JPH0779074A - 銅張絶縁シート - Google Patents

銅張絶縁シート

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JPH0779074A
JPH0779074A JP24593993A JP24593993A JPH0779074A JP H0779074 A JPH0779074 A JP H0779074A JP 24593993 A JP24593993 A JP 24593993A JP 24593993 A JP24593993 A JP 24593993A JP H0779074 A JPH0779074 A JP H0779074A
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copper
resin
active energy
layer
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JP24593993A
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Yoichi Haruta
要一 春田
Haruhiko Yasui
晴彦 安井
Takeya Matsumoto
健也 松本
Tomio Kanbayashi
富夫 神林
Hideki Hiraoka
秀樹 平岡
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、銅はくの粗面化面にアルカリ可溶
で活性エネルギー線硬化性の第1の樹脂組成物の層を設
け、更にその上に加熱による流動性が大きい硬化性樹脂
組成物の層を重ねてなり、かつ第1の樹脂組成物はバイ
アホールを形成する部分を除いて活性エネルギー線照射
により硬化させていることを特徴とする銅張絶縁シート
である。 【効果】 このシートを用いると、アンダカットのない
ブラインドホールが形成でき、接続不良が少なく信頼性
が高いめっきブラインドホールを有し、かつ表面に高密
度パターンが形成された多層プリント配線板が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度なバイアホール、
特に微小径ブラインドホールを有する多層プリント配線
板の量産性に優れた製造が可能な銅張絶縁シートを提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、多機能化に伴って、
現在プリント配線板はより高密度化の方向に進んでい
る。例えば、導体回路の細線化、高多層化、ブラインド
ホ−ル、バリ−ドホ−ル等のインタ−スティシャルバイ
アホ−ルを含むスル−ホ−ルの小径化、小型チップ部品
の表面実装による高密度実装等がある。
【0003】従来のブラインドホールを有する多層プリ
ント配線板は、一般的にエッチング法で銅配線パターン
を予め形成した内層用パネルを用意し、表面銅はくと内
層用パネルの間にプリプレグを1ないしは2枚重ねてレ
イアップし、熱プレスすることにより、内層回路入り銅
張絶縁パネルを形成し、所定の位置にドリルマシンで順
次穴加工を施し、ブラインドホール用穴を形成し、以
下、従来の無電解銅めっき、電解銅めっきを施し、めっ
きスルーホールを形成し、エッチングすることにより製
造されている。
【0004】このようにドリルでブラインドホールを形
成するには、通常のスルーホールのようにパネルを複数
枚重ねて明けることもできず、また0.1〜0.5mm
程度の小径を明けるドリルは芯ぶれが大きいので一穴づ
つ明ける必要があり、穴加工に非常に時間を要し、生産
効率が悪いという欠点があった。また、ドリル穴加工に
おいてはドリル先端の深さを制御するために、ドリル穿
孔方向一般的にはZ軸方向の移動距離と内層用パネル表
面の銅配線パターンの深さを合致させる必要がある。し
かしながら前述のとおり小径ドリルは芯ぶれが大きく、
また銅配線パターンのZ軸方向の位置のばらつき等があ
り、精度よくコントロールすることは難しく、ドリル加
工が浅いと下部の銅配線パターンまで達せず、後工程の
めっきで接続されずにブラインドホール不良の原因とな
り、逆にドリル加工が深すぎると更にその下の銅はくパ
ターンと接触し、ショート不良となっていた。
【0005】本発明者らは上記従来の課題を解決するた
めに、特願平3−254261、特願平4−5634
9、特願平4−56348、特願平4−27733等
で、銅配線パターンを表面に有する内層用パネルと表面
銅はくとの間に、アルカリ可溶性の樹脂組成物の層を形
成し、表面銅はくに選択エッチングにより微細穴を設
け、露出した樹脂組成物の層をアルカリ溶解してブライ
ンドホールを形成し、無電解めっきおよび電気めっきを
施して、露出した内層用パネルの銅配線パターンと表面
銅はくを電気的に導通してめっきブラインドホールを形
成し、更に最外層の銅はくをエッチングしてパターンを
形成してなるブラインドホールを有する多層プリント配
線板の製造方法を提案した。
【0006】しかしながら、上記微細穴下の露出した樹
脂層を溶解する工程において、図8に示すようにブライ
ンドホール8を形成すると、アンダカット10が生じ
る。そのため、無電解銅めっき時に発生する水素ガスが
アンダカット10部分に残り易く、めっきのピンホール
を発生することがあり、また電気銅めっきを施す場合に
おいてもアンダカット10部分の表面銅はく3の遮蔽に
より、均一な電流密度が確保されず、めっき厚が不均一
になるという問題が発生することもある。
【0007】また、銅張絶縁シートを内層用パネルにラ
ミネートした後、熱硬化のみで樹脂組成物の層を硬化す
ると、加熱時に樹脂が熱で軟化、流動して表面銅はくに
ストレスが加わり、しわが発生し、樹脂組成物の層の厚
さがばらつき、層間絶縁耐圧特性が低下するという欠点
があった。またしわの発生により表面銅はくの平滑性が
失われ、高密度パターンの形成が困難になるという欠点
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来法の
欠点をなくし、量産性に優れた微小径のブラインドホー
ルを有する多層プリント配線板の製造を可能とする銅張
絶縁シートを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、銅はくの粗面化面にアル
カリ可溶で活性エネルギー線硬化性を有するかまたはそ
れと熱硬化性を兼備した第1の樹脂組成物の層を形成
し、かつその上に加熱による流動性が大きく活性エネル
ギー線硬化性および/または熱硬化性の第2の樹脂組成
物の層を形成させてなる銅張絶縁シートにおいて、第1
の樹脂組成物の層をバイアホールを形成させる部分を除
いて活性エネルギー線照射により予め半硬化させておく
と、アルカリ溶解される樹脂組成物の層は活性エネルギ
ー線による硬化のない部分に限定されるため、ブライン
ドホール形成におけるアンダカットの防止が可能とな
る。また露光条件を制御することにより、微小のブライ
ンドホールを形成することが可能となる等、前記課題が
悉く解決されることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0010】本発明の銅張絶縁シートは例えば、銅はく
の粗面化面にアルカリ可溶で活性エネルギー線硬化性を
有するかまたはそれと熱硬化性を兼備した第1の樹脂組
成物の層を形成し、バイアホールを形成させる部分を遮
蔽して第1の樹脂組成物の層に活性エネルギー線を照射
して半硬化乃至全硬化した後、上記第1の樹脂組成物の
層全面に、加熱による流動性が大きく活性エネルギー線
硬化性および/または熱硬化性の第2の樹脂組成物の層
を形成することによって作成することができる。
【0011】また別の製法としては、銅はくの粗面化面
に前記第1の樹脂組成物の層を形成し、その上に紫外線
透過性の第2の樹脂組成物の層を形成した後、離型フィ
ルムおよびパターンフィルムを載せて、第2の樹脂組成
物の層側から、紫外線を照射して半硬化させる方法もあ
るが、パターン解像度が優れている点から前者の方が好
ましい。
【0012】本発明の銅張絶縁シートを用いた多層プリ
ント配線板の製造方法は次のとおりである。銅配線パタ
ーンを表面に有する絶縁基板からなる内層用のパネルと
本発明の銅張絶縁シートとをラミネートする。この際、
パネル表面の所定の位置、例えばブラインドホールを設
けようとする位置に対応するように、前記銅張絶縁シー
トの活性エネルギー線未照射部分の位置を合わせる。次
いで表面銅はく上にエッチングレジストを形成し、前記
パネルのブラインドホールを設けようとする特定の銅配
線パターン上に対応するように選択エッチングにより表
面銅はくを除去して微細穴を設け、微細穴から露出した
第1の樹脂組成物の層をアルカリ溶解してブラインドホ
ールを形成し、前記パネルの銅配線パターンを露出さ
せ、樹脂組成物の層を硬化させ、前記ブラインドホール
を介して前記パネルの銅配線パターンと表面銅はくを、
めっきにより電気的に接続し、表面銅はくを選択エッチ
ングして所定のパターンを形成することにより本発明の
目的である微小径のブラインドホールを有する多層プリ
ント配線板が容易に製造できる。
【0013】即ち、前記銅張絶縁シートの樹脂側を、銅
配線パターンを表面に有する絶縁基板からなるパネル上
にラミネートすると、加熱による流動性の大きい第2の
樹脂組成物の層は、殆どが絶縁基板上の銅配線パターン
上から周囲に流れて、銅配線パターン上には第1の樹脂
組成物の層が残ることになる。更に表面銅はくに微細穴
を設けて露出した樹脂組成物の層をアルカリ溶解する部
分は、活性エネルギー線による硬化が行われていない部
分であり、第1の樹脂組成物の層でも活性エネルギー線
照射により半硬化乃至全硬化された部分はアルカリ溶解
されない。従って従来のような表面銅はくの下の第1の
樹脂組成物の層をアルカリ溶解したときのアンダカット
の発生を防止することができる。ブラインドホールの径
即ちアルカリ溶解する樹脂組成物の層の径は、先の活性
エネルギー線で照射しなかった樹脂組成物の径で決まる
ことになり、微小径の加工が極めて容易になる。
【0014】なお、第2の樹脂組成物の層が、ラミネー
ト後も絶縁基板上の銅配線パターン上に残存する可能性
がある場合は、第2の樹脂組成物にもアルカリ可溶性を
付与しておくことによって、その除去を容易に行うこと
ができる。
【0015】本発明において、加熱による流動性が大き
い第2の樹脂組成物は、表面に銅配線パターンを有する
絶縁基板からなるパネルの表面に、銅張絶縁シートの樹
脂側を重ね、プレスまたはラミネートにより全体を積層
する工程における加熱、即ち概ね60〜120℃の範囲
において樹脂組成物が溶融してパネルの銅配線パターン
間に容易に流れ出し、パターンの凹部を埋めることがで
きるものである。
【0016】第2の樹脂組成物は加熱による流動性が大
きいことが必要であるが、第1の樹脂組成物は、バイア
ホールを形成する部分は活性エネルギー線により半硬化
乃至全硬化されており、またバイアホールを形成する部
分は絶縁基板上の銅配線パターン上に載るため、加熱に
よる流動性は大きくとも小さくとも構わない。
【0017】本発明において、半硬化とは紫外線または
電子線等の活性エネルギー線照射により樹脂組成物の加
熱による流動性は失われるが、耐熱性、密着性または電
気特性等が充分でない状態を指し、熱および/または電
子線等により全硬化させることにより樹脂組成物にこれ
ら特性が与えられる。
【0018】本発明において、バイアホールとは、スル
ーホール、ブラインドホールおよびアクセスホールを総
称したものである。
【0019】前記パネルにおける所定の位置、例えばブ
ラインドホールを設けようとする位置と、銅張絶縁シー
トの活性エネルギー線未照射部分を対応するように合わ
せるには、ガイドピン、スプロケットホール等を使用す
ることが好ましい。
【0020】上記銅張絶縁シートの第1の樹脂組成物の
層を活性エネルギー照射する際に、ブラインドホール等
のバイアホールを形成させる場所、即ち活性エネルギー
線を遮蔽する箇所は、JIS C−5010の4.1項
に規定される基本格子、補助格子寸法上に載せるように
すると汎用性があるので都合がよい。活性エネルギー線
照射を遮蔽する部分は、この格子上に従って一定の間隔
の円形あるいは矩形として良いし、上記格子に沿って一
方向あるいは縦横方向に線状に形成しても良いし、ある
いはプリント配線板毎の固有の位置で固有の形状として
も良い。
【0021】本発明で使用する銅張絶縁シートにおい
て、第1の樹脂組成物は主成分として、アルカリ水溶液
に可溶なベースレジンを選択する必要があり、また第2
の樹脂組成物も、前述のようにラミネート後も絶縁基板
上の銅配線パターン上に残存する可能性があるため、ア
ルカリ水溶液に可溶なベースレジンを選択することが好
ましい(以下「アルカリ水溶液に可溶なベースレジン」
を単に「ベースレジン」と称する。)。樹脂組成物に
は、その種類および目的に応じて、接着性補強剤(架橋
剤)、活性エネルギー線硬化反応開始剤、活性エネルギ
ー線硬化反応促進剤および硬化剤から選ばれる必要な成
分を配合して得られる。更に必要であれば、上記樹脂組
成物に着色顔料、耐湿顔料、消泡剤、レベリング剤、チ
クソ性付与剤、重合禁止剤、沈降防止剤等を適宜添加し
ても良い。
【0022】本発明で使用する銅張絶縁シートに使用す
る樹脂組成物の加熱時の流動性は、ベースレジンの分子
量、架橋剤の種類、架橋剤の量によって制御できる。即
ち、ベースレジンの分子量が小さいほど、硬化前の流動
性がより大きい架橋剤を使用するほど、また架橋剤の量
が多いほど、樹脂組成物の加熱時の流動性は大きくな
る。
【0023】ベースレジンとしては、カルボキシル基、
フェノール性水酸基等のアルカリ溶解性の基を含有する
が活性エネルギー線硬化性のない樹脂、或いはカルボキ
シル基、フェノール性水酸基等のアルカリ溶解性の基
と、アクリロイル基またはメタクリロイル基(以下
「(メタ)アクリロイル基」と称する。)等の活性エネ
ルギー線硬化性の基とを含有する活性エネルギー線硬化
性のある樹脂があり、第1の樹脂組成物は活性エネルギ
ー線硬化性のある樹脂を選択する必要があるが、第2の
樹脂組成物は硬化手段の選択により、活性エネルギー線
硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂またはこれらを兼備した
樹脂のいずれも使用できる。
【0024】活性エネルギー線硬化性のないアルカリ可
溶な樹脂としては、活性エネルギー線硬化性がなくアル
カリ水溶液に可溶なアクリル樹脂および/またはメタク
リル樹脂(以下「(メタ)アクリル樹脂」と称す
る。)、特にアクリル酸および/またはメタクリル酸
(以下「(メタ)アクリル酸」と称する。)と、(メ
タ)アクリル酸エステル、並びにスチレンおよび/また
はアクリロニトリル等のビニルモノマーとの共重合体
が、アルカリ溶解性に優れ、また多層プリント配線板と
したときの層間絶縁抵抗および耐熱性に優れているので
好ましい。
【0025】ベースレジンとして、活性エネルギー線硬
化性を有する樹脂を用いる場合、その活性エネルギー線
硬化性基の濃度は0.1〜10.0meq/gの範囲が
好ましく、更に好ましくは0.3〜8.0meq/g、
特に好ましくは0.5〜5.0meq/gである。活性
エネルギー線硬化性基の濃度が小さすぎると活性エネル
ギー線硬化性が悪くなり、大きすぎると保存安定性が悪
くなる。
【0026】活性エネルギー線硬化性を有しアルカリ可
溶な樹脂としては、活性エネルギー線硬化性を有しアル
カリ水溶液に可溶な(メタ)アクリル酸エステル、スチ
レンおよび/またはアクリロニトリル等のビニルモノマ
ー、並びに(メタ)アクリル酸との共重合体に、グリシ
ジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレ
ート(以下「グリシジル(メタ)アクリレート」と称す
る。)等のグリシジル基含有不飽和化合物を開環付加し
たもの(以下「開環付加物」と称する。)が、アルカリ
溶解性に優れ、また多層プリント配線板としたときの層
間絶縁抵抗および耐熱性に優れているので好ましい。
【0027】この開環付加物は、溶剤(例えばジグライ
ム等のエーテル類、エチルカルビトールアセテート、エ
チルセロソルブアセテート、イソプロピルアセテート等
のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類)に、上記の共重合体を溶解し、グリシジ
ル(メタ)アクリレートをそのまま或いは溶剤で希釈し
て適下しながら反応させて得られる。
【0028】この際、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノ
メチルエーテル、フェノチアジン等のラジカル重合禁止
剤を10〜10,000ppm、好ましくは30〜5,
000ppm、特に好ましくは50〜2,000ppm
の範囲で添加し、反応温度を好ましくは室温〜170
℃、更に好ましくは40〜150℃、特に好ましくは6
0〜130℃の範囲で行うのが良い。また、触媒として
テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベン
ジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、
トリエチルアミンなどの三級アミン等を添加しても良
い。
【0029】共重合体中のカルボキシル基にグリシジル
(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させる際
に、カルボキシル基の一部を残して適切な酸価になるよ
うにすれば、得られる樹脂はアルカリ可溶性となる。酸
価が小さくなりすぎてアルカリ溶解性が低下した場合
は、上記反応で生成した二級水酸基に酸無水物を開環付
加することにより酸価を上げることができる。
【0030】本発明で使用する樹脂組成物のアルカリ溶
解性を変えるには、ベースレジンの分子量、架橋剤の種
類を変える等種々の方法があるが、ベースレジンの酸価
を変える方法が好ましい。ベースレジンの酸価が高くな
ればなるほどそのベースレジンを主成分とする樹脂組成
物のアルカリ溶解性は高くなる。
【0031】本発明に使用する第1の樹脂組成物を構成
するベースレジンは、その分子量(ゲルパーミュエーシ
ョンクロマトグラフによるスチレン換算重量平均分子
量)が20,000〜200,000の範囲のものが好
ましく、更に好ましくは40,000〜150,000
である。分子量が小さすぎると樹脂組成物の層のタック
が大きくなり、活性エネルギー線を照射する際に載せる
パターンフィルムまたは離型フィルムの剥離が困難にな
るので好ましくない。また、第2の樹脂組成物を構成す
るベースレジンとしては分子量が1,000〜50,0
00のものが好ましく、更に好ましくは5,000〜3
0,000である。分子量が小さすぎると耐熱性、耐水
性等が悪くなり、大きくなりすぎると加熱時の流動性が
小さくなり過ぎる。
【0032】本発明で使用する樹脂組成物を構成するベ
ースレジンは、その酸価が0.2〜10.0meq/g
の範囲が好ましく、更に好ましくは0.4〜5.0me
q/gで、特に好ましくは0.6〜3.0meq/gで
ある。酸価が小さすぎるとアルカリ溶解性が悪くなり、
大きすぎると耐水性等が悪くなる。
【0033】本発明で使用する樹脂組成物には、架橋剤
として活性エネルギー線硬化性化合物および/または熱
硬化性樹脂が使用できる。活性エネルギー線硬化性化合
物としてはアクリル系、ポリエーテル系、ポリエステル
系、不飽和ポリエステル系、ウレタン系、エポキシ系、
ポリエステル/ウレタン系、ポリアセタール系、ポリブ
タジエン系等が使用できる。その例としては、単官能性
化合物としては2−エチルヘキシルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート;2官能性化合物としてはウレタンアク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン
酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート;多
官能性化合物としてはトリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
ペンタエリストールヘキサアクリレート、トリアリルイ
ソシアヌレート等が挙げられ、これらは付加物または縮
合体としても使用できる。熱硬化性樹脂としてはウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂および尿素樹脂等が挙げられる。
【0034】上記架橋剤としてはウレタンアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートが好ましい。ウレタン
アクリレートは表面銅はくと樹脂層との密着性を高める
作用を特に有し、ポリプロピレングリコールジアクリレ
ートは樹脂組成物の加熱時の流動性を高める作用を特に
有し、ペンタエリスリトールトリアクリレートは樹脂組
成物の硬化後の耐熱性を高める作用を特に有している。
上記架橋剤は1種または2種以上を、ベースレジン固形
分100重量部に対して、20〜120重量部添加する
ことが望ましい。120重量部を超えるとアルカリ水溶
液による溶解性が悪くなり、樹脂残留物が生じ易い。2
0重量部未満では樹脂組成物と外層銅はく間の十分な密
着強度が得られ難い。
【0035】紫外線、電子線等活性エネルギー線硬化の
反応開始剤としては、ベンゾインエーテル系としてベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;ケタール系
としてベンジルジアルキルケタール;アセトフェノン系
として2,2’−ジアルコキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロア
セトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノ
ン;ベンゾフェノン系としてベンゾフェノン、4−クロ
ルベンゾフェノン、4,4’−ジクロルベンゾフェノ
ン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、o
−ベンゾイル安息香酸メチル、3,3’−ジメチル−4
−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メ
チルジフェニルスルフィド、ジベンゾスベロン、ベンジ
メチルケタール;チオキサントン系としてチオキサント
ン、2−クロルチオキサントン、2−アルキルチオキサ
ントン、2,4−ジアルキルチオキサントン、2−アル
キルアントラキノン、2,2’−ジクロロ−4−フェノ
キシアセトン等が挙げられ、その配合量はベースレジン
固形分100重量部に対して0.1〜10重量部が好ま
しい。0.1重量部未満では反応が十分開始されなく、
10重量部を超えると樹脂層が脆くなり易い。
【0036】紫外線、電子線等活性エネルギー線硬化の
反応時の増感剤としては新日曹化工(株)製のニッソキ
ュアEPA、EMA、IAMA、EHMA、MABP、
EABP等、日本化薬(株)製のカヤキュアEPA、D
ETX、DMBI等、Ward Blenkinsop
社製のQuntacure EPD、BEA、EOB、
DMB等、大阪有機(株)製のDABA、大東化学
(株)製のPAA、DAA等が挙げられる。その配合量
はベースレジン固形分100重量部に対して0.5〜1
0重量部が好ましい。0.5重量部未満では活性エネル
ギー線硬化の反応速度は向上せず、10重量部を超える
と反応が速くなり、シェルフライフを低下させ易い。電
子線照射で使用する場合は反応増感剤を省いてもよい。
【0037】硬化剤としてはパーオキサイド系が使用可
能であるが、中でも保存安定性の面からジブチルパーオ
キサイド、ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド等のアルキルパーオキサイドまたはアリール
パーオキサイドが好ましい。その量は、ベースレジン固
形分100重量部に対して0.1〜10重量部が好まし
い。0.1重量部未満では硬化時間が長くなり、10重
量部を超えるとシェルフライフが短くなり作業性が悪く
なる。紫外線照射、電子線照射等を行う場合には必ずし
も硬化剤を必要としないが、銅はくの接着安定性、はん
だ耐熱性等密着性を高めるためには硬化剤を添加した方
が好ましい。
【0038】ラミネートは熱ロールを用いると連続的に
ラミネートができるので生産性が良く好ましい。この場
合、圧力はエアー圧1〜5kg/cm2 とすることが好
ましい。
【0039】本発明における銅張絶縁シートにおいて、
第1の樹脂組成物の層の厚さは40〜70μm、第2の
樹脂組成物は20〜40μmとすることが好ましい。
【0040】本発明の銅張絶縁シートを用いたブライン
ドホールを有する多層プリント配線板の製造方法におい
て、樹脂組成物の硬化は主として加熱によって行うが、
電子線のような活性エネルギー線によっても可能であ
る。加熱の場合その温度は80〜180℃の範囲が好ま
しく、より好ましくは150〜170℃である。熱硬化
で180℃を超えると内層用パネルを構成する絶縁樹脂
が劣化を起こし、80℃未満では硬化に時間がかかると
共に、架橋が不充分で絶縁抵抗が充分に出ない恐れがあ
る。
【0041】電子線照射の場合には180〜300kV
で10〜30Mradの条件がよく、ブラインドホール
周辺の樹脂組成物の層の硬化だけでなく銅はくを電子線
が透過することにより18〜35μm厚の銅はくの下の
樹脂組成物の層も硬化させることができる。
【0042】本発明の銅張絶縁シートを用いたブライン
ドホールを有する多層プリント配線板の製造方法におい
て、銅張絶縁シートを表面に銅配線パターンを有する絶
縁基板からなるパネルにラミネートする際に、樹脂組成
物と内層される銅配線パターンとの接着力を確保するた
めに、該配線パターン表面を粗面化処理、ブラックオキ
サイド処理、ブラウンオキサイド処理、レッドオキサイ
ド処理等を施しておくと好ましい。
【0043】本発明の銅張絶縁シートを用いたブライン
ドホールを有する多層プリント配線板の製造方法におい
て、ブラインドホールを形成するための樹脂組成物の層
の溶解は有機溶剤でもできるが、アルカリ水溶液を用い
る方がブラインドホールの信頼性および作業性等からも
より好ましい。なぜならば有機溶剤で樹脂組成物を溶解
した場合には、膨潤かつ溶解であり、溶解後の樹脂の境
界がスムーズでなく粗くなり、しかも境界近傍には有機
溶剤が残るという問題がある。そのため、樹脂組成物を
溶解して得られたブラインドホールにめっきを施す場合
に、有機溶剤の残留の影響や樹脂の境界が粗いため、無
電解めっきが析出し難くなり、めっきのピンホールの発
生、めっきができたブラインドホールにおいても残留有
機溶剤が蒸発してボイド、気泡、ふくれ等の問題が発生
し、これらが層間の導電回路間のブラインドホールによ
る電気的および機械的接続を不安定にし接続信頼性が得
られないからである。
【0044】これに対してアルカリ水溶液で樹脂組成物
を溶解する場合はカルボキシル基が反応して溶解するか
ら溶解速度も速く、アルカリ水溶液と接する部分から樹
脂が順次溶解されるから樹脂の境界が明確になる。ま
た、アルカリ水溶液で樹脂溶解をした後、酸で洗浄して
やればアルカリ成分が残留することもなく、後の無電解
めっきの析出もよく、ボイド、気泡、ふくれ等の欠陥も
発生しないので信頼性の高いブラインドホールが形成で
きる。
【0045】また、有機溶剤のように作業環境を悪化さ
せることなく、従来のプリント配線板の製造工程の中で
ブラインドホールを有する多層プリント配線板が容易に
製造できる点でも更に好ましい。即ち、銅はくに微小穴
を形成する際に、アルカリ可溶型エッチングレジストを
使用すれば、銅はくエッチング後の膜はぎ工程で、レジ
ストと同時に微小穴下の樹脂組成物の層を溶解できる。
またアルカリ現像型ドライフィルムをレジストとした場
合であれば、剥離用水酸化ナトリウム水溶液で、レジス
ト除去と同時に微小穴下の樹脂層の溶解除去が可能であ
り更に好ましい。
【0046】なおカルボキシル基等のアルカリ溶解性の
基を有する樹脂組成物をアルカリ水溶液で溶解した場合
は、カルボキシル基と反応したアルカリ分が残存して、
銅の腐食や電気特性の低下を起こす恐れがあるので、溶
解後、稀硫酸等で酸洗浄を行うことが望ましい。内層用
のパネルの銅配線パターンを黒化処理した場合、ブライ
ンドホールを酸で中和すると黒化処理の酸化被膜が溶解
し、銅の色が出ることになる。黒化処理被膜の表面に樹
脂が残っている場合は銅の色が見えないのでアルカリ溶
解の良否をこの中和処理で判定できる。
【0047】本発明の銅張絶縁シートは多層プリント配
線板の製造を連続的行えるように、長尺状の銅はくに第
1の樹脂組成物の層および第2の樹脂組成物の層を形成
した後、離型フィルムまたは離型紙を介して、ロール状
に巻き取っておくと、そのロール状の銅張絶縁シートを
内層用パネルに熱ロールで連続的にラミネートすること
ができるので好ましい。
【0048】また、本発明で使用する銅張絶縁シートは
銅はくのマット面に樹脂組成物の層を形成し、銅はくの
反対面の銅はく上に予め感光性樹脂を塗布しておくこと
もできる。該感光性樹脂は銅張絶縁シートを内層用パネ
ルにラミネートした後、ドライフィルムやエッチングレ
ジストの代わりに使用でき、多層プリント配線板の製造
工程においてドライフィルムやエッチングレジストの形
成工程を省くことができる。経済性が向上するだけでは
なく、この方法を用いると歩留りも向上するから品質面
でも優位になり得る。
【0049】
【実施例】
実施例1 (ベースレジンの合成例1)n−ブチルメタクリレート
40重量部、メチルメタクリレート15重量部、スチレ
ン10重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート10重
量部、メタクリル酸25重量部およびアゾビスイソブチ
ルニトリル1重量部からなる混合物を、窒素ガス雰囲気
下で、80℃に保持したプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル120重量部中に5時間かけて滴下した。1
時間熟成後、更にアゾビスイソブチルニトリル0.5重
量部を加えて2時間熟成することによりカルボキシル基
含有メタクリル樹脂を合成した。次に空気を吹き込みな
がら、グリシジルメタクリレート20重量部、テトラブ
チルアンモニウムブロマイド1.5重量部、更に重合禁
止剤としてハイドロキノン0.15重量部を加えて、8
0℃で8時間反応させて、分子量50,000〜70,
000、不飽和当量1.14モル/kg、酸価が1.8
meq/gのカルボキシル基を有するベースレジンを合
成した。
【0050】(ベースレジンの合成例2)n−ブチルメ
タクリレート49.5重量部、スチレン9重量部、ヒド
ロキシエチルメタクリレート10重量部、メタクリル酸
32.5重量部、アゾビスイソブチルニトリル2重量部
からなる混合物を、窒素ガス雰囲気下で、90℃に保持
したプロピレングリコールモノメチルエーテル120重
量部中に5時間かけて滴下した。1時間熟成後、更にア
ゾビスイソブチルニトリル1重量部を加えて2時間熟成
することによりカルボキシル基含有メタクリル樹脂を合
成した。次に空気を吹き込みながら、グリシジルメタク
リレート20重量部、テトラブチルアンモニウムブロマ
イド1.5重量部および重合禁止剤としてハイドロキノ
ン0.15重量部を加えて、80℃で8時間反応させて
分子量25,000〜30,000、酸価1.8meq
/g、不飽和当量1.14モル/kgのカルボキシル基
を有するベースレジンを合成した。
【0051】(第1の樹脂組成物の調製)上述のように
作製した合成例1のベースレジン60重量部に、架橋剤
としてペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合
成化学工業(株)製アロニックスM−305)20重量
部およびウレタンアクリレート(東亞合成化学工業
(株)製アロニックスM−1600)20重量部、活性
エネルギー線硬化反応開始剤5重量部、活性エネルギー
線硬化反応増感剤2重量部、並びに硬化剤として日本油
脂(株)製パークミルDを1.5重量部をよく混合して
第1の樹脂組成物を調製した。
【0052】(第2の樹脂組成物の調製)上述のように
作製した合成例2のベースレジンを60重量部、架橋剤
としてアロニックスM−305を20重量部およびアロ
ニックスM−1600を20重量部、並びに硬化剤とし
てパークミルDを1.5重量部をよく混合して第2の樹
脂組成物を調製した。
【0053】(銅張絶縁シートの作成)18μm厚の銅
はくの粗面化面に上記第1の樹脂組成物をバーコータで
塗布し、60℃20分乾燥させて60μm厚の第1の樹
脂組成物の層を形成した。その後、0.5mmピッチの
位置に縦横一定の間隔で配置された0.1mmの円形パ
ターンフィルムを通して、上記円形パターン以外の第1
の樹脂組成物の層を200mJ/cm2 の紫外線を照射
して第1の樹脂組成物の層を半硬化させた。
【0054】次に、上記第1の樹脂組成物の層の上に第
2の樹脂組成物をバーコータで塗布し、60℃で20分
乾燥させて30μm厚の第2の樹脂組成物の層を形成さ
せて本発明の銅張絶縁シートを作成した。
【0055】(多層プリント配線板の作成)本発明の銅
張絶縁シートを使用したブラインドホールを有する多層
プリント配線板の製造方法を図面に則して説明する。図
1〜図7は本発明の実施例の銅張絶縁シートを使用した
多層プリント配線板の製造過程および構成を説明するた
めの概略断面図である。図8は従来例の樹脂組成物の層
を溶解後の銅はく下のアンダカットが発生した状態を示
す概略断面図である。なお実施例では内層用パネルの両
面に銅張絶縁シートをラミネートしているが、各図面で
は簡略化のため片面のみを表示した。
【0056】35μm厚の銅はくを有する板厚0.6m
mガラスエポキシ両面銅張板を選択エッチングして銅配
線パターン4を形成した内層用パネル6を用意し、その
内層用パネルの銅配線パターン4表面を、亜塩素酸ナト
リウム37g/リットル、水酸化ナトリウム10g/リ
ットル、りん酸3ナトリウム12水和物20g/リット
ルからなる溶液で、95℃5分間処理し、よく水洗した
後乾燥させ、黒化処理を行った。
【0057】次に、内層用パネル6の両側に前記銅張絶
縁シートを重ね、75℃、エアー圧3kg/cm2 で、
150mmメタルロールによるラミネートを実施して銅
張積層板パネルを作成した。ここで第2の樹脂組成物の
層2は流動性が大きいので銅配線パターン4間に流れ込
み、第1の樹脂組成物の層1a、1bは樹脂流れが殆ど
ないので内層の銅配線パターン4の上面に接触するよう
な図2に示す銅張積層板パネルが作成できた。
【0058】上記銅張積層板パネルの銅はく3の表面の
ブラインドホールを形成させる箇所に、図3のようにエ
ッチングレジスト7を形成し、塩化第2銅溶液でブライ
ンドホールの箇所の銅はくをエッチングして0.1mm
φの微細穴を形成した(図4)。次に40℃の1%炭酸
ナトリウム溶液を1.5kg/cm2 のスプレー圧で5
0秒間かけ、露出した第1の樹脂組成物の層の活性エネ
ルギーを照射していない部分1aの樹脂を溶解してブラ
インドホールを形成した(図5)。
【0059】150℃で30分加熱し、樹脂組成物を硬
化した後に、上記ブラインドホールを形成した銅張積層
板パネル全面を活性化処理した。次に硫酸銅9g/リッ
トル、エチレンジアミン4酢酸12g/リットル、2,
2’ジピリジル10mg/リットル、37%ホルムアル
デヒド3g/リットル、水酸化ナトリウムでpH12.
5に調整した30℃の無電解銅めっきで、0.5〜1.
0μm厚のめっきを施した後、硫酸銅60g/リット
ル、硫酸180g/リットル、塩化ナトリウム0.07
g/リットル、光沢剤(シェーリング社カパラシドGS
818)10ml/リットルの40℃の電気銅めっき溶
液を使用し、2A/dm2 電流密度で30分めっきを施
し、ピンホールの無い15〜20μm析出厚さのめっき
ブラインドホール9を形成し(図6)、ホトエッチング
レジストを塗布し、紫外線露光および現像し、エッチン
グにより表面銅はくに導体パターンを形成したところ、
50〜100μmの線間線幅の回路を有する多層プリン
ト配線板を得ることができた(図7)。
【0060】比較例1 活性エネルギー線照射を行わない以外は、実施例1と同
じ操作で銅張絶縁シートを得た。これを用いて実施例1
と同じ条件で多層プリント配線板を製造したところ、表
面銅はくに導体パターンを形成する際に、表面銅はくに
しわがあったため、パターンフィルムとホトエッチング
レジストの間に紫外線が洩れて解像度が落ち、150μ
mの線間線幅の回路は得られなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明の銅張絶縁シートを用いると、ロ
ールラミネートにより該シートと内層用のパネルを積層
し、ブラインドホールを銅はくのエッチングと不要な樹
脂層部分のみのアルカリ溶解により一括して形成するこ
とができるので微小径のブラインドホールが形成可能
で、従来一穴づつ明けていたドリル加工に比べると生産
性が大幅に向上するものである。また、内層用銅配線パ
ターンの深さのばらつきがあっても関係なく、内層用銅
配線パターンまで樹脂層を溶解させることにより確実に
ブラインドホール用穴を設けることができるので従来の
ブラインドホール接続不良がなくなり、また内層用の他
の層の銅はくパターンと誤って接続されるショート不良
は皆無となる。更に内層用パネルと表面銅はくとの間に
使用するプリプレグを減らすことができるので、プリン
ト配線板の厚さを薄くできることから高密度な多層プリ
ント配線板が得られるものである。
【0062】更に本発明の銅張絶縁シートは、第1の樹
脂組成物はバイアホールを形成する位置以外が活性エネ
ルギー線照射により半硬化乃至全硬化されているため、
樹脂組成物の層を熱硬化する際にも、熱で樹脂組成物が
流動することなく、表面銅はくにしわが発生し難いもの
であリ、表面銅はくにしわがなく表面が平滑であること
から、高密度パターンの形成が可能となる。従って、各
種の電子機器で高密度実装に使用されるブラインドホー
ルの必要な多層プリント配線板を製造する際に極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の銅張絶縁シートを使用したブラインド
ホールを有する多層プリント配線板の製造過程におけ
る、表面に銅配線パターンを有する内層用パネルと銅張
絶縁シートをラミネートさせる前の構成を示した概略断
面図ある。
【図2】同製造過程における、ラミネートした後の銅張
積層板パネルの構成を示した概略断面図である。
【図3】同製造過程における、ブラインドホールを形成
させる位置以外の表面の銅はくにポジ型エッチングレジ
ストを形成した後の上記銅張積層板パネルを示した概略
断面図である。
【図4】同製造過程における、上記ブラインドホール部
分の表面銅はくを除去し、微細穴を明けた後の上記銅張
積層板パネルの概略断面図である。
【図5】同製造過程における、露出した活性エネルギー
未照射の第1の樹脂層1aをアルカリ溶解した後の概略
断面図である。
【図6】同製造過程における、めっきブラインドホール
を形成した後の概略断面図である。
【図7】同製造過程における、選択エッチングにより表
面銅はくに回路パターンを形成した後の概略断面図であ
る。
【図8】従来例の樹脂組成物の層を溶解した後の銅はく
下のアンダカットが発生した状況を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1a 活性エネルギーを未照射の第1の樹脂組成物の層 1b 活性エネルギーを照射した第1の樹脂組成物の層 2 第2の樹脂組成物の層 3 外層の銅はく 4 内層の銅配線パターン 5 絶縁基板 6 内層用パネル 7 エッチングレジスト 8 ブラインドホール 9 めっきブラインドホール 10 アンダカット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 健也 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 神林 富夫 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 平岡 秀樹 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅はくの粗面化面にアルカリ可溶で活性
    エネルギー線硬化性を有するかまたはそれと熱硬化性を
    兼備した第1の樹脂組成物の層を設け、更にその上に加
    熱による流動性が大きく活性エネルギー線硬化性および
    /または熱硬化性の第2の樹脂組成物の層を設けてな
    り、かつ前記第1の樹脂組成物の層は、バイアホールを
    形成させる部分を除いて活性エネルギー線照射により半
    硬化乃至全硬化させていることを特徴とする銅張絶縁シ
    ート。
JP24593993A 1993-09-06 1993-09-06 銅張絶縁シート Pending JPH0779074A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09298362A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Samsung Electro Mech Co Ltd ビルドアップ多層印刷回路基板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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