JP6148715B2 - 湯水混合栓 - Google Patents

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Description

本発明は、湯水混合栓に関する。
レバーの操作により吐出量及び湯水の混合割合を調整できるシングルレバー式の湯水混合栓が知られている。この湯水混合栓では、レバーの左右回動(旋回操作)により湯と水との混合比の調整が可能であり、レバーの前後回動(上下回動)により吐出量の調整が可能である。
この湯水混合栓は、可動弁体と固定弁体とを有する。レバーの操作により、可動弁体が固定弁体に対して動く。この動きは、移動(並進)と回転とを含む。この動きにより、上述の調整が達成されている。この湯水混合栓では、可動弁体と固定弁体との間には押圧力(シール圧)が付与されている。この押圧力は、可動弁体と固定弁体との間からの水漏れの防止に寄与する。
実開平6−85974号公報は、固定弁板への流路をシールする弾性材のシール環と、このシール環を固定弁板側に付勢するスプリングとを備える水栓を開示する。特開2003−28320号公報は、ハウジングキャップのハウジング上部へのねじ込み力によって、弁ユニット内部のシール部材を弾性変形させている水栓を開示する。
実開平6−85974号公報 特開2003−28320号公報
従来技術では、水圧による固定弁への下向き付圧が、水圧による固定弁への上向き付圧よりも大きかった。このため、パッキンの圧縮を大きくして、パッキンによる固定弁への上向き付圧を大きくし、固定弁を可動弁側へ押圧していた。パッキンには、経年劣化及び応力緩和が生じる。加えて、パッキンの周辺部材の製造誤差(寸法誤差及び物性誤差)によっても、パッキンによる押圧力が変化しうる。
パッキンは止水状態でも吐水状態でも圧縮されている。これにより、パッキンの永久歪が促進され、パッキン圧縮による固定弁への上向き付圧が小さくなる。その結果、吐水状態においてシール圧が不足し、固定弁と可動弁の間の水密性が低下して水漏れが発生し易くなる。なお、時間が長いほど、また、パッキン圧縮度合いが大きいほど、パッキンの圧縮歪は大きくなる傾向にある。
パッキンでは、経時変化により物性変化もおこり、仮に寸法が変化せず且つ永久歪が無いと仮定としても、パッキンによる固定弁への上向き付圧は小さくなり、これも水漏れの要因になりうる。
これらパッキンに起因する押圧力低下を考慮して、パッキンによる初期押圧力としては、シール圧に必要な力に加えて、パッキンに起因する押圧力低下を見越した余分な押圧力が必要であった。更に、水圧による固定弁への下向き付圧、及び、二次側止水時における当該下向き付圧の増大を考慮して、より大きな初期押圧力を設定する必要があった。
湯水混合栓を一定期間未使用としてその後に使用した際に、固定弁と可動弁が固着(リンキング)してレバーを操作しにくくなる場合がある。従来技術の場合、未使用期間中においても、パッキン圧縮による固定弁への上向き付圧が大きいため、このリンキングが発生しやすい。
従来技術においては、パッキン圧縮による固定弁への上向き付圧が大きいため、レバー左右回動及び前後回動の操作力が大きくなる。この結果、操作性が悪くなり易い。また、固定弁と可動面の摺動面の摩耗も大きくなり易い。
本発明の目的は、水圧による上向き付圧と下向き付圧とのバランスを考慮し、水圧による上向き力を水圧による下向き力よりも高めることで、諸問題を克服しうる湯水混合栓の提供にある。
本発明に係る好ましい湯水混合栓は、固定弁体と、上記固定弁体の上で摺動しうる可動弁体と、上記固定弁体の下側に設けられた下ケースと、左右回動及び前後回動が可能であり上記可動弁体を操作しうるレバーと、を有している。上記レバーの左右回動位置の変化により、湯水混合比率の調節が可能とされている。上記レバーの前後回動位置の変化により、吐出量の調節が可能とされている。上記固定弁体が水圧により受ける上向きの力がFUとされる。上記固定弁体が水圧により受ける下向きの力がFDとされる。上記レバーの上記左右回動位置及び上記前後回動位置に関わらず、上記力FUが上記力FDよりも大きい。
好ましくは、上記固定弁体が、上記可動弁体に接触する固定弁本体と、この固定弁本体の下側に位置する固定弁下部材とを有する。
好ましくは、上記固定弁体が、上記固定弁本体と上記固定弁下部材との間に配置された第1シール部材と、上記固定弁本体と上記固定弁下部材とを連結する連結機構とを有している。好ましくは、上記連結機構に起因して、この第1シール部材が軸方向に圧縮されている。
好ましくは、上記固定弁体と上記下ケースとの間に第2シール部材が更に設けられている。好ましくは、この第2シール部材が、軸垂直方向に圧縮されている。
好ましくは、上記固定弁体を上側に付勢する補助付勢部材が更に設けられている。
他の好ましい湯水混合栓は、固定弁体と、上記固定弁体の上で摺動しうる可動弁体と、左右回動及び前後回動が可能であり上記可動弁体を操作しうるレバーと、を有している。上記レバーの左右回動位置の変化により、湯水混合比率の調節が可能とされている。上記レバーの前後回動位置の変化により、吐出量の調節が可能とされている。上記固定弁体が、水圧により上向きの力を受ける受圧面Uと、水圧により下向きの力を受ける受圧面Dとを有している。上記レバーの上記左右回動位置及び上記前後回動位置に関わらず、上記受圧面Uの平面投影面積MU1が、上記受圧面Dの平面投影面積MD1よりも大きい。
受圧面積のバランスを考慮することで、水圧により固定弁体に上向きの力を付与することができる。
図1は、第1実施形態に係る湯水混合栓の斜視図である。 図2は、第1実施形態に係るバルブ組立体の側面図である。 図3は、図2のA−A線に沿った断面図である。 図4は、図2のバルブ組立体の分解斜視図である。 図5(a)は上ケースの斜視図であり、図5(b)は上ケースの側面図であり、図5(c)は上ケースの断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、固定弁保持部材の斜視図である。 図7(a)は固定弁保持部材の平面図であり、図7(b)は固定弁保持部材の底面図である。 図8(a)は固定弁保持部材の側面図であり、図8(b)は図7のA−A線に沿った断面図である。 図9は、図8(a)のB−B線に沿った断面図である。 図10(a)及び図10(b)は、固定弁本体の斜視図である。 図11(a)固定弁本体の平面図であり、図11(b)は固定弁本体の底面図である。 図12(a)は固定弁本体の側面図であり、図12(b)は図11(a)のA−A線に沿った断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、固定弁下部材の斜視図である。 図14(a)は固定弁下部材の平面図であり、図14(b)は固定弁下部材の底面図である。 図15(a)は固定弁下部材の側面図であり、図15(b)は図14(b)のA−A線に沿った断面図である。 図16(a)及び図16(b)は下ケースの斜視図である。 図17(a)は下ケースの平面図であり、図17(b)は下ケースの底面図である。 図18(a)は下ケースの側面図であり、図18(b)は図18(a)のA−A線に沿った断面図であり、図18(c)は図17(a)のA−A線に沿った断面図である。 図19は下方部の斜視図である。 図20は下方部の平面図である。 図21(a)は下方部の側面図であり、図21(b)は図22(a)のA−A線に沿った断面図である。 図22(a)は別の角度から見た下方部の側面図であり、図22(b)は図21(a)のA−A線に沿った断面図である。 図23は、固定弁下部材の下面を示す斜視図である 図24は、固定弁体の組立工程を説明するための図である。 図25は、弁孔止水状態における弁孔間の重なりの一例を示す平面図である。 図26は、弁孔流通状態における弁孔間の重なりの一例を示す平面図である。 図27は、図21(b)の部分拡大図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお、本願において、上ケース120(後述)の外面の円周面に基づいて、軸方向、径方向及び周方向が定義される。理解を容易とすべく、本願では、当該軸方向が上下方向(鉛直方向)に一致するとみなして、「上」、「上方」、「上側」、「下」、「下方」「下側」等の文言が用いられる。ただし、実際の使用形態では、当該軸方向が鉛直方向に一致しない場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る湯水混合栓10の斜視図である。湯水混合栓10は、本体12、ハンドル14、吐出部16、湯導入管18、水導入管20及び吐出管22を有する。吐出部16は、ヘッド24を有する。ヘッド24では、シャワー吐出と通常吐出との切り替えが可能である。湯水混合栓10は、例えば、流し台、洗面台等で使用される。吐出部16は、浄水カートリッジを内蔵している。吐出部16の内部には、原水流路と浄水流路とが形成されている。湯水混合栓10では、原水流路と浄水流路との切り替えが可能である。原水流路が選択されると、浄水カートリッジを通過しない原水がヘッド24から排出される。浄水流路が選択されると、浄水カートリッジを通過した浄水がヘッド24から排出される。湯水混合栓10は、原水流路と浄水流路とを切り替える切替ボタン26を有する(図1参照)。
ハンドル14の上下回動により、吐出量が調節される。本実施形態では、ハンドル14を上側に動かすほど、吐出量が増加する。また、ハンドル14の左右回動により、湯と水との混合割合が変化する。ハンドル14の左右回動により、吐水温度の調節が可能である。
図2は、バルブ組立体100の側面図であり、図3は、図2のA−A線に沿ったバルブ組立体100の断面図である。図4は、バルブ組立体100の分解斜視図である。
バルブ組立体100は、本体12の内部に配置されている。ハンドル14は、ネジ(図示されず)によって、レバー160(後述)に固定されている。なお、湯水混合栓10において、バルブ組立体100は交換可能である。
バルブ組立体100は、上ケース120、シール部材s1、レバー160、レバー軸180及び回動体200を有する。レバー軸180は、レバー160の軸孔162と、回動体200の軸孔202とを貫通している。レバー160は、レバー軸180を中心として回動しうる。この回動は、レバー160の前後回動であり、ハンドル14の上下回動に対応している。また、レバー160は、回動体200と共に回転する。この回転は、レバー160の左右回動であり、ハンドル14の左右回動に対応している。
バルブ組立体100は、可動弁上部材220と可動弁本体240とを有する。可動弁上部材220の材質は、樹脂である。可動弁本体240の材質は、セラミックである。
可動弁上部材220は可動弁本体240の上側に固定されている。可動弁上部材220は、下方延在部224を有する(図4参照)。可動弁本体240は、係合凹部244を有する。下方延在部224は係合凸部を有する。下方延在部224と係合凹部244との間で、凹凸係合が形成されている。可動弁上部材220と可動弁本体240とは、この凹凸係合によって結合されている。
可動弁上部材220と可動弁本体240とは一体で動く。可動弁上部材220と可動弁本体240とにより、可動弁体250が構成されている。なお、可動弁体250は、可動弁本体240のみによって構成されていてもよい。可動弁体250(可動弁本体240)は、固定弁体520(後述)の上で摺動しうる。
可動弁上部材220は、凹部222を有する。図3が示すように、凹部222に、レバー160の下端部が入り込んでいる。レバー160の下端部が、凹部222に係合している。また、可動弁上部材220は、回動体200の下面に、スライド可能に係合している。これらの係合に起因して、レバー160の前後回動により、可動弁本体240(可動弁体250)は並進移動する。また、可動弁本体240は、回動体200と共に回転する。結果として、レバー160の左右回動により、可動弁本体240(可動弁体250)が回転する。
可動弁本体240の下面は、流路形成凹部242を有している。可動弁体250(可動弁本体240)の移動と共に、この流路形成凹部242が固定弁本体280の上を移動する。可動弁体250(可動弁本体240)の回転と共に、この流路形成凹部242が固定弁本体280の上を回転する。また、可動弁本体240の下面は、平滑面PL1を有する。
バルブ組立体100は、固定弁保持部材260を有する。この固定弁保持部材260は、固定弁本体280及び固定弁下部材360(後述)を保持している。
バルブ組立体100は、固定弁本体280を有する。固定弁本体280は、可動弁本体240(可動弁体250)に接触している。本願では、この接触の圧力が、接触押圧力とも称される。固定弁本体280の材質は、セラミックである。固定弁本体280の上面は、平滑面PL2を有する。この平滑面PL2は、上記平滑面PL1と接触している。上記接触押圧力により、可動弁本体240と固定弁本体280との間からの水漏れが防止されている。
固定弁本体280は、湯用弁孔300と、水用弁孔320と、吐出弁孔340とを有する。湯用弁孔300、水用弁孔320及び吐出弁孔340のそれぞれは、貫通孔である。
バルブ組立体100は、固定弁下部材360を有する。固定弁下部材360の材質は、樹脂である。固定弁下部材360は、固定弁本体280の下側に設けられている。固定弁下部材360は、固定弁本体280の下面に当接している。固定弁下部材360は、固定弁本体280の下側に固定されている。なお、固定弁下部材360は、設けられなくてもよい。
固定弁下部材360は、湯通過孔362と、水通過孔364と、吐水通過孔366とを有する。湯通過孔362、水通過孔364及び吐水通過孔366のそれぞれは、貫通孔である。
バルブ組立体100は、下ケース380を有する。下ケース380は、固定弁下部材360の下側に設けられている。下ケース380は、湯導入孔382と、水導入孔384と、吐水孔386とを有する。湯通過孔362、水通過孔364及び吐水通過孔366のそれぞれは、貫通孔である。上述した上ケース120が、この下ケース380に固定されている。この固定は、凹凸係合により達成されている。上ケース120は係合部122を有する。係合部122は、係合孔である。下ケース380は係合部388を有する。係合部388は、係合凸部である。係合部122と係合部388との係合により、上ケース120は下ケース380に固定されている。
バルブ組立体100は、シール部材s2を有する。他のシール部材との区別のため、このシール部材s2が、第1シール部材とも称される。第1シール部材s2は、固定弁下部材360の上側に配置されている。第1シール部材s2は、環状シール部材である。第1シール部材s2は、Oリングである。
第1シール部材s2は、固定弁本体280と固定弁下部材360との間の水密性を確保している。第1シール部材s2は、軸方向に圧縮されている。第1シール部材s2の数は3個である。第1シール部材s2として、湯流路用の第1シール部材s21と、水流路用の第1シール部材s22と、吐出流路用の第1シール部材s23とが設けられている。なお、本実施形態では、第1シール部材s2は、固定弁本体280と固定弁下部材360との間で軸方向に圧縮されるように配置されているが、第1シール部材s2を径方向(第1シール部材s2の径方向;軸垂直方向)に圧縮して固定弁本体280と固定弁下部材360との間の水密性を確保してもよい。例えば、固定弁本体280に設けられた部位であって上下方向に延びる側面を備える部位と、固定弁下部材360に設けられた部位であって上下方向に延びる側面を備える部位との間に第1シール部材s2を配して、第1シール部材s2を径方向に圧縮してもよい。なお、水密性を高める観点、及び、固定弁本体280及び固定弁下部材360の形状の複雑化やそれに伴うコスト上昇を抑制する観点から、第1シール部材s2を軸方向に圧縮して固定弁本体280と固定弁下部材360との間の水密性を確保する構成が好ましい。
第1シール部材s21は、湯用弁孔300と湯通過孔362との接合部に設けられている。第1シール部材s22は、水用弁孔320と水通過孔364との接合部に設けられている。第1シール部材s23は、吐出弁孔340と吐水通過孔366との接合部に設けられている。
バルブ組立体100は、シール部材s3を有する。他のシール部材との区別のため、このシール部材s3が、第2シール部材とも称される。第2シール部材s3は、固定弁下部材360の下側に配置されている。第2シール部材s3は、環状シール部材である。第2シール部材s3は、Oリングである。
第2シール部材s3は、固定弁下部材360と下ケース380との間の水密性を確保している。第2シール部材s3は、軸方向に対して垂直な方向(軸垂直方向)に圧縮されている。第2シール部材s3は、第2シール部材s3の径方向に圧縮されている。第2シール部材s3の数は3個である。第2シール部材s3として、湯流路用の第2シール部材s31と、水流路用の第2シール部材s32と、吐出流路用の第2シール部材s33とが設けられている。
第2シール部材s31は、湯通過孔362と湯導入孔382との接合部に設けられている。第2シール部材s32は、水通過孔364と水導入孔384との接合部に設けられている。第2シール部材s33は、吐水通過孔366と吐水孔386との接合部に設けられている。
バルブ組立体100は、固定弁下部材360を上方向に付勢する弾性体420を有する。弾性体420の数は、3個である。本実施形態において、弾性体420は、コイルスプリングである。弾性体420は、金属スプリングである。弾性体(スプリング)420として、第1スプリング(第1弾性体)422と、第2スプリング(第2弾性体)424と、第3スプリング(第3弾性体)426とが設けられている。3つの弾性体420は、周方向において均等に分散している。弾性体420の上端は、固定弁下部材360に当接している。弾性体420の下端は、下ケース380に当接している。弾性体420は、第2シール部材s3に当接していない。弾性体420は、あらゆるシール部材に当接していない。
バルブ組立体100は、シール部材s4と、シール部材s5とを有する。これらシール部材s4、s5は、バルブ組立体100とその下方の接続部分との水密性を確保している。
図5(a)は上ケース120の斜視図であり、図5(b)は上ケース120の側面図であり、図5(c)は図5(b)のA−A線に沿った断面図である。上ケース120は、下方に延びる延在部124を有する。複数(3つ)の延在部124が設けられている。これらの延在部124は、周方向において等間隔で配置されている。隣り合う延在部124同士の間には、欠落凹部126が形成されている。複数(3つ)の欠落凹部126が設けられている。延在部124のそれぞれが、係合部(係合孔)122を有する。前述のとおり、係合孔122と、下ケース380の係合部(係合凸部)388とが係合する。上ケース120と係合凸部388との係合により、バルブ組立体100の内部の軸方向の寸法が決定されている。
上ケース120の下縁に、係合凸部128が設けられている。延在部124のそれぞれに、係合凸部128が設けられている。係合凸部128は、下ケース380の係合凹部390に係合している。
図6(a)は固定弁保持部材260を上から見た斜視図であり、図6(b)は固定弁保持部材260を下から見た斜視図である。図7(a)は固定弁保持部材260の平面図であり、図7(b)は固定弁保持部材260の底面図である。図8(a)は固定弁保持部材260の側面図であり、図8(b)は図7(a)のA−A線に沿った断面図である。図9は、図8(a)のB−Bに沿った断面図である。
固定弁保持部材260は、円環連結部262と軸方向延在部264とを有する。軸方向延在部264は、周方向の複数箇所に設けられている。軸方向延在部264は、下方に延在(突出)している。また、図7(a)が示すように、軸方向延在部264は、径方向外側にも突出している。複数(3つ)の軸方向延在部264が設けられている。複数の軸方向延在部264は、周方向において均等に配置されている。円環連結部262は、周方向に沿って延びている。円環連結部262は、軸方向延在部264同士を繋いでいる。円環連結部262は、周方向において均等に配置されている。円環連結部262は、周方向において複数(3つ)に分散されている。
図8(b)の断面図が示すように、軸方向延在部264は、上部266と、中間部268と、下部270とを有する。上部266は、中間部268から径方向内側に突出して延びている。上部266は、中間部268の上縁から径方向内側に延びている。下部270は、中間部268から径方向内側に突出して延びている。下部270は、中間部268の下縁から径方向内側に延びている。中間部268の内面及び外面は、円周面である。上部266と下部270とは、互いに対向している。
軸方向延在部264の下端(下面)に、係合部272が設けられている。係合部272は、突起である。他の係合部と区別するため、係合部272は、第1係合部とも称される。第1係合部272は、下方に突出している。本実施形態では、1つの軸方向延在部264当たり2つの第1係合部272が設けられている。本実施形態では、第1係合部272の数は、合計6つである。
軸方向延在部264において、上部266の下面と下部270の上面とが、上下方向に対向する対向面部274を形成している。軸方向延在部264は、この対向面部274を有する。軸方向延在部264のそれぞれが、この対向面部274を有する。
図9が示すように、中間部268(対向面部274)のそれぞれは、周方向第1端T1と周方向第2端T2とを有する。周方向第1端T1は、周方向における一方側の端である。周方向第2端T2は、周方向における他方側の端である。周方向第1端T1は、中間部268の径方向内面側において周方向に開放されている。周方向第2端T2には、縦リブst1が設けられている。周方向第2端T2にのみ、中間部268の径方向内側面に縦リブst1が設けられている。周方向第1端T1には、縦リブst1は設けられていない。軸方向において、縦リブst1は、上部266から下部270まで延びている。縦リブst1の存在により、周方向第2端T2は周方向に開放されていない。縦リブst1は、軸方向延在部264の強度を高めている。縦リブst1は、軸方向延在部264の変形を抑制する。この構成により、対向面部274の径方向外側位置を区画する中間部268の径方向内側の面には、縦リブst1が存在する箇所と、縦リブst1が存在しない箇所とが設けられている。
下部270の上面は、傾斜面cs1と非傾斜面cs2とを有する。非傾斜面cs2は、軸方向に対して垂直な平面に対して平行である。傾斜面cs1は、軸方向に対して垂直な平面に対して傾斜している。傾斜面cs1は、周方向第1端T1に隣接している。傾斜面cs1は、周方向第1端T1に近づくほど下方となるように傾斜している。非傾斜面cs2は、傾斜面cs1と周方向第2端T2との間に位置する。
図8(b)において両矢印C1で示されるのは、上部266と下部270との間の対向距離である。即ち、距離C1は、対向面部274の対向距離である。傾斜面cs1の存在する周方向範囲では、対向距離C1は変化している。周方向第1端T1に近づくほど、対向距離C1が大きくなっている。非傾斜面cs2の存在する周方向範囲では、対向距離C1は一定である。
対向面部274は、周方向第1端T1に近づくほど対向距離C1が徐々に大きくされている第1部分P1と、この第1部分P1と周方向第2端T2との間に設けられ突出重複部TS1を挟み込んでいる第2部分P2とを有する。第2部分P2において、対向距離C1は一定である。第2部分P2において、上部266及び下部270は突出重複部TS1に当接している。傾斜面cs1の存在に起因して、第1部分P1においては、下部270(傾斜面cs1)は、突出重複部TS1に当接していない。
本実施形態では、対向面部274の上面(上部266の下面)と、対向面部274の下面(下部270の上面)とが、周方向で同じ位置に配置されている。しかし、対向面部274の上面(上部266の下面)と、対向面部274の下面(下部270の上面)とで、周方向位置がズレていてもよい。例えば、周方向において隣り合う2つの上部266の下面の周方向における中心位置に、1つの下部270の上面の周方向における中心位置が配置されてもよい。この場合、対向面部274の上面(上部266の下面)と、対向面部274の下面(下部270の上面)とが、周方向において交互に配置された状態となる。なお、対向面部274の上面(上部266の下面)と、対向面部274の下面(下部270の上面)とがズレている場合も、これら上部266の下面及び下部270の上面は、上述の、上下方向に対向する対向面部274に含まれる。なお、対向面部274による第1突出部284と第2突出部372との挟み込み(後述)の固定性を高める観点から、対向面部274の上面(上部266の下面)と、対向面部274の下面(下部270の上面)とは、周方向の少なくとも一部で重複するように配置されるのが好ましく、最も好ましくは、対向面部274の上面(上部266の下面)の周方向での中心位置と、対向面部274の下面(下部270の上面)の周方向での中心位置とが一致しているのがよい。
図10(a)は固定弁本体280を上方から見た斜視図であり、図10(b)は固定弁本体280を下方から見た斜視図である。図11(a)は固定弁本体280の平面図であり、図11(b)は固定弁本体280の底面図である。図12(a)は固定弁本体280の側面図であり、図12(b)は図11(a)のA−A線に沿った断面図である。
前述の通り、固定弁本体280は、湯用弁孔300、水用弁孔320及び吐出弁孔340を有する。また、前述のとおり、固定弁本体280は、平滑面PL2を有する。平滑面PL2は、固定弁本体280の上面である。平滑面PL2は、平面である。なお、理解を容易とする観点から、図10(a)及び図11(a)では、各弁孔の斜面に存在する線が適宜削除されている。
固定弁本体280は、下面PL3を有する。下面PL3は、平面である。下面PL3は、軸垂直方向に沿った平面である。下面PL3は、平滑面PL2に平行である。
図11(a)が示すように、上面(平滑面PL2)における湯用弁孔300の形状は、周方向に略沿って曲がって延在している。図11(b)が示すように、下面PL3における湯用弁孔300の形状は、円形である。
図11(a)が示すように、湯用弁孔300は、上向き面302を有する。上向き面302は、湯用弁孔300の長手方向における一端部と、湯用弁孔300の長手方向における他端部とに設けられている。上向き面302は、平滑面PL2に対して傾斜した斜面を有している。
図11(b)が示すように、湯用弁孔300は、下向き面304を有する。下向き面304は、湯用弁孔300の径方向内側部と、湯用弁孔300の径方向外側部とに設けられている。下向き面304は、平滑面PL2に対して傾斜した斜面を有している。
図11(a)が示すように、上面(平滑面PL2)における水用弁孔320の形状は、周方向に略沿って曲がって延在している。図11(b)が示すように、下面PL3における水用弁孔320の形状は、円形である。
図11(a)が示すように、水用弁孔320は、上向き面322を有する。上向き面322は、水用弁孔320の長手方向における一端部と、水用弁孔320の長手方向における他端部とに設けられている。上向き面322は、平滑面PL2に対して傾斜した斜面を有している。
図11(b)が示すように、水用弁孔320は、下向き面324を有する。下向き面324は、水用弁孔320の径方向内側部と、水用弁孔320の径方向外側部とに設けられている。下向き面324は、平滑面PL2に対して傾斜した斜面を有している。
図11(a)及び図12(b)が示すように、吐出弁孔340は、上向き面342を有する。上向き面342は、平滑面PL2に対して傾斜した斜面を有している。
図11(b)及び図12(b)が示すように、吐出弁孔340は、下向き面344を有する。下向き面344は、下面PL3に対して傾斜した斜面を有している。
固定弁本体280の下面には、係合部282が設けられている。この係合部282は、凹部(穴)である。2つの係合部282が設けられている。
固定弁本体280の側面には、突出部284が設けられている。他の突出部と区別するため、突出部284は第1突出部とも称される。第1突出部284は、径方向外側に突出している。固定弁本体280において、第1突出部284は周方向の複数箇所に設けられている。複数(3つ)の第1突出部284が設けられている。第1突出部284は、周方向において等間隔で配置されている。第1突出部284は、周方向において均等に配置されている。
図13(a)は固定弁下部材360を上方から見た斜視図であり、図13(b)は固定弁下部材360を下方から見た斜視図である。図14(a)は固定弁下部材360の平面図であり、図14(b)は固定弁下部材360の底面図である。図15(a)は固定弁下部材360の側面図であり、図15(b)は図14(b)のA−A線に沿った断面図である。なお、図15(a)及び図15(b)は、固定弁下部材360の上方を図面の下とし、固定弁下部材360の下方を図面の上として描いた図である。
前述の通り、固定弁下部材360は、湯通過孔362、水通過孔364及び吐水通過孔366を有する。湯通過孔362は円形孔である。水通過孔364は円形孔である。吐水通過孔366は円形孔である。
固定弁下部材360の上面において、湯通過孔362の周囲には、シール溝m2が設けられている。シール溝m2は、円に沿って延在する溝である。固定弁下部材360の上面において、水通過孔364の周囲には、シール溝m2が設けられている。固定弁下部材360の上面において、吐水通過孔366の周囲には、シール溝m2が設けられている。これらシール溝m2のそれぞれに、前述の第1シール部材s2が配置される。
図13(b)が示すように、固定弁下部材360の下面において、湯通過孔362の側壁WL(WL1)が下方に突出している。この側壁WL1は、円筒である。この円筒は、段差面k3を有する。この段差面k3に、前述の第2シール部材s3が配置されている。側壁WL1(WL)は、側面SF2を有する。この側面SF2は、円周面である。この側面SF2に沿って、第2シール部材s3が配置されている。
図13(b)が示すように、固定弁下部材360の下面において、水通過孔364の側壁WL(WL2)が下方に突出している。この側壁WL2は、円筒である。この円筒は、段差面k3を有する。この段差面k3に、前述の第2シール部材s3が配置されている。側壁WL2(WL)は、側面SF2を有する。この側面SF2は、円周面である。この側面SF2に沿って、第2シール部材s3が配置されている。
図13(b)が示すように、固定弁下部材360の下面において、吐水通過孔366の側壁WL(WL3)が下方に突出している。この側壁WL3は円筒である。この円筒は、段差面k3を有する。この段差面k3に、前述の第2シール部材s3が配置される。側壁WL3(WL)は、側面SF2を有する。この側面SF2は、円周面である。この側面SF2に沿って、第2シール部材s3が配置されている。
図13(a)が示すように、固定弁下部材360の上面には、係合部368が設けられている。係合部368は、凸部である。複数(2つ)の係合部368が設けられている。この係合部368が、前述の係合部282に係合する。この係合は、凹凸係合である。
図13(b)が示すように、固定弁下部材360の下面には、係合部370が設けられている。複数(3つ)の係合部370が設けられている。これらの係合部370は、周方向において均等に配置されている。係合部370は、凸部である。
固定弁下部材360の側面には、突出部372が設けられている。突出部372は、径方向外側に突出している。他の突出部と区別するため、突出部372は第2突出部とも称される。第2突出部372は、周方向の複数箇所に設けられている。複数(3つ)の第2突出部372が設けられている。第2突出部372は、周方向において等間隔で配置されている。第2突出部372は、周方向において均等に配置されている。
図16(a)は下ケース380を上方から見た斜視図であり、図16(b)は下ケース380を下方から見た斜視図である。図17(a)は下ケース380の平面図であり、図17(b)は下ケース380の底面図である。図18(a)は下ケース380の側面図であり、図18(b)は図18(a)のA−A線に沿った断面図であり、図18(c)は図17(a)のA−A線に沿った断面図である。
前述の通り、下ケース380は、湯導入孔382、水導入孔384及び吐水孔386を有する。湯導入孔382は円形孔である。水導入孔384は円形孔である。吐水孔386は円形孔である。
図16(a)が示すように、下ケース380の上面において、湯導入孔382の周囲は凹んでいる。下ケース380は、湯導入孔382の周囲に形成された平面PL4と、その平面PL4の径方向外側から軸方向上側に延びる側面SF1とを有する。平面PL4は、円環状である。側面SF1は、円周面である。
図16(a)が示すように、下ケース380の上面において、水導入孔384の周囲は凹んでいる。下ケース380は、水導入孔384の周囲に形成された平面PL4と、その平面PL4の径方向外側から軸方向上側に延びる側面SF1とを有する。
図16(a)が示すように、下ケース380の上面において、吐水孔386の周囲は凹んでいる。下ケース380は、吐水孔386の周囲に形成された平面PL4と、その平面PL4の径方向外側から軸方向上側に延びる側面SF1とを有する。
下ケース380は、上方延在部392を有する。上方延在部392は、下ケース380の上面から上方に向かって突出している。複数(3つ)の上方延在部392が設けられている。上方延在部392は、周方向において均等に配置されている。上方延在部392は、周方向において等間隔に配置されている。前述の係合凸部388は、この上方延在部392に設けられている。1つの上方延在部392に1つの係合凸部388が設けられている。
下ケース380は、弾性体配置部394を有する。弾性体配置部394は、下ケース380の上面に設けられている。弾性体配置部394は、下方に延びる凹部(穴)である。複数(3つ)の弾性体配置部394が設けられている。弾性体配置部394は、周方向において均等に配置されている。弾性体配置部394は、周方向において等間隔で配置されている。これらの弾性体配置部394に、上述の弾性体420(スプリング)が配置されている。
図16(a)が示すように、下ケース380は、係合部396を有する。他の係合部と区別するため、係合部396が第2係合部とも称される。第2係合部396は、凹みである。この第2係合部396は、固定弁保持部材260と係合するように構成されている。この第2係合部396は、第1係合部272と係合するように構成されている。この係合は、凹凸係合である。
図19は、バルブ組立体100のうち、固定弁本体280及びそれよりも下の部分(以下、下方部440ともいう)の斜視図である。図20は下方部440の平面図である。図21(a)は下方部440の側面図であり、図21(b)は図22(a)のA−A線に沿った断面図である。図22は別の角度から見た下方部440の側面図であり、図22(b)は図21(a)のA−A線に沿った断面図である。
下方部440は、固定弁保持部材260、固定弁本体280、第1シール部材s2、固定弁下部材360、第2シール部材s3、下ケース380、弾性体420、シール部材s4及びシール部材s5を含む。
図20が示すように、固定弁保持部材260の軸方向延在部264と、下ケース380の上方延在部392とは、周方向において交互に配置されている。隣り合う上方延在部392同士の間に、軸方向延在部264が配置されている。換言すれば、隣り合う軸方向延在部264同士の間に、上方延在部392が配置されている。
図22(b)及び図21(b)が示すように、固定弁本体280と固定弁下部材360とが、固定弁保持部材260(連結機構)によって保持されている。固定弁本体280と固定弁下部材360とが、固定弁保持部材260(連結機構)に挟まれている。より詳細には、固定弁本体280の第1突出部284と固定弁下部材360の第2突出部372とが、固定弁保持部材260に挟まれている。より詳細には、第1突出部284と第2突出部372とが、固定弁保持部材260の上部266と下部270とに挟まれている。すなわち、第1突出部284と第2突出部372とが、対向面部274に挟まれている。
図21(b)が示すように、固定弁下部材360の係合部370は、弾性体420に係合している。係合部(突起)370が、弾性体420(コイルバネ)の内側に配置されている。係合部370は、弾性体420の位置ズレを防止している。
図23は、固定弁下部材360の下面を示す斜視図である。図23及び図21(b)が示すように、弾性体420の上端は、固定弁下部材360の下面に当接している。弾性体420の下端は、下ケース380の上面(弾性体配置部としての凹部394の底面)に当接している。弾性体420は、固定弁下部材360を上側に付勢している。
固定弁下部材360の材質は、樹脂である。固定弁本体280のように、材質がセラミックの場合、複雑な形状に成形することは困難である。しかし、この固定弁下部材360では、複雑な形状に成形することが可能である。固定弁下部材360を設けることで、軸方向下方に突出する側壁WLを設けることが容易となる。また、シール溝m2、凸部368、凸部370等を設けることも容易である。
図24は、固定弁保持部材260の取り付け工程を示す。
この工程では、固定弁本体280と固定弁下部材360とを重ね合わせて、突出重複部TS1を有する重複体500を形成する(ステップ1;図24の(a))。固定弁本体280の第1突出部284と、固定弁下部材360の第2突出部372との間で、周方向位置(位相)を一致させることで、突出重複部TS1が形成される。突出重複部TS1は、第1突出部284と第2突出部372とにより構成されている。重複体500において、突出重複部TS1は、周方向における複数箇所(3箇所)のそれぞれで形成される。すなわち、重複体500において、突出重複部TS1は、周方向の複数箇所に配置される。複数の(3つの)突出重複部TS1は、周方向において等間隔で配置される。組立状態の固定弁体520では、この突出重複部TS1が、対向面部274に挟まれている。
なお、重複体500は、バルブ組立体100において形成されている。すなわち、バルブ組立体100は、この重複体500を有する。重複体500では、上記第1突出部284と上記第2突出部372との周方向位置が一致した状態で、上記固定弁本体280と上記固定弁下部材360とが重ねられている。
次に、この重複体500に、固定弁保持部材260を(上方から)被せる(ステップ2;図24の(b))。このステップ2において、固定弁保持部材260の軸方向延在部264は、隣り合う突出重複部TS1同士の間に配置される。この段階では、突出重複部TS1と軸方向延在部264とが周方向において交互に配置される。この図24の(b)の状態が、準備状態とも称される。
次に、固定弁保持部材260を重複体500に対して回転させ(図25(b)の実線矢印参照)、軸方向延在部264の周方向位置(位相)を、突出重複部TS1の周方向位置(位相)に一致させる(ステップ3;図24の(c))。このステップ3は、回転はめ込み工程とも称される。この回転はめ込み工程により、固定弁体520が形成される。この状態が、組立状態とも称される。
このように、重複体500及び固定弁保持部材260は、上記準備状態と上記組立状態との相互移行が可能なように構成されている。上述の通り、突出重複部TS1と軸方向延在部264とが周方向に交互配置された状態が、準備状態である。突出重複部TS1と上記軸方向延在部264とで周方向位置が一致した状態が、組立状態である。組立状態とは、組み立てられた固定弁体520である。上述の通り、組立状態では、突出重複部TS1が対向面部274に挟まれている。準備状態から組立状態への移行において、突出重複部TS1は、第1部分P1を通過して第2部分P2に配置される。
固定弁体520では、第1突出部284及び第2突出部372が、上部266と下部270との間に挟まれている(図22(b)参照)。換言すれば、固定弁体520では、突出重複部TS1が、上部266と下部270との間に挟まれている。このように、固定弁体520では、固定弁本体280と固定弁下部材360とが、固定弁保持部材260によって結合されている。また、上述の通り、この結合は、上記回転はめ込み工程によって容易に達成されうる。
上記回転はめ込み工程では、突出重複部TS1は、周方向第1端T1(図8(b)参照)から、軸方向延在部264(対向面部274)にスライド挿入される。上述した傾斜面cs1は、このスライド挿入を円滑とするのに寄与する。更に突出重複部TS1を軸方向延在部264に対して回転させると、突出重複部TS1は、前述の縦リブst1(図8(b)及び図9参照)に突き当たる。この突き当たりによって、上記回転はめ込み工程の完了(固定弁体520の完成)を知ることが出来る。バルブ組立体100は、この(完成された)固定弁体520を有する。
固定弁保持部材260は、固定弁本体280と固定弁下部材360とを連結する連結機構の一例である。この連結機構には、固定弁保持部材260のように、固定弁本体280及び固定弁下部材360とは別の部材が用いられてもよい。また、この連結機構には、当該別の部材が用いられなくてもよい。例えば、固定弁本体280と固定弁下部材360との間の凹凸係合によりこの連結が達成されてもよい。この凹凸係合として、例えば、可動弁上部材220と可動弁本体240との間の凹凸係合(前述)と同様の構成が採用されうる。また、固定弁下部材360が用いられず、固定弁体520が固定弁本体280のみによって形成されていてもよい。もちろん、固定弁下部材360が用いられない場合には、固定弁保持部材260等の部材は不要である。
この固定弁体520が、下ケース380にはめ込まれている。固定弁体520における軸方向延在部264が、下ケース380における隣り合う上方延在部392同士の間に配置されている(図19及び図20参照)。また、固定弁保持部材260の第1係合部272(凸部)が、下ケース380の第2係合部396(凹部)に係合する(図22(b)参照)。なお、第1係合部272が凹部とされ、第2係合部396が凸部とされてもよいことは当然である。
第1係合部272と第2係合部396との係合により、固定弁保持部材260の変形が抑制される。軸方向延在部264の下端は、円環連結部262が存在しないため、変位しやすい。第1係合部272と第2係合部396との係合は、この変位を抑制する。
軸方向延在部264の外面は、円周面を有する。この円周面は、径方向外側に凸の曲面である。同様に、軸方向延在部264の内面は、円周面を有する。この円周面も、径方向外側に凸の曲面である。このように、軸方向延在部264は、径方向外側に凸となるように曲がった湾曲部を有する。このため、上記対向面部274が開くような変形は起こりにくい。よって、対向面部274による突出重複部TS1の保持は安定的に維持される。なお、対向面部274が開くような変形とは、対向面部274の径方向内側における対向距離C1が、対向面部274の径方向外側における対向距離C1よりも大きくなるような変形である。
図25及び図26は、互いに重ねられた可動弁本体240及び固定弁本体280の平面図である。これらの平面図は、可動弁本体240の上側から見た図である。図25及び図26において、可動弁本体240の流路形成凹部242が一点鎖線で示されている。この流路形成凹部242は破線で示されるべきであるが、固定弁本体280の弁孔との区別を容易とするため、一点鎖線で示す。一方、固定弁本体280の各弁孔は、破線で示されている。即ち、湯用弁孔300、水用弁孔320及び吐出弁孔340は、破線で示されている。
図25は、弁孔止水状態の一例を示している。図25では、流路形成凹部242が湯用弁孔300及び水用弁孔320に重なっていない。すなわち、図25では、湯用弁孔300及び水用弁孔320が塞がれている。よって、水は出ない。
図26は、弁孔流通状態の一例を示している。図26では、流路形成凹部242が水用弁孔320に重なっている。よって、水が吐出される。図26の状態では、水のみが吐出される。もちろん、湯水混合栓10の機能から明らかなように、流路形成凹部242は、湯用弁孔300及び水用弁孔320の両方に重なることもできるし、湯用弁孔300のみに重なることもできる。
図27は、図21(b)の一部が拡大された断面図である。固定弁保持部材260と固定弁下部材360との間に、水の浸入を許容する隙間gp1が存在する。第1シール部材s2によるシーリングを達成するため、この隙間gp1は必要である。この隙間gp1に起因して、水は第1シール部材s2によるシーリングの位置にまで流入する。この流入した水と接触する上向き面374には、下向きの水圧力が作用する。また、この流入した水と接触する下向き面286には、上向きの水圧力が作用する。なお、図27には、吐水通過孔366に係る部分のみが図示されているが、上向き面374及び下向き面286は、湯通過孔362及び水通過孔364に係る部分にも存在する。
図27が示すように、固定弁下部材360と下ケース380との間に、水の浸入を許容する隙間gp2が設けられている。この隙間gp2に起因して、水は、第2シール部材s3によるシーリングの位置にまで流入する。この流入した水と接触する下向き面376(後述の受圧面U5)には、上向きの水圧力が作用する。なお、図27には、吐水通過孔366に係る部分のみが図示されているが、下向き面376と同様の下向き面は、湯通過孔362及び水通過孔364に係る部分にも存在する。
[上向き水圧力FU及び下向き水圧力FD]
水圧に起因して、固定弁本体280及び固定弁下部材360には、力FUと、力FDとが作用する。水に接触する面は、水圧を受ける。すなわち、水に接触する面は、受圧面である。力の方向は、その面に垂直な方向である。すなわち、受圧面の向きによって、力の向きが決定される。水圧による力のうち、軸方向上向きの力(軸方向上向きの成分)が、力FUである。この力FUは、水圧により受ける上向きの力である。力FUは、上向き水圧力FUとも称される。水圧による力のうち、軸方向下向きの力(軸方向下向きの成分)が、力FDである。この力FDは、水圧により受ける下向きの力である。力FDは、下向き水圧力FDとも称される。
固定弁体520が受ける力は、固定弁本体280が受ける力と、固定弁下部材360が受ける力との合計である。
[固定弁体520が水圧から受ける力]
固定弁体520において、水圧による下向きの力FDを受ける受圧面Dは、以下のD1、D2、D3、D4及びD5である。
(1)受圧面D1:湯用弁孔300の上向き面302(図25及び図26の実線ハッチング部分)
(2)受圧面D2:水用弁孔320の上向き面322(図25及び図26の実線ハッチング部分)
(3)受圧面D3:吐出弁孔340の上向き面342(図26の実線ハッチング部分)
(4)受圧面D4:上記隙間gp1に係る上向き面374(図27参照)
(5)受圧面D5:固定弁本体280の平滑面PL2のうち、流路形成凹部242と重なっている部分(図26の破線ハッチング部分)
受圧面D4は、湯通過孔362の周囲、水通過孔364の周囲、及び、吐水通過孔366の周囲のそれぞれに存在する。即ち、受圧面D4は、以下の受圧面D4−1、受圧面D4−2及び受圧面D4−3を有する。
(6)受圧面D4−1:上向き面374のうち、湯通過孔362に係る部分。
(7)受圧面D4−2:上向き面374のうち、水通過孔364に係る部分。
(8)受圧面D4−3:上向き面374のうち、吐水通過孔366に係る部分。
固定弁体520において、水圧による上向きの力FUを受ける受圧面Uは、以下のU1、U2、U3、U4及びU5である。
(1)受圧面U1:湯用弁孔300の下向き面304(図11(b)参照)
(2)受圧面U2:水用弁孔320の下向き面324(図11(b)参照)
(3)受圧面U3:吐出弁孔340の下向き面344(図11(b)参照)
(4)受圧面U4:上記隙間gp1に係る、固定弁本体280の下向き面286(図27参照)
(5)受圧面U5:上記隙間gp2に係る、固定弁下部材360の下向き面376(図27参照)
受圧面U4は、湯用弁孔300の周囲、水用弁孔320の周囲、及び、吐出弁孔340の周囲のそれぞれに存在する。即ち、受圧面U4は、以下の受圧面U4−1、受圧面U4−2及び受圧面U4−3を有する。
(6)受圧面U4−1:下向き面286のうち、湯用弁孔300に係る部分。
(7)受圧面U4−2:下向き面286のうち、水用弁孔320に係る部分。
(8)受圧面U4−3:下向き面286のうち、吐出弁孔340に係る部分。
また、受圧面U5は、湯通過孔362の周囲、水通過孔364の周囲、及び、吐水通過孔366の周囲のそれぞれに存在する。即ち、受圧面U5は、以下の受圧面U5−1、受圧面U5−2及び受圧面U5−3を有する。
(9)受圧面U5−1:下向き面376のうち、湯通過孔362に係る部分。
(10)受圧面U5−2:下向き面376のうち、水通過孔364に係る部分。
(11)受圧面U5−3:下向き面376のうち、吐水通過孔366に係る部分。
ここで、受圧面D1に作用する軸方向下向きの力がFD1とされ、受圧面D2に作用する軸方向下向きの力がFD2とされ、受圧面D3に作用する軸方向下向きの力がFD3とされ、受圧面D4に作用する軸方向下向きの力がFD4とされ、受圧面D5に作用する軸方向下向きの力がFD5とされる。
また、受圧面U1に作用する軸方向上向きの力がFU1とされ、受圧面U2に作用する軸方向上向きの力がFU2とされ、受圧面U3に作用する軸方向上向きの力がFU3とされ、受圧面U4に作用する軸方向上向きの力がFU4とされ、受圧面U5に作用する軸方向上向きの力がFU5とされる。
固定弁体520に作用する下向き水圧力FDは、FD1からFD5の合計である。固定弁体520に作用する上向き水圧力FUは、FU1からFU5の合計である。固定弁体520に作用する力FD及び力FUの計算式は、以下の通りである。
FD = FD1+FD2+FD3+FD4+FD5
FU = FU1+FU2+FU3+FU4+FU5
差(FU−FD)がプラスである場合、この差(FU−FD)は、固定弁本体280を可動弁本体240に押しつける力として作用する。即ち、FUがFDよりも大きい場合、差(FU−FD)は、固定弁本体280を可動弁本体240に押しつける力として作用する。
それぞれの力は、各受圧面の平面投影面積に比例する。この平面投影面積とは、図25及び図26に示すような平面視における面積を意味する。例えば、受圧面D1の平面投影面積は、図25及び図26の実線ハッチング部分の面積である。例えば、受圧面D1の平面投影面積に水圧を乗ずることによって、力FD1が算出されうる。
レバー160の左右回動位置及び前後回動位置に起因して、各弁孔同士の流通の有無が変化する。このため、止水及び吐水の切り替えがなされ、吐水温度も変化する。加えて、弁体(固定弁体520及び可動弁体250)よりも下流側で詰まりが生ずる場合がある。この詰まりによっても、止水状態が生じる。つまり、弁体において水が流通しうるにもかかわらず、弁体よりも下流における詰まりにより止水状態が生じうる。本願では、弁体よりも下流側が、二次側とも称される。
上述した各状態を区別するため、以下の用語が用いられる。弁孔が流通していない状態が、弁孔止水状態とも称される。また、弁孔同士の流通が達成されている状態が、弁孔流通状態とも称される。弁体よりも下流での詰まりによる止水状態が、二次側止水状態とも称される。弁孔流通状態においても、二次側止水状態により吐出がなされない場合がある。
二次側止水状態は、例えば、ヘッド24の詰まりによって生ずる。また例えば、ヘッド24において吐水仕様の切り替えが可能な場合において、当該切り替えの際に生ずる瞬間的な非流通も、二次側止水状態が生ずる。また例えば、弁体よりも下流側に浄水カートリッジ等を有する水栓において、当該浄水カートリッジにおける詰まりによって、二次側止水状態が生じうる。このような二次側止水状態は、通常は起こりにくいが、稀に、或いは瞬間的には起こりうる。よって、製品の仕様としては、この二次側止水状態にも対応しておく必要がある。従来、受圧面積のバランスにより、固定弁体に作用する水圧力が下向きになってしまっていたため、二次側止水状態では、この下向きの力が特に過大となっていた。従来、この過大な下向きの力も考慮して、パッキンによる初期押圧力が大きくされていた。
二次側止水状態をも考慮すると、この水栓において様々な状態が生じうる。これらの各状態は、受圧面が受ける圧力に影響する。
弁孔止水状態において、次の2つの状態が生じうる。
・[状態1A]:弁孔止水状態であり且つ二次側は流通している状態。
・[状態1B]:弁孔止水状態であり且つ二次側は詰まっている状態。
また、弁孔流通状態において、次の6つの状態が生じうる。
・[状態2A]:水用弁孔320は流通せず、湯用弁孔300が流通し、且つ二次側は流通している状態。
・[状態2B]:水用弁孔320は流通せず、湯用弁孔300が流通し、且つ二次側は詰まっている状態。
・[状態3A]:湯用弁孔300は流通せず、水用弁孔320が流通し、且つ二次側は流通している状態。
・[状態3B]:湯用弁孔300は流通せず、水用弁孔320が流通し、且つ二次側は詰まっている状態。
・[状態4A]:湯用弁孔300及び水用弁孔320が流通し、且つ二次側は流通している状態。
・[状態4B]:湯用弁孔300及び水用弁孔320が流通し、且つ二次側は詰まっている状態。
次の表1は、これらの各状態と、各受圧面が受ける水圧との関係を示す。
Figure 0006148715

表1が示すように、水が吐出されている状態では、各受圧面に作用する水圧は比較的小さくなる。この場合の水圧が、表1において「中」と表示されている。一方、水が止められている状態では、各受圧面に作用する水圧は比較的大きくなる。この場合の水圧が、表1において「大」と表示されている。
弁孔止水状態(状態1A、1B)では、流路形成凹部242よりも下流に水が流れない。よって、当該下流において水圧は作用しない。ただし、状態4Bから状態1Bに移行した場合、弁孔止水状態であっても、当該下流において水圧が作用する(表1の(注)を参照)。弁体が流通している場合、流路形成凹部242よりも下流に水が流れるため、当該下流において水圧が作用する。二次側止水状態では、二次側が流通している状態に比較して、水圧が高くなる。
なお、二次側止水状態は、弁体よりも下流側の詰まりが完全ではない場合も含む。特に状態2B、3B及び4Bでは、詰まりが完全ではなくても、各受圧面に作用する水圧は高めになる。
状態2Aにおいては、流通している水用弁孔320に比較して、閉じている湯用弁孔300では水圧が大きい。このため、湯用弁孔300及び湯通過孔362に係る受圧面には大きな水圧が作用する。また、状態3Aにおいては、流通している湯用弁孔300に比較して、閉じている水用弁孔320では水圧が大きい。このため、水用弁孔320及び水通過孔364に係る受圧面には大きな水圧が作用する。
レバー160の左右回動位置及び前後回動位置によって、流路形成凹部242の位置は変化する。レバー160の左右回動位置の変化により、湯水混合比率の調節が可能とされている。レバー160の前後回動位置の変化により、吐出量の調節が可能とされている。受圧面D5の面積は、流路形成凹部242の位置によって変化する。即ち、FD5は、流路形成凹部242の位置によって変化する。
[弁孔止水状態(状態1A)の固定弁体520における受圧面の面積]
状態1Aにおいて、本実施形態の固定弁体520における各受圧面の面積(平面投影面積)は、次の通りである。
(1)受圧面D1の面積:19.6mm
(2)受圧面D2の面積:19.6mm
(3)受圧面D3の面積:水圧無し
(4)受圧面D4の面積:130mm(D4−1とD4−2との合計面積)
(5)受圧面D5の面積:水圧無し(水圧を受ける部分は無い)
(6)受圧面U1の面積:33.73mm
(7)受圧面U2の面積:33.73mm
(8)受圧面U3の面積:水圧無し(水圧を受ける部分は無い)
(9)受圧面U4の面積:130mm(U4−1とU4−2との合計面積)
(10)受圧面U5の面積:172.6mm(U5−1とU5−2との合計面積)
したがって、この弁孔止水状態の固定弁体520において、下向きの力を受ける受圧面Dの面積MD1は、受圧面D1、受圧面D2及び受圧面D4の面積の合計であり、169.2mm である。また、この弁孔止水状態の固定弁体520において、上向きの力を受ける受圧面Uの面積MU1は、受圧面U1、受圧面U2、受圧面U4及び受圧面U5の面積の合計であり、370.06mm である。差(MU1−MD1)は、200.86mm である。面積MU1は、面積MD1よりも大きい。この状態1Aにおいて、固定弁体520には、水圧によって上向きの力が作用する。
状態1Aの固定弁体520において、差(FU−FD)は、差(MU1−MD1)に水圧を乗ずることによって算出される。例えば水圧が2.0MPaである場合、差(FU−FD)は、200.86×2.0=401.72(N)である。
状態1Bにおいて各受圧面に作用する水圧は、通常は、状態1Aと変わらない。ただし、上述の通り、状態4Bから状態1Bに移行した場合には、流路形成凹部242よりも下流側における水圧が保持される(表1の(注)を参照。)。
[弁孔止水状態の固定弁体520における面積MD1]
固定弁体の大きさは限られている。湯水混合栓に必要な吐水仕様を実現する為に、固定弁体の各弁孔における上面開口及び下面開口は適切に配置される必要がある。この配置に伴い、上向き面302及び上向き面322が設けられるのが好ましい。また、ウォーターハンマーを抑制し円滑な流れを達成する観点から、斜面を有する各上向き面(302及び322)を設けるのが好ましい。これらの観点から、弁孔止水状態における面積MD1は、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、140mm以上が更に好ましい。面積MD1を抑制して接触押圧力を確保する観点から、弁孔止水状態における面積MD1は、450mm以下が好ましく、300mm以下がより好ましく、200mm以下が更に好ましい。
[弁孔止水状態の固定弁体520における面積MU1]
上向き水圧力FUを大きくし、接触押圧力を高める観点から、弁孔止水状態における面積MU1は、150mm以上が好ましく、200mm以上がより好ましく、300mm以上が更に好ましい。接触押圧力が過大であると、可動弁本体と固定弁体との間の摩擦力(摺動抵抗)が増加し、レバーの操作性が低下しうる。この観点から、弁孔止水状態における面積MU1は、800mm以下が好ましく、600mm以下がより好ましく、450mm以下が更に好ましい。
[弁孔止水状態における差(MU1−MD1)]
上向き水圧力FUを大きくし、接触押圧力を高める観点から、弁孔止水状態における差(MU1−MD1)は、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、150mm以上が更に好ましい。接触押圧力が過大であると、上記摺動抵抗が増加し、レバーの操作性が低下しうる。この観点から、弁孔止水状態における差(MU1−MD1)は、500mm以下が好ましく、350mm以下がより好ましく、250mm以下が更に好ましい。
後述の通り、固定弁本体280の平面投影面積がSkとされる。(MU1−MD1)/Skの値が小さすぎると、(MU1−MD1)が小さくなって上向き水圧力FUが小さくなり、接触押圧力が過小となりうる。あるいは、(MU1−MD1)/Skの値が小さすぎると、面積Skが大きくなって水栓が大型化したり、コストが上昇したりしやすい。これらの観点から、弁孔止水状態における(MU1−MD1)/Skは、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.15以上がより好ましい。(MU1−MD1)/Skの値が大きすぎると、(MU1−MD1)が大きくなって接触押圧力が過大となり、摺動抵抗が増加して、レバーの操作性が低下しやすい。この観点から、弁孔止水状態における(MU1−MD1)/Skは、0.8以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がより好ましい。本実施形態では、弁孔止水状態における(MU1−MD1)/Skは0.23である。
[弁孔止水状態における比(MU1/MD1)]
上向き水圧力FUを大きくし、接触押圧力を高める観点から、弁孔止水状態における比(MU1/MD1)は、1.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.7以上が更に好ましい。接触押圧力が過大であると、上記摺動抵抗が増加し、レバーの操作性が低下しうる。この観点から、弁孔止水状態における比(MU1/MD1)は、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.5以下が更に好ましい。本実施形態では、弁孔止水状態における比(MU1/MD1)は、2.19である。
[弁孔流通状態(状態2Aから4B)の固定弁体520における受圧面の面積]
状態2Aから4Bにおいて、本実施形態の固定弁体520における各受圧面の面積(平面投影面積)は、次の通りである。
(1)受圧面D1の面積:19.6mm
(2)受圧面D2の面積:19.6mm
(3)受圧面D3の面積:160.5mm
(4)受圧面D4の面積:195mm(D4−1、D4−2及びD4−3の合計面積)
(5)受圧面D5の面積:51.6mm (図26の場合)
(6)受圧面U1の面積:33.73mm
(7)受圧面U2の面積:33.73mm
(8)受圧面U3の面積:21.16mm
(9)受圧面U4の面積:195mm(U4−1、U4−2及びU4−3の合計面積)
(10)受圧面U5の面積:258.9mm(U5−1、U5−2及びU5−3の合計面積)
したがって、この弁孔流通状態(図26の状態)の固定弁体520において、下向きの力を受ける受圧面Dの面積MD1は、D1、D2、D3、D4及びD5の面積の合計であり、446.3mm である。また、この弁孔流通状態の固定弁体520において、上向きの力を受ける受圧面Uの面積MU1は、U1、U2、U3、U4及びU5の面積の合計であり、542.52mm である。差(MU1−MD1)は、96.22mm である。弁孔流通状態においても、面積MU1は面積MD1よりも大きい。この弁孔流通状態において、固定弁体520には、水圧によって上向きの力が作用する。特に、二次側止水状態(状態2B、3B及び4B)では、水圧が大きいため、この上向きの力が大きくなる。
この弁孔流通状態の固定弁体520において、差(FU−FD)は、差(MU1−MD1)に水圧を乗ずることによって算出される。例えば水圧が2.0MPaである場合、差(FU−FD)は、96.22×2.0=192.44(N)である。なお、表1が示すように、状態2A及び状態3Aでは、受圧面間で圧力が相違している。このような場合は、各受圧面毎に、当該受圧面に作用する水圧を乗じて、圧力が算出される。
上述の通り、同じ弁孔流通状態であっても、受圧面D5の面積は変化しうる。しかし、この受圧面D5の面積が最大となる場合であっても、面積MU1は面積MD1よりも大きい。すなわち、固定弁体520と可動弁本体240との位置関係に関わらず、あらゆる弁孔流通状態(状態2A、2B、3A、3B、4A及び4B)において、面積MU1は面積MD1よりも大きい。弁孔止水状態(状態1A及び1B)においても、面積MU1は面積MD1よりも大きい。レバーの左右回動位置及びレバーの前後回動位置に関わらず、面積MU1は面積MD1よりも大きい。本実施形態において、弁孔流通状態における受圧面D5の面積の変化は、最小値が28.76mm であり、最大値が51.6mm である
従来技術では、弁孔流通状態において、面積MU1は面積MD1よりも小さかった。この場合、差(FU−FD)はマイナスとなる。即ち、固定弁体520には、水圧によって下向きの力が作用する。この下向きの力に対抗して、可動弁本体と固定弁本体との間の押圧力(接触押圧力)を確保するため、従来、固定弁本体に付与される上向きの外力(上向き外力)が必要であった。従来、この上向き外力は、大きく圧縮変形されたパッキンにより付与されていた。この上向き外力は、水圧が無い状態或いは水圧が低い状態でも付与されることとなる。よって従来、未使用状態が長い場合等において、リンキングが生じやすかった。また、パッキンの耐久性の低下、更には、パッキンの永久歪に起因する水密性の低下が生じやすかった。加えて、パッキンでは、応力緩和及び冷温収縮が生じるため、上記上向き外力が変動しやすかった。かかる変動を見越してパッキンによる上向き外力をより大きくし、より大きな初期押圧力を設定した場合、固定弁体520と可動弁体250との間の摩擦力が大きくなり、操作荷重及び摩耗量が増加し、寿命が低下する。
本実施形態では、隙間gp2を設け、固定弁下部材360の下面に受圧面U5が設けされている。固定弁下部材360の下面を用いることで、広い受圧面Uが確保されている。このため、本実施形態では、弁孔流通状態(状態2A、2B、3A、3B、4A及び4B)において、面積MU1が面積MD1よりも大きい。弁孔流通状態における水圧により、固定弁体520に上向きの力が付与される。よって、パッキンによる上記上向き外力を減らすことができる。このため、リンキングが抑制される。また、このパッキンによる上向き外力(初期押圧力)を抑制できるため、固定弁体520と可動弁体250との間の摩擦力を小さくすることができ、操作荷重及び摩耗量を小さくすることができる。このため、水栓の寿命を長くすることができる。また、パッキンを強く圧縮する必要がなくなり、パッキンの耐久性が向上する。上述したバルブ組立体100では、パッキンから固定弁体520に付与される上向き力は存在しない。上述したバルブ組立体100では、第1シール部材s2から固定弁体520に付与される上向き力は存在しない。上述したバルブ組立体100では、第2シール部材s3から固定弁体520に付与される上向き力は存在しない。
なお、固定弁下部材360を用いない場合、受圧面U5に相当する受圧面Uが、固定弁本体280に設けられてもよい。この受圧面Uは、例えば、上述の下面PL3に設けられうる。また、固定弁本体280の各弁孔の形状を工夫することで、受圧面Uを増加させることもできる。ただし、固定弁本体280の大きさには限りがあり、また固定弁本体280をセラミック製とした場合には受圧面Uを増加させうる形状を製造上実現し難く、また受圧面Uを増加させる特殊な形状とすると製造コストが高くなる。よって、各弁孔において受圧面Uを増加させるのは容易ではない。これらの観点から、固定弁下部材360を設けて、この固定弁下部材360に受圧面Uを設けるのが好ましい。
弁孔流通状態においては、下向き水圧力FDが増加するが、その主な原因は、上記受圧面D3にある。下向き水圧力FDに係る受圧面のうち、吐出弁孔340の受圧面D3は広い(図26参照)。この広い受圧面D3は、弁孔流通状態にのみ水圧を受ける。弁孔流通状態では、固定弁体520に作用する下向き水圧力FDが増加しやすい。
従来、弁孔流通状態において、面積MD1が面積MU1よりも大きかった。換言すれば、従来、固定弁体520において、下向き水圧力FDが上向き水圧力FUよりも大きかった。即ち、水圧によって固定弁体520には下向きの力が作用していた。この下向きの力は、可動弁体250から固定弁体520を離す方向に作用する。可動弁体250と固定弁体520との間の接触押圧力が不足すると、水漏れが生ずる。このため従来、この接触押圧力の不足を防止するため、パッキンを大きく圧縮変形させて、上向き外力を発生させていた。これに対して、本実施形態では、水圧を利用して上向き外力を付与している。本実施形態では、弁孔流通状態で適切な接触押圧力が付与されると同時に、弁孔止水状態では、過剰な接触押圧力が抑制される。
[弁孔流通状態の固定弁体520における面積MD1]
固定弁体の大きさは限られている。湯水混合栓に必要な吐水仕様を実現する為に、固定弁体の各弁孔における上面開口及び下面開口は適切に配置される必要がある。この配置に伴い、上向き面302、上向き面322及び上向き面342が設けられるのが好ましい。また、ウォーターハンマーを抑制し円滑な流れを達成する観点から、斜面を有する各上向き面(302、322及び342)を設けるのが好ましい。これらの観点から、弁孔流通状態における面積MD1は、150mm以上が好ましく、300mm以上がより好ましく、400mm以上が更に好ましい。面積MD1を抑制して接触押圧力を確保する観点から、弁孔流通状態における面積MD1は、800mm以下が好ましく、650mm以下がより好ましく、500mm以下が更に好ましい。なお、この弁孔流通状態における面積MD1はレバーの左右回動位置及び前後回動位置によって変化するが、その変化の範囲内における面積MD1の最大値が上記数値限定を満たすのが好ましい。本実施形態では、受圧面D5の面積が変化するので、この受圧面D5の面積が最大となる状態において、面積MD1が上記数値限定を満たすのが好ましい。
[弁孔流通状態の固定弁体520における面積MU1]
上向き水圧力FUを大きくし、接触押圧力を高める観点から、弁孔流通状態における面積MU1は、200mm以上が好ましく、400mm以上がより好ましく、500mm以上が更に好ましい。接触押圧力が過大であると、可動弁本体と固定弁体との間の摩擦力(摺動抵抗)が増加し、レバーの操作性が低下しうる。この観点から、弁孔流通状態における面積MU1は、900mm以下が好ましく、700mm以下がより好ましく、600mm以下が更に好ましい。
[弁孔流通状態における差(MU1−MD1)]
上向き水圧力FUを大きくし、接触押圧力を高める観点から、弁孔流通状態における差(MU1−MD1)は、30mm以上が好ましく、50mm以上がより好ましく、80mm以上が更に好ましい。接触押圧力が過大であると、上記摺動抵抗が増加し、レバーの操作性が低下しうる。この観点から、弁孔流通状態における差(MU1−MD1)は、400mm以下が好ましく、250mm以下がより好ましく、150mm以下が更に好ましい。
後述の通り、固定弁本体280の平面投影面積がSkとされる。(MU1−MD1)/Skの値が小さすぎると、(MU1−MD1)が小さくなって上向き水圧力FUが小さくなり、接触押圧力が過小となりうる。あるいは、(MU1−MD1)/Skの値が小さすぎると、面積Skが大きくなって水栓が大型化したり、コストが上昇したりしやすい。これらの観点から、弁孔流通状態における(MU1−MD1)/Skは、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.08以上がより好ましい。(MU1−MD1)/Skの値が大きすぎると、(MU1−MD1)が大きくなって接触押圧力が過大となり、摺動抵抗が増加して、レバーの操作性が低下しやすい。この観点から、弁孔流通状態における(MU1−MD1)/Skは、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下がより好ましい。本実施形態では、弁孔流通状態における(MU1−MD1)/Skは0.11である。
[弁孔流通状態における比(MU1/MD1)]
上向き水圧力FUを大きくし、接触押圧力を高める観点から、弁孔流通状態における比(MU1/MD1)は、1.05以上が好ましく、1.1以上がより好ましく、1.2以上が更に好ましい。接触押圧力が過大であると、上記摺動抵抗が増加し、レバーの操作性が低下しうる。この観点から、弁孔流通状態における比(MU1/MD1)は、2.0以下が好ましく、1.7以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましい。本実施形態では、弁孔流通状態における比(MU1/MD1)は、1.22である。
[固定弁下部材360が受ける力FA、力FB]
上述した受圧面D1からD5のうち、固定弁本体280が有する受圧面Dは、受圧面D1、受圧面D2、受圧面D3及び受圧面D5である。一方、上述した受圧面D1からD5のうち、固定弁下部材360が有する受圧面Dは、受圧面D4である。この受圧面D4に起因して、固定弁下部材360は、水圧により下向きの力FBを受ける。
また、上述した受圧面U1からU5のうち、固定弁本体280が有する受圧面Uは、受圧面U1、受圧面U2、受圧面U3及び受圧面U4である。一方、受圧面U1からU5のうち、固定弁下部材360が有する受圧面Uは受圧面U5である。この受圧面U5に起因して、固定弁下部材360は、水圧により上向きの力FAを受ける。
[弁孔止水状態の固定弁下部材360における受圧面の面積MD2、MU2]
固定弁下部材360の受圧面は、受圧面D4及び受圧面U5である。弁孔止水状態の固定弁下部材360における受圧面D及び受圧面Uの面積は、次の通りである。
(1)受圧面D4の面積:130mm (D4−1及びD4−2の合計面積)
(2)受圧面U5の面積:172.6mm(U4−1及びU4−2の合計面積)
この弁孔止水状態の固定弁下部材360において、下向きの力を受ける受圧面Dの面積MD2は、受圧面D4の面積であり、130mm である。また、この弁孔止水状態の固定弁下部材360において、上向きの力を受ける受圧面Uの面積MU2は、受圧面U5の面積であり、172.6mm である。差(MU2−MD2)は、42.6mm である。この弁孔止水状態において、面積MU2は、面積MD2よりも大きい。よって、この弁孔止水状態において、上向きの力FAは、下向きの力FBよりも大きい。差(FA−FB)は正の値である。この弁孔止水状態において、固定弁下部材360には、水圧によって上向きの力(FA−FB)が作用する。
[弁孔止水状態における面積MD2]
固定弁本体280と固定弁下部材360とを設ける場合、これらの間にシール部材が配置される(本実施形態における第1シール部材s2を参照)。この場合、水は、当該シール部材によるシーリングの位置にまで流入する。結果として、固定弁下部材360には、水圧を受ける上向き面が生じる(図27の上向き面374参照)。この上向き面は、下向き水圧力FDを受ける。この下向き水圧力FDは、固定弁下部材360を固定弁本体280から離す方向に作用する。この下向き水圧力FDは、固定弁保持部材260に負荷を与えうる。よって、固定弁下部材360に作用する下向き水圧力FDは抑制されるのが好ましい。
固定弁下部材360の分離を防ぎ、固定弁体520の一体性を維持する観点から、固定弁下部材360における受圧面Dの面積MD2は小さいのが好ましい。この観点から、弁孔止水状態における面積MD2は、300mm以下が好ましく、200mm以下がより好ましく、150mm以下が更に好ましい。面積MD2は小さいほど好ましいが、シール構造に起因して不可避的に生じうる面積MD2を考慮すると、弁孔止水状態における面積MD2は、30mm以上、更には80mm以上、更には100mm以上となりやすい。
[弁孔止水状態における面積MU2]
面積MU2を面積MD2よりも大きくし、固定弁体520の一体性を高める観点から、固定弁下部材360における受圧面Uの面積MU2は大きいのが好ましい。弁孔止水状態における面積MU2は、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、140mm以上が更に好ましい。固定弁体の大きさ及びパッキンの配置等を考慮すると、弁孔止水状態における面積MU2は、450mm以下が好ましく、300mm以下がより好ましく、200mm以下が更に好ましい。
[弁孔止水状態における差(MU2−MD2)]
固定弁体520の一体性を高める観点から、弁孔止水状態における差(MU2−MD2)は、10mm以上が好ましく、25mm以上がより好ましく、35mm以上が更に好ましい。差(MU2−MD2)が過大であると、固定弁本体280と固定弁下部材360との間のシール部材が過度に圧縮される場合がある。この観点から、弁孔止水状態における差(MU2−MD2)は、130mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましく、60mm以下が更に好ましい。
後述の通り、固定弁本体280の平面投影面積がSkとされる。(MU2−MD2)/Skの値が小さすぎると、(MU2−MD2)が小さくなって固定弁体の一体性が不足しやすくなったり、面積Skが大きくなって水栓が大型化したり、コストが上昇したりしやすい。これらの観点から、弁孔止水状態における(MU2−MD2)/Skは、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.04以上がより好ましい。(MU2−MD2)/Skの値が大きすぎると、(MU2−MD2)が大きくなって固定弁本体280と固定弁下部材360との間の第1シール部材s2が過度に圧縮されたり、面積Skが小さすぎて吐水の水量が不足しやすい。これらの観点から、弁孔止水状態における(MU2−MD2)/Skは、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.07以下がより好ましい。本実施形態では、(MU2−MD2)/Skは0.05である。
[弁孔止水状態における比(MU2/MD2)]
固定弁体520の一体性を高める観点から、弁孔止水状態における比(MU2/MD2)は、1.05以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.25以上が更に好ましい。比(MU2/MD2)が過大であると、固定弁本体280と固定弁下部材360との間のシール部材が過度に圧縮される場合がある。この観点から、弁孔止水状態における比(MU2/MD2)は、3.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましい。なお、本実施形態において、弁孔止水状態における比(MU2/MD2)は、1.33である。
[弁孔流通状態の固定弁下部材360における受圧面の面積MD2、MU2]
弁孔流通状態の固定弁下部材360における受圧面D及び受圧面Uの面積は、次の通りである。
(1)受圧面D4の面積:195mm(D4−1、D4−2及びD4−3の合計面積)
(2)受圧面U5の面積:258.9mm(U5−1、U5−2及びU5−3の合計面積)
この弁孔流通状態の固定弁下部材360において、下向きの力を受ける受圧面Dの面積MD2は、受圧面D4の面積であり、195mm である。また、この弁孔流通状態の固定弁下部材360において、上向きの力を受ける受圧面Uの面積MU2は、受圧面U5の面積であり、258.9mm である。差(MU2−MD2)は、63.9mm である。面積MU2は、面積MD2よりも大きい。この弁孔流通状態において、上向きの力FAは、下向きの力FBよりも大きい。差(FA−FB)は正の値である。この弁孔流通状態において、固定弁下部材360には、水圧によって上向きの力(FA−FB)が作用する。
このように、弁孔流通状態(状態2A、2B、3A、3B、4A及び4B)と弁孔止水状態(状態1A及び1B)とに関わらず、面積MU2は面積MD2よりも大きい。レバーの左右回動位置及びレバーの前後回動位置に関わらず、面積MU2は面積MD2よりも大きい。レバーの左右回動位置及びレバーの前後回動位置に関わらず、力FAは力FBよりも大きい。
[弁孔流通状態における面積MD2]
固定弁下部材360の分離を防ぎ、固定弁体520の一体性を維持する観点から、固定弁下部材360における受圧面Dの面積MD2は小さいのが好ましい。この観点から、弁孔流通状態における面積MD2は、500mm以下が好ましく、350mm以下がより好ましく、250mm以下が更に好ましい。面積MD2は小さいほど好ましいが、シール構造に起因して不可避的に生じうる面積MD2を考慮すると、弁孔流通状態における面積MD2は、50mm以上、更には100mm以上、更には150mm以上となりやすい。
[弁孔流通状態における面積MU2]
面積MU2を面積MD2よりも大きくし、固定弁体520の一体性を高める観点から、固定弁下部材360における受圧面Uの面積MU2は大きいのが好ましい。弁孔流通状態における面積MU2は、100mm以上が好ましく、150mm以上がより好ましく、200mm以上が更に好ましい。固定弁体の大きさ及びパッキンの配置等を考慮すると、弁孔流通状態における面積MU2は、550mm以下が好ましく、400mm以下がより好ましく、300mm以下が更に好ましい。
[弁孔流通状態における差(MU2−MD2)]
固定弁体520の一体性を高める観点から、弁孔流通状態における差(MU2−MD2)は、10mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、50mm以上が更に好ましい。差(MU2−MD2)が過大であると、固定弁本体280と固定弁下部材360との間のシール部材が過度に圧縮される場合がある。この観点から、弁孔流通状態における差(MU2−MD2)は、150mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましく、80mm以下が更に好ましい。
後述の通り、固定弁本体280の平面投影面積がSkとされる。(MU2−MD2)/Skの値が小さすぎると、(MU2−MD2)が小さくなって固定弁体の一体性が不足しやすくなったり、面積Skが大きくなって水栓が大型化したり、コストが上昇したりしやすい。これらの観点から、弁孔流通状態における(MU2−MD2)/Skは、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上がより好ましい。(MU2−MD2)/Skの値が大きすぎると、(MU2−MD2)が大きくなって固定弁本体280と固定弁下部材360との間の第1シール部材s2が過度に圧縮されたり、面積Skが小さすぎて吐水の水量が不足しやすい。これらの観点から、弁孔流通状態における(MU2−MD2)/Skは、0.25以下が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.10以下がより好ましい。本実施形態では、(MU2−MD2)/Skは0.07である。
[弁孔流通状態における比(MU2/MD2)]
固定弁体520の一体性を高める観点から、弁孔流通状態における比(MU2/MD2)は、1.05以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.25以上が更に好ましい。比(MU2/MD2)が過大であると、固定弁本体280と固定弁下部材360との間のシール部材が過度に圧縮される場合がある。この観点から、弁孔流通状態における比(MU2/MD2)は、3.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましい。なお、本実施形態において、弁孔流通状態における比(MU2/MD2)は、1.33である。
固定弁本体280の大きさは、上述の面積MD1、MU1、MD2及びMU2に関連しうる。図11(b)の平面図において、外縁輪郭線Lkが決定される。この外縁輪郭線Lkで描かれる図形の面積Skが、固定弁本体280の平面投影面積と定義される。湯水混合栓として必要な吐水仕様を実現する観点から、固定弁本体280の平面投影面積は、400mm以上が好ましく、600mm以上がより好ましく、800mm以上が更に好ましい。バルブ組立体100の小型化の観点から、固定弁本体280の平面投影面積は、1400mm以下が好ましく、1200mm以下がより好ましく、1000mm以下が更に好ましい。なお、本実施形態において、固定弁本体280の平面投影面積Skは、860である。
水圧によって固定弁下部材360に下向きの力が作用する場合、この下向きの力は、固定弁下部材360を固定弁本体280から引き離す力となる。このため、固定弁保持部材260(連結機構)に負荷がかかり、且つ、第1シール部材s2によるシーリングが弱くなる。本実施形態では、水圧によって固定弁下部材360に作用する力が上向きである。この上向きの力は、固定弁下部材360を固定弁本体280に押しつける力となる。よって、例えば水圧が上昇した場合であっても、固定弁本体280と固定弁下部材360との結合が安定的に維持される。また、固定弁保持部材260(連結機構)への負荷が低減される。
[補助付勢部材]
前述のとおり、固定弁下部材360(固定弁体520)の下側には、弾性体420が設けられている(図4及び図23参照)。弾性体420は、固定弁体520と下ケース380との間に配置されている。弾性体420は、スプリング(コイルスプリング)である。弾性体420は、圧縮バネである。弾性体420の軸線は、軸方向に平行である。弾性体420は、補助付勢部材の一例である。
弾性体420による付勢力は、軸方向に作用している。弾性体420は、固定弁体520を上側に付勢している。レバーの左右回動位置及びレバーの前後回動位置に関わらず、弾性体420は、固定弁体520を上側に付勢している。バーの左右回動位置及びレバーの前後回動位置に関わらず、弾性体420による上側への付勢力は一定である。この付勢力は比較的小さい。
上述の通り、本実施形態では、上向き水圧力FUを利用して、上記接触押圧力を確保している。水圧が低い場合及び水圧が無い場合に、当該接触押圧力が不足する場合がある。補助付勢部材420により、水圧が低い場合及び水圧が無い場合であっても、適切な接触押圧力が確保される。
補助付勢部材420は、(湯及び水の)流路に設けられていない。補助付勢部材420は、流路の外に設けられている。補助付勢部材420は、水に接触していない。よって、補助付勢部材420では、水が接触することによる劣化が生じない。
上述の通り、パッキンにより上向き外力を生じさせることも可能である。しかし、パッキンの場合、応力緩和及び冷温収縮が生じ、上向き外力が変動しやすい。コイルスプリング420を用いることで、安定した上向き外力が得られる。
水圧が低い場合及び水圧が無い場合において、可動弁体250と固定弁体520との間からの水漏れを防止する観点から、補助付勢部材420が固定弁体520に付与する上方向の付勢力FSは、50N以上が好ましく、100N以上がより好ましく、150N以上が更に好ましい。リンキングを抑制する観点から、補助付勢部材420が固定弁体520に付与する上方向の付勢力FSは、400N以下が好ましく、300N以下がより好ましく、200N以下が更に好ましい。本実施形態のように、弾性体420が複数である場合、この付勢力FSは、全ての弾性体420による付勢力の合計である。本実施形態では、補助付勢部材420が固定弁体520に付与する上方向の付勢力FSは、170Nである。
なお、前述の通り、固定弁下部材360を用いない場合、受圧面U5に相当する面が、固定弁本体280に設けられうる。この場合、固定弁本体280とその下側の部材との間のシール性が不足しやすいが、弾性体420はそのシール性を高めうる。
[シール部材]
図27が示すように、第1シール部材s2は、固定弁本体280と固定弁下部材360との間に設けられている。より詳細には、第1シール部材s2は、固定弁本体280の下面PL3と固定弁下部材360の上面(シール溝m2の底面)との間に設けられている。第1シール部材s2は、軸方向に圧縮されている。この圧縮により、第1シール部材s2のシール性が発揮される。固定弁保持部材260による挟み込みが、第1シール部材s2の圧縮を維持している。対向面部274の対向距離C1に起因する寸法関係が、第1シール部材s2のシール性を維持している。このように、固定弁保持部材260(連結機構)に起因して、第1シール部材s2が軸方向に圧縮されている。
上述の通り、固定弁保持部材260には、水圧による上向きの力を受ける。しかし、この水圧による力のみでは、第1シール部材s2のシール性(圧縮度合い)が不足する場合がある。本実施形態では、固定弁保持部材260を設けているため、上向き外力に関わらずシール性が維持される。すなわち、パッキン等による上向き外力に依存することなく、第1シール部材s2によるシール性が安定的に維持される。
リンキングを防止するためには、上記接触押圧力を小さくするのがよいが、その場合、上記第1シール部材s2のシール性(圧縮度合い)が低下しうる。逆に言えば、第1シール部材s2のシール性を維持するため、固定弁下部材360への上向き外力をを大きくすると、水圧が無い状態における上記接触押圧力も大きくなり、リンキングが生じやすい。本実施形態では、固定弁保持部材260を用いることで、第1シール部材s2のシール性(圧縮度合い)と上記接触押圧力とをそれぞれ個別に設定することができる。よって、第1シール部材s2のシール性を確保しながら、上記接触押圧力を適切に設定することができる。
なお、第1シール部材s2は、セラミックの研磨面である下面PL3に当接している。このため、固定弁本体280と固定弁下部材360との間で周方向位置(位相)に若干のズレが生じた場合であっても、シール性が維持される。
図27が示すように、第2シール部材s3は、固定弁下部材360と下ケース380との間に設けられている。
前述の通り、下ケース380は、側面SF1を有する。側面SF1は、軸方向に沿って延びている。側面SF1は、円周面である。また、前述の通り、固定弁下部材360は、側面SF2を有する。側面SF2は、軸方向に沿って延びている。側面SF2は、円周面である。第2シール部材s3は、側面SF1と側面SF2とに挟まれている。第2シール部材s3は、軸垂直方向に圧縮されている。第2シール部材s3は、第2シール部材s3の径方向に圧縮されている。このように、下ケース380は上方に延びる側面SF1を有し、固定弁下部材360は下方に延びる側面SF2を有し、第2シール部材s3は上記側面SF1と上記側面SF2とに挟まれて軸垂直方向に圧縮されている。
第2シール部材s3のシール性(圧縮度合い)は、水圧等に起因する力に影響されない。第2シール部材s3のシール性は、下向き水圧力FD及び上向き水圧力FUに影響されない。第2シール部材s3のシール性は、側面SF1と側面SF2との間の隙間距離により定まる。よって、固定弁下部材360と下ケース380との間のシール性は高く、且つ、シール性のバラツキが少ない。固定弁下部材360と下ケース380との間では、安定的なシール性が確保されている。
なお、第1シール部材s2及び第2シール部材s3などのシール部材の材質としては、フッ素系ゴムが好ましい。このフッ素系ゴムとして、フッ化ビニリデン系(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系(FFKM)等が例示される。
本実施形態では、以下の構成が、周方向の複数箇所(3箇所)に均等に分配されている。これらの均等な分配は、各部材間における安定的な固定に寄与している。
(構成a)固定弁保持部材260の軸方向延在部264
(構成b)重複体500の突出重複部TS1
(構成c)下ケース380の上方延在部392
(構成d)下ケース380の上方延在部392
(構成e)上方延在部392の係合部(係合凸部)388
(構成f)上ケース120の係合部(係合孔)122
(構成g)下ケース380の係合凹部390
(構成h)上ケース120の係合凸部128
上記構成aと構成bとに起因して、重複体500(固定弁本体280及び固定弁下部材360)が固定弁保持部材260によって確実に固定されている。また、上述の通り、固定弁保持部材260は、重複体500との相対回転によって重複体500に取り付けられているため、外れにくい。また、上方延在部392と軸方向延在部264とが周方向に交互に配置されるため、固定弁保持部材260及び固定弁体520の回転が下ケース380によって防止されている。すなわち、固定弁体520が下ケース380によって確実に固定されている。固定弁体520が下ケース380に固定された状態では、固定弁保持部材260が重複体500に対して回転することができないので、固定弁保持部材260が重複体500から外れることがない。
上記構成eと構成fとが互いに係合することで、上ケース120が下ケース380にバランス良く固定されている。更に、上記構成gと構成hとが互いに係合することで、上ケース120が下ケース380にバランス良く固定されている。
固定弁下部材360の材質として、樹脂及び金属が例示される。複雑な形状への成形性の観点から、樹脂が好ましい。この樹脂には、繊維強化樹脂も含まれる。好ましい樹脂として、PA樹脂、ABS樹脂、POM樹脂、PPS樹脂、PC樹脂及びこれらの繊維強化材が例示される。PA樹脂とは、ポリアミド樹脂である。ABS樹脂とは、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂である。POM樹脂とは、ポリアセタール樹脂である。PPS樹脂とはポリフェニレンスルフィド樹脂である。PC樹脂とは、ポリカーボネート樹脂である。
固定弁保持部材260の材質として、樹脂及び金属が例示される。複雑な形状への成形性の観点から、樹脂が好ましい。この樹脂には、繊維強化樹脂も含まれる。好ましい樹脂として、PA樹脂、ABS樹脂、POM樹脂、PPS樹脂、PC樹脂及びこれらの繊維強化材が例示される。
実開平6−85974号公報に明示された構成と上記実施形態との対比において、この対比に基づく上記実施形態の作用効果を例示的に列記すると、以下の通りである。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、水圧による上向き力がシール環10に作用し、このシール環10から固定弁板7に伝達される。このため、シール環10の劣化や経時変化によって、固定弁板への伝達力が変化しやすい。またシール環10は、初期潰し時に受ける圧力に加え、水圧による圧力も受けて過剰に潰されるため、劣化が促進される可能性が高い。上記実施形態では、固定弁本体280と固定弁下部材360とが一体化された固定弁体520が水圧を受けるため、固定弁本体280への伝達力は変動しにくい。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、スプリング11が流路内に設けられている。このため、スプリング11が、水或いは当該水に含まれる塩素などの物質によって劣化しやすい。上記実施形態では、スプリング420が流路外に設けられているため、このような問題は生じない。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、シール環10の外周面でシーリングがなされている。このシーリングのシール圧は、寸法設定に基づくシール圧と、水圧から付与される半径方向外側への力によるシール圧と、スプリング11の軸方向押圧力に起因するシール環10の外径の増加によるシール圧とに起因する。しかし、これらのシール圧のみでは、シール性が不足する危惧がある。特に水圧が低い場合、この危惧が大きい。上記実施形態では、第2シール部材s3のシール圧は、部材間の寸法(側面SF1と側面SF2との間の隙間距離)により決定されるため、このような危惧は無い。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、シール環10がスプリング11の上端で付勢されている。スプリング11とシール環10との当接位置、これらの部材の寸法誤差、これらの部材の劣化等が原因で、スプリング11に押圧されたシール環10に異常な変形が生じ、シール環10の外周面と本体ブロック3の内周面とが離間する危惧がある。上記実施形態では、スプリングがシール部材に当接していないので、このような危惧は無い。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、シール環10がスプリング11の上端で付勢されている。スプリング11とシール環10との当接位置では、スプリング11がシール環10に食い込む。シール環10の劣化及び経時変化に起因して、スプリング11の食い込み量が変化し、結果としてシール環10の軸方向のシール力にバラツキや変化が生じる危惧がある。上記実施形態では、スプリング420がシール部材に当接していないので、このような危惧は無い。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、シール環10がスプリング11の上端で付勢されている。スプリング11とシール環10との当接位置では、スプリング11に摩滅及び傷つきが生じる。このため、スプリング11の付勢力が低下し、上記接触押圧力が低下する危惧がある。上記実施形態では、スプリング420がシール部材に当接していないので、このような危惧は無い。
実開平6−85974号公報に開示の構成では、シール環10が軸方向に長い。水温の変化により、シール環10の熱膨張量が変化し、この変化が、シール力を変動させやすい。また、使用初期において、シール環10の経時変化によるシール環10の膨張が生じ、使用後期において、シール環10の経時変化によるシール環10の収縮が生じる。軸方向に長いシール環10では、これらの膨張及び収縮が、シール力を変化させやすい。上記実施形態の第2シール部材s3では、このような軸方向シール力の変化は生じにくい。
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も記載されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成及びそれらの組み合わせは、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
上記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。
本発明は、あらゆる用途の湯水混合栓に適用されうる。
10・・・湯水混合栓
12・・・混合栓本体
14・・・ハンドル
16・・・吐出部
18・・・湯導入管
20・・・水導入管
22・・・吐出管
100・・・バルブ組立体
120・・・上ケース
160・・・レバー
220・・・可動弁上部材
240・・・可動弁本体
250・・・可動弁体
260・・・固定弁保持部材
280・・・固定弁本体
360・・・固定弁下部材
380・・・下ケース
420・・・弾性体(コイルスプリング)
s1・・・シール部材
s2・・・シール部材(第1シール部材)
s3・・・シール部材(第2シール部材)
PL1・・・可動弁本体の下面(平滑面、研磨面)
PL2・・・固定弁本体の上面(平滑面、研磨面)
PL3・・・固定弁本体の下面(平滑面、研磨面)
D1〜D5・・・下向き水圧力を受ける受圧面
U1〜U5・・・上向き水圧力を受ける受圧面

Claims (6)

  1. 固定弁体と、
    上記固定弁体の上で摺動しうる可動弁体と、
    上記固定弁体の下側に設けられた下ケースと、
    左右回動及び前後回動が可能であり上記可動弁体を操作しうるレバーと、
    を有しており、
    上記レバーの左右回動位置の変化により、湯水混合比率の調節が可能とされており、
    上記レバーの前後回動位置の変化により、吐出量の調節が可能とされており、
    上記固定弁体が水圧により受ける上向きの力がFUとされ、上記固定弁体が水圧により受ける下向きの力がFDとされるとき、
    上記レバーの上記左右回動位置及び上記前後回動位置に関わらず、上記力FUが上記力FDよりも大きい湯水混合栓。
  2. 上記固定弁体が、上記可動弁体に接触する固定弁本体と、この固定弁本体の下側に位置する固定弁下部材とを有する請求項1に記載の湯水混合栓。
  3. 上記固定弁体が、上記固定弁本体と上記固定弁下部材との間に配置された第1シール部材と、上記固定弁本体と上記固定弁下部材とを連結する連結機構とを有しており、
    上記連結機構に起因して、この第1シール部材が軸方向に圧縮されている請求項2に記載の湯水混合栓。
  4. 上記固定弁体と上記下ケースとの間に第2シール部材が更に設けられており、
    この第2シール部材が、軸垂直方向に圧縮されている請求項1から3のいずれかに記載の湯水混合栓。
  5. 上記固定弁体を上側に付勢する補助付勢部材が更に設けられている請求項1から4のいずれかに記載の湯水混合栓。
  6. 固定弁体と、
    上記固定弁体の上で摺動しうる可動弁体と、
    左右回動及び前後回動が可能であり上記可動弁体を操作しうるレバーと、
    を有しており、
    上記レバーの左右回動位置の変化により、湯水混合比率の調節が可能とされており、
    上記レバーの前後回動位置の変化により、吐出量の調節が可能とされており、
    上記固定弁体が、水圧により上向きの力を受ける受圧面Uと、水圧により下向きの力を受ける受圧面Dとを有しており、
    上記レバーの上記左右回動位置及び上記前後回動位置に関わらず、上記受圧面Uの平面投影面積MU1が、上記受圧面Dの平面投影面積MD1よりも大きい湯水混合栓。
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