JP4730895B2 - 針痕検出装置および針痕検出方法 - Google Patents

針痕検出装置および針痕検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、パッド上の針痕を検出する技術に関する。
従来より、半導体の基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて、配線パターンの電気的な特性を検査すること(プローバによるプロービング)が行われている。また、プロービング後の基板において、パッドを含む領域の多階調の画像を取得して2値化処理を施すことにより、パッド上におけるプローブの接触痕(すなわち、針痕)の検出も行われる。
なお、特許文献1では、磁性体材料にて形成される焼結部品の表面を示す多階調の画像から画素値のヒストグラムを作成し、このヒストグラムにおける画素値の平均値等に基づいて画像の適切な2値化閾値を導くことにより焼結部品の表面の欠陥を検出する技術が提案されている。また、特許文献2では、文書を示す画像から作成される画素値のヒストグラムから、各画素値を閾値とした場合における当該閾値以上の累積度数と当該閾値との関係を示す相関図を作成し、この相関図に基づいて閾値を決定することにより文書画像の適切な2値化を実現する技術が開示されている。
特開2001−174238号公報 特開2004−180000号公報
ところで、プロービング後の基板において取得される画像では、撮像部の撮像素子の分解能や光学系における制約等により、一般的にパッドを示すパッド領域のエッジ近傍において画素の値がなだらかに変化して、いわゆる、ぼけが生じてしまう(エッジが鈍るともいう。)。また、通常、取得される画像において撮像素子の外縁部に対応する部分では、光学的な理由により中央部に比べてぼけの影響が大きくなる。プロービングにおいてプローブがパッドに適切に接触したか否かを判断する際には、パッド上における針痕の位置(特に、パッドのエッジと針痕との間の距離)が重要であるが、このように画像にぼけが生じている場合に、パッド上の針痕を画像の2値化処理により検出しようとすると、パッド領域のエッジ近傍を針痕として誤って検出する等、針痕が精度よく検出されないことがある。
例えば、「特開2004−228314号公報」に示されるように、プローブの際のプローブ針の清掃・研磨を割愛するため、パッド表面を複数の種類の導電体で構成することや、「特開2001−267382号公報」に示されるように、プローブの際の導通の確保のため、パッド表面を周期的に保護することが行われている。このようなパッドの針痕を検査対象とする場合、取得される画像においてパッド上に濃淡パターンが現れ、パッド上の針痕を精度よく検出することが困難となる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、パッド上の針痕を精度よく検出することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出装置であって、基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する撮像部と、前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部と、前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部とを備え、前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、前記針痕領域取得部が、各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対し、前記代表値が大きいほど大きな値となる前記針痕閾値を決定する閾値決定部を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の針痕検出装置であって、前記針痕領域取得部において、前記パッド領域のエッジに近い分割領域ほど前記パッド領域外の画素の値に近い前記針痕閾値が設定される。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の針痕検出装置であって、前記針痕領域取得部が、2値化により取得された針痕領域の候補から所定の幅以下となるものを除外して前記針痕領域を取得する。
請求項に記載の発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出装置であって、基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する撮像部と、前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部と、前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部とを備え、前記パッドの表面に凹凸による縞状のパターンが形成されており、前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部を分割した領域と、前記中央部の上側、下側、左側および右側にて前記パッド領域のエッジ近傍部を分割した領域とを含み、前記複数の分割領域のそれぞれが前記パターンに従った形状とされ、各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域を2値化し、前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍部の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定する閾値決定部を有する。
請求項に記載の発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出装置であって、基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する撮像部と、前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部と、前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部とを備え、前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域を2値化し、前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定する閾値決定部を有する。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の針痕検出装置であって、前記針痕領域取得部が、2値化により取得された針痕領域の候補から所定の面積以下となるものを除外して前記針痕領域を取得する。
請求項に記載の発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出方法であって、基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する工程と、前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得する工程と、前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する工程とを備え、前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、前記針痕領域を取得する工程において、各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値が求められ、前記各分割領域に対し、前記代表値が大きいほど大きな値となる前記針痕閾値が決定される。
請求項に記載の発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出方法であって、基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する工程と、前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得する工程と、前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する工程とを備え、前記パッドの表面に凹凸による縞状のパターンが形成されており、前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部を分割した領域と、前記中央部の上側、下側、左側および右側にて前記パッド領域のエッジ近傍部を分割した領域とを含み、前記複数の分割領域のそれぞれが前記パターンに従った形状とされ、各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、前記針痕領域を取得する工程において、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域が2値化され、前記針痕領域を取得する工程が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍部の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定工程を有する
請求項9に記載の発明は、基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出方法であって、基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する工程と、前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得する工程と、前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する工程とを備え、前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、前記針痕領域を取得する工程において、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域が2値化され、前記針痕領域を取得する工程が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定する工程を有する。
請求項1に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の針痕検出方法であって、前記対象画像を取得する工程において、前記基板が撮像部に対して連続的に移動しつつ前記基板にフラッシュ光が照射される。
請求項1ないし1の発明では、パッド上の針痕を精度よく検出することができる。
また、パッドのエッジの影響を抑制して針痕領域を適切に取得することができる。
また、請求項およびの発明では、パッド上の針痕をより精度よく検出することができる。
また、請求項4および8の発明では、縞状のパターンが形成されたパッド上の針痕を適切に検出することができ、請求項5および9の発明では、針痕領域を精度よく取得することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる針痕検出装置1の構成を示す図である。針痕検出装置1は、半導体の基板9上に形成された配線パターンに含まれるパッド(例えば、アルミニウムが蒸着されて形成されたパッド)にプローブを接触させて配線パターンの電気的な検査(プロービング)を行った後において、基板9のパッド上の針痕を検出するためのものである。
針痕検出装置1は、基板9を保持するステージ2、基板9を撮像して基板9の多階調の画像を取得する撮像部3、撮像部3に対してステージ2を相対的に移動するステージ駆動部21、撮像部3から画像データが入力される電気的回路である処理部4、および、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ5を備え、コンピュータ5により針痕検出装置1の各構成が制御される。
撮像部3は、照明光を出射する照明部31(例えば、ハロゲンランプ)、基板9に照明光を導くとともに基板9からの光が入射する光学系32、および、光学系32により結像された基板9の像を電気信号に変換する撮像デバイス33を有し、撮像デバイス33から基板9の画像データが出力される。ステージ駆動部21はステージ2を図1中のX方向およびY方向に移動する機構を有する。
図2は処理部4の構成を示す図である。処理部4は、撮像部3からの針痕検出対象の画像(以下、「対象画像」という。)からパッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部42、パッド領域取得部42にて利用されるパッド領域取得用の閾値(以下、「パッド閾値」という。)を決定するパッド閾値決定部41、および、パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部43を有する。
図3は針痕検出装置1が、パッド上の針痕を検出する処理の流れを示す図である。針痕検出装置1では、まず、プロービング後の針痕検出対象の基板9がステージ2上に載置される。コンピュータ5では、基板9上における各パッドの位置を示す情報、および、パッドを囲む外接矩形のサイズやパッドの面積を示す情報(以下、「パッド設計情報」と総称する。)が配線パターンの設計データに基づいて予め取得されて入力されており、パッド設計情報に基づいて、ステージ駆動部21により撮像部3の基板9上における撮像位置が所定のパッドの位置近傍へと相対的に移動する。そして、撮像部3により取得される画像に基づいてパッドの位置が探索されて検出され、基板9上のパッドを含む領域を示す対象画像が取得される(ステップS11)。本実施の形態では、対象画像においてパッドの領域に含まれる画素の値は、パッドの領域外の画素の値よりも高くなっている(すなわち、パッドの領域は外側の領域よりも明るい。)。
処理部4では、パッド閾値の所定の初期値がパッド閾値決定部41からパッド領域取得部42に出力されて設定され、設定された値(以下、「設定値」という。)と対象画像の各画素の値とが比較されて対象画像が2値化される。2値化処理では、例えば、値が設定値以上の画素には白い画素を示す値「1」が付与され、設定値未満の画素には黒い画素を示す値「0」が付与される。続いて、2値化後の対象画像において、ラベリング処理により互いに連結する値1の画素の集合が特定され、この画素の集合に囲まれる値0の画素も値1に変換される。そして、パッド閾値決定部41により変換後の対象画像における値1の画素の各集合(以下、「クラスタ」という。)の外接矩形のサイズ、および、各クラスタの面積が求められる。
パッド閾値決定部41では、設定値を一定の値ずつ変化させてパッド領域取得部42にて全クラスタを順次取得させ、各設定値における各クラスタの外接矩形のサイズおよび各クラスタの面積が求められる。そして、外接矩形のサイズと、パッド設計情報が示す設計上のパッドの外接矩形のサイズとの差(例えば、矩形の各辺の長さの差)が所定の値未満であって、面積が設計上のパッドの面積に最も近いクラスタが特定されて、このクラスタが得られた設定値がパッド閾値として決定される(ステップS12)。なお、撮像部3における照明光の強度の変動が小さい場合等には、事前に他の基板に対して上記ステップS12と同様の処理を行うことにより(いわゆる、トレーニングにより)、パッド閾値が予め決定されてもよく、この場合には、処理対象の基板9に対するステップS12は省略される。
続いて、パッド領域取得部42では、決定されたパッド閾値と対象画像の各画素の値とが比較され、対象画像が2値化される。そして、2値化後の対象画像において、ラベリング処理により互いに連結する値1の画素の集合が特定され、この画素の集合に囲まれる値0の画素も値1に変換されて、変換後の対象画像における値1の画素の集合がクラスタとして取得される(ステップS13)。このとき、パッド設計情報から導かれる設計上のパッドの領域におよそ重なるクラスタのみがパッド領域として取り扱われ、設計上のパッドの領域から離れた位置におけるクラスタは仮に存在したとしても無視される。
なお、パッド閾値決定部41およびパッド領域取得部42におけるクラスタの抽出は、実際には同一の電気回路により行われ、十分に大きい記憶領域が存在する場合はステップS12において取得した各設定値におけるクラスタを記憶しておいて、決定されたパッド閾値に対応するクラスタがパッド領域とされてもよい。この場合、ステップS12はパッド閾値を決定しつつパッド領域を取得する処理として捉えられる。また、操作者がコンピュータ5の表示部上に表示される対象画像を参照しつつパッドの範囲を入力部を介して指定することにより、パッド領域取得部42にてこの入力が受け付けられてパッド領域が取得されてもよい。
図4は、対象画像から取得されたパッド領域61を示す図である。図4では、平行斜線を付すことにより黒い画素を示しており、4個のパッド領域61が図示されている。なお、図4では対象画像をパッド閾値で2値化した際のパッド領域61内の黒い領域も示しているが、前述のように、実際にはこれらの黒い領域もパッド領域61として扱われる。以下の説明では、1つのパッド領域61に注目するものとするが、他のパッド領域についても同様の処理が行われる。
パッド領域61が取得されると、針痕領域取得部43の針痕閾値決定部431では対象画像から各パッド領域61の部分(以下の説明では、単に「パッド領域61」と呼ぶ。)が抽出され、パッド領域61の画素値のヒストグラムが求められる。図5は対象画像中の1つのパッド領域61における画素値のヒストグラムを示す図であり、縦軸が度数を示し、横軸は画素値を示す。図5の画素値のヒストグラムは明るい画素に対応する画素値が度数が大きい山形の(分布の)部位を有する。なお、図5では、画素値の高い範囲において度数を示す太線の上部が省略されており、実際には、これらの太線は他の画素値におけるものよりも十分に大きい。
針痕閾値決定部431では、図5に示す画素値のヒストグラムにおいて度数の移動平均を求めて凹凸が緩和された後、画素値が高い範囲における度数のピーク(最大の度数)に対して10%の大きさとなる度数Hの画素値A1がこの山形の部位の裾野の開始位置として特定される。続いて、画素値A1から最も低い画素値までの範囲におけるヒストグラムの重心の位置となる画素値A2が求められ、画素値A1と画素値A2との中点の位置となる画素値A3が、針痕領域取得用の閾値(以下、「針痕閾値」という。)を求める際の基準となる閾値(以下、「基準閾値」という。)として取得される(ステップS14)。なお、対象画像のパッド領域61に含まれる画素の値は、図5の画素値のヒストグラムにおいて符号71を付す矢印にて示す画素値の範囲におよそ包含され、対象画像の針痕領域に含まれる画素の値は符号72を付す矢印にて示す画素値の範囲におよそ包含される。
ここで、各パッド領域61における画素値のヒストグラムでは、一般的に、パッドを示す画素値が高い範囲と、パッド上の針痕やパッドのエッジ近傍での画像がぼけた部分を示す画素値が低い範囲とにおいて山形の(分布の)部位がそれぞれ形成されるが、パッド上の針痕が小さい場合等には、画素値が低い範囲における山形の部位の特定が困難となる。このような場合であっても、上記手法によれば、画素値のヒストグラムから適切な基準閾値が容易に取得される。なお、上記手法は一例であって、画素値のヒストグラムから適切な閾値を求める他の手法が用いられてもよい。
また、針痕閾値決定部431では、図6.Aに例示する対象画像のパッド領域61(ただし、図6.A中において、白い線61aにて囲む領域がパッド領域とされる。)が、図6.Bに示すようにパッド領域61(図6.B中に破線にて囲む領域)の中央部の1個の分割領域62、パッド領域61のエッジ近傍の4個の分割領域64、および、4個の分割領域64の内側にそれぞれ位置する4個の分割領域63に分割される。そして、対象画像において各分割領域62〜64の画素値の平均値が求められる(ステップS15)。
続いて、基準閾値を中央の分割領域62の画素値の平均値にて除算することにより値rが求められる。すなわち、値rは基準閾値をTh、中央の分割領域62の画素値の平均値をIm0として、(r=Th/Im0)にて求められる。そして、この値rに各分割領域62〜64に対して求められた画素値の平均値を乗じることにより、各分割領域62〜64に対する針痕閾値が求められる。このようにして、対象画像のパッド領域61を分割して得られる複数の分割領域62〜64のそれぞれに対して、画素値の平均値に基づいて各分割領域62〜64の状態に応じた針痕閾値が決定される(ステップS16)。そして、針痕領域画像生成部432において各分割領域62〜64に対して針痕閾値が個別に設定される。なお、前述のように基準閾値は、対象画像のパッド領域61の画素値のヒストグラムに基づいて取得されるため、撮像部3における照明光の状態に変動が生じている場合やロット間で基板9のパッドの表面状態が異なる場合等であっても、各分割領域62〜64に対する針痕閾値はこれらの影響を抑制したものとなる。
図7は、図6.Aに示すパッド領域61においておよそ中央を通る横向きの線分上に並ぶ画素の値を示す図である。図7では、各分割領域62〜64に対応する範囲を同じ符号を付す矢印にて示しており、各分割領域62〜64に対して求められた針痕閾値についても破線にて示している。図7に示すように、パッド領域61の中央部は全体的に値が高い(明るい)画素により構成され、エッジ近傍では外側に向かうに従って画素の値が低く(暗く)なる。これに対して、針痕閾値決定部431では中央の分割領域62の外側の分割領域63に対して分割領域62の針痕閾値より低い針痕閾値が設定され、分割領域63の外側の分割領域64に対して分割領域63の針痕閾値よりもさらに低い針痕閾値が設定される。すなわち、針痕閾値決定部431では、パッド領域61のエッジに近い分割領域ほどパッド領域61外の画素の値に近い針痕閾値が設定される。
針痕領域画像生成部432では、対象画像のパッド領域61内の各分割領域62〜64において、分割領域に含まれる各画素の値と設定された針痕閾値とが比較され、値が針痕閾値以上の画素には白い画素を示す値「1」が付与され、針痕閾値未満の画素には黒い画素を示す値「0」が付与される。これにより、対象画像の複数の分割領域62〜64が2値化され、図8.Aに示すように2値の針痕領域画像が生成される(ステップS17)。なお、図8.A(並びに、後述の図8.B、図8.C、図9.Aないし図9.C)では平行斜線を付すことにより黒い画素を示している。
針痕認識部433では、図8.Aの針痕領域画像において値1と値0とが反転されて図8.Bに示す反転後の針痕領域画像が取得される。そして、ラベリング処理により互いに連結する値1の画素(図8.Bにおいて白い画素)の集合が特定されて、クラスタ65,65aが針痕領域の候補として取得される(ステップS18)。針痕認識部433では、さらに、取得されたクラスタから所定のものがスクリーニングされて除外される(ステップS19)。
例えば、図8.Bに示す(反転後の)針痕領域画像では、パッド領域61のエッジ近傍に幅の狭いクラスタ65a(擬似針痕領域)が検出されており、このような幅の狭いクラスタ65aは、パッド領域61のエッジがぼけることに起因して発生したものと考えられる。したがって、針痕認識部433では、各クラスタを囲む外接矩形が求められ、この外接矩形の幅が所定の幅以下となるものが取得された針痕領域の候補から除外される。これにより、図8.Cに示すように、真の針痕領域であるクラスタ65のみを示す針痕領域画像が取得される。
また、基板9上のパッドの表面状態(例えば、パッド形成手法に依存する)等によっては、針痕領域画像生成部432により図9.Aに示すような針痕領域画像が生成され、図9.Bに示す値を反転した後の針痕領域画像では、大きなクラスタ65に加えて多数の微小なクラスタ65b(擬似針痕領域)が取得される。この場合にも、針痕認識部433では一定面積以下のクラスタ65bが除外されることにより、図9.Cに示すように、真の針痕領域であるクラスタ65のみを示す針痕領域画像が取得される。
ここで、仮にパッド領域61のエッジ近傍の分割領域63,64に対して、中央部の分割領域62と同じ針痕閾値が設定されていた場合には、エッジ近傍において幅が大きく、面積も大きい領域が針痕領域の候補として誤って取得されてしまい、このような領域は候補から除外することが困難となるが、針痕検出装置1では、前述のようにパッド領域61のエッジ近傍の分割領域63,64に対して中央部の分割領域62よりも低い針痕閾値が設定されるため、エッジ近傍において擬似針痕領域が検出された場合でも幅が狭いものとなり容易に除外することができる。
既述のように、上記ステップS14〜S19は対象画像中に含まれる各パッド領域61に対して同様に行われ(ただし、基準閾値は流用されてもよい。)、各パッド上の針痕が検出される。そして、検出されたパッド上の針痕の面積やパッドのエッジから針痕までの距離等に基づいて、プロービングにおいてパッドにプローブが適切に接触したか否かが判断され、プロービングにおける検査結果の判定に利用される。
また、針痕検出装置1において、基板9上の他のパッドが検査対象とされる際には、ステップS11に戻って別の対象画像が取得され、上記処理が繰り返される。この場合、既に取得されたパッド閾値および基準閾値が利用され、ステップS12,S14が省略されてもよい。さらに、連続して他の基板9に対して針痕検出処理が行われる場合にも、ステップS12,S14が省略されてもよい。
以上のように、図1の針痕検出装置1では、パッド領域61のエッジ近傍の分割領域63,64における針痕閾値を、パッド領域61の中央部の分割領域62の針痕閾値よりもパッド領域61外の画素値に近い値としつつ、各分割領域62〜64に個別に針痕閾値が設定される。そして、分割領域62〜64毎に針痕閾値を変更して対象画像のパッド領域61が2値化されることにより、対象画像においてパッドのエッジに起因するパッド領域のエッジ近傍のぼけの影響を抑制して針痕領域(または、その候補)を適切に取得することができ、その結果、パッド上の針痕を精度よく検出することが実現される。また、針痕検出装置1では取得された針痕領域の候補から所定の幅以下となるものが除外されることにより、針痕をより精度よく検出することができる。
針痕閾値決定部431では基準閾値と中央の分割領域62における画素値の平均値との比である値rを求め、この値rを傾きとする線形関数を用いることにより、各分割領域62〜64の画素値の平均値から各分割領域62〜64に対する針痕閾値が容易に決定される。なお、各分割領域62〜64の針痕閾値を求める際には、必ずしも各分割領域62〜64の画素値の平均値が求められる必要はなく、例えば、画素値の中央値等の他の代表値であってもよい。また、針痕閾値決定部431にて利用される関数は必ずしも線形関数である必要はなく、画素値の代表値が大きいほど原則として針痕閾値が大きくなる単調増加関数であればよい。すなわち、所定の単調増加関数に各分割領域の画素値の代表値を入力することにより各分割領域の針痕閾値が容易に求められる。ここで、針痕閾値決定部431にて用いられる単調増加関数をf、針痕閾値をT、各分割領域62〜64の画素値の代表値をIとし、これらの関係式を(T=f(I))として表す場合、画素値の代表値が取りうる範囲の一部において単調増加関数fを微分した関数f’が0となってもよい。
次に、針痕検出装置1の他の好ましい例について説明する。図1の針痕検出装置1では、撮像部3に対して基板9が静止した状態で対象画像が取得されるが、他の好ましい例では照明部31がストロボ光源とされる。そして、基板9が撮像部3に対して連続的に移動しつつストロボ光源からフラッシュ光が基板9に照射されて基板9上の針痕検出対象の領域が撮像され、対象画像が取得される。この場合、フラッシュ光のパルス幅と基板9の移動速度との関係や、撮像時におけるフォーカス調整のずれ等に起因して対象画像がぼけることがあるが、針痕検出装置1ではパッド領域内の分割領域毎に閾値を変更することにより、針痕領域を精度よく取得することができる。これにより、配線パターンの微細化や基板の大型化に伴って要求される針痕検出処理の高速化を満足しつつ、高精度な針痕検出が実現される。
次に、第2の実施の形態に係る針痕検出装置1における処理について説明を行う。本実施の形態では、図1の針痕検出装置1における処理部4の機能がコンピュータ5により実現される。以下、図3に準じて第2の実施の形態に係る針痕検出処理について説明を行う。
まず、撮像部3により対象画像が取得される(ステップS11)。図10は、多階調の対象画像中のパッドを示す領域近傍を示す図である。図10中では、平行斜線の幅を狭くすることにより濃度が高い(画素の値が低い)領域を示している(ただし、平行斜線を付していない領域では濃度が大きくばらついている。)。本実施の形態においても、対象画像においてパッドを示す領域(図10中の後述する太い破線にて囲む領域81)に含まれるほとんどの画素の値は、この領域外の画素の値よりも高くなっている(すなわち、パッドを示す領域は外側の領域よりも明るい。)。また、パッドには表面の凹凸による縞状のパターンが形成されており、図10中のパッドを示す領域においても比較的濃度が低い(画素の値が高い)帯状領域と、比較的濃度が高い(画素の値が低い)帯状領域とが交互に並んでいる。なお、濃度が低い帯状領域と濃度が高い帯状領域との間の極狭い領域には中間の濃度の帯状領域が存在する場合もあるが、以下の説明では、このような領域を考慮する必要はないものとする。このように、パッド表面に縞状の凹凸パターンを形成して表面積を増大させることにより、ワイヤボンディングの際におけるワイヤの圧着特性の向上が図られる。
続いて、第1の実施の形態と同様にして、パッド閾値が決定された後、対象画像からパッド領域が取得され(ステップS12,S13)、針痕領域取得部43の針痕閾値決定部431では、図10の対象画像中のパッド領域に対応する部分(図10中にて符号81を付す破線にて囲む領域であり、以下、同様に「パッド領域81」と呼ぶ。)が複数の分割領域に分割される。パッド上の表面に凹凸にてパターンが形成される場合、通常、基板9から製造される半導体装置の品種毎にパッド上のパターンの種類が決まっており、各種類のパターンに対して複数の分割領域の形状が予め決定されている。したがって、実際には、針痕検出処理を開始する際に、検査対象の基板9の品種に合わせて操作者がコンピュータ5の入力部を介して入力を行うことにより、複数の分割領域の形状が処理部4にて予め特定され、実際に取得される対象画像中のパッド領域81がこれらの分割領域に分割されることとなる。
図11は複数の分割領域を示す図であり、図11では対象画像のパッド領域81中に設定された複数の分割領域821,831のみを図示している。本実施の形態では、図11に示すパッド領域81の中央部82(図11中において破線にて囲む領域)、および、中央部82の外側のエッジ近傍部83のそれぞれを、パッド領域81中に現れる縞状パターンに沿う1画素行毎に分割した複数の短冊状の分割領域821,831が設定される。パッド領域81の中央部82は、図10の対象画像において、濃度が低い帯状領域と濃度が高い帯状領域とが比較的明瞭に識別可能な部分に相当し、1画素行の各分割領域821はいずれかの帯状領域に含まれることとなる。また、パッド領域81のエッジ近傍部83では、中央部82に比べて濃度が高く(画素値が低く)なっている。なお、行方向(すなわち、図10および図11並びに後述の図12および図15中の横方向)に関して中央部82に含まれる分割領域821の長さは一定となり、エッジ近傍部83に含まれる分割領域831の長さは、中央部82の上側および下側と中央部82の右側および左側とで異なる。
針痕閾値決定部431では、対象画像中のパッド領域81の各分割領域821,831が抽出され、分割領域821,831毎に画素値のヒストグラムが求められる。例えば、図12に示す対象画像のパッド領域81において、ある分割領域821(図12中にて1本の太線にて示す分割領域であり、以下、「注目分割領域」という。)に含まれる複数の画素の値が抽出され、図13に示す画素値のヒストグラムが生成される。なお、図13では縦軸が度数を示し、横軸は画素値を示す。続いて、図13の画素値のヒストグラムにおいて度数の移動平均を求めることにより、図14に示すように凹凸が緩和された画素値のヒストグラムが取得される。図14のヒストグラムにおいて画素値の最頻値(平均値、重心、あるいは中央値等であってもよい。)が求められ、その後、最頻値を中心とする所定の画素値の範囲(例えば、(最頻値±Δ)にて表される画素値の範囲)に含まれるヒストグラムの一部において、重心が算出されて針痕領域の取得に利用される基準画素値mとして決定される(ステップS15)。なお、ヒストグラムの全体における画素値の中央値、平均値、重心等の他の代表値がそのまま基準画素値とされてもよい。また、本実施の形態では、図3のステップS14に相当する処理は行われない。
そして、基準画素値mから所定の範囲決定値δを減じた下側針痕閾値、および、範囲決定値δを加えた上側針痕閾値が注目分割領域821に対して決定される(ステップS16)。ここで、範囲決定値δは基板9の品種毎に予め決定される正の値であり、上側針痕閾値は下側針痕閾値よりも大きくなる。なお、上側針痕閾値および下側針痕閾値を決定する上記手法は一例に過ぎず、上側針痕閾値および下側針痕閾値のそれぞれと基準画素値との差の絶対値は必ずしも同じである必要はない。
針痕閾値決定部431において注目分割領域821の画素値の代表値に基づいて上側針痕閾値および下側針痕閾値が決定されると、針痕領域画像生成部432では、注目分割領域821に含まれる各画素の値が上側針痕閾値および下側針痕閾値と比較され、値が下側針痕閾値未満または上側針痕閾値以上の画素は針痕領域に含まれる針痕画素である(と想定される)と判定されて値が1に変換され、値が下側針痕閾値以上上側針痕閾値未満の画素は針痕領域に含まれない画素(すなわち、非針痕領域に含まれる非針痕画素)であると判定されて値が0に変換され、注目分割領域821が2値化される。
実際には、針痕検出装置1では、複数の分割領域821,831のそれぞれに対して基準画素値の決定、上側針痕閾値および下側針痕閾値の決定、並びに、分割領域821,831の2値化が行われることにより、各分割領域821,831の状態に応じた針痕閾値を決定してこの分割領域821,831が2値化されることとなる。また、パッド領域81のエッジ近傍部83に含まれる複数の分割領域831では、中央部82に含まれる複数の分割領域821に対する範囲決定値δよりも大きい範囲決定値が用いられることにより、非針痕画素を定める画素値範囲を中央部62の分割領域821よりも大きくして、パッドのエッジの影響が抑制される。このようにして、パッド領域81の全体に対して針痕画素が特定され、図15に示す針痕領域画像が取得される(ステップS17)。図15では、平行斜線を付すことにより非針痕画素を示す値0の画素を示している。
続いて、針痕認識部433では、ラベリング処理により互いに連結する値1の針痕画素の集合が特定されて、図15に示すように、クラスタ85,85aが針痕領域の候補として取得される(ステップS18)。なお、実質的には、上側針痕閾値および下側針痕閾値を用いた2値化処理により各分割領域821,831において針痕領域の部分が取得され、ラベリング処理により複数の針痕領域の部分のうち互いに隣接するものが結合されることとなる。
針痕認識部433では、さらに、取得されたクラスタから所定の面積以下のクラスタ85aはノイズである(すなわち、擬似針痕領域)として除外され、これにより、擬似の針痕領域が取得されることを抑制しつつ、真の針痕領域であるクラスタ85のみを示す針痕領域画像が取得される(ステップS19)。
ところで、図10の対象画像が256階調の画像である場合の一例では、濃度が低い帯状領域の画素値の平均値は124、標準偏差は9.75となり、濃度が高い帯状領域の画素値の平均値は98、標準偏差は4.19となり、図10中の平行斜線を付していない領域(針痕領域)では、画素値の平均値は120、標準偏差は20となる。このように、対象画像では針痕領域の画素値の平均値が、濃度が高い帯状領域の画素値の平均値と濃度が低い帯状領域の画素値の平均値との間の値となり、かつ、複数の帯状領域に跨る針痕領域の画素値のばらつきも大きいため、パッド領域の全体に対して2値化処理を施しても針痕領域を精度よく取得することはできない。なお、一般的に、人間の視覚によれば、対象画像中の周期的な帯状領域の乱れから針痕領域を認識することは可能であるが、基板9上には膨大な個数のパッドが存在するため、全てのパッドを目視にて検査することは現実的ではない。
これに対し、針痕検出装置1では、対象画像中のパッド領域81において、それぞれが1画素分の幅にて行方向に伸びる複数の細長い分割領域が設定され、各分割領域は、行方向に伸びる濃度が低い帯状領域および濃度が高い帯状領域のいずれかに含まれる。すなわち、パッド領域81がパッドの表面のパターンに従った形状の複数の分割領域に分割される。そして、各分割領域の各画素の値を、分割領域毎に個別に設定される上側針痕閾値および下側針痕閾値と比較して分割領域を2値化することにより、針痕領域を精度よく取得することができる。その結果、縞状のパターンが形成されたパッド上の針痕を人間の視覚にて認識される形状に近似した形状として適切にかつ精度よく検出することが実現される。
また、針痕検出装置1では、パッド領域81のエッジ近傍部83の分割領域831に対する上側針痕閾値と下側針痕閾値との差が、中央部82の分割領域821に対する上側針痕閾値と下側針痕閾値との差よりも大きくされることにより、パッドのエッジの影響により擬似の針痕領域が取得されることを抑制することができ、さらに、取得された針痕領域の候補から所定の面積以下となるものが除外されることにより、針痕をより精度よく検出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記第1の実施の形態における針痕検出装置1の針痕閾値決定部431では、例えば、中央の分割領域62に対する針痕閾値が決定された後、この針痕閾値に、他の基板に対する処理において各分割領域63,64に対して予め取得された係数(ただし、パッド領域61のエッジに近い分割領域ほど中央部の分割領域よりも小さな値となる。)を乗じることにより各分割領域62〜64に対して針痕閾値が容易に決定されてもよい(第2の実施の形態において同様。)。また、対象画像が一定の状態で取得される場合には、各分割領域に対する針痕閾値が予め決定されていてもよい。ただし、パッド上の各分割領域の部分の状態に応じた針痕閾値を決定して精度よく針痕を検出するには、各分割領域の画素値の代表値を求め、代表値に基づいてこの分割領域に対する針痕閾値を決定することが好ましい。
上記第2の実施の形態では、表面に縞状パターンが形成されたパッド上の針痕を検出する際に、列方向の幅が1画素分の短冊状の分割領域が設定されるが、パッド領域中の濃度が高い帯状領域および濃度が低い帯状領域のいずれかにほぼ含まれるのであるならば、列方向の幅が数画素分の分割領域(すなわち、列方向の幅が帯状領域に対して十分に小さい分割領域)が用いられてもよい。また、対象画像のパッド領域中において列方向に伸びる帯状領域が現れる縦の縞状のパターンや、行方向または列方向から傾斜した方向に伸びる帯状領域が現れる傾斜した縞状のパターン等の周期パターンを有するパッドが針痕の検出対象とされる場合には、それぞれがパッド領域中の帯状領域が伸びる方向に沿うとともに、1画素または数画素分の幅の複数の短冊状の分割領域が用いられる。このように、パッド領域を分割する複数の分割領域のそれぞれは、対象画像中のパッド領域において、パッド上の所定のパターンにより現れる(と想定される)濃淡に基づいて、パッド上のパターンに従った形状として設定される。したがって、各分割領域は、仮にパッド上に針痕が形成されていないとした場合に、対象画像のパッド領域(の中央部)中の一の値以下の画素の集合である領域、および、この値よりも大きい他の値以上の画素の集合である領域(並びに、考慮する必要がある場合には、残りの領域)のいずれかの内部にほぼ包含されるものとされる。よって、針痕検出装置1では、パッド上のパターンに従った形状の複数の分割領域のそれぞれに対して個別に針痕閾値を決定することにより針痕画素を精度よく特定することが可能となり、パターンが形成されたパッド上の針痕が適切に検出される。
また、上記第2の実施の形態では、パッド上のパターンが明確に現れないエッジ近傍部83に含まれる分割領域831も図11に示すように列方向に1画素分の幅の小さな領域とされるが、図16に示すように、パッド領域81中のエッジ近傍部83にて比較的大きな分割領域832が設定されて、エッジ近傍部83に含まれる分割領域832の針痕閾値を容易に求めつつ、針痕検出処理の高速化が図られてもよい。さらに、図17に示すようにパッド領域81のエッジから等間隔にて複数の分割領域841〜844を設定したり、図18に示すようにパッド領域81のエッジに近いほど密になるように複数の分割領域845〜848を設定してもよい。また、照明部31からのパッド上への照明光にムラが生じている場合には、図17の分割領域842〜844をさらに分割して得られる複数の分割領域849が図19に示すように設定されてもよい。
なお、上記第2の実施の形態では、非針痕画素を特定する画素値範囲が下側針痕閾値以上上側針痕閾値未満として設定されるが、当該画素値範囲は下側針痕閾値から1を引いた一の針痕閾値より大きく、上側針痕閾値から1を引いた他の針痕閾値以下となる範囲として規定することもできる。
上記第1の実施の形態では、針痕検出処理の後続の工程にて行われるワイヤボンディングを容易にするために、表面に縞状の凹凸が形成されたパッド(すなわち、第2の実施の形態において針痕検出対象とされるパッド)において、帯状領域の幅等によっては、針痕領域画像において取得された針痕領域の候補に対して収縮処理を施した後に膨張処理を施すことにより、不要な候補が削除されて真の針痕領域のみが取得されてもよい。
上記第1の実施の形態の針痕検出装置1において針痕の検出を高速に行う必要がない場合には、コンピュータ5により図2に示す処理部4の全部または一部と同様の機能がソフトウェア的に実現されてもよい。また、上記第2の実施の形態において、処理部4の機能の全部または一部が専用の電気的回路にて実現されてもよい。
基板9は必ずしも半導体基板である必要はなく、パッドを含む配線パターンが形成されたプリント配線基板、ガラス基板等であってもよい。
針痕検出装置の構成を示す図である。 処理部の構成を示す図である。 パッド上の針痕を検出する処理の流れを示す図である。 パッド領域を示す図である。 対象画像中のパッド領域における画素値のヒストグラムを示す図である。 対象画像のパッド領域を示す図である。 分割領域を示す図である。 パッド領域における画素の値を示す図である。 針痕領域画像を示す図である。 値を反転した後の針痕領域画像を示す図である。 スクリーニング後の針痕領域画像を示す図である。 針痕領域画像を示す図である。 値を反転した後の針痕領域画像を示す図である。 スクリーニング後の針痕領域画像を示す図である。 対象画像中のパッドを示す領域近傍を示す図である。 分割領域を示す図である。 対象画像中のパッド領域を示す図である。 画素値のヒストグラムを示す図である。 度数の移動平均を求めた後の画素値のヒストグラムを示す図である。 針痕領域画像を示す図である。 分割領域の他の例を示す図である。 分割領域のさらに他の例を示す図である。 分割領域のさらに他の例を示す図である。 分割領域のさらに他の例を示す図である。
1 針痕検出装置
3 撮像部
9 基板
42 パッド領域取得部
43 針痕領域取得部
61,81 パッド領域
62〜64,821,831,832,841〜849 分割領域
65,85 クラスタ(真の針痕領域)
65a,85a クラスタ(針痕領域の候補)
82 中央部
83 エッジ近傍部
431 針痕閾値決定部
S11,S13,S17,S18 ステップ

Claims (10)

  1. 基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出装置であって、
    基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する撮像部と、
    前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部と、
    前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部と、
    を備え、
    前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、
    前記針痕領域取得部が、各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対し、前記代表値が大きいほど大きな値となる前記針痕閾値を決定する閾値決定部を有することを特徴とする針痕検出装置。
  2. 請求項1に記載の針痕検出装置であって、
    前記針痕領域取得部において、前記パッド領域のエッジに近い分割領域ほど前記パッド領域外の画素の値に近い前記針痕閾値が設定されることを特徴とする針痕検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の針痕検出装置であって、
    前記針痕領域取得部が、2値化により取得された針痕領域の候補から所定の幅以下となるものを除外して前記針痕領域を取得することを特徴とする針痕検出装置。
  4. 基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出装置であって、
    基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する撮像部と、
    前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部と、
    前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部と、
    を備え、
    前記パッドの表面に凹凸による縞状のパターンが形成されており、
    前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部を分割した領域と、前記中央部の上側、下側、左側および右側にて前記パッド領域のエッジ近傍部を分割した領域とを含み、前記複数の分割領域のそれぞれが前記パターンに従った形状とされ、
    各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、
    前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域を2値化し、
    前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍部の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定する閾値決定部を有することを特徴とする針痕検出装置。
  5. 基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出装置であって、
    基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する撮像部と、
    前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得するパッド領域取得部と、
    前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する針痕領域取得部と、
    を備え、
    前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、
    分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、
    前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域を2値化し、
    前記針痕領域取得部が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定する閾値決定部を有することを特徴とする針痕検出装置。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の針痕検出装置であって、
    前記針痕領域取得部が、2値化により取得された針痕領域の候補から所定の面積以下となるものを除外して前記針痕領域を取得することを特徴とする針痕検出装置。
  7. 基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出方法であって、
    基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する工程と、
    前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得する工程と、
    前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する工程と、
    を備え、
    前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、
    前記針痕領域を取得する工程において、各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値が求められ、前記各分割領域に対し、前記代表値が大きいほど大きな値となる前記針痕閾値が決定されることを特徴とする針痕検出方法。
  8. 基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出方法であって、
    基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する工程と、
    前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得する工程と、
    前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する工程と、
    を備え、
    前記パッドの表面に凹凸による縞状のパターンが形成されており、
    前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部を分割した領域と、前記中央部の上側、下側、左側および右側にて前記パッド領域のエッジ近傍部を分割した領域とを含み、前記複数の分割領域のそれぞれが前記パターンに従った形状とされ、
    各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、
    前記針痕領域を取得する工程において、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域が2値化され、
    前記針痕領域を取得する工程が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍部の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定工程を有することを特徴とする針痕検出方法。
  9. 基板上に形成された配線パターンに含まれるパッドにプローブを接触させて電気的な検査を行った後において、前記パッド上の針痕を検出する針痕検出方法であって、
    基板を撮像して矩形のパッドを含む対象領域を示す多階調の対象画像を取得する工程と、
    前記対象画像から前記パッドの領域を示すパッド領域を取得する工程と、
    前記対象画像の前記パッド領域を分割して得られる複数の分割領域を、前記複数の分割領域のそれぞれに対して個別に設定された針痕閾値にて2値化することにより、前記パッド上の針痕を示す針痕領域を取得する工程と、
    を備え、
    前記複数の分割領域が、前記パッド領域の中央部の分割領域、前記中央部の上側、下側、左側および右側、かつ、前記パッド領域のエッジ近傍の4個の分割領域、並びに、前記中央部の分割領域の外側、かつ、前記エッジ近傍の前記4個の分割領域の内側に位置する4個の分割領域を含み、
    各分割領域に対して前記針痕閾値として上側針痕閾値および下側針痕閾値が個別に設定されており、
    前記針痕領域を取得する工程において、前記各分割領域に含まれる画素のうち、値が前記下側針痕閾値以上前記上側針痕閾値未満の画素の前記値を一の値に、値が前記下側針痕閾値未満または前記上側針痕閾値以上の画素の前記値を他の値に変換することにより、前記各分割領域が2値化され、
    前記針痕領域を取得する工程が、前記各分割領域に含まれる画素の値の最頻値、平均値、重心または中央値である代表値を求め、前記各分割領域に対する前記画素の値のヒストグラムにおいて前記代表値を中心とする所定の範囲に含まれる画素の値の重心を基準画素値とし、または、前記代表値を基準画素値とし、前記パッド領域の前記エッジ近傍の分割領域に対する前記上側針痕閾値と前記下側針痕閾値との差が、前記パッド領域の前記中央部の分割領域に対する前記差よりも大きくなるように、前記基準画素値に範囲決定値を加えた値、および、前記基準画素値から前記範囲決定値を減じた値を前記上側針痕閾値および前記下側針痕閾値として決定する工程を有することを特徴とする針痕検出方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の針痕検出方法であって、
    前記対象画像を取得する工程において、前記基板が撮像部に対して連続的に移動しつつ前記基板にフラッシュ光が照射されることを特徴とする針痕検出方法。
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