JP5646013B1 - 調圧弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】水圧制御動作の安定性を飛躍的に向上すると共に、全体の構成を簡素化及びコンパクト化する。【解決手段】弁ニップル50は、挿入部Iの先端に形成した弁座59を弁本体10の内部における二次側の位置に配置する。ピストン20は、二重周壁状の摺動部Hを有し、押圧バネ40を外周壁21と内周壁22との間の収容空間21aに収容して弁ニップル50との間に介装する。内周壁22の壁厚t2を外周壁21の壁厚t1よりも大きな壁厚に設定する。ピストン20は、摺動部Hの連結壁23よりも更に二次側となる位置であって、かつ、弁座59から二次側に離間する位置に着座部31を配置し、弁本体10の二次側の開口からの増圧水の背圧を受けて、押圧バネ40の押圧付勢力に抗して着座部31を弁座59に対して接近させる。【選択図】図1
Description
本発明は調圧弁に関し、特に、給水栓と止水機能付きシャワーヘッドとの間の給水経路上に配設されて、止水機能付きシャワーヘッドが止水機能を発揮した際の給水経路内における水圧変動を調整して当該水圧変動による影響を防止するための調圧弁に関する。
従来、浴室等において使用されるシャワー装置は、混合水栓等の給水栓にシャワーホースの基端を接続し、シャワーホースの先端にシャワーヘッドを接続してなるものであり、このシャワー装置において、シャワーヘッドからの吐水動作及び止水動作は、基本的には、給水栓のハンドルを回動操作することで行うようになっているが、その一方、使用者の利便のため、シャワーヘッド自体に止水機能を付与した止水機能付きシャワーヘッドが提供されている。このような止水機能付きシャワーヘッドとしては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載のシャワー装置では、浴室等に設置された水栓は、(その図3に示すように)切替ハンドルによってカランとシャワーポート(シャワーヘッドへの給水口)への吐水を切替えるようになっている。また、水栓のシャワーポートには圧力応動弁が接続及び固定されており、この圧力応動弁にシャワーホースを介してシャワーヘッドが接続されている。また、このシャワーヘッドには開閉弁が設けられると共に、この開閉弁を開閉操作するための手動式の開閉ハンドルが設けられている(0016段落参照)。ここで、このようにシャワーヘッドに開閉弁を設ける場合、開閉弁を閉弁したときにシャワーホースにかなりの高圧がかかり、特別な耐圧ホースや耐圧継手を用いる必要が生じるため(0008段落参照)、上記のとおり、シャワーポートに圧力応動弁が接続及び固定されており、この圧力応動弁にシャワーホースを介してシャワーヘッドが接続されている。これにより、特許文献1の記載によれば、シャワーヘッドに設けられた開閉弁を手動式の開閉ハンドルで開閉することにより、シャワーホースよりも上流側に設けられた圧力応動弁が開閉し、シャワー装置の使用者は、手許に設けられたハンドルの操作によってシャワーの吐水、止水を行うことができることに加え、開閉弁を閉弁すると圧力応動弁も閉弁するため、開閉弁を閉弁したときにホースに加えられる水圧も小さくなり、ホースとして特別な耐圧ホースを用いる必要がない(段落0028参照)という作用効果を発揮する。
また、特許文献2は、特許文献1と同様の止水機能付きシャワー装置において、シャワーヘッドから水を吐水中に開閉ボタンで止水操作すると、シャワーホース内を勢いよく流れていた水の流れが急に止められ、シャワーホース内の水圧が上昇し、減圧弁は弁体のフランジ部に加えられる水圧によりスプリングの付勢力に抗して瞬時に閉弁するので、不快な通水音が発生しやすいという問題があった点に着目し(0004段落参照)、1次流路と2次流路の間で水の流路を開閉する減圧弁の止水時に発生する不快な通水音を低減することができる減圧弁を開示している(0005段落参照)。即ち、特許文献2の減圧弁では、(その図1〜図3に示すように)減圧弁は、所定の部材の両端に1次流路及び2次流路を有すると共に、内部に固定した仕切部材により内部空間を前記1次流路と圧力室とに仕切っている。また、減圧弁では、弁体が、仕切部材に穿設した貫通孔と2次流路との間で水密的に摺動する。弁体は、1次流路と2次流路とを連通する通水路を(内部空間として)形成し、仕切部材との間に圧力室を形成する。そして、圧力室内に配置されたスプリングにより、弁体を2次流路に向けて付勢すると、2次流路の圧力が1次流路より上昇した時に、弁体が弁座に着座して、1次流路から2次流路への通水を遮断する。このため、弁体と前記所定の部材の内壁の間には作用室が形成され、弁体には作用室と連通する小孔が穿設されており、弁体の通水路から小孔を介して作用室へと供給される水によって、スプリングにより付勢された弁体を弁座へと向けて摺動可能としている(要約参照)。これにより、特許文献2の記載によれば、止水時に弁体の通水路から小孔により供給される水が作用室の容積を増大させ、圧力室のスプリングを収縮して弁体を弁座に着座させ、通水路から作用室へは小孔から僅かずつ水が供給されるので、弁体の移動は緩慢となり不快な通水音が発生しない(0018段落参照)という作用効果を発揮する。
一方、特許文献3及び特許文献4は、特許文献1と同様の止水機能付きシャワー装置において、給水栓からシャワーヘッドに通じる流路の途中に設けられた減圧弁を開示している。詳細には、特許文献3及び4は、いずれも、特許文献1の圧力応動弁と基本的構成を同様とする減圧弁に存在する課題に着目し、その課題を解決するための手段を開示している。例えば、特許文献3は、(その図6に示す)従来の減圧弁では、弁体と弁座とによる絞り流路が一定であることから、所定通りの減圧がなされなくなり、減圧性能が安定しないという問題や、弁体を水密下でスライドさせるために弁体の外周面側及び内周側にそれぞれ設けられるOリングが、弁体のスライド抵抗を大きくするという問題に着目している。また、特許文献4は、(その図5に示す)従来の減圧弁では、弁体を液密にシールするために弁体の外周面側及び内周側にそれぞれ設けられるOリングが、長期間使用されると弁体の摺動によって摩耗し、耐久性が劣化して摺動面積が広がり、摺動抵抗が大になるという問題に着目している。そして、これらの問題点を解決するため、特許文献3の減圧弁は、弁座を備えた減圧弁本体内に弁棒をスライド可能に設けると共に、この弁棒に保持された主弁体をコイルスプリングにより開弁させる一方で、弁棒のスライド保持部には開弁下で中心流路を弁室に連通させる流路部分を形成すると共に、スライド保持部よりも小径の主弁体保持部には連通流路を形成して、この連通流路を閉じる副弁体を設けている。そして、弁座下流側の圧力上昇時には、コイルスプリングの閉弁力に抗して主弁体並びに副弁体を閉弁させるダイヤフラムを、止水手段とによって大気開放の空気室を形成するように、弁棒部分と減圧弁本体との間に設けている。また、特許文献4の減圧弁は、減圧弁本体内に、弁座及び弁体を設けると共に、弁体をコイルスプリングにより開弁方向に押圧し、更に、弁体と減圧弁本体の間に環状のダイヤフラムを設けて、吐水具での止水操作により流路の圧力が上昇した場合に、ダイヤフラムが、この圧力を受けて弾性的に変形すると共に、コイルスプリングのばね力に抗して弁体を閉弁位置に移動させるようしている。
即ち、特許文献1の圧力応動弁及び(特許文献1の問題点を解決しようとする)特許文献2の減圧弁が、弁体の基端部(弁体の弁座へ着座面と反対側の部分)にフランジ部を設け、シャワーヘッド側での止水時に、前記フランジ部に対する二次側(下流側)からの水圧(背圧)を利用して、弁体をピストン状に移動させて弁座に着座させることで閉弁動作を行うのに対し、特許文献3及び特許文献4の減圧弁は、弁体又は(弁体の基端に同軸状に設けた)弁棒の外周面と減圧弁本体の内周面との間にダイヤフラムを設け、シャワーヘッド側での止水時に、前記ダイヤフラムに対する二次側(下流側)からの水圧(背圧)を利用して(正確には、特許文献3では前記背圧をダイヤフラムの下流側の面に作用させる一方で、特許文献4では前記背圧をダイヤフラムの上流側の面に作用させて)、弁体をダイヤフラムを介して移動させて弁座に着座させることで閉弁動作を行うものであり、この意味で、従来の減圧弁は、特許文献1及び特許文献2のようなフランジ型(又は、弁体がフランジ部を介してピストン状に移動するという意味で、ピストン型側)の減圧弁と、特許文献3及び特許文献4のようなダイヤフラム型の減圧弁とに分類することができる。
特許文献1〜4に開示の圧力応動弁及び減圧弁は、シャワーヘッドの止水機能による止水時における圧力増大の影響(典型的には、ウォーターハンマー(水撃)現象による給水栓の流路上部品の損傷等)を防止するため、シャワー装置のシャワーホースの基端(即ち、給水栓のシャワーポートとシャワーホースとの間)に配設されるものである。即ち、上記のような吐水機能付きシャワーヘッドを備えたシャワー装置において、給水側にある給水栓と吐水側にあるシャワーヘッドとの間の流路上に配設される(典型的には、給水栓のシャワーポートとシャワーホースの基端との間に介装される)減圧弁においては、シャワーヘッドの開閉弁を閉弁した止水動作直後に、開弁時から閉弁直前まで流路内を一次側から二次側に向かって所定速度で流動していた原水が、シャワーヘッド内の閉弁位置にて進路を急激に遮断されることになるため、シャワーヘッド内の開閉弁よりも一次側にある流路内の水圧が開弁時の水圧よりも急激に増大し、この増大した水圧がシャワーホースを介して給水栓に向かって進行する。給水栓とシャワーヘッドとの間の流路(以下、説明の便宜上、「給水流路」という。)上に減圧弁が存在しない場合は、このときの管内圧力によりいわゆるウォーターハンマー現象が発生するため、この影響を防止するため、上記のように給水流路上に減圧弁を配設しているが、特許文献1〜4のいずれもが、給水流路上において(シャワーヘッドに近接する側ではなく)給水栓に近接する側に偏って弁座を配置している。
具体的には、特許文献1〜4のいずれにおいても、(上記ピストン式であるかダイヤフラム式であるかを問わず)その内部流路において、弁座の位置(即ち、弁体の着座位置)は、弁本体の内部流路の軸方向における一次側(上流側)に偏っており、弁座は、弁本体の内部流路において一次側開口端となる原水流入口の近傍に配置されている。即ち、特許文献1、2及び4においては、弁体が基本的に円筒状の外形を有すると共に、弁体の基端が弁本体の内部流路の二次側に配置され、かつ、弁体の先端の着座面が弁本体の内部流路の一次側に配置されている。そして、円筒状の弁体は、弁本体の内部流路を軸方向に安定して摺動できるよう、弁体の軸長をある程度以上の長さに確保する必要があることから、(開弁状態で弁体の着座面と所定距離だけ離間して対向する)弁座の位置は、必然的に、弁本体の内部流路の一次側に偏よることになる。なお、特許文献3の場合、弁棒が特許文献1等の弁体と同様に弁本体の内部流路を摺動案内する部分となるが、この弁棒が、特許文献1等の弁体と同様に弁本体の内部流路に配設されるため、やはり、(弁棒の先端に取り付けた)弁体が着座する弁座の位置は、弁本体の内部流路の軸方向における一次側(上流側)に偏っており、弁座は、弁本体の内部流路において一次側開口端となる原水流入口の近傍に配置されている。このように、特許文献1〜4のいずれの発明においても、シャワーヘッドでの止水操作時(閉弁時)における圧力応動弁又は減圧弁の(弁体が弁座に着座することによる)減圧動作又は閉弁動作は、弁本体の内部流路の一次側で行われることになり、シャワーホースを介して二次側から流入してきた増大した水圧の原水(以下、説明の便宜上、「増圧水」という。)が、弁本体の内部流路の二次側開口端(シャワーホースとの接続境界位置)と弁座位置との間の内部流路部分で、当該内部流路部分に増大した圧力による影響を与えることになる。なお、シャワーヘッドからの増圧水は、弁本体の内部流路の(閉弁状態の)弁座位置で反射して再びシャワーヘッドの開閉弁の閉弁位置まで逆方向に進行し、シャワーヘッドの開閉弁の反射位置で再度反射して圧力応動弁又は減圧弁へと再度進行し、増圧水の圧力が減衰して給水栓からの原水の圧力に均衡するまでこの往復動作を継続するが、このときまで、弁本体の前記内部流路部分において、前記増圧水による影響が継続することになる。
本発明者らは、上記の弁本体の内部流路部分における増圧水による影響によって、弁体が弁座に着座することによる水圧制御動作(即ち、減圧弁の本来の調圧弁動作)が不安定化する可能性があるのではないかと考え、まず、この点を課題として着目して、水圧制御動作をより一層安定化することができる減圧弁又は調圧弁について鋭意研究開発を行った。その結果、本発明者らは、まず、吐水機能付きシャワーヘッドを備えたシャワー装置の給水側にある給水栓と吐水側にあるシャワーヘッドとの間の流路上に配設される調圧弁において、弁本体の内部流路における二次側(下流側)の位置で弁開閉動作を行うべく弁体の着座位置を二次側に偏移することで、水圧制御動作をより安定化することができる調圧弁の発明に想到した。この構成の発明によれば、まず、シャワーヘッドの開閉弁の止水動作時における調圧弁の水圧制御を、弁本体の内部流路において増圧水の供給側である二次側(下流側)で行うことで、(上記のように着座位置を一次側に偏移した減圧弁と比較して)より安定した水圧制御動作が可能になることを本発明者らは確認した。
また、本発明者らは、上記ピストン型の減圧弁とダイヤフラム型の減圧弁とでは、それぞれに一長一短はあるものの、部品点数を削減したり全体の構成を簡素化又はコンパクト化したりしてコスト低減等に寄与できるという点では、ピストン型の減圧弁の方が有利である点に着目し、上記(弁体の着座位置を二次側に偏移した)調圧弁の発明をピストン型の調圧弁の構成として具現化すべく、この点から鋭意研究開発を継続して行った。その結果、本発明者らは、ピストン型の調圧弁において、弁体の着座位置を弁本体の内部流路の二次側に偏移した場合、弁本体の内部流路における増圧水の挙動が、従来の(特許文献1又は2に記載のような着座位置を一次側に偏移した)減圧弁と大きく異なることになり、種々の問題点を生じる可能性があるとの知見を得て、これらの問題点を解決するため、特に、弁座や弁体の構成(例えば、弁座と弁体の着座部分の構成や、弁体において弁座より一次側に配置される部分の構成等)について、従来の減圧弁とは基本的に異なる観点から検討や改良等を加えることで、本発明を完成した。
そこで、本発明は、弁本体の内部流路において弁体の着座位置を二次側に偏移することで水圧制御動作の安定性を飛躍的に向上すると共に、全体の構成を簡素化及びコンパクト化することで製造コストの削減等に大きく寄与することができ、更に、弁本体の着座位置を二次側に偏移することに起因する各種の問題点をも解決することができる調圧弁の提供を課題とする。
請求項1に係る調圧弁は、給水栓と止水機能付きシャワーヘッドとの間の給水経路上に配設される弁本体と、前記弁本体の内部に軸方向への往復移動自在に収容配置されるピストンと、前記弁本体の一次側の開口に固着されて給水栓への接続口を構成する接続部と、前記接続部から前記弁本体の内部に延設されて前記接続口からの原水を通水する筒状の挿入部とを有する弁ニップルと、前記弁本体の内部において前記ピストンと前記弁ニップルとの間に介装され、常には前記ピストンを前記弁ニップルから離間する方向に押圧付勢する押圧ばねとを備えている。前記弁ニップルは、前記挿入部の先端に弁座を形成すると共に、前記弁座を前記弁本体の内部における二次側の位置に配置している。また、前記ピストンは、同軸状に離間配置される外周壁及び内周壁の二次側端を連結壁で連結した二重周壁状の摺動部を有し、前記外周壁及び内周壁の先端を一次側とし、前記連結壁を二次側として前記弁本体の内部に配設されて、前記外周壁を前記弁本体の内周面に沿って軸方向に往復摺動自在とすると共に、前記内周壁を前記弁ニップルの挿入部の外周面に沿って軸方向に往復摺動自在とする。一方、ピストンは、前記押圧ばねを前記摺動部の外周壁と内周壁との間の収容空間に収容して前記弁ニップルとの間に介装し、前記摺動部において前記内周壁の壁厚を前記外周壁の壁厚よりも大きな壁厚に設定し、前記摺動部の連結壁よりも更に二次側となる位置であって、かつ、前記弁ニップルの弁座から二次側に離間する位置に、前記弁座に着座して閉弁動作自在な着座部を配置し、前記弁本体の二次側の開口からの増圧水の背圧を受けて前記押圧ばねの押圧付勢力に抗して前記着座部を前記弁座に対して接近させるよう構成されている。
請求項2に係る調圧弁では、請求項1の構成において、前記ピストンは、前記摺動部の二次側端から更に二次側に突出して配置される底壁部を一体形成すると共に、前記底壁部にスリットを設けて前記弁ニップルの挿入部からの原水を二次側に通水自在としている。また、前記着座部は、前記ピストンとは別体で形成される平板状をなして、前記ピストンの底壁部の中央部の一次側に露出するよう固着されている。更に、前記ピストンは、前記底壁部において少なくとも前記着座部を配置する部分によって、前記弁本体の二次側開口からの増圧水の背圧を受けるよう構成されている。そして、前記弁座は、その先端の着座面を前記着座部の外周縁部に押圧状態で当接させて前記着座部との間で閉弁動作を行うよう構成されている
請求項3に係る調圧弁では、請求項2の構成において、前記着座部は平板状の円盤状に形成されてその着座面を平坦面としている。また、前記弁ニップルの挿入部は、少なくとも前記弁座を含む先端部の断面形状を、前記先端部以外の部分の壁厚よりも大きな壁厚から前記弁座に向かって徐々に壁厚を縮小する断面形状に形成すると共に、前記弁座部分で先端に向かって曲線的に壁厚を縮小する断面形状に形成している。
請求項4に係る調圧弁では、請求項3の構成において、前記ピストンの底壁部は、前記摺動部の内周壁部分から二次側に突出する共に前記スリットを形成したスリット付バスケット状をなす通水部と、前記通水部の中央部に一体形成された円盤状の基部と、前記基部の一次側の面の外周縁から一次側方向に突出するよう一体形成された周壁状の規制壁とを有している。そして、前記着座部を前記基部と前記規制壁とに包囲される収容空間内に密嵌して固着して、前記着座部の外周縁の外方への変形を前記規制壁により規制している。また、前記弁ニップルの挿入部は、前記先端部以外の部分を通水軸部とすると共に、前記先端部に膨出部を形成し、前記膨出部の壁厚は、前記通水軸部の壁厚より大きな壁厚とすると共に、前記膨出部は軸方向における二次側の半部で先端に向かって壁厚を徐々に縮小する。一方、前記弁座は、その基端の壁厚が前記膨出部の先端の壁厚と同一の壁厚に設定され、かつ、先端に向かって曲線的に壁厚を縮小して湾曲状の外周面を形成し、その着座面となる先端面も、湾曲状の先端面となっている。そして、前記着座部のうち、前記弁座に着座して前記弁座からの押圧力を受ける部分の幅は、前記弁座の基端の壁厚よりも大きな寸法に設定されている。
請求項5に係る調圧弁では、請求項4の構成において、前記ピストンの摺動部の内周壁の壁厚は、前記外周壁の壁厚の200%〜300%の範囲内の所定寸法に設定されている。
請求項1に係る調圧弁は、弁本体の内部流路において弁体の着座位置を二次側に偏移することで水圧制御動作の安定性を飛躍的に向上すると共に、全体の構成を簡素化及びコンパクト化することで製造コストの削減等に大きく寄与することができ、更に、弁本体の着座位置を二次側に偏移することに起因する各種の問題点をも解決することができる。
請求項2に係る調圧弁は、請求項1の効果に加え、前記底壁部により、前記弁ニップルの挿入部からの原水を二次側に通水自在とすることができ、かつ、前記着座部を固着することができると共に、前記底壁部のうち少なくとも着座部を固着する部分により、二次側からの増圧水の背圧を受けて前記ピストンを前記押圧ばねの押圧付勢力に抗して往動させて、前記着座部を前記弁座に対して接近させることができる。その結果、ピストン側にある弁体関連部品の構成をコンパクトにして、コスト削減等の要請に応えることができる。
請求項3に係る調圧弁は、請求項2の効果に加え、着座部の平坦面からなる着座面が、曲線的に壁厚を縮小する断面形状となる弁座に着座することで、安定した閉弁動作を行うことができる。
請求項4に係る調圧弁は、請求項3の効果に加え、周壁状の規制壁により、着座部が弁座に着座したときの着座部の変形(特に、外周側への拡大変形)を確実に防止することができ、より安定した閉弁動作を確保することができる。
請求項5に係る調圧弁は、請求項4の効果に加え、前記二重周壁状の摺動部全体の壁厚が制限される条件下で、前記内周壁の強度を十分に確保することができ、ピストンの安定した往復移動を長期にわたって安定的に実現して、調圧弁動作の信頼性を更に一層向上することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。本実施の形態に係る調圧弁は、浴室等における給水栓のシャワーポートから止水機能付きシャワーヘッド(いわゆる、ストップシャワーヘッド)への給水経路上に配設されて、止水機能付きシャワーヘッドが(例えば、ストップボタンの押圧動作等によって)止水機能を発揮した際の給水経路内における水圧変動を調整及び制御して、当該水圧変動によるシャワーホースや給水栓等への悪影響を防止するためのものである。
図1に示すように、本実施の形態の調圧弁CVは、全体的に略円筒状又は略円柱状の外観を有している。また、調圧弁CVは、図2(a)に示すように、弁本体10の軸方向一端となる一次側(上流側)の端部(図1中の上端部)に原水の入水口IPを配設すると共に、図2(b)に示すように、弁本体10の軸方向他端となる二次側(下流側)の端部(図1中の下端部)に原水の出水口OPを配設している。詳細には、図3に示すように、調圧弁CVは、弁本体10と、弁ピストン20と、弁パッキン30と、押圧ばね40と、弁ニップル50とからなる。
[弁本体]
図4に示すように、弁本体10は、所定直径(所定内外径)の円筒状をなす胴部11と、胴部11の先端(二次側の端)に同軸状に一体形成された縮径部12とを備える。弁本体10の縮径部12の外周面は、基端(一次側端)から先端(二次側端)に向かって縮径するテーパー面となっている。図5及び図6に示すように、縮径部12の二次側端には、底壁13が一体形成されている。底壁13は、胴部11の軸心に向かって放射方向に所定距離だけ延びる所定幅の円形ドーナツ板状をなしている。また、底壁13の内周端部には、傾斜面13aが形成されている。底壁13の内周端部には、胴部11と同軸状に延びるホース装着部14が一体形成されている。ホース装着部14は、底壁13の幅の分だけ胴部11の外径(及びテーパー状の縮径部12の外径)よりも小さな外径を有する円筒状をなし、その外周面には雄螺子14aが螺刻形成されている。また、ホース装着部14の内径は、底壁13の幅の分だけ胴部11の主要部分の内径及び(当該胴部11の主要部分と同一の内径となる)縮径部12の内径よりも小さくなっている。ホース装着部14は、図4に示すように、一般的なシャワーホース110のホース部111の一端に配設されたナット112を外嵌して螺合することにより、シャワーホース110の一端を(着脱自在に)接続するようになっている。
図4に示すように、弁本体10は、所定直径(所定内外径)の円筒状をなす胴部11と、胴部11の先端(二次側の端)に同軸状に一体形成された縮径部12とを備える。弁本体10の縮径部12の外周面は、基端(一次側端)から先端(二次側端)に向かって縮径するテーパー面となっている。図5及び図6に示すように、縮径部12の二次側端には、底壁13が一体形成されている。底壁13は、胴部11の軸心に向かって放射方向に所定距離だけ延びる所定幅の円形ドーナツ板状をなしている。また、底壁13の内周端部には、傾斜面13aが形成されている。底壁13の内周端部には、胴部11と同軸状に延びるホース装着部14が一体形成されている。ホース装着部14は、底壁13の幅の分だけ胴部11の外径(及びテーパー状の縮径部12の外径)よりも小さな外径を有する円筒状をなし、その外周面には雄螺子14aが螺刻形成されている。また、ホース装着部14の内径は、底壁13の幅の分だけ胴部11の主要部分の内径及び(当該胴部11の主要部分と同一の内径となる)縮径部12の内径よりも小さくなっている。ホース装着部14は、図4に示すように、一般的なシャワーホース110のホース部111の一端に配設されたナット112を外嵌して螺合することにより、シャワーホース110の一端を(着脱自在に)接続するようになっている。
図5に示すように、弁本体10の胴部11の一次側端部(図6中の上端部)の内周面には、周方向に一定角度間隔をおいて複数個(図示の例では90度間隔を置いて合計4個)の案内溝11aがそれぞれ形成されている。案内溝11aは、胴部11の一次側端(図6中の上端)から軸方向に延びる所定幅の直線状の溝であり、図6に示すように、その深さは、基端(一次側端)で最大となり、先端(二次側端)に向かって徐々に小さくなって先端で消失する傾斜面状となっている。胴部11の案内溝11aの先端位置には、それぞれ、嵌合孔11bが穿設して形成されている。嵌合孔11bは、案内溝11aと同一の幅を有する矩形状の貫通孔であり、案内溝11aの二次側端から胴部11の軸方向に所定距離だけ延びている(即ち、所定長さだけ延びている)。胴部11の内周面において、嵌合孔11bの二次側端(図6中の下端)よりも(胴部11の二次側端に向かって)若干離間した位置には、リング状の傾斜面11cが胴部11の内周面の全周にわたって形成されている。傾斜面11cは、胴部11の二次側端に向かって拡径する傾斜面となっている。即ち、胴部11の厚みは、傾斜面11cよりも二次側となる主要部分で所定厚みとなり、傾斜面11cよりも一次側となる部分(即ち、案内溝11a及び嵌合孔11bが配設される軸方向部分)で傾斜面11cの傾斜分の厚みだけ小さくなっている。
図6に示すように、弁本体10の縮径部12の内周面と底壁13の上面との間のコーナー部には、周方向に一定角度間隔をおいて複数個(図示の例では90度間隔を置いて合計4個)の支持片15がそれぞれ一体形成されている。支持片15は、それぞれ、小片となる直方体状(矩形ブロック状)をなし、底壁13の内底面(図6中の上面)から所定距離だけ(胴部11の軸方向に)延び、その先端面(図6中の上端面)は平坦面となっている。これにより、支持片15の先端の平坦面が、胴部11の内部空間において軸方向の同一位置に(面一となって)配置されている。なお、支持片15は、図5(a)に示すように、胴部11の案内溝11a(及び嵌合孔11b)と同一角度位置に配設されているが、胴部11の案内溝11a(及び嵌合孔11b)と異なる角度位置に配設することもできる。
[ピストン]
図7及び図8に示すように、ピストン20は、弁本体10の胴部11内に軸方向への摺動自在に収容配置されるものであり、大径の外周壁21と、小径の内周壁22と、外周壁21と内周壁22とを連結する連結壁23とを備えている。詳細には、外周壁21は、所定直径の円筒状に形成されている。外周壁21の外径は、(前記弁本体10の胴部11の主要部の内径と略同一直径(正確には、外周壁21が胴部11の主要部の内周面に沿って軸方向に摺動自在となるよう若干小さい直径)に設定されている。また、内周壁22は、外周壁21の内側に外周壁21と同軸状に配設され、外周壁21よりも所定寸法だけ小さい所定直径の円筒状に形成されている。連結壁23は、外周壁21と内周壁22の二次側端(図8中の下端)同志を連結する円形ドーナツ板状をなしている。前記外周壁21、内周壁22及び連結壁23は、二重周壁の有底円筒状となる摺動部Hを構成している。また、摺動部Hの外周壁21と内周壁22との間には、押圧ばね40の収容凹部としての円筒状のばね収容空間21aが形成され、図12に示すように、ばね収容空間21a内に押圧ばね40を収容して、その軸方向一端を連結壁23の内底面(図8中の上面)によって支持及び移動規制するようになっている。このように、摺動部Hは、後述するように、弁本体10の胴部11の内周面に沿って摺動する部材として機能するほか、押圧ばね40を収容する収容部としても機能するよう構成されている。ここで、図8(b)中の一点鎖線の円形内の要部拡大図に示すように、外周壁21は(内周壁22と比較して)相対的に大きな所定寸法の壁厚t1を有すると共に、内周壁22は(外周壁21と比較して)相対的に小さな所定寸法の壁厚t2を有し、かつ、ばね収容空間21aも所定寸法の厚みt3を有しており、摺動部Hは、外周壁21の壁厚t1、内周壁22の壁厚t2及び収容空間の厚みt3の合計値である所定寸法の壁厚Tを有している。
図7及び図8に示すように、ピストン20は、弁本体10の胴部11内に軸方向への摺動自在に収容配置されるものであり、大径の外周壁21と、小径の内周壁22と、外周壁21と内周壁22とを連結する連結壁23とを備えている。詳細には、外周壁21は、所定直径の円筒状に形成されている。外周壁21の外径は、(前記弁本体10の胴部11の主要部の内径と略同一直径(正確には、外周壁21が胴部11の主要部の内周面に沿って軸方向に摺動自在となるよう若干小さい直径)に設定されている。また、内周壁22は、外周壁21の内側に外周壁21と同軸状に配設され、外周壁21よりも所定寸法だけ小さい所定直径の円筒状に形成されている。連結壁23は、外周壁21と内周壁22の二次側端(図8中の下端)同志を連結する円形ドーナツ板状をなしている。前記外周壁21、内周壁22及び連結壁23は、二重周壁の有底円筒状となる摺動部Hを構成している。また、摺動部Hの外周壁21と内周壁22との間には、押圧ばね40の収容凹部としての円筒状のばね収容空間21aが形成され、図12に示すように、ばね収容空間21a内に押圧ばね40を収容して、その軸方向一端を連結壁23の内底面(図8中の上面)によって支持及び移動規制するようになっている。このように、摺動部Hは、後述するように、弁本体10の胴部11の内周面に沿って摺動する部材として機能するほか、押圧ばね40を収容する収容部としても機能するよう構成されている。ここで、図8(b)中の一点鎖線の円形内の要部拡大図に示すように、外周壁21は(内周壁22と比較して)相対的に大きな所定寸法の壁厚t1を有すると共に、内周壁22は(外周壁21と比較して)相対的に小さな所定寸法の壁厚t2を有し、かつ、ばね収容空間21aも所定寸法の厚みt3を有しており、摺動部Hは、外周壁21の壁厚t1、内周壁22の壁厚t2及び収容空間の厚みt3の合計値である所定寸法の壁厚Tを有している。
また、ピストン20は、連結壁23の外底面(図8中の下面)の幅方向中央部に、垂下部24及びフランジ部25からなるシール部Sを一体形成している。詳細には、垂下部24は、外周壁21よりも小径(かつ、内周壁22よりも大径)の短円筒状をなし、連結壁23の外底面の幅方向中央から、二次側に(即ち、図8中の下方に)向かって延びている。なお、垂下部24は所定の壁厚(例えば、外周壁21の壁厚t1と内周壁22の壁厚t2との間の範囲内の任意の壁厚)を有している。また、フランジ部25は、垂下部24の二次側端(図8中の下端)から放射方向外方に向かって延びる円形フランジ状(又は円形ドーナツ板状)をなしている。フランジ部25は、その外周面が外周壁21の外周面と面一となる位置まで延びている。また、垂下部24の内周面の二次側端とフランジ部25の内端との間の部分は、傾斜面25aとされている。これにより、連結壁23の外底面(図8中の下面)と垂下部24の外周面とフランジ部25の内側面(図8中の上面)との間に、円形リング状の凹部状をなす収容溝24aが形成され、図12に示すように、収容溝24a内にYパッキンYを収容するようになっている。なお、垂下部24及びフランジ部25からなるシール部Sは、外周壁21、内周壁22及び連結壁23からなる摺動部Hと同軸状となるよう一体形成されている。このように、摺動部Hが弁本体10の胴部11内を摺動するときに、シール部Sは、収容溝24aに収容したYパッキンYを胴部11の内周面に弾接摺動させて、弁本体10の胴部11の内周面との間での水密を維持する外側シール部を構成するようになっている。
また、ピストン20は、シール部Sの内側の空間に、連結壁23の外底面の内周縁部から二次側(図8中の下方)に摺動部H及びシール部Sと同軸状となって突出するよう、通水部26及び弁体保持部27,28からなる底壁部Vを一体形成している。詳細には、通水部26は、一次側端(図8中の上端)を開口すると共に二次側端部(図8中の下端部)のコーナー部を湾曲状に形成した円筒状をなし、その一次側端を連結壁23の外底面の内周縁部に一体的に接続している。通水部26の内周面は、摺動部Hの内周壁22の内周面と面一となるよう配置されている。また、通水部26は(内周壁22の内周面から垂下部24の内周面までの距離よりも小さな)所定の壁厚を有し、通水部26の外周面とシール部Sの垂下部24の内周面との間には、通水部26の壁厚と内周壁22の内周面から垂下部24の内周面までの距離との関係で決定される所定厚みの(円筒状をなす)隙間空間が形成されている。この隙間空間は、通常の吐水時に給水栓からの原水が一次側から二次側へと流動することを許容する流水空間となると共に、(後述するシャワーヘッドでの止水時に)二次側から一次側へと(原水の流向と逆方向に)逆流する増圧水が流入する増圧水流入空間となる。なお、通水部26の壁厚は、外周壁21の壁厚t1よりも小さな壁厚(例えば、外周壁21の壁厚t1と内周壁22の壁厚t2との間の範囲内の任意の壁厚であって、シール部Sの垂下部24の壁厚と同等の壁厚)とすることができる。更に、図7に示すように、通水部26は、軸方向に延びるスリット26aを複数本形成したスリットバスケット状をなしている。即ち、通水部26は、複数の帯状体を一定角度間隔で所定本数(図示の例では、60度間隔で合計6本)互いに平行となるよう並設して配置し、これにより、隣接する帯状体間に、一定角度間隔で所定本数(図示の例では、60度間隔で合計6本)の直線状のスリット26aを、互いに平行となるよう並設して配置している。なお、通水部26の帯状体は、その直線部分(シール部Sに対向する部分)では同一幅の平板状をなし、その湾曲部分(シール部Sから突出する部分)では、先端(二次側)に向かって徐々に幅狭となる湾曲板状となっている。
弁体保持部27,28は、弁本体10内の二次側に配置されて(弁体の着座関連部品である)弁パッキン30を保持固定するものであり、通水部26の二次側端の中央部(通水部26の外周壁部分により包囲される円形部分)に一体形成等により一体的に配設されている。弁体保持部27,28は、基部27及び規制壁28を一体形成したものである。弁体保持部の基部27は、通水部26の二次側端の中央部の円形部分に一体形成される所定厚みの厚肉円形ドーナツ板状をなし、その二次側面(図8中の下面)は、通水部26の二次側端面(図8中の湾曲部の下面)と面一となるよう形成されている。また、基部27の中心部には円形の挿着孔27aが軸心に沿って貫通形成されている。なお、基部27の二次側面のコーナー部のうち、通水部26のスリット26aから露出する部分は、二次側に向かって内方へと直線的又は曲線的に傾斜する傾斜面27bとなるよう形成されている。一方、弁体保持部の規制壁28は、基部27の一次側面(図8中の上面)の外周縁部から一次側へと同軸状に突出している。規制壁28は、基部27の全周にわたって延設される周壁状をなし、基部27から所定の突出寸法だけ突出して一体形成されている。また、規制壁28は、所定の壁厚を有し、規制壁28の内周面及び(規制壁28の内周側において前記挿着孔27aの外周側に露出する)基部27の一次側面により円盤状をなす弁体収容凹部28aを形成している。
[弁パッキン]
図9に示すように、弁パッキン30は、前記ピストン20に固着されて弁体の(弁座への)着座関連部品を構成するものであり、着座部31、嵌合部32、掛止部33及び軸部34を互いに同軸状となる一体形成したものである。着座部31は、前記弁体保持部27,28の弁体収容空間28aと同一の外形を有する円盤状をなし、弁体収容空間28aと同一の直径及び同一の厚みを有しており、弁体保持部27,28の弁体収容空間28aの全体に密嵌して装着されるようになっている。また、嵌合部32は、着座部31の二次側面(図9中の下面)の中央部から二次側に突出すると共に、弁体保持部27,28の挿着孔27aと同一の外形を有する円柱状をなし、挿着孔27aと同一の直径及び同一の軸長を有しており、弁体保持部27,28の挿着孔27aの全体に密嵌して装着されるようになっている。掛止部33は、嵌合部32の二次側面(図9中の下面)の中央部から二次側に突出している。掛止部33は、一次側端部(図9中の上端部)を弁体保持部27,28の挿着孔27a(及び嵌合部32)よりも大径の円盤状部分とすると共に、それ以外の二次側部分を二次側に向かって縮径するコーン状部分とする略円錐台状の外形を有しており、コーン状部分の外面を傾斜面33aとしている。軸部34は、掛止部33の二次側端(即ち、コーン状部分の先端中央)から所定軸長となって突出する円柱状又は円形棒状をなしている。図8(b)に示すように、弁体保持部27,28の挿着孔27aに弁パッキン30の嵌合部32を挿入して密嵌したときに、着座部31が弁体収容空間28aに密嵌して保持され、かつ、掛止部33の円盤状部分の一次側面が基部27の二次側面に密接して配置されることで、着座部31と掛止部33とが協働してそれらの間に基部27を挟持する。これにより、弁パッキン30が弁体保持部27,28に(意図して離脱する外力を加えない限り)離脱不能に固着されるようになっている。
図9に示すように、弁パッキン30は、前記ピストン20に固着されて弁体の(弁座への)着座関連部品を構成するものであり、着座部31、嵌合部32、掛止部33及び軸部34を互いに同軸状となる一体形成したものである。着座部31は、前記弁体保持部27,28の弁体収容空間28aと同一の外形を有する円盤状をなし、弁体収容空間28aと同一の直径及び同一の厚みを有しており、弁体保持部27,28の弁体収容空間28aの全体に密嵌して装着されるようになっている。また、嵌合部32は、着座部31の二次側面(図9中の下面)の中央部から二次側に突出すると共に、弁体保持部27,28の挿着孔27aと同一の外形を有する円柱状をなし、挿着孔27aと同一の直径及び同一の軸長を有しており、弁体保持部27,28の挿着孔27aの全体に密嵌して装着されるようになっている。掛止部33は、嵌合部32の二次側面(図9中の下面)の中央部から二次側に突出している。掛止部33は、一次側端部(図9中の上端部)を弁体保持部27,28の挿着孔27a(及び嵌合部32)よりも大径の円盤状部分とすると共に、それ以外の二次側部分を二次側に向かって縮径するコーン状部分とする略円錐台状の外形を有しており、コーン状部分の外面を傾斜面33aとしている。軸部34は、掛止部33の二次側端(即ち、コーン状部分の先端中央)から所定軸長となって突出する円柱状又は円形棒状をなしている。図8(b)に示すように、弁体保持部27,28の挿着孔27aに弁パッキン30の嵌合部32を挿入して密嵌したときに、着座部31が弁体収容空間28aに密嵌して保持され、かつ、掛止部33の円盤状部分の一次側面が基部27の二次側面に密接して配置されることで、着座部31と掛止部33とが協働してそれらの間に基部27を挟持する。これにより、弁パッキン30が弁体保持部27,28に(意図して離脱する外力を加えない限り)離脱不能に固着されるようになっている。
[押圧ばね]
図3及び図12に示すように、押圧ばね40は、弁本体10内のピストン20を二次側へと弾性的に押圧付勢するものであり、所定線径の線材を所定巻き数だけ巻き回してなる所定のコイル外径及び所定のコイル内径及び所定の軸長(自由高さ)の圧縮コイルばねからなる。押圧ばね40は、摺動部Hのばね収容空間21aの寸法に応じた寸法(ばね収容空間21aに装着可能な寸法)に設定されている。即ち、圧縮コイルばねからなる押圧ばね40のコイル外径は、外周壁21の内径よりも小さい直径であり、コイル内径は、内周壁22の外径よりも大きな直径である。また、図12に示すように、押圧ばね40の線材の線径dは、摺動部Hのばね収容空間21aの厚みt3よりも小さな直径である。
図3及び図12に示すように、押圧ばね40は、弁本体10内のピストン20を二次側へと弾性的に押圧付勢するものであり、所定線径の線材を所定巻き数だけ巻き回してなる所定のコイル外径及び所定のコイル内径及び所定の軸長(自由高さ)の圧縮コイルばねからなる。押圧ばね40は、摺動部Hのばね収容空間21aの寸法に応じた寸法(ばね収容空間21aに装着可能な寸法)に設定されている。即ち、圧縮コイルばねからなる押圧ばね40のコイル外径は、外周壁21の内径よりも小さい直径であり、コイル内径は、内周壁22の外径よりも大きな直径である。また、図12に示すように、押圧ばね40の線材の線径dは、摺動部Hのばね収容空間21aの厚みt3よりも小さな直径である。
[弁ニップル]
図10及び図11に示すように、弁ニップル50は、弁本体10の一次側の開口に装着されて給水栓への接続口を構成すると共に、胴部11内を二次側へと延びて弁座を構成する一体構成の部材であり、まず、給水栓のシャワーポートへ調圧弁CVの一次側開口を通水自在に接続する取付アダプタ状の部分として、接続部Fを備えている。接続部Fは、一体形成した挿嵌部51及び係合部52を備えている。挿嵌部51は、弁本体10の胴部11の内径と同一の外径を有する所定厚みの円盤状をなし、胴部11の一次側端部(図12中の上端部)内に挿入して密嵌される部分である。係合部52は、基部51より大径の所定厚みの円形リング板状をなし、基部51の一次側端面(図11中の上端面)に同軸状に一体形成されている。係合部52の外径は、胴部11の外径と略同一直径或いは若干(コンマミリ単位で)大きな直径となっている。また、係合部52と挿嵌部51とは同一の内径を有し、係合部52と挿嵌部51の内周側には雌螺子53が一体形成されている。雌螺子53は、接続対象の給水栓のシャワーポートの雄螺子と螺合自在である。一方、挿嵌部51の二次側端(図11中の下端)の内周側には、円形ドーナツ板状の支持壁54が一体形成されている。支持壁54の中央部には、所定直径の円形の通水孔54aが形成されている。なお、支持壁54の通水孔54aは、支持壁54の厚みの一次側の略半部が、一次側から二次側に向かって縮径するテーパー状(又は短コーン状)の円形孔となっており、支持壁54の厚みの一次側の略半部が、(テーパー状の円形孔の小径側の直径と同一直径の)単純な円形孔となっている。
図10及び図11に示すように、弁ニップル50は、弁本体10の一次側の開口に装着されて給水栓への接続口を構成すると共に、胴部11内を二次側へと延びて弁座を構成する一体構成の部材であり、まず、給水栓のシャワーポートへ調圧弁CVの一次側開口を通水自在に接続する取付アダプタ状の部分として、接続部Fを備えている。接続部Fは、一体形成した挿嵌部51及び係合部52を備えている。挿嵌部51は、弁本体10の胴部11の内径と同一の外径を有する所定厚みの円盤状をなし、胴部11の一次側端部(図12中の上端部)内に挿入して密嵌される部分である。係合部52は、基部51より大径の所定厚みの円形リング板状をなし、基部51の一次側端面(図11中の上端面)に同軸状に一体形成されている。係合部52の外径は、胴部11の外径と略同一直径或いは若干(コンマミリ単位で)大きな直径となっている。また、係合部52と挿嵌部51とは同一の内径を有し、係合部52と挿嵌部51の内周側には雌螺子53が一体形成されている。雌螺子53は、接続対象の給水栓のシャワーポートの雄螺子と螺合自在である。一方、挿嵌部51の二次側端(図11中の下端)の内周側には、円形ドーナツ板状の支持壁54が一体形成されている。支持壁54の中央部には、所定直径の円形の通水孔54aが形成されている。なお、支持壁54の通水孔54aは、支持壁54の厚みの一次側の略半部が、一次側から二次側に向かって縮径するテーパー状(又は短コーン状)の円形孔となっており、支持壁54の厚みの一次側の略半部が、(テーパー状の円形孔の小径側の直径と同一直径の)単純な円形孔となっている。
挿嵌部51の二次側端部の外周面には、周方向に一定角度間隔をおいて複数個(図示の例では90度間隔を置いて合計4個)の嵌合突起55がそれぞれ形成されている。嵌合突起55は、一次側端面(図11中の上端面)が挿嵌部51の放射方向外方に延びる平坦面55aとなっており、二次側端面(図11中の下側の面)が傾斜面55bとなっている。嵌合突起55は、平面視で弁本体10の嵌合孔11bと同一の輪郭形状を有し、弁ニップルに50には嵌合孔11bと同一角度間隔で同一個数の嵌合突起55が形成されている。そして、接続部Fの嵌合突起55を弁本体10の案内溝11aにそれぞれ位置合わせし、挿嵌部51を弁本体10の一次側開口から二次側へと挿入していくと、嵌合突起55が、それぞれ、案内溝11aに沿って二次側へと直線的に摺動案内され、最終的に、嵌合孔11bに合致したときに嵌合孔11b内へと挿着されて密嵌されるようになっている。これにより、接続部Fを弁本体10の一次側開口に固着して、弁本体10の一次側開口部分に給水栓の接続口を形成するようになっている。
弁ニップル50は、また、胴部11内を二次側へと延びてピストン20の内壁22の内周面上を摺動すると共に二次側端(図11中の下端)に弁座を構成する部分として、挿入部Iを備えている。挿入部Iは、通水軸部56、張出部57、膨出部58及び弁座59を同軸状となるよう一体形成したものである。通水軸部56は、所定壁厚の円筒状に形成され、支持壁54の二次側面(図11中の下面)から二次側へと軸方向に所定軸長だけ延びている。なお、通水軸部56の内周面56aは、前記支持壁54の通水孔54aの小径側の直径と同一の内径を有している。張出部57は、通水軸部56の軸方向略中央位置において放射方向外方へと張り出すよう一体形成された円形フランジ状(又は円形ドーナツ板状)をなし、所定の外径を有している。膨出部58は、通水軸部56の軸方向先端側の所定部分(先端部の弁座59よりも手前側の部分)において放射方向外方へと張り出すよう一体形成された円形リング状をなし、前記張出部57と同一の外径を有している。張出部57と膨出部58との間には、円形リング状の凹部状をなす収容溝57aが形成され、図12に示すように、収容溝57a内にYパッキンYを収容するようになっている。また、張出部58の二次側半部(図11中の下側半部)は、二次側(先端側)に向かって縮径するテーパー状(コーン状)の傾斜面58aとなっている。なお、張出部57及び膨出部58は、挿嵌部51、係合部52等からなる接続部Fと同軸状となるよう一体形成されている。また、張出部57及び膨出部58は、その外径が前記ピストン20の内周壁22の内径と同一に設定されており、収容溝57a内にYパッキンを装着した状態で、内周壁22の内周面に沿って軸方向に往復摺動自在となっており、ピストン20の内周壁22との間での水密を維持する内側シール部を構成するようになっている。
弁座59は、通水軸部59の先端部に一体形成され、通水軸部56と同一の内径を有する短円筒状(又は円形リング状)をなしており、その内周面が通水軸部59の内周面56aと面一で連続している。また、弁座59の外径は通水軸部56の外径よりも小さくなっており、弁座59の壁厚は、通水軸部56の壁厚より小さい寸法(好ましくは、通水軸部59の壁厚の1/2〜1/3の範囲内の壁厚)に設定されている。更に、弁座59の外周面及び先端面(図11中の下端面)は、全体として連続する湾曲面に形成され、弁座59の先端は、(その湾曲面の湾曲率に応じた)幅の円形リング状の弁座面(弁体の着座部分との当接面)となっている。
[調圧弁の各部品の製造方法]
本実施の調圧弁CVにおいて、弁本体10は、前記胴部11、縮径部12、底壁13、ホース装着部14及び支持片15の全体を、所定の材料(典型的にはPOM(ポリアセタール)等の所定剛性の合成樹脂材料)により所定の成形技術(例えば、射出成形技術)で一体成形することにより形成することができる。また、ピストン20は、前記摺動部H、シール部S及び底壁部Vの全体を、所定の材料(典型的にはPOM等の所定剛性の合成樹脂材料)により所定の成形技術(射出成形技術)で一体成形することにより形成することができるが、摺動部H及びシール部Sを一体成形する一方で、底壁部Vを別体で成形し、摺動部Hの連結壁23に一体的に固着等して構成することもできる。或いは、底壁部Vも、通水部26と別体で弁体保持部27,28を形成し、弁体保持部の基部27を通水部26に一体的に固着等して構成することもできる。また、弁パッキン30は、前記着座部31、嵌合部32、掛止部33及び軸部34の全体を、所定の材料(典型的にはEPDM等の合成ゴム材料)により所定の成形技術(ゴム成形技術)で一体成形することにより形成することができる。また、弁ニップル50は、挿嵌部51、係合部52、雌螺子53、支持壁54、嵌合突起55、通水軸部56、張出部57、膨出部58及び弁座59の全体を、所定の材料(典型的にはPOM等の所定剛性の合成樹脂材料)により所定の成形技術(射出成形技術)で一体成形することにより形成することができる。
本実施の調圧弁CVにおいて、弁本体10は、前記胴部11、縮径部12、底壁13、ホース装着部14及び支持片15の全体を、所定の材料(典型的にはPOM(ポリアセタール)等の所定剛性の合成樹脂材料)により所定の成形技術(例えば、射出成形技術)で一体成形することにより形成することができる。また、ピストン20は、前記摺動部H、シール部S及び底壁部Vの全体を、所定の材料(典型的にはPOM等の所定剛性の合成樹脂材料)により所定の成形技術(射出成形技術)で一体成形することにより形成することができるが、摺動部H及びシール部Sを一体成形する一方で、底壁部Vを別体で成形し、摺動部Hの連結壁23に一体的に固着等して構成することもできる。或いは、底壁部Vも、通水部26と別体で弁体保持部27,28を形成し、弁体保持部の基部27を通水部26に一体的に固着等して構成することもできる。また、弁パッキン30は、前記着座部31、嵌合部32、掛止部33及び軸部34の全体を、所定の材料(典型的にはEPDM等の合成ゴム材料)により所定の成形技術(ゴム成形技術)で一体成形することにより形成することができる。また、弁ニップル50は、挿嵌部51、係合部52、雌螺子53、支持壁54、嵌合突起55、通水軸部56、張出部57、膨出部58及び弁座59の全体を、所定の材料(典型的にはPOM等の所定剛性の合成樹脂材料)により所定の成形技術(射出成形技術)で一体成形することにより形成することができる。
[調圧弁の組立方法]
本実施の調圧弁CVを組み立てるには、まず、図8に示すように、ピストン20に弁パッキン30を固着する。即ち、図8(a)中に二点鎖線で示すように、ピストン20の摺動部Hの内周側の空間に弁パッキン30の軸部34側を挿入して、弁体保持部27,28の挿着孔27aに弁パッキン30の軸部34を挿通していく。すると、図8中に実線で示すように、弁パッキン30の掛止部33の傾斜面33aがピストン20の基部27の一次側面の挿着孔27aの周縁に当接すると共に、軸部34のほぼ全長が、基部27の二次側面から突出する。この状態で、基部27の二次側面から突出する軸部34を引っ張ることで、弁パッキン30の掛止部33の傾斜面33aが、自ら弾性変形して(即ち、基部27の内径に応じて弾性的に縮径されて)、ピストン20の基部27の一次側面の挿着孔27aの周縁を乗り越え、最終的に、掛止部33の一次側面がピストン20の基部27の二次側面に到達したときに、弁パッキン30の嵌合部32がピストン20の挿着孔27aに完全に挿入して密嵌状態となる。また、このとき、弁パッキン30の着座部31が、ピストン20の弁体収容空間28aに密嵌して保持され、かつ、掛止部33の円盤状部分の一次側面が、基部27の二次側面に密接して配置される。これにより、着座部31と掛止部33とが協働してそれらの間に基部27を挟持して、弁パッキン30が弁体保持部27,28に(意図して離脱する外力を加えない限り)離脱不能に固着されて、弁パッキン30のピストン20への組付けが完了する。なお、弁パッキン30をピストン20から取り外すには、工具等を使用して、弁パッキン30の掛止部33をピストン20の挿着孔27aに向かって押し込むようにして、(掛止部33の弾性変形を利用して)基部27の一次側に押し出し、弁パッキン30をピストン20から取り外すことができる。
本実施の調圧弁CVを組み立てるには、まず、図8に示すように、ピストン20に弁パッキン30を固着する。即ち、図8(a)中に二点鎖線で示すように、ピストン20の摺動部Hの内周側の空間に弁パッキン30の軸部34側を挿入して、弁体保持部27,28の挿着孔27aに弁パッキン30の軸部34を挿通していく。すると、図8中に実線で示すように、弁パッキン30の掛止部33の傾斜面33aがピストン20の基部27の一次側面の挿着孔27aの周縁に当接すると共に、軸部34のほぼ全長が、基部27の二次側面から突出する。この状態で、基部27の二次側面から突出する軸部34を引っ張ることで、弁パッキン30の掛止部33の傾斜面33aが、自ら弾性変形して(即ち、基部27の内径に応じて弾性的に縮径されて)、ピストン20の基部27の一次側面の挿着孔27aの周縁を乗り越え、最終的に、掛止部33の一次側面がピストン20の基部27の二次側面に到達したときに、弁パッキン30の嵌合部32がピストン20の挿着孔27aに完全に挿入して密嵌状態となる。また、このとき、弁パッキン30の着座部31が、ピストン20の弁体収容空間28aに密嵌して保持され、かつ、掛止部33の円盤状部分の一次側面が、基部27の二次側面に密接して配置される。これにより、着座部31と掛止部33とが協働してそれらの間に基部27を挟持して、弁パッキン30が弁体保持部27,28に(意図して離脱する外力を加えない限り)離脱不能に固着されて、弁パッキン30のピストン20への組付けが完了する。なお、弁パッキン30をピストン20から取り外すには、工具等を使用して、弁パッキン30の掛止部33をピストン20の挿着孔27aに向かって押し込むようにして、(掛止部33の弾性変形を利用して)基部27の一次側に押し出し、弁パッキン30をピストン20から取り外すことができる。
次に、上記のように弁パッキン30を組み付けたピストン20は、その収容溝24aにYパッキンYを装着した状態で、その底壁部V側を二次側として弁本体10の一次側開口から挿入して胴部11の内部空間内に収容する。このとき、ピストン20の摺動部Hの外周壁21の外周面及びシール部Sのフランジ部25の外周端面(並びにYパッキンY)が、胴部11の内周面に沿って軸方向に摺動し、図12に示すように、フランジ部25の二次側面(図12中の下面)が弁本体10の支持片15の一次側端面(図12中の上端面)に当接したときに、ピストン20のそれ以上の移動が阻止されて、ピストン20が弁本体10内の定位置(通水時位置)に配置される。このとき、YパッキンYにより、ピストン20の外周側で弁本体10との間の水密が確保され、ピストン20の軸方向への往復移動においてもその水密が維持される。次に、押圧ばね40を弁本体10の一次側開口から挿入して、その一端側(図12中の下端側)を弁本体10内のピストン20のバネ収容空間21aに挿入して嵌合する。このとき、図示はしないが、自由状態(非圧縮状態)の押圧ばね40の他端位置(上端位置)は、弁本体10の嵌合孔11bの二次側端位置(図12中の下端位置、即ち、弁本体10に固着された弁ニップル50の支持壁54の下面位置)より一次側(上方)に所定長だけ突出している。
次に、弁ニップル50の収容溝57aにYパッキンYを装着した状態で、弁本体10の一次側開口に弁ニップル50の挿入部Iを挿入して、その接続部Fの嵌合突起55を弁本体10の案内溝11aにそれぞれ位置合わせし、挿嵌部51を弁本体10の一次側開口から二次側へと挿入していく。すると、弁ニップル50の嵌合突起55が、それぞれ、弁本体10の案内溝11aに沿って二次側へと直線的に摺動案内され、最終的に、嵌合孔11bに合致したときに嵌合孔11b内へと挿着されて密嵌される。これにより、弁ニップル50が、接続部Fを介して弁本体10の一次側開口に固着され、弁本体10の一次側開口部分に給水栓の接続口を形成して、一次側に前記入水口IPOを形成することができる。なお、図12に示すように、弁本体10の固着した弁ニップル50の支持壁54の一次側面(図12中の上面)には、中央に円形の通水孔を有する(典型的には合成ゴム製の)パッキン60を載置する。パッキン60の外径は、接続部Fの雌螺子53の内径と同等であり、その内径は、挿入部Iの支持壁54の通水孔54aの直径よりも大径となっている。
一方、このとき、弁ニップル50の挿入部Iは、その先端側の内側シール部(張出部57より先端側の部分)が、弁本体10内のピストン20の内周壁22の内部空間に挿入される。また、このとき、弁ニップル50の挿入部Iが、内側シール部としての張出部57及び膨出部58に装着したYパッキンYにより、ピストン20の内周側でピストン20との間の水密を確保して、ピストン20の軸方向への往復移動においてもその水密を維持する。 更に、このとき、図12に示すように、弁ニップル50の挿入部Iの先端(即ち、弁座59の先端面である着座面の位置)は、(弁本体10に弁ニップル50を取り付けた状態での調圧弁CV全体の軸長の半分の位置を一次側と二次側の中間位置とすると)一次側及び二次側の中間位置(以下、「軸方向中間位置」という。)よりも二次側に配置されている。図12の例では、挿入部Iにおいて弁座59部分の全体(及び膨出部58の先端側の一部)が、軸方向中間位置よりも二次側に配置されている。即ち、本実施の形態の調圧弁CVでは、少なくとも弁座59の着座面の位置が、調圧弁CVの内部流路の軸長全体における軸方向中間位置よりも二次側に偏移して配置されている。換言すれば、弁ニップル50の寸法、特に、挿入部Iの軸長は、図12に示すように、(弁ニップル50を弁本体10に固着したときに)少なくとも弁座59の着座面の位置が、調圧弁CVの内部流路の軸長全体における軸方向中間位置よりも二次側に所定寸法s1だけ偏移して配置される長さに設定されている。
この寸法関係について詳細に説明すると、ピストン20の寸法(特に、図12中、フランジ部25の下面位置から外周壁21及び内周壁22の上端位置までの距離)は、その(図12中の)上端位置が、調圧弁CVの軸方向中間位置よりも一次側に位置すると共に、外周壁21及び内周壁22の上端位置が、前記弁ニップル50の挿入部Iの張出部57の上面位置まで又はその近傍位置まで突出するような寸法に設定されている。更に、このとき、ピストン20の底壁部Vの弁体保持部27,28の(図12中における)上端位置が、調圧弁CVの軸方向中間位置よりも二次側に所定距離s2だけ離間した位置となるよう、ピストン20の寸法(特に、図12中、連結壁23の下面位置から通水部26の下面位置若しくは基部27の下面位置までの距離、並びに、基部27の下面位置から規制壁28の上端位置までの距離)が設定されている。また、図12に示すように、弁本体10に対して、ピストン20を定位置に配置し、かつ、弁ニップル50を固着した状態で、弁ニップル50の挿入部Iの先端位置(弁座59の着座面位置)は、ピストン20の摺動部Hのほぼ下端位置(正確には、連結壁23のほぼ上面位置であって、シール部Sよりも若干上側の位置)にある。更に、ピストン20の底壁Vの下面位置(通水部26の下端位置及び基部27の下面位置)は、弁本体10の底壁13のほぼ上面位置にある。更にまた、ピストン20に固着した弁パッキン30の軸部34の下端部は、弁本体10のホース装着部14の下端から所定長だけ外部に露出及び突出している。
上記のように、弁本体10に弁ニップル50を固着すると、図12に示すように、調圧弁CVの全体の組立が完了するが、このとき、支持壁54の下面が、押圧ばね40の上端に当接して押圧ばね54を下方(二次側)に押圧することで、押圧ばねを所定の押圧力状態(ピストン20の定位置での押圧力状態)としている。これにより、弁本体10内における弁ニップル50の弁座59の着座面に対するピストン20の相対的軸方向位置(特に、ピストン20の弁体となる弁パッキン30の着座部31の上面位置)が、弁ニップル50の弁座59の着座面に対して前記所定距離s2だけ離間した距離に配置されて、(ピストン20に対する背圧が加わらない限り)その定位置を維持している。
[給水栓への組付方法及び使用方法]
上記のように組立てた調圧弁CVは、図13に示すように、給水栓100と(止水機能付きシャワーヘッド120への給水経路を構成する)シャワーホース110との間に介装して装着される。詳細には、調圧弁CVは、弁ニップル50の雌螺子53を給水栓100のシャワーポート105の雄螺子(図示略)螺合することで、まず、調圧弁CVを給水栓100の原水給水路に接続する。次に、調圧弁CVの弁本体10のホース装着部14にシャワーホース110のホース部111の一端に配設されたナット112を外嵌して螺合することにより、シャワーホース110の一端を接続する。一方、シャワーホース110の他端のナット113をシャワーヘッド120の本体121の基端のホース装着部に接続する。そして、給水栓100の本体101の内部流路に、冷水供給ポート102から原水としての冷水を供給すると共に、熱水供給ポート103から原水としての熱水を供給した状態で、(冷水と熱水との混合比率を変更することにより水温又は湯温を変更するための)湯水調節ハンドル107を操作すると共に、(カラン104とシャワーポート105との間で流水経路を切り替えるための)ハンドル106を操作して、シャワーポート105へ(冷水及び/又は温水からなる)原水を供給する。すると、シャワーヘッド120の吐水部122から(ストップボタン123による止水機能を発揮しない限り)原水が吐出される。このとき、図12に示すように、原水は、調圧弁CVの(弁ニップル50により形成された)入水口IPからパッキン60を経て、弁ニップル50の挿入部Iの内部流路(内周面56aの内側空間)を流動し、弁座59の先端開口から流出する。次に、原水は、ピストン20の底壁部Vにより包囲される空間(通水部26並びに弁体保持部27,28及び弁パッキン30の着座部31により包囲される空間)内に流入した後、通水部26のスリット26aから外部に流出して、最終的に、ホース接続部14からシャワーホース110内へと流出する。
上記のように組立てた調圧弁CVは、図13に示すように、給水栓100と(止水機能付きシャワーヘッド120への給水経路を構成する)シャワーホース110との間に介装して装着される。詳細には、調圧弁CVは、弁ニップル50の雌螺子53を給水栓100のシャワーポート105の雄螺子(図示略)螺合することで、まず、調圧弁CVを給水栓100の原水給水路に接続する。次に、調圧弁CVの弁本体10のホース装着部14にシャワーホース110のホース部111の一端に配設されたナット112を外嵌して螺合することにより、シャワーホース110の一端を接続する。一方、シャワーホース110の他端のナット113をシャワーヘッド120の本体121の基端のホース装着部に接続する。そして、給水栓100の本体101の内部流路に、冷水供給ポート102から原水としての冷水を供給すると共に、熱水供給ポート103から原水としての熱水を供給した状態で、(冷水と熱水との混合比率を変更することにより水温又は湯温を変更するための)湯水調節ハンドル107を操作すると共に、(カラン104とシャワーポート105との間で流水経路を切り替えるための)ハンドル106を操作して、シャワーポート105へ(冷水及び/又は温水からなる)原水を供給する。すると、シャワーヘッド120の吐水部122から(ストップボタン123による止水機能を発揮しない限り)原水が吐出される。このとき、図12に示すように、原水は、調圧弁CVの(弁ニップル50により形成された)入水口IPからパッキン60を経て、弁ニップル50の挿入部Iの内部流路(内周面56aの内側空間)を流動し、弁座59の先端開口から流出する。次に、原水は、ピストン20の底壁部Vにより包囲される空間(通水部26並びに弁体保持部27,28及び弁パッキン30の着座部31により包囲される空間)内に流入した後、通水部26のスリット26aから外部に流出して、最終的に、ホース接続部14からシャワーホース110内へと流出する。
このとき、弁ニップル50の支持壁54の通水孔54aがテーパー状の円形孔となっているため、原水は、挿入部I内に若干収束されて流入する。また、弁本体10の底部13の内周端部が傾斜面13aとなっているため、通水部26から流出した原水は、傾斜面13aで若干収束されて出水口OPへと流入し、出水口OPからシャワーホース110内に流出する。更に、弁パッキン30の掛止部33の外面が傾斜面33aとなっているため、通水部26から流出した原水は、傾斜面33aに案内されて出水口OP内へと円滑に流動する。
[調圧弁CVの作用効果]
一方、給水栓100からの原水の給水を継続した状態で(即ち、給水栓100側の止水機能を発揮しない状態で)、シャワーヘッド120のストップボタン123を押圧すると、シャワーヘッド120の本体121内部の(ストップボタン123の)開閉弁が閉弁されて止水動作が行われ、この止水動作直後に、開弁時から閉弁直前までシャワーホース110の内部流路内を一次側(給水栓100側)から二次側(シャワーヘッド120側)に向かって所定速度で流動していた原水が、シャワーヘッド120内の閉弁位置にて進路を急激に遮断されることになるため、シャワーヘッド120内の開閉弁よりも一次側にあるシャワーホース110の流路内の水圧が開弁時の水圧よりも急激に増大し、この増大した水圧がシャワーホース110を介して給水栓100に向かって進行する。そして、この増大した水圧の増圧水は、図14(a)に示すように、調圧弁CVのホース装着部14から弁本体10の内部流路に流入し、調圧弁CVの内部流路を経て給水栓100のシャワーポート105から給水栓100の内部流路へと流入しようとする。すると、調圧弁CVの内部流路において、増圧水からの背圧が、主に、弁パッキン30の掛止部33の傾斜面33a及びピストン20の基部27の二次側面に作用して、押圧ばね40の二次側への押圧付勢力に抗して、底壁部Vを介してピストン20を一次側へと(背圧に応じた押圧力で)押圧付勢する。すると、ピストン20は、図14中の左方向へと、増圧水の水圧に応じた量だけ弁本体10内を軸方向に移動し、弁パッキン30の着座部31の一次側面(図14中の左側面)が、弁ニップル50の弁座59の先端面に増圧水の水圧に応じた量だけ接近移動する。そして、増圧水の水圧が所定の設定圧(以下、「閉弁動作用設定圧」という。)以上の背圧となったときに、図14(b)に示すように、弁パッキン30の着座部31の一次側面が、弁ニップル50の弁座59の先端面に着座する。
一方、給水栓100からの原水の給水を継続した状態で(即ち、給水栓100側の止水機能を発揮しない状態で)、シャワーヘッド120のストップボタン123を押圧すると、シャワーヘッド120の本体121内部の(ストップボタン123の)開閉弁が閉弁されて止水動作が行われ、この止水動作直後に、開弁時から閉弁直前までシャワーホース110の内部流路内を一次側(給水栓100側)から二次側(シャワーヘッド120側)に向かって所定速度で流動していた原水が、シャワーヘッド120内の閉弁位置にて進路を急激に遮断されることになるため、シャワーヘッド120内の開閉弁よりも一次側にあるシャワーホース110の流路内の水圧が開弁時の水圧よりも急激に増大し、この増大した水圧がシャワーホース110を介して給水栓100に向かって進行する。そして、この増大した水圧の増圧水は、図14(a)に示すように、調圧弁CVのホース装着部14から弁本体10の内部流路に流入し、調圧弁CVの内部流路を経て給水栓100のシャワーポート105から給水栓100の内部流路へと流入しようとする。すると、調圧弁CVの内部流路において、増圧水からの背圧が、主に、弁パッキン30の掛止部33の傾斜面33a及びピストン20の基部27の二次側面に作用して、押圧ばね40の二次側への押圧付勢力に抗して、底壁部Vを介してピストン20を一次側へと(背圧に応じた押圧力で)押圧付勢する。すると、ピストン20は、図14中の左方向へと、増圧水の水圧に応じた量だけ弁本体10内を軸方向に移動し、弁パッキン30の着座部31の一次側面(図14中の左側面)が、弁ニップル50の弁座59の先端面に増圧水の水圧に応じた量だけ接近移動する。そして、増圧水の水圧が所定の設定圧(以下、「閉弁動作用設定圧」という。)以上の背圧となったときに、図14(b)に示すように、弁パッキン30の着座部31の一次側面が、弁ニップル50の弁座59の先端面に着座する。
これにより、調圧弁CVが閉弁動作して、増圧水が弁座59の先端位置(着座部31の着座位置)で完全に遮断されて一次側方向への流動を阻止される。なお、前記増圧水の水圧が、前記閉弁動作用設定圧未満のときは、弁パッキン30の着座部31の一次側面は、増圧水の水圧に応じて弁ニップル50の弁座59の先端面に接近するが、弁座59に着座することはない。したがって、シャワーホース110からの増圧水の水圧に応じて、ピストン20が、着座部31を完全開放位置(図14(a)の完全開弁位置)と閉塞位置(図14(b)の着座位置)との間で移動させることで、増圧水の水圧に応じた調圧弁動作を行うことになり、増圧水の水圧を(完全開放位置から閉塞位置の手前の位置である部分的開放位置までの間で)緩衝すると共に、(閉塞位置で)完全に遮断して、増圧水による給水栓100等への影響を防止する。なお、弁本体10内をピストン20が前記定位置(前記着座部31の完全開放位置)と一次側の最奥位置(前記着座部31の閉塞位置)との間で往復移動するとき、外周側のYパッキンY及び内周側のYパッキンYが、ピストン20の外周側及び内周側でそれぞれ水密を維持する。また、弁本体10内をピストン20が前記定位置から一次側の最奥位置に向かって往動すると、ピストン20の内周壁22よりも外周側において連結壁23よりも一次側に位置する空間が縮小することになるが、この空間縮小分の空気は、弁本体10の嵌合孔11b(正確には、嵌合孔11bと弁ニップル50の嵌合突起55との間の間隙)を介して弁本体10の外部へと放出される。同様に、弁本体10内をピストン20が前記最奥位置から定位置に向かって復動すると、ピストン20の内周壁22よりも外周側において連結壁23よりも一次側に位置する空間が拡大することになるが、この空間拡大分の空気は、弁本体10の外部から弁本体10の嵌合孔11b(正確には、嵌合孔11bと弁ニップル50の嵌合突起55との間の間隙)を介して弁本体10の内部へと補給される。よって、弁ニップル50の固着構造のための弁本体10の嵌合孔11bを、ピストン20の往復移動に伴う弁本体の空気室内の空気の流通用にも兼用することができ、全体の構造をコンパクト化して、コスト削減に寄与することができる。
[二次側での水圧制御]
ここで、調圧弁CVは、上記の調圧弁CVの水圧制御動作において、増圧水の水圧制御を、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側の位置で行うことを主要な特徴の一つとする。具体的には、図12に示すように、増圧水の水圧によるピストン20への背圧(一次側への圧力)が、ピストン20に対する押圧ばね40の押圧力(二次側への圧力)を超えるまでは、弁体保持部27,28の着座部31は、完全開放位置にある。そして、増圧水の水圧によるピストン20への背圧が、ピストン20に対する押圧ばね40の押圧力を若干でも超えると、その背圧によりピストン20が(押圧ばね40の押圧力に抗して)一次側へと移動開始し、弁体保持部27,28の着座部31が、完全開放位置から閉塞位置へと向かって(増圧水の水圧の大小に応じて)移動開始する。このとき、弁関連部品のうち固定側部品である弁座59が、上記のとおり、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移して固定的に配置されているため、完全開放位置から閉塞位置までの間の調圧弁動作において軸方向に移動する着座部31の着座面の位置は、ピストン20の往復移動に伴う軸方向の位置変動にかかわらず、必ず、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移した位置となる。また、増圧水の背圧を受けるピストン20の部分(基部27等)や弁パッキン30の部分(掛止部33)の位置も、ピストン20の往復移動に伴う軸方向の位置変動にかかわらず、必ず、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移した位置となる。したがって、増圧水の背圧に応じて着座部31が弁座59との距離を縮小及び拡大する調圧弁動作、及び、着座部31が最終的に弁座59に着座することによる閉弁動作においては、かかる調圧弁動作及び閉弁動作に関与する全ての部材及び部分(即ち、ピストン20において連結壁23よりも二次側に配設される部材及び部分)が、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移した位置に配置されることになる。その結果、従来のように減圧弁動作及び閉弁動作に関与する部材及び部分が減圧弁の一次側に偏移して配置される場合と比較して、調圧弁CVによる調圧動作及び閉弁動作等の水圧制御動作をより安定して行うことができ、水圧制御動作の安定性を飛躍的に向上することができる。
ここで、調圧弁CVは、上記の調圧弁CVの水圧制御動作において、増圧水の水圧制御を、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側の位置で行うことを主要な特徴の一つとする。具体的には、図12に示すように、増圧水の水圧によるピストン20への背圧(一次側への圧力)が、ピストン20に対する押圧ばね40の押圧力(二次側への圧力)を超えるまでは、弁体保持部27,28の着座部31は、完全開放位置にある。そして、増圧水の水圧によるピストン20への背圧が、ピストン20に対する押圧ばね40の押圧力を若干でも超えると、その背圧によりピストン20が(押圧ばね40の押圧力に抗して)一次側へと移動開始し、弁体保持部27,28の着座部31が、完全開放位置から閉塞位置へと向かって(増圧水の水圧の大小に応じて)移動開始する。このとき、弁関連部品のうち固定側部品である弁座59が、上記のとおり、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移して固定的に配置されているため、完全開放位置から閉塞位置までの間の調圧弁動作において軸方向に移動する着座部31の着座面の位置は、ピストン20の往復移動に伴う軸方向の位置変動にかかわらず、必ず、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移した位置となる。また、増圧水の背圧を受けるピストン20の部分(基部27等)や弁パッキン30の部分(掛止部33)の位置も、ピストン20の往復移動に伴う軸方向の位置変動にかかわらず、必ず、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移した位置となる。したがって、増圧水の背圧に応じて着座部31が弁座59との距離を縮小及び拡大する調圧弁動作、及び、着座部31が最終的に弁座59に着座することによる閉弁動作においては、かかる調圧弁動作及び閉弁動作に関与する全ての部材及び部分(即ち、ピストン20において連結壁23よりも二次側に配設される部材及び部分)が、調圧弁CVの内部流路の軸方向中間位置よりも二次側に偏移した位置に配置されることになる。その結果、従来のように減圧弁動作及び閉弁動作に関与する部材及び部分が減圧弁の一次側に偏移して配置される場合と比較して、調圧弁CVによる調圧動作及び閉弁動作等の水圧制御動作をより安定して行うことができ、水圧制御動作の安定性を飛躍的に向上することができる。
[ピストンの摺動部の厚み比率]
また、調圧弁CVは、ピストン20において所定範囲内の厚みTに制限される摺動部Hにおける内周壁22の壁厚t2を外周壁21の壁厚t1よりも相対的に大きくしたことを別の主要な特徴とする。詳細には、まず、ピストン20の摺動部Hの内周壁22の内径は、弁ニップル50の挿入部Iの最大外径(即ち、張出部57及び膨出部58の外径)と同一直径(正確には、内周壁22が継手部55〜59の57及び58の外周面上を軸方向に摺動自在となるよう若干小さい直径)に設定されている。また、ピストン20の摺動部Hの外周壁21の外径は、弁本体10の胴部11の内径と同一直径(正確には、外周壁21が胴部11の内周面上を軸方向に摺動自在となるよう若干小さい直径)に設定されている。更に、図8及び図12に示すように、ピストン20の摺動部Hは、外周壁21及び内周壁22及び連結壁23からなる二重周壁状の有底円筒状をなしており、その厚み(摺動部H全体の壁厚)Tは、外周壁21の外周面と内周壁22の内周面との間の間隔で決定される寸法となるが、この厚みTは、弁本体10の胴部11の内径と、(弁本体10内に収容配置される)弁ニップル50の挿入部Iの最大外径との間の間隔(放射方向寸法)により規制される(即ち、当該間隔と同一寸法となるよう設定される)。また、摺動部Hの厚みTは、外周壁21の壁厚t1と、内周壁22の壁厚t2と、(外周壁21及び内周壁22間の間隙の厚みである)ばね収容空間21aの厚みt3との合計値となるが、本発明者らは、本発明の調圧弁を開発する過程で、特に外周壁21の壁厚t1と内周壁の壁厚t2との厚み比率により、ピストン20としての品質(水圧下での強度、耐久性等)が大きく影響を受けるとの知見を(数々の試行錯誤の結果)見出し、この点について独自の工夫をすることにより、本発明を完成している。
また、調圧弁CVは、ピストン20において所定範囲内の厚みTに制限される摺動部Hにおける内周壁22の壁厚t2を外周壁21の壁厚t1よりも相対的に大きくしたことを別の主要な特徴とする。詳細には、まず、ピストン20の摺動部Hの内周壁22の内径は、弁ニップル50の挿入部Iの最大外径(即ち、張出部57及び膨出部58の外径)と同一直径(正確には、内周壁22が継手部55〜59の57及び58の外周面上を軸方向に摺動自在となるよう若干小さい直径)に設定されている。また、ピストン20の摺動部Hの外周壁21の外径は、弁本体10の胴部11の内径と同一直径(正確には、外周壁21が胴部11の内周面上を軸方向に摺動自在となるよう若干小さい直径)に設定されている。更に、図8及び図12に示すように、ピストン20の摺動部Hは、外周壁21及び内周壁22及び連結壁23からなる二重周壁状の有底円筒状をなしており、その厚み(摺動部H全体の壁厚)Tは、外周壁21の外周面と内周壁22の内周面との間の間隔で決定される寸法となるが、この厚みTは、弁本体10の胴部11の内径と、(弁本体10内に収容配置される)弁ニップル50の挿入部Iの最大外径との間の間隔(放射方向寸法)により規制される(即ち、当該間隔と同一寸法となるよう設定される)。また、摺動部Hの厚みTは、外周壁21の壁厚t1と、内周壁22の壁厚t2と、(外周壁21及び内周壁22間の間隙の厚みである)ばね収容空間21aの厚みt3との合計値となるが、本発明者らは、本発明の調圧弁を開発する過程で、特に外周壁21の壁厚t1と内周壁の壁厚t2との厚み比率により、ピストン20としての品質(水圧下での強度、耐久性等)が大きく影響を受けるとの知見を(数々の試行錯誤の結果)見出し、この点について独自の工夫をすることにより、本発明を完成している。
具体的には、上記のとおり、ピストン20の摺動部Hの厚みTは、弁本体10の内径と弁ニップル50の挿入部Iの外径とにより規制されるが、このとき、弁本体10の内径は、給水栓のシャワーポートの径に応じて必然的に直径の上限があり、また、弁ニップル50の挿入部Iの外径も、給水栓からの原水の流水路を形成する通水軸部56の内周面56aの直径に応じて必然的に直径の下限がある。したがって、ピストン20の摺動部Hの厚みTは、最大でも、弁本体10の内径の上限値と弁ニップル50の挿入部Iの外径の下限値との間の直径に制限されることになる。更に、摺動部Hのバネ収容空間21aの厚みt3は、収容対象の押圧ばね40を確実かつ安定的に収容してバネ動作を発現させることができるよう、押圧ばね40の線径dよりも大きくする必要がある。なお、押圧ばね40の線径dは、ピストン20に二次側から印加される増圧水の予想水圧(例えば、増圧水発生時における最大圧から最小圧までの圧力の往復変動等)を考慮して決定される。よって、外周壁21の壁厚t1及び内周壁22の壁厚t2の合計値は、(上記のように所定範囲内に制限される)摺動部Hの厚みTから(上記のように所定厚み以上を確保する必要がある)バネ収容空間21aの厚みt3を除いた寸法の範囲内に収める必要がある。そして、本発明者らは、本発明の調圧弁を開発する過程で、増圧水の背圧が、特に、ピストン20の外周側で弁本体10の内周面上を摺動する外周壁21よりも、(図8に示すように、底壁部Vの通水部26の周壁と同様の半径方向位置に配置されることにより)増圧水の背圧を直接的に受ける底壁部Vからの圧力が直接的に印加されると共に、その直接的に圧力を受けてピストン20の内周側で弁ニップル50の挿入部I上を摺動する内周壁22に大きく影響するとの知見を(数々の試行錯誤の結果)見出し、この点に対処するため、内周壁22の壁厚t2を外周壁の壁厚t1よりも相対的に大きな寸法に設定している。具体的には、内周壁22の壁厚t2は、例えば、外周壁21の壁厚t1の200%〜300%の範囲内の所定寸法(好ましくは、200%〜250%の範囲内の所定寸法、更に好ましくは、約225%程度の寸法)に設定することが好ましい。なお、図示の例では、内周壁22の壁厚t2は、バネ収容空間21aの厚みt3より小さく設定されているが、同一線径でも(材料自体の特性により)相対的に大きなバネ力を有する押圧ばねの場合等、線径dが小さい押圧ばね40を使用する場合、バネ収容空間21aの厚みt3を相対的に小さくすることができ、この場合、内周壁22の壁厚t2はバネ収容空間21aの厚みt3と同等の厚み又は若干大きな厚みにすることも可能である。
なお、ピストン20における摺動部H以外の部分の厚み、例えば、シール部Sの厚みは、任意の所定厚みとすることができるが、図示の例では、垂下部24の厚みは、外周壁21の厚みt1と内周壁22の厚みt2との中間程度の厚みに設定されている。また、シール部Sのフランジ部25の厚みは、摺動部Hの連結壁23の厚みと同程度の厚みに設定されている。図示の例では、フランジ部25の壁厚は垂下部24の壁厚よりも若干大きな寸法に設定され、また、連結壁23の壁厚は外周壁21の壁厚t1と同程度の寸法に設定されている。
[着座構造]
また、調圧弁CVは、移動側部材である弁体側となる弁パッキン30の着座部31を平板状(図示の例では円盤状)としてその着座面を平坦面とする一方で、固定側部材である弁座側となる弁ニップル50の弁座59を含む先端部の断面形状を、(膨出部58部分で)大きな壁厚から弁座59に向かって徐々に壁厚を縮小する断面形状にすると共に、弁座59部分で先端に向かって曲線的に壁厚を縮小する断面形状(即ち、湾曲状の断面形状)にしたことを更に別の主要な特徴とする。詳細には、図14(b)に示すように、弁座側の膨出部58の壁厚は、通水軸部56の壁厚より大きな(図示の例では約2倍程度の)壁厚となっており、かつ、膨出部58は軸方向における二次側の半部で先端に向かって壁厚を徐々に縮小して傾斜面58aを形成し、その先端の壁厚はu1に設定されている。また、弁座59は、その基端の壁厚が前記膨出部58の先端の壁厚と同一の壁厚u1に設定され、かつ、先端に向かって曲線的に壁厚を縮小して湾曲状の外周面を形成し、その着座面となる先端面も、湾曲状の先端面となっている。一方、弁体側の弁パッキン30の着座部31のうち、弁座59に着座して弁座59からの応力が伝達する部分は、ピストン20の弁体保持部の基部27のうち、規制壁28よりも内周側の部分に対向する部分(即ち、当該規制壁28よりも内周側の部分と同一幅の円形リング板状部分)であり、その幅u2は、弁座59の基端の壁厚u1よりも大きな寸法に設定されている。そして、弁座59は、かかる着座部31の円形リング状部分の幅方向の範囲内に対向配置され、弁座59の着座面の中心が、着座部31の円形リング状部分の幅方向中央部分に対向配置されている(図示の例では、弁座59の先端の着座位置は、着座部31の円形リング状部分の内周側に若干偏って配置されている)。
また、調圧弁CVは、移動側部材である弁体側となる弁パッキン30の着座部31を平板状(図示の例では円盤状)としてその着座面を平坦面とする一方で、固定側部材である弁座側となる弁ニップル50の弁座59を含む先端部の断面形状を、(膨出部58部分で)大きな壁厚から弁座59に向かって徐々に壁厚を縮小する断面形状にすると共に、弁座59部分で先端に向かって曲線的に壁厚を縮小する断面形状(即ち、湾曲状の断面形状)にしたことを更に別の主要な特徴とする。詳細には、図14(b)に示すように、弁座側の膨出部58の壁厚は、通水軸部56の壁厚より大きな(図示の例では約2倍程度の)壁厚となっており、かつ、膨出部58は軸方向における二次側の半部で先端に向かって壁厚を徐々に縮小して傾斜面58aを形成し、その先端の壁厚はu1に設定されている。また、弁座59は、その基端の壁厚が前記膨出部58の先端の壁厚と同一の壁厚u1に設定され、かつ、先端に向かって曲線的に壁厚を縮小して湾曲状の外周面を形成し、その着座面となる先端面も、湾曲状の先端面となっている。一方、弁体側の弁パッキン30の着座部31のうち、弁座59に着座して弁座59からの応力が伝達する部分は、ピストン20の弁体保持部の基部27のうち、規制壁28よりも内周側の部分に対向する部分(即ち、当該規制壁28よりも内周側の部分と同一幅の円形リング板状部分)であり、その幅u2は、弁座59の基端の壁厚u1よりも大きな寸法に設定されている。そして、弁座59は、かかる着座部31の円形リング状部分の幅方向の範囲内に対向配置され、弁座59の着座面の中心が、着座部31の円形リング状部分の幅方向中央部分に対向配置されている(図示の例では、弁座59の先端の着座位置は、着座部31の円形リング状部分の内周側に若干偏って配置されている)。
したがって、二次側からの増圧水の背圧によって、ピストン20が一次側に向かって移動して着座部31が弁座59に着座すると、弁座59の先端の着座面が着座部31の円形リング状部分の幅方向中央部分に当接して着座動作が行われることになり、(合成樹脂材料等からなり相対的に硬質の)弁座59から(合成ゴム材料等からなり相対的に軟質の)着座部31への押圧力は、着座部31の円形リング状部分の幅方向中央部分に加わることになる。その結果、弁座59からの押圧力により、着座部31の内部に応力が発生するが、その応力は、着座部31の底面側の基部27の外周縁部分により支持されることになるため、(当該基部27の外周縁部分に載置された状態の)着座部31の外周縁部分を放射方向外方に向かって拡大する方向に弾性変形する応力となると共に、着座部31の外周縁部分の厚みを減少しようとする応力となる。よって、着座部31の外周側が解放状態にあると、その応力によって、着座部31が外周側に拡大して弾性変形し、その厚みが減少するため、弁座59の着座面の着座部31の表面に対する当接量が減少することになり、弁座59と着座部31との間での閉弁動作に影響を与える可能性がある。しかし、本実施の形態の調圧弁CVでは、着座部31の外周側の全周にわたって規制壁28が配設され、着座部31の外方への変形を完全に規制して阻止するため、弁座59からの押圧力によって着座部31が外方に拡大して変形することがない。その結果、弁座59の着座面の着座部31の表面に対する当接量が減少することはなく、弁座59と着座部31との間での閉弁動作をより確実に安定して行うことができる。また、このとき、弁座59の壁厚u1が着座部31の外周縁部(基部27に載置支持される部分)の幅u2よりも小さく、かつ、弁座59の着座面が当該着座部31の外周縁部の幅u2の範囲内で着座部31に当接する。したがって、弁座59の着座面が着座部31の対向部分(即ち、受圧部分)を押圧して着座部31に(外方への拡大変形以外の)弾性変形を生じさせる場合でも、弁座59の着座面からの押圧力が加わる着座部31の受圧部分の範囲(壁厚u1の範囲)の幅方向両側(特に、外周側)に着座部31の外周縁部の一部が(幅u2の範囲内で)存在することになり、その着座部31の外周縁部の一部が、着座部31の受圧部分からの応力を吸収することになる。その結果、着座部31の外周側に規制壁28を配設したこととの相乗効果で、弁座59から押圧力による着座部31の外周縁部の応力の影響を確実に解消することができ、弁座59と着座部31との間での閉弁動作をより一層確実に安定して行うことができる。
加えて、上記のような確実な閉弁動作を行うための構成として、弁体側では、一体形成したピストン20の弁体保持部27,28に別体の弁パッキン30を装着するだけで、弁体関連部品を一体的な構造部品とすることができると共に、着座部31を規制壁28の内周側の弁体収容凹部28a内に密嵌して装着して、規制壁28により外周方向への変形を完全に防止することができるようになっている。また、このように構成したピストン20及び弁パッキン30を弁本体10に収容するだけで、弁体側関連部品の弁本体10内への収容配置並びに着座部31の定位置への配置が完了する。したがって、調圧弁CVは、従来の減圧弁に比較して、弁体側の構造を簡素化又はコンパクト化することができると共に、部品点数を大きく削減することができ、更に、弁体側部品の組付け作業を大幅に簡略化することができる。また、弁座側では、弁座59を含む全ての部分が一体形成されて一体的な構造部品としての弁ニップル50となっており、この弁ニップル50を弁本体10に固着するだけで、給水栓100に対する接続口の形成と弁座側関連部品の弁本体10内への収容配置並びに弁座59の定位置への配置が完了する。したがって、調圧弁CVは、従来の減圧弁に比較して、弁座側の構造も簡素化又はコンパクト化することができると共に、部品点数を大きく削減することができ、更に、弁座側部品の組付け作業を大幅に簡略化することができ、加えて、これと同時に、給水栓100への接続口用部品の組付け作業を大幅に簡略化することもできる。
なお、本発明の調圧弁は、各部品、部材又は部分の構成を、発明の範囲から逸脱しない限りにおいて上記実施の形態の構成から変更することができ、特に、その材料については、上記の材料と異なる任意の材料を使用することができる。例えば、弁本体10を(上記のPOM等の合成樹脂材料以外に)金属材料等により形成することもでき、同様に、ピストン20も、(上記のPOM等の合成樹脂材料以外に)金属材料等により形成することもできる。
10:弁本体、11:胴部、11a:案内溝、11b:嵌合孔、11c:傾斜面、12:縮径部、13:底壁(底部)、13a:傾斜面、14:ホース装着部(ホース接続部)
、14a:雄螺子、15:支持片
20:ピストン(弁ピストン)、21:外周壁、21a:ばね収容空間(バネ収容空間)、22:内周壁(内壁)、23:連結壁、24:垂下部、24a:収容溝、25:フランジ部、25a:傾斜面、26:通水部、26a:スリット、27:基部(弁体保持部)、27a:挿着孔、27b:傾斜面、28:規制壁(弁体保持部)、28a:弁体収容空間(弁体収容凹部)
30:弁パッキン、31:着座部、32:嵌合部、33:掛止部、33a:傾斜面、34:軸部
40:押圧ばね
50:弁ニップル、51:挿嵌部(基部)、52:係合部、53:雌螺子、54:支持壁、54a:通水孔、55:嵌合突起(継手部)、55a:平坦面、55b:傾斜面、56:通水軸部(継手部)、56a:内周面、57:張出部(継手部)、57a:収容溝、58:膨出部、58a:傾斜面、59:弁座(継手部)
60:パッキン
100:給水栓、101:本体、102:冷水供給ポート、103:熱水供給ポート、104:カラン、105:シャワーポート、106:ハンドル、107:湯水調節ハンドル
110:シャワーホース、111:ホース部、112:ナット、113:ナット
120:シャワーヘッド、121:本体、122:吐水部、123:ストップボタン
t1,t2,t3:壁厚、s1:所定寸法、s2:所定距離
F:接続部、H:摺動部、I:挿入部、S:シール部、V:底壁部
、14a:雄螺子、15:支持片
20:ピストン(弁ピストン)、21:外周壁、21a:ばね収容空間(バネ収容空間)、22:内周壁(内壁)、23:連結壁、24:垂下部、24a:収容溝、25:フランジ部、25a:傾斜面、26:通水部、26a:スリット、27:基部(弁体保持部)、27a:挿着孔、27b:傾斜面、28:規制壁(弁体保持部)、28a:弁体収容空間(弁体収容凹部)
30:弁パッキン、31:着座部、32:嵌合部、33:掛止部、33a:傾斜面、34:軸部
40:押圧ばね
50:弁ニップル、51:挿嵌部(基部)、52:係合部、53:雌螺子、54:支持壁、54a:通水孔、55:嵌合突起(継手部)、55a:平坦面、55b:傾斜面、56:通水軸部(継手部)、56a:内周面、57:張出部(継手部)、57a:収容溝、58:膨出部、58a:傾斜面、59:弁座(継手部)
60:パッキン
100:給水栓、101:本体、102:冷水供給ポート、103:熱水供給ポート、104:カラン、105:シャワーポート、106:ハンドル、107:湯水調節ハンドル
110:シャワーホース、111:ホース部、112:ナット、113:ナット
120:シャワーヘッド、121:本体、122:吐水部、123:ストップボタン
t1,t2,t3:壁厚、s1:所定寸法、s2:所定距離
F:接続部、H:摺動部、I:挿入部、S:シール部、V:底壁部
Claims (5)
- 給水栓と止水機能付きシャワーヘッドとの間の給水経路上に配設される弁本体と、
前記弁本体の内部に軸方向への往復移動自在に収容配置されるピストンと、
前記弁本体の一次側の開口に固着されて給水栓への接続口を構成する接続部と、前記接続部から前記弁本体の内部に延設されて前記接続口からの原水を通水する筒状の挿入部とを有する弁ニップルと、
前記弁本体の内部において前記ピストンと前記弁ニップルとの間に介装され、常には前記ピストンを前記弁ニップルから離間する方向に押圧付勢する押圧ばねとを備え、
前記弁ニップルは、前記挿入部の先端に弁座を形成すると共に、前記弁座を前記弁本体の内部における二次側の位置に配置し、
前記ピストンは、同軸状に離間配置される外周壁及び内周壁の二次側端を連結壁で連結した二重周壁状の摺動部を有し、前記外周壁及び内周壁の先端を一次側とし、前記連結壁を二次側として前記弁本体の内部に配設されて、前記外周壁を前記弁本体の内周面に沿って軸方向に往復摺動自在とすると共に、前記内周壁を前記弁ニップルの挿入部の外周面に沿って軸方向に往復摺動自在とする一方、前記押圧ばねを前記摺動部の外周壁と内周壁との間の収容空間に収容して前記弁ニップルとの間に介装し、前記摺動部において前記内周壁の壁厚を前記外周壁の壁厚よりも大きな壁厚に設定し、前記摺動部の連結壁よりも更に二次側となる位置であって、かつ、前記弁ニップルの弁座から二次側に離間する位置に、前記弁座に着座して閉弁動作自在な着座部を配置し、前記弁本体の二次側の開口からの増圧水の背圧を受けて前記押圧ばねの押圧付勢力に抗して前記着座部を前記弁座に対して接近させるよう構成されていることを特徴とする調圧弁。 - 前記ピストンは、前記摺動部の二次側端から更に二次側に突出して配置される底壁部を一体形成すると共に、前記底壁部にスリットを設けて前記弁ニップルの挿入部からの原水を二次側に通水自在とし、
前記着座部は、前記ピストンとは別体で形成される平板状をなして、前記ピストンの底壁部の中央部の一次側に露出するよう固着され、
前記ピストンは、前記底壁部において少なくとも前記着座部を配置する部分によって、前記弁本体の二次側開口からの増圧水の背圧を受けるよう構成され、
前記弁座は、その先端の着座面を前記着座部の外周縁部に押圧状態で当接させて前記着座部との間で閉弁動作を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の調圧弁。 - 前記着座部は平板状の円盤状に形成されてその着座面を平坦面とし、
前記弁ニップルの挿入部は、少なくとも前記弁座を含む先端部の断面形状を、前記先端部以外の部分の壁厚よりも大きな壁厚から前記弁座に向かって徐々に壁厚を縮小する断面形状に形成すると共に、前記弁座部分で先端に向かって曲線的に壁厚を縮小する断面形状に形成したことを特徴とする請求項2記載の調圧弁。 - 前記ピストンの底壁部は、前記摺動部の内周壁部分から二次側に突出する共に前記スリットを形成したスリット付バスケット状をなす通水部と、前記通水部の中央部に一体形成された円盤状の基部と、前記基部の一次側の面の外周縁から一次側方向に突出するよう一体形成された周壁状の規制壁とを有し、
前記着座部を前記基部と前記規制壁とに包囲される収容空間内に密嵌して固着して、前記着座部の外周縁の外方への変形を前記規制壁により規制し、
前記弁ニップルの挿入部は、前記先端部以外の部分を通水軸部とすると共に、前記先端部に膨出部を形成し、前記膨出部の壁厚は、前記通水軸部の壁厚より大きな壁厚とすると共に、前記膨出部は軸方向における二次側の半部で先端に向かって壁厚を徐々に縮小する一方、前記弁座は、その基端の壁厚が前記膨出部の先端の壁厚と同一の壁厚に設定され、かつ、先端に向かって曲線的に壁厚を縮小して湾曲状の外周面を形成し、その着座面となる先端面も、湾曲状の先端面となっており、
前記着座部のうち、前記弁座に着座して前記弁座からの押圧力を受ける部分の幅は、前記弁座の基端の壁厚よりも大きな寸法に設定されていることを特徴とする請求項3記載の調圧弁。 - 前記ピストンの摺動部の内周壁の壁厚は、前記外周壁の壁厚の200%〜300%の範囲内の所定寸法に設定されている請求項1乃至4のいずれか1項記載の調圧弁。
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- 2013-07-23 JP JP2013152663A patent/JP5646013B1/ja not_active Expired - Fee Related
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