JP4735785B1 - 熱延鋼板の製造方法、および熱延鋼板の製造装置 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法、および熱延鋼板の製造装置 Download PDF

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Abstract

熱延鋼板の製造ラインにおいて、熱間仕上げ圧延機列内からの冷却可能な冷却装置が配置される場合であっても、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンド間の被圧延材温度について目標温度を与えることができる熱延鋼板の製造方法を提供する。
熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの下工程側の最終スタンドの内側に冷却水を噴射して被圧延材を急冷するとともに、最終スタンドの入側で被圧延材の入側測定表面温度を得て、最終スタンドの出側における出側目標表面温度から、最終スタンドの圧延による加工発熱と、最終スタンドのワークロールと被圧延材との接触による温度降下と、被圧延材の搬送における空冷による温度降下と、に基づいて、最終スタンドにおける入側目標表面温度を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱延鋼板の製造方法、および熱延鋼板の製造装置に関し、詳しくは熱間仕上げ圧延機で圧延された直後の高温の被圧延材に冷却水を噴射して被圧延材を水冷することにより熱延鋼板を製造する際にも、適切な被圧延材の温度管理ができる熱延鋼板の製造方法、および熱延鋼板の製造装置に関する。
自動車用や構造材用等として用いられる鋼材は、強度、加工性、靭性といった機械的特性に優れることが求められ、これらの機械的特性を総合的に高めるには、鋼材の組織を微細化することが有効である。そのため、微細な組織を有する鋼材を得るための方法が数多く模索されている。また、組織の微細化によれば、合金元素の添加量を削減しても優れた機械的性質を具備した高強度熱延鋼板を得ることが可能となる。
組織の微細化方法としては、熱間仕上げ圧延機列の特に後段において高圧下率の圧延を行い、オーステナイト粒を微細化するとともに、被圧延材に圧延歪を蓄積させ、圧延後に得られるフェライト粒の微細化を図ることが知られている。さらに、オーステナイトの再結晶や回復を抑制してフェライト変態を促進させるという観点から、圧延後のできるだけ短時間内に被圧延材を600℃〜750℃にまで冷却することが有効である。すなわち、熱間仕上げ圧延に引き続き、従来よりも早く冷却することが可能な冷却装置を設置し、圧延後の被圧延材を急冷することが有効である。そして、このように圧延後の被圧延材を急冷するには、冷却能力を高めるために、被圧延材に噴射される単位面積当りの冷却水量、すなわち、流量密度を大きくすることが効果的である。なお、このような冷却方法を以降、直後急冷と呼ぶ。
ところで、熱延鋼板の製造では、最終的に所望の性質を得ることができるように、できるだけ正確に被圧延材の温度管理をすることが重要である。そのために、熱延鋼板の製造装置の各所には、その時点での被圧延材の温度を把握するために温度測定手段が設けられている。かかる観点から、熱間仕上げ圧延機列の出側にも温度測定手段が設けられ、仕上げ圧延が終了した時点の被圧延材の温度を取得することができる。仕上げ圧延機の出側の温度は、その後工程に冷却の工程があるので、最終的に目標とされる温度、およびこれを得るための冷却の程度を決めるに際して重要である。
しかしながら、上記したような仕上げ圧延直後に水による急冷がおこなわれると、仕上げ圧延機出側で被圧延材温度を測定することができない。このような問題に対し、圧延機出側の温度を得る手段として例えば特許文献1が開示されている。これによれば、従来は熱間仕上げ圧延機列の最終スタンド出側に設置していた温度計による圧延機出側温度の測定は、冷却水のため測定不可能になるため、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンド入側において被圧延材の温度を測定する旨が記載されている。
特開昭61−56722号公報
特許文献1の記載によれば、最終スタンド出側温度に相当する最終スタンド入側温度の記載はされているが、実際にこれがどのように算出されているか示されておらず、最終スタンド入側温度による温度制御をすることはできなかった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、熱延鋼板の製造ラインにおいて、仕上げ圧延機内からの冷却可能な冷却装置が配置される場合であっても、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンド間の被圧延材温度について目標温度を与えることができる熱延鋼板の製造方法、および熱延鋼板の製造装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。ここでは、わかりやすさのため図面に付した符号を括弧書きで記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求の範囲第1項に記載の発明は、熱延鋼板を製造する方法であって、熱間仕上げ圧延機列(11)の最終スタンドの下工程側における該最終スタンドの内側に冷却水を噴射して被圧延材を急冷するとともに、最終スタンドの入側で被圧延材の表面温度を測定し、入側測定表面温度を得て、最終スタンドの出側における被圧延材の目標表面温度である出側目標表面温度から、最終スタンドの圧延による加工発熱による温度上昇と、最終スタンドのワークロールと被圧延材との接触による温度降下と、入側測定表面温度の測定位置から最終スタンドのワークロールまでの搬送における空冷による温度降下と、に基づいて、入側測定表面温度測定位置における被圧延材の目標表面温度である入側目標表面温度を算出することを特徴とするものである。
請求の範囲第2項に記載の発明は、請求の範囲第1項に記載の熱延鋼板の製造方法において、入側目標表面温度を算出する際に、圧延方向における被圧延材の表面温度変化の要素も含むことを特徴とする。
請求の範囲第3項に記載の発明は、請求の範囲第1項又は第2項に記載の熱延鋼板の製造方法において、熱間仕上げ圧延機列(11)による圧延が、該圧延の途中で圧延機の圧下率を変化させる圧延方法のときに、入側目標表面温度を算出する際には、圧下率の変化による板厚の変化、および被圧延材とワークロールとの摩擦係数の変化をも要素に含むことを特徴とする。
請求の範囲第4項に記載の発明は、請求の範囲第1項〜第3項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法において、被圧延材は、最終スタンド入側においても冷却水により冷却され、入側目標表面温度を算出する際には、入側測定表面温度の測定位置から最終スタンドのワークロールまでの搬送の際における水冷による温度降下をも要素に含むことを特徴とする。
請求の範囲第5項に記載の発明は、請求の範囲第1項〜第4項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法において、入側測定表面温度の測定手段は、被圧延材の表面に対向する位置に配置された温度計であり、温度計は、被圧延材板幅方向に複数配置されているか、又は1つの幅方向温度計であることを特徴とする。
請求の範囲第6項に記載の発明は、請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法において、入側測定表面温度の測定手段が、被圧延材の表面に対向する位置に配置された放射温度計と、被圧延材と放射温度計との間に光導波路としての水流を形成するための水柱形成手段と、を備える水柱温度計であることを特徴とする。
請求の範囲第7項に記載の発明は、請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法において、演算された入側目標表面温度、および測定された入側測定表面温度に基づいて、入側目標表面温度と入側測定表面温度とを対比し、入側測定表面温度が入側目標表面温度となるように、コイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置の少なくとも1つに指令を送信することを特徴とする。
請求の範囲第8項に記載の発明は、請求の範囲第1項〜第7項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法において、急冷をすることなく圧延をするときに、当該急冷可能とされる区間又はその直後で、被圧延材の表面温度を測定して圧延後の表面温度を得ることを特徴とする。
請求の範囲第9項に記載の発明は、請求の範囲第8項に記載の熱延鋼板の製造方法において、入側測定表面温度、および圧延後表面温度に基づいて、最終スタンド出側の被圧延材の表面温度を算出し、該算出した表面温度と、入側目標表面温度の演算過程で得られる最終スタンド出側の被圧延材の表面温度と、を対比して、その誤差に基づいて入側目標表面温度の演算を変更することを特徴とする。
請求の範囲第10項に記載の発明は、熱延鋼板を製造する方法であって、熱間仕上げ圧延機列(11)の最終スタンドの下工程側における該最終スタンドの内側に冷却水を噴射して被圧延材を急冷するとともに、最終スタンドの入側で被圧延材の表面温度を測定し、入側測定表面温度を得て、予め与えられた入側目標表面温度と入側測定表面温度とを対比し、入側測定表面温度が入側目標表面温度となるように、コイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置の少なくとも1つに指令を送信することを特徴とするものである。
請求の範囲第11項に記載の発明は、熱間仕上げ圧延機列(11)を備える熱延鋼板の製造装置(10)であって、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの下工程側に配置され、該最終スタンドの内側にその少なくとも一部が配置されて冷却水を噴射可能である直後急冷装置(20)と、最終スタンドの入側で被圧延材の表面温度を測定可能に設けられた被圧延材温度測定手段(40)と、最終スタンドの出側における被圧延材の目標表面温度である出側目標表面温度から、最終スタンドの圧延による加工発熱による温度上昇、最終スタンドのワークロールと被圧延材との接触による温度降下、および入側測定表面温度の測定位置から最終スタンドのワークロールまでの搬送における空冷による温度降下、に基づいて、入側測定表面温度の測定位置における被圧延材の目標表面温度である入側目標表面温度を算出する目標温度演算装置(51)と、を備える熱延鋼板の製造装置である。
請求の範囲第12項に記載の発明は、請求の範囲第11項に記載の熱延鋼板の製造装置(10)において、目標温度演算装置(51)は、入側目標表面温度を算出する際に、圧延方向における被圧延材の表面温度変化の要素も含めた演算が可能であることを特徴とする。
請求の範囲第13項に記載の発明は、請求の範囲第11項又は第12項に記載の熱延鋼板の製造装置(10)において、熱間仕上げ圧延機列(11)は、圧延の途中で圧下率を変化させることが可能とされ、圧延の途中で圧延機の圧下率を変化させる圧延方法のときに、目標温度演算装置(51)は、入側目標表面温度を算出する際に、圧下率の変化による板厚の変化、および被圧延材とワークロールとの摩擦係数の変化をも要素に含めた演算が可能であることを特徴とする。
請求の範囲第14項に記載の発明は、請求の範囲第11項〜第13項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置(10)において、最終スタンド(11g)入側にも被圧延材に冷却水を噴射可能に冷却装置(35)が設けられ、目標温度演算装置(51)は、入側目標表面温度を算出する際に、最終スタンド入側に設けられた冷却装置による被圧延材の温度降下を演算可能とされていることを特徴とする。
請求の範囲第15項に記載の発明は、請求の範囲第11項〜第14項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置(10)において、被圧延材温度測定手段(40)は、被圧延材の表面に対向する位置に配置された温度計であり、温度計は、被圧延材板幅方向に複数配置されているか、又は1つの幅方向温度計であることを特徴とする。
請求の範囲第16項に記載の発明は、請求の範囲第11項〜第15項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置(10)において、被圧延材温度測定手段(40)が、被圧延材の表面に対向する位置に配置された放射温度計と、被圧延材と放射温度計との間に光導波路としての水流を形成するための水柱形成手段と、を備える水柱温度計であることを特徴とする。
請求の範囲第17項に記載の発明は、請求の範囲第11項〜第16項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置(10)において、さらにコイルボックス(15)、粗バーヒータ(16)、デスケーラ(17)、およびスタンド間冷却装置(35)のうち少なくとも1つを備え、目標温度演算装置(51)は、備えられたコイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置のうち少なくとも1つを制御可能であることを特徴とする。
請求の範囲第18項に記載の発明は、請求の範囲第11項〜第17項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置(110)において、直後急冷装置(20)内、又は直後急冷装置の出側に被圧延材の温度を測定する手段が配置されていることを特徴とする。
請求の範囲第19項に記載の発明は、請求の範囲第18項に記載の熱延鋼板の製造装置(110)において、目標温度演算装置(51)は、被圧延材温度測定手段(40)、および直後急冷装置(20)内、又は直後急冷装置の出側に配置された被圧延材の温度を測定する手段(140)による温度測定結果に基づいて、最終スタンド(11g)出側の被圧延材の表面温度を算出することが可能とされ、さらに、該算出した表面温度と、入側目標表面温度の演算過程で得られる最終スタンド出側の被圧延材の表面温度と、を対比して、その誤差に基づいて入側目標表面温度の演算を変更することが可能であることを特徴とする。
本発明の熱延鋼板の製造方法、および熱延鋼板の製造装置によれば、熱間仕上げ圧延機列の出側において当該熱間仕上げ圧延機列内から冷却可能な冷却装置が配置された場合であっても、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンド間の被圧延材温度について目標温度を与えることができる。また、与えられた目標温度について制御する手段を備えることより、被圧延材の温度管理も可能となる。
第一の実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置の一部を模式的に示した図である。 図1のうち、最終スタンドとその前のスタンドとの間、および直後急冷装置が配置された部分に注目して拡大した図である。 直後急冷装置のうち最終スタンド内に配置された部分に注目した図である。 直後急冷装置の冷却ノズルを説明する斜視図である。 直後急冷装置の冷却ノズルの配列を説明するための図である。 最終スタンドとその前のスタンドとの間における他の例を説明する図である。 第二実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置の一部を模式的に示した図である。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、第一実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置10(以下、「製造装置10」と記載することがある。)を説明するための概念図である。図1では、被圧延材1は紙面左(上流側、上工程側)から右(下流側、下工程側)の方向へと搬送され、紙面上下が鉛直方向である。ここではパスラインを破線で示している。上流側(上工程側)・下流側(下工程側)方向を通板方向と記載することがあり、これに直交する方向で、通板される被圧延材の板幅の方向を被圧延材板幅方向と記載することがある。また、図において見易さのため繰り返しとなる符号の記載は省略することがある。
図1に示すように、製造装置10は、コイルボックス15、粗バーヒータ16、デスケーラ17、熱間仕上げ圧延機列11、搬送ロール12、12、…、ピンチローラ13、および直後急冷装置20を備えている。さらに製造装置10は、熱間仕上げ圧延機列11の各スタンド間にスタンド間冷却装置35を備え、最終スタンド11gの入側には被圧延材温度測定手段40が配置されている。これに加えて製造装置10には、温度制御手段50が具備されている。
なお、図示および説明は省略するが、コイルボックス15より上工程側には、加熱炉や粗圧延機列等が配置され、一方、ピンチローラ13より下工程側には、ホットラン冷却装置や巻き取り機が配置されている。
熱延鋼板は概ね次のように製造される。すなわち、加熱炉から抽出され、粗圧延機列で所定の厚さまで圧延された粗バーが、温度を制御されながら連続的に熱間仕上げ圧延機列11で所定の厚さにまで圧延される。その後、直後急冷装置20内で急速に冷却される。そして、ピンチローラ13を通過し、ホットラン冷却装置により所定の巻き取り温度まで冷却され、巻き取り機によりコイル状に巻き取られる。詳しい製造方法については後で説明する。
以下、製造装置10について詳しく説明する。図2は、図1のうち熱間仕上げ圧延機列11のスタンド11f、最終スタンド11g、直後急冷装置20、およびピンチローラ13までの部位を拡大して示した図である。図3は、さらに最終スタンド11gの出側に注目した図である。
熱間仕上げ圧延機列11は、7機の圧延機11a、…、11f、11gが通板方向に沿って並列されている。ぞれぞれの圧延機11a、…、11f、11gは、いわゆる各スタンドを構成する圧延機で、最終製品において必要とされる厚さ、機械的性質、表面品質等の条件を満たすことができるように圧下率等の圧延条件が設定されている。ここで、各スタンドの圧下率は製造される被圧延材が有するべき性能を満たすように設定されるが、高圧下圧延を行ってオーステナイト粒を微細化するとともに被圧延材に圧延歪を蓄積させ、圧延後に得られるフェライト粒の微細化を図る観点から、最終スタンドであるスタンド11gにおいて可能な限り圧下率が大きいことが好ましい。
各スタンドの圧延機は、実際に被圧延材を挟んで圧下する一対のワークロール11aw、11aw、…、11fw、11fw、11gw、11gwと、該ワークロールに外周同士を接するように配置された一対のバックアップロール11ab、11ab、…、11fb、11fb、11gb、11gbとを有している。また、各スタンドの圧延機は、上記のワークロールおよびバックアップロールを内側に含み、圧延機の外殻を形成し、圧延ロールを支持するハウジング11ah、…、11fh、11ghを備えている。該ハウジングは対向して立設された対である立設部11gr、11grを有しており、該立設部11gr、11grは対である間に、通板される被圧延材1を被圧延材板幅方向に挟むように立設されている。
ここで、図2にL1で示した最終スタンド11gのワークロール11gwの軸中心とハウジング立設部11grの下工程側端面との距離はワークロール11gwの半径r1よりも大きい。従って、L1−r1に相当する部位には、後述するように直後急冷装置20の一部を配置することができる。すなわち当該直後急冷装置20の一部をハウジング11ghの内側に挿入するように設置することが可能である。
搬送ロール12、12、…は、被圧延材1を通板方向に搬送するロール群である。
ピンチローラ13は、水切りを兼ねており、直後急冷装置20の下工程側に設けられている。これにより、直後急冷装置20内で噴射された冷却水が被圧延材1の下工程側へと流出することを防止できる。さらには、直後急冷装置20における被圧延材1の波打ちを抑制して、特に、被圧延材1の先端が巻き取り装置に噛み込まれる前の時点における被圧延材1の通板性を向上させることができる。ここでピンチローラ13のロールのうち上側のロール13aは図2に示したように上下に移動可能とされている。
直後急冷装置20は、上面給水手段21、21、…、下面給水手段22、22、…、上面ガイド25、25、…、下面ガイド30、30、…を備えている。
上面給水手段21、21、…は、被圧延材1の上面側に冷却水を供給する手段であり、冷却ヘッダ21a、21a、…、各冷却ヘッダ21a、21a、…に複数列をなして設けられた導管21b、21b、…、および該導管21b、21b、…の先端に取り付けられた冷却ノズル21c、21c、…を備えている。
冷却ヘッダ21aは被圧延材板幅方向に延在する配管であり、このような冷却ヘッダ21a、21a、…が通板方向に並列されている。
導管21b、21b、…は各冷却ヘッダ21aから分岐する複数の細い配管であり、その開口端部が被圧延材1の上面側(パスラインの上面側)に向けられている。導管21b、21b、…は、冷却ヘッダ21aの管長方向に沿って、すなわち被圧延材板幅方向に複数、櫛歯状に設けられている。
各導管21b、21b、…の先端には冷却ノズル21c、21c、…が取り付けられている。本実施形態の冷却ノズル21c、21c、…は、扇状の冷却水噴流(例えば、5mm〜30mm程度の厚さ)を形成可能なフラットタイプのスプレーノズルである。図4、図5に当該冷却ノズル21c、21c、…により被圧延材表面に形成される冷却水噴流について模式図を示した。図4は斜視図である。図5は当該噴流が被圧延材表面に衝突したときの衝突態様を概略的に示した図である。図5において、白丸で表したのは冷却ノズル21c、21c、…の直下の位置、太線で示したのは冷却水噴流の衝突位置、形状である。図4、図5には通板方向と被圧延材板幅方向を合わせて示している。
図4、図5からわかるように本実施形態では、隣り合うノズル列では、被圧延材板幅方向の位置をずらすように配置し、さらにその隣のノズル列と被圧延材板幅方向位置が同じとなるように、いわゆる千鳥状配列としている。
本実施形態では、被圧延材表面における被圧延材板幅方向の全ての位置にわたって同じノズル列に属する冷却水噴流を少なくとも2回通過できるように冷却ノズル21c、21c、…を配置した。すなわち、通板される被圧延材のある点STは、図5の直線矢印に沿って移動する。その際にノズル列Aで2回(A1、A2)、ノズル列Bで2回(B1、B2)、ノズル列Cで2回(C1、C2)、…というように、各ノズル列において当該ノズル列に属するノズルからの噴流が2回衝突する。そのために、冷却ノズル21c、21c、…の間隔P、冷却水噴流の衝突幅L、ねじり角βとの間に、
L=2P/cosβ
の関係が成り立つように、冷却ノズル21c、21c、…を配置した。ここでは2回通過としたが、これに限定されることはなく、3回以上通過するように構成してもよい。なお、被圧延材板幅方向における冷却能の均一化を図るという観点から、通板方向で隣り合うノズル列では、互いに逆の方向に冷却ノズル21c、21c、…を捻った。
また、ノズルの配列により被圧延材の冷却に関する「均一冷却幅」が定まる。これは、配置されるノズル群の性質上、搬送される被圧延材の均一な冷却が可能である被圧延材幅方向の大きさを意味する。具体的には、被圧延材の製造装置において製造できる最大の被圧延材の幅と一致することが多い。具体的には例えば図5にRHで示した大きさである。
ここで、本実施形態では、上記のように隣り合うノズル列では、互いに逆の方向に冷却ノズル21c、21c、…を捻じった形態を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、全てが同じ方向に捻じってある形態であってもよい。また、捻じり角(上記β)も特に限定されるものではなく、必要とされる冷却能や設備配置の納まり等の観点から適宜決定することができる。
また、本実施形態では、上記利点の観点から通板方向に隣り合うノズル列を千鳥状配列とする形態としたが、これに限定されるものではなく、冷却ノズルが通板方向に直線上に並列される形態であってもよい。
上面給水手段21が備えられる位置、特に冷却ノズル21c、21c、…が配置されるべき位置は特に限定されるものではないが、熱間仕上げ圧延機列11における最終スタンド11gの直後に、該最終スタンド11gのハウジング11ghの内側から当該最終スタンド11gのワークロール11gwに極力近接するように配置させることが好ましい。このように配置することで、熱間仕上げ圧延機列11による圧延直後の被圧延材1を急冷することが可能になるとともに、被圧延材1の先端部を安定して冷却装置20に誘導することができる。本実施形態では、図2からわかるように、ワークロール11gwに近い冷却ノズル21c、21c、…は被圧延材1に近づけて配置する。
さらに各冷却ノズル21c、21c、…の冷却水噴射口から噴射される冷却水の噴射方向は鉛直方向を基本とする一方、最終スタンド11gのワークロール11gw、11gwに最も近い冷却ノズル21c、21c、…、22c、22c、…からの冷却水の噴射は、鉛直よりもワークロール11gw、11gwの方向に傾けられることが好ましい。これにより、被圧延材1が最終スタンド11gで圧下されてから冷却が開始されるまでの時間をより一層短くし、圧延で蓄積された圧延歪が回復する時間をほぼゼロにすることも可能となる。従って、より微細な組織を有する被圧延材を製造することができる。
下面給水手段22、22、…は、被圧延材1の下面側に冷却水を供給する手段であり、冷却ヘッダ22a、22a、…、各冷却ヘッダ22a、22a、…に複数列をなして設けられた導管22b、22b、…、および該導管22b、22b、…の先端に取り付けられた冷却ノズル22c、22c、…を備えている。下面給水手段22、22、…は、上記した上面給水手段21、21、…に対向して設けられ、冷却水の噴射方向が異なるが、概ね上面給水手段21、21、…と同様であるのでここでは説明を省略する。
次に上面ガイド25、25、…について説明する。上面ガイド25、25、…は、上面給水手段21と搬送される被圧延材1との間に配置され、被圧延材1の先端を通すときに、当該被圧延材1の先端が導管21b、21b、…や冷却ノズル21c、21cに引っ掛からないように設けられた板状の部材である。一方で、上面ガイド25、25、…には上面給水手段21からの噴流を通過させる流入孔が設けられている。これにより、上面給水手段21からの噴流が該上面ガイド25、25、…を通過して被圧延材1の上面に達し、適切な冷却をすることが可能となる。ここで用いられる上面ガイド25の形状は特に限定されるものではなく公知の上面ガイドを用いることが可能である。
上面ガイド25、25、…は、図2に示したように配置される。本実施形態では3つの上面ガイド25、25、25が用いられ、これが通板方向に並列される。いずれの上面ガイド25、25、25も冷却ノズル21c、21c、…の高さ方向位置に対応するように配置されている。すなわち、本実施形態では最終スタンド11gのワークロール11gwに最も近い上面ガイド25では最終スタンド11g側端部が低く、他端側が高くなるように傾斜して配置されている。他の2つの上面ガイド25、25は、通板面から所定の間隔を有して該通板面と略平行に配置されている。
下面ガイド30は、下面給水手段22と搬送される被圧延材1との間に配置される板状の部材である。これにより、特に被圧延材1を当該製造装置10に通す際における被圧延材1の最先端が下面給水手段22、22、…や搬送ロール12、12、…に引っ掛かることを防止できる。一方で、下面ガイド30には下面給水手段22からの噴流を通過させる流入孔が設けられている。これにより、下面給水手段22からの噴流が該下面ガイド30を通過して被圧延材1の下面に達し、適切な冷却をすることが可能となる。下面ガイド30の形状は特に限定されるものではなく公知の下面ガイドを用いることが可能である。
このような下面ガイド30は、図2に示したように配置される。本実施形態では4つの下面ガイド30、30、…が用いられ、搬送ロール12、12、12間のそれぞれに配置される。いずれの下面ガイド30、30、…も搬送ロール12、12、…の上端部に対してあまり低くならない高さに配置される。
本実施形態では下面ガイド30を備えた例を説明したが、下面ガイドは必ずしも設けられなくてもよい。
以上のような冷却水の供給において、具体的な供給水量については、必要とされる被圧延材の冷却熱量により適宜決められるものであり特に限定されない。ただし、上記したように、被圧延材組織の微細化の観点から、圧延直後の急冷が効果的であり、そのために水量密度の高い冷却水が供給されることが好ましい。上記被圧延材の組織の微細化の観点から、供給される片面あたりの冷却水の水量密度は、10〜25m/(m・分)を挙げることができる。これより大きい水量密度でもよい。冷却能力としては、3mm厚の被圧延材において、600℃/秒以上であることが好ましい。
図1〜図3に戻り、引き続き製造装置10について説明する。スタンド間冷却装置35は、熱間仕上げ圧延機列11の各スタンド間のそれぞれに配置された冷却手段であり、スタンド間上面給水手段36、スタンド間下面給水手段37、およびスタンド間下面ガイド38を有している。ここでは、スタンド11fと、最終スタンド11gとの間に配置されたスタンド間冷却装置35について説明する。他のスタンド間に配置されたスタンド間冷却装置も同様の構成である。
スタンド間上面給水手段36は、当該スタンド間において被圧延材1の上面側に冷却水を供給する手段であり、冷却ヘッダ36a、冷却ヘッダ36aに複数列をなして設けられた導管36b、36b、…、および該導管36b、36b、…の先端に取り付けられた冷却ノズル36c、36c、…を備えている。
冷却ヘッダ36aは被圧延材板幅方向に延在する配管であり、導管36b、36b、…は冷却ヘッダ36aから分岐する複数の細い配管により形成され、その開口端部が被圧延材の上面側に向けられている。導管36b、36b、…は、冷却ヘッダ36aの管長方向に沿って、すなわち被圧延材板幅方向に複数、櫛歯状に設けられている。
各導管36b、36b、…の先端には冷却ノズル36c、36c、…が取り付けられている。本実施形態の冷却ノズル36c、36c、…は、扇状の冷却水噴流(例えば、5mm〜30mm程度の厚さ)を形成可能なフラットタイプのスプレーノズルである。
スタンド間下面給水手段37は、被圧延材1の下面側に冷却水を供給する手段であり、冷却ヘッダ37a、冷却ヘッダ37aに複数列をなして設けられた導管37b、37b、…、および該導管37b、37b、…の先端に取り付けられた冷却ノズル37c、37c、…を備えている。スタンド間下面給水手段37は、上記したスタンド間上面給水手段36に対向して設けられ、冷却水の噴射方向が異なるが、概ねスタンド間上面給水手段36と同様であるのでここでは説明を省略する。
スタンド間下面ガイド38は、被圧延材1が搬送されるパスラインの下方に配置される板状の部材で、上工程側ガイド38aと下工程側ガイド38bとが搬送方向に所定の間隙を有して配置されている。当該間隙には、不図示のルーパと、上記したスタンド間下面給水手段37が配置されている。これにより、ルーパやスタンド間下面給水手段の機能を妨げることなく、被圧延材1を適切にガイドすることができる。
ここで、スタンド間下面給水手段37の下工程側ガイド38bには、後述する被圧延材温度測定手段40が配置される位置に対応して、測定用の孔が設けられている。
被圧延材温度測定手段40は、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11gの入側において、被圧延材1の下面側に配置されて、当該被圧延材1の表面温度(入側測定表面温度)を測定するものである。被圧延材温度測定手段40は、入側測定表面温度を測定することが可能なものであればどのような種類のセンサであってもよく、特定の型式のものに限らない。
ただし、本実施形態では、上記したスタンド間冷却装置35により被圧延材1の表面に冷却水が滞留していることを考慮し、ここで噴射される冷却水に起因した測定誤差を低減することが好ましい。このような測定が可能な温度測定装置として、例えば水柱温度計を挙げることができる。水柱温度計とは、特公平3−69974号公報、特開2005−24303号公報、特開2003−185501号公報、特開2006−010130号公報等により知られているように、被圧延材1と対向する位置に配置された放射温度計、および被圧延材1と放射温度計との間に光導波路としての水流(水柱)を形成するための水柱形成手段とを備える温度計である。そしてこの水柱を介して被圧延材1の表面からの放射光を放射温度計で検出することにより、入側測定表面温度を高い精度で測定することができる。このとき、上記したように、被圧延材温度測定手段40が配置される部分のスタンド間下面ガイド38には、側温のための孔が設けられている。
ここで、被圧延材温度測定手段40は被圧延材1の幅方向中央となる位置に1つ設けても良いし、被圧延材板幅方向に複数個並列してもよい。または、1つであっても被圧延材板幅方向の温度分布を測定できる温度測定手段(幅方向温度計)であってもよい。これにより、当該方向の温度分布を測定することもでき、被圧延材1の温度測定の精度を向上させることができる。また、被圧延材温度測定手段40による入側測定表面温度の測定結果は、後述する温度制御手段50に入力される。
図6には、異なる例のスタンド間冷却装置60、および被圧延材温度測定手段70について説明する図を示した。他の部位については上記した説明と共通するので、ここでは説明を省略する。
スタンド間冷却装置60は、熱間仕上げ圧延機列11の各スタンド間のそれぞれに配置された冷却手段であり、スタンド間上面給水手段61、スタンド間下面給水手段62、サイドスプレー63、スタンド間上面ガイド64、およびスタンド間下面ガイド65を有している。ここでは、スタンド11fと、最終スタンド11gとの間に配置されたスタンド間冷却装置60について説明する。他のスタンド間に配置されたスタンド間冷却装置も同様の構成である。
スタンド間上面給水手段61は、当該スタンド間において被圧延材1の上面側に冷却水を供給する手段であり、冷却ヘッダ61a、冷却ヘッダ61aに複数列をなして設けられた導管61b、61b、…、および該導管61b、61b、…の先端に取り付けられた冷却ノズル61c、61c、…を備えている。スタンド間上面給水手段61は、上記したスタンド間上面給水手段36と共通の構成なので、ここでは説明を省略する。
スタンド間下面給水手段62は、被圧延材1の下面側に冷却水を供給する手段であり、冷却ヘッダ62a、冷却ヘッダ62aに複数列をなして設けられた導管62b、62b、…、および該導管62b、62b、…の先端に取り付けられた冷却ノズル62c、62c、…を備えている。スタンド間下面給水手段62は、上記したスタンド間下面給水手段37と共通の構成なので、ここでは説明を省略する。
サイドスプレー63は、被圧延材1の上面側に滞留する水を幅方向に押し出して水切りをする手段であり、ヘッダ63a、ヘッダ63aに複数列をなして設けられた導管63b、63b、…、および該導管63b、63b、…の先端に取り付けられたノズル63c、63c、…を備えている。ここでノズル63c、63c、…が被圧延材1の幅方向に水を噴射するように形成されており、水切りをおこなうことができる。
スタンド間上面ガイド64は、被圧延材1が搬送されるパスラインの上面側に配置される板状の部材で、上工程側ガイド64aと下工程側ガイド64bとが通板方向に所定の間隙を有して並列されている。当該間隙には、上記サイドスプレー63と後述する被圧延材温度測定手段70のうち上面側被圧延材温度測定手段70aが配置される。また、スタンド間上面ガイド64のうち上工程側ガイド64aの上面側にスタンド間上面給水手段61が配置されている。従って、上工程側ガイド64aには、スタンド間上面給水手段61からの冷却水が貫通する孔が設けられている。
スタンド間下面ガイド65は、被圧延材1が搬送されるパスラインの下面側に配置される板状の部材で、上工程側ガイド65aと下工程側ガイド65bとが搬送方向に所定の間隙を有して並列されている。当該間隙には不図示のルーパが配置されている。また、スタンド間下面ガイド65のうち上工程側ガイド65aの下面側にスタンド間下面給水手段62が配置されている。従って、上工程側ガイド65aには、スタンド間下面給水手段62からの冷却水が貫通する孔が設けられている。ここで、スタンド間下面ガイド65の下工程側ガイド65bの下面側には、被圧延材温度測定手段70のうち下面側被圧延材温度測定手段70bが配置される。従って、下工程側ガイド65bには、下面側被圧延材温度測定手段70bが配置される位置に対応して、測定用の孔が設けられている。
被圧延材温度測定手段70は、上面側被圧延材温度測定手段70aおよび下面側被圧延材温度測定手段70bを備えている。上面側被圧延材温度測定手段70aは、上記したようにスタンド間上面ガイド64の間の隙間に配置され、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11gの入側において被圧延材1の上面側表面温度を測定するものである。ここで、本形態ではサイドスプレー63により、被圧延材1の上面に滞留する水が除去されているので、上面側被圧延材温度測定手段70aは、冷却水を考慮することなく通常の温度測定センサを適用することができる。上面側被圧延材温度測定手段70aは、被圧延材1の幅方向中央となる位置に1つ設けても良いし、被圧延材全幅の温度を測定できる幅方向温度計を設置してもよい。幅方向温度計を用いることにより、幅方向の温度分布を測定することもでき、被圧延材の温度測定の精度を向上させることができる。又は当該幅方向に複数の温度計を並べて配置してもよい。これにより幅方向温度計と同様の効果を奏するものとなる。
一方、下面側被圧延材温度測定手段70bは、図2を用いて説明した上記した被圧延材温度測定手段40と共通するので説明は省略する。
図1に戻り、引き続き製造装置10について説明する。コイルボックス15は、粗圧延後の圧延材(粗バー)を、一度コイル状に巻き取る設備である。これにより、粗バーの温度低下を抑制することができる。ここでは、公知のコイルボックスを用いることができ、その型式は特に限定されるものではない。
粗バーヒータ16は、コイルボックス15から巻き戻された粗バーを加熱して必要な温度に加熱する装置である。すなわち、誘導加熱、ガス燃焼加熱、通電加熱などの方法により粗バーを被圧延材板幅方向全体にわたり所定温度に昇温する。粗バーヒータとしては、公知のものを適用することができ、その型は特に限定されるものではないが、ガス燃焼加熱方法は燃焼効率が低く、また、通電加熱方法は疵が発生しやすい傾向があることから、誘導加熱方式が好ましい。誘導加熱方式の例として、ソレノイドコイル加熱方式(軸方向磁束加熱)やトランスバース加熱方式(横断磁束加熱)を挙げることができる。
デスケーラ17は、被圧延材表裏面に生じたスケール(付着物、不要な生成物)を除去するための設備である。具体的には被圧延材表裏に高圧の水を噴射することによりその衝撃力を用いてスケールを除去する。
温度制御手段50は、目標温度演算装置51、および設備制御装置52を備えて構成される。
目標温度演算装置51は、最終スタンド11gの出側における目標温度(出側目標表面温度)から、各種の温度上昇・降下を考慮して最終スタンド11gの入側でのあるべき被圧延材表面温度である入側目標表面温度を演算する装置である。ここでおこなわれる演算内容の詳細は後述する。
設備制御装置52は、目標温度演算装置51から取得した入側目標表面温度と、被圧延材温度測定手段40から取得した入側測定表面温度と、が一致するか判断するとともに、一致しない場合には、コイルボックス15、粗バーヒータ16、デスケーラ17、およびスタンド間冷却装置35のうちの少なくとも1つを制御する装置である。
以上のような構成を有する製造装置10により、熱間仕上げ圧延機列11の出側において当該熱間仕上げ圧延機列11の内側から冷却可能な冷却装置が配置された場合であっても、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド入側で被圧延材1の目標温度を与えることが可能となる。また、これに基づいて装置を制御する手段を備えることにより、被圧延材1の温度管理をすることができる。
次に、製造装置10を用いて熱延鋼板を製造する方法の例を説明する。
初めに、温度制御手段50の目標温度演算装置51により、目標とされる熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11gの入側温度である入側目標表面温度が演算される。具体的には、予め与えられている最終スタンド11g出側の目標温度(出側目標表面温度)から、最終スタンド11gによる圧延における加工発熱による温度上昇、ワークロール11gw、11gwと被圧延材1との接触による温度下降量、搬送にともなう空冷、および最終スタンド11gの被圧延材温度測定手段40の設置位置から最終スタンド11gまでの水冷による冷却温度下降量を考慮して、最終スタンド11g入側(被圧延材温度測定手段)の入側目標表面温度を圧延前に算出する。この入側目標表面温度の算出では、例えば次のような演算式を用いることができる。
最終スタンド11gの圧延における加工発熱による温度上昇量ΔTは次の式(1)で表わされる。
Figure 0004735785
ここで、cは被圧延材1の比熱(J/kg・K)、ρは被圧延材1の密度(kg/m)、ηは加工熱効率、およびGは圧延トルク(N・m)である。また、rはワークロール径(m)、wは被圧延材の板幅(m)、hは最終スタンド11g後の板厚(m)、である。
また、ワークロール11gw、11gwとの接触による温度下降量ΔTは、式(2)により算出できる。
Figure 0004735785
ここで、cは被圧延材1の比熱(J/kg・K)、ρは被圧延材1の密度(kg/m)、およびλは被圧延材1の熱伝導率(W/m・K)である。また、hは最終スタンド11gの後の板厚(m)、tは被圧延材1が最終スタンド11gのワークロール11gw、11gwと接触している時間(s)、TS2はワークロール11gw、11gwへの接触中の被圧延材1の表面温度(℃)、およびTはワークロール11gw、11gwの温度である。
そして、被圧延材温度測定手段40からワークロール11gw、11gwまでの搬送における空冷、水冷による冷却温度下降量は式(3)、式(4)により求めることができる。式(3)は空冷による温度降下ΔT3A、式(4)が水冷による温度降下ΔT3Lである。
Figure 0004735785
Figure 0004735785
ここで、σはステファン・ボルツマン定数(W/m・K)、εは被圧延材1の輻射率(−)、cは被圧延材1の比熱(J/kg・K)、ρは被圧延材1の密度(kg/m)である。また、αは空冷部の熱伝達率(W/m・K),αは水冷による熱伝達率(W/m・℃)、hは最終スタンド11g後の板厚(m)である。TS3Lは水冷部分における被圧延材1の表面温度(℃)、TS3Aは空冷部分における被圧延材1の表面温度(℃)、Tは気温(℃),Tは冷却水温度(℃)である。t3Lは水冷部分を通過する時間(秒)t4Aは空冷部分を通過する時間(秒)である。ここで、水冷部分における被圧延材1の表面温度は該水冷部分における平均温度を意味する。
目標温度演算装置51は、このようにして演算した入側目標表面温度(熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11g入側における目標温度)を設備制御装置52に送信する。
なお、本発明における最終スタンド11g入側の目標温度は、圧延する前に自動で毎回、各種入力条件に基づき計算するのが理想である。しかしながら、計算機の負荷軽減を目的に、予めオフラインで求めた目標温度をテーブルで用意しておき、圧延する前にそのテーブルから類似する条件の値を参照する方法でもよい。当然、オフラインで目標温度を求める時には、最終スタンドの圧延による加工発熱と、搬送による空冷、ワークロール11gw、11gwとの接触による温度降下の影響を考慮するのは言うまでもない。
次に、設備制御装置52は、受信した入側目標表面温度と、受信した被圧延材温度測定手段40からの入側測定表面温度と、を対比する。当該対比において、入側目標表面温度と、入側測定表面温度とが一致した場合には、この状態を維持すべく何ら指令を送信することはない。一方、一致しないときにはコイルボックス15、粗バーヒータ16、デスケーラ17、及びスタンド間冷却装置35のうちの少なくとも1つに指令を送信し、被圧延材温度測定手段40による入側測定表面温度が、入側目標表面温度に一致するように条件変更を指令する。すなわち、被圧延材温度測定手段40による入側測定表面温度が、入側目標表面温度より低い場合には、冷却を抑える趣旨の指令を行い、入側目標表面温度より高い場合には冷却を強くする趣旨の指令を送信する。
具体的には、コイルボックス15への指令は保持時間の変更、粗バーヒータ16への指令は加熱温度の変更、デスケーラ17への指令は噴射する水量、又は噴射時間の変更を挙げることができる。
ここで、圧延中において圧下率を変更することなく一定で圧延する「非走変」時では、熱間仕上げ圧延機列11の各スタンド11a、…11f、11gでの板厚と摩擦係数(圧延潤滑油による影響)は被圧延材の長手方向で一定と仮定して温度を計算する。
一方、圧延中において圧下率を変更する「走変」時では、熱間仕上げ圧延機列11の各スタンド11a、…11f、11gでの板厚と摩擦係数をコイル長手方向で変更させる必要がある。従って、入側目標表面温度の算出に際しても、指定された板厚、圧延潤滑油(摩擦係数)のコイル長手方向の情報を考慮する。
具体的に当該走変は次のように行うことができる。すなわち、走変のための熱間仕上げ圧延機列の動作制御は、出側板厚決定工程(以下において「工程S1」ということがある。)を有し、該工程S1は、第1出側板厚決定工程(以下において「工程S11」ということがある。)と第2出側板厚決定工程(以下において「工程S12」ということがある。)とを含んでいる。すなわち、当該動作制御では、工程S11および工程S12を有する工程S1を用いて、熱間仕上げ圧延機列の動作を制御する。
<出側板厚決定工程S1>
工程S1は、第1スタンドから第Nスタンドまで(Nは2以上の整数)の各スタンドの出側板厚をそれぞれ決定する工程である。すなわち、N=7およびm=3である場合(mは1以上N以下の整数)、工程S1は、第1スタンド11aから第7スタンド11gまでの7スタンドの出側板厚をそれぞれ決定する工程である。本形態の動作制御方法において、工程S1は、後述する工程S11および工程S12を有していれば、その形態は特に限定されるものではない。
<第1出側板厚決定工程S11>
工程S11は、被圧延材1の定常部を圧延するときの第1スタンドから第Nスタンドの出側板厚を決定する工程である。すなわち、N=7である場合、工程S11は、被圧延材1の定常部を圧延するときの第1スタンド11aから第7スタンド11gの出側板厚H1〜H7を決定する工程である。当該動作制御において、被圧延材1の定常部とは、圧延潤滑剤を用いて圧延される被圧延材1の部分をいい、本来の製品のスペック(板厚、粒径)を得るための圧延条件で圧延される部分をいう。
<第2出側板厚決定工程S12>
工程S12は、被圧延材1の先端圧延部を圧延するときの第N−m+1スタンドから第Nスタンドの各後段スタンドの出側板厚が、被圧延材1の定常部を圧延するときの同じスタンドの出側板厚よりも厚くなるように、第1スタンドから第Nスタンドの出側板厚を決定する工程である。すなわち、N=7およびm=3である場合、工程S12は、工程S12で決定される第5スタンド11eから第7スタンド11gの各後段スタンドの出側板厚をそれぞれH5’、H6’、H7’とするとき、H5’>H5、H6’>H6、および、H7’>H7となるように、第1スタンド11aから第7スタンド11gまでの各スタンドの出側板厚H1’〜H7’をそれぞれ決定する工程である。本形態の動作制御方法において、被圧延材1の先端圧延部とは、圧延潤滑剤を用いずに圧延される被圧延材1の先端側部分をいう。
ここで、被圧延材1を圧延する熱間仕上げ圧延機列11(全部で7スタンド)の動作は、次のようになる。まず、第1スタンド11aから第7スタンド11gの出側板厚が工程S12で決定した先端圧延部の出側板厚H1’〜H7’となるように圧延を開始する。このときには圧延潤滑剤を供給しない。最先端部が噛み込まれた後の所定のタイミングで第5スタンド11eから第7スタンド11gで圧延潤滑剤の供給を開始するとともに、第1スタンド11eから第7スタンド11gの出側板厚が工程S11で決定した定常部の出側板厚H1〜H7になるように圧延機を作動させ、定常部の圧延に移行する。
このようにおこなわれる熱間仕上げ圧延機列11の各スタンド11a、…、11f、11gでの板厚と摩擦係数をコイル長手方向で変更を目標温度演算に順次適用して目標温度を算出する。
製造装置10を用いた以上のような熱延鋼板の製造方法により、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11gw入側温度の目標温度を設定することができる。そして、実際の温度と対比して設備に指令を出すことにより、被圧延材1の温度管理が可能となる。
図7は、第二実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置110(以下、「製造装置110」と記載することがある。)を説明するための概念図である。製造装置110では、製造装置10に対し、圧延後被圧延材温度測定手段140、補正装置150を備える点で異なる。他の部分は製造装置10と同じなので、図7において符号を同じとし、説明も省略する。
圧延後被圧延材温度測定手段140は、図7に矢印VIIで示した方向に移動させることができる測温手段である。当該圧延後被圧延材温度測定手段140は、直後急冷装置20を使用しない圧延時に被圧延材1に近づくように移動し、被圧延材温度を測定し、直後急冷装置20を使用するときには退避する。これにより、直後急冷装置20を用いるときと、用いないときとを使い分け、圧延される被圧延材1により適切な温度管理をすることができる。
補正装置150は、直後急冷装置20を使用せず、圧延後被圧延材温度測定手段140を用いる場合において、被圧延材温度測定手段40および圧延後被圧延材温度測定手段140からの温度情報を取り込んで演算し、結果を目標温度演算装置51に送信する装置である。
補正装置150では、被圧延材温度測定手段40および圧延後被圧延材温度測定手段140との差、およびこの両センサ間の放熱による温度低下を考慮し、最終スタンド11gの出側温度を予測値として得る。
一方、補正装置150には、目標温度演算装置51から、該装置51による目標表面温度の演算過程で得られた最終スタンド11gの出側の演算温度が送信される。
補正装置150は、これら予測値と演算温度とを比較し、演算の誤差を補正して目標温度演算装置51に送信する。そして目標温度演算装置51は、当該補正した演算式により、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11g入側目標温度(入側目標表面温度)を計算して設備制御装置52に送信する。
これにより、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11g入側目標温度(入側目標表面温度)の演算精度を向上させることが可能となる。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う熱延鋼板の製造方法および熱延鋼板の製造装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 被圧延材
10 熱延鋼板の製造装置
11 熱間仕上げ圧延機列
12 搬送ロール
13 ピンチローラ
14 巻取り装置
15 コイルボックス
16 粗バーヒータ
17 デスケーラ
20 直後急冷装置
21 上面給水手段
22 下面給水手段
25 上面ガイド
30 下面ガイド
35 スタンド間冷却装置
36 スタンド間上面給水手段
37 スタンド間下面給水手段
38 スタンド間下面ガイド
40 被圧延材温度測定手段
50 温度制御手段
51 目標温度演算装置
52 設備制御装置
110 熱延鋼板の製造装置
140 圧延後被圧延材温度測定手段

Claims (19)

  1. 熱延鋼板を製造する方法であって、
    熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの下工程側における該最終スタンドの内側に冷却水を噴射して被圧延材を急冷するとともに、
    前記最終スタンドの入側で前記被圧延材の表面温度を測定し、入側測定表面温度を得て、
    前記最終スタンドの出側における前記被圧延材の目標表面温度である出側目標表面温度から、
    前記最終スタンドの圧延による加工発熱による温度上昇と、
    前記最終スタンドのワークロールと前記被圧延材との接触による温度降下と、
    前記入側測定表面温度の測定位置から前記最終スタンドの前記ワークロールまでの搬送における空冷による温度降下と、に基づいて、
    前記入側測定表面温度測定位置における前記被圧延材の目標表面温度である入側目標表面温度を算出することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. 前記入側目標表面温度を算出する際に、圧延方向における前記被圧延材の表面温度変化の要素も含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  3. 前記熱間仕上げ圧延機列による圧延が、該圧延の途中で圧延機の圧下率を変化させる圧延方法のときに、前記入側目標表面温度を算出する際には、前記圧下率の変化による板厚の変化、および前記被圧延材と前記ワークロールとの摩擦係数の変化をも要素に含むことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記被圧延材は、前記最終スタンド入側においても冷却水により冷却され、前記入側目標表面温度を算出する際には、前記入側測定表面温度の測定位置から前記最終スタンドのワークロールまでの搬送の際における水冷による温度降下をも要素に含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  5. 前記入側測定表面温度の測定手段は、前記被圧延材の表面に対向する位置に配置された温度計であり、前記温度計は、前記被圧延材板幅方向に複数配置されているか、又は1つの幅方向温度計であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  6. 前記入側測定表面温度の測定手段が、
    前記被圧延材の表面に対向する位置に配置された放射温度計と、
    前記被圧延材と前記放射温度計との間に光導波路としての水流を形成するための水柱形成手段と、を備える水柱温度計であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  7. 演算された前記入側目標表面温度、および測定された前記入側測定表面温度に基づいて、前記入側目標表面温度と前記入側測定表面温度とを対比し、前記入側測定表面温度が前記入側目標表面温度となるように、コイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置の少なくとも1つに指令を送信することを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  8. 前記急冷をすることなく圧延をするときに、当該急冷可能とされる区間又はその直後で、前記被圧延材の表面温度を測定して圧延後の表面温度を得ることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  9. 前記入側測定表面温度、および前記圧延後表面温度に基づいて、前記最終スタンド出側の前記被圧延材の表面温度を算出し、該算出した表面温度と、前記入側目標表面温度の演算過程で得られる最終スタンド出側の被圧延材の表面温度と、を対比して、その誤差に基づいて前記入側目標表面温度の演算を変更することを特徴とする請求の範囲第8項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  10. 熱延鋼板を製造する方法であって、
    熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの下工程側における該最終スタンドの内側に冷却水を噴射して被圧延材を急冷するとともに、
    前記最終スタンドの入側で前記被圧延材の表面温度を測定し、入側測定表面温度を得て、
    予め与えられた入側目標表面温度と前記入側測定表面温度とを対比し、前記入側測定表面温度が前記入側目標表面温度となるように、コイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置の少なくとも1つに指令を送信することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  11. 熱間仕上げ圧延機列を備える熱延鋼板の製造装置であって、
    前記熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの下工程側に配置され、該最終スタンドの内側にその少なくとも一部が配置されて冷却水を噴射可能である直後急冷装置と、
    前記最終スタンドの入側で前記被圧延材の表面温度を測定可能に設けられた被圧延材温度測定手段と、
    前記最終スタンドの出側における前記被圧延材の目標表面温度である出側目標表面温度から、前記最終スタンドの圧延による加工発熱による温度上昇、前記最終スタンドのワークロールと前記被圧延材との接触による温度降下、および前記入側測定表面温度の測定位置から前記最終スタンドの前記ワークロールまでの搬送における空冷による温度降下、に基づいて、前記入側測定表面温度の測定位置における前記被圧延材の目標表面温度である入側目標表面温度を算出する目標温度演算装置と、
    を備える熱延鋼板の製造装置。
  12. 前記目標温度演算装置は、前記入側目標表面温度を算出する際に、圧延方向における被圧延材の表面温度変化の要素も含めた演算が可能であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  13. 前記熱間仕上げ圧延機列は、圧延の途中で圧下率を変化させることが可能とされ、圧延の途中で圧延機の圧下率を変化させる圧延方法のときに、前記目標温度演算装置は、前記入側目標表面温度を算出する際に、前記圧下率の変化による板厚の変化、および前記被圧延材と前記ワークロールとの摩擦係数の変化をも要素に含めた演算が可能であることを特徴とする請求の範囲第11項又は第12項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  14. 前記最終スタンド入側にも前記被圧延材に冷却水を噴射可能に冷却装置が設けられ、前記目標温度演算装置は、前記入側目標表面温度を算出する際に、前記最終スタンド入側に設けられた前記冷却装置による被圧延材の温度降下を演算可能とされていることを特徴とする請求の範囲第11項〜第13項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  15. 前記被圧延材温度測定手段は、前記被圧延材の表面に対向する位置に配置された温度計であり、前記温度計は、前記被圧延材板幅方向に複数配置されているか、又は1つの幅方向温度計であることを特徴とする請求の範囲第11項〜第14項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  16. 前記被圧延材温度測定手段が、
    前記被圧延材の表面に対向する位置に配置された放射温度計と、
    前記被圧延材と前記放射温度計との間に光導波路としての水流を形成するための水柱形成手段と、を備える水柱温度計であることを特徴とする請求の範囲第11項〜第15項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  17. さらにコイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置のうち少なくとも1つを備え、
    前記目標温度演算装置は、前記備えられたコイルボックス、粗バーヒータ、デスケーラ、およびスタンド間冷却装置のうち少なくとも1つを制御可能であることを特徴とする請求の範囲第11項〜第16項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  18. 前記直後急冷装置内、又は前記直後急冷装置の出側に被圧延材の温度を測定する手段が配置されていることを特徴とする請求の範囲第11項〜第17項のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  19. 前記目標温度演算装置は、前記被圧延材温度測定手段、および前記直後急冷装置内、又は前記直後急冷装置の出側に配置された被圧延材の温度を測定する手段による温度測定結果に基づいて、前記最終スタンド出側の前記被圧延材の表面温度を算出することが可能とされ、さらに、該算出した表面温度と、前記入側目標表面温度の演算過程で得られる最終スタンド出側の被圧延材の表面温度と、を対比して、その誤差に基づいて前記入側目標表面温度の演算を変更することが可能であることを特徴とする請求の範囲第18項に記載の熱延鋼板の製造装置。
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