JP4735815B2 - 穴埋め多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

穴埋め多層プリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、穴埋め多層プリント配線板及びその製造方法、並びにその製造方法にのみ専ら使用される二段階硬化型樹脂組成物に関する。
本願発明者等は先に、多層プリント配線板におけるスルーホールの穴埋め材料として好適な光・熱二段階硬化型樹脂組成物、並びにこの樹脂にて穴埋めした多層プリント配線板及びその製造方法等について開示した(特許文献1)。
上記穴埋め多層プリント配線板は、穴埋めした硬化樹脂部分に凹み、クラック等が発生せず、耐半田性に優れ、金属部分の腐食等が発生しないという優れたものである。このような穴埋め多層プリント配線板を使用することにより、ショートや電気接続不良を起こさない高信頼性及び長寿命の電気製品を製造することができる。
上記穴埋め多層プリント配線板は、例えば、両面銅張積層板のスルーホールに二段階硬化型樹脂組成物を充填し、UV照射により上記充填樹脂の第一段硬化を行い、両面銅張積層板表面を研磨し、両面銅箔を導体パターン化し、樹脂付き銅箔を表面被覆し、加熱下に積層プレスして第一段硬化樹脂の第二段熱硬化を行うと同時に樹脂付き銅箔の樹脂の熱硬化を行い、その後樹脂付き銅箔の銅箔より導体パターンを形成することにより、製造することができる。
特開2003−105061号公報。
本願発明者等は、上記特許文献1に記載の穴埋め多層プリント配線板の製造方法を更に発展させ、当該発明の長所を損なうことなく、研磨工程を省くことを目的とする。
これにより、研磨コストを削減し且つ製造工程を短縮することができる。更には、研磨による基板の変形(寸法変化)を避けることができる。
上記課題を解決するため、本発明者等が鋭意、検討した結果、以下の本発明を成すに到った。
即ち、本発明は、両面プリント配線板の貫通穴に二段階硬化型樹脂組成物を塗布により充填し、100〜200℃の加熱若しくはUV照射により上記充填樹脂の第一段硬化を行い、研磨を行うことなく両面プリント配線板をア)樹脂付き銅箔と樹脂付き銅箔、又はイ)樹脂付き銅箔とプリプレグとの間に挟んで、第二段硬化温度以上にて積層プレスした後、表層の銅箔より導体パターンを形成する穴埋め多層プリント配線板の製造方法を提供する。
好ましくは、本発明は、上記二段階硬化型樹脂組成物が、下記成分[I]、[II]、[III]、[V]、及び[VI]を含有する熱・熱硬化型樹脂組成物A、又は下記成分[I]、[II]、[IV]、[V]、及び[VI]を含有する光・熱硬化型樹脂組成物Bである上記穴埋め多層プリント配線板の製造方法を提供する。
[I]:エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸部分付加物。
[II]:(メタ)アクリレート類。
[III]:ラジカル熱重合開始剤。
[IV]:光架橋剤。
[V]:エポキシ樹脂。
「VI]:潜在性硬化剤。
より好ましくは、本発明は、上記成分[V]:エポキシ樹脂が、結晶性エポキシ樹脂及び/又は液状エポキシ樹脂である上記穴埋め多層プリント配線板の製造方法を提供する。
更に、本発明は、上記何れかの製造方法にて製造される穴埋め多層プリント配線板を提供する。
本発明の穴埋めプリント配線板の製造方法によって、研磨工程を省くことができるので、研磨コストが削減され且つ製造工程が短縮される。従って、穴埋め多層プリント配線板を、極めて安価に提供することができる。
更に、研磨を行わないことにより、研磨による基板の変形(寸法変化)を防ぐこともできる。従って、寸法精度の非常に優れた穴埋め多層プリント配線板を提供することができる。
以下、本発明を添付の図面を用いて詳述する。
本発明の穴埋め多層プリント配線板の製造方法においては先ず、両面プリント配線板の貫通穴に二段階硬化型樹脂組成物を塗布により充填して、貫通穴の穴埋めを行う。
本発明の製造方法において、両面プリント配線板は、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、リジッド・フレックスプリント配線板等が挙げられる。
尚、両面プリント配線板の替わりに、導体パターン未形成のもの(両面銅張積層板等)を使用しても穴埋め多層プリント配線板を製造することができる。しかし、下記理由により、既に導体パターン形成済みのものが好ましい。即ち、導体パターン未形成のものを使用した場合は、後工程(例えば、後述の熱硬化型接着シートの被覆工程)前)に導体パターン形成を行う必要がある。しかしながら、この導体パターン形成工程において不良が発生した場合は、作製途中の基板を破棄せねばならず、それまでの製造工程が総て無駄になってしまう虞がある。
貫通穴としては、プリント配線板中を貫通するあらゆる種類の穴が挙げられる。具体的には、貫通穴としては、貫通バイアホール、部品穴、その他スルーホール等が挙げられる。
二段階硬化型樹脂組成物としては、第一段硬化及び第二段硬化を共に加熱により行う熱・熱硬化型樹脂組成物が挙げられる。好ましくは、熱・熱硬化型樹脂組成物としては、下記成分[I]、[II]、[III]、[V]、及び[VI]を含有するもの(以下「熱・熱硬化型樹脂組成物A」ということがある。)が挙げられる。
[I]:エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸部分付加物。
[II]:(メタ)アクリレート類。
[III]:ラジカル熱重合開始剤。
[V]:エポキシ樹脂。
[VI]:潜在性硬化剤。
好ましくは、熱・熱硬化型樹脂組成物Aの具体例としては、特開2003−26765号公報に記載のものが挙げられる。
熱・熱硬化型樹脂組成物Aには成分[I]として、エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸部分付加物を含有する。成分[I]の調製原料であるエポキシ樹脂(以下、単に「原料用エポキシ樹脂」ということがある。)のエポキシ価は、例えば130〜400、特に150〜250が好ましい。原料用エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、多官能性フェノールからのエポキシ樹脂、ナフタレン骨格エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、トリアジン骨格エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、脂環式タイプのエポキシ樹脂等が挙げられる。
好ましくは、原料用エポキシ樹脂としては、表1に示す式[化I−E1]〜[化I−E7]で表される各化合物、特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの一種以上使用してよい。
Figure 0004735815
本出願書類を通じ、式中、Gは、明らかに別の意味に用いられている場合を除き、グリシジル基、即ち次式、
Figure 0004735815
を表す。
式[化I−E1]〜[化I−E3]中、nは0〜30の整数を表す。式[化I−E4]〜[化I−E6]中、nは1〜30の整数を表す。式[化I−E7]中、nは2〜50の整数を表す。式[化I−E2]中、R及びRは、それぞれ独立に、H若しくはCHを表す。
成分[I]のもう一方の調製原料である不飽和脂肪酸としては、例えば次式[化I−UFA]、
Figure 0004735815
[式中、R〜Rは、それぞれ独立に、H又はCHを表す。]
で表されるものが挙げられる。具体的には不飽和脂肪酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
成分[I]は、通常の調製法により調製してよい。例えば、原料用エポキシ樹脂の一種以上と不飽和脂肪酸の一種以上[例えばアクリル酸及び/又はメタアクリル酸(以下、単に「(メタ)アクリル酸」ということがある。)]とを、必要に応じ加熱下に、撹拌混合して調製してよい。
成分[I]は、エポキシ樹脂に不飽和脂肪酸が部分的に付加した物である。即ち、エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸部分付加物は、不飽和脂肪酸が付加した後のエポキシ樹脂中に少なくとも一個以上のエポキシ基が残存する。具体的には、不飽和脂肪酸は、原料用エポキシ樹脂中のエポキシ基の20〜80%、特に40〜60%に付加するのが好ましい。不飽和脂肪酸の付加量が20%未満のもの(単に、「20%未満不飽和脂肪酸付加物」のように言うことがある。以下、同様。)は、熱硬化性樹脂組成物に粘着性が生じ、基板に塗布したときに余分の樹脂をうまく除去できない場合がある。逆に80%超過不飽和脂肪酸付加物は、第一段硬化膜が硬くなり、後述の積層プレス後の表面の平坦性が損なわれることがある。
成分[I]としては、例えばノボラック型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加物(具体的には、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸との付加物等)が挙げられ、これらの1種以上を熱・熱硬化型樹脂組成物A中に含有してよい。
好ましくは、成分[I]としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸部分付加物、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸部分付加物、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂のアクリル酸部分付加物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂のメタクリル酸部分付加物、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂のメタクリル酸部分付加物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂のクロトン酸部分付加物等が挙げられ、これらの一種以上使用してよい。
熱・熱硬化型樹脂組成物Aには成分[II]として、(メタ)アクリレート類(即ち、アクリレート類及び/又はメタアクリレート類)を含有する。成分[II]において、上記アクリレート類としては、アクリル酸類とヒドロキシ化合物とのエステル化物等が挙げられる。上記メタアクリレート類としては、メタアクリル酸類とヒドロキシ化合物とのエステル化物等が挙げられる。
上記アクリル酸類及びメタクリル酸類としては、前記式[化I−UFA]により表される不飽和脂肪酸等が挙げられる。具体的には、アクリル酸類及びメタクリル酸類としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
上記ヒドロキシ化合物としては、アルコール類、(ヘミ)アセタール若しくは(ヘミ)ケタール、ヒドロキシ酸エステル等が挙げられる。アルコール類としては、例えば低級アルコール、環系アルコール、多価アルコール類、芳香族アルコール等が挙げられる。ヒドロキシ化合物において、(ヘミ)アセタール若しくは(ヘミ)ケタールとしては、上記アルコール類(例えば環系アルコール、多価アルコール等)とホルムアルデヒド、ヒドロキシアルデヒドの縮合物等が挙げられる。ヒドロキシ化合物において、ヒドロキシ酸エステルとしては、具体的にはフルフリルアルコールのカプロラクトン開環付加体、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
成分[II]としては、その単独硬化物のTg(℃)が80〜180、特に120〜150のものが好ましい。Tgが80未満だと第一段硬化膜が粘着性を有するようになることがある。逆に180を超過すると、第一段硬化膜が硬くなり過ぎることがある。
好ましくは、成分[II]としては、表2に示す式[化II−1]〜[化II−9]で表される各化合物、特にイソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、クロトン酸イソボロニル等が挙げられ、これらの1種以上含有してよい。
Figure 0004735815
熱・熱硬化型樹脂組成物Aには成分[III]として、第一段硬化反応に係るラジカル熱重合開始剤を含有する。成分[III]としては、例えばラジカル熱重合開始温度が60〜150℃、特に90〜120℃のものが好ましい。更に、成分[III]としては、第一段硬化反応においてエポキシ基ではなく不飽和結合(特に、上記不飽和脂肪酸に由来するもの)が関与するようなものが好ましい。
そのような成分[III]としては、具体的にはt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジクミルパーオキシド等が挙げられ、これらの一種以上を含有してよい。
熱・熱硬化型樹脂組成物Aには成分[V]として、エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂としては、結晶性エポキシ樹脂及び/又は液状エポキシ樹脂が挙げられる。成分[V]において、結晶性エポキシ樹脂としては、融点が常温より高く第一段硬化反応開始温度よりも低いもの、例えば80〜110℃、特に90〜105℃が好ましい。更に、結晶性エポキシ樹脂としては、粘度(mPa・s)が、融点〜第一段硬化反応開始温度において50以下、特に0.1〜20が好ましい。更に、結晶性エポキシ樹脂としては、熱・熱硬化型樹脂組成物A中において難溶性のものが好ましい。
結晶性エポキシ樹脂としては、例えばビフェニル型、ジフェニル型、ハイドロキノン型、ビフェニルノボラック型、及びフルオレイン型等の結晶性エポキシ樹脂が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、次式[化Vc−1]、
Figure 0004735815
[式中、RはH若しくはCHを表す。]
で表されるものが挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
ジフェニル型結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、次式[化Vc−2]、
Figure 0004735815
[式中、XはO若しくはSを表し、並びにR及びRは、それぞれ独立に、H、CH若しくはt−ブチルを表す。]
で表されるものが挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、次式[化Vc−3]、
Figure 0004735815
[式中、nは0、1若しくは2を表す。]
で表されるものが挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
ビフェニルノボラック型結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、次式[化Vc−4]、
Figure 0004735815
[式中、nは1若しくは2を表す。]
で表されるものが挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
フルオレイン型結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、次式[化Vc−5]、
Figure 0004735815
で表されるものが挙げられる。
好ましくは、結晶性エポキシ樹脂としては、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジ−(p−グリシジルフェニル)エーテル等が挙げられ、これらの1種以上含有してよい。
成分[V]において、液状エポキシ樹脂とは、常温で液状又は半固体状態のエポキシ樹脂をいい、例えば、常温で流動性をもつエポキシ樹脂が挙げられる。そのような液状エポキシ樹脂としては、例えば粘度(室温、mPa・s)が20000以下、特に1000〜10000が好ましい。
具体的には、液状エポキシ樹脂としては、次式[化Vl−1]、
Figure 0004735815
[式中、nは0若しくは1を表す。]
で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
更に、液状エポキシ樹脂の具体例としては、次式[化Vl−2]、
Figure 0004735815
[式中、nは0若しくは1を表す。]
で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
更に、液状エポキシ樹脂の具体例としては、ナフタレン型のもの、ジフェニルチオエーテル(スルフィド)型のもの、トリチル型のもの、脂環式タイプのもの、下記アルコール類から調製されるもの、ジアリルビスA型のもの、メチルレゾルシノール型のもの、ビスフェノールAD型のもの、及びN,N,O−トリス(グリシジル)−p−アミノフェノール等が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
好ましくは、液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、N,N,O−トリス(グリシジル)−p−アミノフェノール、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの1種以上含有してよい。
熱・熱硬化型樹脂組成物Aには成分[VI]として、潜在性硬化剤を含有する。成分[VI]は、加熱により第二段硬化反応を起こさせるものである。成分[VI]としては、例えば第二段硬化反応開始温度が150〜300℃、特に150〜200℃となるものが挙げられる。
具体的には、成分[VI]としては、ジシアンジアミド(DICY)類、イミダゾール類、BF−アミン錯体、アミンアダクト型硬化剤、アミン−酸無水物(ポリアミド)アダクト型硬化剤、ヒドラジド系硬化剤、アミン系硬化剤のカルボン酸塩、オニウム塩等が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
具体的には、成分[VI]において、アミンアダクト型硬化剤としては、イミダゾール系硬化剤[2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1H))−エチル−S−トリアジン等]若しくはアミン系硬化剤(ジエチルアミン等)とエポキシ化合物、尿素若しくはイソシアネート化合物とのアダクト物等が挙げられる。ヒドラジド系硬化剤としては、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、セバチン酸ジヒドラジド(SDH)等が挙げられる。アミン系硬化剤のカルボン酸塩としては、例えばナイロン塩やATU(3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)・アジピン酸塩等が挙げられる。オニウム塩としては、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
好ましくは、成分[VI]としては、表3に示す式[化VI−1]〜[化VI−3]で表される各化合物等が挙げられ、これらの1種以上含有してよい。
Figure 0004735815
熱・熱硬化型樹脂組成物Aには、必要に応じ、種々の添加剤を添加してよい。添加剤としては、例えば充填剤、有機・無機着色剤、難燃剤、消泡剤等が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。
熱・熱硬化型樹脂組成物Aの組成において、成分[I]が100重量部に対し、成分[II]は50〜300重量部(特に150〜250重量部)、成分[III]は5〜20重量部(特に8〜15重量部)、成分[V]は50〜200重量部(特に60〜120重量部)、成分[VI]は5〜30重量部(特に10〜20重量部)が好ましい。
熱・熱硬化型樹脂組成物Aの調製は、例えば各成分[I]、[II]、[III]、[V]、及び[VI]、並びに必要に応じ添加剤を混合し、均一に分散した後、真空脱泡して行ってよい。各配合成分の添加順序等は特に限定されず、各配合成分を順次に加え、若しくは全配合成分を一度に加えてもよい。
上記のようにして調製される熱・熱硬化型樹脂組成物Aは、樹脂粘度(Pa・S、室温)10〜50、特に15〜30が好ましい。
更に、本発明の二段階硬化型樹脂組成物としては、第一段硬化を光照射により行い第二段硬化を加熱により行う光・熱硬化型樹脂組成物が挙げられる。好ましくは、光・熱硬化型樹脂組成物としては、前記成分[I]、[II]、[V]及び[VI]、並びに成分[IV]:光架橋剤を含有するもの(以下「光・熱硬化型樹脂組成物B」ということがある。)が挙げられる。
好ましくは、光・熱硬化型樹脂組成物Bの具体例としては、特許文献1及び特開2004−75967号公報に記載のものが挙げられる。
光・熱硬化型樹脂組成物Bにおいて、成分[I]、[II]、[V]、及び[VI]としては、前記熱・熱硬化型樹脂組成物Aにおいて例示、説明したものが挙げられる。尚、光・熱硬化型樹脂組成物Bにおいて成分[VI]としては、例えば第二段硬化反応開始温度が150〜300℃、特に150〜200℃となるものが好ましい。
光・熱硬化型樹脂組成物Bには成分[IV]として、光架橋剤を含有する。成分[IV]としては、光、例えば波長200〜400nmの紫外線等の照射により一次硬化反応を開始させるものが挙げられる。
具体的には、成分[IV]としては、ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、アシルホスフィンオキサイド類、アミノケトン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾイル化合物類、チオキサントン類、ビイミダゾール類、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、スルホニウム塩類、アントラキノン類、アクリドン類、アクリジン類、カルバゾール類、チタン錯体、及びこれらの一種以上含有してよい。
好ましくは、成分[IV]としては、表4に示す式[化IV−1]及び[化IV−2]で表される各化合物等が挙げられ、これらの1種以上含有してよい。
Figure 0004735815
光・熱硬化型樹脂組成物Bには、必要に応じ、種々の添加剤を添加してよい。添加剤としては、例えば充填剤、有機・無機着色剤、難燃剤、消泡剤等が挙げられ、これらの一種以上含有してよい。具体的には、添加剤としては、前記熱・熱硬化型樹脂組成物Aにおいて「添加剤」として説明・例示したものが挙げられる。
光・熱硬化型樹脂組成物Bの組成において、成分[I]100重量部に対し、成分[II]は100〜300重量部(特に150〜250重量部)、成分[IV]は1〜50重量部(特に5〜15重量部)、成分[V]は50〜200重量部(特に60〜120重量部)、成分[VI]は1〜50重量部(特に5〜20重量部)、充填剤は200〜500重量部(特に250〜350重量部)が好ましい。
光・熱硬化型樹脂組成物Bの調製は、例えば前記熱・熱硬化型樹脂組成物Aと同様に行ってよい。
上記のようにして調製される光・熱硬化型樹脂組成物Bは、基板への塗布性等を考慮すると、樹脂粘度(Pa・S、室温)10〜50、特に15〜30が好ましい。
本発明の穴埋め多層プリント配線板の製造方法において、両面プリント配線板の貫通穴に上記二段階硬化型樹脂組成物を塗布により充填して、貫通穴の穴埋めを行う。貫通穴の充填・穴埋めは、例えばスクリーン印刷(ポリエステルスクリーン若しくはステンレススクリーン等によるマスク印刷等)、メタルマスク印刷、ロールコート印刷等により行ってよい。
本発明の穴埋め多層プリント配線板の製造方法において、塗布により貫通穴の充填・穴埋めを行った後、充填した二段階硬化型樹脂組成物(充填樹脂)の第一段硬化を行う。第一段硬化条件としては、例えば充填樹脂が前記熱・熱硬化型樹脂組成物Aの場合は、成分[III]のラジカル熱重合開始温度、具体的には100〜200(特に100〜150)℃にて、10〜120分間、加熱することにより行うことができる。充填樹脂が前記光・熱硬化型樹脂組成物Bの場合は、成分[IV]の特性吸収波長領域の光、具体的には波長200〜400nmの紫外線を、0.5〜10J/cmの光照射量にて、−20〜80℃で、照射して行うことができる。尚、光硬化は、特開平9−6010号公報及び特開平10−29247号公報に記載された液中露光装置を使用して行ってもよい。
本発明における穴埋め多層プリント配線板の製造方法の一態様において、上記充填樹脂の第一段硬化を行った後、研磨を行うことなくこの両面プリント配線板を、ア)樹脂付き銅箔と樹脂付き銅箔との間に挟んで加熱下に積層プレスする。この積層プレスによって、例えば導体層が4層の穴埋め銅張積層板等を製造することができる。具体的には、図3Aに示す構造のものを製造することができる。尚、図3Aにおいて、(16)は絶縁基板、(17)は導体パターン、(18)は熱・熱硬化型樹脂組成物A又は光・熱硬化型樹脂組成物B、(19)は樹脂付き銅箔の樹脂層、(20)は樹脂付き銅箔の銅箔である。
本発明における穴埋め多層プリント配線板の製造方法の別の一態様において、上記充填樹脂の第一段硬化を行った後、研磨を行うことなくこの両面プリント配線板を、イ)樹脂付き銅箔とプリプレグとの間に挟んで積層プレスする。この積層プレスによって、例えば導体層が3層の穴埋め銅張積層板等を製造することができる。具体的には、図3Bに示す構造のものを製造することができる。尚、図3Bにおいて、(21)は絶縁基板、(22)は導体パターン、(23)は熱・熱硬化型樹脂組成物A又は光・熱硬化型樹脂組成物B、(24)は樹脂付き銅箔の樹脂層、(25)は樹脂付き銅箔の銅箔、(26)はプリプレグである。
上記ア)及びイ)の場合において、両面プリント配線板を樹脂付き銅箔にて挟む場合、銅箔が表面側に来るように挟むのが好ましい。
積層プレスは、具体的には開放式積層装置、真空式積層装置等にて行うことができる。更に、これらの積層装置は、例えば油圧プレス、オートクレーブ・プレス等であってよい。更に、真空式油圧プレスは、枠タイプ、ボックスタイプ等であってよい。
積層プレスは、加熱下に行う。加熱は、二段階硬化型樹脂組成物の第二段熱硬化温度以上(特に、成分[VI]の硬化反応開始温度若しくはそれ以上)となるように行うのが好ましい。
具体的には、積層プレス条件としては、例えば150〜300(特に180〜230)℃、30〜300(特に60〜240)分、圧力10〜100(特に15〜40)kgf/cmが好ましい。
積層プレスにより、以下のことが行われる。即ち、積層プレスの際の加熱により充填樹脂の第一段硬化物は一旦、軟化し、貫通穴表面から食み出た部分の第一段硬化物はプレスの圧力により押し潰され、平滑化される。このように平滑化された状態にて、積層プレスの際の加熱により、第一段硬化物の第二段硬化が行われると同時に、樹脂付き銅箔又はプリプレグのBステージ状態にある熱硬化性樹脂の完全熱硬化が行われる。このようにして、研磨をしなくとも、表面が高度に平滑化された穴埋め銅張積層板が製造される。
本発明の穴埋め多層プリント配線板の製造方法において、その後、上記穴埋め銅張積層板表層の銅箔より導体パターンを形成する。導体パターンの形成は、例えばサブトラクティブ法又はアディティブ法等によって行うことができる。
サブトラクティブ法の場合は、具体的には以下のようにして、導体パターンを形成してよい。即ち、銅箔表面に対し、エッチングレジスト加工を行い、次いでエッチングを行い、その後エッチングレジストを除去して行ってよい。
上記エッチングレジスト加工としては、例えばドライフィルムを被覆した後、パターンマスクを介して露光・硬化してレジストを形成するドライフィルム(ラミネート)法、導体箔の不要部を予め有機レジストで被覆した後に、導体パターン部を電着により金属レジストにて被覆し、その後有機レジストのみを除去する電着レジスト法等が挙げられる。
エッチャントとしては、例えば塩化第二鉄エッチング液、塩化第二銅エッチング液、アルカリエッチャント、過酸化水素/硫酸等が挙げられる。これらは、上記エッチングレジスト加工の種類に応じ、適宜選択してよい。
エッチングレジストの除去は、例えば水酸化ナトリウム水溶液等のレジスト剥離液をスプレーノズル等からパネル表面へ噴射して、レジストを洗い流すことにより行ってよい。
上記のようにして、本発明の穴埋め多層プリント配線板が製造される。具体的には、図3C及び図3Dにそれぞれ示す構造のものを製造することができる。尚、図3Cにおいて、(27)は絶縁基板、(28)及び(31)は導体パターン、(29)は熱・熱硬化型樹脂組成物A又は光・熱硬化型樹脂組成物B、(30)は樹脂付き銅箔の樹脂層である。
図3Dにおいて、(32)は絶縁基板、(33)及び(36)は導体パターン、(34)は熱・熱硬化型樹脂組成物A又は光・熱硬化型樹脂組成物B、(35)は樹脂付き銅箔の樹脂層、(37)はプリプレグである。
以上、本発明を穴埋め多層プリント配線板について説明したが、当業者であれば本発明を更に改変・拡張することは容易である。例えば、両面プリント配線板を、前記ア)樹脂付き銅箔と樹脂付き銅箔、又はイ)樹脂付き銅箔とプリプレグの替わりに、ウ)プリプレグとプリプレグとの間に挟んで積層プレスすれば、穴埋めプリント配線板(具体的には、図3Eに示されるもの等)が製造される。
図3Eにおいて、(38)は絶縁基板、(39)は導体パターン、(40)は熱・熱硬化型樹脂組成物A又は光・熱硬化型樹脂組成物B、(41)はプリプレグである。
更に、上記図3C及び図3Dに示される穴埋め多層プリント配線板等、並びに図3Eに示される穴埋めプリント配線板を、内層材又は外層材として適宜、複数枚、組み合わせ、これらを積層プレスすれば、層数がより多く且つ層構造がより複雑な所望の穴埋め多層プリント配線板を製造することができる。
更に、原材料として、未穴埋め両面プリント配線板の替わりに未穴埋め片面プリント配線板若しくは未穴埋め多層プリント配線板を使用することにより、所望の層数の穴埋め多層プリント配線板を製造することができる。
更に、樹脂付き銅箔又はプリプレグの替わりに、他の接着シートその他層間材料を使用することにより、所望の層構造の穴埋め多層プリント配線板を製造することができる。
以下本発明を、図を用い、実施例にて更に具体的に説明する。
<熱・熱硬化型樹脂組成物の調製>
・調製例1〜3
成分[I]と成分[II]との混合物、成分[III]、成分[V]、成分[VI]、並びに他の配合成分を順次加え、撹拌混合した。次いで、3本ロールミルにて均一に分散させた。得られた均一分散物を真空脱泡して、熱・熱硬化型樹脂組成物(調製例1〜3)を調製した。表5に各配合成分及び配合量(重量部)を示す。
<光・熱硬化型樹脂組成物の調製>
・調製例4
成分[I]、成分[II]、成分「IV]、成分[V]、成分[VI]、並びに他の配合成分を順次加え、撹拌混合した。次いで、3本ロールミルにて均一に分散させた。得られた均一分散物を真空脱泡して、光・熱硬化型樹脂組成物(調製例4)を調製した。表5に各配合成分及び配合量(重量部)を示す。
Figure 0004735815
<熱・熱硬化型樹脂組成物で穴埋した穴埋多層プリント配線板の製造>
・実施例1
両面プリント配線板として、絶縁基板[図1A、(1)]の両面に導体パターン層[図1A、(2)]を備え、且つスルーホール[図1A、(3)]内壁が銅張りされたもの[銅回路厚が40μ、L/S=75μ]を使用した。
上記両面プリント配線板上に調製例1の熱・熱硬化型樹脂組成物[図1B、(4)]を、150メッシュのステンレススクリーンにてマスク印刷して、スルーホールを充填・穴埋した。
次いで、上記穴埋した両面プリント配線板を、加熱炉により150℃まで加熱し、この温度下で30分間、一次硬化を行った。上記一次硬化後、この一次熱硬化物の表面硬度を鉛筆硬度法(JISK−5400)により調べた。結果を表7に示す。
次いで、上記両面プリント配線板の両表面上に、樹脂付き銅箔をラミネートして両面銅張り積層板を形成した。なお、図1Cにおいて、(5)は樹脂付き銅箔の樹脂層であり、(6)は樹脂付き銅箔の銅箔である。
次いで、表6のプレス条件に従って、上記両面銅張り積層板を加熱真空プレスし、樹脂付き銅箔の樹脂層の熱硬化と、一次熱硬化物の二次熱硬化を同時に行い、穴埋両面銅張り積層板を製造した。[図1C]。
次いで、上記穴埋両面銅張り積層板の両表面上に以下のようにして導体パターン[図1D、7]を形成させた。先ず、ドライフィルムを用い、ドライフィルム(ラミネート)法にて、エッチングレジストを形成した。即ち、ドライフィルムを穴埋両面銅張り積層板の両表面にラミネートし、ネガ型フィルム(パターンマスク)を重ね合わせ、超高圧水銀灯にて、露光・硬化した。
次いで、ドライフィルムのキャリアフィルムを剥離し、露出したレジスト面へ現像液(1%炭酸ナトリウム溶液)をスプレーノズルから吹き付け現像し、その後水洗して、レジストパターンを形成した。
次いで、エッチングを行った。即ち、上記レジスト被覆両面銅張り積層板の両面に、塩化第二鉄溶液(36重量%)をスプレーノズルから吹き付けて、不要銅箔を溶解除去した。上記エッチング完了後、3%水酸化ナトリウム水溶液をスプレーノズルから噴射して、エッチングレジストを膨潤させながら洗い流した。
上記のようにして、本発明の穴埋多層プリント配線板(実施例1)を製造した[図1D]。
・実施例2
スルーホール内に充填・穴埋する熱・熱硬化型樹脂組成物として、調製例1の替わりに調製例2を使用し、更に一次硬化の加熱温度を150℃の替わりに120℃とした以外は、すべて上記の実施例1と同様の方法で、穴埋多層プリント配線板(実施例2)を製造した。
・実施例3
スルーホール内に充填・穴埋する熱・熱硬化型樹脂組成物として、調製例1の替わりに調製例3を使用し、更に一次硬化の加熱温度を150℃の替わりに110℃とした以外は、すべて上記の実施例1と同様の方法で、穴埋多層プリント配線板(実施例3)を製造した。
・比較例1
両面プリント配線板として、絶縁基板の両面に導体パターン層を備え、且つスルーホール内壁が銅張りされたもの[銅回路厚が40μ、L/S=75μ]を使用した。
上記両面プリント配線板上に調製例3の熱・熱硬化型樹脂組成物を、150メッシュのステンレススクリーンにてマスク印刷して、スルーホール及び導体パターン間の凹部を充填・穴埋した。
次いで、上記穴埋した両面プリント配線板を、加熱炉により110℃まで加熱し、この温度下で30分間、一次硬化を行った。上記一次硬化後、この一次熱硬化物の表面硬度を鉛筆硬度法(JISK−5400)により調べた。結果を表7に示す。
その後、一次硬化膜を含む表面を、先ず600番セラミックバフにて4回研磨した後、800番不織布バフにて4回研磨した。
次いで、上記両面プリント配線板の両表面上に、樹脂付き銅箔をラミネートして両面銅張り積層板を形成した。
次いで、表6のプレス条件に従って、上記両面銅張り積層板を加熱真空プレスし、樹脂付き銅箔の樹脂層の熱硬化と、一次熱硬化物の二次熱硬化を同時に行い、穴埋両面銅張り積層板を製造した。
次いで、上記穴埋両面銅張り積層板の両表面上に以下のようにして導体パターンを形成させた。先ず、ドライフィルムを用い、ドライフィルム(ラミネート)法にて、エッチングレジストを形成した。即ち、ドライフィルムを穴埋両面銅張り積層板の両表面にラミネートし、ネガ型フィルム(パターンマスク)を重ね合わせ、超高圧水銀灯にて、露光・硬化した。
次いで、ドライフィルムのキャリアフィルムを剥離し、露出したレジスト面へ現像液(1%炭酸ナトリウム溶液)をスプレーノズルから吹き付け現像し、その後水洗して、レジストパターンを形成した。
次いで、エッチングを行った。即ち、上記レジスト被覆両面銅張り積層板の両面に、塩化第二鉄溶液(36重量%)をスプレーノズルから吹き付けて、不要銅箔を溶解除去した。上記エッチング完了後、3%水酸化ナトリウム水溶液をスプレーノズルから噴射して、エッチングレジストを膨潤させながら洗い流した。
上記のようにして、穴埋多層プリント配線板(比較例1)を製造した。
<光・熱硬化型樹脂組成物で穴埋した穴埋多層プリント配線板の製造>
・実施例4
両面プリント配線板として、絶縁基板[図1A、(1)]の両面に導体パターン層[図1A、(2)]を備え、且つスルーホール[図1A、(3)]内壁が銅張りされたもの[銅回路厚が40μ、L/S=75μ]を使用した。
上記両面プリント配線板上に、調製例4の光・熱硬化型樹脂組成物[図1B、(4)]を、150メッシュのステンレススクリーンにてマスク印刷して、スルーホールを充填・穴埋した。
次いで、上記穴埋した両面プリント配線板を、高圧水銀ランプを用いて、露光量1500mj/cmにて光照射して光硬化した後、この光硬化物の表面硬度を鉛筆硬度法(JISK−5400)により調べた。結果を表7に示す。
次いで、上記両面プリント配線板の両表面上に、樹脂付き銅箔をラミネートして両面銅張り積層板を形成した。なお、図1Cにおいて、(5)は樹脂付き銅箔の樹脂層であり、(6)は樹脂付き銅箔の銅箔である。
次いで、表6のプレス条件に従って、上記両面銅張り積層板を加熱真空プレスし、樹脂付き銅箔の樹脂層の一次熱硬化と、光硬化物の二次熱硬化を同時に行い、穴埋両面銅張り積層板を製造した[図1C]。
次いで、上記穴埋両面銅張り積層板の両表面上に以下のようにして導体パターン[図1D、7]を形成させた。先ず、ドライフィルムを用い、ドライフィルム(ラミネート)法にて、エッチングレジストを形成した。即ち、ドライフィルムを穴埋両面銅張り積層板の両表面にラミネートし、ネガ型フィルム(パターンマスク)を重ね合わせ、超高圧水銀灯にて、露光・硬化した。
次いで、ドライフィルムのキャリアフィルムを剥離し、露出したレジスト面へ現像液(1%炭酸ナトリウム溶液)をスプレーノズルから吹き付け現像し、その後水洗して、レジストパターンを形成した。
次いで、エッチングを行った。即ち、レジスト被覆両面銅張り積層板の両面に、塩化第二鉄溶液(36重量%)をスプレーノズルから吹き付けて、不要銅箔を溶解除去した。上記エッチング完了後、3%水酸化ナトリウム水溶液をスプレーノズルから噴射して、エッチングレジストを膨潤させながら洗い流した。
上記のようにして、本発明の穴埋多層プリント配線板(実施例4)を作製した[図1D]。
・比較例2
両面プリント配線板として、絶縁基板[図2A、(9)]の両面に導体パターン層[図2A、(10)]を備え、且つスルーホール[図2A、(11)]内壁が銅張りされたもの[銅回路厚が40μ、L/S=75μ]を使用した。
上記両面プリント配線板上に、調製例4の光・熱硬化型樹脂組成物[図2B、(12)]を、150メッシュのステンレススクリーンにてマスク印刷して、スルーホールを充填・穴埋した。
次いで、上記穴埋した両面プリント配線板を、高圧水銀ランプを用いて、露光量1500mj/cmにて光照射して光硬化した後、この光硬化物の表面硬度を鉛筆硬度法(JISK−5400)により調べた。結果を表7に示す。
次いで、一次硬化膜を含む表面を、先ず600番セラミックバフにて4回研磨した後、800番不織布バフにて4回研磨した[図2C]。
次いで、上記両面プリント配線板の両表面上に、樹脂付き銅箔をラミネートして両面銅張り積層板を形成した。なお、図2Dにおいて、(13)は樹脂付き銅箔の樹脂層であり、(14)は樹脂付き銅箔の銅箔である。
次いで、表6のプレス条件に従って、上記両面銅張り積層板を加熱真空プレスし、樹脂付き銅箔の樹脂層の一次熱硬化と、光硬化物の二次熱硬化を同時に行い、穴埋両面銅張り積層板を製造した[図2D]。
次いで、上記穴埋両面銅張り積層板の両表面上に以下のようにして導体パターン[図2E、(15)]を形成させた。先ず、ドライフィルムを用い、ドライフィルム(ラミネート)法にて、エッチングレジストを形成した。即ち、ドライフィルムを穴埋両面銅張り積層板の両表面にラミネートし、ネガ型フィルム(パターンマスク)を重ね合わせ、超高圧水銀灯にて、露光・硬化した。
次いで、ドライフィルムのキャリアフィルムを剥離し、露出したレジスト面へ現像液(1%炭酸ナトリウム溶液)をスプレーノズルから吹き付け現像し、その後水洗して、レジストパターンを形成した。
次いで、エッチングを行った。即ち、レジスト被覆両面銅張り積層板の両面に、塩化第二鉄溶液(36重量%)をスプレーノズルから吹き付けて、不要銅箔を溶解除去した。上記エッチング完了後、3%水酸化ナトリウム水溶液をスプレーノズルから噴射して、エッチングレジストを膨潤させながら洗い流した。
上記のようにして、穴埋多層プリント配線板(比較例2)を作製した[図2E]。
Figure 0004735815
<穴埋多層プリント配線板(実施例1〜4、並びに比較例1及び2)の性状>
得られた穴埋多層プリント配線板の穴埋部分の平坦性を調べた。即ち、穴埋多層プリント配線板の表層銅箔の平坦性を、表面粗さ計によって調べた。結果を表7に示す。
得られた穴埋多層プリント配線板の半田耐熱性及び半田耐熱後の平坦性を、以下のようにして調べた。即ち、穴埋多層プリント配線板を260℃の溶融半田中に60秒間浸漬して、その後、膨れ・剥れの有無及び表層銅箔の平坦性を調べた。結果を表7に示す。
得られた穴埋多層プリント配線板の寸法変化を調べた。即ち、上記穴埋多層プリント配線板の基板の長辺方向にある2つのガイドピン間の距離(約480mm)を調べた。結果を表7に示す。
得られた穴埋多層プリント配線板の研磨に係るコストを調べた。即ち、人件費及び動力費、水道費等の有無の他、バフやベルトサンダ−の消耗による交換の必要性の有無を調べた。結果を表7に示す。
Figure 0004735815
上記表7から明らかなように、一次硬化後の研磨が不要な、本発明に係る穴埋多層プリント配線板(実施例1〜4)は、研磨を行わないことにより、プリント配線板製造の工程を短縮することができ、且つ人件費及び動力費、水道費等の研磨に関するコストを削減することができる。更に、研磨による基板の変形(寸法変化)を避けることができる。
更に、研磨を行わないことにより懸念される穴埋部分の平坦性は、研磨を行った穴埋多層プリント配線板(比較例1、2)と差はなく、本発明に係る穴埋多層プリント配線板(実施例1〜4)は、穴埋部分の平坦性にも優れていると言える。更に、本発明に係る穴埋多層プリント配線板(実施例1〜4)は、半田耐熱性、半田耐熱後の平坦性も、研磨を行わなくとも損なわれることはなく、全く問題がないことが判る。
一方、一次硬化後に研磨を行った穴埋多層プリント配線板(比較例1、2)は、プリント配線板の製造過程が増え、又、人件費及び動力費、水道費等の研磨に関するコストが生じる。更に、研磨による基板の変形(寸法変化)が起こる。
本発明に係る研磨不要の穴埋多層プリント配線板の製造工程図であり、プリント配線板及び両面銅張り積層板の断面図を示す。 比較例に係る研磨を行う穴埋多層プリント配線板の製造工程図であり、プリント配線板及び両面銅張り積層板の断面図を示す。 本発明に係る穴埋銅箔積層板及び穴埋(多層)プリント配線板の断面図を示す。
符号の説明
1,9,16,21,27,32,38:絶縁基板。
2,7,10,15,17,22,28,31,33,36,39:導体パターン。
3,11:スルーホール。
4,12,18,23,29,34,40:熱・熱硬化型樹脂組成物A又は光・熱硬化型樹脂組成物B。
5,13,19,24,30,35,41:樹脂付き銅箔の樹脂層。
6,14,20,25:樹脂付き銅箔の銅箔。
8:導体パターン間の凹部。
26,37:プリプレグ。

Claims (4)

  1. 両面プリント配線板の貫通穴に二段階硬化型樹脂組成物を塗布により充填し、100〜200℃の加熱若しくはUV照射により上記充填樹脂の第一段硬化を行い、研磨を行うことなく両面プリント配線板を
    ア)樹脂付き銅箔と樹脂付き銅箔、又は
    イ)樹脂付き銅箔とプリプレグ
    との間に挟んで、第二段硬化温度以上にて積層プレスした後、表層の銅箔より導体パターンを形成することを特徴とする穴埋め多層プリント配線板の製造方法。
  2. 二段階硬化型樹脂組成物が、下記成分[I]、[II]、[III]、[V]、及び[VI]を含有する熱・熱硬化型樹脂組成物A、又は
    下記成分[I]、[II]、[IV]、[V]、及び[VI]を含有する光・熱硬化型樹脂組成物Bであることを特徴とする請求項1に記載の穴埋め多層プリント配線板の製造方法。
    [I]:エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸部分付加物。
    [II]:(メタ)アクリレート類。
    [III]:ラジカル熱重合開始剤。
    [IV]:光架橋剤。
    [V]:エポキシ樹脂。
    [VI]:潜在性硬化剤。
  3. 成分[V]:エポキシ樹脂が、結晶性エポキシ樹脂及び/又は液状エポキシ樹脂である請求項2に記載の穴埋め多層プリント配線板の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の製造方法にて製造される穴埋め多層プリント配線板。
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