JP2514386B2 - ポリエチレンの製造法 - Google Patents

ポリエチレンの製造法

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JP2514386B2 JP29875687A JP29875687A JP2514386B2 JP 2514386 B2 JP2514386 B2 JP 2514386B2 JP 29875687 A JP29875687 A JP 29875687A JP 29875687 A JP29875687 A JP 29875687A JP 2514386 B2 JP2514386 B2 JP 2514386B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術の分野] 本発明は、ポリエチレンの製造方法に関する。更に詳
しくは本発明は、特定のチーグラー系触媒を用いて、よ
り簡略化されたプロセスにより、ポリエチレンを製造す
る方法に関するものである。
以下、本発明においてエチレンの重合または重合体と
は、エチレンの単独重合または単独重合体の他に、エチ
レンと共重合し得る他のα−オレフィンとの共重合また
は共重合体を含めるものとし、エチレンの単独重合体お
よびエチレン単位の含有量が50重量%以上の共重合体を
ポリエチレンと総称することにする。
[従来の技術とその問題点] 近年、チーグラー型担持触媒を用いてポリエチレンを
製造する技術が普及しているが、これは主に、触媒の利
用効率を高め、触媒除去工程を省略し、製造プロセスの
簡略化を可能にしたことに基づいている。しかし、なお
一層の製造プロセスの簡略化による、より経済的なポリ
エチレンの製造方法の追求が継続されている。
チーグラー型担持触媒の担体としては、すでに無水塩
化マグネシウムまたはその変成物、グリニヤール試薬な
どの有機マグネシウムハロゲン化物、マグネシウムエト
キシドのごとき有機マグネシウム化合物、あるいは、ア
ルミナ、シリカアルミナなどのマグネシウム以外の化合
物が使用されていることは公知である。
それに対し、本発明者らは、それらの担体とは本質的
に異なる、塩化アルミニウムなどの3価金属ハロゲン化
物と水酸化マグネシウムなどの2価金属化合物の化学反
応により生成した複雑な組成の化合物を担体として使用
することにより、触媒効率を高め、触媒除去工程の省略
を可能ならしめる方法を開発してきた。
たとえば、特開昭62−174206号(以下先願発明とい
う)の方法によれば、上述の担体に、 (A工程)電子供与性化合物の存在下において、ハロ
ゲンを含有する第4a族または第5a族の遷移金属化合物
(以下ハロゲン含有遷移金属化合物という)を反応させ
る工程(以下A工程という)および、 (B工程)電子供与性化合物の存在下において、ハロ
ゲンを含有しない第4a族または第5a族の遷移金属化合物
(以下ハロゲン非含有遷移金属化合物という)を反応さ
せる工程(以下B工程という) の2工程を経て得られる固体生成物(II)と有機アルミ
ニウム化合物とを組合わせた触媒を用いてエチレンを重
合させてポリエチレンを製造する際に、触媒除去工程の
省略を可能としたばかりでなく、触媒失活剤の使用を不
必要とし、更に、溶剤を循環使用することにより溶剤の
消費量及び回収コストを大巾に削減することが可能とな
った。
しかしながら、先願発明の方法においても、触媒を重
合系に供給する際に、触媒を希釈、調合する為に必要な
溶剤は精製された溶剤を用いなくてはならなかった。
又、従来の懸濁重合方法では差圧力レベル計や、スラリ
ー移送用ポンプ等の回転機器のメカニカルシール部、お
よび遠心分離機の内壁等に、ポリエチレンパウダーの混
入若しくは付着防止、冷却、密閉性保持等の運転管理状
の目的から、いわゆるパージ用溶剤を供給する必要があ
る。
これらパージ用溶剤は、該製造系内に流入し、重合用
溶剤に混入するため、運転および製品品質上の理由から
精製された溶剤である必要があつた。従って、精製され
た溶剤の使用量に見合う量の残余の使用済溶剤は、該製
造系外に連続的に抜き出し、溶剤精製処理工程にて精製
する必要があった。
本発明者等は、従来技術の改良について鋭意研究を続
けて来た。そしてその結果、先願発明に用いた固体生成
物(II)と有機アルミニウム化合物を組合わせた特定の
触媒を用いてエチレンを懸濁重合させてポリエチレンの
製造を行うときに、 従来、可溶性重合体が含まれていることから、触媒の
希釈、調合用溶剤としては不適当とされてきた、遠心分
離法によって、ポリエチレン湿潤ケーキ部分から分離さ
れた溶剤部分が、該触媒の希釈、調合用溶剤として、使
用可能なことを発見し、 更に、 乾燥工程で分離された溶剤蒸発を凝縮して得られる清
浄な溶剤の循環使用の方法を工夫することにより、回収
溶剤の精製処理工程が不要となることを知って本発明を
完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は先願
発明の改良方法を提供することであり、具体的には、精
製溶剤の連続的補給および、溶剤精製処理工程を不要と
するポリエチレンの製造方法と提供するにある。他の目
的は品質の良好なポリエチレンを提供するにある。
〔問題点を解決するための手段と作用] 本発明は以下の構成を有する。
(1)三ハロゲン化アルミニウム又は三ハロゲン化鉄に
マグネシウムの水酸化物、酸化物、炭酸化物、これらを
含む複塩、または2価金属化合物の水和物を反応させて
得られる固体生成物(I)に、 (A工程)電子供与性化合物、ポリシロキサン又は有機
ケイ素化合物の存在下において、四ハロゲン化チタンを
反応させる工程(以下A工程という)および、 (B工程)電子供与性化合物、ポリシロキサン又は有機
ケイ素化合物の存在下において、チタン又はバナジウム
のアルコキシドを反応させる工程(以下B工程という) の2工程を経て得られる遷移金属化合物担持最終固体生
成物(以下固体生成物(II)という)と有機アルミニウ
ム化合物とを組合わせた触媒を用いてエチレンを重合さ
せてポリエチレンを製造する方法において、 不活性溶剤の存在下に連続的に懸濁重合をおこない、得
られたポリエチレンを含むスラリーの一部を連続的にと
り出し重合系外で気体状部分、溶剤部分およびポリエチ
レン部分に分離し、該気体状部分の全部および溶剤部分
の大部分を重合系に循環し、該溶剤部分の一部分を該重
合系に供給する該重合用触媒の希釈、調合用溶剤として
循環使用する一方、該ポリエチレン部分を引き続いて乾
燥系に送り、乾燥を行って溶剤蒸気とポリエチレンドラ
イパウダーに分離し、該溶剤蒸気を凝縮させ、凝縮液を
ポリエチレン製造系内に流入させるパージ用溶剤として
循環使用することを特徴とするポリエチレンの製造法。
(2)電子供与性化合物として、 一般式 (式中R1若しくはR2はケイ素に結合しうる同種または異
種の残基であり、3≦n≦10,000である。)で表わされ
るポリシロキサンを用いる特許請求の範囲第(1)項に
記載の製造法。
(3)電子供与性化合物として、一般式R1 mSi(OR2
4-m(式中R1はC1〜C20までの炭化水素基、水素原子また
はハロゲン原子であり、R2はC1〜C20までの炭化水素基
であり、また0≦m<4である。)で表わされるアルコ
キシ基含有有機ケイ素化合物を用いる特許請求の範囲第
(1)項に記載の製造法。
(4)電子供与性化合物として、エーテル、エステル、
アルデヒド、ケトン若しくはカルボン酸から選ばれた1
種または2種以上の酸素含有有機化合物を用いる特許請
求の範囲第(1)項に記載の製造法。
(5)遷移金属化合物担持最終固体生成物として、固体
生成物(I)に、(A工程)の反応を行わせた後、続い
て(B工程)の反応を経て得られる固体生成物(II)を
用いる特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
(6)遷移金属化合物担持最終固体生成物として、固体
生成物(I)に、(B工程)の反応を行わせた後、続い
て(A工程)の反応を経て得られる固体生成物(II)を
用いる特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
(7)スラリー中のポリエチレン濃度を50重量%以下5
重量%以上に保持することを特徴とする特許請求の範囲
第(1)項に記載の製造法。
(8)重合系からスラリーの一部を連続的に重合系の圧
力より低い圧力下の帯域に抜き出すことにより、気体状
部分とポリエチレンスラリー部分に分離し、分離された
気体状部分を重合系に循環させる特許請求の範囲第
(1)項に記載の製造法。
(9)ポリエチレンを含む落圧されたスラリーを遠心分
離法により溶剤部分とポリエチレン部分に分離し、分離
された溶剤部分の大部分を重合系に循環させる特許請求
の範囲第(1)項に記載の製造法。
(10)パージ用溶剤が差圧式レベル計パージ用である特
許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
(11)パージ用溶剤が遠心分離機洗浄用である特許請求
の範囲第(1)項に記載の製造法。
(12)パージ用溶剤が回転機器のメカニカルシール部フ
ラッシグ用である特許請求の範囲第(1)項に記載の製
造法。
(13)パージ用溶剤がスラリー中のポリエチレンパウダ
ーの沈降防止用である特許請求の範囲第(1)項に記載
の製造法。
(14)乾燥工程で分離された凝縮液をパージ用溶剤とし
て使用後、なお残余がある場合に、該残余の凝縮液を重
合系に循環させる特許請求の範囲第(1)項に記載の製
造法。
(15)循環させる溶剤部分中の有機アルミニウム化合物
で不足する分の有機アルミニウム化合物を新に重合系内
に供給する特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
(16)循環させる気体部分中の水素ガスでは不足する分
の水素ガスを新に重合系内に供給する特許請求の範囲第
(1)項に記載の製造法。
本発明に使用する触媒の調整方法は、前記先願発明の
明細書に詳しいが、次の通りである。
本発明に使用する3価金属ハロゲン化物としては、三
塩化アルミニウム(無水)、三塩化鉄(無水)が示され
る。
2価金属化合物としては、たとえば、Ma(OH)2のよ
うな水酸化物、MgO、MnOのような酸化物、MgAl2O4、Mg2
SiO4、Mg6MnO8のような2価金属を含む複酸化物、MgCO3
のような炭酸化物、MgCl2・6H2O、KMgCl3・6H2Oのよう
なハロゲン化物水和物、3MgO・MgCl2・4H2Oのような酸
化物とハロゲン化物を含む複塩の水和物、3MgO・2SiO2
・2H2Oのような2価金属の酸化物を含む複塩の水和物、
3MgCO3・Mg(OH)2・3H2Oのような炭酸化物と水酸化物
の複塩の水和物、およびMg6Al2(OH)16CO3・4H2Oのよ
うな2価金属を含む水酸化炭酸化物の水和物などが挙げ
られる。
固体生成物(I)は、3価金属ハロゲン化物と2価金
属化合物とを反応させて得られる。この反応をさせるた
めには、あらかじめ両者をボールミルでは5〜100時
間、振動ミルでは1〜10時間混合、粉砕を行い、十分に
混合した後、加熱反応させることが好ましいが、混合、
粉砕しながら加熱反応させることも可能である。
3価金属ハロゲン化物と2価金属化合物の割合は、3
価金属に対する2価金属の原子比によって示すと、通常
0.01〜20で十分であり、好ましくは0.05〜10の範囲であ
る。反応温度は通常20〜500℃、好ましくは50〜300℃で
ある。
反応時間は30分〜5時間が適し、反応温度が低い場合は
長時間反応させ、未反応の3価金属ハロゲン化物が残ら
ないように反応を行なわせ、得られた固体生成物を固体
生成物(I)とする。
以下、本発明の一態様である固体生成物(I)に、
(A工程)の反応を行わせた後、続いて(B工程)の反
応を行わせる方法について記す。
得られた固体生成物(I)は、次いで(A工程)であ
る、電子供与性化合物の存在下において、まずハロゲン
含有遷移金属化合物と反応させる。
電子供与性化合物としては、 一般式 (式中R1若しくはR2はケイ素に結合しうる同種または異
種の残基であり、3≦n≦10,000である。)で表わされ
るポリシロキサンや、一般式R1 mSi(OR24-m(式中R1
はC1〜C20までの炭化水素基、水素原子またはハロゲン
原子であり、R2はC1〜C20までの炭化水素基であり、ま
た0≦m<4である。)で表わされるアルコキシ基含有
有機ケイ素化合物、更にはエーテル、エステル、アルデ
ヒド、ケトン、カルボン酸から選ばれた酸素含有有機化
合物が用いられる。
通常用いられるポリシロキサンとして、オクタメチル
トリシロキサンCH3〔Si(CH32O〕2Si(CH33、ジフ
ェニルオクタメチルテトラシロキサン(CH33SiO〔Si
(CH3)(C6H5)O〕2Si(CH33などの鎖状低級重合
物、オクタエチルシクロテトラシロキサン〔Si(C2H5
2O〕4、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン〔Si(C6H
52O〕3などの環状重合物、ジメチルポリシロキサン
〔Si(CH32-O〕n,メチルエチルポリシロキサン〔Si
(CH3)(C2H5)O〕n、メチルフェニルポリシロキサン
〔Si(CH3)(C6H5)O〕n、などの鎖状重合物、メチル
水素ポリシロキサン〔SiH(CH3)O〕n、フェニル水素
ポリシロキサン〔SiH(C6H5)O〕nなどの鎖状アルキル
水素シロキサン重合物、鎖状アリール水素シロキサン重
合物などの他に、クロルメチルポリシロキサン〔SiCl
(CH3)O〕n、メチルエトキシポリシロキサン〔Si(CH
3)(C2H5O)O〕n、クロルメトキシポリシロキサン〔S
iCl(CH3O)O〕n、メチルアセトキシポリシロキサン
〔Si(CH3)(CH3CO2)O〕nなどの鎖状ポリシクロキサ
ンがあげられる。用いるポリシロキサンは液状であるこ
とが望ましく、粘度(25℃)は10〜10,000センチストー
クスが適し、好ましくは10〜1,000センチストークスで
ある。
本発明に使用するアルコキシ基含有有機ケイ素化合物
としては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、テトラプロポキシ
シラン、テトラ−n−プトキシシラン、テトラオクトキ
シシラン、ベンチルトリエトキシシラン、n−オクチル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、トリメトキシクロロシラン、ジメトキシジクロロシ
ラン、トリエトキシクロロシランなどが挙げられる。
更に又、酸素含有有機化合物としては、ジ−n−プチ
ルエーテル、ジ(イソアミル)エーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸メチル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸
メチル、アニス酸エチルなどのエステル、プチルアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどの
アルデヒド、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ア
セチルアセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなど
のケトン、酢酸、プロピオン酸、安息香酸などのカルボ
ン酸が挙げられる。
これらの電子供与性化合物は単独使用の他、2種以上
を混合しても用いることができる。
本発明に使用するハロゲン含有遷移金属化合物として
は、四塩化チタンが最も好ましい。
固体生成物(I)、電子供与性化合物、ハロゲン含有
遷移金属化合物の態様は、不活性ガス例えば窒素雰囲気
下において、いかなる順序でもよいが、電子供与性化合
物と遷移金属化合物の混合物に固体生成物(I)を添加
するのが好ましい。混合は−50℃〜+50℃、好ましくは
−20℃〜+30℃である。その際、溶媒の有無に制限はな
い。
固体生成物(I)、電子供与性化合物、ハロゲン含有
遷移金属化合物の混合割合は、固体生成物(I)100gに
対し、電子供与性化合物は10〜10,000g、好ましくは20
〜1,000g、ハロゲン含有遷移金属化合物は10〜10,000
g、好ましくは20〜1,000gであって、かつ電子供与性化
合物100gに対してハロゲン含有遷移金属化合物は10〜1,
000g好ましくは20〜500gである。反応条件は、攪拌しな
がら40℃〜300℃、好ましくは50℃〜200℃で10分〜10時
間反応させる。
固体生成物(I)、電子供与性化合物、ハロゲン含有
遷移金属化合物の混合、およびそれらの反応にあたっ
て、溶媒を用いることは必ずしも必要ではないが、均一
に反応させることが好ましいので、あらかじめ任意のま
たはすべての上記成分を溶媒に溶解または分散させてお
いて良い。溶媒の使用量の合計は、上記3成分の合計量
の約10倍(重量)以下で十分である。
用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭
化水素、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロ
ルベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、四塩化炭
素、クロルホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレ
ン、テトラクロルエチレン、四臭化炭素などのハロゲン
化炭化水素などが挙げられる。
上記、(A工程)の反応後は、上澄液を除き、ノルマ
ルヘキサンなどの溶剤で洗浄した後、次の(B工程)の
反応に移る。又、(A工程)の反応後そのままスラリー
状態で、次の(B工程)の反応に移ってもよい。
固体生成物(II)は、上記(A工程)、即ち、固体生
成物(I)、電子供与性化合物およびハロゲン含有遷移
金属化合物反応後、更に、(B工程)である電子供与性
化合物の存在下、該反応物とハロゲン非含有遷移金属化
合物との反応によって得られる。
電子供与性化合物としては、前記電子供与性化合物が
用いられるが、(A工程)の反応で使用したものと同じ
である必要はない。又、(A工程)の反応後そのままス
ラリー状態で、次の(B工程)の反応に移る場合には、
未反応電子供与性化合物が存在しているので、新たに電
子供与性化合物を添加する必要は特にないが、所望によ
り、新たに電子供与性化合物を添加しても良い。
ハロゲン非含有遷移金属化合物としては、チタン、バ
ナジウムのアルコキシド、たとえば、オルトチタン酸テ
トラエチル(テトラエトキシチタン)、オルトチタン酸
テトライソプロピル(テトライソプロポキシタン)、オ
ルトチタン酸テトラn−ブチル(テトラn−ブトキシチ
タン)などのオルトチタン酸テトラアルキル(テトラア
ルコキシチタン)、バナジルトリエチラート、バナジル
トリイソプロピラート、バナジルトリn−ブチラートな
どのバンジルトリアルコラートなど、他にポリチタン酸
エステルを用いることができる。
このものは、一般式RO〔Ti(OR)2−O〕mRで表すこ
とができ、mは2以上の整数、好ましくは2〜10、Rは
アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を示し、
すべてのRは同一種類の基である必要はなく、混在して
もよい。Rは炭素数は1〜10が好ましいが、特に制限さ
れるものではない。
具体的には、ポリチタン酸メチル、ポリチタン酸エチ
ル、ポリチタン酸イソプロピル、ポリチタン酸n−ブチ
ル、ポリチタン酸n−ヘキシルなどである。上記一般式
中でアルコキシ基の一部が水酸基であってもよい。
前段階の反応物である固体生成物、電子供与性化合
物、ハロゲン非含有遷移金属化合物の使用量は、もとの
固体生成物(I)100gに対して、電子供与性化合物は10
〜10,000g、好ましくは10〜1,000g、ハロゲン非含有遷
移金属化合物は10〜5,000g、好ましくは15〜1,000gであ
って、かつ、電子供与性化合物100gに対してハロゲン非
含有遷移金属化合物は10〜1,000g、好ましくは20〜500g
である。
反応条件は、攪拌しながら40℃〜300℃、好ましくは5
0℃〜200℃で10分〜20時間、好ましくは10分〜10時間反
応させる。
反応に当たって、溶媒を用いることは必ずしも必要で
はないが、均一に反応させるために使用してもよい。
溶媒の使用量は、固体生成物(I)の約10倍(重量)
以下で十分である。
用いる溶媒としては、前記(A工程)使用可能な溶媒
と同様な溶媒が用いられるが、(A工程)で使用した溶
媒と同一である必要はない。
上記反応後は、常法にしたがいろ別し、脂肪族炭化水
素または芳香族炭化水素の溶媒を使い、常温、好ましく
は50℃以上にて、未反応遷移金属化合物および電子供与
性化合物が検出されなくなるまで洗浄を繰返し、乾燥し
て、固体生成物(II)を得る。
固体生成物(I)に対する前述のハロゲン含有若しく
は非含有遷移金属化合物の反応順序は、いづれを先に行
ってもよい。即ち、上記の様に(A工程)の後(B工
程)を実施してもよく、又、(B工程)の後に(A工
程)を行ってもよい。
本発明に係る製造方法の触媒は、上記固体生成物(I
I)有機アルミニウム化合物と組合せて得られる。有機
アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウムモ
ノハライド、エチルアルミニウムセスキクロイドなど、
他に、モノエトキシジエチルアルミニウム、ジエトキシ
モノエチルアルミニウムなどのアルコキシアルキルアル
ミニウムなどがある。
かくして得られた触媒は、ポリエチレンの製造に用い
られる。エチレンの共重合用α−オレフィンとしては、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、などの直鎖状
モノオレフィン、4−メチル−ペンテン−1などの分岐
状モノオレフィン、ブタジェンなどのジオレフィンなど
があげられる。
重合反応は、通常ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デ
カン、などの炭化水素溶剤中で実施される。重合温度は
30℃〜150℃、好ましくは50〜120℃、重合圧力は常圧〜
50Kg/cm2,好ましくは3〜40Kg/cm2で実施される。重合
時には、重合系に水素の適量を添加し、分子量の調節を
行うことができる。
本発明の方法においては、不活性溶剤および未反応エ
チレン、水素および有機アルミニウム化合物を循環させ
るために重合系内のスラリーの一部を連続的にとり出
す。とり出されたスラリーは、気体部分、溶剤部分、ポ
リエチレン部分に分離され、気体部分及び溶剤部分の大
部分は重合系に循環される。
また、溶剤部分の一部分は重合触媒の希釈、重合用溶
剤として循環使用される。
一方、ポリエチレン部分は乾燥工程で溶剤蒸気とポリ
エチレンドライパウダーに分離され、触媒失活処理工程
を経ずに造粒工程に送られ、ポリエチレンペレットが製
品として得られる。又、溶剤蒸気は、凝縮された後、ポ
リマーや触媒を含まず清浄であるのでパージ用溶剤とし
て循環使用される。
以下、本発明の製造方法につき図面によって説明す
る。
第1図は、本発明の一実施態様を示す製造方法に係る
製造装置のフローチャートである。本発明に係る不活性
溶剤の存在下におけるエチレンの連続的懸濁重合はつぎ
のように行う。
まず触媒調合器5に遠心分離機24で分離された溶剤部
分の一部が配管3から、有機アルミニウム化合物及び固
体生成物(II)が配管1、2から配給され、所定の割合
で触媒が調合される。この調合は連続式またはバッチ式
方式にて行われる。
調合された触媒はポンプ6により配管7から、又、配
管9ないし12から水素、エチレンおよびエチレン以外の
α−オエフィン(註、共重合の場合)が、又、配管15か
ら遠心分離機24で分離された溶剤部分の大部分が攪拌機
および重合反応熱除去用ジャケットを有する重合器14に
連続的に供給される。
重合温度に昇温維持され、所定の重合圧力および水素
分圧を維持することにより、器内のスラリー濃度(ポリ
エチレン部分/全スラリー)は次第に上昇するが、次の
スラリー抜出しと溶剤およびエチレン等の新規補給によ
り、器内のスラリー濃度を50重量%以下好ましくは5〜
50重量%に維持する。
最も好ましい該濃度は、25〜45重量%である。5重量
%未満では、製造能力が著しく低下し、50重量%を超え
ると運転管理が困難となり、品質の変動が生じ易い。
所定スラリー濃度に達した重合器14内にポリエチレン
を含むスラリーの一部は、排出配管18に設置されたコン
トロールバルブ16によって連続的にフラッシュドラム20
にとり出される。該ドラム内で落圧された前記スラリー
から気体状部分すなわちエチレンと水素が分離されこれ
らは、エチレンおよび水素循環配管17により重合器14へ
戻される(配管17に必要なブロワーは図示を省略してあ
る)。該フラッシュドラム内で処理される前スラリーの
滞留時間および温度は限定されないが、通常5分ないし
1時間および20℃〜70℃である。
エチレン及び水素を分離された前記スラリーは、ポン
プ21を有する抜出配管で次の遠心分離機24に送られ、こ
こで連続的に溶剤部分とポリエチレン部分(湿潤ケー
キ)に分離される。溶剤部分には溶剤のほか、重合に使
用した有機アルミニウム化合物の大部分と少量の可溶性
低分子重合体(註.いわゆるポリエチレンワックス)を
含む。この溶剤部分は循環溶剤タンク32からポンプ35に
より、大部分が配管15から重合器14へ、一部分が配管3
から触媒調合タンク5へ循環される。
他方、分離された湿潤ケーキは、大部分ポリエチレン
からなり、少量の溶剤、それぞれ極めて少量の固体生成
物(II)、有機アルミニウム化合物および可溶性低分子
重合体からなる。この部分は、乾燥工程に送られて、乾
燥機25により乾燥され乾燥ポリエチレン粉末(註.ドラ
イパウダー)と溶剤蒸気に分けられる。
かくして得られた乾燥ポリエチレン粉末(註.固体生
成物(II)、有機アルミニウム化合物と可溶性低分子重
合体を含む)は、配管26から触媒失活処理工程を経るこ
となく造粒工程に送られ、製品のポリエチレンペレット
となる。(註、造粒工程の図示は省略してある)。
一方、溶剤蒸気は配管27を経て熱交換器28により凝縮
され循環凝縮液タンク29に送られる。循環用凝縮液は、
循環凝縮液タンク29からポンプ30(註.ポリマーや触媒
が入っていない、清浄な凝縮液を送る為、フラッシング
の必要がない)により、配管4,13,19,31,33から差圧式
レベル計パージおよびパウダー沈降防止用として、配管
8,22,36からメカニカルシール部フラッシング用とし
て、又、配管23から遠心分離機洗浄用として所定量供給
され、該製造系内に流入し、循環使用される。
各所パージ用として使用しなお残余の凝縮液がある場
合は配管34から循環溶剤タンク32に送り、循環使用す
る。
以上の方法において遠心分離機24によって分離回収さ
れる溶剤および溶剤中の有機アルミニウム化合物は、前
述のバルブ16を経て抜き出されたスラリー中に含まれる
部分のそれぞれ60〜90重量%であり、乾燥器25から分離
されて、凝縮される溶剤は同じく40〜10重量%である。
したがって重合系において循環のみでは不足する分の
有機アルミニウム化合物は、前述の配管2から配管7を
経て重合器14へ連続的に補給する。他方、主触媒成分で
ある固体生成物(II)は一回の使用によりその全量がポ
リエチレン製品に持去られるから、前述の配管3から配
管7を経て必要な全量を常時補給しなければならない。
[発明の効果] 本発明の主要な効果は、従来技術に比べ溶剤精製処理
工程を必要とするきわめて簡略なプロセスによってポリ
エチレンを製造することが可能なことである。
本発明の製造方法によれば回収溶剤の効率的な循環使
用により、従来技術で必要としていた精製された溶剤の
常時補給とそれに見合った量の使用剤溶剤の精製処理工
程が不要となる。
本発明の他の効果は、第1に原料の使用効率がきわめ
て高いことである。エチレン(註.共重合のときは共重
合用モノマーも含む)については溶剤可溶性低分子重合
体を含む遠心分離機から分離された溶剤部分を全量循環
することにより、該低分子重合体の生成全量がポリエチ
レンパウダーに含まれること、また水素および有機アル
ミニウム化合物についてもそれぞれ重合系に大部分が循
環使用されることにより、原料使用効率がきわめて高く
なる。
第2に、本発明に使用する触媒の重合活性はきわめて
高いことにより、得られたポリエチレン中の触媒濃度は
極めて微量であるから、触媒失活処理工程および触媒除
去工程が不要となることである。また、本発明の範囲外
の触媒を用いて得られたポリエチレンは熱安定性が悪い
(比較例2)が本発明に係る触媒を用いて得られたポリ
エチレンは極めて熱安定性が良好であり、前記触媒失活
処理工程および触媒除去工程が不要である(実施例1〜
3)。
第3に本発明に使用する触媒に特有の効果であるポリ
エチレンパウダーの高嵩比重性を維持できることであ
る。この第3の効果は、重合器内での高スラリー濃度に
よる長期かつ安定な連続運転を可能にするので極めて重
要な効果である。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比
較例において用いられている用語の意義は次の通りであ
る。
Ep:重合活性を示し次の式で与えられる BD:崇比重 (単位 g/ml) MI:メルトインデックス ASTM D−1238による(単位 g
/10分) 又、熱安定性は、射出試験片を110℃の空気雰囲気下
にオーブン中に14日間放置した後の引張り強度(JIS K6
760−1977による、単位kgf/cm2)と伸び(JIS K6760−1
977による、単位%)によって確認した。
実施例1 (1)固体生成物(I)の製造 水酸化マグネシウム5.0kgと三塩化アルミニウム(無
水)12kgを、あらかじめ容量60lの振動ミル中で2時間
室温で混合粉砕したのち、内容物を容量30lの焼成反応
器に移し、150℃で5時間反応させた。その後、冷却し
た反応物を再度振動ミルに移して微粉砕し固体生成物
(I)15kgを得た。
(2)固体生成物(II)の製造 容量100lの攪拌機付反応器に、攪拌下にトルエン20
l、鎖状ジメチルポリシロキサン(粘度100センチストー
クス)10kg,四塩化チタン9.0kgを加えて室温で混合し、
ついで固体生成物(I)10kgを加えた後、80℃に昇温し
3時間反応させた。
次に上澄液を除いた。残った固体生成物にトルエン20
l、鎖状ジメチルポリシロキサン3kg(粘度100センチス
トークス)、およびオルトチタン酸テトラn−ブチル3k
gを加えた後、80℃にて2時間反応させた。
反応終了後、反応混合物を濾過装置で濾過し、濾過残
の固体生成物をヘキサン80lを用いて洗浄液中に未反応
チタン化合物および未反応ポリシロキサンが検出されな
くなるまで洗浄と濾過をくり返した。洗浄後の固体生成
物はついで減圧乾燥して固体生成物(II)を得た。固体
生成物(II)1g中のチタン原子の含有量は63mgであっ
た。
以上の(1)および(2)の操作は、すべて水分を含
まない窒素ガス雰囲気下で行った。以下の実施例および
比較例においても同様である。
(3)ポリエチレンの製造 第1図に示す連続重合装置を用いてエチレンの単独重
合を行った。
まず重合触媒の調合をバッチ式方法で行った。内容積
100lの攪拌機付触媒調合器5に循環凝縮液タンク32から
n−ヘキサンを配管3を通じて48kg、配管1から固体生
成物(II)を4.4g、配管2からトリエチルアルミニウム
15.0gを供給して、常温にて調合した。
続いて、内容積200lの重合器14に配管7から、上記調
合触媒を含むn−ヘキサンスラリーを3kg/hr(配管4か
らのレベル計パージ用n−ヘキサン0.5kg/hrおよび配管
8からのポンプフラッシング用n−ヘキサン0.5kg/hrを
含む)で供給した。
更に、遠心分離機で分離されたn−ヘキサン(配管3
3、36よりのパージ用ヘキサンを含む)が31kg/hrの割合
で配管15よりポンプ35によって重合器14に供給された。
また、配管13よりレベル計パージ用および各所配管への
パウダー沈降防止用として凝縮n−ヘキサン(2kg/hr)
が供給され重合器14に流入した。
一方、配管10からエチレンを20kg/hr、配管9から水
素を供給して最終的に得られるポリエチレン粉末のメル
トインデックスが4〜6となるよう供給する水素量を調
節(註.水素およびエチレンは配管17から循環)しつつ
重合温度85℃、全圧11kg/cm2で120時間連続重合を行っ
た。
重合器14内で35重量%に達した重合スラリーは、調節
弁16によってフラッシュドラム20に連続的に抜き出され
た。フラッシュドラム20で、分離された未反応エチレン
と水素を前述のように重合器14に循環された。フラッシ
ュドラム20からのポリエチレンスラリーはポンプ21によ
って遠心分離機24に導入され、湿潤ケーキ部分とn−ヘ
キサン部分に分離された。
またフラッシュドラム20には配管19からレベル計パー
ジ用n−ヘキサン(0.5kg/hr)、ポンプ21には配管22か
らフラッシング用n−ヘキサン(0.5kg/hr)、および遠
心分離機には配管23から洗浄用n−ヘキサン(2.0kg/h
r)がそれぞれ循環凝縮液タンク29およびポンプ30によ
って供給された。
引き続いて湿潤ケーキは乾燥機25に送られ乾燥され乾
燥ポリエチレン粉末と溶剤蒸気に分離された。得られた
乾燥ポリエチレン粉末の収量は20.0kg/hr、MIは5.5、Ep
は8300またBDは0.47であった。一方遠心分離機24によっ
て分離されたn−ヘキサン部分は前述の様に、全量が循
環溶剤タンク32からポンプ35によって配管15を経て重合
器14に循環されたほか、一日一回の割合で触媒調合タン
ク5へ一部分(48kg/1日)送られた。
また、乾燥機によって分離された溶剤蒸気は、熱交換
器28によって凝縮され、循環凝縮タンク29に回収(7.0k
g/hr)された。回収された凝縮n−ヘキサンは、前述し
た様にレベル計パージ用およびパウダー沈降防止用とし
て、各槽類へ4kg/hr(うち配管31への0.5kg/hrは循環凝
縮液タンク29への自己循環用である)、ポンプメカニカ
ルシール部フラッシング用として1.5kg/hr、遠心分離機
24の洗浄用として2.0kg/hr送られた。
(4)熱安定性確認試験 (3)で得られたポリエチレン粉末に、2,6−ジ−第
3級−ブチル−パラ−クレゾールを0.05重量%、カルシ
ウムステアレートを0.1重量%混合した後、内径40mmの
造粒機によって造粒温度200℃で造粒した。得られたポ
リエチレンペレットからJIS K6760−1977に従って試験
片を作成した。作成した試験片について、引張り強度と
伸びを測定したところ、それぞれ325kgf/cm2、360%で
あった。次に同じ様に作成した試験片を110℃に保たれ
た空気雰囲気下のオーブン中に14日間放置した。放置さ
れた試験片について引張り強度と伸びを測定したとこ
ろ、それぞれ330kgf/cm2、250%であった。結果を表に
示した。
比較例1 実施例1の(1)および(2)で製造した固体生成物
(II)を用いて第2図に示す従来の連続重合装置による
方法でポリエチレンの製造を行った。
まず重合触媒の調合は精製されたn−ヘキサンを配管
を通して48kg、配管2から固体生成物(II)を4.4kg、
配管3からトリエチルアルミニウムを30.5kgを触媒調合
器5に供給して触媒を調合した。続いて重合器14に配管
7から固体生成物(II)を0.18g/hrおよびトリエチルア
ルミニウム1.27g/hrを含むn−ヘキサンスラリーを3kg/
hr(配管4からレベル計パージ用精製n−ヘキサン0.5k
g/hr、および配管8からのポンプフラッシング用の精製
n−ヘキサン0.51g/hrを含む)で供給した。更に配管31
から遠心分離で分離されたn−ヘキサンと乾燥機25で分
離され、熱交換器28によって凝縮されたn−ヘキサンお
よびパージ用精製n−ヘキサンが合計31kg/hrで重合器1
4に供給され、他は実施例1と同様に重合を行ったとこ
ろ、重合器14の圧力は12kg/cm2となった。
引き続いて重合スラリーはフラッシュドラム20で落圧
され、遠心分離機24によって湿潤ケーキと溶剤部分に分
離された。湿潤ケーキは乾燥機25によって乾燥され配管
26からポリエチレン粉末が20kg/hrで得られた。MIは5.
0、Epは7800、BDは0.47であった。
一方、遠心分離機24によって分離された溶剤部分と乾
燥機25で分離され、熱交換器28によって凝縮されたn−
ヘキサンは前述の様に配管31から重合器14に循環され
た。なお、残余の回収n−ヘキサン9kg/hrは配管37から
系外に抜き出され溶剤精製処理装置38によって精製され
た。配管39からのポリエチレンワックスが44kg/hrの割
合で排出され、エチレンロスとなった。
また、実施例1と異り、各所パージ用n−ヘキサン
は、前述したものも含めて全て精製n−ヘキサンを使用
した。
得られたポリエチレン粉末を用いて実施例1と同様に
造粒して熱安定性を確認した。結果を表に示した。
比較例2 実施例1の(2)において、固体生成物(I)とハロ
ゲン含有遷移金属化合物との反応をさせる際に、鎖状ジ
メチルポリシロキサンを用いないこと以外は実施例1の
(2)と同様にして最終固体生成物を得た。
この最終固体生成物を用い、他は比較例1と同様に行
った。結果を表に示した。
実施例2 (1)固体生成物(I)の製造 ヒドロマグネサイト(3MgCO3・Mg(OH)2・3H2O)6.0
Kgと三塩化鉄(無水)9.0kgを、あらかじめ容量60lの振
動ミル中で2時間室温で混合粉砕したのち、内容物を容
量60lの焼成反応器に移し、300℃で1時間反応させた。
その後冷却した反応物を再度振動ミルに移して微粉砕
し固体生成物(I)13kgを得た。
(2)固体生成物(II)の製造 容量200lの攪拌機付反応器に、攪拌下にトルエン20
l、アニソール7kgおよびポリチタン酸n−ブチル(3量
体)4kgを加えて室温で混合し、ひき続き上記固体生成
物(I)10kgを加えた後、80℃に昇温し3時間反応させ
た。
次に上澄液を除いた後、テトラエトキシシラン5.4k
g、四塩化チタン10kgおよびトルエン10lを加え80℃にて
1時間反応させた。
反応終了後、反応混合物を濾過装置で濾過し、濾過残
の固体生成物をヘキサン80lを用いて洗浄液中に未反応
チタン化合物が検出されなくなるまで洗浄と濾過をくり
かえした。洗浄後の固体生成物はついで減圧乾燥して固
体生成物(II)を得た。固体生成物(II)1g中のチタン
原子の含有量は35mgであった。
(3)上記(2)で得た固体生成物(II)、トリエチ
ルアルミニウムの代わりに2倍量のトリイソブチルアル
ミニウムを用いる以外は実施例1と同様にしてポリエチ
レンの製造を行った。
(4)上記(3)で得られたポリエチレン粉末を用
い、以下は実施例1と同様にして安定化度確認試験を行
った。結果を表に示した。
実施例3 実施例1で得られた固体生成物(II)を用いて、エチ
レンとプロピレンの共重合を行った。
実施例1の(3)において、プロピレン3%(容量
%)含むエチレンを導入すること以外は、実施例1と同
様にしてエチレン−プロピレン共重合体を製造し、得ら
れたペレットについて安定化度確認試験を行った。結果
を表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に使用するポリエチレンの連続製造装
置の工程図、第2図は、従来のポリエチレンの連続製造
装置の工程図である。第1,2図において、5は触媒調合
器、14は重合器、20はフラッシュドラム、17はエチレン
および水素循環配管、24は遠心分離機、25は乾燥機、28
は熱交換器、29は循環凝縮液タンク、32は循環溶剤タン
ク、38は溶剤精製処理装置、40は精製溶剤タンクであ
る。 第3図は、本発明の触媒製造反応と重合工程を示すフロ
ーシートである。

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三ハロゲン化アルミニウム又は三ハロゲン
    化鉄にマグネシウムの水酸化物、酸化物、炭酸化物、こ
    れらを含む複塩、または2価金属化合物の水和物を反応
    させて得られる固体生成物(I)に、 (A工程)電子供与性化合物、ポリシロキサン又は有機
    ケイ素化合物の存在下において、四ハロゲン化チタンを
    反応させる工程(以下A工程という)および、 (B工程)電子供与性化合物、ポリシロキサン又は有機
    ケイ素化合物の存在下において、チタン又はバナジウム
    のアルコキシドを反応させる工程(以下B工程という) の2工程を経て得られる遷移金属化合物担持最終固体生
    成物(以下固体生成物(II)という)と有機アルミニウ
    ム化合物とを組合わせた触媒を用いてエチレンを重合さ
    せてポリエチレンを製造する方法において、 不活性溶剤の存在下に連続的に懸濁重合をおこない、得
    られたポリエチレンを含むスラリーの一部を連続的にと
    り出し重合系外で気体状部分、溶剤部分およびポリエチ
    レン部分に分離し、該気体状部分の全部および溶剤部分
    の大部分を重合系に循環し、該溶剤部分の一部分を該重
    合系に供給する該重合用触媒の希釈、調合用溶剤として
    循環使用する一方、該ポリエチレン部分を引き続いて乾
    燥系に送り、乾燥を行って溶剤蒸気とポリエチレンドラ
    イパウダーに分離し、該溶剤蒸気を凝縮させ、凝縮液を
    ポリエチレン製造系内に流入させるパージ用溶剤として
    循環使用することを特徴とするポリエチレンの製造法。
  2. 【請求項2】電子供与性化合物として、 一般式 (式中R1若しくはR2はケイ素に結合しうる同種または異
    種の残基であり、3≦n≦10,000である。)で表わされ
    るポリシロキサンを用いる特許請求の範囲第(1)項に
    記載の製造法。
  3. 【請求項3】電子供与性化合物として、一般式R1 mSi(O
    R24-m(式中R1はC1〜C20までの炭化水素基、水素原子
    またはハロゲン原子であり、R2はC1〜C20までの炭化水
    素基であり、また0≦m<4である。)で表わされるア
    ルコキシ基含有有機ケイ素化合物を用いる特許請求の範
    囲第(1)項に記載の製造法。
  4. 【請求項4】電子供与性化合物として、エーテル、エス
    テル、アルデヒド、ケトン若しくはカルボン酸から選ば
    れた1種または2種以上の酸素含有有機化合物を用いる
    特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
  5. 【請求項5】遷移金属化合物担持最終固体生成物とし
    て、固体生成物(I)に、(A工程)の反応を行わせた
    後、続いて(B工程)の反応を経て得られる固体生成物
    (II)を用いる特許請求の範囲第(1)項に記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】遷移金属化合物担持最終固体生成物とし
    て、固体生成物(I)に、(B工程)の反応を行わせた
    後、続いて(A工程)の反応を経て得られる固体生成物
    (II)を用いる特許請求の範囲第(1)項に記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】スラリー中のポリエチレン濃度を50重量%
    以下5重量%以上に保持することを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)項に記載の製造法。
  8. 【請求項8】重合系からスラリーの一部を連続的に重合
    系の圧力より低い圧力下の帯域に抜き出すことにより、
    気体状部分とポリエチレンスラリー部分に分離し、分離
    された気体状部分を重合系に循環させる特許請求の範囲
    第(1)項に記載の製造法。
  9. 【請求項9】ポリエチレンを含む落圧されたスラリーを
    遠心分離法により溶剤部分とポリエチレン部分に分離
    し、分離された溶剤部分の大部分を重合系に循環させる
    特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
  10. 【請求項10】パージ用溶剤が差圧式レベル計パージ用
    である特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
  11. 【請求項11】パージ用溶剤が遠心分離機洗浄用である
    特許請求の範囲第(1)項に記載の製造法。
  12. 【請求項12】パージ用溶剤が回転機器のメカニカルシ
    ール部フラッシグ用である特許請求の範囲第(1)項に
    記載の製造法。
  13. 【請求項13】パージ用溶剤がスラリー中のポリエチレ
    ンパウダーの沈降防止用である特許請求の範囲第(1)
    項に記載の製造法。
  14. 【請求項14】乾燥工程で分離された凝縮液をパージ用
    溶剤として使用後、なお残余がある場合に、該残余の凝
    縮液を重合系に循環させる特許請求の範囲第(1)項に
    記載の製造法。
  15. 【請求項15】循環させる溶剤部分中の有機アルミニウ
    ム化合物で不足する分の有機アルミニウム化合物を新に
    重合系内に供給する特許請求の範囲第(1)項に記載の
    製造法。
  16. 【請求項16】循環させる気体部分中の水素ガスでは不
    足する分の水素ガスを新に重合系内に供給する特許請求
    の範囲第(1)項に記載の製造法。
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