JP3286649B2 - エチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系共重合体の製造方法

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JP3286649B2
JP3286649B2 JP27703993A JP27703993A JP3286649B2 JP 3286649 B2 JP3286649 B2 JP 3286649B2 JP 27703993 A JP27703993 A JP 27703993A JP 27703993 A JP27703993 A JP 27703993A JP 3286649 B2 JP3286649 B2 JP 3286649B2
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尚志 物井
雅一 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン系共重合体の製
造方法に関する。さらに詳しくは、剛性と耐環境応力亀
裂性(ESCR)のバランスに優れた中空成形用エチレ
ン系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロー容器などの中空成形用途の分野に
おいては、高分子量でかつ分子量分布の広いエチレン系
共重合体が必要とされる。特に成形後の製品の剛性と耐
環境応力亀裂性(ESCR)のバランスに優れたものが
望まれる。これまで、二段重合によって分子量分布の広
い中空成形用エチレン系共重合体を製造する方法に関し
ては数多くの提案がある。特に特公平3−18645に
開示された方法がある。これは、プロパン、イソブタン
などの易揮発性の炭化水素溶媒を用いて連続二段重合を
行い、高分子量成分を第一段、低分子量成分を第二段で
製造する方法である。水素で分子量調節する場合に、第
一段から第二段の移行に当たり、中間の水素のフラッシ
ュタンクを必要とせず、生産性の面から非常に望まし
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記特公平3−
18645で述べられた製造方法のように高分子量成分
を第一段で、低分子量成分を第二段で製造する場合、耐
環境応力亀裂性(ESCR)を向上させるために第一段
にて供給したα−オレフィンのうち、エチレンと共重合
しなかった未反応部分が第二段にそのまま流れ込んでし
まう。この第二段に流れ込んだα−オレフィンはエチレ
ンと共重合することにより低分子量成分の密度を低下さ
せ、二段重合によって製造されるエチレン系共重合体の
密度を低下させる。従って、同じESCRで比較した場
合、第二段にα−オレフィンが流れ込まず、密度の低下
が起こらない場合に比べ、成形後の製品の剛性が低くな
ってしまう。剛性とESCRのバランスが本来発揮され
る性能よりも悪い結果となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、剛性と耐環境亀裂応力(E
SCR)のバランスに優れた中空成形用エチレン系共重
合体を製造できることを見いだし、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明は、チーグラー型触媒を用い
て、エチレンと炭素数5以上のα−オレフィンとを第1
の重合帯域で高分子量成分を、第2の重合帯域で低分子
量成分を重合する2段重合にて、エチレン系共重合体を
製造するに当たり、第2の重合帯域に一般式 (式中、R5、R6は同一もしくは異なり、炭素数1〜1
0のアルキル基またはアリール基を示す。)で表される
化合物、または一般式 (式中、R7〜R10は同一もしくは異なり、炭素数1〜
10のアルキル基またはアリール基であって、mは1〜
10の整数を示す。)で表される化合物を添加すること
を特徴とするエチレン系共重合体の製造方法にある。
【0005】以下、本発明を具体的に説明する。 固体触媒成分 本発明のエチレン系共重合体の製造で用いられる固体触
媒成分として、少なくともマグネシウム、チタンおよび
ハロゲンを含有する固体触媒成分が用いられる。例え
ば、特開昭53−78287、特開昭53−13208
2、特開昭54−75491、特開昭54−8119
0、特開昭55−3459、特開昭57−20541
0、特開昭58−149906、特開昭58−2251
05などに記載されたものを用いることができる。
【0006】具体的には、固体触媒成分(A)および固
体触媒成分(B)として挙げられる固体触媒成分があ
る。固体触媒成分(A)としては、 (A)−(1)(a)三ハロゲン化アルミニウム、
(b)Si−O結合を有する有機化合物および(c)マ
グネシウムアルコラートを共粉砕させることによって得
られる共粉砕生成物に (A)−(2)少なくとも一個のハロゲン原子を有する
四価のチタン化合物、を液相にて接触させることによっ
て得られる固体触媒成分である。三ハロゲン化アルミニ
ウムは無水物であり、三塩化アルミニウム、三臭化アル
ミニウム、および三フッ化アルミニウムがあげられる。
特に三塩化アルミニウムが好ましい。該三ハロゲン化ア
ルミニウムの形状は粉末でも、粒状物でもよい。Si−
O結合を有する有機化合物として代表的なものは一般式 Si(OR11p12 q (I) R13(R14 2 SiO)r SiR15 2 (II) (R16 2 SiO)s (III) で示されるものである。式において、R11、R12および
16は同一でも異なっていても良く、炭素数が多くとも
20個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基お
よびアラルキル基からなる群から選ばれた炭化水素基
(これらは不飽和でも、ハロゲン原子または炭素数が多
くとも20個のアルコキシ基で置換されても良く、また
グリシジル基のごときエポキシ環を有するものでも良
い)であり(R12は水素原子またはハロゲン原子でも良
く、R16は水素原子でも良い)、R13、R14およびR15
は同一でも異なっていても良く、上記炭化水素基(これ
らは不飽和でも、置換されても良い)またはハロゲン原
子であり、p+qは4であり(ただし、p≠0)、rは
1ないし1000の整数であり、sは2ないし1000
の整数である。
【0007】(I)式で示される化合物の代表的なもの
としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチル
シラン、エトキシトリエチルシラン、テトラプロポキシ
シラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトライソプ
ロポキシシラン、ジイソプロポキシジイソプロピルシラ
ン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジブチルシ
ラン、テトラn−ブトキシシラン、ジn−ブトキシ−ジ
n−ブチルシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テ
トラヘキソキシシラン、テトラオクトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラクレジルシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ト
リメトキシクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、
ジメトキシジブロモシラン、トリエトキシクロロシラ
ン、ジエトキシジブロモシラン、ジブトキシジクロロシ
ラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシ
ジフェニルシラン、3,5−ジメチルフェノキシトリメ
チルシラン、メチルフェニル−ビス(2−クロロエトキ
シ)シラン、ジメトキシジベンジルシラン、トリn−プ
ロピルアリルオキシシラン、アリルトリス(2−クロロ
エトキシ)シラン、トリメトキシ−3−エトキシプロピ
ルシラン、ビニル(トリブトキシ)シランおよび3−
(グリシドキシ)プロピルトリメトキシシランなどがあ
げられる。
【0008】また、(II)式で示される化合物の代表的
なものとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメ
チルトリシロキサン、テトラコサメチルウンデカシロキ
サン、8−ヒドロヘプタメチルトリシロキサン、ヘキサ
フェニルジシロキサン、ヘキサシクロヘキシルジシロキ
サン、1,8−ジメチルジシロキサン、ヘキサエチルジ
シロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ヘキサプロ
ピルジシロキサン、1,3−ジクロロテトラメチルジシ
ロキサン、1,3−ビス(p−フェノキシジフェニル)
−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサ
ン、1,3−ジアリルテトラメチルジシロキサン、1,
3−ジベンジルテトラメチルジシロキサン、2,2,
4,4−テトラフェニル−2,4−ジシラン−1−オキ
サシクロペンタン、1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサンおよびヘキサクロロジシロキサンなどがあげら
れる。
【0009】さらに、(III)式で示される化合物の代表
的なものとしては、1,3,5−トリメチルシクロトリ
シロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルクロロ
シクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチルトリフ
ェニルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロト
リシロキサン、1,3,5−トリベンジルトリメチルシ
クロトリシロキサンおよび1,3,5−トリアリルトリ
メチルシクロトリシロキサンなどがあげられる。これら
のSi−O結合を有する化合物のうち、前記(I)式に
おいてR11およびR12が炭素数が多くとも8個のアルキ
ル基、フェニル基またはアラルキル基で表されるものが
好ましい。また、前記(II)式においてR13、R14およ
びR15が炭素数が多くとも4個のアルキル基、フェニル
基またはハロゲン原子で表されるものが望ましく、さら
にrが4個以下のものが好ましい。その上、前記(III)
式においてR16が水素原子、炭素数が4個以下のアルキ
ル基、フェニル基またはビニル基で表されるものが望ま
しく、さらにsが10以下のものが好ましい。これらの
好適なSi−O結合を有する化合物としては、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラクレジル
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、ジエトキシジフェ
ニルシラン、ジメトキシジフェニルシランおよびビニル
(トリブトキシ)シランなどがあげられる。
【0010】マグネシウムアルコラートとしては、代表
的なものの一般式は下式(IV)で示されるものである。 Mg(OR172 (IV) (IV)式において、R17は炭素数が多くとも8個のアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキ
ル基からなる群から選ばれた炭化水素基である。これら
のマグネシウムアルコラートのうち、代表的なものとし
ては、マグネシウムメチラート、マグネシウムエチラー
ト、マグネシウムプロピラート、マグネシウムブチラー
ト、マグネシウムヘキシラート、マグネシウムフェノラ
ート、マグネシウムシクロヘキサノレート、マグネシウ
ムベンジルアルコラートおよびマグネシウムクレゾレー
トなどがあげられる。これらのマグネシウムアルコラー
トのうち、前記(IV)式においてR17が炭素数が多くと
も3個のアルキル基またはフェニル基で表されるものが
望ましい。これらの好適なマグネシウムアルコラートと
しては、マグネシウムメチラート、マグネシウムエチラ
ートおよびマグネシウムフェノラートがあげられる。
【0011】上記(A)−(1)の共粉砕生成物を製造
するに当たり、1モル当たりの前記マグネシウムアルコ
ラートに対する三ハロゲン化アルミニウムおよびSi−
O結合を有する化合物の添加割合は、いずれも一般に
0.02〜1.0モルであり、特に0.05〜0.20
モルが好ましい。また、Si−O結合を有する化合物の
ケイ素原子に対するハロゲン化アルミニウムのアルミニ
ウム原子の割合が重要である。その比が0.25〜4が
望ましく、とりわけ0.5〜2が好適である。共粉砕の
方法としては、この種の固体触媒成分を製造する際に一
般に使われているボールミル、振動ボールミル、衝撃式
粉砕機およびコロイドミルのごとき粉砕機を使って通常
行われている方法を適用すれば良い。共粉砕温度は室温
において実施すれば良いが、発熱が大きい場合には、冷
却すれば良い。なお、粉砕は乾燥した不活性ガス(たと
えば、窒素、アルゴン)の雰囲気下で行われる。共粉砕
に要する時間は使われる粉砕機の種類およびその能力な
らびに被粉砕物の充填量、種類およびその割合などによ
って一概に規定することは出来ないが、共粉砕生成物の
粒度および粒度分布が均一になる程度に粉砕時間を選べ
ば良い。したがって、一般には10分以上であるが、2
0時間以上共粉砕したとしても、さらに効果が向上する
ことは期待できず、むしろ共粉砕生成物の収率が低下す
ることもある。この様にして得られる共粉砕生成物は、
アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムを含有する複
錯体である。この様にして得られる共粉砕生成物の平均
粒度は通常50〜200ミクロンであり、比表面積は2
0〜200m2 /gである。
【0012】以上のようにして得られた共粉砕生成物と
チタン系化合物とを液相にて接触させることによって本
発明の固体触媒成分(A)が得られる。この場合、炭化
水素系の溶媒の存在下で実施しても良く、チタン系化合
物が液状の場合では、そのまま無溶媒で実施しても良
い。固体触媒成分を製造するために使われるチタン系化
合物は、少なくとも1個のハロゲン原子を有する四価の
チタン化合物であり、その一般式は下式(V)で示され
るものである。 TiXt (OR18u (NR1920v (OCOR21w (V) (V)式において、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子であり、R18、R19、R20およびR21は炭素数が
多くとも12個の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水
素であり、tは1〜4の数であり、u、vおよびwは0
ないし3の数であり、t+u+v+wは4である。チタ
ン化合物の代表例としては、四塩化チタン、四臭化チタ
ン、四ヨウ化チタン、メトキシチタントリクロライド、
ジメトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンク
ロライド、エトキシチタントリクロライド、ジエトキシ
チタンジクロライド、トリエトキシチタンクロライド、
プロポキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリ
クロライド、ジメチルアミニチタントリクロライド、ビ
ス(ジメチルアミノ)チタンジクロライド、ジエチルア
ミノチタントリクロライド、プロピオン酸チタントリク
ロライドおよび安息香酸チタントリクロライドなどがあ
げられる。なかでも、(V)式において、vおよびwが
0であり、R18が炭素数が多くとも6個のアルキル基で
あり、かつtが3のものあるいはuも0(すなわち、t
が4)のものが好ましく、とりわけ四塩化チタン、メト
キシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロラ
イドおよびブトキシチタントリクロライドが好適であ
る。
【0013】該固体触媒成分を製造するにあたり、必ず
しも炭化水素溶媒の存在下で実施しなくても良いが、炭
化水素溶媒の存在下で実施する場合、用いられる炭化水
素溶媒は0℃ないし140℃で液状であるものが好まし
い。その代表例としては脂肪族炭化水素(たとえば、イ
ソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、パラフィン)、脂環族炭化水素(たとえば、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキ
サン)および芳香族炭化水素(たとえば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン)である。共粉砕生成物とチタン系化
合物を接触させる割合としては、共粉砕生成物上にチタ
ン原子の量が一般には0.5〜10重量%担持されるよ
うな適当な条件を選べば良い。したがって、共粉砕生成
物中のマグネシウム1原子に対するチタン系化合物の割
合は0.5〜50モルであり、0.5〜40モルが好ま
しく、特に1.0〜20モルが好適である。接触温度
は、通常室温ないし150℃であり、とりわけ常温ない
し130℃が望ましい。常温以下で接触すれば、接触が
不十分である。一方、150℃以上では、満足し得る固
体触媒成分が得られない。また、接触時間は10分ない
し5時間が一般的であるが、特に10分ないし3時間接
触させるのが、重合活性の点から望ましい。接触時間が
10分以下では、接触が不十分である。一方、5時間以
上接触させたとしても、さらに接触が進行することもな
く、むしろ得られる固体触媒成分が失活することもあ
る。この接触を前記炭化水素溶媒の存在下で実施するに
は、チタン系化合物の溶解度にもよるが、共粉砕生成物
1重量部当たり炭化水素溶媒は多くとも10重量部であ
る。
【0014】以上のようにして得られる接触生成物は固
体触媒成分の他に、未反応のチタン系化合物などを含有
している。この接触生成物を精製することによって本発
明の固体触媒成分が得られる。この精製を実施するに
は、接触時に使用した炭化水素溶媒または他の炭化水素
溶媒(とりわけ、沸点が比較的低いものが望ましい)を
用いて、上澄み液を傾斜法または濾過法により抜き取
り、洗液中にハロゲンの存在が認められなくなるまで洗
浄を繰り返すのが望ましい。前記炭化水素溶媒を用いて
洗浄しても良く、また得られた固体触媒成分を含有する
スラリー(ただし、未反応のチタン系化合物を実質的に
含まないもの)を後記の重合器に供給することも可能で
ある。また、洗浄に使用した炭化水素溶媒を減圧下で除
去した後、固体成分として重合器にマッドフィードする
こともできる。
【0015】本発明において使用される触媒系は以上に
よって得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物
から得られるものである。有機アルミニウム化合物は、
その一般式が下式[(VI)式および(VII)式]で表され
る。 AlR222324 (VI) R2526Al−O−AlR2728 (VII) (VI)式において、R22、R23およびR24は同一でも異
種でも良く、炭素数が多くとも12個の脂肪族、脂環族
もしくは芳香族の炭化水素基、ハロゲン原子または水素
原子であるが、それらのうち少なくとも1個は前記炭化
水素基であり、ハロゲン原子を含有する場合はハロゲン
原子は1個である。また、(VII)式において、R25、R
26、R27およびR28は前記炭化水素基である。(VI)式
で示される有機アルミニウム化合物のうち、代表的なも
のとしては、トリエチルアルミニウム、トリプロピルア
ルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムのごときト
リアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイド
ライドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライドの
ごときジアルキルアルミニウムハイドライドならびにジ
エチルアルミニウムクロライドのごときジアルキルアル
ミニウムハロゲナイドがあげられる。また、(VII)式で
示される有機アルミニウム化合物のうち、代表的なもの
としては、テトラエチルジアルモキサンおよびテトラブ
チルジアルモキサンのごときアルキルアルモキサン類が
あげられる。これらの有機アルミニウム化合物のうちト
リアルキルアルミニウム類が好ましく、特にアルキル基
の炭素数が多くとも6個のトリアルキルアルミニウム類
(たとえば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム)が好適である。本発明において使用され
る触媒系を得るに当たり使用されるハロゲン化アルミニ
ウム、ケイ素系化合物およびマグネシウムアルコラー
ト、チタン系化合物ならびに前記有機アルミニウム化合
物はそれぞれ1種のみを使用してもよく、2種以上を併
用しても良い。
【0016】また、固体触媒成分(B)としては、 (B)−(1)(a)三ハロゲン化アルミニウム、
(b)Si−O結合を有する有機化合物および(c)マ
グネシウムアルコラートの固体状生成物に、 (B)−(2)少なくとも一個のハロゲン原子を有する
四価のチタン化合物、を接触させることによって得られ
る固体触媒成分である。三ハロゲン化アルミニウムとし
ては、固体触媒成分(A)の製造に用いられたものと同
様のハロゲン化アルミニウムが用いられ、特に塩化アル
ミニウムが好ましい。Si−O結合を有するケイ素化合
物としては、固体触媒成分(A)の製造に用いられたも
のと同様のケイ素化合物が用いられ、特にテトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラクレジルシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサンおよびジエトキシジメチ
ルシランなどがあげられる。マグネシウムアルコラート
としては、固体触媒成分(A)の製造に用いられたもの
と同様のマグネシウム化合物が用いられ、特にマグネシ
ウムメトキシド、マグネシウムエトキシドおよびマグネ
シウムフェノキシドがあげられる。
【0017】固体触媒成分(B)を製造するに当たり、
1モルの前記マグネシウムアルコラートに対するハロゲ
ン化アルミニウムの反応割合は、一般には0.5〜10
モルであり、特に0.5〜5モルが好ましい。1モルの
マグネシウムアルコラートに対してハロゲン化アルミニ
ウムの反応割合が0.5モル以下では、得られる触媒系
の重合活性が低く、一方、10モル以上では、生成する
エチレン系重合体の嵩比重が0.18以下となり、した
がって生産性が低下する。また、1モルのマグネシウム
アルコラートに対するケイ素化合物の反応割合は、一般
には、0.5〜10モルであり、とりわけ0.5〜5モ
ルが好ましい。特に重要な因子は、ハロゲン化アルミニ
ウムとケイ素化合物との反応割合であり、後記のごと
く、あらかじめハロゲン化アルミニウムとケイ素系化合
物との反応生成物を製造する場合、1モルのケイ素系化
合物に対するハロゲン化アルミニウムの反応割合は、通
常0.25〜4モルであり、特に、0.5〜1.5モル
が好適である。1モルのケイ素系化合物に0.25モル
以下または4モル以上のハロゲン化アルミニウムを反応
したとしても、得られる触媒系の重合活性が低下した
り、生成する重合体の嵩比重が低下するため望ましくな
い。
【0018】固体状生成物を製造する方法としては、前
記ハロゲン化アルミニウム、ケイ素系化合物およびマグ
ネシウムアルコラートの三者を同時に反応する方法[以
下「方法(イ)」と云う]ならびにあらかじめハロゲン
化アルミニウムとケイ素系化合物とを反応させ、ついで
得られる反応生成物とマグネシウムアルコラートとを反
応させる方法[以下「方法(ロ)」と云う]との二つの
方法がある。固体状生成物を製造するために用いられる
ハロゲン化アルミニウム、マグネシウムアルコラートお
よびケイ素系化合物はいずれも吸湿性であり、たとえわ
ずかの湿気が存在していても、加水分解を受け易いた
め、乾燥した不活性ガス(たとえば、窒素、アルゴン)
の雰囲気下で反応させることが肝要である。さらに、こ
の反応は通常室温において液体である不活性の有機溶媒
中で実施される。この有機溶媒の代表例としては、脂肪
族炭化水素(たとえば、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン)、脂環族炭化水素(たとえば、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン)および芳香族炭化水素(たとえ
ば、ベンゼン、トルエン)ならびにこれらの炭化水素の
ハロゲン化物(たとえば、四塩化炭素、トリクロルエチ
レン)ならびにこれらの混合物があげられるが、特に、
それらの沸点が50〜200℃のものが好ましく、とり
わけベンゼンおよびトルエンが好適である。これらの有
機溶媒中に微量の水分も存在しないものであることは勿
論である。ベンゼンまたはトルエンの存在下でハロゲン
化アルミニウムとケイ素系化合物とを反応させた場合、
発熱を伴って反応し、上記有機溶媒に完全に可溶化した
生成物が得られる。そのさいに、1モルのハロゲン化ア
ルミニウムに対するケイ素系化合物の反応割合が0.2
5〜4.0モルの範囲でなければ、反応生成物が上記炭
化水素溶媒中で不均一となり、マグネシウムアルコラー
ト(固体)との反応がスムーズに進まないことが起こり
得る。
【0019】方法(イ)は同時にハロゲン化アルミニウ
ム、マグネシウムアルコラートおよびケイ素系化合物を
前記溶媒中に加え、反応(加熱しても良い)する方法で
ある。この反応における反応温度は、ハロゲン化アルミ
ニウム、マグネシウムアルコラートおよびケイ素系化合
物の相互の反応割合、それらの種類、使用する不活性有
機溶媒の種類、不活性有機溶媒に対するケイ素系化合物
の割合その他の反応条件によって異なるけれども、一般
には室温(約25℃)ないし150℃である。また、反
応時間は前記の反応条件および反応温度によって異なる
けれども、一般には10分ないし2時間である。特に、
上記の反応温度および反応時間の両方を考慮して、50
〜100℃の温度範囲で30分ないし1.5時間反応さ
せることによって目的物(アルミニウム、ケイ素および
マグネシウムを含む複化合物)を得ることができる。
【0020】方法(ロ)は最初にハロゲン化アルミニウ
ムとケイ素系化合物との反応を行う。この反応における
反応温度は、ハロゲン化アルミニウムとケイ素系化合物
との反応割合、ハロゲン化アルミニウムとケイ素系化合
物の種類、使用する不活性有機溶媒の種類、不活性有機
溶媒に対するケイ素化合物の割合ならびにその他の反応
条件によって異なるけれども、一般には、室温(約25
℃)ないし150℃であり、室温ないし100℃が好ま
しい。反応温度が室温以下では反応速度が遅く、150
℃以上で反応させれば、最終的に得られる触媒系の存在
下で重合させた場合、生成する重合体の嵩比重が低下す
る傾向にあるため望ましくない。また、反応時間は、前
記の反応条件及び反応温度によって異なるけれども、一
般には、10分以上の時間をとれば充分に目的を達成す
ることができる。上記のことから、反応温度及び反応時
間の両方を考慮して、室温(約25℃)ないし80℃の
温度において15分ないし1時間反応させることが好適
である。この反応は、反応の初期では反応系が不均一状
(懸濁状)であるが、反応の進行にともない、変色した
均一状の溶液となる。
【0021】以上の方法によって得られる反応生成物と
前記マグネシウムアルコラートとを反応することによっ
て、方法(ロ)による固体状生成物を製造することがで
きる。この反応における反応温度は、反応生成物とマグ
ネシウムアルコラートとの反応割合、マグネシウムアル
コラートの種類、反応生成物の製造条件、使用する不活
性炭化水素の種類および不活性炭化水素に対するマグネ
シウムアルコラートの割合のごとき反応条件によって異
なるけれども、一般には、室温ないし150℃である。
反応温度が室温以下では、アルミニウム、ケイ素および
マグネシウムの複化合物(固体状生成物)の生成が不十
分である。一方、150℃以上で反応させれば、副反応
を起こすことがあるため望ましくない。さらに、反応時
間は前記の反応条件および反応温度によって異なるけれ
ども、一般には10分ないし3時間である。以上のこと
から、反応温度及び反応時間の両方を考慮して、50〜
100℃の温度において30分ないし1.5時間反応さ
せることが好適である。
【0022】以上の方法(イ)または方法(ロ)による
反応が終了した後、反応時に使用した炭化水素溶媒また
は別の炭化水素(特に、n−ヘキサンおよびn−ヘプタ
ンのごとき沸点が比較的低いものが好適である)を用い
て上澄み液を抜き取り(2回以上でも良い)、固体生成
物を上記炭化水素溶媒(別の炭化水素でもよい)を使用
して数回洗浄する。方法(イ)および方法(ロ)のう
ち、得られる触媒系の重合活性の点から云って、方法
(ロ)によって製造することが望ましい。以上の方法に
よって精製された固体状生成物はケイ素系化合物の種類
によって色は異なるが、粉末状の固体生成物である。分
析により、アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムを
含む複化合物であることが明白である。以上の方法によ
って得られた固体状生成物の精製物と後記のチタン系化
合物とを反応することによって固体触媒成分(B)を製
造することができる。
【0023】固体触媒成分(B)を製造するために使用
されるチタン系化合物は、固体触媒成分(A)の製造に
用いられたものと同様のチタン系化合物が用いられ、と
りわけ四塩化チタン、メトキシチタントリクロライド、
エトキシチタントリクロライドおよびブトキシチタント
リクロライドが好適である。前記のアルミニウム、ケイ
素およびマグネシウムを含む固体状生成物とチタン系化
合物との反応割合は、固体状生成物中のマグネシウムの
含有割合によって異なるけれども、一般には、固体状生
成物にチタン系化合物が可能な限り担持される最低必要
量で良く、固体状生成物中のマグネシウム1原子当たり
のチタン系化合物の反応割合は、通常0.1〜200モ
ル(好ましくは、0.2〜100モル)の範囲から選ば
れるが、反応温度、濃度、および時間によって変わり得
る。アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムを含む固
体状生成物(複合担体)上に担持されるチタン原子の量
が、一般には1〜10重量%担持されるような適当な条
件を選べば良い。
【0024】固体触媒成分(B)を製造するには、固体
状生成物とチタン系化合物とを固体状生成物を製造する
際に用いた不活性炭化水素溶媒中であるいは溶媒の不存
在下で反応させることによって得ることができる。この
反応における反応温度は、固体状生成物中のマグネシウ
ムに対するチタン系化合物の反応割合、固体状生成物お
よびチタン系化合物の種類、不活性炭化水素溶媒の使用
または不使用、使用する場合の不活性炭化水素溶媒の種
類および不活性炭化水素溶媒に対する固体状生成物の割
合のごとき反応条件によって異なるけれども、一般には
常温〜150℃であり、とりわけ、50〜140℃が好
適である。常温以下で反応すれば、反応が不十分であ
る。一方、反応温度が150℃以上において反応したと
しても、その目的物が得られるけれども、あえてその必
要もない。また、反応時間は、前記反応条件および反応
温度によって異なるけれども、通常10分ないし2時間
である。反応時間が10分以下では、反応が不十分であ
る。また、2時間以上反応させたとしても、さらに反応
が進行することもなく、むしろ得られる触媒が失活する
こともある。上記のことから、反応温度および反応時間
の両方を考慮して、50〜140℃の温度において10
分ないし2時間反応させることが好適である。
【0025】以上の方法によって得られる固体成分は一
般には下記の方法によって精製される。すなわち、固体
成分と未反応物との混合物は、反応時に使用した炭化水
素溶媒または他の炭化水素溶媒(とりわけ、沸点が比較
的低いものが望ましい)を用いて、上澄み液を傾斜法ま
たは濾過法により抜き取り、洗液中にチタン系化合物の
存在が認められなくなるまで、前記炭化水素溶媒を使用
して洗浄しても良く、また得られた固体成分を含有する
スラリー(ただし、未反応のチタン系化合物を実質的に
含まないもの)を後記の重合器に供給することも可能で
ある。また、洗浄に使用した炭化水素溶媒を減圧下で除
去した後、固体成分として重合器に供給することもでき
る。
【0026】本発明において使用される触媒系は以上に
よって得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物
から得られるものである。本固体触媒成分(B)を用い
る重合で使用される有機アルミニウム化合物は、固体触
媒成分(A)を用いる重合で使用される有機アルミニウ
ム化合物と同様の化合物が用いられ、とりわけトリアル
キルアルミニウムが類が好ましく、特に、アルキル基の
炭素数が多くとも6個のトリアルキルアルミニウム(た
とえば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム)が好適である。本発明において使用される固
体触媒成分(B)を得るにあたり、前記固体状生成物を
製造するために使用されるハロゲン化アルミニウム、ケ
イ素系化合物およびマグネシウムアルコラート、固体成
分を製造するために使われる固体状生成物およびチタン
系化合物ならびに前記有機アルミニウム化合物はそれぞ
れ一種のみを使用しても良く、二種以上を併用しても良
い。
【0027】上記のごとき触媒系を用いて、炭化水素溶
媒中で50〜100℃の温度でエチレンとα−オレフィ
ンとの共重合を行う。炭化水素溶媒としては、プロパ
ン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペン
タン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素および
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭
化水素が挙げられるが、重合後の後処理から易揮発性の
炭化水素溶媒、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イ
ソペンタン、n−ペンタンなどが好ましい。共重合に使
用されるコモノマーとしてのα−オレフィンは、炭素数
5以上の鎖状または分岐状のα−オレフィンから選ばれ
る。たとえば、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1、4−メチルペンテン−1およびこれらの混合物
などである。
【0028】中空成形用途においては、高い耐環境応力
亀裂性が要求される。この耐環境応力亀裂性がいかなる
分子構造および形態学上の構造から発現するかを鋭意検
討した結果、高分子量成分を作る際にエチレンと炭素数
5以上のα−オレフィンとの共重合体を必要とする事が
わかり、炭素数4以下のα−オレフィンでは、この耐環
境応力亀裂性が不十分であることが見いだされた。コモ
ノマーの含量は、通常0.2〜5重量%の範囲である。
重合反応は二段階に分けて単一もしくは複数の反応器に
て実施し、複数の反応器を用いて行う場合は第一段の反
応帯域で重合して得られた反応混合物を続いて第二段の
反応帯域に連続して供給する。第一段の反応帯域より第
二段の反応帯域への移送は、連絡管を通して行い、第二
段反応帯域からの重合反応混合物の連続的排出による差
圧によりおこなわれる。易揮発性の炭化水素溶媒を用い
て多段重合を実施する場合には、水素濃度の低い条件下
でできる高分子量成分を第一段に、水素濃度の高い条件
下での低分子量成分を第二段に重合させることがプロセ
ス上必要である。
【0029】工業的に二段重合プロセスにて連続的に生
産する場合には、二つの重合帯域での重合比活性(固体
触媒成分、重合時間、エチレン分圧当たりの生成重合体
量をRspで表す)が理想から言えば同じであることが望
ましいが、分子量分布を広げる所期の目的に対して高分
子量成分をつくる比活性Rsp,Lと低分子量成分をつくる
比活性Rsp,Hとの活性比Rsp,L/Rsp,Hが1に近いこと
が理想である。でなければできる限りそれに近い値が望
ましい。1に近ければ、それぞれの重合帯域で同じモノ
マー濃度、同じ程度の滞留時間にて、生産量比に応じて
余り比率の違わない容積比の反応器を用いれば良いが、
sp,Hが極端にRsp,Lに比し低下すると、容積比に差を
付けて活性の低下を別のデザインや条件でカバーする必
要が生じる。また、Rsp,Hの絶対値が低いと、触媒残が
多くなり、無脱灰プロセスには適しない。またプロセス
上もRsp,Hが低いとエチレン濃度や滞留時間を高めるこ
とにより触媒効率(productivity)を高め
ることが可能ではあるが水素濃度の高い条件では、モノ
マー濃度を上げるとそれに付随して水素濃度も高まり、
当然運転圧力も上昇するデメリットがある。そうした問
題からも本発明に適用される触媒系としては、遷移金属
を含む高活性のチーグラー型触媒で、マグネシウム化合
物を処理して得られる担体担持型触媒が好ましい。
[η]=1の相対的に低分子量のエチレン系重合体をつ
くる触媒の比活性(Rsp,H)が800g/g・hr・k
g/cm2 以上であり、かつ、[η]≧2の相対的高分
子量重合体をつくる触媒の比活性(Rsp,L)と前記
sp,Hとの活性比が1<Rsp,L/Rsp,H<3の範囲を満
たす高活性触媒であれば特に限定するものではないが、
上記の触媒系がより好ましい。
【0030】また、低分子量成分を第一段に、高分子量
成分を第二段にて重合体混合物を製造する場合には、た
とえば上記の触媒系を用いるとRsp’L/Rsp’H=3に
なるが、他方その逆の順序にした場合、すなわち、第一
段に高分子量成分を、第二段に低分子量成分をつくる場
合には、Rsp’L/Rsp’H=1.2〜2になり、両段階
における活性比が非常に1に近づくことがわかった。こ
の両面からも、第一段で高分子量成分をつくり、第二段
で低分子量成分をつくることが必要である。(a)工程
においては、[η]≧2.0のエチレンと炭素数5以上
のα−オレフィンとの共重合体を、液相中の水素濃度の
エチレン濃度に対する重量比で調節しながら、共重合反
応を行う。この液相中の水素のエチレンに対する濃度比
は、一般的に1.0×10-3(重量比)以下となるよう
な水素の存在下にて行う。またこの(a)工程でつくら
れるエチレンとα−オレフィンの共重合体は、[η]a
が2.0以上すなわち、重量平均分子量で12.8×1
4 以上の高分子量体で、共重合体中のα−オレフィン
の含有量は、0.2〜5重量%が一般的で、特に、0.
5〜2.5重量%が好ましい。(b)工程においては、
[η]b が0.1〜1.0の範囲のエチレン重合体を液
相におけるエチレン濃度に対する水素濃度の濃度比を1
0〜50×10-3(重量比)に保ち、一般式 (式中、R5、R6は同一もしくは異なり、炭素数1〜1
0のアルキル基またはアリール基を示す。)で表される
化合物、または一般式 (式中、R7〜R10は同一もしくは異なり、炭素数1〜
10のアルキル基またはアリール基であって、mは1〜
10の整数を示す。)で表される化合物を添加し、
(a)工程から流れ込む反応混合物中のα−オレフィン
の共重合を抑制させることによって達成される。従って
(b)工程においては相対的に低分子量の、(a)工程
で生成するエチレンとα−オレフィンとの共重合体のコ
モノマー含量より低い分岐度の共重合体を生成させるこ
とになる。 (a)工程の高分子量共重合体および(b)工程の低分
子量重合体の全重合体混合物中の割合をそれぞれ30〜
70重量%、70〜30重量%にするようにそれぞれの
反応工程で重合を行う。 (a)工程、(b)工程は回分式で行っても良いが、連
続重合式で行うのが生産性の面から望ましい。
【0031】本発明において極限粘度[η]は、130
℃、テトラリン溶媒中での極限粘度を表し、[η]=
4.71×10-4Mv0.71の粘度式を用いて粘度平均分
子量Mvが計算される。極限粘度に関する重量加成性が
成り立つので、第二段反応帯域で生成するエチレン重合
体の[η]b は次式で求めることができる。 [η]b ={[η]c −Wa [η]a }/Wb ただし、[η]c は全重合体の極限粘度、Wa 、Wb
それぞれ(a)、(b)両工程の重合体の重量分率を示
し、Wa +Wb =1.0である。(a)工程で生成させ
る共重合体の[η]a は2以上6.2以下の極限粘度を
有し、また一方の(b)工程で生成させる低分子量重合
体の[η]b は0.1より大きく1.0より小さい範囲
の分子量が選ばれる。以上のごとき分子量範囲の[η]
a 、[η]b の共重合体を(a)工程、(b)工程にて
つくるが、その組み合わせ上、構成分子量の比すなわち
[η]a /[η]b は4.5〜20.0の範囲を選ぶ必
要がある。さらに、耐衝撃性、成形加工性の面から、全
共重合体の分子量[η]c も1.0〜3.5の範囲であ
ることが好ましい。また、(a)工程と(b)工程の割
合は全重合体中の30〜70重量%が好ましいが、特に
高分子量の(a)工程の割合は40〜60重量%が、衝
撃強度、耐環境応力亀裂性、成形性の面から好ましい。
重合反応は、50℃〜100℃の温度にて、20分〜1
0時間、その圧力は使用する溶媒にもよるが、0.5〜
100Kg/cm2 の圧力下にて実施される。反応器の
タイプは槽型(ベッセル型)でも環状型(ループ型)で
も良い。反応器の各段でもポリマー濃度は5〜60重量
%が一般的で、好ましくは35〜55重量%が生産性の
面からも適している。以上のようにして得られた重合体
は、次いで混練するのが好ましい。単軸または二軸の押
出機または、連続式混練機を用いるのも良い。
【0032】
【0033】一般式
【化9】 (式中、R5 、R6 は同一でも異なっていても良く、炭
素数1〜10のアルキル基またはアリール基を示す。)
で表される化合物としては、4−メトキシアセト酢酸メ
チル、4−エトキシアセト酢酸メチル、4−n−プロポ
キシアセト酢酸メチル、4−イソプロポキシアセト酢酸
メチル、4−ブトキシアセト酢酸メチル、4−ヘキソキ
シアセト酢酸メチル、4−フェノキシアセト酢酸メチ
ル、4−メトキシアセト酢酸エチル、4−メトキシアセ
ト酢酸n−プロピル、4−メトキシアセト酢酸イソプロ
ピル、4−メトキシアセト酢酸ブチル、4−メトキシア
セト酢酸ヘキシル、4−メトキシアセト酢酸フェニル、
4−エトキシアセト酢酸エチル、4−n−プロポキシア
セト酢酸n−プロピル、4−イソプロポキシアセト酢酸
イソピロピル、4−ブトキシアセト酢酸ブチル、4−ヘ
キソキシアセト酢酸ヘキシル、4−フェノキシアセト酢
酸フェニル、4−n−プロポキシアセト酢酸エチル、4
−イソプロポキシアセト酢酸エチル、4−ブトキシアセ
ト酢酸エチル、4−ヘキソキシアセト酢酸エチル、4−
フェノキシアセト酢酸エチル、4−エトキシアセト酢酸
n−プロピル、4−エトキシアセト酢酸イソプロピル、
4−エトキシアセト酢酸ブチル、4−エトキシアセト酢
酸ヘキシル、4−エトキシアセト酢酸フェニル、4−メ
トキシ−2−メチルアセト酢酸メチル、4−メトキシ−
2−エチルアセト酢酸メチル、4−メトキシ−2−n−
プロピルアセト酢酸メチル、4−メトキシ−2−イソプ
ロピルアセト酢酸メチル、4−メトキシ−2−ブチルア
セト酢酸メチル、4−メトキシ−2−ヘキシルアセト酢
酸メチル、4−メトキシ−2−フェニルアセト酢酸メチ
ル、4−メトキシ−2,2−ジメチルアセト酢酸メチ
ル、4−メトキシ−2,2ージエチルアセト酢酸メチ
ル、4−メトキシ−2,2−ジ−n−プロピルアセト酢
酸メチル、4−メトキシ−2,2−ジイソプロピルアセ
ト酢酸メチル、4−メトキシ−2,2−ジブチルアセト
酢酸メチル、4−メトキシ−2,2−ジヘキシルアセト
酢酸メチル、4−メトキシ−2,2−ジフェニルアセト
酢酸メチルが挙げられ、特に4−メトキシアセト酢酸メ
チルが好ましい。
【0034】また、一般式 (式中、R7〜R10は同一もしくは異なり、炭素数1〜
10のアルキル基またはアリール基であって、mは1〜
10の整数を示す。)で表される化合物としては、4−
メトキシ−2−ブタノン、4−メトキシ−2−ペンタノ
ン、4−メトキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−メ
トキシ−3−メチル−2−ペンタノン、4−メトキシー
4−メチル−2−ペンタノン、4−メトキシー3,3ー
ジメチル−2−ブタノン、4−メトキシー3,4−ジメ
チル−2−ペンタノン、4−メトキシー3,3ージメチ
ル−2−ペンタノン、4−メトキシー3,3,4−トリ
メチル−2−ペンタノン、4−エトキシ−4−メチル−
2−ペンタノン、4−n−プロポキシ−4−メチル−2
−ペンタノン、4−イソプロポキシ−4−メチル−2−
ペンタノン、4−ブトキシ−4−メチル−2−ペンタノ
ン、4−ヘキソキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4
−フェノキシ−4−メチル−2−ペンタノン、5−メト
キシ−5−メチル−3−ヘキサノン、6−メトキシ−6
−メチル−4−ヘプタノン、7−メトキシ−7−メチル
−5−オクタノン、8−メトキシ−8−メチル−6−ノ
ナノン、3−メトキシ−3−メチル−1−フェニルーブ
タノン、4−エトキシ−3,3−ジメチル−2−ブタノ
ン、4−n−プロポキシ−3,3−ジメチル−2−ブタ
ノン、4−イソプロポキシ−3,3−ジメチル−2−ブ
タノン、4−ブトキシ−3,3−ジメチル−2−ブタノ
ン、4−ヘキソキシ−3,3−ジメチル−2−ブタノ
ン、4−フェノキシ−3,3−ジメチル−2−ブタノ
ン、5−メトキシ−4,4−ジメチル−3−ペンタノ
ン、6−メトキシ−5,5−ジメチル−4−ヘキサノ
ン、7−メトキシ−6,6−ジメチル−5−ヘプタノ
ン、8−メトキシ−7,7−ジメチル−6−オクタノ
ン、3−メトキシ−2,2−ジメチル−1−フェニル−
プロパノンが挙げられ、特に4−メトキシ−4−メチル
−2−ペンタノンが好ましい。
【0035】(b)工程において添加される上記化合物
はヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素またはシク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水
素で希釈して(b)工程の反応器に供給される。その濃
度は任意であるが、(b)工程の反応器において触媒中
に含有されるTi原子に対する上記化合物のモル比が
0.1〜50、好ましくは0.5〜10となるように供
給される。上記化合物は一種のみを使用しても良く、二
種以上を併用しても良い。
【0036】
【実施例】次に実施例および比較例をあげ、本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、物性試験の方法は次の通り
である。重合体粉末を65mmφ、L/D=26、フル
フライトスクリュー押出機(50rpm,C1 =160
℃,C2 =200℃,C3 =220℃,D=210℃)
で混練し、ペレット化したサンプルを用いて物性測定を
した。密度測定はJIS−K−6760により測定し
た。剛性はJIS−K−7203に従って測定した曲げ
弾性率を剛性の値とした。ESCRはJIS−K−67
60に従って測定したBTL法によるF50値をESCR
の値とした。
【0037】実施例1 (1)触媒調製 無水塩化アルミニウム4.37モル、ジフェニルジエト
キシシラン3.06モルをトルエン8Lとともに20L
の反応容器に入れ、60℃にて撹拌しながら30分反応
後、マグネシウムエチラート8.75モルを添加し、9
0℃にて1.5時間反応後40℃まで冷却した。上澄み
液を抜き取り、n−ヘキサンで数回洗浄後、四塩化チタ
ン2.5Lを添加し、90℃にて1.5時間反応させ
た。未反応の四塩化チタンを40℃以下に冷却後、n−
ヘキサンで固体触媒を洗浄し、希釈率1/1000以下
まで行った。固体触媒中のTi含有量は8.5重量%、
Cl含量は48重量%であった。
【0038】(2)二段重合 内容積200Lの第一段重合器に脱水精製したイソブタ
ンを117L/hr、トリイソブチルアルミニウムを1
75mmol/hrの速度で、上記担持触媒を5.09
g/hrの速度で連続的に供給し、重合器内容物を所要
速度で排出しながら、80℃においてエチレンを21.
0Kg/hr、ヘキセン−1を0.30kg/hrの速
度で供給し、液相中の水素濃度0.15×10-3wt
%、エチレン濃度1.0wt%、水素の対エチレン濃度
比0.15×10-3(w/w)、ヘキセン−1の対エチ
レン濃度比を0.42(w/w)に保ち、全圧41kg
/cm2 、平均滞留時間を0.80hrの条件下で液充
満の状態で連続的に第一段共重合を行う。共重合で生成
したエチレン・ヘキセン−1共重合体を含むイソブタン
のスラリー(重合体濃度23重量%、重合体の極限粘度
3.2、ヘキセン含有量は0.36重量%、共重合体密
度は0.952g/cm3 )をそのまま内容積400L
の第二段重合器に全量、内径50mmの連続管を通して
導入し、触媒を追加することなく、イソブタン55L/
hrと水素、さらに4−メトキシ−4−メチル−2−ペ
ンタノンを第二段重合器内の触媒中のチタン原子に対す
るモル比が5となるように供給し、重合器内容物を所要
速度で排出しながら、90℃において、エチレンを2
3.7kg/hrの速度で供給し、エチレン濃度を1.
20重量%、水素の対エチレン濃度比を15×10
-3(w/w)に保ち、全圧を41.0kg/cm2 、滞
留時間を1.05hrの条件下に第二段重合を行う。第
二段重合器からの排出物は、エチレン重合体混合物を3
1重量%含み、該重合体の極限粘度1.6であり、エチ
レン共重合体混合物の密度は0.9592g/cm3
あった。第一段と第二段の重合体の生成割合は47:5
3に相当し、第二段重合器のみで生成しているエチレン
共重合体の極限粘度は0.18、ヘキセン−1含量は
0.03重量%であり、密度は0.967g/cm3
相当する。この共重合体の曲げ弾性率は14900kg
f/cm2 、ESCRは65hrと、剛性とESCRの
バランスに優れたエチレン系共重合体が得られた。
【0039】実施例2 実施例1において、第二段で添加する化合物を4−メト
キシアセト酢酸メチルに変える以外は実施例1と同様に
して重合を行った。結果を表1に示す。剛性とESCR
のバランスに優れたエチレン系共重合体が得られた。
【0040】比較例1 実施例1において、第二段で実施例1および2に相当す
る化合物を全く添加しない以外は実施例1と同様にして
重合を行った。結果を表1に示す。ESCRは良好だ
が、剛性は低い結果となった。
【0041】実施例3 (1)触媒調製 直径が10mmの磁製ボ−ル約700個を入れた内容積
が1Lのポット(粉砕用容器)に窒素雰囲気で市販のマ
グネシウムエチラ−ト(平均粒径860ミクロン)20
g(17.5ミリモル)、粒状の三塩化アルミニウム
1.66g(12.5ミリモル)およびジフェニルジエ
トキシシラン2.72g(10ミリモル)を入れた。こ
れらを振動ボ−ルミルを用い、振幅が6mmおよび振動
数が30Hz/分の条件で3時間共粉砕を行った。共粉
砕後、内容物を窒素雰囲気下で磁製ボ−ルと分離した。
以上のようにして得られた共粉砕生成物5gおよび20
mlのn−ヘプタンを200mlの三つ口フラスコに加
えた。撹拌しながら室温において10.4mlの四塩化
チタンを滴下し、反応系を90℃まで昇温し、90分間
撹拌を続けた。ついで、反応系を冷却した後、上澄み液
を抜き取り、n−ヘキサンを加えた。この操作を3回繰
り返した。得られた淡黄色の固体を50℃にて減圧下で
6時間乾燥を行った。その結果、7.2gの固体が得ら
れた。固体触媒中のTi含有量は11重量%、Cl含量
は59重量%であった。
【0042】(2)二段重合 内容積200Lの第一段重合器に脱水精製したイソブタ
ンを117L/hr、トリイソブチルアルミニウムを1
75mmol/hrの速度で、上記担持触媒を5.09
g/hrの速度で連続的に供給し、重合器内容物を所要
速度で排出しながら、80℃においてエチレンを21.
0kg/hr、ヘキセン−1を0.45kg/hrの速
度で供給し、液相中の水素濃度0.15×10-3wt
%、エチレン濃度1.0wt%、水素の対エチレン濃度
比0.15×10-3(w/w)、ヘキセン−1の対エチ
レン濃度比を0.62(w/w)に保ち、全圧41kg
/cm2 、平均滞留時間を0.80hrの条件下で液充
満の状態で連続的に第一段共重合を行う。共重合で生成
したエチレン・ヘキセン−1共重合体を含むイソブタン
のスラリー(重合体濃度23重量%、重合体の極限粘度
3.2、ヘキセン含有量は0.54重量%、共重合体密
度は0.948g/cm3 )をそのまま内容積400L
の第二段重合器に全量、内径50mmの連続管を通して
導入し、触媒を追加することなく、イソブタン55L/
hrと水素、さらに4−メトキシ−4−メチル−2−ペ
ンタノンを第二段重合器内の触媒中のチタン原子に対す
るモル比が5となるように供給し、重合器内容物を所要
速度で排出しながら、90℃において、エチレンを2
3.7kg/hrの速度で供給し、エチレン濃度を1.
20重量%、水素の対エチレン濃度比を15×10
-3(w/w)に保ち、全圧を41.0kg/cm2 、滞
留時間を1.05hrの条件下に第二段重合を行う。第
二段重合器からの排出物は、エチレン重合体混合物を3
1重量%含み、該重合体の極限粘度1.6であり、エチ
レン共重合体混合物の密度は0.9575g/cm3
あった。第一段と第二段の重合体の生成割合は47:5
3に相当し、第二段重合器のみで生成しているエチレン
共重合体の極限粘度は0.18、ヘキセン−1含量は
0.03重量%であり、密度は0.967g/cm3
相当する。この共重合体の曲げ弾性率は14500kg
f/cm2 、ESCRは52hrと、剛性とESCRの
バランスに優れたエチレン系共重合体が得られた。
【0043】実施例4 実施例3において、第二段で添加する化合物を4−メト
キシアセト酢酸メチルに変える以外は実施例3と同様に
して重合を行った。結果を表1に示す。剛性とESCR
のバランスに優れたエチレン系共重合体が得られた。
【0044】比較例2 実施例3において、第二段で実施例3および4に相当す
る化合物を全く添加しない以外は実施例3と同様にして
重合を行った。結果を表1に示す。ESCRは良好だ
が、剛性は低い結果となった。
【0045】比較例3 実施例1と同じ触媒と同じ重合反応器を用いて、コモノ
マ−としてヘキセン−1の代わりに、ブテン−1を用い
た例である。第一段重合器にて80℃において、エチレ
ンを21.0kg/hr、ブテン−1を0.25kg/
hr、液相中の水素濃度0.21×10-3重量%、エチ
レン濃度を1.0重量%、ブテン−1のエチレンに対す
る濃度比を0.16(w/w)に保ち、平均滞留時間
0.9時間の条件下で連続重合した。共重合で生成した
エチレン・ブテン−1共重合体を含むイソブタンのスラ
リ−(共重合体濃度23重量%、重合体の極限粘度3.
2、該重合体のブテン−1含量0.69重量%であり、
密度は0.952g/cm3 であった。)第二段重合器
では、イソブタン55L/hrと水素、さらに4−メト
キシ−4−メチル−2−ペンタノンを第二段重合器内の
触媒中のチタン原子に対するモル比が5となるように供
給し、90℃においてエチレンを23.7kg/hrの
速度で供給し、エチレン濃度を1.20重量%に保ち、
平均滞留時間を1.2時間の条件下に連続的に第二段重
合を行う。第二段重合器からの排出物は、エチレン共重
合体混合物27重量%を含み、該重合体の極限粘度1.
6、密度は0.9592g/cm3 であった。第一段と
第二段の重合体の生成割合は47:53で実施例1と同
じである。なお第二段でのみ生成している生成している
エチレン・ブテン−1共重合体の極限粘度は0.18、
ブテン−1含量は0.03重量%であり、密度は0.9
67g/cm3 に相当する。この共重合体の曲げ弾性率
は14800kgf/cm2 、ESCRは45hrとな
った。実施例1と第一段、第二段重合体の分子量も同じ
であり、第一段の密度も第二段の密度も同じであり、し
かも一段、二段の生成割合も同じでありながらコモノマ
−がブテン−1であるかヘキセン−1であるかによりE
SCRに大きな差異があり、実施例1が優れていること
がわかる。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明を実施することにより、剛性と耐
環境応力亀裂性(ESCR)とのバランスに優れた中空
成形用エチレン系共重合体を製造できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−43407(JP,A) 特開 平2−289604(JP,A) 特開 平5−320282(JP,A) 特開 平4−146912(JP,A) 特開 昭59−43002(JP,A) 特開 昭56−32507(JP,A) 特公 平3−18645(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 10/00 - 10/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チーグラー型触媒を用いて、エチレンと
    炭素数5以上のα−オレフィンとを第1の重合帯域で高
    分子量成分を、第2の重合帯域で低分子量成分を重合す
    る2段重合にて、エチレン系共重合体を製造するに当た
    り、第2の重合帯域に一般式 【化1】 (式中、R5、R6は同一もしくは異なり、炭素数1〜1
    0のアルキル基またはアリール基を示す。)で表される
    化合物を添加することを特徴とするエチレン系共重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 チーグラー型触媒を用いて、エチレンと
    炭素数5以上のα−オレフィンとを第1の重合帯域で高
    分子量成分を、第2の重合帯域で低分子量成分を重合す
    る2段重合にて、エチレン系共重合体を製造するに当た
    り、第2の重合帯域に一般式 【化2】 (式中、R7〜R10は同一もしくは異なり、炭素数1〜
    10のアルキル基またはアリール基であって、mは1〜
    10の整数を示す。)で表される化合物を添加すること
    を特徴とするエチレン系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 エチレンとα−オレフィンとの共重合体
    を下記(イ)、(ロ)の方法で2段重合することを特徴
    とする請求項1または2に記載のエチレン系共重合体の
    製造方法。 (イ)極限粘度[η]a≧2の炭素数5以上のα−オレ
    フィンを0.2〜5重量%含有するエチレンと炭素数5
    以上のα−オレフィン共重合体30〜70%を第1の重
    合帯域で生成せしめるa工程と、極限粘度[η]b
    0.1〜1.0のエチレン重合体70〜30%を第2の
    重合帯域で生成せしめるb工程からなること、および
    (ロ)上記[η]aと[η]bとの比[η]a/[η]b
    4.5〜20.0、かつ共重合体の極限粘度[η]c
    1.0〜3.5であること。
  4. 【請求項4】 チーグラー型触媒が、少なくともマグネ
    シウム、チタンおよびハロゲンを含有する固体触媒成分
    と有機アルミニウム化合物からなることを特徴とする請
    求項1または2に記載のエチレン系共重合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の固体触媒成分が、
    (1)(a)三ハロゲン化アルミニウム、(b)Si−
    O結合を有する有機化合物および(c)マグネシウムア
    ルコラートを共粉砕させることによって得られる共粉砕
    生成物に、(2)少なくとも一個のハロゲン原子を有す
    る四価のチタン化合物を液相にて接触させることによっ
    て得られる固体触媒成分であることを特徴とする請求項
    4に記載のエチレン系共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の固体触媒成分が、
    (1)(a)三ハロゲン化アルミニウム、(b)Si−
    O結合を有する有機化合物および(c)マグネシウムア
    ルコラートの固体状生成物に、(2)少なくとも一個の
    ハロゲン原子を有する四価のチタン化合物を接触させる
    ことによって得られる固体触媒成分であることを特徴と
    する請求項4に記載のエチレン系共重合体の製造方法。
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