JP2002054909A - 画像取得装置 - Google Patents

画像取得装置

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JP2002054909A
JP2002054909A JP2000244730A JP2000244730A JP2002054909A JP 2002054909 A JP2002054909 A JP 2002054909A JP 2000244730 A JP2000244730 A JP 2000244730A JP 2000244730 A JP2000244730 A JP 2000244730A JP 2002054909 A JP2002054909 A JP 2002054909A
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JP2000244730A
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English (en)
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Haruo Uemura
春生 植村
Noriyuki Kondo
教之 近藤
Makoto Iwasaki
誠 岩崎
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解像力および光量の低下を抑制しつつ、高い
コントラストの画像を得ることが可能な画像取得装置を
提供する。 【解決手段】 画像取得装置は、光源からの照明光をハ
ーフミラー23で下方へ反射して試料9へと導く照明光
学系と、試料9からの反射光を所定の受光位置へと導く
結像光学系とを備える。照明光学系は、その光軸AXを
結像光学系と共有する同軸落射照明を行うものであり、
対物レンズ20とアパーチャ26とを有している。そし
て、アパーチャ26は、光軸AX方向において対物レン
ズ20の入射瞳の位置付近に設けられており、かつ、ア
パーチャ26の形状は光軸AXに垂直な平面内において
光軸AXに関して非対称な形状である。これにより、立
体形状を有する試料9表面の画像を高いコントラストで
取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に立体形状を
有する試料からの反射光のコントラストを計測するコン
トラスト計測装置に関する。
【0002】
【関連技術】周知のように、半導体装置はウェハ上に所
定の回路パターンを形成して製作される。そして、通常
の半導体装置の製作工程においては、回路パターン形成
後にその電気的特性を調べるための導通検査が実行され
る。導通検査は、半導体装置の電極に針状の検査用プロ
ーブを接触させることによって行う。
【0003】一般に、半導体装置の電極の材質はアルミ
ニウムであり、容易に酸化されて電極表面には絶縁性の
酸化アルミニウム(Al23)の被膜が形成される。適
切な導通検査を行うためには、検査時にプローブが酸化
アルミニウム膜を突き破って電極の金属部分に接触する
必要がある。
【0004】このため、従来より、導通検査にて不良と
判定された半導体装置については、その原因解析の一つ
としてプローブの電極への接触状態を調査している。ま
た、導通検査を行った全ての半導体装置についてプロー
ブの電極への接触状態をルーチン的に調査する場合もあ
る。
【0005】プローブの電極への接触状態の良否を判定
する際には、導通検査にて形成されたプローブの接触痕
の深さを測定する手法が有効である。すなわち、プロー
ブの接触痕の深さが所定値以上であるときには、プロー
ブが酸化アルミニウム膜を突き破って良好に電極に接触
していたと判定することができ、逆に所定値未満である
ときには接触不良であったと判定することができる。
【0006】このようなプローブの接触痕深さを測定す
る装置として、従来はレーザ顕微鏡や干渉を用いた微小
粗さ測定装置が存在していた。これらの装置は、観測試
料(半導体装置)の高さ位置を移動させることが可能で
あり、異なる複数の高さ位置にて得られる光学情報に基
づいてプローブの接触痕深さを測定するものである。
【0007】しかしながら、上記従来の各装置は、高額
であるのみならず、一回の接触痕深さ測定につき試料の
高さ位置を複数回変更する必要があるため、その測定に
著しい長時間を要するという問題があった。特に、プロ
ーブの電極への接触状態をルーチン的に調査する場合に
は、一回の接触痕深さ測定が短時間であるほど望まし
い。
【0008】これに対して、本発明者らは、プローブの
接触痕の深さを簡易かつ短時間に測定することができる
プローブ痕深さ測定装置を提案している(特願2000
−161878)。具体的には、導通検査後の半導体装
置の電極部分について、プローブの接触痕を含む領域を
CCDカメラを用いて撮像し、その撮像画像にトリミン
グや照度分布補正等の所定の処理を行った後、接触痕領
域についての画像情報、例えば面積、寸法、濃度情報等
に基づいて接触痕の深さを検出することによって行う。
また、より正確な測定を行うためには高いコントラスト
の画像を得ることが求められるため、撮像は開口数NA
が0.15以下の対物レンズを用いることにより行われ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のプロ
ーブ痕深さ測定装置においては、高いコントラストの画
像を得るために、小さな開口数NAの対物レンズを用い
て撮像する動作が行われる。これは、大きな開口数NA
の場合と小さな開口数NAの場合とを比較すると、小さ
な開口数NAの場合の方が開口領域の面積が小さいにも
拘わらず、所定の傾きγ(図20参照)を有する試料9
からの反射光の光軸AXに対するずれ角は同じ値(2×
γ)であるため、小さな開口数NAの場合の方が、傾斜
(すなわち試料表面の立体的起伏)に起因する反射光の
変動が大きくなることによるものである。これについ
て、図20および図21を参照しながら説明する。
【0010】図20および図21は、アパーチャプレー
ト127に設けられたアパーチャ126を通過した入射
光が反射する様子を示す図であり、図20は試料9付近
の様子を側方から見た断面図、図21はアパーチャプレ
ート127内のアパーチャ126を上方からみた上面図
である。
【0011】図20に示すように、上方から入射した照
明光は、対物レンズ120で集光されアパーチャ126
を通過した後、試料9表面で反射されて再びアパーチャ
126側へと向かう。ここにおいて、試料9の表面が光
軸AXに垂直な状態においては、その反射光の全てがア
パーチャ126を再び通過することになる。一方、試料
9の表面が光軸AXに垂直な状態から角度γだけずれて
いる場合には、反射光の光軸AXに対するずれ角は2×
γとなり、試料9からの反射光(図21において破線の
小円で示す)のうちアパーチャ126が存在しない部分
はアパーチャプレート127で遮光されるため、図21
の斜線領域R9に相当する部分の反射光のみがアパーチ
ャ126を通過してアパーチャプレート127よりも上
方へと向かうことになる。したがって、入射光のうちX
方向の長さD2に相当する部分(図21のアパーチャ1
26の全開口領域のうち斜線領域R9を除いた部分)に
対応する反射光が減少することになる。
【0012】ここで、この反射光の減少量は、開口数N
Aの大小に拘わらず、反射光の光軸AXに対する同じず
れ角(2×γ)に対応し、図20においては入射光のう
ちX方向の長さD2に対応する部分となる。一方、開口
領域の開口径Dは開口数NAの大小に応じて変化するた
め、反射光の減少量の割合(D2/D)は、開口径Dが
大きくなるにつれて小さくなり、開口径Dが小さくなる
につれて大きくなる。すなわち、開口径Dが小さい場合
(すなわち小さな開口数NAの場合)の方が、反射光の
変動が大きくなるのである。したがって、開口数NAを
小さくすることにより、試料9の表面の形状を敏感に反
映させた高いコントラストの画像を得ることが可能であ
る。
【0013】しかしながら、小さな開口数NAの対物レ
ンズを用いる場合には、大きな開口数NAのものを用い
る場合に比べて、解像力や光量が低下してしまうという
問題が存在する。このように、この装置において高いコ
ントラストを得ようとすると、解像力や光量が低下して
しまうという問題、すなわち、コントラストと解像力
(あるいは光量)とはトレードオフの関係にあるという
問題が存在する。
【0014】また、このような問題は、上記のようなプ
ローブ痕深さ測定装置のみならず、立体形状を有する試
料表面の画像を取得する装置に対して一般的に存在する
ものである。
【0015】そこで、本発明は、解像力および光量の低
下を抑制しつつ、高いコントラストを得ることが可能な
画像取得装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の画像取得装置は、立体形状を有す
る試料表面の画像を取得する装置であって、光源からの
照明光を試料へと導く照明光学系と、前記試料からの反
射光を所定の受光位置へと導く結像光学系と、を備え、
前記照明光学系は、その光軸を前記結像光学系と共有す
る同軸落射照明を行い、前記照明光学系は、対物レンズ
と、前記対物レンズの入射瞳の位置付近において前記光
軸を含むように設けられる光束制限手段と、を有し、前
記光束制限手段の形状は前記光軸に関して非対称な形状
であることを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の画像取得装置は、請求項
1に記載の画像取得装置において、前記光束制限手段
は、アパーチャプレートにおける孔として設けられるこ
とを特徴とする。
【0018】請求項3に記載の画像取得装置は、請求項
1または請求項2に記載の画像取得装置において、前記
光束制限手段を前記光軸を中心に回転させる回転手段、
をさらに備えることを特徴とする。
【0019】請求項4に記載の画像取得装置は、請求項
1ないし請求項3のいずれかに記載の画像取得装置にお
いて、前記光軸を法線とする平面内において前記光束制
限手段を平行移動させる移動手段、をさらに備えること
を特徴とする。
【0020】請求項5に記載の画像取得装置は、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載の画像取得装置にお
いて、前記光束制限手段の形状を変更する形状変更手
段、をさらに備えることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】<A.第1実施形態> <A1.構成>図1は、この発明の画像取得装置を採用
した第1実施形態に係るコントラスト計測装置1Aの全
体構成を示す図である。このコントラスト計測装置1A
は、立体形状を有する試料表面からの反射光に関するコ
ントラストを計測する装置であり、より具体的には、立
体形状を有する試料表面に対して光を照射してその反射
光の強度を観測し、その計測された反射光の強度と基準
強度との比として得られるコントラストを計測する装置
である。ここで、基準強度としては、予め定められた所
定値を用いることができるほか、その試料表面内のいず
れかの位置からの反射光の強度の値(たとえば最も暗い
点の光強度)を用いることも可能である。したがって、
このコントラスト計測装置1Aは、反射光の強度(明る
さ)を何らかの基準と対比させることにより、試料表面
の各位置からの反射光の強度を計測(ないし観測)する
ものであるとも理解することができる。
【0022】後述するように、このコントラスト計測装
置1Aによれば、試料表面の傾斜角度の相違等に応じて
(言い換えれば試料表面の立体形状に応じて)その反射
光の強度が大きく変動するので、試料表面の各位置から
の反射光は、その試料表面の立体形状を反映して高いコ
ントラストを有するものとなる。したがって、所定のエ
リア内の各位置における反射光を2次元CCD素子など
の撮像素子を用いて計測(ないし観測)することによ
り、高いコントラストの画像を得ることが可能となる。
また、コントラスト計測装置1Aにより得られる反射光
に関しては、十分な解像力および光量を確保することが
できるので、その反射光を撮像した画像に対する各種の
後処理も高精度に行うことが可能となる。たとえば、そ
の撮像画像に対して所定の画像処理を施することによ
り、試料に関するエッジ情報などの各種情報を高精度に
取得することができる。さらには、得られた各種情報や
各種条件等を考慮することなどにより、試料表面の立体
形状を高精度に取得することも可能となる。
【0023】ここでは、このような特性を利用し、この
コントラスト計測装置1Aを用いて、導通検査後のプロ
ーブ接触痕の深さを測定することによってプローブの電
極への接触状態を調査する場合について説明する。この
プローブ接触痕は、非常にその深さが小さい(浅い)た
め、通常の手法では高コントラストの撮像画像を得るこ
とが困難であるが、このコントラスト計測装置1Aを用
いることにより、十分な解像力および光量を確保しつ
つ、高いコントラストの画像を撮像することが可能とな
る。なお、このコントラスト計測装置1Aは、コントラ
ストを計測する機能に加えて、さらに、計測されたコン
トラストに基づいて導通検査後のプローブ接触痕の深さ
を測定する機能をも有しており、プローブ痕深さ測定装
置としても機能する。
【0024】このコントラスト計測装置1Aは、大別し
て、試料(ここでは半導体装置)9におけるプローブ接
触痕を含む領域を撮像する撮像部10と、撮像部10に
よって撮像された画像から接触痕の深さを計測する画像
処理部30とを備えている。
【0025】撮像部10は、試料9における接触痕を含
む領域を光学的に撮像すべく照明光学系10aと結像光
学系10bとCCDカメラ15とを備えている。
【0026】照明光学系10aとしては、光源21、照
明レンズ系22、ハーフミラー23、対物レンズ20、
および光束制限手段としてのアパーチャ26(図2参
照)が設けられており、この照明光学系10aは光源2
1からの照明光を試料9へと導く光学系である。なお、
アパーチャ26については後に詳述する。
【0027】一方、結像光学系10bとしては、対物レ
ンズ20、ハーフミラー23、結像レンズ25、および
アパーチャ26が設けられており、この結像光学系10
bは、試料9からの反射光を所定の受光位置(ここでは
CCDカメラ15)へと導く結像光学系である。
【0028】ここで、照明光学系10aおよび結像光学
系10bは、ハーフミラー23と試料9との間で、その
光軸AXを共有している。すなわち、照明光学系10a
は、その光軸AXを結像光学系10bと共有する同軸落
射照明を行う。また、ハーフミラー23、対物レンズ2
0、およびアパーチャ26は、照明光学系10aと結像
光学系10bとの双方に共用されるものである。言い換
えれば、これらの要素は、両光学系10a,10b双方
の構成要素であるともいえる。
【0029】光源21はハロゲンランプであり、それか
ら出射された光は複数のレンズからなる照明レンズ系2
2によって集光された後、ハーフミラー23によって光
路変更され、対物レンズ20に入射される。対物レンズ
20から出射された光は半導体ウェハWに形成された半
導体装置(試料)9の表面に照射される。
【0030】試料9に照射された光はその表面において
反射され、反射光が対物レンズ20、ハーフミラー23
を経て結像レンズ25によってCCDカメラ15に結像
される。CCDカメラ15は、CCD(charge coupled
device)の配列を備えており、受光した光を電気信号に
変換して画像データを取得する。
【0031】このようにして導通検査後の半導体装置
(試料)9におけるプローブ接触痕を含む領域が撮像部
10によって撮像され、当該領域が画像として取得され
る。
【0032】また、画像処理部30は、CCDカメラ1
5と電気的に接続されており、撮像部10によって取得
された画像のデータはCCDカメラ15から画像処理部
30に伝達される。
【0033】図2は、画像処理部30の構成を説明する
ためのブロック図である。画像処理部30は、切り出し
部31と、照度分布補正部32と、接触痕領域抽出部3
3と、接触痕形状検出部34と、接触痕深さ検出部35
とを備えている。画像処理部30はメモリやCPU等を
備えたコンピュータを用いて構成されており、切り出し
部31等の各処理部は処理用ソフトウェアに基づいて画
像処理部30のCPUが実現する処理部である。
【0034】撮像部10によって取得された接触痕を含
む領域の画像は画像処理部30の切り出し部31から順
に照度分布補正部32、接触痕領域抽出部33、接触痕
形状検出部34、接触痕深さ検出部35へと伝達され、
各処理部において画像に所定の処理が行われる。これら
各処理部における処理内容については後に詳述する。
【0035】ところで、上記のような撮像部10および
画像処理部30によって、導通検査後のプローブ接触痕
の深さが測定されるのであるが、ここにおいて、その測
定精度を向上させるためには、撮像部10において撮像
される画像として、高いコントラストを有する画像を得
ることが好ましい。ここでは、アパーチャ26などを次
述するような構成とすることにより、高いコントラスト
を実現する場合について説明する。なお、図1の対物レ
ンズ20は、通常、複数のレンズを有するレンズ群とし
て構成されているが、以下では簡易化のため1枚のレン
ズとして構成されているものとして説明する。
【0036】図3は、図1の試料9近傍の状態を示す拡
大側面図である。図3に示すように、アパーチャ(開
口)26は、アパーチャプレート27における孔として
アパーチャプレート27の中央部付近に設けられてい
る。また、これらのアパーチャ26およびアパーチャプ
レート27は、光軸AX方向において、入射瞳の位置付
近に設けられている。なお、図3において、アパーチャ
26は便宜上、対物レンズ20と重ねて示されている
が、実際には、対物レンズ20を構成するレンズ群にお
いてその入射瞳の位置(ないしその付近)に設けられ
る。このアパーチャ26は、入射瞳の位置に設けられる
ことが最も好ましいが、入射瞳の位置から多少ずれた位
置(すなわち入射瞳の位置付近)に設けられていてもよ
い。また、通常このアパーチャ26の形状によって入射
瞳の形状が規定されることになる。
【0037】図4は、アパーチャプレート27およびア
パーチャ26を示す上面図である。なお、図4では簡略
化のため対物レンズ20の図示を省略している。
【0038】図4に示すように、アパーチャ26は、円
形のアパーチャプレート27において、光軸AXを含む
位置に設けられており、そのアパーチャ26の形状は光
軸AXに関して非対称な形状となっている。より具体的
には、アパーチャ26は、光軸AXに対して偏心した位
置に設けられている円形状の開口として設けられてい
る。このように、アパーチャ26を偏心させることによ
り、より高いコントラストの画像を得ることが可能にな
る。以下では、この原理について説明する。
【0039】<A2.原理等>まず、試料表面が平坦な
場合(試料表面の法線が光軸AXと一致する場合)につ
いて説明する。この場合には、光源21から出射された
光は、照明レンズ系22でコリメートされた後、ハーフ
ミラー23において下方に反射され、照明光L0(図
3,図4)としてアパーチャプレート27へ向けて進行
する。図4においては照明光L0の光束が破線の大円と
して示されている。
【0040】この照明光L0のうちアパーチャ26を通
過する光のみが、試料9へ向けて進行する。そして、ア
パーチャ26を通過した光は試料9において反射した
後、再びアパーチャ26へと向かう。この反射光(正反
射光)L1は、図4の破線の小円として表される部分へ
と向かうため、アパーチャ26と破線の小円L1との両
方に含まれる領域(図中の斜線領域)R1を通過する光
のみがアパーチャ26を再び通過して、ハーフミラー2
3、結像レンズ25、さらにはCCDカメラ15へと進
行する。これについて、図5を参照しながら、さらに詳
細に説明する。
【0041】図5は、図4の側断面図(XZ断面図)で
ある。照明光L0のうちアパーチャ26を通過する光線
は、試料9において反射して再びアパーチャ26へと向
かう。たとえば光軸AXと所定の角度θ1をなす入射光
線L11は、試料9において反射した後、再び、光軸A
Xと角度θ1をなす反射光線L12としてアパーチャ2
6へと進行し、さらにアパーチャ26を通過してCCD
カメラ15へと進行する。このように光軸AXと所定の
角度θ1よりも小さな角度をなす各入射光線は、試料9
において反射された後、再びアパーチャ26を通過して
CCDカメラ15へと進行する。一方、角度θ1よりも
大きく、かつ、所定の角度θ2よりも小さい角度を光軸
AXとなす各入射光線(たとえばL13)は、試料9に
おいて反射した後、再び、光軸AXと角度θ2をなす反
射光線(たとえばL14)として進行するものの、アパ
ーチャ26を通過することができない。したがって、光
軸AXと角度θ1よりも小さな角度をなす各光線のみが
試料9で反射した後、さらにCCDカメラ15へ向けて
進行する。言い換えれば、アパーチャ26においてX方
向の長さd1に相当する部分の光が反射光として、CC
Dカメラ15において受光されることになる。なお、角
度θ1は、CCDカメラ15に取り込み可能な正反射光
の各光線が光軸AXとなす角度の最大値として定義さ
れ、以下では、この角度θ1を「正反射光取込角」とも
称することとする。
【0042】次に、試料表面が傾いている場合(試料表
面の法線が光軸AXに対して傾いている場合)について
説明する。図6および図7は、それぞれ、試料表面の法
線が光軸AXに対して角度α(>0),β(<0)ずれ
ている場合の試料9における反射の様子を説明する図で
あり、図5に対応するXZ断面図である。また、図8お
よび図9は、それぞれ、図6および図7に対応する上面
図であり、いずれも図4に対応している。なお、図6お
よび図7においては、角度をXZ平面において時計回り
を正として表すものとする。
【0043】まず、図6および図8に示すように、試料
表面の法線が光軸AXに対して角度α(>0)ずれてい
る場合には、CCDカメラ15で受光される反射光の強
度が図4,図5の場合に比べて小さくなる。なぜなら、
照明光L0のうちアパーチャ26を通過する光が試料9
において反射すると、その反射光L2は、図8の破線の
小円として表される部分へと向かうため、アパーチャ2
6と破線の小円L2との両方に含まれる領域(図中の斜
線領域)R2(<R1)を通過する光がアパーチャ26
を再び通過して、CCDカメラ15へと進行するからで
ある。
【0044】これについて、図6のXZ断面図を参照し
ながら、さらに詳細に説明する。アパーチャ26を通過
する照明光L0に含まれる光線であって図中において光
軸AXの右側から結像点Pへと向かう光線のうち、光軸
AXと所定の角度(θ1−2×α)をなす入射光線L2
1は、試料9において反射した後、光軸AXと角度θ1
をなす反射光線L22としてアパーチャ26を通過しC
CDカメラ15へと進行するが、光軸AXと所定の角度
(θ1−2×α)より大きな角度をなす光線は、試料9
において反射した後、アパーチャプレート27によって
遮蔽されるためアパーチャ26を通過することができな
い。したがって、CCDカメラ15で受光される反射光
の強度は図4,図5の場合に比べて小さくなる。その減
少量は、図4の領域R1から図8の領域R2を差し引い
た領域に対応するものとなる。また、図6の断面図にお
いては、長さd1から長さd2を差し引いた長さに対応
する光量が減少するものと考えることができる。
【0045】一方、図7および図9に示すように、試料
表面の法線が光軸AXに対して角度β(<0)ずれてい
る場合には、CCDカメラ15で受光される反射光の強
度が図4,図5の場合に比べて大きくなる。なぜなら、
照明光L0のうちアパーチャ26を通過する光が試料9
において反射すると、その反射光L3は、図9の破線の
小円として表される部分へと向かうため、アパーチャ2
6と破線の小円L3との両方に含まれる領域(図中の斜
線領域)R3(>R1)を通過する光がアパーチャ26
を再び通過して、CCDカメラ15へと進行するからで
ある。
【0046】これについて、図7のXZ断面図を参照し
ながら、さらに詳細に説明する。アパーチャ26を通過
する照明光L0に含まれる光線であって図中において光
軸AXの右側から結像点Pへと向かう入射光線のうち、
光軸AXと所定の角度(θ1−2×β=θ1+2×‖β
‖)をなす入射光線L31であっても、試料9において
反射した後、光軸AXと角度θ1をなす反射光線L32
としてアパーチャ26を通過しCCDカメラ15へと進
行することになる。したがって、CCDカメラ15で受
光される反射光の強度は図4,図5の場合に比べて大き
くなる。その増加量は、図9の領域R3から図4の領域
R2を差し引いた領域に対応するものとなる。また、図
7の断面図においては、長さd3から長さd1を差し引
いた長さに対応する光量が増加するものと考えることが
できる。
【0047】以上のように、試料表面の傾きに応じて、
CCDカメラ15における受光量を大きく増減させるこ
とが可能になる。特に、アパーチャ26を偏心させてい
ることにより、(偏心させない場合に比べて)正反射光
取込角θ1が小さな値となるため、開口径を小さくする
ことと同様の効果、すなわち、高いコントラストを得る
ことが可能である。また、偏心させずに正反射光取込角
θ1に対応する開口径となるアパーチャを設ける場合に
比べて、角度θ1以上角度θ2以下の入射光線に対応す
る反射光線をも取り込むことも可能となり、試料9から
の反射光の光量を増加させることも可能となるので、よ
り高いコントラストを得ることが可能である。
【0048】また、上記実施形態のアパーチャ26は、
角度θ1以上角度θ2以下の入射光線に対応する反射光
線をも取り込むことも可能であることに加えて、正反射
光取込角θ1に対応する開口径を有するアパーチャ(偏
心無し)の開口面積に比べてより大きな開口面積を有し
ているので、大きな開口領域に試料9表面における散乱
光、回折光を取り込むことも可能となるので、偏心させ
ずに正反射光取込角θ1に対応する開口径となるアパー
チャを設ける場合に比べて、十分な光量を確保すること
ができる。
【0049】さらに、上記実施形態のアパーチャ26に
よれば、十分な解像力(解像度)を確保することも可能
である。解像力δは、光の波長λ、所定の定数kを用い
て、δ=k×λ/NAとして表現される。ここで、開口
数NA=n×sinθは、入射角度θの関数である。そ
して、上記実施形態のアパーチャ26を用いた場合にお
いては、解像力δを決定するこの開口数NAは、θ1よ
り大きな値の角度θによって規定されるものとなるの
で、θ=θ1の場合(偏心させずに正反射光取込角θ1
に対応する開口径となるアパーチャを設ける場合)に比
べて解像力(解像度)δは小さな値(すなわち高解像
力)となる。このように、十分な解像力を確保すること
ができる。
【0050】このように、このコントラスト計測装置1
Aの撮像部10によれば、十分な解像力および光量を確
保しつつ、高コントラストの画像を撮像することが可能
である。したがって、高コントラストかつ高解像力かつ
十分な明るさを有するこの撮像画像を用いて次述するプ
ローブ接触痕の深さの測定を行えば、たとえばエッジ抽
出処理においてより正確にそのエッジ抽出を行うことが
可能になるなどの利点を得ることができるため、より正
確なプローブ痕深さの測定が可能になる。
【0051】また、上記においては、正反射光取込角θ
1を小さくしておくことが好ましく、具体的には、開口
数NA=n×sinθ1(nは媒質屈折率)が0.15以
下相当となるように正反射光取込角θ1を定めた上で、
アパーチャ26を偏心させて配置することが好ましい。
さらに好ましくは、開口数NA=n×sinθ1(nは屈
折率)が0.1以下相当となるように正反射光取込角θ
1を定めた上で、アパーチャ26を偏心させて配置させ
ることができる。
【0052】<A3.プロープ痕深さの測定動作>以下
では、具体的に、撮像部10によって撮像された画像か
らプローブ痕(接触痕)の深さを測定する処理について
説明する。
【0053】図10は、図1の装置を用いてプローブ痕
深さを測定する手順を示すフローチャートである。ま
ず、導通検査後の半導体装置9の電極部分について、撮
像部10がプローブの接触痕を含む領域を撮像し、その
画像を取得する(ステップS1)。上述のように、撮像
はCCDカメラ15によって行われ、取得された画像は
画像処理部30に送信される。
【0054】次に、切り出し部31によって接触痕領域
の切り出しが行われる(ステップS2)。図11は、接
触痕領域の切り出しを説明する図である。撮像部10に
よって撮像された全体画像41の中にプローブ接触痕の
画像である接触痕領域40が含まれている。切り出し部
31は、全体画像41から接触痕領域40を含む適切な
大きさのトリミング領域42を切り出す。この切り出し
処理は、後続の各処理の便宜のために行われるものであ
り、接触痕領域40の2〜3倍程度の大きさの矩形領域
をトリミング領域42として切り出す。具体的な手法と
しては、全体画像41に含まれる領域(所定数の画素を
含むエリア)のうちの濃淡差が認められる部分が接触痕
領域40であるため、そのような濃淡差が生じている部
分の周辺を切り出し部31が切り出す。また、装置のオ
ペレータが目視によってトリミング領域42を切り出す
ようにしても良い。なお、トリミング領域42は半導体
装置9の電極金属上のみの領域とされているのが望まし
く、さらには傷領域等はマスク等によって除外されてい
る方が好ましい。
【0055】接触痕領域の切り出しが終了すると、図1
0のステップS3に進み、照度分布補正部32によって
照度分布の補正が行われる。この照度分布の補正は、接
触痕深さを算定するための重要なパラメータである濃度
情報を定量的に精度良く得るために基準照度分布を求め
る処理である。具体的には、トリミング領域42に含ま
れる全画素の照度値のヒストグラムを作成し、最も明る
い区分に属する画素と最も暗い区分に属する画素とを除
外した画素の照度分布を1次近似によって補正したもの
を基準照度分布とする。ここで、最も明るい区分に属す
る画素と最も暗い区分に属する画素とを除外するのは、
半導体装置9の電極表面におけるプローブ接触痕以外の
凹凸による影響を除くためである。
【0056】照度分布の補正について図12を用いつつ
さらに説明する。図12中実線にて示すのは、トリミン
グ領域42に含まれる画素配列のうちのある主走査方向
(x方向)の1列分の画素列の照度分布である。なお、
当該画素列において、最も明るい区分に属する画素と最
も暗い区分に属する画素とは除去済みである。この実線
にて示す照度分布を1次近似によって補正(回帰分析)
したものが図12中点線にて示す基準照度分布である。
この1次近似による基準照度分布は、当該画素列におけ
る画素の座標をxで表すと、「ax+c」として示され
る(a,cは定数であり、図12の場合はa<0)。そ
して、本実施形態では、当該画素列における各画素ごと
に基準照度分布で示される照度値から実際の照度値を減
じた値(図12の点線からの実線の差分)を画素の濃度
値として定義している。
【0057】図12においては照度分布補正についての
理解を容易にするため、ある主走査方向の1列分の画素
列を例として説明したが、実際にトリミング領域42に
含まれる画素配列は平面的な配列であるため、照度分布
補正部32は平面的な照度分布について上述と同様の1
次近似を行う。よって、基準照度分布は、トリミング領
域42の画素配列における画素の座標を(x、y)で表
すと、「ax+by+c」として示される(a,b,c
は定数)。そして、照度分布補正部32は、トリミング
領域42の画素配列における各画素ごとに基準照度分布
で示される照度値から実際の照度値を減じた値を画素の
濃度値とする。なお、基準照度分布につき、1次近似に
よって十分な精度が得られない場合は、より高次の近似
を行っても良い。
【0058】基準照度分布は照度分布の全体的な傾向を
示すものであるため、濃度値の高い画素領域(基準照度
分布よりも照度の低い画素領域)は周辺よりも暗い、例
えば凹凸の影の如き領域である。逆に、濃度値の低い画
素領域(基準照度分布よりも照度の低い画素領域)は周
辺よりも明るい、例えば良好な反射条件の得られる電極
の平滑面の如き領域である。すなわち、1次近似による
基準照度分布に基づいて画素の濃度を算出することによ
り、周辺との相対的な凹凸差を濃度情報として的確に抽
出することができる。
【0059】なお、接触痕深さを算定するためパラメー
タである濃度としては、周辺との相対的な凹凸差を把握
できるものであれば対数であっても良いし、輝度比例で
あっても良く、いわゆるγ補正が行われたものであって
も良い。また、照度分布の無視できる局所的な領域のみ
に着目して接触痕深さの測定処理を行う場合には、ステ
ップS3の照度分布補正処理は不要である。
【0060】また、照度分布補正部32は、上記の照度
分布補正処理を行うに先立ってトリミング領域42の平
滑化処理(いわゆるぼかし処理)を行うようにしても良
い。このような平滑化処理を行うのは、プローブ接触痕
以外の微小な凹凸が濃度情報として抽出されるのを防ぐ
ためである。さらに、画像処理部30が平滑化処理を行
うのに代えて、接触痕を含む領域の撮像時に撮像部10
が光学的にぼかし処理を行うようにしても良い。
【0061】以上のようにして照度分布補正処理が行わ
れ、基準照度分布に基づいてトリミング領域42の各画
素の濃度値が算定されると、図10のステップS4に進
み、接触痕領域抽出部33によって接触痕領域の抽出処
理が行われる。ここで、導通検査時に半導体装置9の電
極に形成されるプローブ接触痕の形状について説明して
おく。
【0062】針状のプローブが半導体装置9の電極に接
触すると、そのプローブによって電極表面に形成された
酸化アルミニウム被膜が突き破られるとともに、電極の
金属部分も掘り下げられる。このときに、電極表面にて
プローブが若干滑動するため、典型的なプローブ接触痕
の形状は略楕円形状となる。そして、プローブによって
削られ、掘り下げられた部分は接触痕における凹部とな
る。プローブの先端は微視的には必ずしも平坦ではない
ため、プローブの滑動によって通常は当該凹部に細い溝
部(傷)が形成される。この傷は、プローブの滑動方
向、すなわち楕円形状の長径方向に沿って形成される。
また、プローブによって押しのけられた分は楕円形状の
長径端部に盛り上がり、その盛り上げられた部分が接触
痕における凸部となる。
【0063】このように、プローブ接触痕の形状は長径
方向に溝が形成された凹部と長径端部に盛り上がった凸
部とからなる略楕円形状を呈することが多く、ステップ
S4ではその楕円の輪郭部分を抽出する。図13は、接
触痕領域の抽出処理を説明するための図である。トリミ
ング領域42にプローブ接触痕の画像である楕円形の接
触痕領域40が含まれており、接触痕領域抽出部33は
接触痕領域40の輪郭部46を抽出する。つまり、接触
痕領域抽出部33は接触痕領域40の楕円形外郭部分を
抽出するのである。具体的には、接触痕領域40の輪郭
部46はその周辺に比較して濃度値が高くなっているた
め、周辺の領域よりも所定の閾値以上に濃度値が高い画
素を抽出して、それらを繋ぎ合わせる。
【0064】ところで、接触痕領域40の中には輪郭部
46の他にも周辺に比較して濃度値が高くなっている部
分があり、プローブの滑動によって生じた傷の画像であ
る溝部47が主としてそれに該当する(以降、輪郭部4
6や溝部47のように周辺に比較して濃度値が高くなっ
ている部分をエッジと称する)。接触痕領域抽出部33
は溝部47もエッジとしては認識するが、溝部47は略
楕円形状に閉領域を形成するものではないため、ステッ
プS4においては無視する。すなわち、接触痕領域40
の形状が略楕円形状となることは既知であり、接触痕領
域抽出部33は略楕円形状に閉領域となるようなエッジ
を接触痕領域40の輪郭部46として判定・抽出する。
【0065】プローブ接触痕が深く、エッジが明瞭な閉
領域の楕円形状を示す場合には、それをそのまま輪郭部
46とする。一方、プローブ接触痕が浅く、エッジが明
瞭な閉領域の楕円形状を示さない場合であっても、当該
接触痕を楕円形状としたときの長径両端近傍には比較的
明瞭なエッジが存在する場合が多く、これらを補間結合
して輪郭部46とすれば良い。また、縞模様のエッジと
なる溝部47を囲む閉領域を輪郭部46とするようにし
ても良い。
【0066】また、トリミング領域42内に複数の接触
痕領域40が存在する場合もあるが、かかる場合にはそ
れらが分離していたり、相互に隣接していても分離可能
であるときには、分離したそれぞれを1つの領域として
取り扱う。一方、複数の接触痕領域40が相互に密接に
隣接していて分離不可能であるときには、隣接している
一群を1つの領域として取り扱う。
【0067】また、エッジが見つからない場合、すなわ
ち周辺の領域よりも所定の閾値以上に濃度値が高い部分
を抽出できないときには、閾値を低くしてエッジの候補
を探索し、それでもなおエッジが見つからない場合には
接触痕領域の抽出が不可能であるとして処理を終了す
る。このような場合は、少なくともプローブ接触痕が相
当に浅いものと判断することができる。
【0068】また、プローブ接触痕自体が半導体装置9
の電極の端部に存在していて完全な略楕円形状を呈しな
い場合もある。このような場合は、後述する接触痕領域
40の長径や面積に基づいて接触痕深さを算定する処理
は意味を持たない。但し、かかる場合であっても、接触
痕領域40の凸部領域48が完全に認識できるようなと
きは、後述するように、凸部領域の平均濃度値に基づい
て接触痕深さを算定することができる。
【0069】接触痕領域の抽出処理が終了すると、図1
0のステップS5に進み、接触痕形状検出部34が接触
痕領域40の面積および寸法を算出する。接触痕領域4
0の面積は、図13において接触痕領域40に含まれる
画素数から算出することができる。また、接触痕領域4
0の寸法は、略楕円形状の輪郭部46の長径および短径
として算出する。なお、接触痕領域40の寸法は、輪郭
部46の外接長方形の長辺および短辺として算出するよ
うにしても良い。
【0070】次に、図10のステップS6に進み、接触
痕形状検出部34が接触痕領域40の凹部領域45およ
び凸部領域48を検出する。凹部領域45および凸部領
域48は、それぞれプローブ接触痕の凹部および凸部の
画像である。本実施形態の全体画像41は撮像部10に
よって平面的に取得されたものであるため、以下のよう
にして凹部領域45および凸部領域48の区別を行って
いる。既述したように、プローブ接触痕の凹部にはプロ
ーブの滑動によって細い傷が形成されるため、凹部領域
45には傷の画像である複数の溝部47からなる縞模様
が認められる。そして、複数の溝部47は接触痕領域4
0の楕円形状の長径方向と平行(プローブの滑動方向)
に形成される。従って、接触痕領域40内においてその
楕円形状の長径とほぼ平行な複数の溝部47からなる縞
模様を検出し、その縞模様が検知された領域を凹部領域
45と判定するとともに、凹部領域45以外を凸部領域
48と判定する(図13参照)。
【0071】次に、図10のステップS7に進み、接触
痕深さ検出部35が接触痕領域40についての画像情報
に基づいてプローブ接触痕の深さを検出する。「接触痕
領域40についての画像情報」とは、接触痕領域40の
画像から得られるパラメータのことであり、上述した接
触痕領域40の面積、寸法、濃度情報等が含まれる。接
触痕領域40の濃度情報についてはその濃度分布が一様
でないため、さらにいかなる領域のどの部分についてど
のような属性の濃度情報に着目するかの組み合わせが存
在する。
【0072】例えば、着目すべき領域としては、接触痕
領域40のa)全体、b)凸部、c)凹部全体、d)凹
部中央部、e)凹部端部等が候補として挙げられる。こ
れらはそれぞれ、接触痕領域40の長径方向に沿って凸
部側終端(図13の接触痕領域40の上端)を位置0と
し、凹部側終端(図13の接触痕領域40の下端)を位
置100とすると、a)全体(位置0〜位置100)、
b)凸部(位置0〜位置20)、c)凹部全体(位置3
0〜位置100)、d)凹部中央部(位置30〜位置6
0)、e)凹部端部(位置70〜位置100)の各比率
にて着目すれば良い。
【0073】また、上記の各着目領域における着目すべ
き部分としては、a)領域の全体、b)エッジ部、c)
非エッジ部等が考えられる。なお、既述したように、エ
ッジとは周辺に比較して濃度値が高くなっている部分を
示す。
【0074】さらに、どのような属性の濃度情報に着目
するかについては、a)正負の濃度を含む平均濃度値、
b)正の濃度のみの平均濃度値、c)正負の濃度を含む
積算濃度値、d)正の濃度のみの積算濃度値、e)最大
濃度値等が候補として挙げられる。濃度値の定義につい
ては既述した通りであり、周辺よりも暗い画素は正の濃
度値を有し、周辺よりも明るい画素は負の濃度値を有し
ている。平均濃度値は着目すべき領域内の局所的な変動
が少ない場合に接触痕深さとの相関が高い。一方、最大
濃度値は着目すべき領域内の局所的な変動が多い場合に
接触痕深さとの相関が高い。また、積算濃度値は、濃度
値とその面積との積である。
【0075】本発明者等は、鋭意調査の結果、特に以下
のようなパラメータが接触痕深さとの相関が高いことを
見いだした。
【0076】<A3−1.長径に基づいた検出>図14
は、接触痕領域40を示す図である。針状のプローブが
半導体装置9の電極に接触したときに、そのプローブが
滑動しつつ電極を掘り下げる。従って、プローブがより
長く滑動したときには、より深くまで電極を掘り下げる
こととなり、略楕円形状の接触痕領域40の長径(輪郭
部46の長径)の長さldとプローブ接触痕の深さとの
間には相関の高い比例関係が存在する。
【0077】よって、接触痕深さ検出部35は、接触痕
形状検出部34が算出した接触痕領域40の長径の長さ
ldに基づいて接触痕の深さを推定することができる。
具体的には、予め幾つかの実験によって接触痕領域40
の長径の長さldと接触痕の実際の深さとの比例係数を
求めておき、被測定試料について接触痕形状検出部34
が算出した接触痕領域40の長径の長さldにその比例
計数を乗じて接触痕の深さを検出すれば良い。
【0078】<A3−2.面積に基づいた検出>針状の
プローブの先端は細長い円錐形であることが多く、プロ
ーブが深く電極に入るほど、略楕円形状の接触痕領域4
0の面積が大きくなる。すなわち、接触痕領域40の面
積とプローブ接触痕の深さとの間には高い相関関係が存
在する。
【0079】従って、接触痕深さ検出部35は、接触痕
形状検出部34が算出した接触痕領域40の面積に基づ
いて接触痕の深さを推定することができる。具体的に
は、上記と同様に予め幾つかの実験によって接触痕領域
40の面積と接触痕の実際の深さとの相関関係を求めて
おき、被測定試料について接触痕形状検出部34が算出
した接触痕領域40の面積と上記相関関係とから接触痕
の深さを検出すれば良い。
【0080】<A3−3.凹部中央部の最大濃度値に基
づいた検出>接触痕領域40のうちの凸部であるか凹部
であるかは複数の溝部47からなる縞模様の有無によっ
て接触痕形状検出部34が判断する。そして、接触痕領
域40の長径方向に沿って凸部領域48と判定された側
の終端を位置0とし、凹部領域45と判定された側の終
端を位置100としたときの、位置30〜位置60を凹
部中央部とすることは既述した通りである。
【0081】接触痕深さ検出部35は、上記の凹部中央
部において図14の矢印A6にて示すように、接触痕領
域40の短径方向に沿って画素の濃度値を調査し、最大
濃度値を検知する。このときには通常、エッジである溝
部47の濃度値が最大濃度値として検知される。溝部4
7はプローブの滑動によって生じた傷の画像であり、プ
ローブ接触痕の最深部に相当する。従って、凹部中央部
の最大濃度値が大きいときは、溝部47の濃度値が大き
く、プローブ接触痕の凹部の傷が深いと考えられ、凹部
中央部の最大濃度値とプローブ接触痕の深さとの間には
高い相関関係が存在する。なお、接触痕領域40の短径
方向に沿って画素の濃度値を調査するのは、溝部47が
接触痕領域40の長径方向に沿って形成されるものであ
り、調査方向と溝部47とが交差しやすいようにするた
めである。
【0082】以上より、接触痕深さ検出部35は、接触
痕領域40の凹部中央部の最大濃度値に基づいて接触痕
の深さを推定することができる。具体的には、上記と同
様に予め幾つかの実験によって接触痕領域40の凹部中
央部の最大濃度値と接触痕の実際の深さとの相関関係を
求めておき、被測定試料についての接触痕領域40の凹
部中央部の最大濃度値と上記相関関係とから接触痕の深
さを検出すれば良い。凹部中央部の最大濃度値は、特に
プローブ接触痕の最大深さと相関が高く、その値を検出
したい場合に有効なパラメータである。
【0083】<A3−4.凸部の平均濃度値に基づいた
検出>接触痕深さ検出部35は、凸部領域48において
図14の矢印A7にて示すように、接触痕領域40の短
径方向に沿って画素の濃度値を調査し、その平均濃度値
を算出する。プローブ接触痕の凸部は、接触時にプロー
ブによって押しのけられて盛り上がった部分であり、凹
部の体積とほぼ同じ体積を有する。従って、接触痕領域
40の凸部の平均濃度値はプローブ接触痕の深さと相関
が高く、当該平均濃度値が大きいほどプローブ接触痕が
深いと考えられる。
【0084】よって、接触痕深さ検出部35は、接触痕
領域40の凸部の平均濃度値に基づいて接触痕の深さを
推定することができる。具体的には、上記と同様に予め
幾つかの実験によって接触痕領域40の凸部の平均濃度
値と接触痕の実際の深さとの相関関係を求めておき、被
測定試料についての接触痕領域40の凸部の平均濃度値
と上記相関関係とから接触痕の深さを検出すれば良い。
【0085】図15は、接触痕領域40の凸部の平均濃
度値とプローブ接触痕の深さと相関関係を示す図であ
る。図中、+印にてプロットしているのが実測結果であ
り、点線にて示しているのが実測の回帰分析結果であ
る。同図に示すように、接触痕領域40の凸部の平均濃
度値とプローブ接触痕の実測深さとの間に相関関係が認
められ、接触痕深さ検出部35は、その相関関係を表現
する点線の回帰モデルに基づいて被測定試料の凸部平均
濃度値から接触痕の深さを検出する。
【0086】以上のように、本実施形態においてはいず
れのパラメータを用いたとしても、簡易な光学撮像系
(撮像部10)にて試料高さ位置を変更することなく1
回の撮像によって得られた画像のうちの接触痕領域40
についての画像情報に基づいて画像処理部30がプロー
ブ接触痕の深さを検出しているため、プローブの接触痕
の深さを簡易かつ短時間に測定することができ、その測
定に必要なコストも低廉なものとすることができる。本
実施形態のプローブ痕深さ測定装置は、一回当たりの接
触痕深さ測定時間が短時間であるため、特にプローブの
電極への接触状態をルーチン的に調査する場合に有用で
ある。
【0087】<B.第2実施形態>つぎに、本発明の画
像取得装置を採用した第2実施形態について説明する。
上記第1実施形態においては、アパーチャ26は偏心し
た状態で固定されていたが、この第2実施形態において
は、光軸AXを法線とする平面内においてアパーチャプ
レート27を回転させることにより、同平面内において
アパーチャ26を光軸AXを中心に回転させる場合につ
いて説明する。なお、第2実施形態のコントラスト計測
装置1Bは、第1実施形態とほぼ同様の構成を有してお
り、以下では相違点を中心に説明する。
【0088】図16は、第2実施形態のコントラスト計
測装置1Bにおけるアパーチャ26付近の構成を示す上
面図である。図16に示すように、コントラスト計測装
置1Bの撮像部10Bは、アパーチャ26を有するアパ
ーチャプレート27などに加えて、モータ28a、モー
タ駆動軸28b、および伝達ベルト28cなどの駆動機
構28をも有している。モータ駆動軸28bおよびアパ
ーチャプレート27には、伝達ベルト28cが巻き掛け
られており、モータ28aを駆動すると伝達ベルト28
cによりその駆動力が伝達されて、アパーチャプレート
27が光軸AXを中心にして回転することが可能な構成
となっている。すなわち、この駆動機構28により、光
軸AXを法線とする平面であるXY平面内においてアパ
ーチャ26を光軸AXを中心に回転させることができる
ので、アパーチャ26の偏心状況(ここでは偏心方向)
を変化させることができる。言い換えれば、アパーチャ
26の試料9に対するXY平面内における相対的関係を
変更することが可能である。
【0089】ところで、上述したように、プローブ痕は
その形成経緯に起因して、略楕円形状を有しており、か
つ、特徴的な立体的起伏(凹凸)がその長軸方向に生じ
やすいという特性を有している。
【0090】図17は、典型的なプローブ痕の形成につ
いて説明する図である。図17(a)は、プローブ痕の
上面図であり、図17(b)は、図17(a)のI−I
断面における断面図である。このプローブ痕は、上述し
たように、次のようにして電極表面に形成される。
【0091】まず、針状のプローブPBによって電極表
面に形成された酸化アルミニウム被膜が突き破られると
ともに、電極の金属部分も掘り下げられる。このとき、
電極表面にてプローブPBが若干、白矢印方向に滑動す
るため、プローブ接触痕(接触痕領域40)の形状は略
楕円形状となる。そして、プローブPBによって削ら
れ、掘り下げられた部分は接触痕における凹部領域45
となる。また、プローブPBによって押しのけられた分
は楕円形状の長径端部に盛り上がり、その盛り上げられ
た部分が接触痕における凸部領域48となる。このよう
に、特徴的な立体的起伏(凹凸)がプローブ痕の長軸方
向に生じやすいという特性を有している。なお、プロー
ブPBの先端は微視的には必ずしも平坦ではないため、
プローブPBの滑動によって通常は当該凹部領域45に
細い溝部(傷)47が形成される。この傷は、プローブ
PBの滑動方向、すなわち楕円形状の長径方向に沿って
形成される。
【0092】一方、撮像部10による撮像画像は、その
コントラストに関して方向依存性を有している。具体的
には、図4などに示すように、撮像画像は、アパーチャ
26の偏心方向(たとえばX方向)においてより高いコ
ントラストを得ることができるという特性を有してい
る。これは、上述した原理に基づくものである。
【0093】したがって、プローブ痕の深さ測定にあた
っては、アパーチャ26の偏心方向と略楕円形状のプロ
ーブ痕の長軸方向とをあわせるようにして撮像したプロ
ーブ痕の撮像画像を用いることが好ましい。
【0094】具体的には、上述の駆動機構を用いてアパ
ーチャ26を回転させることにより、アパーチャ26の
偏心方向をプローブ痕の長軸方向に合わせた上で、撮像
部10Bによる撮像を行う。ここにおいて、プローブ痕
の形成経緯に起因して、プローブ痕の長軸方向はプロー
ブの接触方向に一致する。したがって、例えば予めプロ
ーブの接触方向が既知である場合には、アパーチャ26
を回転させてアパーチャ26の偏心方向をプローブの接
触方向に一致させた上で、プローブ痕の撮像を行えばよ
い。これにより、プローブ痕の特徴的な凹凸が存在する
長軸方向とアパーチャ26の偏心方向とを一致させて撮
像することができるので、プローブ痕の長軸方向におい
て高いコントラストを有する撮像画像を得ることが可能
になる。また、プローブの接触方向が既知でない場合に
は、アパーチャ26を所定の角度(たとえば45度)ず
つずらしながら複数の画像を撮像することにより、それ
らの複数の撮像画像の中から最も高いコントラストを有
する画像を選択して、プローブ痕の深さ測定のための画
像処理を施すことができる。
【0095】さらには、プローブの接触方向が既知であ
るか否かに拘わらず、このコントラスト計測装置1Bを
用いて、アパーチャ26を所定の角度(たとえば45
度)ずつずらしつつ複数の画像を撮像してもよい。そし
て、これらの複数の画像のそれぞれに基づいて画像処理
を行うことにより、様々な特徴量を抽出した後、それら
の各特徴量に基づいて深さを測定することも可能であ
る。たとえば、長軸方向に平行な輪郭線(エッジ)は、
短軸方向に高コントラストを有しているが、このような
輪郭線は、アパーチャ26の偏心方向をプローブの接触
方向に垂直な方向(すなわち短軸方向)にあわせて撮像
した画像に基づいて抽出することが好ましい。このよう
に、長軸方向以外の所定の方向に高コントラストが存在
するような特徴量の抽出を複数の撮像画像のそれぞれに
基づいて行うことも可能である。
【0096】さらには、複数の画像を合成して各画素の
値を平均化した画像に対して各種の画像処理等を施せ
ば、方向依存性を緩和することができるので、プローブ
痕の方向に拘わらず安定した測定(信頼性の高い測定)
を行うことができる。
【0097】<C.第3実施形態>上記第2実施形態に
おいては、アパーチャプレート27を機械的に回転させ
ることにより、偏心したアパーチャ26を回転させてい
たが、これに限定されない。この第3実施形態において
は、液晶シャッターなどの空間変調器を用いることによ
り、アパーチャプレート27を回転させることなくアパ
ーチャ26の方向等を変更する場合について説明する。
【0098】この第3実施形態のコントラスト計測装置
1Cは、第1実施形態とほぼ同様の構成を有しており、
以下では相違点を中心に説明する。
【0099】図18は、第3実施形態のコントラスト計
測装置1Cにおけるアパーチャ付近の構成を示す上面図
である。図18に示すように、コントラスト計測装置1
Cの撮像部10Cは、アパーチャプレート27Cを有し
ている。このアパーチャプレート27Cは、X方向およ
びY方向に複数の単位領域UR(図では11個×11個
であるがその個数は多い方が好ましい)を配列した液晶
シャッターにより構成されており、各単位領域に対する
電圧の印加の有無等により、各単位領域における光の透
過特性を変更すること、すなわち、各単位領域ごとに光
を透過させる状態(透光状態)と光を遮断する状態(遮
光状態)とを切り換えることが可能である。図18にお
いては、光軸AXを中心とする所定の中央領域(図にお
いて白色で示す領域)内の単位領域は透光状態となって
おり、その周辺領域(図において斜線で示す領域)の単
位領域は遮光状態となっている場合を示している。この
場合、中央領域は、光を透過させるのでアパーチャとし
て機能する。すなわち、アパーチャプレート27Cは、
アパーチャ26Cを有することになる。
【0100】アパーチャプレート27Cは、液晶シャッ
ターにより構成されているので、電圧の印加の有無等に
より、各単位領域の状態を高速に切り換えることができ
る。したがって、アパーチャプレート27Cを機械的に
回転させる(第2実施形態)ことなく、各瞬間毎にアパ
ーチャ26Cが所定の方向に偏心した形状となるよう
に、各単位領域の状態切換を行うことにより、アパーチ
ャ26Cを擬似的に回転させることができる。
【0101】<D.変形例>上記第1実施形態において
は、アパーチャ26の形状が円形である場合を例示した
がこれに限定されず、楕円形状や、矩形、三角形など任
意の形状を有するように構成してもよい。図19は、ア
パーチャプレート27内のアパーチャ26が楕円形状を
有している場合を示す図である。この場合でも、上記と
同様の効果を得ることが可能である。
【0102】また、上記第2実施形態においては、アパ
ーチャ26の偏心度合い(偏心量)を一定に維持しつ
つ、そのアパーチャ26を光軸AX周りに回転させる場
合について説明したが、これに限定されず、アパーチャ
26を平行移動させてもよい。具体的には、X方向およ
びY方向にアパーチャ26を駆動することが可能な2自
由度の駆動機構(たとえば直交XY駆動機構)を設ける
ことにより、アパーチャ26の平行移動を実現すること
ができる。このように、アパーチャ26を光軸AXに対
して平行移動することによれば、X方向および/または
Y方向においてその偏心度合い(偏心量)を変更するこ
とができるので、異なるコントラストを有する複数の画
像を取得することが可能になる。特に、X方向およびY
方向の両方向に同時に平行移動させつつ複数の画像を撮
像する場合には、X方向およびY方向の両方向における
偏心度合いが少しずつ変更されるので、X方向およびY
方向の両方向におけるコントラストが異なる複数の画像
を取得することが可能になる。
【0103】さらに、第3実施形態についても同様であ
り、液晶シャッターの状態切換により、アパーチャを擬
似的に回転させるだけでなく擬似的に平行移動を行うよ
うにしてもよい。これにより、光軸AXを法線とする平
面(XY平面)内において、試料に対するアパーチャの
相対位置を変更することができる。
【0104】また、この液晶シャッターを用いて、アパ
ーチャ26Cの形状を変更しつつ複数の画像を取得して
もよい。具体的には、楕円の扁平率を変更しつつ複数の
画像を撮像することや、あるいは、円(ないし楕円)だ
けではなく多角形形状(三角形、矩形など)に変更しつ
つ複数の画像を撮像してもよい。この場合、アパーチャ
プレート27Cの液晶シャッターは、光束制限手段の形
状を変更する形状変更手段として機能する。
【0105】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし請求項5
に記載の画像取得装置によれば、その照明光学系は、対
物レンズの入射瞳の位置付近において光軸を含むように
設けられる光束制限手段を有し、その光束制限手段の形
状は光軸に関して非対称な形状であるので、その反射光
に関して、十分な解像力および光量を確保しつつ、高い
コントラストの画像を得ることが可能である。
【0106】特に、請求項3に記載の画像取得装置によ
れば、光軸に関して非対称形状の光束制限手段を、光軸
を中心に回転させることが可能であるので、偏心量を一
定に維持しつつその偏心方向を変更することにより、異
なるコントラストの状態を得ることが可能になる。特に
方向依存性を有する試料については、その試料の特定の
方向に応じた適切な角度となるようにアパーチャを回転
させて、適切なコントラストの状態とすることができ
る。
【0107】また、請求項4に記載の画像取得装置によ
れば、光軸を法線とする平面内において光束制限手段を
平行移動することが可能であるので、偏心量を変更する
ことにより、異なるコントラストの状態を得ることが可
能になる。
【0108】さらに、請求項5に記載の画像取得装置に
よれば、光束制限手段の形状を変更することが可能であ
るので、異なるコントラストの状態を得ることが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るコントラスト計
測装置1Aの全体構成を示す図である。
【図2】画像処理部30の構成を説明するためのブロッ
ク図である。
【図3】試料9近傍の状態を示す拡大側面図である。
【図4】アパーチャプレート27およびアパーチャ26
を示す上面図である。
【図5】図4の側断面図(XZ断面図)である。
【図6】試料表面の法線が光軸AXに対して角度α(>
0)ずれている場合における、試料9の反射の様子を説
明する図である。
【図7】試料表面の法線が光軸AXに対して角度β(<
0)ずれている場合における、試料9の反射の様子を説
明する図である。
【図8】図6に対応するアパーチャ26付近の上面図で
ある。
【図9】図7に対応するアパーチャ26付近の上面図で
ある。
【図10】図1の装置を用いてプローブ痕深さを測定す
る手順を示すフローチャートである。
【図11】接触痕領域の切り出しを説明する図である。
【図12】照度分布の補正を説明するための図である。
【図13】接触痕領域の抽出処理を説明するための図で
ある。
【図14】接触痕領域を示す図である。
【図15】接触痕領域の凸部の平均濃度値とプローブ接
触痕の深さと相関関係を示す図である。
【図16】第2実施形態のコントラスト計測装置1Bに
おけるアパーチャ付近の構成を示す上面図である。
【図17】典型的なプローブ痕の形成について説明する
図である。
【図18】第3実施形態のコントラスト計測装置1Cに
おけるアパーチャ付近の構成を示す上面図である。
【図19】アパーチャプレートの変形例の図である。
【図20】関連技術を説明する図であり、アパーチャプ
レート127に設けられたアパーチャ126を通過した
入射光が反射する様子を示す側面図である。
【図21】関連技術を説明する図であり、アパーチャプ
レート127内のアパーチャ126を上方からみた上面
図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C コントラスト計測装置 10,10B,10C 撮像部 10a 照明光学系 10b 結像光学系 20 対物レンズ 21 光源 22 照明レンズ系 23 ハーフミラー 25 結像レンズ 26,26C アパーチャ 27,27C アパーチャプレート 28 駆動機構 40 接触痕領域 45 凹部領域 48 凸部領域 9 試料(半導体装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 1/00 420 H01L 21/66 J 4M106 H01L 21/66 B 5B047 G01R 31/28 K (72)発明者 近藤 教之 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 岩崎 誠 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA25 AA53 BB02 CC19 DD09 FF42 GG01 HH02 HH13 JJ03 JJ09 JJ26 QQ21 QQ32 2G011 AA02 AC14 AE03 2G032 AA00 AD08 AE09 AF01 AL04 2G051 AA51 BB11 CA04 CB01 EA12 EA23 EB01 EB02 EC03 ED01 ED04 ED22 2H052 AA06 AC04 AF02 AF25 4M106 AA01 AA11 BA04 CA70 DB00 DB02 DB04 DB07 DB12 DB13 5B047 AA07 BA02 BB06 BC05 BC09 CA19 CB04 CB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体形状を有する試料表面の画像を取得
    する装置であって、 光源からの照明光を試料へと導く照明光学系と、 前記試料からの反射光を所定の受光位置へと導く結像光
    学系と、を備え、 前記照明光学系は、その光軸を前記結像光学系と共有す
    る同軸落射照明を行い、 前記照明光学系は、 対物レンズと、 前記対物レンズの入射瞳の位置付近において前記光軸を
    含むように設けられる光束制限手段と、を有し、 前記光束制限手段の形状は前記光軸に関して非対称な形
    状であることを特徴とする画像取得装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像取得装置におい
    て、 前記光束制限手段は、アパーチャプレートにおける孔と
    して設けられることを特徴とする画像取得装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の画像取
    得装置において、 前記光束制限手段を前記光軸を中心に回転させる回転手
    段、をさらに備えることを特徴とする画像取得装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の画像取得装置において、 前記光軸を法線とする平面内において前記光束制限手段
    を平行移動させる移動手段、をさらに備えることを特徴
    とする画像取得装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の画像取得装置において、 前記光束制限手段の形状を変更する形状変更手段、をさ
    らに備えることを特徴とする画像取得装置。
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