JP2007322257A - ムラ検査方法、ムラ検査装置およびプログラム - Google Patents

ムラ検査方法、ムラ検査装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥候補領域が筋ムラ領域または点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合において、欠陥候補領域および筋ムラ領域または点欠陥領域を的確に検出する。
【解決手段】ムラ検査装置では、基板から得られる対象画像において筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域、および、点欠陥を示す点欠陥領域が検出される。部分ムラ検出部64では、対象画像を所定の閾値にて2値化することにより、部分ムラ欠陥の候補を示す部分ムラ候補領域が検出される。判定部66では、部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分または点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、部分ムラ候補領域における部分ムラ欠陥の強度に関する評価値と、筋ムラ領域線分における筋ムラ欠陥の強度に関する評価値、または、点欠陥領域における点欠陥の強度に関する評価値とを比較して部分ムラ候補領域の削除の要否を判定することにより、これらの領域を的確に検出することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、対象物上のムラ欠陥を検査する技術に関する。
従来より、表示装置用のガラス基板等(以下、単に「基板」という。)の主面上に所定のパターンを形成する際には、当該主面上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成することが行われており、レジスト膜の形成の際に、例えば、レジスト液が塗布される直前の基板上に微小な不要物が存在すると、レジスト液を吐出するスリットに不要物が引っ掛かってレジスト膜上においてこの不要物の位置から伸びる筋ムラが発生することがある。近年では、基板上のこのような筋ムラを検査することが行われている。
例えば、特許文献1では、検査対象となる画像中の各画素を順次注目画素としつつ、当該注目画素を中心とする所定の大きさの領域において、値が閾値以上の複数の画素と、当該注目画素を通過する角度基準線との間の距離の総和を、傾きが異なる複数の角度基準線のそれぞれに対して算出し、これらの総和の最小値に基づく値を当該注目画素の値とすることにより、筋ムラの存在位置を示す画像を取得する手法が開示されている。
なお、近年、基板品質へのムラの影響の程度(以下、「ムラの強度」という。)に基づいてムラが許容されるか否かを判定することも行われており、特許文献2では、シャドウマスクを示す画像において、所定方向の各位置において、この方向に垂直に並ぶ画素の値を積算して積算データを取得し、積算データの各値を積算データを平滑化した平滑化データの対応する値にて除算することにより得られる規格化データに基づいてシャドウマスクの筋ムラの許否の判定を行う技術が開示されている。また、特許文献3では、対象物を撮像した画像の各画素の値を当該画像を平滑化した画像の対応する画素の値にて除算することにより規格化画像を取得し、規格化画像において画素の値の平均値との差の絶対値が所定の閾値以下となる値を有する画素に0を付与して新たな画像を生成し、この画像の画素の値を積算することによりムラの許否を判定する手法が提案されている。
特開2005−345290号公報 特開平9−68502号公報 特開平10−197451号公報
ところで、基板上には、既述の筋ムラ以外に、筋ムラの原因となった不要物自体等の点欠陥も存在し、さらには、あまり特徴的ではない他の欠陥も存在する。ムラ欠陥の検査では、これらの欠陥が重なり合っている場合(すなわち、基板を示す対象画像中にてこれらの欠陥を示す領域が重なり合っている場合)、欠陥を区別することが困難となる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、対象画像中に筋ムラを示す領域や点欠陥を示す領域が含まれる場合において、これらの欠陥の領域や他の欠陥の領域を的確に検出することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査方法であって、a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、長手方向の長さと前記長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域を検出する工程と、b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、c)欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のムラ検査方法であって、d)前記対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記筋ムラ領域の濃度よりも前記対象画像の平均濃度との差が大きい濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する工程と、e)欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第3評価値と前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第4評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程とをさらに備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のムラ検査方法であって、前記第1評価値が、前記対象画像中の前記欠陥候補領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差に基づく値であり、前記第2評価値が、前記対象画像中の前記筋ムラ領域の濃度と前記筋ムラ領域の周囲の領域の濃度との差に基づく値である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のムラ検査方法であって、前記第1評価値が、前記欠陥候補領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値であり、前記第2評価値が、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度分布を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のムラ検査方法であって、前記c)工程において前記欠陥候補領域の削除が不要と判定された場合に、前記欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の大半を包含するか否かを確認し、包含する場合に前記筋ムラ領域の削除の要否が判定される。
請求項6に記載の発明は、対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査方法であって、a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記対象画像における平均的な濃度の変動範囲を超える濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する工程と、b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、c)欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程とを備える。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のムラ検査方法であって、前記第1評価値が、前記欠陥候補領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値であり、前記第2評価値が、前記点欠陥領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値である。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のムラ検査方法であって、前記b)工程において、複数の閾値にて前記対象画像を2値化することにより複数の2値画像が取得され、前記複数の2値画像において互いに対応する画素の値の論理和を求めることにより、前記欠陥候補領域が検出される。
請求項9に記載の発明は、対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査装置であって、対象物を撮像して多階調の元画像を取得する撮像部と、前記元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、長手方向の長さと前記長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域を検出する筋ムラ検出部と、前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する欠陥候補検出部と、欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する判定部とを備える。
請求項10に記載の発明は、対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査装置であって、対象物を撮像して多階調の元画像を取得する撮像部と、前記元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記対象画像における平均的な濃度の変動範囲を超える濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する点欠陥検出部と、前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する欠陥候補検出部と、欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する判定部とを備える。
請求項11に記載の発明は、対象物上のムラ欠陥をコンピュータに検査させるプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、長手方向の長さと前記長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域を検出する工程と、b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、c)欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程とを実行させる。
請求項12に記載の発明は、対象物上のムラ欠陥をコンピュータに検査させるプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記対象画像における平均的な濃度の変動範囲を超える濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する工程と、b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、c)欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程とを実行させる。
請求項1ないし5、8、9並びに11の発明では、欠陥候補領域が筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合において、欠陥候補領域の削除の要否を容易に判定することができ、これにより、筋ムラ領域および欠陥候補領域を的確に検出することができる。
請求項2、6ないし8、10並びに12の発明では、欠陥候補領域が点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合において、欠陥候補領域の削除の要否を容易に判定することができ、これにより、点欠陥領域および欠陥候補領域を的確に検出することができる。
また、請求項3の発明では、筋ムラ欠陥の特徴に応じた評価値を用いることにより、欠陥候補領域の削除の要否を精度よく判定することができ、請求項4および7の発明では、欠陥候補領域に対応する領域から導かれる第1評価値および第2評価値を用いることにより、欠陥候補領域の削除の要否を適切に判定することができる。
また、請求項5の発明では、不要な筋ムラ領域を削除することができ、請求項8の発明では、欠陥候補領域を精度よく検出することができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るムラ検査装置1の構成を示す図である。ムラ検査装置1は、液晶表示装置等の表示装置に用いられるガラスの基板9において、一方の主面91上にレジスト液を塗布することにより形成されたパターン形成用のレジストの膜92の画像を取得し、この画像に基づいて基板9の膜92上のムラ欠陥を検査する装置である。なお、本実施の形態における基板上には複数の表示装置用のパネルのパターンが形成される(または、形成される予定となっている。)。
ここで、基板9上のムラとは局所的な明暗変動により特定される一定面積以上の領域(ただし、通常、領域の境界は不明瞭である。)であり、ムラのうち一定値以上の明暗変動を有するものをムラ欠陥として定義する。また、ムラ欠陥のうちその領域の長手方向における長さαと長手方向に垂直な方向における幅βとの比(α/β)が所定値以上となるものを筋ムラ欠陥とし、残りのものを部分ムラ欠陥として定義する。部分ムラ欠陥は、通常、基板9に対する処理の不均一性に起因して発生する。もちろん、実質的にこの条件が満たされるのであれば、筋ムラ欠陥の定義は適宜変更されてよく、さらに、筋ムラ欠陥および部分ムラ欠陥に他の条件が追加されてもよい。また、ムラ検査装置1では、ムラ欠陥よりも明暗変動が急激かつ程度が大きく(すなわち、コントラストが大きく、領域の境界が比較的明瞭である。)、面積が所定の範囲内(例えば、円形の領域である場合、基板9上における直径が1mm以下であり、ノイズに起因して発生する画像中の異常な領域よりも大きい。)となる点欠陥も検出される。点欠陥は、通常、基板9上における微小な不要物の存在や、レジスト液の塗布の際における液滴の意図しない滴下等に起因して発生する。
図1に示すように、ムラ検査装置1は、膜92が形成された主面91(以下、「上面91」という。)を上側(図1中の(+Z)側)に向けて基板9を保持するステージ2、ステージ2に保持された基板9上の膜92に所定の入射角にて光を照射する光照射部3、光照射部3から照射されて基板9の上面91上の膜92にて反射された光を受光する受光ユニット4、ステージ2を光照射部3および受光ユニット4に対して相対的に移動する移動機構21、並びに、ムラ検査装置1の制御部としての役割を果たすコンピュータ5を備える。
ステージ2の(+Z)側の表面は、好ましくは黒色艶消しとされる。移動機構21は、モータ211にボールねじ(図示省略)が接続された構成とされ、モータ211が回転することにより、ステージ2がガイド212に沿って基板9の上面91に沿う図1中のX方向に移動する。
光照射部3は、白色光(すなわち、可視領域の全ての波長の光を含む光)を出射する光源であるハロゲンランプ31、ステージ2の移動方向に垂直な図1中のY方向に伸びる円柱状の石英ロッド32、および、Y方向に伸びるシリンドリカルレンズ33を備える。光照射部3では、ハロゲンランプ31が石英ロッド32の(+Y)側の端部に取り付けられており、ハロゲンランプ31から石英ロッド32に入射した光は、Y方向に伸びる線状光(すなわち、光束断面がY方向に長い線状となる光)に変換されて石英ロッド32の側面から出射され、シリンドリカルレンズ33を介して基板9の上面91へと導かれる。換言すれば、石英ロッド32およびシリンドリカルレンズ33は、ハロゲンランプ31からの光をステージ2の移動方向に垂直な線状光に変換して基板9の上面91へと導く光学系となっている。
図1では、光照射部3から基板9に至る光路を一点鎖線にて示している(基板9から受光ユニット4に至る光路についても同様)。光照射部3から出射された光の一部は、基板9の上面91上の膜92の(+Z)側の上面にて反射される。膜92は光照射部3からの光に対して光透過性を有しており、光照射部3からの光のうち膜92の上面にて反射しなかった光は、膜92を透過して基板9の上面91(すなわち、膜92の下面)にて反射される。ムラ検査装置1では、基板9における膜92の上面にて反射された光と基板9の上面91にて反射された光との干渉光が受光ユニット4に入射し、フィルタ43およびレンズ42を介して所定の波長の干渉光が撮像部41へと導かれる。
撮像部41には複数の受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))をY方向に直線状に配列して有するラインセンサが設けられ、基板9からの干渉光がラインセンサにて受光され、干渉光の強度分布(すなわち、各受光素子からの出力値のY方向における分布)が取得される。実際には、基板9のX方向への移動に伴って撮像部41のラインセンサにて干渉光の強度分布が繰り返し取得されることにより基板9上の膜92の2次元画像が取得される。
コンピュータ5は、図2に示すように、各種演算処理を行うCPU51、基本プログラムを記憶するROM52および各種情報を記憶するRAM53をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定ディスク54、各種情報の表示を行う表示部であるディスプレイ55、操作者からの入力を受け付けるキーボード56aおよびマウス56b(以下、「入力部56」と総称する。)、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8から情報の読み取りを行う読取装置57、並びに、ムラ検査装置1の他の構成要素に接続される通信部58が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
コンピュータ5には、事前に読取装置57を介して記録媒体8からプログラム541が読み出され、固定ディスク54に記憶される。そして、プログラム541がRAM53にコピーされるとともにCPU51がRAM53内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ5が基板9上のムラ欠陥を検査する演算部としての動作を行う。
図3は、CPU51がプログラム541に従って動作することにより、CPU51、ROM52、RAM53、固定ディスク54等が実現する機能構成を示すブロック図である。図3において演算部6内の対象画像生成部61、筋ムラ検出部62、点欠陥検出部63、部分ムラ検出部64、マスク画像生成部65および判定部66がCPU51等により実現される機能を示す。なお、これらの機能は専用の電気的回路により実現されてもよく、部分的に専用の電気的回路が用いられてもよい。
次に、ムラ検査装置1によるムラ欠陥の検査の流れについて説明する。図4.Aおよび図4.Bは、ムラ検査装置1が基板9の膜92上のムラ欠陥を検査する処理の流れを示す図である。基板9上のムラ欠陥が検査される際には、まず、図1中に実線にて示す検査開始位置に位置するステージ2上に基板9が保持された後、ステージ2の(+X)方向への移動が開始される。続いて、光照射部3から出射されて基板9の上面91に対して所定の入射角にて入射する線状光が、上面91上の直線状の照射領域(以下、「線状照射領域」という。)に照射され、線状照射領域が基板9に対して相対的に移動する。光照射部3からの光は基板9の上面91にて反射し、干渉光が撮像部41へと導かれてラインセンサにて受光され、基板9上の線状照射領域における干渉光の強度分布が取得される。ラインセンサの各受光素子からの出力は、所定の変換式に基づいて例えば8bit(もちろん、8bit以外であってもよい。)の値(画素値)に変換されつつコンピュータ5へと送られる。
ムラ検査装置1では、ステージ2が(+X)方向に移動している間、撮像部41における干渉光の強度分布の取得、および、画素値のコンピュータ5への出力がステージ2の移動に同期して繰り返される。そして、ステージ2が検査終了位置まで移動すると、移動機構21によるステージ2の移動が停止され、照明光の照射も停止される。以上のようにして、撮像部41では基板9上の膜92の全体を撮像して多階調の2次元画像(後述する処理が施される前の画像であり、以下、「元画像」という。)が取得され、コンピュータ5の演算部6に入力される(ステップS11)。
続いて、演算部6の対象画像生成部61では、元画像が圧縮されて第1画像が生成される。ここで、元画像において座標(X,Y)に位置する画素の画素値をFXYと表すと、元画像をs画素×s画素の範囲を単位として圧縮して生成された第1画像において、座標(x,y)に位置する注目画素の画素値Axyは、数1により求められる。
Figure 2007322257
本実施の形態ではsが4(画素)であるため、数1の演算により第1画像のS/N比は元画像の4倍に向上する。第1画像(圧縮後の元画像)が生成されると、第1画像に対するローパスフィルタ処理が行われ、第1画像から高周波ノイズの影響が抑制されて平滑化された第2画像が生成される。ローパスフィルタ処理の演算範囲を決定するウィンドウは、1辺の長さが(2s+1)画素の正方形であり、第2画像において座標(x,y)に位置する注目画素の画素値Lxyは、注目画素近傍の各画素の第1画像における画素値A(数1参照)を用いて、数2により求められる。
Figure 2007322257
その後、第2画像に対してハイパスフィルタ処理が行われ、第2画像から後述のコントラスト強調処理の妨げとなる低周波の濃度変動が除去された第3画像が生成される。ここで、座標(x,y)に位置する注目画素の画素値H xyは、注目画素近傍の各画素の第2画像における画素値L(数2参照)を用いて、数3にて求められる。
Figure 2007322257
数3は、ハイパスフィルタ処理の演算範囲を決定するウィンドウとして、注目画素を中心とする各辺の長さが(2s+1)画素の正方形のウィンドウが用いられる場合を示している。以上のように、対象画像生成部61では、元画像を圧縮した第1画像に対して、ローパスフィルタ処理を施した後に、ハイパスフィルタ処理を施すことにより、所定の空間周波数帯域のバンドパスフィルタ処理が行われる(ステップS12)。
対象画像生成部61では、さらに、第3画像に対してコントラスト強調処理が行われて強調画像が生成される(ステップS13)。強調画像において座標(x,y)に位置する注目画素の画素値Exyは、第3画像における注目画素の画素値H xy、コントラスト係数r、および、背景値bを用いて、数4にて求められる。本実施の形態では、rは0.01,0.02,0.05または0.1とされ、bは127とされる。
Figure 2007322257
ここで、基板9の上面91には、それぞれが表示装置のパネル上の表示領域に対応する複数の矩形領域(以下、「矩形表示領域」という。)が隙間を空けて縦横に整列して設定されており、基板9は複数の矩形表示領域に従って複数の部位(パネル)に切断される(すなわち、多面取りされる)予定のものである。対象画像生成部61では、強調画像において基板9上の矩形表示領域外の部分に対応する領域(以下、「背景領域」という。)に背景値bを付与することにより、図5に示すように、背景領域719(図5中にて平行斜線を付して示す。)が実質的にマスクされた新たな画像(後述するように、演算部6における以下の処理の対象とされる画像であり、以下、「対象画像」という。)71が生成される(ステップS14)。なお、図5では多階調の対象画像71を簡略化して示しており、実際には、図5中の矩形表示領域711と背景領域719との境界は必ずしも明確ではない。また、対象画像71の平均濃度(すなわち、画素値の平均値)は約127となっている。
対象画像生成部61にて対象画像71が生成されると、筋ムラ検出部62では対象画像から基板9上の筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域が検出される(ステップS15)。図6は、筋ムラ検出部62が筋ムラ領域を検出する処理の流れを示す図であり、図4.A中のステップS15にて行われる処理を示している。
筋ムラ検出部62が筋ムラ領域を検出する際には、まず、背景値127よりも小さい値103〜122のそれぞれを閾値として対象画像が2値化される。具体的には、対象画像の各画素の値と各閾値(以下、「下閾値」という。)とが比較され、値が下閾値以下の画素に「1」を付与し、下閾値よりも大きい画素に「0」を付与することにより、下閾値103〜122にそれぞれ対応する20個の2値画像が取得される。
図7.Aないし図7.Cは2値画像を示す図であり、図7.Aは下閾値を117とした場合の2値画像を示し、図7.Bは下閾値を112とした場合の2値画像を示し、図7.Cは下閾値を103とした場合の2値画像を示している。背景値よりも小さい値を下閾値として2値画像を取得する上記処理では、図7.Aないし図7.Cに示すように、下閾値が小さくなる(背景値127から離れる)に従って2値画像における値1の画素(図7.Aないし図7.C中の白い画素)の数が少なくなる。
続いて、背景値127よりも大きい値132〜151のそれぞれを閾値(以下、「上閾値」という。)とし、対象画像において値が上閾値以上の画素に「1」を付与し、上閾値よりも小さい画素に「0」を付与することにより、値132〜151にそれぞれ対応する20個の2値画像が取得される。背景値よりも大きい値を上閾値として2値画像を取得する上記処理では、上閾値が大きくなる(背景値127から離れる)に従って2値画像における値1の画素数が少なくなる。
以上のように、筋ムラ検出部62では対象画像71を複数の閾値にて2値化することにより、複数の閾値にそれぞれ対応する複数の(本実施の形態では、40個の)2値画像が取得される(図6:ステップS151)。なお、下閾値および上閾値のいずれを用いる場合であっても、取得される2値画像中の背景領域に対応する領域は値が0となる。
複数の2値画像が取得されると、各2値画像においてラベリングにより互いに連続する値1の画素の集合(以下、「閉領域」という。)が特定され、所定の面積(画素数)以下となる閉領域が処理対象から除外され、2値画像から削除される。続いて、各閉領域のモーメントを算出することにより慣性主軸の方向(角度)が求められ、この閉領域に対して慣性主軸の方向に沿う外接矩形が求められる。なお、通常、慣性主軸の方向は閉領域の長手方向となる。以下の説明では、慣性主軸は閉領域の長手方向に沿うものを指すものとする。
図8は、2値画像中の複数の閉領域721a,721b,721cを示す図である。図8では、各閉領域721a〜721cの外接矩形を符号722a〜722cを付して細線にて示している。筋ムラ検出部62では、さらに、各閉領域721a〜721cの外接矩形722a〜722cにおいて慣性主軸の方向に関する長さL1と、慣性主軸に垂直な方向に関する幅W1との比(L1/W1)が所定値(例えば、2)と比較され、比が所定値以上となる閉領域721a,721bのみが筋領域(以下、閉領域721a,721bと同符号を付す。)とされ、他の閉領域721cは2値画像から削除される。
このように、複数の2値画像のそれぞれにおいて閉領域のモーメントを算出することにより、長手方向における長さと長手方向に垂直な方向における幅との比が所定値以上となる筋領域が特定される(ステップS152)。なお、2値画像における閉領域は、下閾値または上閾値が背景値に近づくと大きくなるため、ある下閾値または上閾値の2値画像で筋領域として検出されても、背景値に近い下閾値または上閾値の2値画像では同じ位置に縦横比の小さい閉領域が現れることがあり、筋領域が検出されるとは限らない。また、筋領域721a,721bのそれぞれでは、重心723a,723bを通って慣性主軸の方向に伸びるとともに両端点が外接矩形722a,722bの辺上に設定される線分(図8中にて一点鎖線にて示す。)が当該筋領域721a,721bを代表する筋領域線分724a,724bとして特定される。
続いて、各2値画像において基板9上の複数の矩形表示領域711(図5参照)に対応する複数の領域(以下、同様に「矩形表示領域」と呼ぶ。)のうちの一の矩形表示領域(以下、「注目矩形表示領域」という。)に注目して、注目矩形表示領域内に含まれる複数の筋領域線分のうちの任意の1つの筋領域線分が特定筋領域線分として特定される。そして、特定筋領域線分と注目矩形表示領域内の他の筋領域線分のそれぞれとの間において、これらの筋領域線分の連結の可否の判定が行われる。
図9は筋領域線分の連結の可否の判定を説明するための図であり、図9では図8中の筋領域線分724a,724bを相互の傾きの違いを強調して図示している。筋領域線分724aを特定筋領域線分として、筋領域線分724bとの間において連結の可否の判定を行う場合には、まず、特定筋領域線分724aが代表する筋領域721aの重心723a(筋領域線分の中点であってもよい。以下同様。)と筋領域線分724bが代表する筋領域721bの重心723bとを結ぶ直線(図9中にて符号R1を付す破線にて示す。)が求められる。続いて、特定筋領域線分724aの端点725a,726aと直線R1との間の距離D1,D2、および、筋領域線分724bの端点725b,726bと直線R1との間の距離D3,D4(すなわち、端点725a,726a,725b,726bから直線R1に下ろした垂線の長さ)の全てが所定の第1閾値以下であるか否かが確認される。
距離D1〜D4のいずれかが第1閾値よりも大きい場合には筋領域線分の連結が却下される。距離D1〜D4の全てが第1閾値以下である場合には、特定筋領域線分724aが伸びる方向(特定筋領域線分724aが示す筋領域721aの長手方向であり、以下、同様に「長手方向」と呼ぶ。)と筋領域線分724bの長手方向とがほぼ同一であるとされ(図8参照)、続いて、特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとの間において最も近接する端点726a,725b間の距離D5、並びに、特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとの長さの和が求められる。
距離D5と当該長さの和との比が所定の第2閾値よりも大きい場合には筋領域線分の連結が却下される。当該比が所定の第2閾値以下である場合には、特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとが互いに近接しているとされ、さらに、特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとの間において最も離れた端点725a,726b間の距離D6と、特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとの長さの和との比が求められる。そして、当該比が所定の第3閾値以上である場合には、特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとが同一の長手方向に配列されているとされて連結が許可され、第3閾値未満である場合には、筋領域線分の連結が却下される。
続いて、連結が許可された特定筋領域線分724aと筋領域線分724bとが連結される。具体的には、特定筋領域線分724aをその中点にて分断した2つの分断線分、および、筋領域線分724bをその中点にて分断した2つの分断線分の集合のモーメントを算出することにより、4つの分断線分の集合に対する慣性主軸の方向が求められ、慣性主軸の方向に伸びるとともに4つの分断線分の集合の重心を通る直線(すなわち、慣性主軸)が、図10中にて符号R2を付す破線(ただし、破線の一部が太くされている。)にて示すように求められる。そして、特定筋領域線分724aおよび筋領域線分724bの各端点725a,726a,725b,726bから直線R2に下ろした垂線と直線R2との交点が求められ、4つの交点のうち互いに最も離れた交点727a,727bを端点とする線分が、新たな筋領域線分(図10中にて破線にて示す直線R2のうち太い破線の部分)として取得され、2つの筋領域線分724a,724bが1つの筋領域線分に更新される。
実際には、特定筋領域線分724aとの連結が許可される全ての筋領域線分が決定された上で、特定筋領域線分724aとこれらの筋領域線分との連結が同時に行われる。すなわち、特定筋領域線分724aおよび連結が許可された複数の筋領域線分のそれぞれをその中点にて分断することにより複数の分断線分が取得され、これらの分断線分の集合に対する慣性主軸を求め、特定筋領域線分724aおよび連結が許可された複数の筋領域線分の端点から慣性主軸に下ろした垂線と慣性主軸との複数の交点のうち互いに最も離れた2つの交点を端点とする線分が、新たな筋領域線分として求められ、特定筋領域線分724aおよび連結が許可された複数の筋領域線分が1つの筋領域線分へと更新される。
特定筋領域線分724aに対する他の筋領域線分との連結の可否の判定および連結が行われると、注目矩形表示領域内における特定筋領域線分724aから更新された筋領域線分(連結が行われない場合には、特定筋領域線分724a)以外の一の筋領域線分を特定筋領域線分として特定し、他の筋領域線分との連結の可否の判定および連結が行われる。実際には、複数の2値画像のそれぞれにおいて、各矩形表示領域を注目矩形表示領域として上記処理が行われることにより、長手方向が同一であり、長手方向に配列され、かつ、互いに近接する同一矩形表示領域内の複数の筋領域線分が1つの筋領域線分へと更新とされる(ステップS153)。
続いて、2値化の際における閾値が隣接する(本実施の形態では、閾値が連続する)2つの2値画像において、一方の2値画像における各筋領域線分と、この筋領域線分が含まれる矩形表示領域に対応する他方の2値画像中の矩形表示領域内の筋領域線分のそれぞれとのグループ化の可否が判定される。
図11は、2値化の際における閾値が隣接する2つの2値画像にそれぞれ含まれる筋領域線分724d,724eを重ねて示す図である。2つの筋領域線分724d,724eのグループ化の可否の判定の際には、まず、一方の筋領域線分724dを延長した直線R3(ただし、筋領域線分724dから延長した部分を破線にて示している。)が設定され、他方の筋領域線分724eの両端点725e,726eのそれぞれと直線R3との距離D7,D8が求められる。距離D7,D8の双方が所定の閾値以下である場合には、各筋領域線分724d,724eに対して、互いに直交する画素の配列方向(図11中のx方向およびy方向)に平行な辺を有する外接矩形727d,727eが求められ、これらの外接矩形727d,727eが少なくとも一部において互いに重なる場合には、筋領域線分724d,724eのグループ化が許可され、同一のグループに含められる。その一方で、一方の筋領域線分を延長した直線と他方の筋領域線分の両端点との間の距離が閾値よりも長い場合や、2つの筋領域線分の外接矩形が互いに重ならない場合には、これらの筋領域線分はグループ化されない。
このようにして、各2値画像と閾値が隣接する他の2値画像との間において互いに重なるとみなされる筋領域線分を同一のグループに含めるグループ化が行われ、グループ化されない筋領域線分は削除される。これにより、筋ムラ検出部62において、それぞれが筋ムラ欠陥を示す複数のグループが求められる(ステップS154)。筋領域線分のグループ化を行う上記処理は、閾値が隣接する2値画像において所定の扁平度となる閉領域である筋領域の位置が互いに重なる場合に、これらの筋領域をグループとして特定することと等価であるため、以下の説明では、グループ化された筋領域線分の集合を領域グループと呼ぶ。
なお、本実施の形態では、2値画像の生成の際に、上閾値および下閾値を用いて値が背景値から離れた閉領域が特定されるが、上閾値を用いて導かれた2値画像と下閾値を用いて導かれた2値画像との間では、画像中の筋領域の種別が異なるものとされ、筋領域線分のグループ化は行われない。もちろん、筋領域線分のグループ化は他の手法により行われてもよい。
また、筋ムラ検出部62では、領域グループに含まれる複数の筋領域線分のうち最長のもの(以下、「筋ムラ領域線分」という。)が特定され、筋ムラ領域線分を除く全ての筋領域線分が筋ムラ領域線分上に重ね合わせられる。具体的には、図11に示す筋領域線分724dが筋ムラ領域線分として特定されたものとすると、筋ムラ領域線分724dと同じ領域グループに含まれる他の筋領域線分724eのそれぞれは、各端点725d,726dから筋ムラ領域線分724dに下ろした垂線との交点728e,729eを端点とする線分に更新される。
図12は、領域グループ73を説明するための図である。図12では上閾値を用いて導かれた複数の2値画像72を抽象的に示している。図12中の複数の2値画像72では上方に位置するものほど対応する閾値が大きくなっており、筋領域線分731,732,733a,733bの長さは対応する閾値が背景値から離れるに従って短くなっている。なお、図12中の筋領域線分733a,733bのように同じ2値画像に含まれるとともに同一の領域グループに属するものは、必要に応じて連結されてもよい。
筋ムラ検出部62では、筋ムラ領域線分に対応する2値画像中の筋領域が、筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域として検出される(ステップS155)。通常、筋ムラ領域はほぼ線状の領域となるため、本実施の形態では、各筋ムラ領域に対応する対象画像中の領域(以下、同様に「筋ムラ領域」という。)は、筋ムラ領域線分にて特定される。したがって、実際には、上記の筋ムラ領域線分を特定する処理が筋ムラ領域を検出する処理となる。そして、筋ムラ領域線分の位置を示す画像(以下、「筋ムラ画像」という。)が生成される。なお、筋ムラ画像に代えて、筋ムラ領域線分の位置を示すリストが記憶されてもよい(後述する点欠陥画像および部分ムラ候補画像において同様)。また、筋ムラ領域を筋ムラ領域線分にて特定しない(すなわち、筋ムラ領域のままで取り扱う)場合でも、特に言及する場合を除き、以下の処理は同様となる。
筋ムラ領域が筋ムラ領域線分にて特定されると、判定部66の評価値取得部661では、各筋ムラ領域線分に関して、領域グループに含まれる筋領域線分が存在する2値画像に対応する2値化の際の閾値の範囲が筋ムラ最大強度として取得される(図4.A:ステップS16)。例えば、図12の場合では、筋領域線分が3個の2値画像72に存在するため、筋領域線分731,732,733a,733bを含む領域グループ73の筋ムラ最大強度は3とされる。筋ムラ最大強度は筋ムラ領域線分に対応付けられて評価値取得部661にて記憶される。
続いて、マスク画像生成部65では、各2値画像において領域グループに含まれる筋領域線分を所定の画素だけ太らせる処理(膨張処理)が行われ、処理後の複数の2値画像において互いに対応する画素の値を加算することにより、図13に示すように新たな画像(後述するように、他の欠陥を示す画像において筋ムラ欠陥に対応する領域を実質的にマスクするための画像であるため、以下、「マスク画像」という。)が生成される(ステップS17)。なお、図13では、マスク画像の一部のみを示すとともに、筋ムラ領域線分を符号741を付す一点鎖線にて示し、実際には、図13中の平行斜線を付す領域742は濃淡を有している。
ここで、既述のように、2値画像における筋領域は、ある下閾値または上閾値の2値画像で検出されても、背景値に近い下閾値または上閾値の2値画像では同じ位置に縦横比の小さい閉領域が現れることがあり、筋領域が検出されるとは限らない。したがって、上閾値または下閾値が、対象画像中の筋ムラ領域の濃度と、筋ムラ領域の周囲の領域の濃度との間となる場合に、この閾値に対応する2値画像にて筋ムラ領域に対応する筋領域が現れることとなる。マスク画像中の各画素は、当該位置が筋領域(正確には、膨張処理が施された筋領域線分)に含まれる2値画像の個数に応じた値が付与されるため、マスク画像は対象画像中の各筋ムラ領域において、周囲の領域を基準とした筋ムラ欠陥の強度分布を実質的に示す画像となっている。なお、各筋ムラ領域線分の筋ムラ最大強度はマスク画像中の対応する領域内の画素の値の最大値に相当する。また、マスク画像の生成の際に、筋領域線分を太らせた2値画像を用いることなく、複数の2値画像中に筋領域がそのまま残され、これらの2値画像において互いに対応する画素の値を加算することにより、マスク画像が生成されてもよい。
マスク画像が生成されると、点欠陥検出部63では対象画像から基板9上の点欠陥を示す点欠陥領域が検出される(ステップS18)。図14は、点欠陥検出部63が点欠陥領域を検出する処理の流れを示す図であり、図4.A中のステップS18にて行われる処理を示している。
点欠陥検出部63では、まず、背景値127よりも充分に大きい値167を閾値として、対象画像において値が167以上の画素に「1」を付与し、167よりも小さい画素に「0」を付与することにより、1つの2値画像が取得される。続いて、背景値127よりも充分に小さい値87を閾値として、対象画像において値が87以下の画素に「1」を付与し、87よりも大きい画素に「0」を付与することにより、もう1つの2値画像が取得される(ステップS181)。
2つの閾値にそれぞれ対応する2つの2値画像が取得されると、各2値画像に対して収縮処理を施した後、膨張処理を施すことにより、値が1の画素の集合のうち微小なものが削除される。その後、2つの2値画像において、互いに対応する画素の値の論理和を、同位置の画素の値とする画像が点欠陥画像として生成される(ステップS182)。点欠陥画像では、対象画像において値が背景値127から充分に離れた画素(正確には、40以上離れた画素)に対して値1が付与されている。点欠陥検出部63では、点欠陥画像において、ラベリングにより互いに連続する値1の画素の集合(すなわち、閉領域)が特定され、図15に示すように、面積が所定範囲内となる閉領域751,752,753が点欠陥を示す点欠陥領域(以下、閉領域751〜753と同符号を付す。)として検出され、他の閉領域は点欠陥画像から削除される(ステップS183)。なお、この段階では、点欠陥画像中の全ての点欠陥領域751〜753が必ずしも真の点欠陥(すなわち、基板9上における微小な不要物の存在や、レジスト液の塗布の際における液滴の意図しない滴下等に起因する点欠陥)を示す訳ではない。
点欠陥領域の検出の際には、筋ムラ領域の検出時における閾値よりも対象画像の平均濃度である背景値から離れた値を閾値として2値画像が取得されるため、点欠陥領域751〜753は、通常、筋ムラ領域の濃度よりも背景値との差が大きい濃度を有している。実際には、点欠陥領域751〜753の濃度は、対象画像の平均濃度を中心とした対象画像における平均的な濃度の変動範囲(例えば、対象画像の画素値の分布において、背景値を中心として統計的に50%の画素が含まれる範囲)を超えている。
点欠陥領域が検出されると、判定部66では、点欠陥画像中の1つの点欠陥領域が選択される。例えば、図15中の点欠陥領域751が選択されたとすると、判定部66の評価値取得部661では対象画像中のこの点欠陥領域751に対応する領域(以下、同様に「点欠陥領域」という。)において、画素の値と背景値127との差の絶対値の平均値が点欠陥領域751における点欠陥の強度に関する評価値Aとして求められる。既述のように、対象画像中の点欠陥領域751の画素の値は、図14のステップS181にて2値画像を取得する際に用いられた閾値87よりも小さい、または、閾値167よりも大きいため、評価値Aは40以上となる。
ところで、評価値Aは、対象画像中の点欠陥領域751に含まれる画素の値と対象画像の平均濃度との差の絶対値の平均値として求められるため、評価値Aの算出は、対象画像中の点欠陥領域の濃度と対象画像の平均濃度との差を示す画像において点欠陥領域751に対応する領域に含まれる画素の値の平均値を求めることと等価である(後述の評価値Eにおいて同様。)。もちろん、点欠陥の強度に関する評価値Aは、平均値以外の代表値(例えば、中央値)であってもよい(後述する評価値B、C、E〜Gにおいて同様。)。
続いて、図13に示すマスク画像においてこの点欠陥領域751に対応する領域(図13中の符号743を付す二点鎖線にて示す領域)の画素の値の平均値が評価値Bとして求められる。ここで、マスク画像中の領域743に含まれるほぼ全ての画素は筋ムラ領域線分741に対応する矩形の領域742に含まれるため、評価値Bは筋ムラ領域線分741が示す筋ムラ欠陥(すなわち、筋ムラ領域線分741に対応する筋ムラ領域における筋ムラ欠陥)の強度に関する評価値となる。また、既述のように、マスク画像は対象画像中の各筋ムラ領域において周囲の領域を基準とした筋ムラ欠陥の強度分布を示す画像であるため、評価値Bは対象画像中の筋ムラ領域の濃度と筋ムラ領域の周囲の領域の濃度との差に基づく値となっている。
判定部66では、評価値取得部661にて点欠陥領域751に対する対象画像からの評価値Aとマスク画像からの評価値Bとが求められると、評価値Aと評価値Bとの比(評価値A/評価値B)が所定の閾値以下となるか否かが確認される。ここでは、点欠陥領域751に対する評価値Aと評価値Bとの比が閾値以下となることが確認されることにより、点欠陥領域751の点欠陥画像からの削除が必要と判定される。
また、図15中の点欠陥領域752が選択された場合には、対象画像中の点欠陥領域752において画素の値と背景値127との差の絶対値の平均値が評価値Aとして求められ、図13に示すマスク画像において点欠陥領域752に対応する領域(図13において符号744を付す二点鎖線にて示す領域)の画素の値の平均値が評価値Bとして求められる。なお、マスク画像中の領域744に含まれるほぼ全ての画素の値は0であるため、点欠陥領域752に対する評価値Bは限りなく0に近い値となる。そして、判定部66では、点欠陥領域752に対する評価値Aと評価値Bとの比が所定の閾値よりも大きくなることが確認されることにより、点欠陥領域752の点欠陥画像からの削除が不要と判定される。
このように、判定部66では、点欠陥画像中の各点欠陥領域について、対象画像中の対応する領域の濃度と対象画像の平均濃度との差に基づく値である評価値Aと、マスク画像中の対応する領域の濃度に基づく値である評価値Bとを比較することにより、この点欠陥領域の削除の要否が判定される(ステップS19)。そして、削除が必要と判定された点欠陥領域は、点欠陥画像から削除される(ステップS20)。
実際には、図15中の点欠陥領域752のように、点欠陥領域が筋ムラ領域線分と重ならない場合には、常にこの点欠陥領域の点欠陥画像からの削除は不要と判定される。一方で、図15中の点欠陥領域751のように、点欠陥領域が筋ムラ領域線分の少なくとも一部と重なる場合には、この点欠陥領域が点欠陥画像からの削除が必要とされる場合があり得る(図15中の点欠陥領域751のように必ず削除される訳ではない。)。したがって、ステップS19における判定部66の処理は、実質的には点欠陥領域が筋ムラ領域線分の少なくとも一部と重複する場合に、点欠陥領域における点欠陥の強度に関する評価値Aと、筋ムラ領域線分が示す筋ムラ欠陥の強度に関する評価値Bとを比較することにより点欠陥領域の削除の要否を判定する工程となっている。なお、このように点欠陥領域が削除されることを考慮すれば、点欠陥領域は点欠陥の候補を示し、点欠陥検出部63は欠陥の候補を示す領域を検出する欠陥候補検出部であると捉えることができる。
削除が必要と判定される点欠陥領域が削除されると、判定部66では、例えば、筋ムラ画像中の各筋ムラ領域線分に対応する点欠陥画像中の画素の値を参照することにより、図16に示すように、筋ムラ領域線分741a(図16中に二点鎖線にて示す。)を包含する点欠陥領域754が特定される。続いて、特定された点欠陥領域754について対象画像中の対応する領域の画素の値の平均値が評価値Cとして求められる。そして、この点欠陥領域754に包含される筋ムラ領域線分741aの筋ムラ最大強度を評価値Dとして、評価値Cと評価値Dとの比(評価値C/評価値D)が所定の閾値以上である場合には、筋ムラ領域線分741aの筋ムラ画像からの削除が必要と判定され、当該比が閾値未満である場合には筋ムラ領域線分741aの削除は不要とされる(ステップS21)。
このとき、ステップS19の処理にて削除が必要と判定された点欠陥領域については、既に点欠陥画像中に存在しないため、仮に当該点欠陥領域に包含されていた筋ムラ領域線分が存在する場合であっても、この筋ムラ領域線分は特定されない。したがって、ステップS21における判定部66の処理は、ステップS19において点欠陥領域の削除が不要と判定された場合に、この点欠陥領域が筋ムラ領域線分を包含するか否かを確認し、包含する場合にこの筋ムラ領域線分の削除の要否を判定する処理となっている。そして、削除が必要とされた筋ムラ領域線分は筋ムラ画像から削除される(ステップS22)。
不要な筋ムラ領域線分が削除されると、評価値取得部661により点欠陥画像中の点欠陥領域に対して程度の小さい(後述のステップS30における部分ムラ候補領域の膨張の程度よりも小さい)膨張処理が施される。これにより、互いに近接する点欠陥領域は結合されて1つのクラスタ(以下、同様に「点欠陥領域」と呼ぶ。)となり、孤立している点欠陥領域は僅かに大きくなる。そして、膨張後の各点欠陥領域に対して、対象画像中の膨張処理前の点欠陥領域に含まれる画素の値の平均値(複数の点欠陥領域が結合された膨張後の点欠陥領域では、膨張前の複数の点欠陥領域に含まれる画素の値の平均値)がこの点欠陥領域の強度(以下、「点欠陥強度」という。)として取得される(ステップS23)。
また、マスク画像生成部65では、対象画像中の(膨張後の)点欠陥領域において、各画素の値と背景値127との差の絶対値を所定の係数を乗じつつマスク画像の対応する画素の値に加算することにより、図17に示すように、図13のマスク画像が更新される(ステップS24)。これにより、更新後のマスク画像は、対象画像中の筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度分布を示すとともに点欠陥領域の濃度と対象画像の平均濃度との差も示す画像となる。なお、図17のマスク画像では、上記処理にて削除が不要と判定された図15中の点欠陥領域752,753に対応する領域744,745に値が付与されており、実際には、領域744,745は濃淡を有している。
以上のように、ムラ検査装置1では、点欠陥領域が筋ムラ領域線分の少なくとも一部と重複する場合に、判定部66にて点欠陥領域における点欠陥の強度に関する評価値と、筋ムラ領域線分における筋ムラ欠陥の強度に関する評価値とを比較することにより、点欠陥領域の削除の要否を容易に判定することができる。また、筋ムラ欠陥の強度に関する評価値が、対象画像中の筋ムラ領域の濃度と筋ムラ領域の周囲の領域の濃度との差に基づく値とされることにより、縦横比が大きい一定濃度の領域上に存在する筋ムラ欠陥等であっても、筋ムラ欠陥の特徴に応じた評価値を用いて点欠陥領域の削除の要否を精度よく判定することができる。さらに、点欠陥領域の削除が不要と判定された場合に、点欠陥領域が筋ムラ領域線分を包含するか否かを確認し、包含する場合に筋ムラ領域線分の削除の要否が判定されることにより、不要な筋ムラ領域線分を適切に削除することができる。
次に、ムラ検査装置1では、部分ムラ検出部64において部分ムラ欠陥の候補を示す部分ムラ候補領域が検出される(ステップS25)。ここで、部分ムラ欠陥とは、一定値以上の明暗変動を有するムラ欠陥のうち筋ムラ欠陥を除くものである。部分ムラ候補領域の検出は、点欠陥検出部63における点欠陥領域の検出と同様のアルゴリズムにて行われるため、以下、部分ムラ検出部64における処理を図14に準じて説明する。
部分ムラ検出部64では、まず、背景値127よりも大きくかつ127に近い値132を閾値として、対象画像において値が132以上の画素に「1」を付与し、132よりも小さい画素に「0」を付与することにより、1つの2値画像が取得される。続いて、背景値127よりも小さくかつ127に近い値122を閾値として、対象画像において値が122以下の画素に「1」を付与し、122よりも大きい画素に「0」を付与することにより、もう1つの2値画像が取得される(ステップS181)。
2つの閾値にそれぞれ対応する2つの2値画像が取得されると、各2値画像に対して収縮処理を施した後、膨張処理を施すことにより、値が1の画素の集合のうち微小なものが削除される。その後、2つの2値画像において、互いに対応する画素の値の論理和を、同じ位置の画素の値とする画像が部分ムラ候補画像として生成される(ステップS182)。
図18は、部分ムラ候補画像の一部を示す図である。部分ムラ候補画像では、対象画像において値が背景値127から一定値(本実施の形態では5)以上離れた画素に対して値1が付与されている。部分ムラ検出部64では、部分ムラ候補画像において、ラベリングにより互いに連続する値1の画素の集合(すなわち、閉領域)が、部分ムラ欠陥の候補を示す部分ムラ候補領域として検出される(ステップS183)。図18では、3つの部分ムラ候補領域に符号761,762,763をそれぞれ付している。以上のように、部分ムラ検出部64は、対象画像において筋ムラ欠陥および点欠陥以外の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する欠陥候補検出部となっている。
部分ムラ候補領域が検出されると、判定部66では、部分ムラ候補画像中の1つの部分ムラ候補領域が選択される。例えば、図18中の部分ムラ候補領域761が選択されたとすると、評価値取得部661では対象画像中の部分ムラ候補領域761に対応する領域(以下、同様に「部分ムラ候補領域」という。)において画素の値と背景値127との差の絶対値の平均値が部分ムラ候補領域における部分ムラ欠陥の強度に関する評価値Eとして求められる。
続いて、図19に示すマスク画像においてこの部分ムラ候補領域761に対応する領域(図19中の濃淡を有する領域771にほぼ重なる領域)の画素の値の平均値が評価値Fとして求められる。ここで、部分ムラ候補領域761に対応するマスク画像中の領域は濃淡を有する領域771にほぼ重なっており、領域771は既述のマスク画像の更新時に点欠陥領域に由来して値が付与された領域であるため、評価値Fは点欠陥領域における点欠陥の強度に関する評価値となる。評価値取得部661にて部分ムラ候補領域761に対する対象画像からの評価値Eとマスク画像からの評価値Fとが求められると、判定部66では、評価値Eと評価値Fとの比(評価値E/評価値F)が所定の閾値以下であるか否かが判定される。ここでは、当該比が閾値以下となることが確認されることにより、部分ムラ候補領域761の部分ムラ候補画像からの削除が必要と判定される。
また、図18中の部分ムラ候補領域762が選択された場合には、対象画像から評価値Eが求められた後、図19に示すマスク画像においてこの部分ムラ候補領域762に対応する領域(図19中の濃淡を有する領域772にほぼ重なる領域)の画素の値の平均値が評価値Fとして求められる。このとき、領域772は図19中に一点鎖線にて示す筋ムラ領域線分772aに由来して値が付与された領域であるため、評価値Fは筋ムラ領域線分772aが示す筋ムラ欠陥の強度に関する評価値となる。そして、判定部66にて評価値Eと評価値Fとの比が所定の閾値以下となることが確認されることにより、部分ムラ候補領域762の部分ムラ候補画像からの削除が必要と判定される。
一方で、図18中の部分ムラ候補領域763が選択された場合には、対象画像中の部分ムラ候補領域763において画素の値と背景値127との差の絶対値の平均値が評価値Eとして求められ、図19に示すマスク画像において部分ムラ候補領域763に対応する領域(図19において符号773を付す二点鎖線にて示す領域)の画素の値の平均値が評価値Fとして求められる。マスク画像中の領域773に含まれるほぼ全ての画素の値は0であるため、部分ムラ候補領域763に対する評価値Fは限りなく0に近い値となる。そして、部分ムラ候補領域763に対する評価値Eと評価値Fとの比が所定の閾値よりも大きくなることが確認されることにより、部分ムラ候補領域763の点欠陥画像からの削除が不要と判定される。
このように、判定部66では、部分ムラ候補画像中の各部分ムラ候補領域について、対象画像中の対応する領域の濃度と対象画像の平均濃度との差に基づく値である評価値Eと、マスク画像中の対応する領域の濃度に基づく値である評価値Fとを比較することにより、この部分ムラ候補領域の削除の要否が判定される(ステップS26)。そして、削除が必要と判定された部分ムラ候補領域は部分ムラ候補画像から削除される(ステップS27)。図18に示す部分ムラ候補画像では、部分ムラ候補領域763のみが残り、この部分ムラ候補領域763は真の部分ムラ欠陥を示すものとされる(後述の図21参照)。
実際には、図18中の部分ムラ候補領域763のように、部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分および点欠陥領域のいずれとも重ならない場合には、常にこの部分ムラ候補領域763の部分ムラ候補画像からの削除は不要と判定される。一方で、図18中の部分ムラ候補領域761,762のように、部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分または点欠陥領域の少なくとも一部と重なる場合に、この部分ムラ候補領域が部分ムラ候補画像からの削除が必要とされる場合があり得る(図18中の部分ムラ候補領域761,762のように削除されるとは限らない。)。したがって、ステップS26における判定部66の処理は、実質的には部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分または点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、部分ムラ候補領域における部分ムラ欠陥の強度に関する評価値Eと、筋ムラ領域線分または点欠陥領域における筋ムラ欠陥または点欠陥の強度に関する評価値Fとを比較することにより部分ムラ候補領域の削除の要否を判定する工程となっている。ステップS27の処理後の部分ムラ候補画像中の部分ムラ候補領域は真の部分ムラ欠陥を示すため、以下の説明では、適宜、部分ムラ候補領域を同符号を付しつつ部分ムラ領域と呼び、部分ムラ候補画像を部分ムラ画像と呼ぶ。
不要な部分ムラ候補領域が削除されると、判定部66では、例えば、筋ムラ画像中の各筋ムラ領域線分に対応する部分ムラ候補画像中の画素の値を参照することにより、図20に示すように、筋ムラ領域線分741b(図20中に二点鎖線にて示す。)を包含する部分ムラ領域764が特定される。続いて、特定された部分ムラ領域764について対象画像中の対応する領域の画素の値の平均値が評価値Gとして求められる。そして、この部分ムラ領域764に包含される筋ムラ領域線分741bの筋ムラ最大強度を評価値Hとして、評価値Gと評価値Hとの比(評価値G/評価値H)が所定の閾値以上である場合には、筋ムラ領域線分741bの筋ムラ画像からの削除が必要と判定され、当該比が閾値未満である場合には筋ムラ領域線分741bの削除は不要とされる(ステップS28)。
このとき、ステップS26の処理にて削除が必要と判定された部分ムラ候補領域については、既に部分ムラ(候補)画像中に存在しないため、仮に当該部分ムラ候補領域に包含されていた筋ムラ領域線分が存在する場合であっても、この筋ムラ領域線分は特定されない。したがって、ステップS28における判定部66の処理は、ステップS26において部分ムラ候補領域の削除が不要と判定された場合に、この部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分を包含するか否かを確認し、包含する場合にこの筋ムラ領域線分の削除の要否を判定する処理となっている。
また、点欠陥領域を包含する部分ムラ領域も同様にして特定され、部分ムラ領域について対象画像中の対応する領域の画素の値の平均値が評価値Gとして求められる。そして、この部分ムラ領域に包含される点欠陥領域の点欠陥強度を評価値Hとして、評価値Gと評価値Hとの比が所定の閾値以上である場合には、点欠陥領域の点欠陥画像からの削除が必要と判定され、当該比が閾値未満である場合には点欠陥領域の削除は不要とされる(ステップS28)。そして、削除が必要とされた筋ムラ領域線分または点欠陥領域は筋ムラ画像または点欠陥画像から削除される(ステップS29)。
不要な点欠陥領域および筋ムラ領域線分の削除が終了すると、部分ムラ画像において部分ムラ領域に対して程度の大きい(上述のステップS23における点欠陥領域の膨張の程度よりも大きい)膨張処理が施される。これにより、互いに隣接する部分ムラ領域は結合されて1つのクラスタ(以下、同様に「部分ムラ領域」と呼ぶ。)とされ、図21に示すように孤立する部分ムラ領域763は、その面積が大きくなる(ただし、図21では膨張処理後の部分ムラ領域763aを破線にて示し、ステップS27にて削除された部分ムラ候補領域を二点鎖線にて示している。)。そして、各部分ムラ領域763aに対して、対象画像中の膨張処理前の部分ムラ領域に含まれる画素の値の平均値(複数の部分ムラ領域が結合された膨張後の部分ムラ領域では、膨張前の複数の部分ムラ領域に含まれる画素の値の平均値)がこの部分ムラ領域の強度(以下、「部分ムラ欠陥強度」という。)として取得される(ステップS30)。
ムラ検査装置1では、必要に応じて筋ムラ領域線分、点欠陥領域および部分ムラ領域のそれぞれに対して、取得される強度(すなわち、筋ムラ最大強度、点欠陥強度または部分ムラ欠陥強度)および領域の面積(筋ムラ欠陥の場合には、筋ムラ領域線分に対応する筋ムラ領域の面積または筋ムラ領域線分の長さ)を、欠陥の種別毎に異なる所定の強度閾値および面積閾値(長さ閾値)とそれぞれ比較することにより、当該領域が示す欠陥が許容されるか否かの判定が行われる。また、筋ムラ領域線分、点欠陥領域および部分ムラ領域のそれぞれについて、所定の強度範囲に属するもの、または、所定の面積範囲(長さ範囲)に属するもののみの存在位置が、例えば、その強度または面積に応じた色の線を用いる等して、強度または面積が特定可能にディスプレイ55に表示されてもよい。この場合に、操作者がディスプレイ55に表示される欠陥領域を確認して、許否の判定の際の強度閾値または面積閾値を入力部56を介して入力することも可能である。
以上に説明したように、ムラ検査装置1では、部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分または点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、判定部66にて部分ムラ候補領域における部分ムラ欠陥の強度に関する評価値と、筋ムラ領域線分における筋ムラ欠陥の強度に関する評価値、または、点欠陥領域における点欠陥の強度に関する評価値とが比較される。これにより、部分ムラ候補領域の削除の要否を容易に判定することができ、その結果、筋ムラ領域線分、点欠陥領域および部分ムラ(候補)領域を的確に検出することができる。
ここで、仮に図18中の複数の部分ムラ候補領域761〜763の全てが削除されることなくステップS30における膨張処理が施された場合には、図22中にて符号763bを付す破線にて示すように、筋ムラ欠陥または点欠陥を示す部分ムラ候補領域761,762も最終的な部分ムラ欠陥を示す領域に含まれてしまう。これに対し、図1のムラ検査装置1では、複数の部分ムラ候補領域のうち、筋ムラ欠陥または点欠陥としての強度が部分ムラ欠陥としての強度よりも強いものが削除されることにより、部分ムラ欠陥を示す領域を精度よく取得することが実現される。
また、判定部66では、部分ムラ候補領域の削除の要否を判定する際に、部分ムラ候補領域に関する評価値が、実質的に対象画像中の部分ムラ候補領域の濃度と対象画像の平均濃度との差を示す画像において部分ムラ候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値として求められ、筋ムラ領域線分または点欠陥領域に関する評価値が、対象画像中の筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度分布を示すとともに点欠陥領域の濃度と対象画像の平均濃度との差も示す画像において部分ムラ候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値として求められる。このように、部分ムラ候補領域の削除の要否の判定の際に、部分ムラ欠陥の濃度および筋ムラ欠陥または点欠陥の濃度を示す2つの画像において、部分ムラ候補領域に対応する領域からそれぞれ導かれる2つの評価値が用いられることにより、部分ムラ候補領域の削除の要否を適切に判定することができる。
さらに、ムラ検査装置1では、部分ムラ候補領域の削除が不要と判定された場合に、部分ムラ候補領域が筋ムラ領域線分または点欠陥領域を包含するか否かを確認し、包含する場合に筋ムラ領域線分または点欠陥領域の削除の要否が判定されることにより、不要な筋ムラ領域線分または点欠陥領域を適切に削除することができる。これにより、筋ムラ領域線分、点欠陥領域および部分ムラ領域を精度よく特定しつつ各欠陥の強度を取得することができ、その結果、欠陥の許否の判定を高精度に行うことが実現される。また、互いに異なる要因により発生すると考えられる筋ムラ欠陥、点欠陥および部分ムラ欠陥の発生原因を効率よく特定することが実現され、製造プロセスや形成するパターンを改善することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
ムラ検査装置1では、点欠陥領域または部分ムラ候補領域が筋ムラ領域(または筋ムラ領域線分)の少なくとも一部と重複する場合に、点欠陥領域または部分ムラ候補領域の削除の要否が判定されるが、筋ムラ領域と比較して削除の要否が判定される欠陥は、点欠陥および部分ムラ欠陥の双方の候補を示す領域や、これらのもの以外の欠陥の候補を示す領域であってもよい。すなわち、ムラ検査装置1では、筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域が検出される場合において、対象画像を2値化することにより検出されるとともに、対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域が、筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、欠陥候補領域における欠陥の強度に関する評価値と、筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する評価値とを比較することにより、欠陥候補領域の削除の要否が容易に判定され、その結果、筋ムラ領域および欠陥候補領域を的確に検出することができる。
また、同様に、点欠陥領域と比較して削除の要否が判定される欠陥は、筋ムラ欠陥および部分ムラ欠陥の双方の候補を示す領域や、これらのもの以外の欠陥の候補を示す領域であってもよい。すなわち、ムラ検査装置1では、点欠陥を示す点欠陥領域が検出される場合において、対象画像を2値化することにより検出されるとともに、対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域が、点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、欠陥候補領域における欠陥の強度に関する評価値と、点欠陥領域における点欠陥の強度に関する評価値とを比較することにより、欠陥候補領域の削除の要否が容易に判定され、その結果、点欠陥領域および欠陥候補領域を的確に検出することができる。
上記実施の形態において図4.AのステップS21では、全体が点欠陥領域に包含される筋ムラ領域線分の削除の要否が判定されるが、削除の要否が判定される筋ムラ領域線分は大半(筋ムラ領域線分の長さ(または、筋ムラ領域の面積)に対して1に近い一定の割合以上の長さ(面積))が点欠陥領域に包含されるものであってもよい。図4.BのステップS28においても同様に、削除の要否が判定される筋ムラ領域線分または点欠陥領域は大半が部分ムラ候補領域に包含されるものであってもよい。
また、上記実施の形態では、筋ムラ検出部62にて複数の2値画像を生成し、各2値画像における筋領域線分をグループ化することにより対象画像中の筋ムラ領域が検出されるが、長手方向の長さと長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域が検出されるのであるならば、筋ムラ領域の検出は他の手法により行われてもよい。また、筋ムラ領域、点欠陥領域および部分ムラ候補領域を検出する際における、対象画像の2値化の閾値は適宜変更されてよく、さらに、必ずしも複数の閾値が用いられる必要はない。ただし、点欠陥領域および部分ムラ候補領域を精度よく検出するという観点では、複数の閾値にて対象画像を2値化することにより複数の2値画像が取得され、複数の2値画像において互いに対応する画素の値の論理和を求めることにより、点欠陥領域および部分ムラ候補領域が検出されることが好ましい。また、同様の手法により、筋ムラ領域を検出することも可能であり、この場合、上閾値を用いて特定される筋領域および下閾値を用いて特定される筋領域は同じ種別のものとして取り扱われる。
ところで、撮像部41では基板9からの干渉光を受光することにより元画像が取得されるが、干渉光の強度は膜厚に対して周期的に変化するため、検査対象の基板上の膜の厚さが変更されると、元画像の平均濃度(画素値の平均値)も変化してしまう。したがって、上記実施の形態では、対象画像生成部61において数1〜数4を参照して説明した上記処理により画像の平均濃度がほぼ一定となる対象画像が準備され、筋ムラ検出部62、点欠陥検出部63および部分ムラ検出部64における対象画像の2値化の際に一定の閾値を用いることが可能とされる。しかしながら、撮像部41が基板9を撮像する際に干渉光を用いない場合や、筋ムラ検出部62、点欠陥検出部63および部分ムラ検出部64における2値化の閾値を元画像の平均濃度に合わせて変更する場合等には、撮像部41にて取得される元画像がそのまま対象画像とされ、元画像から筋ムラ領域、点欠陥領域および部分ムラ候補領域が直接検出されてもよい。すなわち、筋ムラ領域、点欠陥領域および部分ムラ候補領域が検出される対象画像は、元画像または元画像から導かれる画像であればよい。
ムラ検査装置1において検査対象とされる基板は必ずしもレジスト膜等の薄膜が形成されたものでなくてもよい。また、ムラ検査装置1は、表示装置に用いられるガラス基板や半導体基板等の基板上の筋ムラの検査に特に適しているが、基板以外の対象物上の筋ムラの検査に利用することも可能である。
ムラ検査装置の構成を示す図である。 コンピュータの構成を示す図である。 コンピュータが実現する機能構成を示すブロック図である。 ムラ検査装置が基板上のムラ欠陥を検査する処理の流れを示す図である。 ムラ検査装置が基板上のムラ欠陥を検査する処理の流れを示す図である。 対象画像を示す図である。 筋ムラ領域を検出する処理の流れを示す図である。 2値画像を示す図である。 2値画像を示す図である。 2値画像を示す図である。 閉領域を示す図である。 筋領域線分の連結の可否の判定を説明するための図である。 筋領域線分の連結を説明するための図である。 2つの2値画像中の筋領域線分を重ねて示す図である。 領域グループを説明するための図である。 マスク画像を示す図である。 点欠陥領域を検出する処理の流れを示す図である。 点欠陥領域を示す図である。 点欠陥領域を示す図である。 更新されたマスク画像を示す図である。 部分ムラ候補画像を示す図である。 マスク画像を示す図である。 部分ムラ領域を示す図である。 部分ムラ領域を示す図である。 比較例の部分ムラ領域を示す図である。
符号の説明
1 ムラ検査装置
5 コンピュータ
9 基板
41 撮像部
62 筋ムラ検出部
63 点欠陥検出部
64 部分ムラ検出部
66 判定部
71 対象画像
541 プログラム
741,741a,741b,772a 筋ムラ領域線分
751〜754 点欠陥領域
761〜763 部分ムラ候補領域
S15,S18,S19,S21,S25,S26,S28 ステップ

Claims (12)

  1. 対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査方法であって、
    a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、長手方向の長さと前記長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域を検出する工程と、
    b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、
    c)欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程と、
    を備えることを特徴とするムラ検査方法。
  2. 請求項1に記載のムラ検査方法であって、
    d)前記対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記筋ムラ領域の濃度よりも前記対象画像の平均濃度との差が大きい濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する工程と、
    e)欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第3評価値と前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第4評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程と、
    をさらに備えることを特徴とするムラ検査方法。
  3. 請求項1または2に記載のムラ検査方法であって、
    前記第1評価値が、前記対象画像中の前記欠陥候補領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差に基づく値であり、前記第2評価値が、前記対象画像中の前記筋ムラ領域の濃度と前記筋ムラ領域の周囲の領域の濃度との差に基づく値であることを特徴とするムラ検査方法。
  4. 請求項3に記載のムラ検査方法であって、
    前記第1評価値が、前記欠陥候補領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値であり、前記第2評価値が、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度分布を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値であることを特徴とするムラ検査方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のムラ検査方法であって、
    前記c)工程において前記欠陥候補領域の削除が不要と判定された場合に、前記欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の大半を包含するか否かを確認し、包含する場合に前記筋ムラ領域の削除の要否が判定されることを特徴とするムラ検査方法。
  6. 対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査方法であって、
    a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記対象画像における平均的な濃度の変動範囲を超える濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する工程と、
    b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、
    c)欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程と、
    を備えることを特徴とするムラ検査方法。
  7. 請求項6に記載のムラ検査方法であって、
    前記第1評価値が、前記欠陥候補領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値であり、前記第2評価値が、前記点欠陥領域の濃度と前記対象画像の平均濃度との差を示す画像において前記欠陥候補領域に対応する領域に含まれる画素の値の代表値であることを特徴とするムラ検査方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のムラ検査方法であって、
    前記b)工程において、複数の閾値にて前記対象画像を2値化することにより複数の2値画像が取得され、前記複数の2値画像において互いに対応する画素の値の論理和を求めることにより、前記欠陥候補領域が検出されることを特徴とするムラ検査方法。
  9. 対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査装置であって、
    対象物を撮像して多階調の元画像を取得する撮像部と、
    前記元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、長手方向の長さと前記長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域を検出する筋ムラ検出部と、
    前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する欠陥候補検出部と、
    欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とするムラ検査装置。
  10. 対象物上のムラ欠陥を検査するムラ検査装置であって、
    対象物を撮像して多階調の元画像を取得する撮像部と、
    前記元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記対象画像における平均的な濃度の変動範囲を超える濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する点欠陥検出部と、
    前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する欠陥候補検出部と、
    欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とするムラ検査装置。
  11. 対象物上のムラ欠陥をコンピュータに検査させるプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
    a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、長手方向の長さと前記長手方向に垂直な方向の幅との比が所定値以上となる筋ムラ欠陥を示す筋ムラ領域を検出する工程と、
    b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、
    c)欠陥候補領域が前記筋ムラ領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記筋ムラ領域における筋ムラ欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 対象物上のムラ欠陥をコンピュータに検査させるプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
    a)対象物から得られる多階調の元画像または前記元画像から導かれる画像である対象画像から、面積が所定の範囲内であり、かつ、前記対象画像における平均的な濃度の変動範囲を超える濃度を有する領域を、点欠陥を示す点欠陥領域として検出する工程と、
    b)前記対象画像を2値化することにより前記対象画像中の他の欠陥の候補を示す欠陥候補領域を検出する工程と、
    c)欠陥候補領域が前記点欠陥領域の少なくとも一部と重複する場合に、前記欠陥候補領域における欠陥の強度に関する第1評価値と、前記点欠陥領域における点欠陥の強度に関する第2評価値とを比較することにより、前記欠陥候補領域の削除の要否を判定する工程と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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