JP4736667B2 - エチレン系重合体樹脂の高圧重合方法 - Google Patents
エチレン系重合体樹脂の高圧重合方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4736667B2 JP4736667B2 JP2005277479A JP2005277479A JP4736667B2 JP 4736667 B2 JP4736667 B2 JP 4736667B2 JP 2005277479 A JP2005277479 A JP 2005277479A JP 2005277479 A JP2005277479 A JP 2005277479A JP 4736667 B2 JP4736667 B2 JP 4736667B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- ethylene
- polymer resin
- grade
- cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
(1)高圧重合反応器の出口と高圧分離器との間に、複数のゾーンに区分され、該ゾーン毎に加熱、冷却または放冷が可能なように設計された二重管熱交換器を有する高圧重合法によるエチレン系重合体樹脂の製造プロセスにおいて、製造品種の移行に際して、重合反応の停止を行うことなく下記工程を含む操作を行うことを特徴とするエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
工程1:Aグレードの重合終了後、Bグレードの重合に際して高圧重合反応器出口の二重管熱交換器を少なくとも2つのゾーンに分けて、一方を冷却ゾーン、他方を放冷ゾーンとして重合を行う工程
工程2:工程1における冷却ゾーンが放冷ゾーン、放冷ゾーンが冷却ゾーンになるように切り替えて重合を継続する工程
工程3:工程2における二重管熱交換器の冷却ゾーンおよび放冷ゾーンが、すべて冷却ゾーン、すべて放冷ゾーンまたは冷却ゾーンと放冷ゾーンの組み合わせのいずれかになるようにCグレードの種類に応じて選択し、Cグレードの重合反応へ移行して重合を継続する工程
工程4:前記工程1〜工程3の全工程に亘って、重合されたエチレン系重合体樹脂のフィルムのフィッシュアイを検査する工程
(但し、Aグレード、Bグレード、Cグレードはエチレン系重合体樹脂の品種を示す。)
(2)前記工程1における重合において、重合されたエチレン系重合体樹脂のフィルムのフィッシュアイが一定の水準以下に低下したことを確認後、工程2の操作に移行し、工程2において、工程1と同様にして重合されたエチレン系重合体樹脂のフィルムのフィッシュアイが一定の水準以下に低下したことを確認後、工程3に移行することを特徴とする(1)のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
(3)前記冷却ゾーンの温度が少なくとも240℃以上を保つように冷却し、かつ、放冷ゾーンを自然冷却に任せることを特徴とする(1)、(2)のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
(4)前記工程1および工程2における冷却ゾーンと放冷ゾーンの切り替え操作を少なくとも2回繰り返すことを特徴とする(1)、(2)、(3)のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
(5)前記高圧反応器または二重管熱交換器の入口部分へ重合禁止剤を添加することを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
(6)前記重合禁止剤が2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールを含んでいる重合禁止剤であることを特徴とする(5)のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
(7)前記エチレン系重合体樹脂がエチレン単独重合体、エチレンとメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビニルアセテートより選ばれる1または2よりなるエチレン共重合体樹脂または高圧イオン重合法によって得られるエチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンより選ばれる1または2よりなる直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のエチレン系重合体樹脂であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法、
を提供するものである。
Aグレードとして、品質的にフィッシュアイ数の管理が比較的厳しくないフィルム用途であるエチレン−ビニルアセテート共重合体樹脂、Bグレードとして、品質的にフィルムのフィッシュアイを問題としない成型グレードであるエチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂、Cグレードとしてフィッシュアイに関して品質的に高度なフィルム用品種であるエチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂を選んで以下のごとく実施した。
(2)Bグレードの生産に際し、反応器(圧力196MPa、温度235℃)、高圧分離器(圧力20MPa)となるようにした。反応器内へ重合禁止剤として2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールをエチレンとメチルメタアクリレートの混合ガスに対し、14wtppmとなるように注入した。
(3)Bグレードの生産を行いつつ、反応器出口の二重管熱交換器内に付着した架橋ゲル等の剥離除去操作を以下の手順にて行った。その際の同熱交換器出口温度の上限値は、Aグレードの生産に由来するビニルアセテートあるいはエチレン−ビニルアセテート共重合体の熱分解反応による酢酸の発生を抑制するために250℃とした。
手順2: 手順1における生産中に、Bグレード3ton毎にフィッシュアイの検査を行った結果、フィッシュアイ数は最高で99ヶまで増加し、その後30ヶまで低下し安定したことを確認した。手順1〜2の間にBグレードを約5時間生産し、12tonを得た。
手順3: 次いで、手順1におけるゾーン(1)を冷却に、ゾーン(2)を放冷とし、同熱交換器出口温度を243℃とした。
手順4: 手順3における生産中に、手順2と同様にしてフィッシュアイの検査を行った結果、フィッシュアイ数は最高で40ヶまで増加し、その後25ヶまで低下し安定したことを確認した。手順3〜4の間にBグレードを約6時間生産し、15tonを得た。
(5)(4)における生産にて得られた100tonのCグレードのフィッシュアイ数は、6〜10ヶであり、品質的に十分に問題の無いレベルであった。
(6)(3)、(5)におけるフィッシュアイの検査は、具体的には出荷検査方法と整合性がとれていることを予め確認した以下の方法により行った。生産されるエチレン系重合体樹脂は、ペレットとして得られる。このペレットを連続的にサンプリングし、3tonのエチレン系重合体樹脂生産毎に、2kgを1検査単位とした。サンプルは、40mmφインフレーションフィルム加工機にて、厚さ30μmのフィルムに加工した。加工されたフィルム1800cm2当たりに含まれる直径0.2mm以上の凸欠陥の個数をカウントしたものをフィッシュアイ数とした。
Claims (7)
- 高圧重合反応器の出口と高圧分離器との間に、複数のゾーンに区分され、該ゾーン毎に加熱、冷却または放冷が可能なように設計された二重管熱交換器を有する高圧重合法によるエチレン系重合体樹脂の製造プロセスにおいて、製造品種の移行に際して、重合反応の停止を行うことなく下記工程を含む操作を行うことを特徴とするエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
工程1:Aグレードの重合終了後、Bグレードの重合に際して高圧重合反応器出口の二重管熱交換器を少なくとも2つのゾーンに分けて、少なくとも1つのゾーンを冷却ゾーン、少なくとも1つのゾーンを放冷ゾーンとして重合を行う工程
工程2:工程1における冷却ゾーンが放冷ゾーン、放冷ゾーンが冷却ゾーンになるように切り替えて重合を継続する工程
工程3:工程2における二重管熱交換器の冷却ゾーンおよび放冷ゾーンが、すべて冷却ゾーン、すべて放冷ゾーンまたは冷却ゾーンと放冷ゾーンの組み合わせのいずれかになるようにCグレードの種類に応じて選択し、Cグレードの重合反応へ移行して重合を継続する工程
工程4:前記工程1〜工程3の全工程に亘って、重合されたエチレン系重合体樹脂のフィルムのフィッシュアイを検査する工程
(但し、Aグレード、Bグレード、Cグレードはエチレン系重合体樹脂の品種を示す。) - 前記工程1における重合において、重合されたエチレン系重合体樹脂のフィルムのフィッシュアイが一定の水準以下に低下したことを確認後、工程2の操作に移行し、工程2において、工程1と同様にして重合されたエチレン系重合体樹脂のフィルムのフィッシュアイが一定の水準以下に低下したことを確認後、工程3に移行することを特徴とする請求項1記載のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
- 前記冷却ゾーンの温度が少なくとも240℃以上を保つように冷却し、かつ、放冷ゾーンを自然冷却に任せることを特徴とする請求項1または2記載のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
- 前記工程1および工程2における冷却ゾーンと放冷ゾーンの切り替え操作を少なくとも2回繰り返すことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
- 前記高圧反応器または二重管熱交換器の入口部分へ重合禁止剤を添加することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
- 前記重合禁止剤が2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含んでいる重合禁止剤であることを特徴とする請求項5に記載のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
- 前記エチレン系重合体樹脂がエチレン単独重合体、エチレンとメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビニルアセテートより選ばれる1または2よりなるエチレン共重合体樹脂、または高圧イオン重合法によって得られるエチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンより選ばれる1または2よりなる直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のエチレン系重合体樹脂の高圧重合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005277479A JP4736667B2 (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | エチレン系重合体樹脂の高圧重合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005277479A JP4736667B2 (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | エチレン系重合体樹脂の高圧重合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007084743A JP2007084743A (ja) | 2007-04-05 |
JP4736667B2 true JP4736667B2 (ja) | 2011-07-27 |
Family
ID=37972052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005277479A Active JP4736667B2 (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | エチレン系重合体樹脂の高圧重合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4736667B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019088664A2 (ko) | 2017-11-03 | 2019-05-09 | 주식회사 엘지화학 | 에틸렌 비닐아세테이트 공중합체의 제조 방법 |
CN113874205A (zh) | 2019-05-31 | 2021-12-31 | 株式会社可乐丽 | 离聚物、树脂片和夹层玻璃 |
WO2021124951A1 (ja) | 2019-12-19 | 2021-06-24 | 株式会社クラレ | アイオノマー樹脂、樹脂シートおよび合わせガラス |
CN116348430A (zh) | 2020-09-29 | 2023-06-27 | 可乐丽欧洲有限责任公司 | 离聚物树脂、树脂片及夹层玻璃 |
EP4253428A1 (en) | 2020-11-27 | 2023-10-04 | Kuraray Europe GmbH | Ionomer resin |
JPWO2023008485A1 (ja) | 2021-07-28 | 2023-02-02 | ||
EP4397708A1 (en) | 2021-08-30 | 2024-07-10 | Kuraray Europe GmbH | Ionomer resin composition, resin sheet, and laminated glass |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002037803A (ja) * | 2000-07-24 | 2002-02-06 | Grand Polymer Co Ltd | 多種銘柄の連続的製造方法 |
JP2003532763A (ja) * | 2000-05-05 | 2003-11-05 | バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング | エチレン単独重合体及びエチレン共重合体の連続製造方法 |
JP2004352948A (ja) * | 2003-05-30 | 2004-12-16 | Japan Polypropylene Corp | ポリマーの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61127709A (ja) * | 1984-11-27 | 1986-06-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | エチレン共重合体の製造方法 |
-
2005
- 2005-09-26 JP JP2005277479A patent/JP4736667B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003532763A (ja) * | 2000-05-05 | 2003-11-05 | バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング | エチレン単独重合体及びエチレン共重合体の連続製造方法 |
JP2002037803A (ja) * | 2000-07-24 | 2002-02-06 | Grand Polymer Co Ltd | 多種銘柄の連続的製造方法 |
JP2004352948A (ja) * | 2003-05-30 | 2004-12-16 | Japan Polypropylene Corp | ポリマーの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007084743A (ja) | 2007-04-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4736667B2 (ja) | エチレン系重合体樹脂の高圧重合方法 | |
KR101737140B1 (ko) | 다른 중합체와 블렌딩될 때 높은 생산량 및 양호한 광학성을 가능하게 하는 신규한 ldpe | |
JP4577988B2 (ja) | パイプ用ポリマー組成物 | |
EP1146079B1 (en) | Polymer composition for pipes | |
EP2123707B1 (en) | Extrusion coating polyethylene composition | |
EP1909014B1 (en) | Polyethylene composition for pressure pipes with enhanced flexibility | |
PL203005B1 (pl) | Rura z polimeru do gorących płynów | |
CN1678668A (zh) | 用于生产双轴取向聚丙烯薄膜的树脂组合物 | |
CN112239517B (zh) | 乙烯-乙酸乙烯酯共聚物树脂以及膜 | |
US20100015331A1 (en) | Hot melt adhesive compositions and methods of making and using same | |
CN109983066B (zh) | 生产凝胶含量降低的聚乙烯材料的方法和用途 | |
JP4342938B2 (ja) | ポリエチレン系樹脂及びその製造方法並びにそれを基材としたインフレーションフィルム | |
JP2017500430A (ja) | 射出成型用途に適当なポリエチレン組成物 | |
JP2006233059A (ja) | エチレン共重合体樹脂の高圧重合方法 | |
WO2017001384A1 (en) | Use of a free radical initiator composition for the reduction of gels in polyethylene materials | |
TWI836746B (zh) | 聚烯烴、樹脂組合物及成形體 | |
CN110234495B (zh) | 通过双轴向拉伸生产管子的方法 | |
JP5355937B2 (ja) | ポリプロピレン樹脂組成物およびその延伸フィルム | |
CN114133689B (zh) | 一种辐射交联聚丙烯热缩带基材及其制备方法 | |
JP2005097383A (ja) | パイプ用エチレン系共重合体組成物及びこの組成物からなるパイプ及び継手 | |
CN104788782B (zh) | 一种提高聚乙烯管耐慢速裂纹增长性能的方法 | |
EP3600827B1 (en) | Process for modifying and joining oriented pipes | |
JPS58210947A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP7021997B2 (ja) | 組成物、フィルム、ひねり包装用フィルム、フィルムの製造方法 | |
CN115195243B (zh) | 辐射交联聚乙烯全包围外护套式漂浮筒及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080131 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080515 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080704 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101116 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110418 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4736667 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |