JP5309449B2 - エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法に関するものである。
エチレン−α−オレフィン−共役ジエン共重合体などのエチレン−α−オレフィン系共重合体は、自動車用材料、工業機器用材料、OA機器用材料、建築用材料などに幅広く用いられている。このエチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法としては、エチレン−α−オレフィン系共重合体を、各用途にあわせて所望の物性の重合体とするため、2種類のエチレン−α−オレフィン系共重合体を夫々製造し、次にそれらを溶融混合する方法が知られている。
他の製造方法としては、2槽以上の重合反応器が直列に連結された多段重合反応装置を用いて、エチレン−α−オレフィン系共重合体を連続多段重合により製造する方法が知られている。例えば、特許文献1、2には、第1重合反応器で前段の重合を行った後、反応液の全量と追加の溶媒、モノマー等を、第1重合反応器と同容積の第2重合反応器に供給し、第2重合反応器で後段の重合を行うエチレンとプロピレンと5−エチリデン−2−ノルボルネンとの連続多段重合が記載されている。また、特許文献2には、連続多段重合による製造方法は、経済的に有利であるとされている。
特開昭57−131212号公報 特表2002−505357号公報
しかしながら、従来の連続多段重合によるエチレン−α−オレフィン系共重合体の製造では、得られるエチレン−α−オレフィン系共重合体は、押出加工性において十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、連続多段重合によるエチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法であって、押出加工性に優れるエチレン−α−オレフィン系共重合体が得られる製造方法を提供することにある。
本発明は、2槽の重合反応器が直列に連結された重合反応装置を用いて、オレフィン重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを溶媒中で連続重合するエチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法であって、下記(1)〜(6)を全て充足する重合条件で重合を行うエチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法にかかるものである。
(1)第1槽の重合温度(T1):−20〜200℃
(2)第1槽の重合圧力(P1):0.1〜10MPa
(3)第2槽の重合温度(T2):−20〜200℃
(4)第2槽の重合圧力(P2):0.1〜10MPa
(5)第1槽の平均滞留時間(τ1、単位:hr)と第2槽の平均滞留時間(τ2、単位:hr)との比(τ1/τ2):1.2〜10
(6)下式値G:2〜50
G=(H1/M1)/(H2/M2)
H1:第1槽への連鎖移動剤供給量(mol/hr)
M1:第1槽への総モノマー供給量(mol/hr)
H2:第2槽への連鎖移動剤供給量(mol/hr)
M2:第2槽への総モノマー供給量(mol/hr)
(但し、H2およびM2は、第1槽からの流れ込み量を含む。)
本発明により、押出加工性に優れるエチレン−α−オレフィン系共重合体が得られる連続多段重合によるエチレン−α−オレフィン系共重合体製造方法を提供することができる。
本発明は、2槽の重合反応器が直列に連結された重合反応装置を用いて、オレフィン重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを溶媒中で連続重合するものである。
オレフィン重合触媒としては、遷移金属化合物と活性化助触媒とを接触処理してなる触媒が用いられ、例えば、遷移金属化合物としてバナジウム化合物を、活性化助触媒として有機アルミニウム化合物を用いた触媒;遷移金属化合物としてシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する配位子を有する遷移金属化合物を、活性化助触媒として有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、有機アルミニウム化合物などを用いた触媒などをあげることができる。
バナジウム化合物としては、一般式VO(OR)n3-n(但し、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0〜3である数を示す。)で示される化合物をあげることができ、より具体的には、VOCl3、VO(OCH3)Cl2、VO(OCH32Cl、VO(OCH33、VO(OC25)Cl2、VO(OC252Cl、VO(OC253、VO(OC37)Cl2、VO(OC372Cl、VO(OC373あるいはこれらの混合物を例示することができる。
シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する配位子を有する遷移金属化合物としては、一般式R1 k2 l3 m4 n1(ただし、M1は、元素の周期律表の第4属の遷移金属化合物(ジルコニウム、チタン、ハフニウム等)であり、R1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する配位子であり、R2,R3およびR4は、それぞれシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する配位子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子または水素原子であり、kおよびlは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。)で示されるメタロセン系化合物があげられ、該メタロセン系化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)チタニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルチタニウム、エチレンビス(インデニル)メチルチタニウムクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルチタニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)モノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなどがあげられる。
有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、ジイソブチルヘキシルアルミニウム、ジイソブチルオクチルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウム、イソブチルジオクチルアルミニウムなどをあげることができる。
有機アルミニウムオキシ化合物としては、テトラメチルジアルミノキサン、テトラエチルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テトラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘキシルアルミノキサンなどがあげられる。
ホウ素化合物としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげることができる。
遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との接触処理において、有機アルミニウム化合物の接触処理量は、遷移金属原子1molあたり、有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子換算として、通常、2〜2000molであり、好ましくは4〜1500molであり、より好ましくは6〜1000molである。また、遷移金属化合物と有機アルミニウムオキシ化合物との接触処理において、有機アルミニウムオキシ化合物の接触処理量は、遷移金属原子1molあたり、有機アルミニウムオキシ化合物のアルミニウム原子換算として、通常、1〜10000molであり、好ましくは5〜7500molであり、より好ましくは10〜5000molである。遷移金属化合物とホウ素化合物の接触処理において、ホウ素化合物の接触処理量は、遷移金属原子1molあたり、ホウ素化合物のホウ素原子換算として、通常、1〜20molであり、好ましくは1.5〜15molであり、より好ましくは2〜10molである。
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐オレフィンをあげることができる。α−オレフィンは、1種以上用いられ、好ましくは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであり、より好ましくは、プロピレン、1−ブテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
本発明においては、エチレンとα−オレフィンに加えて、他の共重合可能なオレフィン性モノマーを用いて、共重合をおこなってもよい。該オレフィン性モノマーとしては、ポリエン、ビニル芳香族化合物、ビニル脂環式化合物、環状オレフィンなどをあげることができる。
ポリエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,9−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、1,13−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−エチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、7−メチル−2,5−ノルボルナジエン、7−エチル−2,5−ノルボルナジエン、7−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、7−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ペンチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ヘキシル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−メチルエチル−2,5−ノルボルナジエン、7−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、7−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、7−フルオロ−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジクロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−メチル−2,5−ノルボルナジエン、1−エチル−2,5−ノルボルナジエン、1−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、1−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、1−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−ブロモ−2,5−ノルボルナジエンなどをあげることができる。
また、ポリエンとしては、下記の構造の化合物もあげることができる。
Figure 0005309449
ポリエンは、1種以上用いられ、好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニルノルボルネン、ノルボルナジエンである。
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどをあげることがでる。また、ビニル脂環式化合物としては、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタンなどをあげることができる。環状オレフィンとしては、シクロヘキセン、2−ノルボルネンなどをあげることができる。
溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等の不活性溶媒を用いることができる。
重合反応装置としては、2槽の重合反応器が直列に連結され、第1槽の重合反応器で重合して得られた反応液を続いて第2槽の重合反応器に連続して供給して、エチレンとα−オレフィンと必要に応じて使用される他の共重合可能なオレフィン性モノマーとの重合ができる連続の多段重合反応装置が用いられる。
重合反応器には、撹拌翼を有する回転可能な撹拌軸が備えられ、該撹拌翼としては、傾斜パドル翼、タービン翼、アンカー翼、ヘリカルリボン翼、大型の板翼などが例示される。傾斜パドル翼、タービン翼などの小型の翼は多段に設置されていてもよい。また重合反応の除熱には、反応装置に備え付けられた温調ジャケットを用いる方式や、溶媒やモノマーなどの蒸発潜熱を利用して冷却する方式を任意に採用することができる
第1槽の重合反応器には、溶媒、重合触媒、モノマー(エチレン、α−オレフィン、必要に応じて他の共重合可能なオレフィン性モノマー)、連鎖移動剤を供給し、エチレンとα−オレフィンと必要に応じて他の共重合可能なオレフィン性モノマーとを溶媒中で連続重合して、エチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とを有する重合体成分(X)の製造を行う。また、重合触媒は、遷移金属化合物と活性化助触媒とを別々に重合反応器に供給して、重合反応器内で接触処理してもよく、各モノマーは、別々に供給してもよく、予め混合して供給してもよい。
連鎖移動剤としては、水素などが用いられ、好ましくは水素である。
第1槽での重合温度(T1)は、−20〜200℃であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは20〜120℃である。
第1槽での重合圧力(P1)は、0.1〜10MPaであり、好ましくは0.1〜5MPaであり、より好ましくは0.1〜3MPaである。
第1槽への連鎖移動剤供給量(H1、単位:mol/hr)と第1槽へのモノマー供給量(M1、単位:mol/hr)との比(H1/M1)は、通常、0.000022〜0.022であり、好ましくは0.000044〜0.0044である。
第1槽での溶液中のオレフィン重合触媒の濃度は、通常、遷移金属触媒換算で、通常、0.0001〜500μmol/gであり、好ましくは0.0005〜100μmol/gであり、より好ましくは0.001〜50μmol/gである。
第1槽で製造する重合体成分(X)の極限粘度(η1)は、1.0〜5.0dl/gであり、好ましくは1.2〜4.5dl/gであり、より好ましくは1.5〜4.0dl/gである。
第1槽で製造する重合体成分(X)のエチレンに基づく単量体単位の含有量(E1)は、好ましくは45〜80重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、更に好ましくは50〜65重量%である。但し、重合体成分(X)中のエチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位との総含有量を100重量%とする。該含有量は、赤外分光法により求めることができる。
第1槽で製造する重合体成分(X)のエチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位との総含有量は、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは88重量%以上であり、更に好ましくは90重量%以上である。但し、重合体成分(X)中の単量体単位の総含有量を100重量%とする。該含有量は、赤外分光法により求めることができる。
第2槽の重合反応器には、第1槽の重合反応器から送られる反応液、モノマー(エチレン、α−オレフィン、必要に応じて他の共重合可能なオレフィン性モノマー)、連鎖移動剤、必要に応じ、溶媒、重合触媒を供給し、エチレンとα−オレフィンと必要に応じて他の共重合可能なオレフィン性モノマーとを溶媒中で連続重合して、エチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とを有する重合体成分(Y)の製造を行う。また、重合触媒は、遷移金属化合物と活性化助触媒とを別々に重合反応器に供給して、重合反応器内で接触処理してもよく、各モノマーは、別々に供給してもよく、予め混合して供給してもよい。
第2槽での重合温度(T2)は、−20〜200℃であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは20〜120℃である。
第2槽での重合圧力(P2)は、0.1〜10MPaであり、好ましくは0.1〜5MPaであり、より好ましくは0.1〜3MPaである。
第1槽の平均滞留時間(τ1、単位:hr)と第2槽の平均滞留時間(τ2、単位:hr)との比(τ1/τ2)は1.2〜10であり、好ましくは1.25〜7.5である。
第1槽の平均滞留時間(τ1)は、第1槽の反応域体積(Xv、単位:L)と第1槽への1時間当りの液供給量(Xvl、単位:L/hr)との比(Xv/Xvl)であり、第2槽の平均滞留時間(τ2)は、第2槽の反応域体積(Yv、単位:L)と第2槽への1時間当りの液供給量(Yvl、単位:L/hr)との比(Yv/Yvl)である。
第2槽の反応域体積(Yv)は、第1槽の反応域体積(Xv)と第2槽の反応域体積(Yv)との比(Xv/Yv)が1/1〜1/10となるように調節することが好ましく、4/5〜1/3となるように調節することがより好ましい。
第2槽での溶液中のオレフィン重合触媒の濃度は、通常、遷移金属触媒換算で、通常、0.0001〜500μmol/gであり、好ましくは0.0005〜100μmol/gであり、より好ましくは0.001〜50μmol/gである。
第2槽への連鎖移動剤供給量(H2、単位:mol/hr)と第2槽へのモノマー供給量(M2、単位:mol/hr)との比(H2/M2)は、通常、0.00000044〜0.011であり、好ましくは0.0000089〜0.0022である。ここで、H2およびM2は、第1槽からの流れ込み量を含むものである。
また、第2槽への連鎖移動剤供給量(H2)と第2槽へのモノマー供給量(M2)との比(H2/M2)としては、下式値Gが2〜50を充足する値であり、好ましくは、該Gが2.5〜10を充足する値である。
G=(H1/M1)/(H2/M2)
H1:第1槽への連鎖移動剤供給量(mol/hr)
M1:第1槽への総モノマー供給量(mol/hr)
H2:第2槽への連鎖移動剤供給量(mol/hr)
M2:第2槽への総モノマー供給量(mol/hr)
第2槽で製造する重合体成分(Y)の極限粘度(η2)は、1.0〜5.0dl/gであり、好ましくは1.2〜4.5dl/gであり、より好ましくは1.5〜4.0dl/gである。
第2槽で製造する重合体成分(Y)のエチレンに基づく単量体単位の含有量(E2)は、好ましくは45〜80重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、更に好ましくは50〜65重量%である。但し、重合体成分(X)中のエチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位との総含有量を100重量%とする。該含有量は、赤外分光法により求めることができる。
第2槽で製造する重合体成分(Y)のエチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位との総含有量は、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは88重量%以上であり、更に好ましくは90重量%以上である。但し、重合体成分(Y)中の単量体単位の総含有量を100重量%とする。該含有量は、赤外分光法により求めることができる。
第1槽で製造する重合体成分(X)と第2槽で製造する重合体成分(Y)との重量比は、好ましくは1/4〜4/1であり、より好ましくは1/3〜3/1である。
第2槽の重合反応器から抜き出された反応液からは、公知の脱溶媒処理、乾燥処理などを行い、エチレン−α−オレフィン系共重合体を取り出すことができる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体の極限粘度は、好ましくは1〜3.5dl/gであり、より好ましくは1.2〜3dl/gである。また、オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3〜7である。なお、極限粘度は、70℃のキシレン溶液で測定される値であり、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定される。
エチレン−α−オレフィン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、好ましくは、45〜80重量%であり、より好ましくは50〜65重量%である。但し、エチレン−α−オレフィン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位との総含有量を100重量%とする。該含有量は、赤外分光法により求めることができる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位との総含有量は、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは88重量%以上であり、更に好ましくは90重量%以上である。但し、エチレン−α−オレフィン系共重合体中の単量体単位の総含有量を100重量%とする。該含有量は、赤外分光法により求めることができる。
本発明により得られるエチレン−α−オレフィン系共重合体は、自動車用材料、建築材料、工業用材料、電線用材料などの押出し加工製品用途やグロメットなどのインジェクション成形品用途に好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 2槽の重合反応器が直列に連結された重合反応装置を用いて、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する配位子を有する遷移金属化合物と活性化助触媒とを接触処理してなるオレフィン重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとポリエンとを溶媒中で連続重合するエチレン−α−オレフィン−ポリエン系共重合体の製造方法であって、下記(1)〜(6)を全て充足する重合条件で重合を行うことを特徴とするエチレン−α−オレフィン−ポリエン系共重合体の製造方法。
    (1)第1槽の重合温度(T1):−20〜200℃
    (2)第1槽の重合圧力(P1):0.1〜10MPa
    (3)第2槽の重合温度(T2):−20〜200℃
    (4)第2槽の重合圧力(P2):0.1〜10MPa
    (5)第1槽の平均滞留時間(τ1、単位:hr)と第2槽の平均滞留時間(τ2、単位:hr)との比(τ1/τ2):1.2〜10
    (6)下式値G:2〜50
    G=(H1/M1)/(H2/M2)
    H1:第1槽への連鎖移動剤供給量(mol/hr)
    M1:第1槽への総モノマー供給量(mol/hr)
    H2:第2槽への連鎖移動剤供給量(mol/hr)
    M2:第2槽への総モノマー供給量(mol/hr)
    (但し、H2およびM2は、第1槽からの流れ込み量を含む。)
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