JP4342938B2 - ポリエチレン系樹脂及びその製造方法並びにそれを基材としたインフレーションフィルム - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、ポリエチレン系樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を用いたインフレーションフィルムに関する。
更に詳しくは、本発明は、インフレーション成形時における押出特性、バブル安定性等が良好であると共に、耐衝撃性、特に低偏肉性等の物性バランスに優れ、且つフィッシュアイ(以下、FEと略記する場合がある。)の少ないインフレーションフィルムを与えるポリエチレン系樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を基材とする上記物性バランスに優れ、特に偏肉特性に優れたインフレーションフィルムに関するものである。
【0002】
【背景技術】
ポリエチレン樹脂は、汎用樹脂として様々な分野において広範囲に用いられており、その代表的な用途の一つとしてフィルムがある。
その中で特に高密度ポリエチレンは、膜厚の薄いインフレーションフィルムが成形でき、且つそのフィルムは機械的強度に優れていることから包装用途に適している。
このインフレーション成形法は、高密度ポリエチレンを溶融状態で環状ダイスから環状に押出し、内圧で膨張させながら、空冷固化して連続的に巻き取る方法である。
このようなインフレーション成形においては、高い生産性を確保するために更なる高速化が求められている。
しかしながら、高速成形を行うとフィルムが延伸により切断し、又、ダイス内部での溶融樹脂のスパイラル流動がそのままダイスリップ出口部分からの流動に現れる、いわゆる、スパイラルマークが発生し、フィルム厚みの均一性が維持できない。
その結果、フィルムにしわやたるみが発生し、フィルムの二次加工工程における印刷性やスリット性の低下、不良化の問題、或いはフィルム製袋工程でのフィルムの蛇行が発生し、又、製袋速度の低下やヒートシール不良等の問題が生じる。一方、フィルム厚みの均一性を確保するためにはフィルムの生産性を低下せざるを得なかった。
【0003】
このような問題を解決するために、従来、ロータリーダイスの使用、内部冷却方式によるバブル冷却の高効率化、ダイスリップの狭小化等、成形加工面からの種々の対策がとられてきたが、いずれも充分に満足するフィルム物性は得られないのが実状である。
又、フィルム成形材料を得るための混練時に、ラジカル発生剤や架橋剤を添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法は、偏肉、即ち、フィルム厚みの不均一性は低減されるものの、フィルムインパクト強度が低下したり、インフレーションフィルム成形中にゲルが発生してフィルム外観が悪化する等、好ましくない事態が発生する。
一方、特許文献2においては、歪み硬化パラメータと偏肉の関係について検討した例が示されている。
しかしながら、本発明者らの検討では、偏肉は小さいが高速成形での耐チューブ切れ性や耐衝撃性が満足できるものではなかった。
更に、クロム系触媒で製造されたポリエチレン樹脂を酸素含有ガスにより変性する方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この変性方法では、架橋反応により高分子量のポリエチレンが生成し、その結果、ポリエチレンの粘度増加によるインフレーション成形時の吐出量の低下、モータ負荷の増加という問題だけでなく、高分子量成分の生成によりフィルム上にフィッシュアイが発生し、フィルムの品質を著しく悪化させるといった欠点があった。
一方、低偏肉性を目的として、特定の酸素濃度条件下でポリエチレンを造粒する技術が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、この技術においては、フィルムにゲルの発生がみられ、フィルムの品質が充分に満足し得るものではない。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−161131号公報
【特許文献2】
特開平7−276495号公報
【特許文献3】
特開平8−90633号公報
【特許文献4】
特開平11−71427号公報
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、インフレーション成形時における押出特性、バブル安定性等が良好であると共に、耐衝撃性、特に低偏肉性等の物性バランスに優れ、且つフィッシュアイの少ないインフレーションフィルムを与えるポリエチレン系樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を基材とする上記物性バランスに優れ、特に、偏肉特性に優れたインフレーションフィルムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、チーグラー型触媒を用いて、エチレン系樹脂を製造後、実質的に空気に接触させることなく押出機内に導入し、この系内で酸素含有ガスと接触させ、次いで溶融混練してなる密度が940〜970kg/m3であり、且つ長時間緩和成分指数が1.5〜10であるポリエチレン系樹脂が、インフレーション成形性(押出特性、バブル安定性等)及びフィルム物性(耐衝撃性、フィッシュアイ等)のバランスに優れ、特に偏肉特性に優れたインフレーションフィルムを得ることができ、インフレーションフィルム成形用に好適であることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、チーグラー型触媒を用いて得られた密度が940〜970kg/m3であり、且つ長時間緩和成分指数が1.5〜10のインフレーションフィルム成形用ポリエチレン系樹脂及び該樹脂の製造方法を提供するものである。
又、本発明は、上記方法で得られた変性ポリエチレン系樹脂を基材とするインフレーションフィルムを提供するものである。
【0007】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明のポリエチレン系樹脂の製造方法において、押出機内に導入するエチレン系樹脂は、チーグラー型触媒を用いて得られたものである。
即ち、チタン等の遷移金属成分と有機アルミニウム化合物等を含むチーグラー型触媒の存在下に、エチレン又はエチレンとα−オレフィンを重合させたものが用いられる。
具体的には、マグネシウム、チタン、ハロゲンを含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物を主成分とする、いわゆる、担持型チーグラー型触媒を用いることが好ましい。
重合形式としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等を用いることができる。これらの中では、分子量分布の制御が容易である点でスラリー重合が好ましい。
溶液重合、スラリー重合においては、不活性炭化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン自体を溶媒とすることもできる。
不活性炭化水素溶媒として具体的には、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の石油留分等が挙げられる。
これら不活性炭化水素溶媒のうち脂肪族系炭化水素、脂環族系炭化水素、石油留分等が好ましい。
【0008】
本発明においては、このポリエチレン系樹脂として、以下に示す性状を有するものが用いられる。
先ず、密度は940〜970kg/m3の範囲である。
この密度が940kg/m3未満では剛性が不充分であり、970kg/m3を超えると衝撃強度が低下する。
剛性及び耐衝撃性等を考慮すると、好ましい密度は945〜965kg/m3の範囲であり、特に945〜960kg/m3の範囲が好ましい。
更に、長時間緩和成分指数は1.5〜10の範囲である。
本長時間緩和成分指数が1.5以上になると、バブル安定性が向上し、偏肉が小さくなる。1.5未満では偏肉の低下が十分でない。10を超えると、フィッシュアイが増大したり、押出特性が低下することがある。
長時間緩和成分指数のより好ましい範囲は1.5〜5の範囲である。
長時間緩和成分とは、文字どおり緩和時間が長い成分を意味し、本発明では、周波数0.01(1/秒)以下で緩和する成分を指している。
通常の線状ポリマーでは、分子量が大きい成分ほど、分子鎖の絡み合いが強く、長い緩和時間を有する。
長時間緩和成分指数は、分子量分布から推定される周波数0.01(1/秒)以下の緩和成分量と、実測して得られる周波数0.01(1/秒)以下の緩和成分量の比を表している。
【0009】
通常の線状ポリマーでは、長時間緩和成分指数は1となるが、長鎖分岐や架橋など線状ポリマーより絡み合いが強い成分が存在すると、長時間緩和成分指数は1より大きくなる。
即ち、分子量分布が同じでも長時間緩和成分指数が大きいほど、ポリエチレン系樹脂の長時間緩和成分量が多いと考えられる。
歪み硬化指数が1〜8の範囲及び/又はヘキサン可溶分率が1.5質量%以下であることが好ましい。歪み硬化指数が8を超えたり、ヘキサン可溶分率が1.5重量%を超えると、耐衝撃性が低下する場合がある。
歪み硬化指数のより好ましい範囲は1〜6であり、ヘキサン可溶分率のより好ましい範囲は1.2質量%以下である。
ここで、溶融樹脂は、歪みをかけると硬くなる性質があり、この硬化の度合を表わすのが歪み硬化指数である。
即ち、硬化しやすい材料ほどこの値が大きくなる。この歪み硬化指数が大きすぎると、フィルムのMD配向が大きくなり、耐衝撃性が低下する恐れがある。
【0010】
本発明において用いられるエチレン系樹脂は単独重合で得られる重合体でもよいが、少なくとも2種類のポリエチレン(A)及び(B)とから構成されるエチレン系樹脂が押出特性や高速成形性に優れた材料が得られるという点でより好ましい。
この場合、ポリエチレン(A)と(B)を均一に混合する必要がある。
従って、予め製造されたポリエチレン(A)と(B)とのパウダーをドライブレンドし、その後十分に溶融混練する方法でポリエチレン系樹脂を製造することが好ましい。
ポリエチレン(A)と(B)をペレットとしてドライブレンドした場合には、十分均一に混合されず、フィルム成形時でのバブル安定性が確保されないだけでなく、フィルムに大量のフィッシュアイが発生する恐れがあるからである。
【0011】
十分均一に混合する他の方法として、2段階以上の連続多段重合により製造する方法も好ましく用いることができる。
この場合、前段でポリエチレン(A)を製造し、後段にてポリエチレン(B)を製造するのがよい。
又、前記ポリエチレン(A)は、温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR2と略記する。)が、通常40〜2000g/10分、より好ましくは50〜1500g/10分、更に、好ましくは100〜1000g/10分である。
このMFR2が40g/10分末端になると流動性が低下する恐れがあり、一方、2000g/10分を超えると成形機のダイ近辺に目やにが発生するだけでなく、フィルム強度が低下し、フィルムにフィッシュアイが発生する場合がある。
【0012】
又、ポリエチレン(A)の密度は、通常930〜985kg/m3が好ましく、より好ましくは、950〜985kg/m3、更に、好ましくは960〜985kg/m3である。
この密度が930kg/m3未満であるとフィルムの剛性が低下する恐れがある。又、このポリエチレン(A)はエチレンの単独重合体であることが好ましい。
一方、ポリエチレン(B)としては、エチレンの単独重合体や共重合体を挙げることができるが、好ましくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である。
ポリエチレン(A)よりも高分子量のポリエチレン(B)を用いた場合において、ポリエチレン(B)がエチレンとα−オレフィンとの共重合体である場合、ポリエチレン(A)と(B)で構成されるエチレン系樹脂の高分子量側に分岐が導入される。すると、タイ分子が増加し、結果としてフィルムの強度が増大する。
【0013】
α−オレフィンとしては、炭素数3〜20のものが好ましく、特に、炭素数4〜10のものが好ましい。この理由は、このようなコモノマーの使用により、タイ分子が特に増加するからである。
一方、炭素数10を超えるα−オレフィンでは、エチレンとの共重合性が低下する場合があるので、炭素数10以下のα−オレフィンを使用することが好ましい。
α−オレフィンの具体例としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができ、より好ましくは1−ブテンを挙げることができる。
【0014】
押出機内で酸素含有ガスと接触するエチレン系樹脂のα−オレフィンの含有量としては、2モル%以下が好ましい。
この理由は、十分、腰のあるフィルムが得られるからである。腰の欠けるフィルムは、製袋不良を起こしやすい。
α−オレフィンの含有量の好ましい下限値は、0.05モル%である。
0.05モル%未満では、耐衝撃性が低下する場合がある。
又、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)との割合は、重量比(質量比)で、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは40:60〜60:40、更に好ましくは50:50〜60:40である。
ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)との合計量に基づき、ポリエチレン(A)が30質量%未満では流動性に劣り、70質量%を超えるとフィルムにフィッシュアイが発生する場合がある。
トータルのポリエチレン[(A)+(B)]の密度は、940〜970kg/m3、好ましくは945〜965kg/m3、更に好ましくは945〜960kg/m3である。
【0015】
本発明において、長時間緩和成分指数を下記のような方法で1.5〜10の範囲に容易に調整することができる。
即ち、チーグラ一型触媒を用いて重合したエチレン系樹脂を系内にて乾燥処理した後、実質的に空気に接触させることなく押出機内に導入し、押出機内で酸素含有ガスと接触させる。その後、溶融混練してペレット状のポリエチレン系樹脂を得る。
押出機内で酸素に接触させることが長時間緩和成分指数を1.5以上にすることに、又、実質的に空気に接触させずに押出機に導入することが長時間緩和成分指数を10以下に押さえることに効果がある。
前記特許文献4には、窒素雰囲気下で、ポリエチレン樹脂粉末を押出機に導入し、特定の酸素濃度下で溶融混練を行なう技術が開示されている。
しかし、本手法では、ポリエチレン樹脂粉末をホッパーに導入する際、空気との接触はさけられず、長時間緩和成分指数が10を超え、フィルムにゲルが発生する。
粉状エチレン系樹脂と空気との接触を避けるためには、窒素雰囲気下にある系内で、重合−乾燥−混練を連続的に行うことが望ましい。
本発明と類似した方法により、クロム系触媒で製造されたポリエチレン系樹脂を酸素含有ガスで変性する技術が前記特許文献3に開示されている。
この方法は、温度190℃、角周波数1.5×10-2rad/秒で測定されるtanδが、溶融混練の前後で減少することを特徴としている。
【0016】
本発明では、チーグラー型触媒で製造されたエチレン系樹脂を用いており、溶融混練前後でtanδが増大する。
クロム系触媒で製造されたポリエチレン系樹脂は、歪み硬化指数が8を超えることがあり、耐衝撃性が低下する可能性があることから、チーグラ一型触媒で製造されたエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
押出機としては、同方向回転二軸押出機、異方向回転二軸押出機等、二軸スクリューを持つものが十分な混練を行なうことができる点で好ましい。
同方向回転二軸押出機の例としては、日本製鋼所製TEX、CMP−X、CMP−XII、東芝機械製TEM、神戸製鋼所製KTX、KRUPP WERNER&PFLEIDERER製ZSK等が挙げられ、異方向回転二軸押出機の例としては、日本製鋼所CIM、CIM−P、CIM−PII、神戸製鋼所FCM、LCM−G、LCM−H等が挙げられる。
又、これら押出機の複数の組み合わせ(二段目が単軸押出機も含む)であるタンデム押出機も用いることができる。
【0017】
酸素含有ガスとの接触については、押出機のホッパー、ホッパーシュート、固体輸送部、可塑化部のいずれの領域でもその効果が発現する。
更に、押出機へのフィーダー等における接触でも、酸素含有ガスが押出機まで同伴される場合は、同様な効果が発現する。
この領域では樹脂がパウダー状であるため、より均一に酸素含有ガスが樹脂に接触すると考えられるからである。
従って、より好ましくは押出機のホッパー、ホッパーシュート、固体輸送部である。固体輸送部で効率よくエチレン系樹脂のパウダーの輸送を行い、エチレン系樹脂がより一層均一に混合するためには、このパウダーの嵩密度が0.2〜0.6g/cm3であるのが好ましく、より好ましくは、0.3〜0.4g/cm3である。
【0018】
混練時の比エネルギーは、ポリエチレン系樹脂の吐出量1kg当たり、0.05〜0.5kw・hが好ましく、より好ましくは、0.07〜0.4kw・hである。
酸素含有ガス中の酸素濃度は、通常0.5〜50体積%、好ましくは1〜21体積%、より好ましくは1〜5体積%である。
この酸素濃度が0.5体積%未満ではバブル安定化の効果が充分に発揮されない恐れがあり、50体積%を超えると得られる変性ポリエチレン系樹脂が黄変する上、製造時における安全性が確保できない場合がある。
酸素濃度は、電気伝導度を利用した装置又は気相クロマトグラフを用いた測定器で測定しながら調整することができる。
例えば、酸素を含む混合ガスをホッパーにてエチレン系樹脂と接触させる場合には、測定器のセンサーは、ホッパーの内側、若しくは押出成形機の固体輸送部の入口付近の下部に設置させることが好ましい。
【0019】
又、エチレン系樹脂が溶融する前に、所望により、4000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは2000ppm以下の酸化防止剤を適宜、添加することができる。
酸化防止剤の添加量の好適な下限値としては、100ppmである。
樹脂によっては本発明の製造方法を用いた場合、本発明の目的が、充分に達せられず、ポリエチレン系樹脂が黄変する場合があるからである。
この酸化防止剤としては、例えば、フェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤,ヒンダードアミン系安定剤等を用いることができる。
【0020】
フェノール系安定剤としては、例えば、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐エチルフェノール、2,6‐ジシクロヘキシル‐4‐メチルフェノール、2,6‐ジイソプロピル‐4‐エチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐アミル‐4‐メチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐オクチル‐4‐n‐プロピルフェノール、2,6‐ジシクロヘキシル‐4‐n‐オクチルフェノール、2‐イソプロピル‐4‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール、2‐t‐ブチル‐2‐エチル‐6‐t‐オクチルフェノール、2‐イソブチル‐4‐エチル‐5‐t‐ヘキシルフェノール、2‐シクロヘキシル‐4‐n‐ブチル‐6‐イソプロピルフェノール、スチレン化混合クレゾール、dl‐α‐トコフェロール、t‐ブチルヒドロキノン、2,2′‐メチレンビス(4‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐チオビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐チオビス(4‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐メチレンビス(2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐メチレンビス[6‐(1‐メチルシクロヘキシル)‐p‐クレゾール]、2,2′‐エチリデンビス(4,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐ブチリデンビス(2‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール)、1,1,3‐トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t‐ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール‐ビス[3‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6‐ヘキサンジオール‐ビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2′‐チオジエチレンビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′‐ヘキサメチレンビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐ヒドロシンナミド)、3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジルホスホネート‐ジエチルエステル、1,3,5‐トリス(2,6‐ジメチル‐3‐ヒドロキシ‐4‐t‐ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5‐トリス[(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメチル‐3‐ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4‐ビス(n‐オクチルチオ)‐6‐(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジ‐t‐ブチルアニリノ)‐1,3,5‐トリアジン、テトラキス[メチレン‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、ビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)ニッケル、ビス[3,3‐ビス(3‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、N,N′‐ビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2′‐オキザミドビス[エチル‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2‐t‐ブチル‐4‐メチル‐6‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐2‐ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5‐トリメチル‐2,4,6‐トリス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9‐ビス〔1,1‐ジメチル‐2‐[β‐(3‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル〕‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2‐ビス〔4‐[2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)]エトキシフェニル〕プロパン及びステアリル‐β‐(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジ‐t‐ブチルフェノール)プロピオネート等のβ‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの中では、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、ステアリル‐β‐(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジ‐t‐ブチルフェノール)プロピオネート、2,2′‐エチリデンビス(4,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール)及びテトラキス[メチレン‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好適である。
【0021】
有機ホスファイト系安定剤としては、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、テトラトリデシル‐4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)‐ジホスファイト、4,4′‐イソプロピリデン‐ジフェノールアルキルホスファイト(ただし、アルキルは炭素数12〜15程度)、4,4′‐イソプロピリデンビス(2‐t‐ブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)‐1,1,3‐トリス(2‐メチル‐5‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、トリス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化‐4,4′‐イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)]・1,6‐ヘキサンジオールジホスファイト、ヘキサトリデシル‐1,1,3‐トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t‐ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス[4,4′‐イソプロピリデンビス(2‐t‐ブチルフェノール)]ホスファイト、トリス(1,3‐ジステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、9,10‐ジヒドロ‐9‐ホスファフェナンスレン‐10‐オキシド、テトラキス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)‐4,4′‐ビフェニレンジホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル・4,4′‐イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及びフェニルビスフェノール‐A‐ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中では、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト及びテトラキス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)‐4,4′‐ビフェニレンジホスファイトが好ましく、特にトリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ホスファイトが好適である。
【0022】
有機チオエーテル系安定剤としては、ジアルキルチオジプロピオネート及びアルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルを用いることが好ましい。
ここで使用されるジアルキルチオジプロピオネートとしては、炭素数6〜20のアルキル基を有するジアルキルチオジプロピオネートが好ましく、又、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとしては、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルが好ましい。
この場合に多価アルコールエステルを構成する多価アルコールの例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等を挙げることができる。
このようなジアルキルチオジプロピオネートとしては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート及びジステアリルチオジプロピオネート等を挙げることができる。
一方、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとしては、例えば、グリセリントリブチルチオプロピオネート、グリセリントリオクチルチオプロピオネート、グリセリントリラウリルチオプロピオネート、グリセリントリステアリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリブチルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリオクチルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリラウリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリステアリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプロピオネート等を挙げることができる。
これらの中では、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネートが好適である。
【0023】
ヒンダードアミン系安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[6‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)イミノ‐1,3,5‐トリアジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルベンゾエート、ビス‐(1,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)‐2‐n‐ブチルマロネート、ビス‐(N‐メチル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、1,1′‐(1,2‐エタンジイル)ビス(3,3,5,5‐テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、N,N′‐ビス(3‐アミノプロピル)エチレンジアミン‐2,4‐ビス[N‐ブチル‐N‐(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミノ]‐6‐クロロ‐1,3,5‐トリアジン縮合物、ポリ[6‐N‐モルホリル‐1,3,5‐トリアジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミド]、N,N′‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2‐ジブロモエタンとの縮合物、[N‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐メチル‐2‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]プロピオンアミド等を挙げることができる。
【0024】
これらのヒンダードアミン系安定剤の中では、特に、コハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[6‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)イミノ‐1,3,5‐トリアジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)‐2‐n‐ブチルマロネート、1,1′‐(1,2‐エタンジイル)ビス(3,3,5,5‐テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、N,N′‐ビス(3‐アミノプロピル)エチレンジアミン‐2,4‐ビス[N‐ブチル‐N‐(1,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミノ]‐6‐クロロ‐1,3,5‐トリアジン縮合物、ポリ[6‐N‐モルホリル‐1,3,5‐トリアジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルイミド]、N,N′‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2‐ジブロモエタンとの縮合物、[N‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐メチル‐2‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]プロピオンアミドが好適である。
【0025】
このようにして得られた本発明のポリエチレン系樹脂には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、例えば中和剤(金属セッケン、ハイドロタルサイト系)、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤等の添加剤を配合することができる。
【0026】
本発明のインフレーションフィルムは、前記ポリエチレン系樹脂を基材とするものであって、インフレーション成形方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができるが、成形条件としては、温度160〜340℃、ブローアップ比1.1〜6.0の範囲が好ましい。
この温度が160℃未満ではポリエチレン系樹脂が充分に溶融しない恐れがあり、又、340℃を超えると樹脂が劣化し、フィルムの品質が低下する場合がある。
一方、ブローアップ比が1.1未満であったり、6.0を超えると、縦横のバランスのよい高品質フィルムが得られにくい。
このようにして得られたインフレーションフィルムの厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0028】
樹脂の物性は、下記の方法に従って測定した。
(1)樹脂の物性
(イ)密度
試料は、JIS K6922−1 3.3.1項に準拠して調製し、JIS K7112に準拠して密度を測定した。
(ロ)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準拠し、190℃にて21.18N或いは49N荷重下の条件にて測定した。荷重21.18Nで測定したMFRをMFR2、又、49N荷重で測定したMFRをMFR5とする。
後記、第1表−1に示すように、ポリエチレン(A)、(B)からなる組成物のMFR測定には、MFR5を使用している。
この理由は、組成物の分子量が高いためMFR2で評価した場合、測定に時間がかかり、測定中に樹脂が劣化する恐れがあるからである。
【0029】
(ハ)α−オレフィン含有量(α−オレフィンに由来する単位の含量)の算出法
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)の帰属及びα−オレフィンの単位の定量方法は、J.Appl.Polym.Sci.第42巻、第399頁(1991年)記載の方法に準拠して求めた。
試料220mgを直径10mmのNMR試料管に入れ、1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10容量%)混合溶媒3ミリリットルを加え、次いで、アルミブロックヒーターを用いて140℃で均一に溶解した。
日本電子社製EX−400に試料管を装填し、プロトン完全デカップリング法により、下記の条件で核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定した。
(測定条件)
パルス幅:9.2μs(45°パルス)
スペクトル幅:25000Hz
測定温度:130℃
パルス繰り返し時間:4秒
積算回数:1000〜10000回
【0030】
(ニ)長時間緩和成分指数
長時間緩和成分指数は、GPC曲線と貯蔵弾性率G'(ω)を測定することにより決定される。即ち、GPCで得られた分子量と積分曲線の関係において
1/ω=A×MB
G'cal(ω)=GN 0W2
より、ω=0.01の時のG'cal(0.01)を計算する。
ここで、ω:周波数(rad/秒)、M:分子量、A=10-20、B=3.4、GN 0=2.4×106(Pa)、W:分子量M以上の質量分率である。
このG'cal(0.01)と実測したω=0.01(rad/秒)の時の貯蔵弾性率G'(0.01)とから、次式により長時間緩和成分指数Dを算出した。
D=G'(0.01)/G'cal(0.01)
尚、G'calは、一般の線状ポリマーに対して、分子量分布より予測される緩和スペクトルから、貯蔵弾性率G'を計算したものである。
[参考文献:W.H.Tuminello,W.H.Buck and D.L.Kerbow,Macromolecules、26、499(1993)]
GPC測定は下記の条件で行った。
高温GPC:Waters150CV+
GPCカラム:ShodexUT−806M(2本)
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:145℃
流速:1.0m1/min
検量線:ユニバーサルキャリブレーション
検出器:RI(Waters150C)
サンプル濃度:0.2%(W/V)
尚、データ解析は、VISCOTEK社GPC−PROソフトウェア(Ver.3.12)を使用した。
貯蔵弾性率G'の測定法は下記の通りである。
試料を190℃、3分間で溶融し、30秒間のガス抜き後、圧縮成形により厚さ1mmの試料片を作成した。冷却後、この試料片を2枚の平板間に挟み、190℃、歪み15%、平板間ギャップ1.15mmの条件下で動的歪みを与え、貯蔵弾性率G'の周波数依存性を測定した(測定装置:レオメトリック社ARES)。
【0031】
(ホ)歪み硬化指数
歪み硬化指数Aの測定は、測定装置として岩本製作所(株)製の延伸レオメータを用い、東洋精機(株)製の20mmφ小型押出機(回転数5rpm、設定温度190℃)により作成した長さ30cm、直径3mmの円筒状試料を150℃のシリコンオイル中に15分間静置した後、回転ローラーに取り付け、試料の「たるみ」を取り除いた後、所定のローラー回転速度で延伸させ張力及び試料の直径の時間変化を測定した。
この直径の時間変化より次式に従って歪み速度が算出される。
ln[d(t)/d。]=−(ε/2)t
[d。:初期直径、d(t):t秒後の直径、ε:歪み速度]
尚、d(t)の測定は、タイマー付きビテオにより行なった。
次に、この歪み速度より次式に従って伸長粘度が算出される。
Z(ε,t)=S(t)/ε
[S(t):t秒後の張力F(t)とd(t)より計算される伸長応力]
ここで、S(t)=張力F(t)/[π(d(t)/2)2]である。
歪み硬化指数Aは、測定温度150℃、上記の歪み速度を0.05(1/秒)の一定とした際の所定の伸長粘度を用いて次式に従って算出される。
A=Z50/Z10
[Z10及びZ50は、150℃、歪み速度0.05(1/秒)の一定歪み速度伸長粘度のそれぞれ10秒及び50秒における値である。]
【0032】
(ヘ)沸騰ヘキサン可溶分率
沸騰ヘキサン可溶分率の測定法は、ポリエチレン系樹脂ペレットをロータリーカッター付き粉砕機(カスガ社製)により、最大長さ≦2mmになるまで粉砕する。得られた粉砕物約3gを用い、約1回/1分の割合でサイフォン現象が生じるように還流時間を調整しながら沸騰ヘキサンにてソックスレー抽出を6時間行う。
抽出終了後、残ったポリエチレンを70℃下、3時間乾燥した後、室温まで冷却しその重量を測定する。
抽出前及び後の粉砕ポリエチレン重量をW1、W2とし、(W1−W2)/W1×100の値を沸騰ヘキサン可溶分率(%)として求めた。
【0033】
フィルムの成形性、物性は、下記の方法に従って測定した。
(2)フィルムの成形性
(イ)インフレーション成形条件
押出機:プラコーNLM(50mmφ)
ダイス型式:プラコーSG−11−100F6特
リップ部 外径:100mmφ、ギャップ:1.2mm、
ランド長:20mm
スパイラル部 外径:110mmφ、条数:6
吐出量:56kg/hr、引き取り速度:42m/min、
フィルム折り径:500mm
フィルム厚み:20μm、設定温度:200℃、ブローアップ比:3.4
(ロ)バブル安定性
上記条件でインフレーション成形を実施し、溶融バブルの揺れを目視で観察する。揺れが少なく、バブルが安定していれば、バブル安定性を○とし、激しくバブルが揺れている場合を×とした。
【0034】
(3)フィルムの物性
(イ)フィルムの厚み偏差
フィルムの厚みを円周方向に連続的に測定し、そのデータ群の標準偏差を求め、偏肉の尺度として用いた。
(ロ)衝撃強度
インフレーション成形後、JISの標準温度状態2級(23±2℃)及び標準湿度状態2級(50±5%RH)にて、状態調節時間24時間以上置いてからフィルムインパクトテスター(東洋精機製作所製)を用いて、インフレーションフィルムの衝撃強度を測定した。ハンマー容量を294N・cmと設定した。
(ハ)フィッシュアイ(FE)
FEとは、フィルム面に現れる球状の塊及びスジ状態のものをいう。インフレーションフィルムを蛍光灯に透かして、目視でフィルム1000cm2 中のFEの個数をカウントした。
【0035】
(4)エチレン系樹脂パウダーの製造方法
(イ)触媒成分の製造
(1)固体物質の調製
攪拌機付きのガラス製反応器(内容積0.5リットル)を窒素ガスで充分に置換した後、金属マグネシウム8g、エタノール121g及びヨウ素0.1gを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状生成物を得た。
この固体状生成物を含む反応溶液を減圧乾燥することにより得た固体25g、ヘキサン200ミリリットルをステンレス製ボールミル(内容積400ミリリットル、ステンレス製ボールの直径1.2cmを100個)に入れて10時間粉砕を行なった。ヘキサンを減圧留去後、得られた固体物質の粒径は、平均で4.4μm、最大で11.0μmであった(レーザースキャン分析方法を用いたGALAI社製粒径分布アナライザーCIS−1で、粒径を測定した。)
(2)固体触媒成分の調製
窒素ガスで十分に置換したガラス製三つロフラスコ(内容積0.5リットル)に上記で得られた固体物質15g及び脱水したヘキサン350ミリリットルを加え、攪拌下で四塩化ケイ素3.8ミリリットル、エタノール3.8ミリリットルを加えて、70℃で2時間反応を行なった。
次いで、四塩化チタン20ミリリットルを加えて、70℃で6時間反応させた後、ヘキサンで洗浄して固体触媒成分を得た。この固体触媒成分1g当たりのチタン含有量を比色法により測定したところ44mgであった。
【0036】
(ロ)エチレン系樹脂パウダーIの製造方法
1段目重合を以下のようにして行なった。即ち、内容積200リットルの攪拌機付き重合装置に、エチレン6.0Kg/時、ヘキサン17リットル/時、水素70リットル/時の割合で連続的に供給するとともに、前記の固体触媒成分をチタン原子換算で1ミリモル/時、トリエチルアルミニウムを2.8ミリモル/時、及びジエチルアルミニウムクロライドを30.2ミリモル/時の速度で導入し、重合温度80℃、滞留時間3.5時間の条件下で連続的に重合を行なった。
得られたポリエチレンを含むヘキサンの懸濁溶液を同温度(80℃)にて水素脱気層に導き、水素を分離した後、そのまま全量を次の2段目の重合反応器(内容積200リットル)へ導いた。
2段目の重合器には、さらにエチレンを5.3kg/時、ヘキサン15.1リットル/時、ブテン−1を280g/時、及び水素を0.1リットル/時の速度で供給し、重合温度80℃、滞留時間2.6時間の条件下で連続的に行い、エチレン系重合体(エチレン−ブテン−1共重合体)を得た。
得られたエチレン系共重合体のヘキサン懸濁溶液を60℃の雰囲気下、遠心分離器にて固液分離を行ないウェットなパウダーケーキを分離する。
このパウダーケーキを100℃に調整したパウダー乾燥機にて滞留時間1時間の条件下で連続的に乾燥させた。
乾燥後のエチレン系樹脂パウダーIを一部装置から抜き出して測定した結果、その密度は949kg/m3であり、190℃、49N荷重下のMFR5は0.20g/10分、ブテン−1に由来する単位の含量は0.45モル%であった(表1−1参照)。
尚、一段目終了後のポリエチレン樹脂を抜出し、乾燥した後、密度及び190℃、21.18N荷重下のMFR2を測定した。
エチレン投入量の比から、1段目で生成したポリマー(ポリマーA)と2段目で生成したポリマー(ポリマーB)との比を算出した。
その結果も第1表−1に示す。
【0037】
(ロ)エチレン系樹脂パウダーIIの製造方法
エチレン系樹脂パウダーIの製造方法において、2段目のエチレンを5.1kg/時、ヘキサンを14.5リットル/時、ブテン−1を200g/時、及び水素を0.1リットル/時の速度で供給し、滞留時間を2.4時間とした以外は、エチレン系樹脂パウダーIの製造方法と同様にして、エチレン系樹脂パウダーIIを製造した。
乾燥後のエチレン系樹脂パウダーIIを装置から抜き出して測定した結果、その密度は952kg/m3であり、190℃、49N荷重下のMFR5は0.18g/10分、ブテン−1に由来する単位の含量は0.39モル%であったであった(表1−1参照)。
尚、一段目終了後のポリエチレン樹脂を一部抜出し、乾燥した後、密度及び190℃、21.18N荷重下のMFR2を測定した。その結果も第1表−1に示す。
【0038】
(ハ)エチレン系樹脂パウダーIIIの製造方法
エチレン系樹脂パウダーIの製造方法において、2段目のエチレンを5.5kg/時、ヘキサンを15.7リットル/時、ブテン−1を80g/時、及び水素を0.1リットル/時の速度で供給し、滞留時間を2.8時間とした以外は、エチレン系樹脂パウダーIの製造方法と同様にして、エチレン系樹脂パウダーIIIを製造した。
乾燥後のエチレン系樹脂パウダーIIIを装置から抜き出して測定した結果、その密度は956kg/m3であり、190℃、49N荷重下のMFR5は0.24g/10分、ブテン−1に由来する単位の含量は0.25モル%であったであった(表1−1参照)。
尚、一段目終了後のポリエチレン樹脂を一部抜出し、乾燥した後、密度及び190℃、21.18N荷重下のMFR2を測定した。その結果も第1表−1に示す。
【0039】
実施例1
エチレン系樹脂パウダーIに一度も空気を触れないようにして、酸化防止剤としてイルガホス168[チバスペシャリティーケミカルズ社製](1000ppm)、酸化防止剤としてイルガノックス1010[チバスペシャリティーケミカルズ社製](500ppm)、中和剤としてステアリン酸カルシウム(3000ppm)をブレンドし、連続的にタンデム型二軸混練押出機の供給ホッパー中に導入した。
図1に示すように、この押出機の一段目は二軸混練機CIM−50(日本製鋼所製)で、二段目が単軸押出機P65−13SW(日本製鋼所製)である。
第1表−2に示すように、一段目の供給ホッパーにて酸素の添加濃度を変化させ、酸素含有ガスを導入した。この混練機を用いて溶融混練を行い、ストランドカット後、4種のペレット状のポリエチレン系樹脂を得た。
混練・押出条件を第1表−2に示す。尚、図1は、本実施例で使用した押出機の概念図である。
得られたポリエチレン系樹脂を用いて上記の条件にてインフレーション成形を行なった。
4種のポリエチレン系樹脂の物性及びフィルム物性の評価結果を第1表−3に示す。
【0040】
実施例2
第1表−1に示したエチレン系樹脂パウダーII及びIIIを用い、第1表−2に示す条件1にて実施例1と同様にして、2種のペレット状のポリエチレン系樹脂を得た。結果を第2表に示す。
【0041】
実施例3
エチレン系樹脂パウダーIに一度も空気を触れないようにして、酸化防止剤としてイルガホス168[チバスペシャリティーケミカルズ社製](900ppm)、酸化防止剤としてイルガノックス1010[チバスペシャリティーケミカルズ社製](600ppm)、中和剤としてステアリン酸カルシウム(2800ppm)をブレンドした後、窒素置換された200リットルSUS製容器に、採取した。
採取パウダーの入ったSUS製容器は、押出機フィーダーと接合し、フィーダー内を完全に窒素で置換後、ゲートを開き加圧窒素を供給しながら、フィーダー内へパウダーを供給した(図2(a)参照)。
使用した二軸押出機は、同方向回転二軸押出機TEX30HSS−32.5PW−2V(日本製鋼所製)である。
表3−1に示すように、酸素の添加位置、添加濃度を変化させ、溶融混練を行い、ストランドカット後、ペレット状の変性ポリエチレン樹脂を得た。なお、ここでは、酸素含有ガスをホッパーシュート(図2(a)参照)あるいは第二シリンダー(図2(b)参照)から導入した。結果を第3表−2に示す。
尚、図2(a)は、本実施例で使用した押出機の概念図であり、図2(b)は、図2(a)で示す押出機部の拡大図である。図中、符号1はSUS製容器、2はフィーダー、3はシュートである。
【0042】
比較例
第1表−1に示したエチレン系樹脂パウダーI、II及びIIIを用い、第1表−2に示す条件1で酸素濃度のみを0%に変えた他は、実施例1と同様にして3種のペレット状ポリエチレン系樹脂を得た。結果を第4表に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、インフレーション成形時における押出特性、バブル安定性等が良好であると共に、耐衝撃性、特に低偏肉性等の物性バランスに優れ、且つフィッシュアイの少ないインフレーションフィルムを与えるポリエチレン系樹脂及び該樹脂を基材とする上記物性バランスに優れ、特に偏肉特性に優れたインフレーションフィルムが得られる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2で使用した押出機の概要図である。
【図2】実施例3で使用した押出機の概要図(a)及びその押出機部の拡大図(b)である。図2において、各符号は次のとおりである。
【0052】
【符号の説明】
1:SUS製容器、2:フィーダー、3:シュート
Claims (15)
- チーグラー型触媒を用いて、エチレン系樹脂を製造後、実質的に空気に接触させることなく押出機内に導入し、この系内で酸素含有ガスと接触させ、次いで溶融混練してなる密度が940〜970kg/m3及び長時間緩和成分指数が1.5〜10であることを特徴とするポリエチレン系樹脂。
- 歪み硬化指数が1〜8である請求項1記載のポリエチレン系樹脂。
- ヘキサン可溶成分量が1.5質量%以下である請求項1又は2記載のポリエチレン系樹脂。
- エチレン系樹脂がチーグラー型触媒を用いスラリー重合法で得られたものである請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂。
- 押出機内でエチレン系樹脂と接触させる酸素含有ガスの酸素濃度が0.5〜50体積%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂。
- エチレン系樹脂が溶融する前に、エチレン系樹脂に対し酸化防止剤4000ppm以下を添加する請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂。
- 押出機が、二軸スクリュー押出機である請求項1〜6のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂。
- エチレン系樹脂に含まれるα−オレフィンが、炭素数3〜20で、且つその含有量が2モル%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂。
- エチレン系樹脂が、2段階以上の連続多段重合により製造されたものであり、前段でメルトフローレート(温度190℃、荷重21.18N)が40〜2000g/10分で、密度930〜985kg/m3のポリエチレン(A)を製造し、次いで後段で該ポリエチレン(A)の存在下でポリエチレン(B)を製造し、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)との割合が質量比で30:70〜70:30である請求項1〜8のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂。
- チーグラー型触媒を用いスラリー重合法でエチレン系樹脂を製造後、実質的に空気に接触させることなく押出機内に導入し、この系内で酸素含有ガスと接触させ、次いで溶融混練し、密度が940〜970kg/m3及び長時間緩和成分指数が1.5〜10であるポリエチレン系樹脂の製造方法。
- チーグラー型触媒を用いスラリー重合法でエチレン系樹脂を製造後、実質的に空気に接触させることなく押出機内に導入し、この系内で酸素含有ガスと接触させ、次いで溶融混練し、密度が940〜970kg/m3、長時間緩和成分指数が1.5〜10、歪み硬化指数が1〜8及びヘキサン可溶成分量が1.5質量%以下である請求項10に記載のポリエチレン系樹脂の製造方法。
- 押出機内でエチレン系樹脂と接触させる酸素含有ガスの酸素濃度が0.5〜50体積%である請求項10又は11に記載のポリエチレン系樹脂の製造方法。
- エチレン系樹脂に含まれるα−オレフィンが、炭素数3〜20で、且つその含有量が2モル%以下である請求項10〜12のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂の製造方法。
- エチレン系樹脂が、2段階以上の連続多段重合により製造されたものであり、前段でメルトフローレート(温度190℃、荷重21.18N)が40〜2000g/10分で、密度930〜985kg/m3のポリエチレン(A)を製造し、次いで後段で該ポリエチレン(A)の存在下でポリエチレン(B)を製造し、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)との割合が質量比で30:70〜70:30の範囲になるように調整した請求項10〜13のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂を用いたインフレーションフィルム。
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