外部に排出する。
これによって、被洗浄容器内部の残存トナーは確実、完全に除去される。
【0007】
【実施態様1】
(請求項2に対応)
実施態様1は、上記解決手段1について、上記被洗浄容器の姿勢制御により、被洗浄容器の開口部を上向きにし、該開口部より上記被洗浄容器内部に洗浄媒体(キャリア)を導入することである。
【作用】
上記被洗浄容器の姿勢をその開口部を上向きになるようにして、該開口部より上記被洗浄容器内部に洗浄媒体(キャリア)を導入することで、特別な手段を用いることなしに、重力だけで洗浄媒体を被洗浄容器内部にスムーズに注入できる。
【0008】
【実施態様2】
(請求項3に対応)
実施態様2は、上記解決手段1又は実施態様1について、被洗浄容器に加振機構により振動を付与することである。
【作用】
上記被洗浄容器の姿勢をその開口部を上向きになるようにしておいて、振動を加えながら上から洗浄媒体(キャリア)を導入することで、被洗浄容器内に投入された洗浄媒体が下方に速やかに落下するので、その開口部でのアーチ(あるいはブリッジ)の発生が防止され、したがって、自然落下による投入がスームズ、かつ確実になされる。
【0009】
【実施態様3】
(請求項4に対応)
実施態様3は、解決手段1について、上記被洗浄容器の姿勢制御により、被洗浄容器の開口部を下向きにし、該開口部より上記被洗浄容器内部の残存トナー及び洗浄媒体(キャリア)を排出することである。
【作用】
被洗浄容器の姿勢をその開口部が下向きになるようにすることで、特別な手段を用いることなく、残存トナー及び洗浄媒体が自然落下で被洗浄容器から排出される。
【0010】
【実施態様4】
(請求項5に対応)
実施態様4は、実施態様3について、被洗浄容器に加振機構により振動を付与することである。
【作用】
被洗浄容器の姿勢をその開口部が下向きになるようにすることで、特別な手段を用いることなしに、内部の残存トナー及び洗浄媒体を自然落下で排出させるについて、被洗浄容器に振動を加えることで、開口部における被洗浄容器内の洗浄媒体(キャリア)のアーチ(あるいはブリッジ)の発生が防止され、したがって、自然落下によってスームズかつ確実に排出される。
【0011】
【実施態様5】
(請求項6に対応)
実施態様5は、実施態様3、又は実施態様4について、上記開口部より上記被洗浄容器内部の残存トナー及び洗浄媒体(キャリア)を排出するための吸引機構を設けたことである。
【作用】
吸引機構によって吸引しながら残存トナー及び洗浄媒体(キャリア)を被洗浄容器から排出させることで、その排出速度が向上し、排出作業の能率が向上するとともに、排出された残存トナー及び洗浄媒体の分離、収集を効率的に行える。
【0012】
【実施態様6】
(請求項7に対応)
実施態様6は、解決手段1について、上記被洗浄容器の姿勢を制御することにより、該被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体(キャリア)を相対移動させ、該残存トナーと洗浄媒体を撹拌して摩擦帯電を発生させることである。
【作用】
被洗浄容器内部で残存トナーと洗浄媒体(キャリア)を撹拌させ、相互摩擦を生じさせてこれらを摩擦帯電させるのであるから、残存トナーと洗浄媒体相互の帯電付与が簡便に行われ、したがって、相互帯電付与のための特別な装置、操作を要しないで、設備の簡素化、洗浄作業の簡素化が図られる。
【0013】
【実施態様7】
(請求項8に対応)
実施態様7は、解決手段1について、加振機構により被洗浄容器に振動を付与することにより、該被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体(キャリア)を相対移動させ、該残存トナーと洗浄媒体に摩擦帯電を生じさせることである。
【作用】
加振することで被洗浄容器内の残存トナーと洗浄媒体(キャリア)に摩擦帯電を発生させるから、被洗浄容器の形状が複雑なものでも、その隅々に至るまで内部の残存トナーと洗浄媒体が撹拌、振動されて、効果的に相互帯電を生じさせることができるから、相互帯電による除去性能が容器の隅々まで及び、したがって、隅々まで効率的に残存トナーが除去される。
【0014】
【実施態様8】
(請求項9に対応)
実施態様8は、解決手段1について、上記被洗浄容器の姿勢を制御し、該被洗浄容器内部に導入した洗浄媒体(キャリア)の移動により、上記被洗浄容器内部の固着残存トナーに洗浄媒体を摩擦摺動させて該固着残存トナーを除去することである。
【作用】
被洗浄容器の姿勢を制御し、該被洗浄容器内部に導入した洗浄媒体(キャリア)を移動させる(例えば、ヨーイング、ローリング、ピッチングなど)ことで、洗浄媒体が被洗浄容器内で容器内壁面に沿って上下方向の運動を繰り返すので、その摩擦作用によって容器内壁面に固着したトナーを能率的に剥離させることができ、残存トナーの除去性能が向上する。
【0015】
【実施態様9】
(請求項10に対応)
実施態様9は解決手段1について、被洗浄容器に加振機構により振動を付与することにより、該被洗浄容器内部の固着残存トナーに洗浄媒体(キャリア)を繰返し衝突させ、該固着残存トナーを除去することである。
【作用】
被洗浄容器の形状の如何に関わりなく、被洗浄容器の隅々まで装填された洗浄媒体(キャリア)が加振される。そして洗浄媒体の振動によって容器内壁面に固着したトナーと洗浄媒体が摩擦し合い、内面に固着したトナーが容器の隅々に至るまで効果的に除去される。
【0016】
【実施態様10】
(請求項11に対応)
実施態様10は解決手段1、又は実施態様1乃至実施態様9のいずれかについて、互いに逆極に帯電した被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体(キャリア)を上記被洗浄容器の姿勢制御により移動させて、該洗浄媒体に該残存トナーを帯電吸着させることである。
【作用】
被洗浄容器内部全域において装填された洗浄媒体及び残存トナーを移動させる(例えば、ヨーイング、ローリング、ピッチングなど)ことで、該被洗浄容器内部全域にわたって洗浄媒体に均等に運動を与え、残存トナーと洗浄媒体(キャリア)との擦り合う回数が増加されるので、残存トナーを確実に洗浄媒体表面に吸着させることができ、したがって、洗浄媒体による残存トナーを除去する性能が向上される。
【0017】
【解決手段2】
(請求項12に対応)
上記課題解決のために講じた使用済み電子写真ユニットの洗浄装置に関する手段は、使用済み電子写真装置のトナー容器又は現像ユニットである該被洗浄容器の内部を洗浄する洗浄装置について、その内部に洗浄媒体として電子写真プロセスに用いる現像剤中のキャリアが導入された上記被洗浄容器の姿勢を制御するための、ローリング方向の回転機構とピッチング方向の回転機構とヨーイング方向の回転機構とを備えたことである。
【0018】
【作用】
洗浄媒体の被洗浄容器への導入(注入または装填)、該被洗浄容器内での撹拌、残存トナーと洗浄媒体との相互摩擦による振動摩擦帯電、該被洗浄容器内面に固着したトナーの撹拌、振動摩擦除去、撹拌による残存トナーの吸着、及び洗浄媒体と残存トナーの排出の一連の洗浄工程における被洗浄容器の3次元的な姿勢、動作の制御を簡便な機構、構造で行うことができ、洗浄作業を効率的、能率的に行える。
【0019】
【実施態様1】
(請求項13に対応)
実施態様1は上記解決手段2について、上記被洗浄容器を横方向、縦方向の少なくとも一方向に振動させるための電磁式振動器、空気式振動器等の加振機構を備えたことである。
【作用】
被洗浄容器に加振機構によって振動を与えることで、被洗浄容器の開口部からの洗浄媒体の注入、開口部からの残存トナーと洗浄媒体の混合物の排出がスムーズに、速やかになされるので、洗浄媒体の注入作業、残存トナーと洗浄媒体との排出に要する時間が短縮され、作業能率が向上する。
【0020】
【実施態様2】
(請求項14)
実施態様2は、上記解決手段2について、上記被洗浄容器の開口部に接続し該被洗浄容器内部の残存トナー及び洗浄媒体(キャリア)を吸引する掃除機、真空ポンプ、排風機等の吸引機構を備えたことである。
【作用】
被洗浄容器内の残存トナー及び洗浄媒体を吸引機構で吸引排出するので、これらが高速で排出され、したがって、排出時間は著しく短縮される。
【0021】
【実施例1】
この実施例1は、解決手段1などの被洗浄容器の姿勢制御による洗浄媒体の移動に関する実施例である。図1にその全体像を示し、図9に電子写真現像プロセス概念図を示している。
実施例の説明に先だって、洗浄媒体(キャリア)による洗浄作用の原理を明らかにするために、参考までに電子写真現像プロセスを説明する。
図9において、感光体24は露光プロセスでは光照射を受けた領域の帯電は消失し、文字等画像領域のみの帯電が残留する。現像プロセスでは現像剤中のトナー22とキャリア23を現像ユニット内で撹拌することにより互いに接触させ摩擦帯電させる。この場合トナー22とキャリア23はそれぞれ異符号の電荷をもつ。電子写真装置の乾式トナー22は合成樹脂と顔料から成っている10μm前後の粉末状のもので、一成分型と二成分型に大別される。一成分型はトナーに磁性体の性質がある磁性トナーでプラスの極性を持ち、現像は直接現像スリーブ(マグネット)に磁気吸着し、感光体の静電潜像と接触し可視像を形成する。二成分型はトナーとキャリアを混合して使用する非磁性トナーである。トナーはプラスとマイナスの極性を持っているものがあり、キャリアとの摩擦により帯電し、静電潜像と接触し可視像を形成する。キャリア23は70〜300μm程度の鉄又はフェライト粒の外側に樹脂コート層を形成したものが一般的である。
以上が、電子写真現像プロセスにおける現像剤中のトナーとキャリア間の相互作用である。
ついで、この発明の実施例を説明する。
【0022】
図1において、使用済み電子写真装置の粉体収納容器あるいは現像ユニット等の被洗浄容器(被洗浄物)1を被洗浄容器支持台14に載置して保持し、上記被洗浄容器1の開口部より内部に洗浄媒体としてキャリア2を適当量導入した後、該被洗浄容器1をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向の少なくとも一方向に、複数回にわたって姿勢を制御すること(姿勢を変動させること)によりキャリア2により残存トナー(残留トナー)3を撹拌し、該キャリア2及び該残存トナー3を相互に逆極性の電荷に静電帯電させ、該帯電力により上記キャリア2に上記残存トナー3を静電吸着せしめる。しかる後、更に上記被洗浄容器1の姿勢を制御して前述の如く静電吸着したキャリア2及び残存トナー3を上記開口部より被洗浄容器1の外部に排出する。
【0023】
〔洗浄媒体の導入〕
洗浄媒体としてキャリア2の被洗浄容器1への導入に関する例の全体像を図2に示している。姿勢制御により上記被洗浄容器1の開口部を上向きに配置し、該開口部にメディア導入ノズル7を接続した後、上記被洗浄容器1の開口部を上向きにした姿勢を維持したまま、メディア収納容器5に収納されているキャリア2を空気式搬送あるいはスクリュー式搬送等のメディア供給機4により予め設定された所定量をメディア搬送管6により上記メディア導入ノズル7から投下して、上記被洗浄容器1の内部に下向きに導入する。
【0024】
図2に示すように、上記被洗浄容器1に対し横方方向、縦方向(少なくとも一方向)から振動を与えるための加振機構8を備えている。この例では横方向に加振する加振機構Bと縦方向に加振する加振機構Aとを備えており、被洗浄容器1の上向き開口部から重力を利用して下向きにキャリア2を導入するにあたり、該被洗浄容器1を横方向及び縦方向に加振しながらキャリア2を導入する。
【0025】
〔洗浄媒体などの排出〕
洗浄媒体としてのキャリア2、トナー3などの排出工程を図3に示している。姿勢制御により上記被洗浄容器1の開口部を下向きに配置し、該開口部に回収ノズル12、回収搬送管13を接続し、上記被洗浄容器1の開口部を下向きにした姿勢を維持したまま、前述の如く静電吸着したキャリア2及び残存トナー3を上記開口部から重力の方向、すなわち下向きに、上記被洗浄容器1から排出する。
【0026】
被洗浄容器1に対して加振機構Aと加振機構Bによって横方向、縦方向に加振しながら、キャリア(洗浄媒体)2を排出する。
さらに、被洗浄容器1の開口部下向き姿勢を維持したまま、該開口部に回収ノズル12に回収搬送管13を接続し、キャリア2を回収するためにメディア回収装置9、トナー回収装置10を介して、吸引装置11によって吸引して、上記の如く静電吸着したキャリア2及び残存トナー3を上記被洗浄容器1の外部に排出する。
メディア回収装置9はキャリア2と残存トナー3を分離し、トナー回収装置10は残存トナー3と吸引エアーとを分離し、キャリア2及び残存トナー3を回収する。
【0027】
〔撹拌帯電〕
被洗浄容器1を被洗浄容器支持台14に載置・保持し、上記被洗浄容器1の開口部より内部に洗浄媒体としてキャリア2を適当量導入した後、図4に模式的に示すように、被洗浄容器1をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向(少なくとも一方)に、複数回にわたって姿勢を変化させることにより、キャリア2と残存トナー3は繰返し撹拌されて互いに擦れ合わされる。この撹拌によるキャリア2と残存トナー3との摩擦で、キャリア2及び該残存トナー3は相互に逆極性の電荷に帯電する。
【0028】
〔振動帯電〕
また、図5に模式的に示すように、上記被洗浄容器1に対し横方向、縦方向(少なくとも一方向)から振動を加える加振機構を配置してあり、上記被洗浄容器1を所定の姿勢に維持し、上記加振機構8により被洗浄容器1に振動を与える。被洗浄容器1の内部に導入されたキャリア2は振動の振幅方向に微小振動を繰返し、キャリア2の周辺に存在する内部残存トナー3と繰返し擦り合わされて、互いに逆極性の電荷に帯電される。
【0029】
〔固着残存トナーの撹拌摺動摩擦除去〕
被洗浄容器1を被洗浄容器支持台14に載置して保持させた上記被洗浄容器1の開口部から洗浄媒体としてキャリア2を適当量導入した後、図6に示すように、該被洗浄容器1をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向(少なくとも一方向)に複数回にわたってその姿勢を変化させる。これにより、上記キャリア2は繰返し重力方向(上下方向)に移動する。このとき、キャリア2は被洗浄容器1の内壁を摺動して、内壁に存在する固着トナー3と繰返し擦り合わされ、繰返されるこの擦り合いによって、キャリア2が上記被洗浄容器1の内壁から固着トナー3を剥離させる。
【0030】
〔固着残存トナーの振動摩擦除去〕
図7に示すように、上記被洗浄容器1に対し横方向、縦方向から振動を付与するための加振機構A、加振機構Bを配置し、上記被洗浄容器1を所定の姿勢に維持し、加振機構A,加振機構Bにより被洗浄容器1に振動を加える。被洗浄容器1の内部に導入されたキャリア2は振動方向に微小振動を繰返し、被洗浄容器1の内面に固着したトナー3に対し繰返し微小振幅で擦り合わされる。その結果、被洗浄容器1の内部に固着したトナー3は上記被洗浄容器の内壁から剥離される。
【0031】
〔撹拌による残存トナーの吸着〕
上記の如く互いに逆極に帯電した被洗浄容器1の内部に残留しているトナー3とキャリア2を、図8に示すように、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向(少なくともその一方向)に、複数回にわたってその姿勢を変化させることにより、洗浄媒体1とトナー3とが繰り返し互いに擦れ合うことで、キャリア2の表面に残存トナー3が吸着される。
【0032】
【実施例2】
実施例2は、解決手段2の実施例(姿勢制御機構)であり、図1にその全体像を示している。
被洗浄容器支持台14に被洗浄容器(被洗浄物)1を載置して保持し、該被洗浄容器支持台14にローリング回転軸15を連結し、該ローリング軸15の両端部を回動可能な玉軸受け等により両端支持し、該ローリング軸15の一端部に正逆回転可能なローリング回転モータ15mを接続している。該ローリング方向の回転角度は少なくとも正逆方向に180度とし、任意の角度において停止可能である。ローリング回転モータ15mはステッピングモータ、サーボモータ等が適切である。
また上記ローリング駆動機構をピッチング支持台17上に載置し、これをピッチング回転軸18に接続し、該ピッチング回転軸18の両端部を転がり軸受で支承し、該ピッチング回転軸18の一端部に正逆回転可能なピッチング回転モータ18mを接続している。該ピッチング方向の回転角度は少なくとも正逆方向に180度とし、任意の角度において停止可能である。ピッチング回転モータ18mはステッピングモータ、サーボモータ等が適切である。
上記ピッチング駆動機構をヨーイング支持台19上に載置し、その下端部をヨーイング回転モータ19mに連結し、ベース21上に配置する。該ヨーイング方向の回転角度は少なくとも正逆方向に180度とし、任意の角度において停止可能である。ヨーイング回転モータ19mはステッピングモータ、サーボモータ等が適切である。
【0033】
前述の被洗浄容器1の姿勢制御動作は概ね以下の通りである。
洗浄媒体の上向き導入時、ピッチング方向に+90度。
残存トナーの下向き排出時、ピッチング方向に−90度。
撹拌摩擦帯電のために、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向に±180度。
振動摩擦帯電のために、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向に±180度。
固着トナー(内壁面に固着しているトナー)の撹拌摺動摩擦による除去のために、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向に±180度。
固着トナーの振動摩擦による除去のために、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向に±180度。
撹拌による残存トナー(残留トナー)の吸着のために、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向に±180度。
ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向への被洗浄容器の揺動運動は、毎秒0.5〜10回程度で行えばよい。
被洗浄容器1を被洗浄容器支持台14に載置して保持した後、ピッチング機構により上記被洗浄容器1の開口部を上向きにし、洗浄媒体としてキャリア2を適当量導入し、その後、該被洗浄容器1をピッチング機構、ローリング機構、ヨーイング機構により複数回にわたって姿勢を制御し、キャリア2により上記残存トナー3を撹拌し、キャリア2及び該残存トナー3を相互に逆極性の電荷に静電帯電させ、該帯電力によりキャリア2に上記残存トナー3を静電吸着させる。そして所定時間後に、ピッチング機構により上記被洗浄容器1の開口部を下向きにし、静電吸着したキャリア2及び残存トナー3を上記開口部から排出する。
【0034】
〔加振機構〕
電磁式振動器、空気式振動器等の振動素子を備えた加振機構A,Bを被洗浄容器支持台14に配置し、これを上記被洗浄容器1と接触させている。キャリア2の導入時、排出時、撹拌時等に応じて、予め設定された姿勢を取らせ、また必要な運動を行わせる。
横方向振動の振幅は0.5〜数mm、振動数は数Hz〜数十Hzが望ましく、また縦方向振動の振幅は0.5〜数mm、振動数は数Hz〜数十Hzが望ましい。
【0035】
〔吸引排出機構〕
この例の吸引排出機構の全体像を図3に示している。
上記姿勢制御により被洗浄容器1の開口部を下向きに配置し、被洗浄容器1の開口部下向き姿勢を維持し、該開口部にメディア回収ノズル12、回収搬送管13を接続し、遠心分離型のサイクロン方式或いは分離フィルター方式等で構成されるメディア回収装置9及びトナー回収装置10を経由した後、掃除機、真空ポンプ、排風機等の吸引装置11に接続される。前述の如く静電気力により吸着されたキャリア2及び残存トナー3は該吸引機構により上記被洗浄容器1の外部に排出される。メディア回収装置9は、キャリア2と残存トナー3を分離し、トナー回収装置10は残存トナー3と吸引エアーとを分離させて、キャリア2及び残存トナー3を回収する。
【0036】
【発明の効果】
この発明は以上のとおりのものであるが、その効果を各請求項毎に整理すると次のとおりである。
〔請求項1に係る発明の効果〕
請求項1に係る発明は、被洗浄容器内部に洗浄媒体として電子写真プロセスに用いる現像剤中のキャリアを導入した後、被洗浄容器の姿勢を制御することにより、上記洗浄媒体及び残存トナーの相互移動により洗浄媒体(キャリア)及び残存トナーを静電帯電させ、その後、洗浄媒体に上記残存トナーを静電吸着せしめ、洗浄媒体とともに容器外部に排出して、被洗浄容器内の残存トナーを除去する。これにより、従来のエアブロー方式では完全に除去出来なかった被洗浄容器内の微細な粉体(トナー)も完全に除去される。また、凹凸複雑形状や袋小路部等、ブローによる空気圧が届かない部分のトナーをも洗浄媒体に吸着させて除去することが可能であり、また、ブロー洗浄後の手作業による溶剤、洗剤等による拭き取り作業のような2次元な作業は不要となる。更に湿式洗浄における溶剤、洗剤等の使用が不要となり廃水処理や洗浄後の乾燥工程も不要となるため、洗浄工程の簡略化が図られ、且つ洗浄のために必要なエネルギーも低減される。
したがって、低コストで低環境負荷の洗浄が可能となり、使用済み電子写真装置の再利用、再使用を促進し、地球環境の保全に大きく貢献することができる。
【0037】
〔請求項2に係る発明の効果〕
請求項2に係る発明は、被洗浄容器の姿勢制御により被洗浄容器の開口部を上向きに配置し、該開口部にメディア導入ノズルを接続した後、上記被洗浄容器の開口部上向き姿勢を維持したまま、メディア収納容器内の洗浄媒体(キャリア)を空気式搬送あるいはスクリュー式搬送等のメディア供給機によって予め設定された所定量づつ、メディア搬送管を介して上記開口部に注入し、上記被洗浄容器内を下向きに重力で落下させて装填することができる。したがって、洗浄媒体を被洗浄容器に充填するための特別な充填装置を必要とせず、また小エネルギーでスムーズに被洗浄容器内に導入することができる。
【0038】
〔請求項3に係る発明の効果〕
請求項3に係る発明は、被洗浄容器に対して横方向、縦方向(少なくとも一方向)から振動を付与するための加振機構を備え、被洗浄容器の開口部を上向きに配置し、該開口部より重力方向である下向きに洗浄媒体(キャリア)を導入するにあたり、該被洗浄容器を加振しながら上記洗浄媒体を導入するものであるから、被洗浄容器の導入口(開口部)或いはメディア導入ノズル部での閉塞やアーチング(あるいはブリッジ)等による注入不良を生じることはなく、したがって、導入時間の短縮、作業効率の向上が図られる。
【0039】
〔請求項4に係る発明の効果〕
請求項4に係る発明は、姿勢制御により被洗浄容器の開口部を下向きに配置し、該開口部に回収ノズル、回収搬送管を接続し、上記被洗浄容器の開口部下向き姿勢を維持したまま、前述の如く静電吸着した洗浄媒体(キャリア)及び残存トナーを上記開口部より重力方向である上記被洗浄容器の外部に下向きに排出するものであるから、洗浄媒体及び残存トナーの自重による自由落下での排出が可能となり、排出のための新たなエネルギー源を必要とせず、したがって、省エネルギーに貢献できる。
【0040】
〔請求項5に係る発明の効果〕
請求項5に係る発明は、被洗浄容器に対して横方向、縦方向(少なくとも一方向)から振動を付与するための加振機構を備え、被洗浄容器の開口部を下向きに配置し、該開口部より重力方向である下向きに洗浄媒体(キャリア)を排出するにあたり、該被洗浄容器を加振しながら上記洗浄媒体を排出するものであるから、被洗浄容器の排出口(開口部)或いはメディア排出ノズル部での閉塞やアーチング(ブリッジ)等による排出不良を生じることがなく、排出時間の短縮、排出作業効率の向上が図られる。
【0041】
〔請求項6に係る発明の効果〕
請求項6に係る発明は、姿勢制御により被洗浄容器の開口部を下向きに配置し、上記被洗浄容器の開口部を下向きにした姿勢を維持したまま、該開口部に回収ノズル、回収搬送管を接続し、メディア回収装置、トナー回収装置を経由した後、吸引装置により前述の如く静電吸着した洗浄媒体(キャリア)及び残存トナーを吸引し上記被洗浄容器の外部に排出するものであるから、排出時間の短縮、作業効率の向上を図ることができ、更にメディア回収装置により洗浄媒体と残存トナーを分離し、トナー回収装置により残存トナーと吸引エアーとの分離を行うことにより、メディアの再生が簡便になり再使用のための再生コストを低減することができる。
【0042】
〔請求項7に係る発明の効果〕
請求項7に係る発明は、被洗浄容器を被洗浄容器支持台に載置して保持し、被洗浄容器の開口部より内部に洗浄媒体としてキャリアを適当量導入した後、該被洗浄容器をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向の少なくとも一方向に複数回にわたってその姿勢を変化させるものであるから、洗浄媒体と残存トナーを繰返し縦方向に反転させ、この反転動作によって残存トナーと洗浄媒体とが互いに擦れ合いながら撹拌される。そして、摩擦撹拌により洗浄媒体(キャリア)及び残存トナーは相互に逆極性の電荷に帯電するので、新たな撹拌機構を設けることなしに、被洗浄容器内部の洗浄媒体及び残存トナーの帯電付与を簡単に行うことができる。したがって、装置の簡素化、低コスト化が図られる。
【0043】
〔請求項8に係る発明の効果〕
請求項8に係る発明は、被洗浄容器に対し横方向、縦方向(少なくとも一方向)から加振するための加振機構を配置し、被洗浄容器を所定の姿勢に維持し加振機構により被洗浄容器に振動を与えるものであるから、被洗浄容器内部に導入された洗浄媒体(キャリア)は加振された方向に微小振動を繰返し、洗浄媒体の周辺に存在する内部残存トナーとの接触を繰返し、互いに逆極性の電荷に帯電することになる。これにより、内部の凹凸複雑形状や袋小路部などの狭隘な部分に付着して残留しているトナーついても振動が与えられ、微小振動により相互帯電させられるので、被洗浄容器内部の残存トナーの除去性能が向上する。
【0044】
〔請求項9に係る発明の効果〕
請求項9に係る発明は、被洗浄容器を被洗浄容器支持台に載置して保持し、上記被洗浄容器の開口部より内部に洗浄媒体としてキャリアを適当量導入した後、該被洗浄容器をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向の少なくとも一方向に、複数回にわたってその姿勢を変化させるものであるから、洗浄媒体は繰返し重力方向(上下方向に)に移動し、被洗浄容器の内壁を摺動しつつ内壁に存在する固着トナーと繰返し擦り合わされる。これにより、被洗浄容器内部の壁面に固着したトナーが効果的に剥離されるので、被洗浄容器内部の残存トナーの除去性能が向上する。
【0045】
〔請求項10に係る発明の効果〕
請求項10に係る発明は、被洗浄容器に対して横方向、縦方向(少なくとも一方向)から振動を付与するための加振機構を配置し、被洗浄容器を所定の姿勢に維持しつつ加振機構により被洗浄容器に振動を付与し、被洗浄容器内部に導入された洗浄媒体(キャリア)を、振動の振幅方向に微小振動させ、洗浄媒体の周辺に存在する固着トナーに対し繰返し微小振幅で擦れ合わせるものである。したがって、被洗浄容器の内部の凹凸複雑形状や袋小路部などの狭隘なところの洗浄媒体についても、振動による振幅方向の微小振動が与えられ、これによって洗浄媒体が残存トナーと繰返し擦り合わされる。その結果、被洗浄容器内部の壁面に固着したトナーを隅々まで効果的に剥離させることができるから、被洗浄容器内部の残存トナーを除去する性能が向上される。
【0046】
〔請求項11に係る発明の効果〕
請求項11に係る発明は、互いに逆極に帯電した被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体(キャリア)をピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング方向の少なくとも一方向に複数回にわたってその姿勢を変化させることにより、被洗浄容器の内部全域において、洗浄媒体が撹拌され、残存トナーと洗浄媒体が互いに擦れ合う回数を増加させることにより、内部に残留しているトナーを洗浄媒体の表面に確実に吸着させることができる。したがって、被洗浄容器内部の残存トナーの除去性能を向上させることができる。
【0047】
〔請求項12に係る発明の効果〕
請求項12に係る発明は、被洗浄容器の姿勢を制御するためローリング方向の回転機構とピッチング方向の回転機構とヨーイング方向の回転機構を備えているので、洗浄媒体の導入、撹拌・振動摩擦帯電、固着トナーの剥離、撹拌による残存トナーの洗浄媒体への吸着、洗浄媒体及び残存トナーの下向き排出の全ての工程における被洗浄容器の姿勢・動作の制御を3自由度で行うことができ、そのための機構構成は簡便なものであるから装置の製作コストを低廉にすることができる。
【0048】
〔請求項13に係る発明の効果〕
請求項13に係る発明は、電磁式振動器、空気式振動器等の振動素子を少なくとも1個以上、予め被洗浄容器と接触する位置において被洗浄容器支持台に配置したものであるから、姿勢制御動作において洗浄媒体(キャリア)の導入時、排出時、撹拌時等において、予め設定された姿勢で所定の動作を行うことができる。したがって、洗浄媒体と残存トナーとの相互摩擦(擦り合い)が促進され、また、被洗浄容器の排出口(開口部)或いはメディア排出ノズル部での閉塞やアーチング(ブリッジ)等による注入不良あるいは排出不良を生じることがない。それゆえ、被洗浄容器内のトナーの洗浄媒体による除去効果が高められ、また注入、排出がスムーズになされ、導入時間、排出時間の短縮が図られるので、作業効率が向上する。
【0049】
〔請求項14に係る発明の効果〕
請求項14に係る発明は、姿勢制御により被洗浄容器の開口部を下向きに配置し、被洗浄容器の開口部下向き姿勢を維持し、開口部に回収ノズル、回収搬送管を接続したものであるから、遠心分離型のサイクロン方式あるいは分離フィルター方式等で構成されるメディア回収装置及びトナー回収装置を経由した後、掃除機、真空ポンプ、排風機等の吸引装置に接続することにより、洗浄媒体(キャリア)及び残存トナーの被洗浄容器外部への高速排出が可能となり、排出時間の短縮により作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は被洗浄容器の姿勢制御機構全体の斜視図である。
【図2】は洗浄媒体の被洗浄容器開口部上向き導入状態の正面図である。
【図3】は洗浄媒体及び残存トナーの被洗浄容器開口部下向き排出状態の正面図である。
【図4】(a)は被洗浄容器の姿勢制御による撹拌機構の斜視図であり、(b)は撹拌状態を示す斜視図である。
【図5】(a)は被洗浄容器の横方向振動摩擦による帯電を示す模式図であり、(b)は被洗浄容器の縦方向振動摩擦による帯電を示す模式図である。
【図6】(a)(b)は固着トナーの撹拌摩擦によるトナーの除去を模式的に示す正面図である。
【図7】(a)は横方向振動摩擦による固着トナーの除去を模式的に示す正面図であり、(b)は縦方向振動摩擦による固着トナーの除去を模式的に示す正面図である。
【図8】は撹拌による残存トナーの帯電吸着を模式的に示す正面図である。
【図9】は電子写真現像プロセス概念図である。
【符号の説明】
1:被洗浄容器(被洗浄物)
2:洗浄媒体(キャリア)
3:残存トナー(残留トナー)
4:洗浄メディア供給機
5:洗浄メディア収納容器
6:洗浄メディア搬送管
7:メディア導入ノズル
8:加振機構(加振機構A、加振機構B)
9:メディア回収装置
10:トナー回収装置
11:吸引装置
12:メディア回収ノズル
13:回収搬送管
14:被洗浄容器支持台
15:ローリング回転軸
15m:ローリング回転モータ
17:ピッチング支持台
18:ピッチング回転軸
18m:ピッチング回転モータ
19:ヨーイング支持台
19m:ヨーイング回転モータ
21:ベース
22:トナー
23:キャリア
24:感光体
Claims (14)
- 使用済み電子写真装置のトナー容器又は現像ユニットである被洗浄容器の内部を洗浄する洗浄方法であって、
上記被洗浄容器の内部に洗浄媒体として電子写真プロセスに用いる現像剤中のキャリアを導入した後、該被洗浄容器の姿勢を制御することにより、上記洗浄媒体と残存トナーの相対運動により該洗浄媒体及び該残存トナーに静電帯電させ、その後、上記洗浄媒体に残存トナーを静電吸着させて該被洗浄容器外部に排出することにより、被洗浄容器内部の残存トナーを除去することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。 - 請求項1の洗浄方法において、上記被洗浄容器の姿勢制御により、被洗浄容器の開口部を上向きにし、該開口部より上記被洗浄容器内部に洗浄媒体を導入することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1又は請求項2の洗浄方法において、上記被洗浄容器に加振機構により振動を付与することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1の洗浄方法において、上記被洗浄容器の姿勢制御により、被洗浄容器の開口部を下向きにし、該開口部より上記被洗浄容器内部の残存トナー及び洗浄媒体を排出することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項4の洗浄方法において、上記被洗浄容器に加振機構により振動を付与することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項4又は請求項5の洗浄方法において、上記開口部より被洗浄容器内部の残存トナー及び洗浄媒体を排出するための吸引機構を設けたことを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1の洗浄方法において、上記被洗浄容器の姿勢を制御することにより、該被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体を相対運動させ、該残存トナーと洗浄媒体を撹拌して摩擦帯電を発生させることを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1の洗浄方法において、加振機構により被洗浄容器に振動を付与することにより、該被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体(キャリア)を相対運動させ、該残存トナーと洗浄媒体に摩擦帯電を発生させることを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1の洗浄方法において、上記被洗浄容器の姿勢を制御し、該被洗浄容器内部に導入した洗浄媒体の移動により、上記被洗浄容器内部の固着残存トナーに洗浄媒体を摩擦摺動させて該固着残存トナーを除去することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1の洗浄方法において、上記被洗浄容器に加振機構により振動を付与することにより、該被洗浄容器内部の固着残存トナーに洗浄媒体(キャリア)を繰返し衝突させ、該固着残存トナーを除去することを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 請求項1〜請求項10のいずれかの洗浄方法において、互いに逆極に帯電した上記被洗浄容器内部の残存トナーと洗浄媒体を、該被洗浄容器の姿勢制御により移動させて、該洗浄媒体(キャリア)に該残存トナーを帯電吸着させることを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄方法。
- 使用済み電子写真装置のトナー容器又は現像ユニットである被洗浄容器の内部を洗浄する洗浄装置であって、
その内部に洗浄媒体として電子写真プロセスに用いる現像剤中のキャリアが導入された上記被洗浄容器の姿勢を制御するための、ローリング方向の回転機構とピッチング方向の回転機構とヨーイング方向の回転機構とを備えていることを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄装置。 - 請求項12の洗浄装置において、上記被洗浄容器を横方向、縦方向の少なくとも一方向に振動させるための電磁式振動器、空気式振動器等の加振機構を備えていることを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄装置。
- 請求項12の洗浄装置において、上記被洗浄容器の開口部に接続し該被洗浄容器内部の残存トナー及び洗浄媒体を吸引する掃除機、真空ポンプ、排風機等の吸引機構を備えていることを特徴とする使用済み電子写真ユニットの洗浄装置。
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