JP2023540931A - 組み込まれた圧力逃し弁を備えた逆止弁 - Google Patents

Abstract

本発明は、通流方向（Ｐｆ１）で流れ来る水によって、第１の弁座（４）に密に接触する閉位置から、第１の弁座（４）から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である弁体（３）と、閉鎖体（６）を有し、該閉鎖体（６）は、通流方向（Ｐｆ１）とは反対の方向に流れ戻る水の圧力によって、第２の弁座（７）に密に接触する閉位置から、第２の弁座（７）から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である、圧力逃し弁（５）と、を備え、圧力逃し弁（５）の閉鎖体（６）に作用する戻し力が、弁体（３）に作用する戻し力に比べて大きい、逆止弁（１）に関する。本発明に係る逆止弁は、圧力逃し弁（５）の閉鎖体（６）が、第１の材料から成る閉鎖体コア（８）を有しており、閉鎖体コア（８）は、少なくとも、閉位置において第２の弁座（７）に密に接触する部分領域において、第１の材料に対してより軟らかいかつ／または弾性のある第２の材料から成るスキンまたは層（９）を支持していることを特徴とする。

Description

本発明は、弁体であって、通流方向で流れ来る水によって、弁体が第１の弁座に密に接触する閉位置から、弁体が第１の弁座から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である、弁体と、閉鎖体を有する圧力逃し弁であって、閉鎖体が、通流方向とは反対方向に流れ戻る水の圧力によって、閉鎖体が第２の弁座に密に接触する閉位置から、閉鎖体が第２の弁座から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である、圧力逃し弁と、を備え、圧力逃し弁の閉鎖体に作用する戻し力が、弁体に作用する戻し力に比べて大きい、逆止弁に関する。

衛生フィッティング、特に温度サーモスタットおよび温度サーモスタットとは別個に配置された流量制御弁および遮断弁を有する衛生フィッティングでは、冷水供給部および温水供給部の供給管路内において通常は逆流防止装置が使用され、この逆流防止装置は、水取出し部が閉じている場合に、冷水接続部と温水接続部との間のオーバフローを阻止することが望ましい。逆流防止装置が閉じていて同時に水取出し部が閉じている場合に、フィッティング内で、逆流防止装置および閉じた流量制御弁によって閉じ込められた水体積が生じ、この水体積に基づいて、例えば既に暖かいフィッティングにおいて冷水供給部が短時間開かれた場合に、加熱および膨張により、水の非圧縮性のために著しい圧力が生じるという問題が生じる。

このような問題を回避するために、衛生的な水栓フィッティングのために規定された逆止弁が提供された。この逆止弁は、通常の通流方向で流れ来る水によって、弁体が弁座に密に接触する閉位置から、弁体が弁座から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である弁体を有している（欧州特許第０６５３０３３号明細書参照）。公知の逆止弁の弁体には、圧力逃し弁が組み込まれている。このために、逆止弁の弁体は、側方の流入開口を備えた管状の突出部を有する円錐部と、側方の流出開口を備えたフード状の付加部を有する円錐部キャップと、から構成されている。フード状の付加部のヘッドと、圧力逃し弁の弁座として働く管状の突出部の上端部との間で、圧力逃し弁の閉鎖体には、シール座において予荷重が加えられている。圧力逃し弁の閉鎖体は、弾性的な成形部材として形成されている。公知の逆止弁が、例えば、冷水側が遮断されているが温水側が開放されているシングルレバー混合水栓の冷水供給管路内に組み込まれていて、冷水逆止弁が閉じられている場合、水の加熱により、フィッティングの閉じられた冷水弁と閉じられた冷水逆止弁との間で高い圧力が生じることがあり、この圧力は、管状の突出部に設けられた開口によって組み込まれた圧力逃し弁に作用するので、これにより閉鎖体が、圧力逃し弁の弁座から持ち上げられて、フード状の付加部の側方の出口開口を通って水が漏れ出ることができる。

冒頭で述べた形式の逆止弁も既に提供されており、この逆止弁では、圧力逃し弁が、逆止弁の弁体内で摺動可能にガイドされる閉鎖体を有しており、この閉鎖体は、逆止弁の流出側に過度に高い過剰圧力が加えられた場合に、通常の通流方向とは反対方向に、閉位置から、強い戻しばねの力に抗して開位置へと運動可能であり、供給管路内の放圧を可能にする。公知の逆止弁に組み込まれた圧力逃し弁の閉鎖体は、金属製の玉から形成されており、この玉は、戻しばねにより、圧力逃し弁の、熱可塑性のプラスチックから製造された弁座に押圧される（https://de.www.additively.com/de/showcase/de/optimiertes-kugelrueckschlagventil-fuer-fluessigkeitsfuellsystem-npを参照）。公知の逆止弁を製造するために使用される射出成形工具は、製造プロセスにおいて摩耗に曝されているので、公知の逆止弁の、圧力逃し弁の領域における密閉性は、ますます減じられるか、または圧力逃し弁の機能確実性も損なわれていることがある。

したがって、冒頭で述べた種類の逆止弁を改良して、逆止弁が、この逆止弁の構成部材の製造に基づく誤差に対して鈍感であり、常に寿命全体にわたって、開放圧の誤差範囲に関する高い密閉性および機能確実性の点で優れているようにするという課題が生じる。

この課題は本発明に基づき、冒頭で述べた種類の逆止弁において、特に、圧力逃し弁の閉鎖体が、第１の材料から成る閉鎖体コアを有しており、閉鎖体コアは、閉位置において第２の弁座に密に接触する部分領域において、第１の材料に対してより軟らかいかつ／または弾性のある第２の材料から成るスキンまたは層を支持していることによって解決される。

本発明に係る逆止弁は、弁体を有しており、この弁体は、通流方向で流入する水により、弁体が第１の弁座に密に接触する閉位置から、弁体が第１の弁座から持ち上げられている開位置に向かって運動可能である。弁体は、通常の方向で流れ来る水によってその閉位置から開位置へと運動させられるので、通常の通流方向で流れ来る水は、逆止弁を通過することができる。

これに対して、通常の通流方向とは反対方向に流れる逆流は、弁体を第１の弁座に押圧するので、このような逆流は効果的に阻止される。逆止弁の流出側に加えられた圧力が、規定された最大値を上回り、これによって、例えばフィッティング内に位置している構成部材の、圧力に起因した破壊を招くおそれがある場合、本発明に係る逆止弁内に組み込まれている圧力逃し弁が機能する。この圧力逃し弁は閉鎖体を有しており、この閉鎖体は、通流方向とは反対方向に流れ戻る水の圧力により、閉鎖体が第２の弁座に密に接触する閉位置から、圧力逃し弁の閉鎖体が第２の弁座から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して持ち上げられる。圧力逃し弁の閉鎖体に作用する戻し力は、弁体に作用する戻し力と比べて大きく設定されているので、逆止弁は、通常の通流方向とは反対方向に流れ来る逆流を阻止する一方で、圧力が過剰な場合に、この逆流は最終的に圧力逃し弁を僅かに開放し、逆止弁の弁体の流出側に加えられる過剰圧力を十分に減じる。

閉鎖体コアにより支持されるスキンまたは層が、エラストマ、好適にはゴム、シリコーン、または熱可塑性のエラストマから製造されていると、有利であり得る。

本発明に係る逆止弁の簡単な製造は、圧力逃し弁の閉鎖体が、二成分または多成分プラスチック射出成形部材として構成されている場合に、著しく促進される。

逆止弁の弁体または圧力逃し弁の閉鎖体が、その閉位置において第１の弁座または第２の弁座に確実に押圧されるようにするためには、弁体に作用する戻し力および／または閉鎖体に作用する戻し力が、少なくとも１つのゴム弾性またはばね弾性的な戻し要素によって加えられていると有利である。

この場合、本発明による特に単純であるにも拘わらず機能確実な構成は、少なくとも１つの戻し要素が圧縮ばねとして形成されていることを規定している。

本発明に係る逆止弁の組付けを容易にし、かつ本発明に係る逆止弁の機能を損なう組付けを阻止するために、逆止弁が弁ケーシングを有しており、圧力逃し弁が逆止弁内に組み込まれていると有利である。

本発明による特にコンパクトで省スペースの構成は、圧力逃し弁が逆止弁の弁体に組み込まれていることを規定している。

本発明による改良形は、逆止弁の弁体を、特に中央に配置された圧力逃し通路が貫通しており、この圧力逃し通路内に、圧力逃し弁の閉鎖体が、圧力逃し弁の閉位置と開位置との間で運動可能に配置されていることを規定している。

本発明に係る逆止弁に組み込まれた圧力逃し弁の機能確実性を高めるために、第２の弁座が、通流方向とは反対方向で好適には円錐形に拡張する環状面によって形成されていると有利である。

今、圧力逃し弁の閉鎖体が、線形に環状に延びる部分領域においてのみ第２の弁座の環状面に閉位置において接触するようにするためには、閉鎖体が、少なくとも閉位置において弁座に接触し、かつ／またはスキンまたは層を支持している周方向の部分領域において、球状または球セグメント状の賦形部を有していると有利である。圧力逃し弁の閉鎖体を、摺動運動中に圧力逃し通路内で確実にガイドするためには、閉鎖体がその流入側および／またはその流出側にピンを支持しており、閉鎖体の流入側が、圧力逃し弁の通流方向で流れが到来する端面であり、この場合、流出側が、閉鎖体の、この端面とは反対側に位置する端面であると有利である。

閉鎖体に流入側で配置された、通流方向を向くピンが、円柱形のピン形状を有していると、本発明に係る逆止弁の組付けは圧力逃し弁の領域においても容易にされる。

圧力逃し通路内での細長く形成された閉鎖体の引っ掛かりに対処するためには、閉鎖体において流出側に配置された、通流方向とは反対方向を向くピンが、その自由なピン端部に向かって先細りしており、好適には円錐台形に形成されていると有利である。

閉鎖体コアが、弁座の最小の直径に比べて大きな直径を有していると、第２の弁座における閉鎖体の引っ掛かりが阻止される。

本発明による好適な実施形態は、閉鎖体コアが、熱可塑性プラスチック、特にＰＯＭプラスチックまたはＰＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）プラスチックから製造されていることを規定している。硬質の熱可塑性樹脂から製造されたこのような閉鎖体コアは、十分な安定性を有している。

弾性的なスキンまたは層がシリコーンから成っていると有利である。

スキンまたは層が、０．１０～０．５０ｍｍ、好適には０．１５～０．３２ｍｍ、特に０．１５～０．２２ｍｍの層厚を有していてよい。

スキンまたは層が、３０°～１００°のショアＡ硬度、好適には７０°～９０°のショアＡ硬度を有していると有利である。

本発明による改良された実施形態は、逆止弁が、その弁座の領域において、硬質材料および／または硬質もしくは硬質弾性の熱可塑性のプラスチックから製造されていることを規定している。

本発明による改良形は、図面および説明に関連して請求項から明らかになる。以下に本発明を好適な実施例につきさらに詳しく説明する。

衛生水道管に挿入された、圧力逃し弁が組み込まれている逆止弁を示す図である。 図１に示した逆止弁の縦断面図であり、逆止弁の弁体を、圧力逃し通路が貫通しており、この圧力逃し通路内で、圧力逃し弁の閉鎖体が、閉位置から開位置へと戻し力に抗して運動可能であり、逆止弁の弁体は、その開位置に位置している。 図１および図２に示した逆止弁を、第１の弁座に弁体が接触している状態で示す図であり、図３では弁体内に組み込まれた圧力逃し弁も、その閉位置に位置している。 図１～図３に示した逆止弁の、個別に縦断面で弁体を、逆止弁内に組み込まれた、図４においては閉位置に位置する圧力逃し弁と一緒に示す図である。 図１～図３に示した逆止弁を、その弁体の閉位置にある状態で、同様に縦断面図で示す図であり、弁体に組み込まれた圧力逃し弁は、図５ではその開位置にある。 図１～図３および図５に示した逆止弁の弁体を、圧力逃し弁が開位置にある状態で示す図である。 図１～図３および図５に示した逆止弁を拡大した縦断面図で、圧力逃し弁が閉位置にある状態で示す図である。 図１～図３、図５および図７に示した逆止弁の弁体を、圧力逃し弁が閉位置にある状態で示す図である。 図１～図３、図５および図７に示した逆止弁を、圧力逃し弁が開位置にある状態で示す縦断面図である。 図１～図３、図５、図７および図９に示した逆止弁の弁体を、圧力逃し弁が開位置にある状態で示す図である。

図１～図３、図５、図７および図９には、逆止弁１が示されている。この逆止弁１は、例えば流入方向でシングルレバー混合弁の上流側で、冷水供給部または温水供給部の供給管路２内に挿入されていてよい。逆止弁１は弁体３を有しており、この弁体３は、通流方向で流れ来る水によって、図３、図５、図７および図９に示した、弁体３が第１の弁座４に密に接触している閉位置から、戻し力に抗して、図２に示した、弁体３が第１の弁座４から持ち上げられている開位置へと運動可能である。弁体３は、通常の通流方向Ｐｆ１で流れ来る水によってその閉位置から開位置へと運動させられるので、通常の通流方向Ｐｆ１で流れ来る水は、逆止弁１を通過することができる。

これに対して、通常の通流方向Ｐｆ１とは反対方向に流れる逆流は、弁体３を第１の弁座４に向かって押圧するので、このような逆流は、弁座４を通流方向Ｐｆ１とは反対方向に通流することができない。

逆止弁の流出側に加えられている圧力が、規定された最大値を上回り、これにより、例えば流出側に配置されたフィッティング内に位置している構成部材の、圧力に起因した破壊を招くおそれがある場合、逆止弁１に組み込まれている圧力逃し弁５が機能する。この圧力逃し弁５は閉鎖体６を有しており、この閉鎖体６は、通流方向Ｐｆ１とは反対方向に流れ戻る水の圧力によって、閉鎖体６が第２の弁座７に密に接触する閉位置から、閉鎖体６が第２の弁座７から持ち上げられている開位置へと、戻し力に抗して、圧力逃し弁５の矢印方向Ｐｆ２に運動可能である。この場合、圧力逃し弁５の閉鎖体６に作用する戻し力は、弁体３に作用する戻し力に比べて大きく設定されている。

図４および図６～図１０において良好に確認可能であるように、圧力逃し弁５の閉鎖体６は、第１の材料から成る閉鎖体コア８を有しており、この閉鎖体コア８は、閉位置において第２の弁座７に密に接触するその部分領域において、第１の材料に比べて軟らかいかつ／または弾性のある第２の材料から成るスキンまたは層９を支持している。少なくとも圧力逃し弁５の弁座７に接触する部分領域において閉鎖体コア８を取り囲む層９またはスキンは、閉鎖体コア８に対してより軟らかいかつ／または弾性のある材料から成っているので、圧力逃し弁５の閉鎖体６は、その閉位置において第２の弁座７に良好に接触することができ、製造誤差も良好に補償される。圧力逃し弁５の閉鎖体６は、第２の材料に対して硬い材料から成る閉鎖体コア８を有していて、スキンまたは層９と同じ軟らかいかつ／または弾性のある材料からは成っていないので、弁座７内への閉鎖体６の過度に強い押込みと、これにより引き起こされる圧力逃し弁５の機能障害とが阻止される。したがって、図面に示された逆止弁１は、この点においても、圧力逃し弁５の開放圧が高い場合でさえ高い機能確実性の点で優れている。

圧力逃し弁５の閉鎖体６は、二成分または多成分プラスチック射出成形部材として構成されていてもよい。

図１～図１０をまとめて観察することから明らかであるように、弁体３に作用する戻し力と、閉鎖体６に作用する戻し力とは、それぞれ少なくとも１つのゴム弾性的な、または本実施形態のようにばね弾性的な戻し要素によって加えられる。弁体３または閉鎖体６に対応配置された戻し要素は、圧縮ばね１０，２１として形成されている。

図１～図３、図５、図７および図９において、逆止弁１が弁ケーシング１１を有しており、圧力逃し弁５が逆止弁１内に組み込まれていることが確認可能である。図１～図１０を一緒に観察することにより、圧力逃し弁５が逆止弁１の弁体３に組み込まれていることが明らかである。このために、逆止弁１の弁体３が、中央に配置された圧力逃し通路１２によって貫通されており、この圧力逃し通路１２内に、閉鎖体６が、圧力逃し弁５の閉位置と開位置との間で運動可能であるように配置されている。

圧力逃し弁５の閉鎖体６に対応配置された第２の弁座７は、通流方向Ｐｆ１とは反対方向で好適には円錐形に拡開する環状面により形成されている。閉鎖体６は、少なくとも、閉位置で第２の弁座７に接触する、スキンまたは層９を支持するその周方向の部分領域において、球状のまたは球セグメント状の賦形部を有しているので、閉鎖体６は、圧力逃し弁５の閉位置において、線形に環状に延びる領域のみで第２の弁座７の環状面に接触する。

閉鎖体６は、本実施形態では細長い形状を有している。閉鎖体６は、流入側でも流出側でもそれぞれ１つのピン１３，１４を支持している。閉鎖体６に流入側で配置され、通流方向Ｐｆ１を向くピン１３が円柱形のピン形状を有しているのに対して、閉鎖体６に流出側に配置され、通流方向Ｐｆ１とは反対方向を向くピン１４は、円錐台形に形成され、その自由なピン端部に向かって先細りしている。

弾性的な層９を支持する閉鎖体コア８が、弁座７の内法の開口横断面内に進入し、この開口横断面内で引っ掛かってしまうことのないように、閉鎖体コア８は、弁座７の最小直径に比べて大きな直径を有している。

閉鎖体コア８は、比較的硬質の熱可塑性のプラスチック材料、例えばＰＯＭ材料またはＰＢＴ材料、またはあらゆる別の適切な材料から製造することができる。これに対して、弾性的なスキンまたは層９は、好適にはシリコーンから成っている。スキンまたは層９は、０．１０～０．５０ｍｍ、好適には０．１５～０．４０ｍｍ、特に０．１７～０．３２ｍｍの層厚を有していてよい。このスキンまたは層９が、３０°～１００°のショアＡ硬度、好適には７０°～９０°のショアＡ硬度を有していると有利である。

圧力逃し弁５の弁座７は、好適には硬質材料から、特に硬質の熱可塑性のプラスチック材料から製造されている。特に図８および図１０の比較に基づいて、図１０に示した開位置において、圧力逃し弁５は、逆止弁１がその圧力逃し弁５の弁座７の領域で密閉されない程度にしか開かないことが明らかである。圧力逃し弁５の閉鎖体６は、流出側に過剰圧力で加えられる水の小さな部分量のための水路を開放し、過剰圧力を対応して減じるために、単に僅かにしか弁座７から持ち上がらない。

図７および図９では、これらの図面に図示された逆止弁１の組付け時に、まず閉鎖体６の、逆止弁の通流方向Ｐｆ１を向くピン１３が圧力逃し通路１２内に押し込まれることが確認可能である。戻し力として働く圧縮ばね１０が、逆止弁の、通流方向Ｐｆ１とは反対方向を向く流出側のピン１４に被さった後に、圧力逃し通路１２は、スリーブ形の栓体１５によって狭められる。この栓体１５は、この栓体１５と圧力逃し弁５の閉鎖体６との間で圧縮ばね１０を緊縮する。

逆止弁１は弁ケーシング１１を有しており、弁ケーシング１１は、その流出側に、ポケット形のばね収容部１６を支持している。このばね収容部１６には、戻し力として働く圧縮ばね２１が挿入されており、この圧縮ばね２１は、ばね収容部１６と弁体３の流出側との間に緊縮されている。弁体３は、本実施形態ではほぼきのこ形に形成されている。逆止弁１の弁座４には環状シール１７が設けられており、この環状シール１７には、逆止弁１の閉位置において弁体３が密に接触する。弁ケーシング１１の外周面にはシールリング１８が設けられており、シールリング１８は、弁ケーシング１１の外周面と、逆止弁１の弁ケーシング１１を収容する供給管路２の内周面との間の環状間隙をシールする。弁ケーシング１１の周囲には、係止アーム１９が外方に向かって突出しており、この係止アーム１９は、逆止弁１の使用位置において、供給管路２の内周面に設けられた環状段部に支持されている。弁ケーシング１１は、供給管路２の挿入開口２０内に挿入されている。この挿入開口２０は、この供給管路２の横断面拡張部として形成されている。

１ 逆止弁
２ 供給管路
３ 弁体
４ 逆止弁１の（第１の）弁座
５ 圧力逃し弁
６ 閉鎖体
７ 圧力逃し弁５の（第２の）弁座
８ 閉鎖体コア
９ 層
１０ 圧力逃し弁の圧縮ばね
１１ 弁ケーシング
１２ 圧力逃し通路
１３ 逆止弁の通流方向Ｐｆ１を向く、閉鎖体６に設けられた流入側のピン
１４ 逆止弁の通流方向Ｐｆ１とは反対方向を向く、閉鎖体６に設けられた流出側のピン
１５ 栓体
１６ ばね収容部
１７ 環状シール
１８ シールリング
１９ 係止アーム
２０ 挿入開口
２１ 逆止弁の圧縮ばね
Ｐｆ１ 逆止弁１の通流方向
Ｐｆ２ 圧力逃し弁５の通流方向

Claims (19)

1. 逆止弁（１）であって、
   弁体（３）であって、通流方向（Ｐｆ１）で流れ来る水によって、前記弁体（３）が第１の弁座（４）に密に接触する閉位置から、前記弁体（３）が前記第１の弁座（４）から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である、弁体（３）と、
   閉鎖体（６）を有する圧力逃し弁（５）であって、前記閉鎖体（６）は、前記通流方向（Ｐｆ１）とは反対方向に流れ戻る水の圧力によって、前記閉鎖体（６）が第２の弁座（７）に密に接触する閉位置から、前記閉鎖体（６）が前記第２の弁座（７）から持ち上げられている開位置へと戻し力に抗して運動可能である、圧力逃し弁（５）と、
   を備え、前記圧力逃し弁（５）の前記閉鎖体（６）に作用する戻し力が、前記弁体（３）に作用する戻し力に比べて大きい、逆止弁において、
   前記圧力逃し弁（５）の前記閉鎖体（６）が、第１の材料から成る閉鎖体コア（８）を有しており、該閉鎖体コア（８）は、少なくとも、閉位置において前記第２の弁座（７）に密に接触する部分領域において、前記第１の材料に対してより軟らかいかつ／または弾性のある第２の材料から成るスキンまたは層（９）を支持していることを特徴とする、逆止弁（１）。
2. 前記圧力逃し弁（５）の前記閉鎖体（６）が、二成分または多成分プラスチック射出成形部材として構成されている、請求項１記載の逆止弁。
3. 前記弁体（３）に作用する前記戻し力および／または前記閉鎖体（６）に作用する前記戻し力が、少なくとも１つのゴム弾性的またはばね弾性的な戻し要素によって加えられている、請求項１または２記載の逆止弁。
4. 前記少なくとも１つの戻し要素が（２１；１０）が圧縮ばねとして形成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の逆止弁。
5. 前記逆止弁（１）が弁ケーシング（１１）を有しており、前記圧力逃し弁（５）が前記逆止弁（１）内に組み込まれている、請求項１から４までのいずれか１項記載の逆止弁。
6. 前記圧力逃し弁（５）が前記弁体（３）内に組み込まれている、請求項１から５までのいずれか１項記載の逆止弁。
7. 前記弁体（３）を、特に中央に配置された圧力逃し通路（１２）が貫通しており、該圧力逃し通路（１２）内に、前記閉鎖体（６）が、前記圧力逃し弁（５）の前記閉位置と前記開位置との間で運動可能に配置されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の逆止弁。
8. 前記第２の弁座（７）が、環状面により形成されており、該環状面が、前記通流方向（Ｐｆ１）とは反対方向で好適には円錐形に拡張している、請求項１から７までのいずれか１項記載の逆止弁。
9. 前記閉鎖体（６）が、少なくとも、閉位置において前記弁座（７）に接触する、かつ／または、前記スキンまたは層（９）を支持する周方向の部分領域において、球状または球セグメント状の賦形部を有している、請求項１から８までのいずれか１項記載の逆止弁。
10. 前記閉鎖体（６）が、その流入側でかつ／またはその流出側で、ピン（１３；１４）を支持している、請求項１から９までのいずれか１項記載の逆止弁。
11. 前記閉鎖体（６）に前記流入側で配置されかつ通流方向（Ｐｆ１）を向く前記ピン（１３）が、円柱形のピン形状を有している、請求項１０記載の逆止弁。
12. 前記閉鎖体（６）に前記流出側で配置されかつ前記通流方向（Ｐｆ１）とは反対方向を向く前記ピン（１４）が、その自由なピン端部に向かって先細りしており、好適には円錐台形に形成されている、請求項１０または１１記載の逆止弁。
13. 前記閉鎖体コア（８）が、前記弁座（７）の最小の直径に比べて大きな直径を有している、請求項１から１２までのいずれか１項記載の逆止弁。
14. 前記閉鎖体コア（８）が、熱可塑性のプラスチック、特にＰＯＮプラスチックまたはＰＢＴプラスチックから製造されている、請求項１から１３までのいずれか１項記載の逆止弁。
15. 前記弾性のスキンまたは層（９）がシリコーンから成っている、請求項１から１４までのいずれか１項記載の逆止弁。
16. 前記スキンまたは層（９）が、０．１０～０．５０ｍｍ、好適には０．１５～０．３２ｍｍ、特に０．１５～０．２２ｍｍの層厚を有している、請求項１から１５までのいずれか１項記載の逆止弁。
17. 前記スキンまたは層（９）が、３０°～１００°のショアＡ硬度、好適には７０°～９０°のショアＡ硬度を有している、請求項１から１６までのいずれか１項記載の逆止弁。
18. 前記逆止弁（１）が、前記第２の弁座（７）の領域において、硬質材料および／または硬質または硬質弾性の熱可塑性のプラスチックから製造されている、請求項１から１７までのいずれか１項記載の逆止弁。
19. 前記スキンまたは層（９）が、エラストマ、好適にはゴム、シリコーンまたは熱可塑性のエラストマから製造されている、請求項１から１８までのいずれか１項記載の逆止弁。

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