JP4734085B2 - 逆止弁装置及び給水設備 - Google Patents

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Description

本発明は、逆止弁装置、及び、このような逆止弁装置を備える給水設備に関する。
給水設備は、通常、複数の給水器具を組み合わせて構成されている。例えば、(1)元配管(給水器具の具体例を構成)の端末部と、水栓本体(給水器具の具体例を構成)との間に、給水管(給水器具の具体例を構成)を配設して構成される給水設備、(2)元配管の端末部と、給湯器(給水器具の具体例を構成)との間に給水管や給湯管(給水器具の具体例を構成)を配設して構成される給水設備、(3)給水管の端末部や給湯管の端末部と、水栓本体との間に、接続管(給水器具の具体例を構成し、ソケット等を例示できる。)を配設して構成される給水設備等を例示できる。この種の給水設備においては、その内部流路の途中に逆止弁装置が配設されることがある(特許文献1を参照)。
かかる給水設備においては、逆止弁装置の2次側の流路部分(つまり、「2次側流路部」)で、異常な圧力上昇を生ずることがある。例えば、(a)「2次側流路部」で密閉されている冷水が、湯(給水器具の設置空間内で使用される湯であって、例えば、浴室内で使用する温水ミストシャワーの湯、あるいは給水器具内の湯であって、例えば、混合水栓内や配管内の湯)や、温風(給水器具の設置空間内を漂う温風であって、例えば、ヒータによる温風)によって加熱されて膨張すると、この「異常な圧力上昇」を生ずることがある。また、(b)給水器具に対して急激な止水操作を施して生ずる水撃(ウォターハンマー)の衝撃波を原因として、この「異常な圧力上昇」を生ずることもある。更に、(c)給湯器の一次側の給水管においては、給湯器の作動停止後、逆止弁装置の2次側で密閉されている冷水が、給湯器の余熱で膨張し、この「異常な圧力上昇」を生ずることもある。
このような「異常な圧力上昇」を生ずると、給水器具の止水不具合(漏水)や破損を生じたり、給水器具の操作部(操作ハンドルや操作レバー等)の操作性を悪化させることになる。このため、給水設備に対して、「異常な圧力上昇」を防止するための弁装置(安全弁装置)を別途付加する手法が用いられることがある。
ところが、この手法によると、弁装置(安全弁装置)が別途付加される分だけ、給水設備を構成する部品点数が増加するばかりか、給水設備を構成する給水器具の加工上の手間や組付工数も多くなり、給水設備の施工コスト高を招くことになる。また、弁装置(安全弁装置)が給水器具から出っ張り、給水設備の意匠性を低下させたり、この弁装置(安全弁装置)による出っ張りが、給水設備の使用性を低下させることがある。
一方、前述の「異常な圧力上昇を防止するための安全機構」を設けた逆止弁装置も提案されている(以下、「従来例」という。特許文献2を参照)。つまり、弁ケースと、この弁ケースの流路内に摺動自在に収納され、弁座部を構成する摺動弁座体と、この弁座部に着座する逆止用弁体と、を備える逆止弁装置が提案されている。
この逆止弁装置においては、弁ケースの流路が、摺動弁座体の1次側に位置する空間部分(以下、「1次空間部分」という。)と、摺動弁座体の2次側に位置する空間部分(以下、「2次空間部分」という。)とに区画される。また、この逆止弁装置では、「弁ケースの流路」において、摺動弁座体が、「弁座体用バネ」を用いて1次側から2次側に向かって押圧されている。更に、逆止用弁体が、剛性を備える蓋体を用いて構成される弁本体部と弁本体部の裏面部に装着される逆止用パッキンとを備えると共に弁棒(弁棒部)と一体化され、この弁棒(弁棒部)と一体でのみ移動可能とされている。そして、この逆止用弁体及び弁棒(弁棒部)の一体物全体が、「逆止用バネ」を用いて2次側から1次側に向かって押圧されている。
そして、この逆止弁装置では、「2次空間部分」において異常な圧力上昇を生ずると、摺動弁座体が、「弁座体用バネ」の付勢力に対抗しつつ、「弁ケースの流路」の1次側方向に向かって、所定量だけ移動する。これにより、「2次空間部分」の容積が、この「弁座体用バネ」の移動量に応じて拡大され、「2次空間部分」の「圧力緩和」が実行される。
実開平5−52452号公報 特開平5−187565号公報
ところで、従来例に係る逆止弁装置には以下のような問題がある。つまり、この逆止弁装置においては、摺動可能な摺動弁座体を用いる分だけ、逆止弁装置のサイズの選択の自由度が低くなり、以下のような問題を生ずる。例えば、「圧力緩和」を行う際の「摺動弁座体の移動量(ストローク)」の分だけ、逆止弁装置を大型化すること(全長を長くすること)が必要となる。また、逆止弁装置を大型化すると、適用可能な給水器具のサイズやデザインも限定されることになる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、サイズの選択の自由度が高い逆止弁装置を提供したり、このような逆止弁装置を備える給水設備を提供することを目的とする。
求項の発明の逆止弁装置は、
所定の給水設備に設けられる1次側流路部と2次側流路部とを連通させる連通孔を有する弁座部に対し、該2次側流路部の側から着座して該連通孔を閉鎖することで、前記2次側流路部から前記1次側流路部への湯水の逆流を防止する逆止弁装置であって、
抜け止め手段によって前記2次側流路部の方向への抜け出しが規制された状態で前記連通孔に挿通される弁棒部と、
前記弁座部に対して水密状に当接可能な当接部を周回状に備える逆止用パッキンと、
前記2次側流路部において前記弁座部に対向可能な部位に前記逆止用パッキンが装着されるパッキン装着部を備える弁本体部と、
前記弁棒部の軸心方向に沿って摺動可能となる状態で前記弁棒部を挿通すると共に、前記弁本体部と一体移動するように配置されるスプリングガイド部と、を具備し、
前記スプリングガイド部内において前記スプリングガイド部と前記弁棒部との間に、前記スプリングガイド部を前記1次側流路部の方向に付勢するスプリングが介在されると共に、
前記弁本体部において前記パッキン装着部の内縁部よりも内側の部位に対し、圧抜き孔を貫通状に設け、
前記弁棒部の軸方向に変位可能とされつつ前記弁本体部の側に向かう付勢力が与えられた状態の安全用パッキンを、前記弁棒部と前記弁本体部との間に介装し、該安全用パッキンによって前記圧抜き孔を封止したことを特徴とする。
各請求項の逆止弁装置においては、逆止用弁体と、弁棒部とを有する弁部材を備える。このうち、逆止用弁体は、弁本体部(例えば、パッキンガイド部やパッキンホルダー)と、弁本体部において弁座部と対向可能な部位に水密状に装着される逆止用パッキンと、を備える。また、弁本体部には、安全用パッキンと、スプリングガイド部とが配置されている。そして、スプリングガイド部は、弁本体部と一体化され、この弁本体部と一体でのみ移動可能とされている。更に、弁本体部は、スプリングガイド部及びスプリングを介して、弁棒部に摺動可能に取り付けられている。つまり、弁本体部と、逆止用パッキンとを備える逆止用弁体と、弁棒部とは、弁棒部の軸心方向に沿って相対的に変位可能とされている。
更に、各請求項の逆止弁装置においては、弁本体部に圧抜き孔を設けると共に、安全用パッキンを、弁棒部と弁本体部との間に介装させている。そして、安全用パッキンは、逆止用パッキンに対して弁棒部の軸方向に相対的な変位を行うことが可能されている。
ここで、各請求項の発明において、「安全用パッキンの介装態様」としては、以下の態様を例示できる。つまり、逆止弁装置が閉弁状態(適用対象となる給水器具が止水状態)にあるときに、(1)安全用パッキンが、弁棒部の2次側の端部(以下、「弁本体部側に位置する端部」の意味で用いる。)に当接するように介装する態様(以下、「第1の態様」という。)と、(2)安全用パッキンが、弁棒部の2次側の端部と離間するように介装する態様(以下、「第2の態様」という。)と、を例示できる。
そして、「第1の態様」では、安全用パッキンが圧抜き孔の封止を解除する際に、弁棒部が弁本体部から離間する方向(「1次側流路部」の側)に移動し、これに伴い、安全用パッキンは、圧抜き孔と離間する方向に変位(移動)する。また、「第2の態様」において、安全用パッキンが圧抜き孔の封止を解除する際に、安全用パッキンは、弁棒部との間に存在する「空間部(以下、「逃がし用空間部」という。)を利用しつつ、圧抜き孔と離間する方向に変位(移動)する。但し、「第2の態様」においても、「逃がし用空間部」のサイズが十分でない場合、弁棒部を弁本体部から離間する方向に移動させ、この「逃がし用空間部」の大きさを拡大してもよい。
各請求項の発明においては、適用対象となる給水設備(給水器具)が止水状態にあり、しかも、「2次側流路部における異常な圧力上昇」を生じていない状態(以下、「通常止水状態」という。)にある場合には、逆止用弁体(弁本体部及びパッキン逆止用パッキン)が、スプリングの荷重(付勢力)を用いて、弁座部に押し付けられる。同時に、安全用パッキンは、「弁本体部の側に向かう付勢力(以下、「封止用付勢力」とうことがある。)」を用いて、弁本体部側に押圧され、圧抜き孔が封止される。
また、適用対象となる給水設備(給水器具)が通水状態にある場合、逆止用弁体(弁本体部及びパッキン逆止用パッキン)は、「1次側流路部」の側から水圧を受ける。これにより、逆止用弁体は、スプリングの付勢力に対抗しつつ、2次側流路部の方向に移動する。このため、連通孔が開放され、1次側流路部の湯水が、2次側流路部に流れ込むことができる。この際、安全用パッキンは、1次側流路部から水圧を受けつつ、「圧抜き孔を封止する状態」を維持する。
更に、適用対象となる給水設備(給水器具)が止水状態にあり、しかも、「2次側流路部における異常な圧力上昇」を生じている状態(以下、「異常止水状態」という。)にある場合にも、逆止用弁体(弁本体部及びパッキン逆止用パッキン)は、スプリングの荷重(付勢力)を用いて、弁座部に押し付けられる。但し、安全用パッキンにおいては、2次側流路部から圧抜き孔を通じて受圧して発生する荷重が、「封止用付勢力」よりも大きくなると、1次側に変位(移動)して圧抜き孔を開放する。そして、「2次側流路部」の湯水が圧抜き孔を通じて、「2次側流路部」外(例えば、1次側流路部や連通孔)に排出されるため、「2次側流路部」における圧力緩和が実行される。
このように、各請求項では、逆止用弁体(弁本体部及び逆止用パッキン)と、弁棒部とを相対的に変位可能な状態に構成すると共に、弁本体部と弁棒部との間に安全用パッキンを介装する。そして、弁棒部を弁本体部と離間する方向に後退させること等によって、安全用パッキンの開放動作(弁本体部から離間して、圧抜き孔の封止を解除する動作)を可能としている。即ち、各請求項の逆止弁装置では、逆止用弁体及び弁棒部の相対移動を可能とすると共に、安全用パッキンを逆止用パッキン(弁本体)に対して相対的に変位可能とすることで、安全弁として機能(「2次側流路部」における圧力緩和を実行する機能)が付加させる。
つまり、各請求項の発明では、弁座部を摺動可能とすることなく、逆止弁装置に安全弁として機能を付加する。このため、逆止弁装置に安全弁として機能を付加することが原因となり、逆止弁装置のサイズが拡大する必要はない。従って、各請求項の発明によると、逆止弁装置のサイズの選択の自由度が高くなる。
また、各請求項の発明では、弁本体部に圧抜き孔を形成すると共に、安全用パッキンを付加すること等を行って、逆止弁装置に対して安全弁として機能を付加している。つまり、各請求項の発明によると、適用対象となる給水設備(給水器具)に対して、逆止弁装置とは別の安全弁を装着することが必要とされない。このため、給水設備を構成する給水器具の部品点数、給水設備を構成する給水器具の加工上の手間や、組付工数が多くしない。このため、給水設備の施工・製造のコストの低廉化を図り、給水設備の使用性を維持しつつも、「圧力緩和」を実行できる逆止弁装置が得られる。更に、給水設備や給水器具の意匠(デザイン)選択の自由度も高くなる。
尚、各請求項の発明では、「2次側流路部」における圧力緩和を実行する際に、「2次側流路部」の湯水を、連通孔の方向に逃がすことになる。即ち、あくまでも、「2次側流路部」からの排水を給水設備内で処理するため(給水設備の外側に排出しない構成を採用するため)、給水設備の設置箇所の周囲(例えば、拭き上げた床、壁)等を、この排水で汚すことはない。
各請求項の発明の「給水設備」としては、(1)元配管と、水栓本体と、元配管の端末部及び水栓本体の間に配設される給水管と、を備える給水設備、(2)元配管部と、給湯器と、元配管の端末部及び給湯器の間に配設される給水管と、を備える給水設備、(3)元配管と、給湯器と、元配管の端末部及び給湯器の間に配設される給水管と、給湯器及び水栓本体の間に配設される給湯管と、を備える給水設備、(4)給水管と、水栓本体と、給水管の端末部及び水栓本体の間に配設される接続管と、を備える給水設備、(5)給湯管と、水栓本体と、給湯管の端末部及び水栓本体の間に配設される接続管と、を備える給水設備、若しくは、(1)〜(5)の給水設備に更に他の配管(分岐管等)を接続して構成される給水設備、等を例示できる。また、各請求項の発明においては、単一の給水器具の内部に逆止弁装置が配設されてもよいが、2つの給水器具の接続箇所に逆止弁装置が配設されてもよい。つまり、逆止弁装置は、接続される両給水器具を跨ぐ状態で配設されてもよい。
各請求項の発明において、「封止用付勢力」を与えるための手段(部材)は、(a)「逆止用弁体を弁座部に着座させるためのスプリング(弁棒部及びスプリングガイド部の間に介在されるスプリング)を用いて構成してもよいし、(b)このスプリングとは別の付勢手段(例えば、別のスプリング、板バネ、スプリングワッシャー、ゴム若しくは発泡体等の弾性体等)を用いて構成してもよい。また、各請求項の発明において、弁本体部及びスプリングガイド部が分離不可能な一体物で構成されてもよいし、分離可能な部材として構成されてもよい。
各請求項の発明では、弁本体部における「圧抜き孔」の形成箇所は、弁棒部の軸心を延長させた位置(同軸状に位置合わせされる位置)とすることが望ましい。尚、請求項1の発明においては、例えば、弁本体部の平面形状(「2次側流路部」の側から弁座部に投影した平面形状)を略円形とすると、「圧抜き孔」と、弁棒部の軸心とは同軸状に配置されることになる。
ここで、各請求項の発明においては、弁本体部とスプリングガイド部とが着脱不可能な一体品とされてもよし、着脱可能とされてもよい。また、後者の着脱可能とする態様では、弁本体部とスプリングガイド部とが直接、組み付けられてもよいし、弁本体部とスプリングガイド部との間に、他の1つの以上の部材を介在させつつ、組み付けられてもよい。尚、各請求項の発明の「湯水」は、「湯」若しくは「水」の意味で用いられ、その温度は特に問わない。つまり、この「湯水」は、(1)水道配管(元配管)から供給されたままの状態の「水(以下、「原水」という。)」と、(2)「原水」を暖め若しくは沸かして構成される「湯(以下、「原湯」という。)」と、(3)「原水」と「原湯」とを混合した「混合水」とのうちの何れをも指す意味で用いる。
請求項の発明の逆止弁装置は、請求項1記載の逆止弁装置において、
前記逆止用パッキンと前記安全用パッキンとを一体としたことを特徴とする。
請求項の発明では、逆止用パッキンと安全用パッキンとを一体するため、逆止弁装置の部品点数を少なくできる。このため、逆止弁装置の製造コストや、製造上の手間を少なくできる。ここで、請求項の発明の具体的な態様を説明すると、例えば、リング状に構成される逆止用パッキンと、この逆止用パッキンの中心部に配設される安全用パッキンと、逆止用パッキンと安全用パッキンとの間に掛け渡され、両者を一体化する接続部(特に、リブ状のもの)とを備えるパッキンを例示できる。尚、この態様においては、接続部の弾性を十分に確保すると、この接続部が、「封止用付勢力」を与えるための手段(部材)として機能することもできる。
請求項の発明の逆止弁装置は、請求項1記載の逆止弁装置において、
前記逆止用パッキンと前記安全用パッキンとを別体とし、前記安全用パッキンを、前記弁本体部の側に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
請求項の発明によると、「封止用付勢力」を与えるための手段(部材)を、スプリングとは別に付勢手段によって構成する。つまり、逆止用弁体を弁座部に着座させるためのスプリング(逆止弁装置に逆止機能を持たせるためのスプリング)と、安全用パッキンに付勢力を与えるための付勢手段(逆止弁装置を安全弁として機能させる際の作動圧力を制御する付勢手段)とを独立させるため、スプリングの付勢力の設定を行うことが容易である。つまり、安全用パッキンの存在を考慮せずに、スプリングの付勢力の設定できると共に、逆止機能を考慮せずに付勢手段の付勢力の設定を行うことができるため、逆止弁装置の設計作業の容易化を図ることができる。尚、請求項の発明の「付勢手段」としては、前述のように、逆止用弁体を弁座部に着座させるためのスプリングとは別のスプリング、板バネ、スプリングワッシャー、その他の弾性部材(ゴム若しくは発泡体)等を例示できる。
請求項の発明の逆止弁装置は、請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置において、
前記弁座部を、前記給水設備に装着される弁座部材によって構成し、
前記弁座部材は、前記弁棒部の一端部側を、前記1次側流路部に突出させた状態としつつ、前記弁棒部を摺動可能な状態に支持する支持部を備えると共に、
前記抜け止め手段は、前記弁棒部の一端部側が前記支持部に進入することを防止するために、前記弁棒部の一端部側に装着される抜け止め部材であることを特徴とする。
請求項の発明は、弁座部と、抜け止め手段の具体例を示すものである。尚、「抜け止め部材」としては、弁棒部の一端部側に装着されて、弁棒部の外周面よりも突出するリング状部材(例えば、Cリング、Eリング等)を例示することもできる。
請求項の発明の給水設備は、前記請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備えることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える給水設備に関するものである。
尚、請求項の発明の関連発明として、「前記請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備えることを特徴とする給水器具」を例示することもできる。つまり、(1)請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える水栓本体、(2)請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える給水管、(3)請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える給湯管、(4)請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える接続管、(5)請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える分岐管、(6)請求項1乃至請求項の何れかに記載の逆止弁装置を備える吐水手段(吐水管、シャワーホース、シャワーヘッド等)、等を例示することもできる。
以上のように、請求項1〜の発明によると、サイズの選択の自由度が高い逆止弁装置が得られる。また、請求項の発明によると、サイズの選択の自由度が高い逆止弁装置を備える給水設備が得られる。
次に、本各発明に係わる「逆止弁装置」の最良の形態(以下、「実施例」という。)を図面に従って詳細に説明する。
本実施例では、2つの逆止弁装置G1、G2について説明する。尚、以下の説明においては、一方の逆止弁装置G1を、「実施例1に係る逆止弁装置G1(若しくは、単に、実施例1)」と称し、他方の逆止弁装置G2を、「実施例2に係る逆止弁装置G1(若しくは、単に、実施例2)」と称することとする。
(1)実施例1
先ず、実施例1に係る逆止弁装置G1について、図1〜図10を用いて説明する。この逆止弁装置G1の適用対象となる給水設備Sは、水栓本体1と、給湯管2と、給水管3と、「給湯用の接続管(ソケット)4」と、「給水用の接続管5(ソケット)」と、を備えている。尚、「給湯用の接続管(ソケット)4」は、水栓本体1の給湯側の接続部1aと給湯管2の端末部とを接続し、「給水用の接続管(ソケット)5」は、水栓本体1の給水側の接続部1bと給水管3の端末部とを接続する。
実施例1に係る逆止弁装置G1は、給湯用の接続管4と、給水用の接続管5の各々に装着して使用される。そして、水栓設備Sの通常止水時においては、給湯用の接続管4に装着された逆止弁装置G1(以下、「給湯側の逆止弁装置G1」という。)によって、水栓本体1から給湯管2に湯水が逆流することが防止され、給水用の接続管5に装着された逆止弁装置G1(以下、「給水側の逆止弁装置G1」という。)によって、水栓本体1から給水管3に湯水が逆流することが防止される。
実施例1の逆止弁装置G1は、図2に示すように、逆止用弁体Bと、弁棒部50と、スプリング55と、抜け止め部材54と、を備えている。また、逆止用弁体Bは、弁本体部の具体例を構成するパッキンガイド部20と、このパッキンガイド部20に装着されるパッキン40と、を備えている。また、パッキンガイド部20にはスプリングガイド部30が一体化されている。更に、この逆止弁装置G1は、弁座部材10を用いて構成される弁座部11に着座する状態(図2の止水状態)と、弁座部11から離間する状態(図9の通水状態)とを択一的に実行可能とされている。
ここで、実施例1の逆止弁装置G1の着座対象となる弁座部材10は、接続管4(5)の内部に設けられる筒状の装着部6に水密状に嵌合されるものである。つまり、この弁座部材10は、図3に示すように、略円筒形状に構成され、軸心方向に沿った一端部の外周面から、フランジ部12を突出(弁座部材10の半径外側方向に向かって)させている。尚、本明細書においては、逆止弁装置G1の構成部材や、弁座部材10において、「給水設備Sの内部流路における湯水の通過方向に沿った1次側の端部」を「一端部」と称し、「給水設備Sの内部流路における湯水の通過方向に沿った2次側の端部」を「他端部」と称する。
弁座部材10の軸心方向に沿った一端部であって、この軸心の位置には、略リング状の支持部13が配置されている。この支持部13は、弁座部材10の半径方向に設けられる「3つのリブ14」によって、弁座部材10の内周面に一体化されている。また、この支持部13は、弁座部材10の軸心方向に軸受け孔13aを配置している。更に、弁座部材10の外周面は、装着溝15が周回状に形成され、この装着溝15にはシール部材(パッキン)16が装着されている。また、弁座部材10の軸心方向に沿った他端部(他端面)は、略リング状の弁座面17を構成する。
ここで、図2に示すように、給水設備Sの内部流路は、装着部6を境界として、1次側流路部N1と、2次側流路部N2とに区画される。そして、弁座部材10は、その他端部(弁座面17)を先頭に、1次側流路部N1の側から、装着部6に嵌合されている(螺合でもよい。)。
弁座部材10は、図2に示すように、フランジ部12を、装着部6の一端部(1次側流路部N1側の端部)に当接させ、シール部材(パッキン)16の外周部を装着部6の内周部に水密状に当接させて状態で装着部6に嵌合されている。この弁座部材10の弁座面17は、装着部6の他端部(2次側流路部N2)側を通じて、2次側流路部N2の方向を指向している。そして、弁座部材10は、その内部空間を用いて、1次側流路部N1と、2次側流路部N2とを連通させる連通孔18を構成している。
パッキンガイド部20は、図4及び図5に示すように、蓋体部21と、2本の係止脚22と、4本の位置決め突起23と、を備える。このうち、蓋体部21は、略円板形状とされると共に、中心部に圧抜き孔21cを備えている。この圧抜き孔21cは、蓋体部21の表面部21aと裏面部21bとを貫通する「小孔(直径0.5mm)」として形成されている。また、パッキンガイド部20の裏面部21bにおいて、パッキンガイド部20の周縁部寄りに位置する部位が、パッキン装着部21dとされている。尚、図5(a)に示すように、パッキンガイド部20の裏面部21bのうちで、係止脚22及び位置決め突起23で包囲された部位に陥没部21e(パッキンガイド部20の表面部21aの側に陥没する陥没部21e)が設けられている。但し、この陥没部21eの中心部であって、圧抜き孔21cの周囲の部位は、略山型に突出(隆起)する突出部21fとされている。このため、安全用パッキン45と、パッキンガイド部20の裏面部21bとの接触面積が小さくなる。つまり、パッキンガイド部20の裏面部21bのうちで、圧抜き孔21cを周回の部位と、安全用パッキン45との当接面積を小さくすることで、安全用パッキン45が十分な圧力で、周回の部位に当接するようにしている。
係止脚22及び位置決め突起23は、図4及び図5に示すように、何れも、略円弧状の横断面を備えている。そして、係止脚22及び位置決め突起23は、「パッキンガイド部20の裏面部21bにおいてパッキン装着部21dの内側を略周回する部位(以下、「内側周回部位」という。)に沿って配設されている。具体的には、各係止脚22は、パッキンガイド部20の裏面部21bにおいて圧抜き孔21cを中心に180度隔てた部位から突出している。また、位置決め突起23は、「内側周回部位」のうちで、両係止脚22の右側に位置する部位と、両係止脚22の右側に位置する部位とに各々2個ずつ配設されている。
係止脚22の中間部(突出方向に沿った中間部)には、略矩形状の係止孔22aが設けられている。この係止孔22aは、係止脚22を肉厚方向に貫通する状態に設けられている。また、係止脚22の突端部には、蓋体部21の半径外側方向に突出する係止突起22bが設けられている。
スプリングガイド部30は、図6及び図7に示すように、本体部31と、フランジ部32と、4つのリブ33と、係止突起35と、を備える。このうち、本体部31は、略円筒状に構成されると共に、一端部の内部には、本体部31よりも内径が小さくされた略円筒状の軸受け部31aが配設されている{図6(b)参照}。この軸受け部31aは、その外周部を本体部31の内周部に一体化すると共に、軸受け部31aを貫通する軸受け孔31bを、本体部31の軸心に対して同心状に配置している。
軸受け部31aにおいて、本体部31の他端部側を指向する面部(以下、「表面部」という。)においては、軸受け孔31bの周縁部を包囲する状態の筒状突出部31cが立ち上げられている。そして、本体部31の内周部と、筒状突出部31cの外周部と、軸受け部31aの表面部とによって、平面形状が略リング状の保持部31dを構成している。尚、この保持部31dは、後述するスプリング55の一端部55aを拘束しつつ、保持する部分である。
フランジ部32は、図6(b)に示すように、本体部31の他端部側の外周面から、本体部31の半径外側方向に突出する状態に形成されている。また、フランジ部32の表面部(本体部31の他端側を指向する面)32aにおいて本体部31寄りの部位には、平面形状が略リング状の凹部32cが設けられている。また、凹部32cのうちで、本体部31の軸心を基準に180度隔てた箇所には、貫通孔32dが設けられている。この貫通孔32dは、略円弧状の平面形状を備えると共に、フランジ部32の表面部32a及び裏面部32bを貫通している。
リブ33は、本体部31の外周部と、フランジ部32の裏面部32bとに一体化される略板状に構成されている。そして、4つのリブ33の配置間隔は、本体部31の外周部を周回する方向に沿って略等間隔(90度間隔)とされている。尚、前述の各貫通孔32dは、2つのリブ33に挟まれた位置に形成されている。
係止突起35は、本体部31の他端部側の外周面であって、本体部31の軸心を基準に180度隔てた箇所から突出している。しかも、本体部31の外周面から貫通孔32d内に突出する状態に設けられている。
パッキン40は、弾性素材(EPDM等のゴムや、エラストマー)を用いて構成される一体成形品であり、図8に示すように、逆止用パッキン41と、安全用パッキン45と、両者を一体化する連結用リブ47、47と、を備える。このうち、逆止用パッキン41は、略リング形状を備えると共に、一面部から略リング状の当接部41aを突出させている。この当接部41aは、突端部に向かって徐々に肉厚が薄くなる形状(つまり、リップ形状)とされており、「当接部41aの突出量が少なくするように圧縮変形すること」が容易とされている。
逆止用パッキン41は、その他面部にも、略リング状の突出部41bが設けられている。この突出部41bも、突端部に向かって徐々に肉厚が薄くなる形状(つまり、リップ形状)とされているが、そのサイズは当接部41aのサイズに比べて小さくされている。
安全用パッキン45は、略円板状に構成されると共に逆止用パッキン41の中心部に配置されている。この安全用パッキン45の外径は、逆止用パッキン41の内径よりも小さくされている。尚、この安全用パッキン45のサイズは、前述の圧抜き孔21cを封止可能なものであればよい。
両連結用リブ47、47は、中間部に安全用パッキン45を介在させつつ、逆止用パッキン41の直径に沿って連続配置されている。そして、各連結用リブ47、47は、安全用パッキン45の外周部と、逆止用パッキン41の内周部との間に掛け渡されつつ、安全用パッキン45及び逆止用パッキン41を一体化するものである。このため、安全用パッキン45は、逆止用パッキン41の内周部に固定端を一体化する連結用リブ47、47を適宜、撓ませることで、安全用パッキン45の軸心方向に沿って移動可能とされている。
弁棒部50は、図2に示すように、略円柱状に構成され、一端部側の外周部に周回状の装着溝50aを備え、他端部側を外径が段差状に大きくされる大径部50bとしている。また、弁棒部50の他端部(大径部50bの他端部)の外周部からは、フランジ部50cが突出している。ここで、フランジ部50cは、後述するスプリング55の他端部55bを当接させつつ、拘束する部分である。また、弁棒部50の他端部は、大径部50bからフランジ部50cを突出させることで、大型の端面を構成するが、この端面は安全用パッキン45を、パッキンガイド部20の裏面部21b側に押圧する押圧部50dとして機能する。尚、弁棒部50の大径部50b(フランジ部50c)を除く部分は、支持部13及び軸受け部31aに摺動状態で挿入可能なサイズとされている。
スプリング55は、コイルバネを用いて構成され、その内径は、大径部50bの外径よりも大きくされている。また、このスプリング55の外径は、フランジ部50cの外径よりも小さくされ、しかも、前述の保持部31d内に挿入可能とされている。また、抜け止め部材54は、E型止め輪(所謂、「Eリング」)を用いて構成されている。この抜け止め部材54の外径は、支持部13の孔径よりも大きくされている。
本実施例においては、図2に示すように、水栓設備Sの各装着部6に弁座部材10が装着される。このとき、弁座部材10は、フランジ部12を、装着部6の一端部(1次側流路部N1側の端部)に当接させ、シール部材(パッキン)16の外周部を装着部6の内周部に水密状に当接させた状態で装着部6に嵌合される。また、この弁座部材10によって構成される弁座面17は、装着部6の他端部(2次側流路部N2)側を通じて、2次側流路部N2の方向を指向している。そして、弁座部材10は、その内部空間を用いて、1次側流路部N1と、2次側流路部N2とを連通させる連通孔18を構成する。
実施例1に係る逆止弁装置G1の組付は、例えば、以下のように行われる。先ず、パッキンガイド部20の裏面部21bにパッキン40を装着する。この装着は、パッキン40の他面部(逆止用パッキン41の他面部)を、パッキンガイド部20の裏面部21bに対向させつつ行われ、逆止用パッキン41の他面部を、パッキン装着部21dに水密状に当接させ、安全用パッキン45によって圧抜き孔21cを封止すること(つまり、パッキンガイド部20の裏面部21bにおいて、圧抜き孔21cの周縁に位置する部位に、安全用パッキン45を水密状に当接させること)によって完了する。
但し、このパッキン40の装着作業の際には、パッキンガイド部20を構成する2本の係止脚22と、4本の位置決め突起23は、逆止用パッキン41の内周部の内側に存在する空間部48(安全用パッキン45及び連結用リブ47、47が存在しない部位)に挿通される。また、逆止用パッキン41の他面部が、パッキン装着部21dに当接すると、突出部41bがその突出長を縮めるように圧縮変形し、逆止用パッキン41とパッキン装着部21dとの間の水密性が高められる。
このパッキン40の装着作業とは別に、弁棒部50にスプリング55に組み付ける作業を行う。先ず、弁棒部50の一端部の側からスプリング(圧縮バネ)55を外装する。このとき、スプリング55の他端部55bが、弁棒部50のフランジ部50cに当接すると共に、スプリング55の他端部55b側の部位が、大径部50bを外装する。
この状態で、弁棒部50がスプリングガイド部30に装着される。即ち、弁棒部50の一端部(フランジ部50cの形成部位とは反対側の端部)を先頭に、スプリングガイド部30の軸受け部31aに弁棒部50を挿入する。つまり、弁棒部50の一端部側を、軸受け孔31bに挿通させ、この弁棒部50の一端部側をスプリングガイド部30の外方に突出させる。これにより、スプリング55は、その他端部55bがフランジ部50cで当接状に拘束され、一端部55bが保持部31d内で拘束された状態となる。
この後、「パッキン40が装着されたパッキンガイド部20(つまり、逆止用弁体)」と、「スプリング55が装着された弁棒部50を備えるスプリングガイド部30」とが一体化される。この一体化作業は、蓋状体21(パッキンガイド部20)の裏面部21bと、スプリングガイド部30の他端部を対向させつつ行われる。このとき、弁棒部50の軸心を、安全用パッキン45の軸心(圧抜き孔21cの軸心)に位置合わせする。
そして、スプリングガイド部30の他端部を、2本の係止脚22と4本の位置決め突起23とを周回状に並べた部分の内側に嵌合すると、パッキンガイド部20及びスプリングガイド部30の一体化作業を完了する。但し、この一体化作業の際に、凹部32cに、4本の位置決め突起23が挿入されると共に、各係止突起35が、対応する係止脚22に係止孔22aに挿入される(図2を参照)。これにより、2組の係止突起35及び係止脚22が係止され、パッキンガイド部20及びスプリングガイド部30が一体化される。
この一体化作業を完了すると、逆止用パッキン41が、パッキンガイド部20の裏面部21bと、スプリングガイド部30のフランジ部32(表面部32a)とに挟着される。但し、逆止用パッキン41の全体ではなく、その内周側の部分(当接部41aが形成される外周側の部分を除外した部分)が、パッキンガイド部20と、スプリングガイド部30とによって挟着される。このとき、スプリング55は、僅かに圧縮状態とされつつ、その弾性力(全長を復元しようと、弾性力)によって、フランジ部50cを安全用パッキン45の方向に押圧する。このため、弁棒部50の押圧部50dが、安全用パッキン45を「パッキンガイド部20の裏面部21bの側」に押圧する。
また、この一体化作業の完了に伴って、スプリングガイド部30及び逆止用弁体Bが、弁棒部50の軸心方向に摺動可能となる。この摺動を、「スプリングガイド部30及び逆止用弁体B」が、弁棒部50の他端部(押圧部50d)から離間する方向に行うと、スプリング55に加わる圧縮量が増大する。このため、この離間する方向への摺動を行うと、スプリングガイド部30及び逆止用弁体Bには、「これらを弁棒部50の他端部(押圧部50d)に当接する方向に戻すための復元力」が働く。
この逆止用弁体Bと、スプリングガイド部30と、弁棒部50との一体物は、前述の弁座部材10が装着される。つまり、弁棒部50の一端部を先頭にして、弁棒部50及びスプリングガイド部30等を、連通孔18内に遊入する。この遊入作業は2次側流路部N2の側から行われ、逆止用弁体Bは2次側流路部N2内に止まる。そして、弁棒部50の一端部側を支持部13に挿通し、1次側流路部N1に到達させると共に、1次側流路部N1に到達した装着溝50aに抜け止め部材54を装着する。
このとき、スプリング55が僅かに圧縮状態となるため、このスプリング55の復元力(弾性)を用いて、逆止用弁体Bが1次側流路部N1の方向に引っ張られる。但し、逆止用弁体B(パッキンガイド部20及びパッキン40)の外径が連通孔18の孔径よりも大きくされているため、逆止用弁体Bは弁座部材10に着座して連通孔18を閉鎖する。つまり、連通孔18の孔径よりも大きな内径を備える「当接部41a」が、2次側流路部N2の方向から、弁座面17に水密状に密着するため、逆止用弁体Bを用いた連通孔18の閉鎖が行われる。
本逆止弁装置G1においては、適用対象となる給水設備Sが「通常止水状態」にある場合には、図2に示すように、逆止用弁体Bが、スプリング55の荷重(付勢力)を用いて、2次側から弁座面17に押し付けられる。このとき、安全用パッキン45は、「封止用付勢力(スプリング55の付勢力及び連結用リブ47、47の付勢力)」を用いて、パッキンガイド部20の裏面部21b側に押圧される。これにより、圧抜き孔21cがパッキンガイド部20の1次側から封止される。
また、適用対象となる給水設備Sが通水状態にある場合、逆止用弁体Bは、1次側流路部N1の側から水圧を受ける。これにより、図9に示すように、逆止用弁体Bは、スプリング55の付勢力に対抗しつつ、2次側流路部N2の方向に移動する。このため、連通孔18が開放され、1次側流路部N1の湯水が、2次側流路部N2に流れ込むことができる(図10の矢印Aを参照)。この際、安全用パッキン45は、1次側流路部N1から水圧を受けつつ、「圧抜き孔21cを封止する状態」を維持する。
更に、適用対象となる給水設備Sが「異常止水状態」にある場合にも、逆止用弁体Bは、スプリング55の荷重(付勢力)を用いて、2次側から弁座面17に押し付けられる。但し、安全用パッキン45においては、2次側流路部N2から圧抜き孔21cを通じて受圧して発生する荷重が、「封止用付勢力」よりも大きくなると、図10に示すように、1次側に移動して圧抜き孔21cを開放する。つまり、圧抜き孔21cを通じて受圧して発生する荷重によって、押圧部50dを押圧し、弁棒部50をスプリング55の付勢力に対抗しつつ、1次側流路部N1の方向に若干、後退させる(図10に示す距離Lを参照)。これに伴い、安全用パッキン45が、パッキンガイド部20の裏面部21bから離間する方向に変位する。このため、2次側流路部N2の湯水が圧抜き孔21cを通じてスプリングガイド部30内に排出される。そして、この湯水は、スプリングガイド部30の隙間を通じて連通孔18に排出されるため、「2次側流路部N2」における圧力緩和が実行される。
以上の実施例1では、逆止用弁体Bと、弁棒部50とを相対的に変位可能な状態に構成すると共に、パッキンガイド部20と弁棒部50との間に安全用パッキン45を介装する。しかも、弁棒部50をパッキンガイド部20と離間する方向に後退させることによって、安全用パッキン45の開放動作(パッキンガイド部20から離間して、圧抜き孔21cの封止を解除する動作)を可能としている。即ち、実施例1の逆止弁装置G1では、逆止用弁体B及び弁棒部50の相対移動を可能とすると共に、安全用パッキン45を逆止用パッキン41に対して相対的に変位可能とすることで、安全弁として機能(「2次側流路部」における圧力緩和を実行する機能)が付加させる。つまり、実施例1では、逆止用弁体Bに改良を加えて、逆止弁装置G1に安全弁として機能を付加する。このため、逆止弁装置に安全弁として機能を付加することが原因となり、逆止弁装置G1のサイズが拡大する必要はない。
また、実施例1では、パッキンガイド部20に圧抜き孔21cを形成すると共に、安全用パッキン45を付加すること等を行って、逆止弁装置G1に対して安全弁として機能を付加している。つまり、適用対象となる給水設備Sに対して、逆止弁装置G1とは別の安全弁を装着することが必要とされない。このため、給水設備Sを構成する給水器具の部品点数を多くしたり、給水設備Sを構成する給水器具の加工上の手間や組付工数が多くしない。従って、給水設備Sの施工・製造のコストの低廉化を図り、給水設備Sの使用性を維持しつつも、「圧力緩和」を実行できる逆止弁装置G1が得られる。
更に、本実施例では、逆止用弁体Bを弁座部11に着座させるためのスプリング55(逆止弁装置に逆止機能を持たせるためのスプリング55)と、安全用パッキン45に付勢力を与えるための付勢手段(逆止弁装置G1を安全弁として機能させる際の作動圧力を制御する付勢手段)とを一部品で共用している。しかも、安全用パッキン45を逆止用パッキン41に一体化している。このため、本実施例では、逆止弁装置G1に安全弁として機能を付加しつつも、通常の逆止弁装置(安全弁として機能しない逆止弁装置)に比べて、部品点数は増加しない。
(2)実施例2
次に、実施例2に係る逆止弁装置G2について、図11〜図17を用いて説明する。この逆止弁装置G2も、実施例1の逆止弁装置G1と同様な給水設備S対して適用される。
実施例2の逆止弁装置G2は、図11に示すように、逆止用弁体Cと、弁棒部150と、スプリング155と、抜け止め部材154と、安全スプリング157と、を備えている。また、逆止用弁体Cは、弁本体部の具体例を構成するパッキンホルダー部120と、このパッキンホルダー部120に装着される逆止用パッキン141と、安全用パッキン145と、パッキン押さえ146と、を備えている。
パッキンホルダー部120にはスプリングガイド部130が一体化されている。また、この逆止弁装置G2は、弁座部材110を用いて構成される弁座部111に着座する状態(図11に示す止水状態)と、弁座部111から離間する状態(図16に示す通水状態)とを択一的に実行可能とされている。
ここで、実施例2の逆止弁装置G2の着座対象となる弁座部材110も、図12に示すように、接続管4(5)の内部に設けられる筒状の装着部6に水密状に嵌合されるものである。つまり、この弁座部材110は略円筒形状に構成され、軸心方向に沿った一端部の外周面から、フランジ部112を突出(弁座部材110の半径外側方向に向かって)させている。
弁座部材110の軸心方向に沿った一端部であって、この軸心の位置には、略リング状の支持部113が配置されている。この支持部113は、弁座部材110の半径方向に設けられる「3つのリブ114」によって、弁座部材110の内周面に一体化されている。但し、この弁座部材110においては、「3つのリブ114」の他端部が、弁座部材110の他端部付近まで到達している。尚、この「3つのリブ114」は、後述するスプリングガイド部130を摺動可能に支持するための軸受け部としても機能する。
この支持部113は、弁座部材110の軸心方向に軸受け孔113aを配置している。更に、弁座部材110の外周面は、装着溝115が周回状に形成され、この装着溝115にはシール部材(パッキン)116が装着されている。また、弁座部材110の軸心方向に沿った他端部(他端面)は、略リング状の弁座面117を構成する。また、実施例2においても、給水設備Sの内部流路Nは、装着部6を境界として、1次側流路部N1と、2次側流路部N2とに区画される。そして、弁座部材110は、その他端部(弁座面117)を先頭に、1次側流路部N1の側から、装着部6に嵌合されている(螺合でもよい。)。
この弁座部材110も、図11に示すように、フランジ部112を、装着部6の一端部(1次側流路部N1側の端部)に当接させ、シール部材(パッキン)116の外周部を装着部6の内周部に水密状に当接させて状態で装着部6に嵌合されている。この弁座部材110の弁座面117は、装着部6の他端部(2次側流路部N2)側を通じて、2次側流路部N2の方向を指向している。そして、弁座部材110は、その内部空間を用いて、1次側流路部N1と、2次側流路部N2とを連通させる連通孔118を構成している。
パッキンホルダー部120は、一端側で開口する略容器形状に構成されている。このパッキンホルダー部120は、略円板状に構成される本体部121と、本体部121の一面部(裏面部121b)から略円筒状に突出する筒状部122と、筒状部122の外周部から突出するフランジ部123と、を備えている。
本体部121は、その中心部に圧抜き孔121cを備えている。この圧抜き孔121cは、本体部121の表面部121aと裏面部121bとを貫通する「小孔(直径1.4mm)」として形成されている。尚、図13(a)に示すように、本体部121の裏面部121bにおいて、圧抜き孔121cの周囲の部位121fが、略山型に隆起している(圧抜き孔121cを頂上とするように略山型に隆起している)。このため、本体部121の裏面部121bにおいて、安全用パッキン145との接触箇所が、この隆起する部分の頂上寄りに限定されるため、安全用パッキン145と本体部121の裏面部121bとの接触面積が小さくなる。よって、本実施例においても、より小さな押圧力を用いて、安全用パッキン145を、本体部121の裏面部121bに密着させることができる。
筒状部122の内周部には、雌ネジ部122aが設けられている。また、フランジ部123の裏面部(パッキンホルダー部120の一端側を指向する面部)123aは、パッキン装着部123bとされている。
スプリングガイド部130は、図13(b)に示すように、本体部131と、フランジ部132とを備える。このうち、本体部131は、略円筒状に構成されると共に、一端部の内部には、本体部131よりも内径が小さくされた略円筒状の軸受け部131aが配設されている。この軸受け部131aは、その外周部を本体部131の内周部に一体化すると共に、軸受け部131aを貫通する軸受け孔131bを、本体部131の軸心に対して同心状に配置している。
軸受け部131aにおいて、本体部131の他端部側を指向する面部(以下、「表面部」という。)においては、軸受け孔131bの周縁部を包囲する状態の筒状突出部131cが立ち上げられている。そして、本体部131の内周部と、筒状突出部131cの外周部と、軸受け部131aの表面部とによって、平面形状が略リング状の保持部131dを構成している。尚、この保持部131dは、後述するスプリング155の一端部155aを拘束しつつ、保持する部分である。
フランジ部132は、本体部31の他端部側の外周面から、本体部131の半径外側方向に突出する状態に形成されている。また、フランジ部132の表面部(本体部31の他端側を指向する面)132aは、リング状の面とされている。また、本体部31の外周面において、フランジ部132よりも、本体部31の他端部側の部位には、前述の雌ネジ部122aに螺合可能な雄ネジ部131eが形成されている。また、本体部31の内周部において、本体部31の他端部側の部位では、内径を段差状に広げている。そして、この内径を段差状に広がる部分には、本体部31の他端部側を指向する当接面131fが設けられている。また、本体部31において、フランジ部132よりも本体部31の一端部側の部位には、貫通孔131gが設けられている。
逆止用パッキン141は、弾性素材(EPDM等のゴムや、エラストマー)を用いて構成される一体成形品であり、図14に示すように、略リング形状を備える。この逆止用パッキン141は、一面部から略リング状の当接部141aを突出させている。この当接部141aは、突端部に向かって徐々に肉厚が薄くなる形状(つまり、リップ形状)とされており、「当接部141aの突出量が少なくするように圧縮変形すること」が容易とされている。この逆止用パッキン141は、その他面部にも、略リング状の突出部141bが設けられている。この突出部141bも、突端部に向かって徐々に肉厚が薄くなる形状(つまり、リップ形状)とされているが、そのサイズは当接部141aのサイズに比べて小さくされている。
安全用パッキン145は、図15(a)に示すように、略円板状に構成される。この安全用パッキン145の外径は、逆止用パッキン141の内径よりも小さくされている。尚、この安全用パッキン145のサイズは、前述の圧抜き孔121cを封止可能なものであればよい。
パッキン押さえ146は、図15(b)に示すように、略容器形状を備えると共に、開口部側の外周部からにフランジ部146aを突出させている。このパッキン押さえ146は、安全用パッキン145を挿入可能とされているが、パッキン押さえ146の深さは、安全用パッキン145の肉厚よりも小さくされている。このため、パッキン押さえ146に安全用パッキン145を挿入すると、その一部がパッキン押さえ146の開口部から突出する。
弁棒部150は略円柱状に構成され、一端部側の外周部に周回状の装着溝150aを備え、他端部側を外径が段差状に大きくされる大径部150bとしている。また、弁棒部150の他端部(大径部150bの他端部)の外周部からは、フランジ部150cが突出している。ここで、フランジ部150cは、後述するスプリング155の他端部155bを当接させつつ、拘束する部分である。尚、弁棒部150の大径部150b(フランジ部150c)を除く部分は、支持部113及び軸受け部131aに摺動状態で挿入可能なサイズとされている。
スプリング155は、コイルバネを用いて構成され、その内径は、大径部50bの外径よりも大きくされている。また、このスプリング155の外径は、フランジ部150cの外径よりも小さくされ、しかも、前述の保持部131d内に挿入可能なものとされている。また、抜け止め部材154は、E型止め輪(所謂、「Eリング」)を用いて構成されている。この抜け止め部材154の外径は、支持部113の孔径よりも大きくされている。
安全スプリング157は、コイルバネを用いて構成され、その内径は、パッキン押さえ146の外径よりも大きくされている。また、この安全スプリング157の外径は、フランジ部146aの外径よりも僅かに小さくされ、しかも、前述の「本体部131の他端部側(当接面131fよりも他端部側)の内部」に挿入可能なものとされている。
本実施例においても、図11に示すように、水栓設備Sの各装着部6に弁座部材110が装着される。このとき、弁座部材110は、フランジ部112を、装着部6の一端部(1次側流路部N1側の端部)に当接させ、シール部材(パッキン)116の外周部を装着部6の内周部に水密状に当接させて状態で装着部6に嵌合される。また、この弁座部材110によって構成される弁座面117は、装着部6の他端部(2次側流路部N2)側を通じて、2次側流路部N2の方向を指向している。そして、弁座部材110は、その内部空間を用いて、1次側流路部N1と、2次側流路部N2とを連通させる連通孔118を構成する。
実施例2に係る逆止弁装置G2の組付は、例えば、以下のように行われる。先ず、パッキンホルダー部120に、逆止用パッキン141及び安全用パッキン145を装着する。ここで、逆止用パッキン141の装着作業は、逆止用パッキン141の他面部を、パッキンホルダー部120のパッキン装着部123bに対向させつつ行われる。そして、逆止用パッキン141を、その円周が拡大するように弾性変形させつつ、筒状部122の外周部に外装し、逆止用パッキン141の他面部を、パッキン装着部123bに水密状に当接させると、この装着作業を完了する。
安全用パッキン145の装着作業では、先ず、パッキン押さえ146の内部に安全用パッキン145を挿入する。この際、安全用パッキン145の一部がパッキン押さえ146の開口部から突出する。そして、パッキン押さえ146の外周部に、安全スプリング157を装着した後に、パッキン押さえ146の開口部を、本体部121の裏面部121bに対向させた状態で、安全用パッキン145及びパッキン押さえ146を、筒状部122に挿入すると、安全用パッキン145の装着作業を完了する。このとき、安全用パッキン145を、圧抜き孔122cと同心状に位置合わせする。
逆止用パッキン141及び安全用パッキン145を装着作業とは別に、弁棒部150にスプリング155に組み付ける作業を行う。先ず、弁棒部150の一端部の側から、弁棒部150の外周部の外側に、スプリング(圧縮バネ)155を装着する。このとき、スプリング155の他端部155bが、弁棒部150のフランジ部150cに当接すると共に、スプリング155の他端部155b側の部位が、大径部150bを外装する状態となる。この状態で、弁棒部150がスプリングガイド部130に装着される。例えば、弁棒部150の一端部(フランジ部150cの形成部位とは反対側の端部)を先頭に、スプリングガイド部130の軸受け部131aに弁棒部150を挿入する。つまり、弁棒部150の一端部側を、軸受け孔131bに挿通させ、弁棒部150の一端部側を、スプリングガイド部130の外方に突出させる。これにより、スプリング155は、その他端部155bをフランジ部150cで当接状に拘束され、一端部155bを保持部131d内に挿入して拘束された状態となる。
この後、逆止用パッキン141及び安全用パッキン145が装着されたパッキンホルダー部120(つまり、逆止用弁体C)と、スプリング155が装着された弁棒部150を備えるスプリングガイド部130とが一体化される。この一体化作業は、本体部121(パッキンホルダー部120)の裏面部121bと、スプリングガイド部130の他端部を対向させつつ行われる。このとき、弁棒部150の軸心を、安全用パッキン145の軸心(圧抜き孔21cの軸心)に位置合わせする。
そして、パッキンホルダー部120の雌ネジ部122aに、スプリングガイド部130の雄ネジ部131eを螺合すると、パッキンホルダー部120及びスプリングガイド部130の組付を完了する。
この組付を完了すると、安全スプリング157は、若干、圧縮状態となりつつ、一端部を本体部31の段差面131fに当接させ、他端部をパッキン押さえ146のフランジ部146aに当接させるため、パッキン押さえ146は、本体部121の裏面部121bの方向に押圧(付勢)される。このため、パッキン押さえ146に押圧(付勢)された安全用パッキン145が、本体部121の裏面部121bに密着し、圧抜き孔121cを封止する。
また、この一体化作業の完了に伴って、スプリングガイド部130及び逆止用弁体Cが、弁棒部150の軸心方向に摺動可能となる。この摺動を、スプリングガイド部130及び逆止用弁体Cが、弁棒部150の他端部から離間する方向に行うと、スプリング155に加わる圧縮量が増大する。このため、この離間する方向への摺動を行うと、スプリングガイド部130及び逆止用弁体Cには、これらを、弁棒部150の他端部に当接する方向に戻すための復元力が働く。
この逆止用弁体Cと、スプリングガイド部130と、弁棒部150との一体物は、前述の弁座部材110が装着される。つまり、弁棒部150の一端部を先頭にして、弁棒部150及びスプリングガイド部30等を、連通孔118内に遊入する。この遊入作業は2次側流路部N2の側から行われ、逆止用弁体Bは2次側流路部N2内に止まる。そして、弁棒部50の一端部側を軸受け部13に挿通し、1次側流路部N1に到達させると共に、1次側流路部N1に到達した装着溝150aに抜け止め部材154を装着する。
このとき、スプリング155は僅かに圧縮状態となるため、このスプリング155の復元力(弾性)を用いて、逆止用弁体Cが1次側流路部N1の方向に引っ張られる。但し、逆止用弁体C(パッキンホルダー部120及び逆止用パッキン141)の外径が連通孔118の孔径よりも大きくされているため、逆止用弁体Cは弁座部材110に着座して連通孔118を閉鎖する。つまり、連通孔118の孔径よりも大きな内径を備える「当接部141a」が、2次側流路部N2の方向から、弁座面117に水密状に密着するため、逆止用弁体Cを用いた連通孔118の閉鎖が行われる。
適用対象となる給水設備Sが「通常止水状態」にある場合には、図11に示すように、逆止用弁体Cが、スプリング155の荷重(付勢力)を用いて、2次側から弁座面117に押し付けられる。この際、安全用パッキン145は安全スプリング157の付勢力を用いて、本体部121の裏面部121b側に押圧される。これにより、圧抜き孔121cが、本体部121の1次側から封止される。
また、適用対象となる給水設備Sが通水状態にある場合、逆止用弁体Cは、1次側流路部N1の側から水圧を受ける。これにより、図16に示すように、逆止用弁体Cは、スプリング155の付勢力に対抗しつつ、2次側流路部N2の方向に移動する。このため、連通孔118が開放され、1次側流路部N1の湯水が、2次側流路部N2に流れ込むことができる(図16の矢印Bを参照)。この際、安全用パッキン45は、安全スプリング157の付勢力と、1次側流路部N1から水圧とを受けつつ、「圧抜き孔121cを封止する状態」を維持する。
更に、適用対象となる給水設備Sが「異常止水状態」にある場合にも、逆止用弁体Cは、スプリング155の荷重(付勢力)を用いて、2次側から、この弁座面117に押し付けられる。但し、図17に示すように、安全用パッキン145においては、2次側流路部N2から圧抜き孔121cを通じて受圧して発生する荷重が、「安全スプリング157の付勢力(封止用付勢力)よりも大きくなると、1次側に移動して、圧抜き孔121cを開放する。つまり、圧抜き孔121cを通じて受圧して発生する荷重によって、安全用パッキン145及びパッキン押さえ146は、安全スプリング157の付勢力に対抗しつつ、1次側流路部N1の方向に若干、後退する(図17中の移動距離Mを参照)。このため、2次側流路部N2の湯水が圧抜き孔121cを通じて、スプリングガイド部130内に排出される。更に、この湯水は、貫通孔131gを通じて連通孔118に排出されるため、「2次側流路部N2」における圧力緩和が実行される。
以上の実施例2においても、実施例1と同様な効果が得られる。つまり、実施例2においても、逆止用弁体Cに改良を加えて、逆止弁装置G2に安全弁として機能を付加する。このため、逆止弁装置に安全弁として機能を付加することが原因となり、逆止弁装置G2のサイズが拡大する必要はない。従って、サイズの選択の自由度が高くされた逆止弁装置G2が得られる。
また、実施例2では、パッキンホルダー部120に圧抜き孔121cを形成すると共に、安全用パッキン145等を付加すること等を行って、逆止弁装置G2に対して安全弁として機能を付加している。つまり、適用対象となる給水設備Sに対して、逆止弁装置G2とは別の安全弁を装着することが必要とされない。このため、給水設備Sを構成する給水器具の部品点数を多くしたり、給水設備Sを構成する給水器具の加工上の手間や組付工数が多くしない。このため、給水設備Sの施工・製造のコストの低廉化を図り、給水設備Sの使用性を維持しつつも、「圧力緩和」を実行できる逆止弁装置G1が得られる。
特に、実施例2では、逆止用弁体Cを弁座部111に着座させるためのスプリング155(逆止弁装置に逆止機能を持たせるためのスプリング155)と、安全用パッキン145に付勢力を与えるための安全スプリング157(逆止弁装置G2を安全弁として機能させる際の作動圧力を制御する付勢手段)とを独立させるため、各スプリング155、157の付勢力の設定を行うことが容易である。つまり、安全スプリング157の存在を考慮せずに、スプリング155の付勢力の設定できると共に、逆止機能を考慮せずに安全スプリング157の付勢力の設定を行うことができるため、逆止弁装置G2の設計作業の容易化を図ることができる。
尚、本各発明の範囲は前記各実施例に示す具体的な態様に限定されず、本各発明の範囲内で種々の変形例を例示できる。
即ち、本実施例では、逆止弁装置G1、G2と、弁座部材10、110とを別個に構成する態様を例示したが、各請求項の発明の具体例としては、逆止弁装置G1、G2と、弁座部材10、110とを一体的に備える態様を例示することもできる。例えば、逆止弁装置G1、G2及び弁座部材10、110を一体的に備える「逆止弁カートリッジ」に対しても、各請求項の発明を適用できる。
本発明は、例えば、水栓の製造、販売、施工、加工等を行う分野で利用可能である。
実施例1の逆止弁装置及び実施例2の逆止弁装置の適用対象となる給水設備を示す説明図である。 実施例1の逆止弁装置(通常止水状態)を示す縦断面図である。 (a)は実施例1の弁座部材の平面図、(b)は図3(a)の1−1断面図である。 (a)は実施例1のパッキンガイド部の正面図、(b)は実施例1のパッキンガイド部の底正面図である。 (a)は図4(b)の3−3断面図、(b)は図4(a)の2−2断面図である。 (a)は実施例1のスプリングガイド部の平面図、(b)は図6(a)の5−0−5断面図である。 (a)は実施例1のスプリングガイド部の正面図、(b)は実施例1のスプリングガイド部の底面図、(c)は図7(a)の6−6断面図である。 (a)は実施例1のパッキンの平面図、(b)は図8(a)の8−8断面図である。 実施例1の逆止弁装置(通水状態)を示す縦断面図である。 実施例1の逆止弁装置(異常止水状態)を示す縦断面図である。 実施例2の逆止弁装置(通常止水状態)を示す縦断面図である。 (a)は実施例2の弁座部材の平面図、(b)は図12(a)の12−12断面図である。 (a)は実施例2のパッキンホルダー部の縦面図、(b)は実施例2のスプリングガイド部の縦面図である。 (a)は実施例2の逆止用パッキンの平面図、(b)は図14(a)の14−14断面図である。 (a)は実施例2の安全用パッキンの縦面図、(b)は実施例2のパッキン押さえの縦断面図である。 実施例2の逆止弁装置(通水状態)を示す縦断面図である。 実施例2の逆止弁装置(異常止水状態)を示す縦断面図である。
符号の説明
S;給水設備、
G1、G2;逆止弁装置、
N1;1次側流路部、
N2;2次側流路部、
1;水栓本体(給水器具)、
2;給湯管(給水器具)、
3;給水管(給水器具)、
4、5;接続管(給水器具)、
10、110;弁座部材、
11、111;弁座部、
18、118;連通孔、
20;パッキンガイド部(弁本体部)、
30、130;スプリングガイド部、
41、141;逆止用パッキン、
45、145;安全用パッキン、
50、150;弁棒部、
55、155;スプリング、
120;パッキンホルダー部(弁本体部)。

Claims (5)

  1. 所定の給水設備に設けられる1次側流路部と2次側流路部とを連通させる連通孔を有する弁座部に対し、該2次側流路部の側から着座して該連通孔を閉鎖することで、前記2次側流路部から前記1次側流路部への湯水の逆流を防止する逆止弁装置であって、
    抜け止め手段によって前記2次側流路部の方向への抜け出しが規制された状態で前記連通孔に挿通される弁棒部と、
    前記弁座部に対して水密状に当接可能な当接部を周回状に備える逆止用パッキンと、
    前記2次側流路部において前記弁座部に対向可能な部位に前記逆止用パッキンが装着されるパッキン装着部を備える弁本体部と、
    前記弁棒部の軸心方向に沿って摺動可能となる状態で前記弁棒部を挿通すると共に、前記弁本体部と一体移動するように配置されるスプリングガイド部と、を具備し、
    前記スプリングガイド部内において前記スプリングガイド部と前記弁棒部との間に、前記スプリングガイド部を前記1次側流路部の方向に付勢するスプリングが介在されると共に、
    前記弁本体部において前記パッキン装着部の内縁部よりも内側の部位に対し、圧抜き孔を貫通状に設け、
    前記弁棒部の軸方向に変位可能とされつつ前記弁本体部の側に向かう付勢力が与えられた状態の安全用パッキンを、前記弁棒部と前記弁本体部との間に介装し、該安全用パッキンによって前記圧抜き孔を封止したことを特徴とする逆止弁装置。
  2. 前記逆止用パッキンと前記安全用パッキンとを一体としたことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁装置。
  3. 前記逆止用パッキンと前記安全用パッキンとを別体とし、前記安全用パッキンを、前記弁本体部の側に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁装置。
  4. 前記弁座部を、前記給水設備に装着される弁座部材によって構成し、
    前記弁座部材は、前記弁棒部の一端部側を、前記1次側流路部に突出させた状態としつつ、前記弁棒部を摺動可能な状態に支持する支持部を備えると共に、
    前記抜け止め手段は、前記弁棒部の一端部側が前記支持部に進入することを防止するために、前記弁棒部の一端部側に装着される抜け止め部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の逆止弁装置。
  5. 前記請求項1乃至請求項4の何れかに記載の逆止弁装置を備えることを特徴とする給水設備。
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