JPH07103176B2 - 多段重合によるポリエチレンの製造方法 - Google Patents

多段重合によるポリエチレンの製造方法

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JPH07103176B2
JPH07103176B2 JP15727887A JP15727887A JPH07103176B2 JP H07103176 B2 JPH07103176 B2 JP H07103176B2 JP 15727887 A JP15727887 A JP 15727887A JP 15727887 A JP15727887 A JP 15727887A JP H07103176 B2 JPH07103176 B2 JP H07103176B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、フラットヤーングレードに適したポリエチレ
ンの製造方法に関する。更に詳しくは、良好な押し出し
流動性および強度と伸度のバランスのとれたフラットヤ
ーングレードに適した多段重合によるポリエチレンの製
造方法に関する。 [従来の技術とその問題点] ポリエチレンの主要な用途の一つつであるフラットヤー
ンの分野では、比較的高分子量(低メルトインデック
ス)で、適切な強度を持ち、加工しやすいポリエチレン
が要求されている。一般に低メルトインデックスのポリ
エチレンは、強度は優れているが、押し出し成形時流動
性が劣るという欠点を有している。この問題を解決する
手段として、多段重合法によって、分子量分布の広いポ
リエチレンを得る方法があり、本発明者等も既に、特開
昭56−32505号公報(以後、先の発明ということがあ
る。)等で提案している。該先の発明の方法によれば、
得られたポリエチレンの分子量分布が広がり、押し出し
成形時の流動性は向上したが伸度が低い為、延伸性が不
良で、フラットヤーングレードとして用いる際、延伸倍
率を高くすると延伸切れを起こし、従って延伸すること
により、発現する高強度が得られず不適当なものであっ
た。又、該製造方法に用いた触媒の重合活性も不十分な
ものであり、改良が望まれていた。一方、本発明者等
は、触媒の重合活性を向上させる試みについても検討を
重ねており、既に特開昭61−40306号公報、および特開
昭61−145205号公報(以下、先願発明ということがあ
る。)において、特定の触媒を用いることによって極め
て高い重合活性でもってポリエチレンを製造する方法を
提案している。該先願発明の方法によれば、簡略された
プロセスにより、効率的にポリエチレンを製造すること
が可能となったが、得られるポリエチレンの分子量分布
は狭く、フラットヤーングレード用として用いた際には
押し出し流動性が不十分なものであった。以上のように
フラットヤーン用ポリエチレンであって望ましい押し出
し流動性(脂肪圧<180kg/cm2)、必要な高強度(5.5g/
d以上)及び適正範囲の伸度(25〜35%)を有するもの
及びその製法は未だ知られていない。 本発明者等は、前記先の発明および先願発明の改良にお
いて、フラットヤーングレード用として必要な押し出し
流動性および強度と伸度のバランスのとれたポリエチレ
ンを製造する方法について鋭意研究した。その結果先願
発明に用いた触媒を用いて、一定の固有粘度を有するポ
リエチレンを得る重合条件下にエチレンを多段重合する
方法によって得られるポリエチレンがフラットヤーング
レードに適していることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成した。また、かかるポリエチレンのMI(メ
ルトインデックス)は0.5〜2、MW/MNは5〜15の範囲に
入ることも見出した。 以上の既述から明らかな様に、本発明の目的は、フラッ
トヤーングレードに適した、良好な押し出し流動性およ
び強度と伸度のバランスのとれたポリエチレンの製造方
法を提供することである。他の目的は、フラットヤーン
グレードに適したポリエチレンを提供することである。 [問題点を解決するための手段と作用] 本発明は以下の構成を有する。 チーグラー型触媒を用いて溶媒および水素の存在下、複
数個の重合器を使い第1段重合系で低粘度側重合体を、
第2段重合系で高粘度側重合体をつくる連続多段重合に
よるポリエチレンの製造方法において、 1)3価金属ハロゲン化物に2価金属の水酸化物、酸化
物、炭酸化物、これらを含む複塩、または2価金属化合
物の水和物を反応させて得られる固体生成物(I)に、 (A工程)電子供与性化合物の存在下において、チタン
もしくはバナジウムのハロゲン化物を反応させる工程
(以下A工程という)および、 (B工程)電子供与性化合物の存在下において、チタン
もしくはバナジウムのアルコキシド又はポリチタン酸エ
ステルを反応させる工程(以下B工程という) の2工程を得て得られる固体生成物(II)と有機アルミ
ニウム化合物とを組合わせて得られる触媒の存在下、飽
和炭化水素溶媒中、重合器気相部のエチレン/水素モル
比が1/1〜1/5となるようにエチレン及び水素を供給し、
温度50〜120℃、圧力1〜50kg/cm2でエチレンの重合を
行ない、生成する重合体の固体粘度(135℃のテトラリ
ン溶液中での測定値)を0.65〜0.80dl/gとし、全重合量
の40〜60%を重合せしめて、第1段重合を行ない、 2)第1段重合終了後は、溶媒中に懸濁した重合物を第
1段重合系よりも低い圧力帯域に導き、未反応の水素の
少なくとも一部分を該重合系外に抜き出し、ついで該懸
濁した重合物に重合器気相部のエチレン/水素モル比が
1/0.05〜1/1となるようにエチレン及び水素を供給し、
温度40〜100℃、圧力1〜50kg/cm2でエチレンの重合を
行ない、生成する重合体の固体粘度(135℃のテトラリ
ン溶液中での測定値)を2.0〜3.5dl/gとし、全重合量の
60〜40%を重合せしめて、第2段重合を行ない、 全重合体のメルトインデックス(MI)が0.2〜2.0である
ポリエチレンを得ることを特徴とする多段重合によるポ
リエチレンの製造方法。 本発明におけるポリエチレンとは、エチレンの単独重合
体の他に、エチレンと共重合しうる他の少量のα−オレ
フィン、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチル−ペンテン−1あるいはブタジエン、ジ
シクロペンタジエンなどのジエン類との共重合体をも含
むものである。 従って、必要に応じてα−オレフィンを第1段および/
または第2段重合系に供給しエチレンとα−オレフィン
との共重合体を製造することができる。その場合、エチ
レンとα−オレフィンの全重合量に対する第1段および
第2段の重合量が上記の範囲に入っており、また、第1
段および第2段で得られる共重合体の固有粘度が上記の
範囲となればよい。 本発明の製造方法は、触媒を第1段重合系に供給するこ
とにより重合を開始するが、飽和炭化水素溶媒中、重合
温度50℃以上120℃以下、好ましくは70〜100℃、重合圧
力1ないし50kg/cm2、好ましくは3ないし30kg/cm2の条
件下で、第1段重合を行なう。生成する重合体の固有粘
度(135℃テトラリン溶液中での測定値)が0.65〜0.80d
l/gとなる様に重合器気相部のエチレンおよび水素のモ
ル比がエチレン/水素=1/1〜1/5の範囲内で適正モル比
となるようにエチレン及び水素を供給することによって
調節される。重合体の生成量は、全重合体の生成量の40
〜60%が重合する様にエチレンを供給することによって
調節される。固有粘度が0.65未満若しくは生成量が60%
を超えると、得られるポリエチレンの伸度が不十分で延
伸切れを起こしやすくなり好ましくない。又、固有粘度
が0.80dl/gを超え、若しくは生成量が40%未満であると
押し出し流動性の改善が不十分となる。 第1段重合終了後は、溶媒中に懸濁した重合物を、第1
段重合系よりも低い圧力帯域に導き、溶媒に溶解した状
態で第1段重合系を出た水素の少なくとも一部分を該重
合系外に抜き出す。除去された水素は少なくとも一部分
は第1段重合系にもどし再利用する。上記圧力の低い帯
域は、通常各段の中間に設けられるが、何らか一方の重
合系に組込むことも可能である。第1段重合系と低圧力
帯域との落圧差は、第2段重合系で必要な水素量により
決定する。 大部分の水素を除去した溶媒に懸濁した重合物を、移送
ポンプなどの移送手段により、第2段重合系に導く。新
たに設定した重合温度30℃以上110℃以下、好ましくは4
0〜100℃、重合圧力1ないし50kg/cm2、好ましくは1な
いし20kg/cm2の条件下で第2段重合を行なう。生成する
重合体の固有粘度(135℃テトラリン溶液中での測定
値)が2.0〜3.5dl/gとなる様に、又、第1段重合系で生
成した重合体の固有粘度に応じて、全重合体のメルトイ
ンデックスが0.2〜2.0の範囲となる様にエチレンと必要
に応じて水素を供給し、重合器気相部のエチレンと水素
のモル比をエチレン/水素=1/0.05〜1/1の範囲内で適
正モル比となることにより調節する。重合体の生成量
は、全重合体の生成量の60〜40%が重合する様にエチレ
ンを供給することによって調節される。通常、第2段の
重合体の固有粘度の調節は溶媒に溶解した水素のみで行
なえるが、新たに供給することも可能である。第2段重
合系で生成する該重合体の固有粘度が2.0dl/g未満若し
くは生成量が40%未満であると得られるポリエチレンの
強度が不十分となり、好ましくない。 固有粘度が3.5を越え、若しくは生成量が60%以上であ
ると得られるポリエチレンを成形した際の押し出し流動
性が不十分となる。更に全重合体のメルトインデックス
は0.2〜2.0、好ましくは0.5〜2.0の範囲がフラットヤー
ングレードとして用いるのに適した値である。メルトイ
ンデックスが0.2未満では該ポリエチレンを成形した際
に押し出し流動性が不十分であり、2.0を越えると強度
が不足する。 本発明の製造方法における触媒の供給は、通常第1段重
合系のみなされるが、必要に応じて、第2段重合系にも
することも可能である。 本発明の多段重合は、通常複数個の重合器を直列に連結
するが、ある複数個の重合器を並列(または一部を並
列)に連結して第1段および/または第2段重合系とす
ることも可能である。 本発明の製造方法の重合に使用する溶媒としては、炭素
原子4〜15個からなる飽和炭化水素、たとえば、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油な
どが用いられる。 本発明の製造方法に用いる触媒は、3価金属ハロゲン化
物に2価金属の水酸化物、酸化物、炭酸化物、これらを
含む複数、または2価金属化合物の水和物を反応させて
得られる固体生成物(I)に、電子供与性化合物の存在
下において、チタンもしくはバナジウムのハロゲン化物
を反応させるA工程および、電子供与性化合物の存在下
において、チタンもしくはバナジウムのアルコキシド又
はポリチタン酸エステルを反応させるB工程の2工程を
経て得られる固体生成物(II)と有機アルミニウム化合
物とを組み合わせて得られることが特徴である。該触媒
の調整方法は、前記先願発明の明細書に詳しいが、次の
通りである。 本発明に使用する3価金属ハロゲン化物としては、三塩
化アルミニウム(無水)、三塩化鉄(無水)が示され
る。 2価金属化合物としては、たとえば、Mg(OH)、Ca
(OH)、Zn(OH)、Mn(OH)のような水酸化物、
MgO、CaO、ZnO、MnOのような酸化物、MgAl2O4、Mg2Si
O4、Mg6MnO6のような2価金属を含む複酸化物、MgCO3
MnCO3、CaCO3のような炭酸化物、MgCi2・6H2O、SnCl3
2H2O、MnCl2・4H2O、KMgCl3・6H2O、NiCL2・6H2Oのよう
なハロゲン化物水和物、3MgO・MgCl2・4H2Oのような酸
化物とハロゲン化物を含む複塩の水和物、3MgO・2SiO2
・2H2Oのような2価金属の酸化物を含む復塩の水和物、
3MgCO3・Mg(OH)・3H2Oのような炭酸化物と水酸化物
の復塩の水和物、およびMg6Al2(OH)6CO3・4H2Oのよう
な2価金属を含む水酸化炭酸化物の水和物などがあげら
れる。 固体生成物(I)は、3価金属ハロゲン化物と2価金属
化合物とを反応させて得られる。この反応をさせるため
には、あらかじめ両者をボールミルでは5〜100時間、
振動ミルでは1〜10時間混合、粉砕を行い、十分に混合
した後、加熱反応させることが好ましいが、混合、粉砕
しながら加熱反応させることも可能である。3価金属ハ
ロゲン化物と2価金属化合物の割合は、3価金属に対す
る2価金属の原子比で示すと、通常0.01〜20で十分であ
り、好ましくは0.05〜10の範囲である。反応温度は通
常、20〜500℃、好ましくは50〜300℃である。反応時間
は30分〜50時間が適し、反応温度が低い場合は、長時間
反応させ、未反応の3価金属ハロゲン化物が残らないよ
うに、反応を行わせ、得られた固体生成物を固体生成物
(I)とする。 以下、固体生成物(I)に(A工程)の反応を行わせた
後、続いて、(B工程)の反応を行わせる方法について
記す。 得られた固体生成物(I)は、次いで、(A工程)であ
る電子供与性化合物の存在下において、先ずチタンもし
くはバナジウムのハロゲン化物と反応させる。 電子供与性化合物としては、 (式中R1若しくはR2はケイ素に結合しうる同種または異
種の残基であり、3≦n≦10,000である。)で表わされ
るポリシロキサンや、一般式R1 mSi(OR24-m(式中R1
はC1〜C20までの炭化水素基、水素原子またはハロゲン
原子であり、R2はC1〜C20までの炭化水素基であり、ま
た0≦m<4である。)で表されるアルコキシ基含有有
機ケイ素化合物、更にはエーテル、エステル、アルデヒ
ド、ケトン、カルボン酸から選ばれた酸素含有有機化合
物が用いられる。 通常用いられるポリシロキサンとして、オクタメチルト
リシロキサンCH3〔Si(CH32O〕2Si(CH3、ジフェ
ニルオクタメチルテトラシロキサン(CH33SiO〔Si(C
H3)(C6H5)O〕2Si(CH3などの鎖状低級重合物、
オクタエチルシクロテトラシロキサン〔Si(C2H52O〕
、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン〔Si(C6H5
2O〕などの環状重合物、ジメチルポリシロキサン〔Si
(CH3−O〕n,メチルエチルポリシロキサン〔Si(C
H3)(C2H5)O〕n,メチルフェニルポリシロキサン〔Si
(CH3)(C6H5)O〕、などの鎖状重合物、メチル水
素ポリシロキサン〔SiH(CH3)O〕、フェニル水素ポ
リシロキサン〔SiH(C6H5)O〕などの鎖状アルキル
水素シロキサン重合物、鎖状アリール水素シロキサン重
合物などの他に、クロルメチルポリシロキサン〔SiCl
(CH3)O〕、メチルエトキシポリシロキサン〔Si(C
H3)(C2H5O)O〕、クロルメトキシポリシロキサン
〔SiCl(CH3O)O〕、メチルアセトキシポリシロキサ
ン〔Si(CH3)(CH3CO2)O〕などの鎖状ポリシクロ
キサンがあげられる。用いるポリシロキサンは液状であ
ることが望ましく、粘度(25℃)は10〜10,000センチス
トークスが適し、好ましくは10〜1,000センチストーク
スである。 本発明に使用するアルコキシ基含有有機ケイ素化合物と
しては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、テトラプロポキシシ
ラン、テトラ−n−プトキシシラン、テトラオクトキシ
シラン、ペンチルトリエトキシシラン、n−オクチルト
リエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラ
ン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
トリメトキシクロロシラン、ジメトキシジクロロシラ
ン、トリエトキシクロロシランなどがあげられる。 更に又、酸素含有有機化合物としては、ジ−n−ブチル
エーテル、ジ(イソアミル)エーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチル、安息香酸メチル、安息香酸エチ
ル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メ
チル、アニス酸エチルなどのエステル、ブチルアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのア
ルデヒド、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセ
チルアセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの
ケトン、酢酸、プロピオン酸、安息香酸などのカルボン
酸があげられる。 これらの電子供与性化合物は単独使用の他、2種以上を
混合しても用いることができる。 本発明に使用するチタンもしくはバナジウムのハロゲン
化物としては、チタン、バナジウムのハライド、オキシ
ハライド、アルコキシハライド、アセトキシハライドな
どの化合物であり、たとえば、四塩化チタン、四臭化チ
タン、トリクロルモノイソプロポキシチタン、ジクロル
ジイソプロポキシチタン、モノクロルトリイソプロポキ
シチタン、トリクロルモノプトキシチタン、ジクロルジ
プトキシチタン、トリクロルモノエトキシチタン、四塩
化バナジウム、オキシ三塩化バナジウムなどがあげられ
るが、四塩化チタンが最も好ましい。 固体生成物(I)、電子供与性化合物、チタンもしくは
バナジウムのハロゲン化物の態様は、不活性ガス例えば
窒素雰囲気下において、いかなる順序でもよいが、電子
供与性化合物と遷移金属化合物の混合物に固体生成物
(I)を添加するのが好ましい。混合は−50℃〜+50
℃、好ましくは−20℃〜+30℃である。その際、溶媒の
有無に制限はない。 固体生成物(I)、電子供与性化合物、チタンもしくは
バナジウムのハロゲン化物の混合割合は、固体生成物
(I)100gに対し、電子供与性化合物は10〜10,000g、
好ましくは20〜1,000g、チタンもしくはバナジウムのハ
ロゲン化物は10〜10,000g、好ましくは20〜1,000gであ
って、かつ電子供与性化合物100gに対して該ハロゲン化
物は10〜1,000g好ましくは20〜500gである。反応条件
は、撹拌しながら40℃〜300℃、好ましくは50℃〜200℃
で10分〜20時間、好ましくは10分〜10時間反応させる。 固体生成物(I)、電子供与性化合物、チタンもしくは
バナジウムのハロゲン化物の混合、およびそれらの反応
にあたって、溶媒を用いることは必ずしも必要ではない
が、均一に反応させることが好ましいので、あらかじめ
任意のまたはすべての上記成分を溶媒に溶解または分散
させておいて良い。溶媒の使用量の合計は、上記3成分
の合計量の約10倍(重量)以下で十分である。 用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水
素、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベ
ンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、四塩化炭素、
クロルホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレン、
テトラクロルエチレン、四臭化炭素などのハロゲン化炭
化水素などがあげられる。 上記、(A工程)の反応後は、上澄液を除き、ノルマル
ヘキサンなどの溶剤で洗浄した後、次の(B工程)の反
応に移る。又、(A工程)の反応後そのままスラリー状
態で、次の(B工程)の反応に移ってもよい。 固体生成物(II)は、上記(A工程)、即ち、固体生成
物(I)、電子供与性化合物およびチタンもしくはバナ
ジウムのハロゲン化物の反応後、更に、(B工程)であ
る電子供与性化合物の存在下、該反応物とチタン若しく
はバナジウムのアルコキシド、又はポリチタン酸エステ
ルとの反応によって得られる。 電子供与性化合物としては、前記電子供与性化合物が用
いられるが、(A工程)の反応で使用したものと同じで
ある必要はない。又、(A工程)の反応後そままスラリ
ー状態で、次の(B工程)の反応に移る場合には、未反
応電子供与性化合物が存在しているので、新たに電子供
与性化合物を添加する必要は特にないが、所望により、
新たに電子供与性化合物を添加しても良い。 チタン若しくはバナジウムのアルコキシド、又はポリチ
タン酸エステルとしては、たとえば、オルトチタン酸テ
トラエチル(テトラエトキシチタン)、オルトチタン酸
テトライソプロピル(テトライソプロポキシチタン)、
オルトチタン酸テトラn−ブチル(テトラn−ブトキシ
チタン)などのオルトチタン酸テトラアルキル(テトラ
アルコキシチタン)、バナジルトリエチラート、バナジ
ルトリイソプロピラート、バナジルトリn−ブチラート
などのバナジルトリアルコラートなど、他にポリチタン
酸エステルを用いることができる。このものは、一般式
RO〔Ti(OR)−O〕mRで表すことができ、mは2以上
の整数、好ましくは2〜10、Rはアルキル基、アリール
基、またはアラルキル基を示し、すべてのRが同一種類
の基である必要はなく、混在してもよい。Rの炭素数は
1〜10が好ましいが、特に制限されるものではない。具
体的には、ポリチタン酸メチル、ポリチタン酸エチル、
ポリチタン酸イソプロピル、ポリチタン酸n−ブチル、
ポリチタン酸n−ヘキシルなどである。上記一般式中で
アルコキシ基の一部が水酸基であってもよい。 前段階の反応物である固体生成物、電子供与性化合物、
ハロゲン非含有遷移金属化合物の使用量は、もとの固体
生成物(I)100gに対して、電子供与性化合物は10〜1
0,000g、好ましくは10〜1,000g、チタン若しくはバナジ
ウムのアルコキシド、又はポリチタン酸エステルは10〜
5,000g、好ましくは15〜1,000gであって、かつ、電子供
与性化合物100gに対してチタン若しくはバナジウムのア
ルコキソド、又はポリチタン酸エステルは10〜1,000g、
好ましくは20〜500gである。 反応条件は、撹拌しながら40℃〜300℃、好ましくは50
℃〜200℃で10分〜20時間、好ましくは10分〜10時間反
応させる。 反応に当たって、溶媒を用いることは必ずしも必要では
ないが、均一に反応させるために使用してもよい。 溶媒の使用量は、固体生成物(I)の約10倍(重量)以
下で十分である。 用いる溶媒としては、前記(A工程)使用可能な溶媒と
同様な溶媒が用いられるが、(A工程)で使用した溶媒
と同一である必要はない。 上記反応後は、常法にしたがいろ別し、脂肪族炭化水素
または芳香族炭化水素の溶媒を使い、常温、好ましくは
50℃以上にて、未反応遷移金属化合物および電子供与性
化合物が検出されなくなるまで洗浄を繰返し、乾燥し
て、固体生成物(II)を得る。 固体生成物(I)に対する前述のハロゲン含有若しくは
非含有遷移金属化合物の反応順序は、いづれを先に行っ
てもよい。即ち、上記の様に(A工程)の後(B工程)
を実施してもよく、又、(B工程)の後に(A工程)を
行ってもよい。 本発明に係る製造方法の触媒は、上記固体生成物(II)
有機アルミニウム化合物と組合せて得られる。有機アル
ミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム
などのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハラ
イド、エチルアルミニウムセスキクロリドなど、他に、
モノエトキシジエチルアルミニウム、ジエトキシモノエ
チルアルミニウムなどのアルコキシアルキルアルミニウ
ムなどがある。 [発明の効果] 本発明の主要な効果は、従来技術に比べ、良好な押し出
し流動性および強度と伸度のバランスのとれた、フラッ
トヤーングレードに適したポリエチレンが得られること
である。本発明の他の主要な効果は、本発明に使用する
触媒は、多段重合においても、重合活性が極めて高いの
で、反応終了後、重合体中の触媒の除去工程、即ち脱灰
工程をなくすことが可能であり、経済的なプロセスを提
供することが可能である。また、本発明により得られる
ポリエチレン粉末のかさ比重は0.45〜0.47であり、粉体
粒子の形状が良好なことにより、重合器の容積当り、時
間当りの生産効率が大きく、重合物粉体の配管輸送上の
トラブル発生がなく、粉体の造粒も容易であるという特
徴をもっている。
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比較
例において用いられている用語の意義は次の通りであ
る。 CY:重合体収率を示し次の式で与えられる。 BD:嵩比重 (単位 g/ml) MI:メルトインデックス ASTM D−1238(E)による
(単位 g/10分) 〔η〕:固有粘度を示し、テトラリン中135℃で測定し
た。ただし、第2段の重合部分の固有粘度〔η〕は次
の式から計算し求めた。 (単位 dl/g) 〔η〕L2:第2段目までの重合体の固有粘度 (サンプリ
ングにより測定可) 〔η〕1:第1段目の重合体の固有粘度(サンプリングに
より測定可) 〔η〕2:第2段目の重合体の固有粘度((1)式で求め
る) a:第1段目の重合量 b:第2段目の重合量 強度:得られたヤーンについてJIS Z1533−1970に準拠
して引張強度を測定した。 (単位 g/d) 伸度:得られたヤーンについてJIS Z1533−1970に準拠
して伸度を測定した。 (単位 %) 実施例1 (1)固体生成物(I)の製造 水酸化マグネシウム5.0kgと三塩化アルミニウム(無
水)12kgを、あらかじめ容積60の振動ミル中で2時間
室温で混合粉砕したのち内容物を容量30の焼成反応器
に移し、150℃で5時間反応させた。その後冷却した反
応物を再度振動ミルに移して微粉砕し固体生成物(I)
15kgを得た。 (2)固体生成物(II)の製造 容量100の撹拌機付反応器に、撹拌下にトルエン20
、鎖状ジメチルポリシロキサン(粘度100センチスト
ークス)10kg、四塩化チタン9.0kgを加えて室温で混合
し、次いで固体生成物(I)10kgを加えた後80℃に昇温
し3時間反応させた。次に上澄液を除いた。残った固体
生成物にトルエン20、鎖状ジメチルポリシロキサン3k
g(粘度 100センチストークス)、およびオルトチタン
酸テトラ−nブチル3kgを加えた後、80℃にて2時間反
応させた。反応終了後、反応混合物を濾過装置で濾過
し、濾過残の固体生成物をヘキサン80を用いて洗浄液
中に未反応のチタン化合物および未反応ポリシロキサン
が検出されなくなるまで洗浄と濾過をくり返した。洗浄
後の固体生成物は次いで減圧乾燥して固体生成物(II)
を得た。固体生成物(II)1g中のチタン原子の含有量は
63mgであった。 以上の(1)および(2)の操作は、すべて水分を含ま
ない窒素ガス雰囲気下でおこなった。以下の実施例およ
び比較例においても同様である。 (3)多段重合によるポリエチレンの製造 内容積150の第1段重合器に、上記固体生成物(II)
を1時間当り170mg、トルエチルアルミニウム1時間当
り380mg、およびヘキサンを1時間当り25の速度で供
給し、重合器内の液レベルが80%に保てるように重合器
内容物を排出しながら、90℃において、重合器気相部の
エチレン/水素モル比が1/1.5となるようにエチレンを
1時間当り3500Nl、水素を1時間当り、150Nl供給しつ
つ、連続的に第1段重合を行った。この時、全圧は10kg
/cm2(ゲージ圧)であった。 第1段重合終了後、溶媒に懸濁した重合物を、内圧1.0k
g/cm2(ゲージ圧)に保たれた内容積50の脱ガス槽に
導き、ヘキサン中に溶解した水素やエチレンを分離し、
分離された水素やエチレンは、第1段重合器へのエチレ
ンおよび水素の供給量が所定量に保てるように循環再利
用した。 脱ガス槽から出る重合体の量は1時間当り、4.1kgであ
り、又、その一部を採取し、固有粘度(135℃のテトラ
リン溶液中での測定値)を測定したところ0.70dl/gであ
った。 脱ガス槽を出た重合物スラリーは、内容積150の第2
段重合器に全量導入し、触媒を追加することなく、重合
器内の液レベルが80%に保てるように重合器内容物を排
出しながら、90℃において重合器気相部のエチレン/水
素モル比が1/0.09となるようにエチレンを1時間当り35
00Nl、および水素を1時間当り15Nlの速度で供給し、連
続的に第2段重合を行った。この時3kg/cm2(ゲージ
圧)であった。 以上の多段重合を120時間連続して行ったが、運転は極
めて安定しており、排出された上記重合器内容物につい
て触媒のキルと溶剤分離を行い、脱灰をせずに乾燥後、
ポリエチレン粉末を1時間当り8.2kg、計984kgを得た。
従って、第2段重合系での重合体生成量は1時間当り4.
1kgであり、第1段重合系および第2段重合系の重合体
生成量はそれぞれ全重合体生成量の50%であった。得ら
れたポリエチレンの固有粘度(135℃のテトラリン溶液
中での測定値)は1.71dl/gであり、第1段重合系の生成
重合体の固有粘度および生成重合対比率から計算する
と、第2段重合系で生成した重合体の固有粘度は2.72dl
/gであった。又、メルトインデックス(MI)は0.8、嵩
比重(BD)は0.47であり、重合体収率(CY)は48600で
あった。 (4)フラットヤーン評価 上記ポリエチレン粉末10kgに、2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾールを5g、およびカルシウムステアレート10
gを混合し、内径40mmの単軸造粒機により、ペレット化
した。得られたポリエチレンペレットを内径40mmの押し
出し機の先端に直径100mm環状ダイスを取りつけた、空
冷インフレーション装置を用いて、ダイス温度200℃、
引き取り速度12m/分にて、厚み60μの管状の原反を得
た。この時の樹脂圧は155kg/cm2、押し出し負荷は21ア
ンペアで良好な押し出し流動性を示した。得られた原反
を14mm幅にナイフで裂き、110℃の熱板および115℃の加
熱ロールにより、原反を一軸方向に7.5倍延伸し、厚み2
0μのヤーンを得た。得られたヤーンについて強度およ
び伸度を測定したところ、それぞれ6.1g/d、28%であり
バランスがとれていた。上記結果をまとめて表に示し
た。 比較例1 エチレンの多段重合をすることなく、1段重合でポリエ
チレンを製造した。即ち、実施例1の(3)の第1段重
合系において、水素の1時間当りの供給量を25Nlとし、
全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)になるように固体生成物
(II)を供給した以外は同様にして重合を行った、重合
器から脱ガス槽に抜き出された重合物スラリーは第2段
重合を行うことなく、直ちに乾燥されてメルトインデッ
クスが0.8のポリエチレン粉末を1時間当り4.1kg、計49
2kg得た。得られたポリエチレン粉末について実施例1
の(4)と同様にしてフラットヤーン評価を行い、結果
を表に示した。 比較例2 実施例1の(3)において、1時間当りの水素供給量を
60Nlとし、全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)になるように固
体生成物(II)を供給すること以外は同様にして第1段
重合を、又、1時間当りの水素供給量を24Nlとすること
以外は同様にして第2段重合を実施して、多段重合にす
るポリエチレンの製造を行った。得られたポリエチレン
について、実施例1の(4)と同様にしてフラットヤー
ン評価を行った。ポリエチレンの製造結果及びフラット
ヤーン評価結果を表に示した。 比較例3 実施例1の(3)において、1時間当りの水素供給量を
300Nlとし、全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)になるように
固体生成物(II)を供給すること以外は同様にして第1
段重合を、又、1時間当りの水素供給量を13Nlとしたこ
と以外は同様にして第2段重合を実施した。得られたポ
リエチレンの製造結果およびフラットヤーン評価結果を
表に示した。 比較例4 実施例1の(3)の第1段重合系において、固体生成物
(II)を1時間当り260mg、トリエチルアルミニウムを
1時間当り580mg、エチレンを1時間当り4900Nl、及び
水素を1時間当り450Nl供給すること以外は同様にして
第1段重合を行った。引き続いてエチレンを1時間当り
2100Nl、及び水素を1時間当り1.5Nl供給すること以外
は実施例1の(3)の第2段重合と同様にして重合を行
った。得られたポリエチレンについて実施例1の(4)
と同様にしてフラットヤーン評価を行った。ポリエチレ
ンの製造結果、及び評価結果を表に示した。 比較例5 実施例1の(2)において、鎖状ジメチルポリシロキサ
ンを用いない以外は同様にして最終の固体生成物を得
た。得られた最終の固体生成物を固体生成物(II)の代
わりに用いて、実施例1の(3)と同様にしてエチレン
の多段重合を実施したところ、第1段重合系の全圧が急
上昇したので固体生成物及びトリエチルアルミニウムの
供給量を約6倍に増した。その結果、全圧は10.5kg/cm2
(ゲージ圧)となった。引き続いて第2段重合を実施例
1の(3)と同様にして行ないポリエチレンを得た。12
0時間経過後、重合を停止し、第1段及び第2段重合器
を開放したところ器壁にはポリマー付着がみられた。
又、得られたポリエチレン中には塊状のポリマーがみら
れ、不均質なものであった。ポリエチレンの製造結果、
及びフラットヤーン評価結果を表に示した。 実施例2 (1)固体生成物(I)の製造 塩化マグネシウム5.0kgと三塩化アルミニウム(無水)1
1kgをあらかじめ容量60の振動ミル中で3時間室温で
混合粉砕したのち、内容物を容量60の焼成反応器に移
し、200℃で2時間反応させた。この後、冷却した反応
物を再度振動ミルに移して微粉砕し固体生成物(I)14
kgを得た。 (2)固体生成物(II)の製造 容量100の撹拌機付反応器に、撹拌下にトルエン20
、テトラエトキシシラン7kgおよび四塩化チタン13.0k
gを加えた後90℃に昇温し、3時間反応させた。次に上
澄液を除かずに、テトラエトキシシラン2kgおよびオル
トチタン酸テトラn−ブチル4gを加えた後、90℃にて2
時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過装置で
濾過し、濾過残の固体生成物をヘキサン80を用いて洗
浄液中に未反応チタン化合物が検出されなくなるまで洗
浄と濾過をくり返した。洗浄後の固体生成物はついで減
圧乾燥して固体生成物(II)を得た。固体生成物(II)
1g中のチタン原子の含有量が55mgであった。 (3)第1段重合器に全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)にな
る様な量の上記(2)で得た固体生成物(II)を供給す
ること以外は実施例1の(3)と同様にしてエチレンの
多段重合を行ない、ポリエチレンを得た。 (4)上記(3)で得られたポリエチレンを用い、以下
は実施例1の(4)と同様にしてフラットヤーン評価を
行なった。ポリエチレンの製造結果、及びフラットヤー
ン評価結果を表に示した。 実施例3 (1)固体生成物(I)の製造 ヒドロマグネサイト(3MgCO3・Mg(OH)・3H2O)6.0k
gと三塩化鉄(無水)9.0kgをあらかじめ容量60の振動
ミル中で2時間室温で混合粉砕したのち、内容物を容量
60の焼成反応器に移し、300℃で1時間反応させた。 その後冷却した反応物を再度振動ミルに移して微粉砕し
固体生成物(I)13kgを得た。 (2)固体生成物(II)の製造 容量200の撹拌機付反応器に、撹拌下にトルエン20
、アニソール7kgおよびポリチタン酸n−ブチル(3
量体)4kgを加えて室温で混合し、ひきつづき上記固体
生成物(I)10kgを加えた後80℃に昇温し、3時間反応
させた。 次に上澄液を除かずに(即ち、未反応アニソールが存在
している状態で)四塩化チタン10kgを加え80℃にて1時
間反応させた。 反応終了後、反応混合物を濾過装置で濾過し、濾過残の
固体生成物をヘキサン80を用いて洗浄液中に未反応チ
タン化合物が検出されなくなるまで洗浄と濾過をくりか
えした。洗浄後の固体生成物はついで減圧乾燥して固体
生成物(II)を得た。固体生成物(II)1g中のチタン原
子の含有量は32mgであった。 (3)第1段重合器に全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)にな
る様な量の上記(2)で得た固体生成物(II)、エチレ
ンを1時間当り、3900Nl、及び水素を1時間当り、140N
l供給すること以外は実施例1の(3)と同様にして第
1段重合を行なった。引き続いて、エチレンを1時間当
り、3100Nl、及び水素を1時間当り、14Nl供給して第2
段重合を行ないポリエチレンを得た。 (4)上記(3)で得られたポリエチレンを用い、以下
は実施例1の(4)と同様にしてフラットヤーン評価を
行なった。結果を表に示した。 実施例4 (1)固体生成物(I)の製造 ヒドロタルサイト(Mg6Al2(OH)6CO3・4H2O)6kgと三
塩化アルミニウム(無水)9kgを容量60の振動ミル中
で2時間混合し、粉砕した後、内容物を容量60の焼成
反応器に移し、120℃で4時間反応させた。冷却後冷却
した反応物を再度振動ミルに移して微粉砕し固体生成物
(I)14kgを得た。 (2)実施例1の(2)において、上記固体生成物
(I)を用いて、ジメチルポリシロキサンの代りにオク
タエチルシクロテトラシロキサン10kg(粘度10センチス
トークス)を2回、計20kgを用い、オルトチタン酸テト
ラn−ブチルの代りにバナジルトリブチラート3kgを用
いること以外は、同様にして固体生成物(II)の調製を
した。 (3)第1段重合器に全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)にな
る様な量の上記(2)で得た固体生成物(II)、エチレ
ンを1時間当り、3100Nl、及び水素を1時間当り、145N
l供給すること以外は実施例1の(3)と同様にして第
1段重合を行なった。引き続いて、エチレンを1時間当
り、3900Nl、及び水素を1時間当り、18Nl供給して第2
段重合を行ない、ポリエチレンを得た。 (4)上記(3)で得られたポリエチレンを用い、以下
は実施例1の(4)と同様にしてフラットヤーン評価を
行なった。結果を表に示した。 実施例5 実施例1の(3)において、1時間当りの水素供給量を
120Nlとし、又、プロピレン1.5%(容量%)を含むエチ
レンを供給し、全圧が10kg/cm2(ゲージ圧)になる様に
固体生成物(II)を供給すること以外は同様にして第1
段重合を行なった。引き続いて、1時間当りの水素供給
量を14Nl、及びプロピレン1.5%(容量%)を含むエチ
レンを供給して第2段重合を実施して、多段重合による
エチレン−プロピレン共重合体の製造を行なった。得ら
れたポリマーについて実施例1の(4)と同様にしてフ
ラットヤーン評価を行なった。ポリマーの製造結果及び
評価結果を表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を説明するための工程図(フロ
ーシート)である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チーグラー型触媒を用いて溶媒および水素
    の存在下、複数個の重合器を使い第1段重合系で低粘度
    側重合体を、第2段重合系で高粘度側重合体をつくる連
    続多段重合によるポリエチレンの製造方法において、 1)3価金属ハロゲン化物に2価金属の水酸化物、酸化
    物、炭酸化物、これらを含む複塩、または2価金属化合
    物の水和物を反応させて得られる固体生成物(I)に、 (A工程)電子供与性化合物の存在下において、チタン
    もしくはバナジウムのハロゲン化物を反応させる工程
    (以下A工程という)および、 (B工程)電子供与性化合物の存在下において、チタン
    もしくはバナジウムのアルコキシド又はポリチタン酸エ
    ステルを反応させる工程(以下B工程という) の2工程を得て得られる固体生成物(II)と有機アルミ
    ニウム化合物とを組み合せて得られる触媒の存在下、飽
    和炭化水素溶媒中、重合器気相部のエチレン/水素モル
    比が1/1〜1/5となるようにエチレン及び水素を供給し、
    温度50〜120℃、圧力1〜50kg/cm2でエチレンの重合を
    行ない、生成する重合体の固有粘度(135℃のテトラリ
    ン溶液中での測定値)を0.65〜0.80dl/gとし、全重合量
    の40〜60%を重合せしめて、第1段重合を行ない、 2)第1段重合終了後は、溶媒中に懸濁した重合物を第
    1段重合系よりも低い圧力帯域に導き、未反応の水素の
    少なくとも一部分を該重合系外に抜き出し、ついで該懸
    濁した重合物に重合器気相部のエチレン/水素モル比1/
    0.05〜1/1となるようにエチレン及び水素を供給し、温
    度40〜100℃、圧力1〜50kg/cm2でエチレンの重合を行
    ない、生成する重合体の固有粘度(135℃のテトラリン
    溶液中での測定値)を2.0〜3.5dl/gとし、全重合量の60
    〜40%を重合せしめて、第2段重合を行ない、 全重合体のメルトインデックス(MI)が0.2〜2.0である
    ポリエチレンを得ることを特徴とする多段重合によるポ
    リエチレンの製造方法。
  2. 【請求項2】電子供与性化合物として、ポリシロキサン
    を用いる特許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】電子供与性化合物として、一般式▲R1 m
    Si(OR24-m(式中R1はC1〜C20までの炭化水素基、水
    素原子またはハロゲン原子であり、R2はC1〜C20までの
    炭化水素基であり、また0≦m<4である。)で表わさ
    れるアルコキシ基含有有機ケイ素化合物を用いる特許請
    求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】電子供与性化合物として、エーテル、エス
    テル、アルデヒド、ケトン若しくはカルボン酸から選ば
    れた1種または2種以上の酸素含有有機化合物を用いる
    特許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】固体生成物(II)として、固体生成物
    (I)に、(A工程)の反応を行なわせた後、続いて
    (B工程)の反応を経て得られる固体生成物を用いる特
    許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】固体生成物(II)として、固体生成物
    (I)に、(B工程)の反応を行なわせた後、続いて
    (A工程)の反応を経て得られる固体生成物を用いる特
    許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】少量のα−オレフィンを第1段重合系およ
    び/または第2段重合系に供給して、エチレンとの共重
    合を行なわせる特許請求の範囲第(1)項に記載の製造
    方法。
  8. 【請求項8】第1段重合終了後、該重合系外に抜き出さ
    れた未反応の水素の少なくとも一部分を第1段重合系に
    戻し循環再使用する特許請求の範囲第(1)項に記載の
    製造方法。
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