(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図24を参照しながら説明する。
図2には、本実施例にて遊技情報の表示対象となるパチンコ遊技機の正面外観が概略的に示されている。この図2において、パチンコ遊技機1は、その上皿2内のパチンコ玉を電動式の発射装置(操作ダイヤルのみ符号3を付して示す)により盤面4へ発射する構成となっている。盤面4には、アウト口5、電動チューリップ6aを備えたスタート入賞口6、賞球の払出しがないスルー入賞口7、アタッカーと呼ばれる電動役物8aを備えた大入賞口8、図柄表示装置9が設けられていると共に、通常入賞口(図示せず)も設けられている。
上記図柄表示装置9は、例えばバックライト付きのカラー液晶表示パネルにより構成されたもので、図3に概略的に示すように、特別図柄表示部9a、保留玉数表示部9b、普通図柄表示部9cを備えている。
上記のように構成されたパチンコ遊技機1の基本動作は以下の通りである。
(1)スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞に応じて所定の当たり確率(例えば、通常状態時において1/300、後述する確変状態時において1/50)の大当たり抽選動作を実行すると共に、当該パチンコ玉の入賞数を、大当たり抽選動作の抽選結果(「大当たり」または「ハズレ」)が付随した状態の保留玉データとして一時的に記憶する。
(2)上記記憶動作は、例えばFIFO形式(先入れ先出し形式)で行われるものであり、記憶された保留玉データは、付随した抽選結果の表示動作が特別図柄表示部9aにおいて実行される毎に消化される。この抽選結果の表示動作は、パチンコ遊技機1において大当たりが発生していない期間、並びに特別図柄表示部9aが動作停止している期間には直ちに実行され、また、当該大当たりが発生している期間や特別図柄表示部9aが動作中の期間には、その大当たりの終了或いは特別図柄表示部9aの動作停止を待って実行される。この場合、特別図柄表示部9aは、図柄表示装置9の中央に表示される例えば3桁の数字列より成るルーレットにより構成されたもので(図3参照)、抽選結果の表示動作時には、当該ルーレットの図柄変動演出動作(本実施例の場合、数字列の各桁の「0」〜「9」の範囲での変動表示)を所定期間だけ行うと共に、抽選結果が「大当たり」であったときにはその図柄変動演出動作の終了時点で数字列が「111」、「222」、…のようなぞろ目図柄(大当たり図柄)となるように制御され、抽選結果が「ハズレ」であったときには、ぞろ目図柄以外のハズレ図柄をランダムに表示するように制御される。
(3)特別図柄表示部9aにぞろ目図柄が表示されたときには、大入賞口8の電動役物8a(アタッカー)を予め決められたモードにて所定期間だけ開放する制御を行い、以て当該大入賞口8への入賞率を極端に高めた大当たりを発生させる。
(4)保留玉データの最大記憶数、つまり未消化の保留玉数の上限値は、例えば4個分に限定される構成となっており、その保留玉数は、保留玉数表示部9bにおいて周知の形態で表示される。
(5)スルー入賞口7へのパチンコ玉の入賞に応じて所定の当たり確率(例えば1/10)の補助抽選動作を実行し、その補助抽選動作の結果を普通図柄表示部9cで表示する。尚、普通図柄表示部9cは、図柄表示装置9の右下部に表示される例えば2桁の数字列より成るルーレットにより構成されたもので、抽選結果の表示動作時には、当該ルーレットの図柄変動演出動作(本実施例の場合、数字列の各桁の「0」〜「9」の範囲での変動表示)を所定期間だけ行うと共に、補助抽選動作の結果が当たりであったときにはその図柄変動演出動作の終了時点で数字列が「11」、「22」、…のようなぞろ目図柄(当たり図柄)となるように制御される。
(6)普通図柄表示部9cにぞろ目図柄が表示された状態では、電動チューリップ6aを所定時間(例えば、通常状態時において0.5秒、後述する時短状態時において5秒)だけ開放させる制御を行う。
(7)前記大当たりが終了した後は、大当たり抽選動作の当たり確率を、通常状態時の1/300から1/50に高めた確率変動状態(以下、確変と呼ぶ:特別状態に相当)と、普通図柄表示部9cによる表示動作の所要時間を、通常時の30秒から5秒に短縮した変動時間短縮状態(以下、時短と呼ぶ:第2特別状態に相当)とを同時に発生させる。尚、この時短状態では、前述したように、電動チューリップ6aの開放時間を通常時の0.5秒から5秒に延長する制御も行われる。
(8)確変が発生した期間には、スタート入賞口6へパチンコ玉が入賞する毎に所定の当たり確率(例えば、1/100)の確変転落抽選動作を実行し、この抽選に当選したときに確変を終了し、また、大当たりが再発生した時点でも確変を終了する。尚、上記確変転落抽選動作に当選したこと、つまり確変が終了したことは、図柄表示装置9などに表示されない構成となっており、従って遊技者では確変が終了したことを直接的に判別できない。
(9)時短が発生した期間には、特別図柄表示部9aでの図柄変動演出動作の実行回数、つまり、大当たり抽選動作の実行回数(以下、これをスタート数と呼ぶ)が大当たり終了後に予め設定された規定回数(例えば50回)に達したときに時短を終了し、また、大当たりが再発生した時点でも時短を終了する。尚、後述するように、本実施例においては、時短の発生状態を報知する機能が設定されているが、このような報知が行われない場合であっても、時短の終了に伴い普通図柄表示部9cによる表示動作の所要時間及び電動チューリップ6aの開放時間が通常状態に戻されることになるから、遊技者では、上記のような各時間の変化に基づいて時短が終了したことを間接的に判別できる。
以上のような基本動作が設定されたパチンコ遊技機1においては、大当たりが一旦発生したときには、その大当たりの終了後において確変と時短が同時に発生することになる。この場合、時短は一定期間が経過したとき(大当たり後のスタート数が50回に達したとき)に必ず終了するが、確変の終了時期は確変転落抽選動作の結果に依存して決まるため、それら確変及び時短の各継続期間が一致しなくなる。
つまり、パチンコ遊技機1においては、大当たりが終了した後には、
(A)確変及び時短が同時に発生した確変/時短遊技状態を呈した期間(以下、必要に応じて重複期間と呼ぶ)、
が出現し、この遊技状態にある期間中に大当たりが再発生しなかった場合には、
(B)確変のみが発生した確変単独遊技状態を呈した期間(以下、必要に応じて第1期間と呼ぶ)、
(C)時短のみが発生した時短単独遊技状態を呈した期間(以下、必要に応じて第2期間と呼ぶ)、
の何れかが出現し、これら各期間中に大当たりが再発生しなかった場合には、
(D)確変及び時短が双方ともに発生していない通常遊技状態(所謂ベース状態)を呈した期間(以下、必要に応じて通常期間と呼ぶ)、
が出現することになる。但し、確率的には非常に低いが、確変及び時短がほとんど同じ時期に終了する可能性があり、このような場合には確変/時短遊技状態(A)の後に、確変単独遊技状態(B)或いは時短単独遊技状態(C)が実質的に出現せず、通常遊技状態(D)がいきなり出現することになる。
また、図示しないが、パチンコ遊技機1には、発生したアウト玉数を示すアウト信号、発生したセーフ玉数を示すセーフ信号、特別図柄表示部9aが動作開始されたことを示すスタート信号、大当たりが発生したことを示す大当たり信号、確変が発生したことを示す確変信号などを出力するための信号発生基板が設けられており、この信号発生基板は、大当たり期間に大当たり信号を継続的に出力し、確変期間(確変/時短遊技状態(A)、確変単独遊技状態(B)にある各期間)に確変信号を継続的に出力する構成となっている。尚、この信号発生基板は、時短期間において前記確変信号に相当した信号を出力しない構成になっている。
図6のタイミングチャートには、上記(A)〜(D)の各期間の出現例が示されている。即ち、この図6には、大当たり、確変、時短の発生タイミングがそれぞれ示されており、通常遊技状態(D)中のタイミングt1において発生した1回目の大当たりが終了したとき(タイミングt2)には、確変/時短遊技状態(A)が出現する。この後に大当たりが再発生する前のタイミングt3において、スタート数が規定回数(50回)に到達したときには、時短が終了されて確変単独遊技状態(B)が出現する。
この確変単独遊技状態(B)中のタイミングt4において2回目の大当たりが発生したときには、当該確変単独遊技状態(B)が終了され、その大当たりが終了したとき(タイミングt5)に確変/時短遊技状態(A)が出現する。この後に大当たりが再発生する前のタイミングt6において、確変転落抽選動作に当選したときには、確変が終了されて時短単独遊技状態(C)が出現する。
この時短単独遊技状態(C)中のタイミングt7において3回目の大当たりが発生したときには、当該時短単独遊技状態(C)が終了され、その大当たりが終了したとき(タイミングt8)に確変/時短遊技状態(A)が出現する。この後に大当たりが再発生する前のタイミングt9において、確変転落抽選動作に当選したときには、確変が終了されて時短単独遊技状態(C)が出現する。さらに、大当たりが再発生する前のタイミングt10において、スタート数が規定回数(50回)に到達したときには、時短が終了されて通常遊技状態(D)が出現する。
図1には、遊技場用システムの概略的構成が示されている。この図1において、遊技場内に多数台ずつ設置されたパチンコ遊技機1及び台間玉貸機10は、互いの間で信号の授受を行い得るように構成されている。パチンコ遊技機1の上方には、データ送受信の中継機能を備えた呼出ランプユニット11(遊技情報表示装置に相当)が設けられており、当該パチンコ遊技機1は、呼出ランプユニット11及びLAN12を介して管理装置13に接続され、台間玉貸機10は呼出ランプユニット11を介して管理装置13に接続されている。尚、パチンコ遊技機1から出力される前記アウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当たり信号、確変信号などは、呼出ランプユニット11及びLAN12を介して管理装置13に与えられる構成となっている。また、LAN12には、遊技者向けの種々のデータを表示するための周知構成の情報公開端末14が接続されている。
台間玉貸機10は、プリペイドカード挿入口10aに図示しないプリペイドカードが挿入された状態で当該プリペイドカードに記憶された残高金額データの範囲内でパチンコ玉を放出(貸出)するCR機(カードリーダ機)としての機能を備えたものである。この場合、各台間玉貸機10から管理装置13には、プリペイドカードによる売上を示す売上信号などが出力される。
呼出ランプユニット11は、図4に示すように、3段に配置された表示ランプ11a、11b、11c、例えばバックライト付きの液晶パネルより成るビットマップディスプレイ型の表示部11d、この表示部11dによる表示内容を切換えるときに操作するデータ切換ボタン11e、従業員を呼ぶときに操作する呼出ボタン11f、表示部11dによる表示内容を初期状態に戻すときに操作される「戻る」ボタン11g、前日、前々日に係るデータを表示するときに操作される履歴ボタン11h、リモコン受信部11iなどを備えた構成となっている。尚、表示部11dは、蛍光表示管などにより構成されたキャラクタディスプレイ型のものであっても良い。このような構成とされた呼出ランプユニット11は、呼出ボタン11fの操作に伴う呼び出し状態の表示機能、対応するパチンコ遊技機1での稼動データに基づいて作成した後述の遊技客向けデータを表示する機能、パチンコ遊技機1及び台間玉貸機10のためのデータ入出力インタフェースの機能などを備えている。
特に、呼出ランプユニット11にあっては、対応するパチンコ遊技機1が大当たりにある期間には、表示ランプ11a〜11cをサイクリックに点滅させるという表示動作を行い、パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態にあるとき並びに時短単独遊技状態にあるときに表示ランプ11b、11cを交互に点滅させるという表示動作を行う構成となっている。尚、呼出ランプユニット11は、対応するパチンコ遊技機1が確変単独遊技状態にある旨の表示動作を行わない構成となっている。
図5には、呼出ランプユニット11の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図5において、制御部15(表示制御手段に相当)は、CPU16、制御プログラムを記憶したROM17及びワーキングエリア用のRAM18などと共にマイクロコンピュータを構成するもので、この制御部15は、パチンコ遊技機1からの出力信号(アウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当たり信号、確変信号など)を送受信部19を通じて受信すると共に、管理装置13との間での信号及びデータの授受を当該送受信部19を通じて行うようになっている。制御部15には、上記のようなパチンコ遊技機1及び管理装置13からの出力信号、前記リモコン受信部11iでの受信信号、前記データ切換ボタン11e、呼出ボタン11f、「戻る」ボタン11g、履歴ボタン11hの押圧操作に応じてオンされる操作スイッチ群20からの操作信号が入力される構成となっている。制御部15は、予め記憶した制御プログラムに基づいて、ランプ群11a〜11cの点灯制御及び表示部11dでのデータ表示制御を後述のように行うと共に、前記送受信部19を通じた管理装置13への信号送信制御を行う構成となっている。
一方、管理装置13は、パチンコ遊技機1及び台間玉貸機10から出力される種々の信号(アウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当たり信号、確変信号、売上信号など)に基づいて、パチンコ遊技機1についての稼動データ(アウト玉数、セーフ玉数、差玉数、稼動率、出玉率、ベース、スタート数など)、並びに台間玉貸機10についての貸出高データ(売上金額、割数など)を集計して格納するという周知のデータ集計機能を備えた構成となっている。
特に、管理装置13は、パチンコ遊技機1からの大当たり信号、確変信号、スタート信号の入力状態に基づいて、当該パチンコ遊技機1が前述した確変/時短遊技状態、確変単独遊技状態、確変単独遊技状態、通常遊技状態の何れの状態にあるかを識別し、その識別結果及びパチンコ遊技機1からのアウト信号、セーフ信号、スタート信号などに基づいて、各パチンコ遊技機1に係る稼動データを個別に集計する構成となっている。
図7〜図12には、管理装置13による制御内容のうち、1台のパチンコ遊技機1に係る稼動データを集計するための制御内容が示されており、以下、これについて関連した作用と共に説明する。
図7に示すように、管理装置13は、アウト信号入力処理ルーチンR1、セーフ信号入力処理ルーチンR2、スタート信号入力処理ルーチンR3、大当たり信号入力処理ルーチンR4、確変信号入力処理ルーチンR5から成るメインプログラムを反復実行する構成となっている。
図8には、アウト信号入力処理ルーチンR1の内容が示されている。このルーチンR1では、アウト信号の入力の有無を判断し(ステップA1)、非入力状態ではそのままリターンする。これに対して、アウト信号が入力されたときには、累計アウト数をインクリメントし(ステップA2)、大当たり中フラグ及び時短中フラグのオン状態を順次判断する(ステップA3、A4)。尚、上記大当たり中フラグ及び時短中フラグは、後述の説明から明らかになるように、パチンコ遊技機1が大当たりにある期間及び時短状態にある期間にそれぞれオンされるものである。
大当たり中フラグ及び時短中フラグが双方ともオフの場合にはそのままリターンするが、大当たり中フラグがオンの場合には、大当たり中アウト数をインクリメントするステップA5を実行した後にリターンし、また、時短中フラグがオンの場合には、時短中アウト数をインクリメントするステップA6を実行した後にリターンする。
上記したアウト信号入力処理ルーチンR1が実行される結果、アウト信号が入力される毎(パチンコ遊技機1において打込玉(アウト)が発生する毎)に累計アウト数がインクリメントされると共に、そのアウト信号の入力時点において大当たり中フラグがオンされていた場合に大当たり中アウト数がインクリメントされ、アウト信号の入力時点において時短中フラグがオンされていた場合に時短中アウト数がインクリメントされることになる。
図9には、セーフ信号入力処理ルーチンR2の内容が示されている。このルーチンR2では、セーフ信号の入力の有無を判断し(ステップB1)、非入力状態ではそのままリターンする。これに対して、セーフ信号が入力されたときには、累計セーフ数をインクリメントし(ステップB2)、大当たり中フラグ及び時短中フラグのオン状態を順次判断する(ステップB3、B4)。
大当たり中フラグ及び時短中フラグが双方ともオフの場合にはそのままリターンするが、大当たり中フラグがオンの場合には、大当たり中セーフ数をインクリメントするステップB5を実行した後にリターンし、また、時短中フラグがオンの場合には、時短中セーフ数をインクリメントするステップB6を実行した後にリターンする。
上記したセーフ信号入力処理ルーチンR2が実行される結果、セーフ信号が入力される毎(パチンコ遊技機1において入賞玉(セーフ)が発生する毎)に累計セーフ数がインクリメントされると共に、そのセーフ信号の入力時点において大当たり中フラグがオンされていた場合に大当たり中セーフ数がインクリメントされ、セーフ信号の入力時点において時短中フラグがオンされていた場合に時短中セーフ数がインクリメントされることになる。
図10には、スタート信号入力処理ルーチンR3の内容が示されている。このルーチンR3では、スタート信号の入力の有無を判断し(ステップC1)、非入力状態ではそのままリターンする。これに対して、スタート信号が入力されたときには、累計スタート数をインクリメントし(ステップC2)、確変中フラグ及び時短中フラグのオン状態を順次判断する(ステップC3、C4)。尚、上記確変中フラグは、後述の説明から明らかになるように、パチンコ遊技機1が確変状態にある期間にオンされるものである。
確変中フラグ及び時短中フラグが双方ともオフの場合にはそのままリターンするが、確変中フラグがオンの場合には、確変中スタート数をインクリメントするステップC5、仮確変スタート数をインクリメントするステップC6を順次実行した後に、時短中フラグのオン状態を判断する(ステップC7)。ここで「NO」と判断した場合にはそのままリターンするが、「YES」と判断した場合、つまり、確変中フラグのオン状態で時短中フラグもオン状態にある場合には、確変/時短中スタート数をインクリメントし(ステップC8)、この後に前記ステップC4へ移行する。
ステップC4で「YES」と判断した場合、つまり、時短中フラグがオン状態にある場合には、時短中スタート数をインクリメントするステップC9、状態判定用スタート数をインクリメントするステップC10を順次実行した後に、当該状態判定用スタート数が「50」(前述した規定回数に相当した値)に達したか否かを判断する(ステップC11)。
状態判定用スタート数≠50の場合にはそのままリターンするが、状態判定用スタート数=50となった場合には、時短中フラグをオフするステップC12を実行した後にリターンする。尚、上記状態判定用スタート数は、後述の説明により明らかとなるように、パチンコ遊技機1において発生した大当たりが終了し、これに応じて時短中フラグがオンされたときに初期値(=0)にイニシャライズされるものである。
上記したスタート信号入力処理ルーチンR3が実行される結果、スタート信号が入力される毎(パチンコ遊技機1の特別図柄表示部9aにおいてルーレットの図柄変動演出動作が行われる毎)に累計スタート数がインクリメントされる。また、そのスタート信号の入力時点において確変中フラグがオンされていた場合には、確変中スタート数及び仮確変スタート数がインクリメントされ、このとき、当該確変中フラグと共に時短中フラグもオンされていた場合には、確変/時短中スタート数がインクリメントされる。さらに、上記スタート信号の入力時点において、時短中フラグがオンされていた場合には、時短中累計スタート数及び状態判定用スタート数がインクリメントされる。特に、この場合、そのインクリントに応じて上記状態判定用スタート数が「50」に達したとき、つまり、大当たり終了後のスタート数が規定回数である50回に達したときには、時短中フラグがオフされる。
図11には、大当たり信号入力処理ルーチンR4の内容が示されている。このルーチンR4では、大当たり中フラグのオン状態を判断し(ステップD1)、オフの場合には大当たり信号が入力開始されたか否かを判断する(ステップD2)。このステップD2で「NO」と判断される場合(大当たり信号が入力されていない状態にある場合)には、そのままリターンするが、大当たり信号が入力開始されたときには、累計大当たり数をインクリメントするステップD3、大当たり中フラグをオンするステップD4を順次実行した後に、確変中フラグのオン状態を判断する(ステップD5)。確変中フラグがオフの場合にはそのままリターンするが、オンの場合には確変中大当たり数をインクリメントするステップD6を実行した後にリターンする。
大当たり中フラグがオンであった場合(ステップD1で「YES」)には、大当たり信号の入力が終了したか否か、つまり、大当たり信号が立ち下がったか否かを判断し(ステップD7)、ここで「NO」と判断したときにはそのままリターンする。これに対して、大当たり信号の入力が終了したときには、大当たり中フラグをオフするステップD8、時短中フラグをオンするステップD9、状態判定用スタート数を初期値にイニシャライズするステップD10、仮確変スタート数を初期値にイニシャライズするステップD11を順次実行した後にリターンする。
上記した大当たり信号入力処理ルーチンR4が実行される結果、大当たり信号の入力が開始されたとき(パチンコ遊技機1において大当たりが発生したとき)に、累計大当たり数がインクリメントされると共に、大当たり中フラグがオンされる。また、大当たり信号が入力開始された時点において確変中フラグがオンされた状態(上記大当たりが確変期間に発生した状態に相当)にあった場合には、確変中大当たり数がインクリメントされる。さらに、大当たり信号の入力が停止されたとき(パチンコ遊技機1での大当たりが終了したとき)には、大当たり中フラグがオフされると共に、時短中フラグがオンされ、これと同時に、状態判定用スタート数(これは、前述したように、スタート信号の入力時点において、時短中フラグがオンされていた場合にインクリメントされる)及び仮確変スタート数(これは、前述したように、スタート信号の入力時点において、確変中フラグがオンされていた場合にインクリメントされる)が初期値にイニシャライズされる。
図12には、確変信号入力処理ルーチンR5の内容が示されている。このルーチンR5では、確変中フラグのオン状態を判断し(ステップE1)、オフの場合には確変信号が入力開始されたか否かを判断する(ステップE2)。このステップE2で「NO」と判断される場合(確変信号が入力されていない状態にある場合)には、そのままリターンするが、確変信号が入力開始されたときには、確変中フラグをオンするステップE3を実行した後にリターンする。
確変中フラグがオンであった場合(ステップE1で「YES」)には、確変信号の入力が終了したか否か、つまり、確変信号が立ち下がったか否かを判断し(ステップE4)、ここで「NO」と判断したときにはそのままリターンする。これに対して、確変信号の入力が終了したときには、確変中フラグをオフするステップE5、仮確変スタート数を確変中無当たりスタート数に加算するステップE6を実行した後にリターンする。
上記した確変信号入力処理ルーチンR5が実行される結果、確変信号の入力が開始されたとき(パチンコ遊技機1において確変が発生したとき(実際には、確変/時短遊技状態が発生したとき))に確変中フラグがオンされる。また、確変信号の入力が停止されたとき(パチンコ遊技機1での確変が終了したとき(実際には、確変/時短遊技状態から時短単独状態へ移行したとき、或いは確変単独遊技状態が終了したとき))には、確変中フラグがオフされると共に、その時点での仮確変スタート数が確変中無当たりスタート数に加算される。
要するに、管理装置13においては、アウト信号入力処理ルーチンR1、セーフ信号入力処理ルーチンR2、スタート信号入力処理ルーチンR3、大当たり信号入力処理ルーチンR4、確変信号入力処理ルーチンR5において、パチンコ遊技機1についての以下のような種類の数値データを素データとして集計するものである。
・アウト信号入力処理ルーチンR1:累計アウト数、大当たり中アウト数、時短中アウト数、
・セーフ信号入力処理ルーチンR2:累計セーフ数、大当たり中セーフ数、時短中セーフ数、
・スタート信号入力処理ルーチンR3:累計スタート数、確変中スタート数、確変/時短中スタート数、時短中スタート数、
・大当たり信号入力処理ルーチンR4:累計大当たり数、確変中大当たり数、
・確変信号入力処理ルーチンR5:確変中無当たりスタート数。
図13には、管理装置13において上記素データを帳票データとして出力する場合のフォーマット例が示されている。即ち、図13は、例えば10台分のパチンコ遊技機1に係る素データを集めた帳票データを示すものであり、各パチンコ遊技機1の台番号(台番)が付された各レコード中に、累計アウト数、累計セーフ数、大当たり中アウト数、大当たり中セーフ数、時短中アウト数、時短中セーフ数、累計スタート数、確変中スタート数、確変中無当たりスタート数、時短中スタート数、累計大当たり数、確変中大当たり数、確変/時短中スタート数を記録すると共に、各素データの平均値並びに合計値を記録した形態となっている。尚、図13において、アウト数及びセーフ数に係るデータは、実データの1/10の値が示されている。
管理装置13は、上記素データを利用して種々の稼動データを算出することにより図14〜図16に示すような帳票データを出力する構成となっており、以下、これらの帳票データについて説明する。
図14には、素データを利用して算出される稼動データのうち、パチンコ玉の入賞率に係るデータを、時短が発生した期間(重複期間及び第1期間の合計期間)と、時短及び大当たりが発生していない期間(第2期間及び通常期間の合計期間)についての各遊技特性を比較する場合に利用できるデータを集めた帳票データの出力例が示されている。即ち、この帳票データは、パチンコ玉の入賞率に係るデータを、時短期間と、ベース期間(大当たり期間及び時短期間(確変/時短遊技状態及び時短単独遊技状態)を除いた期間、つまり、確変単独遊技状態にある期間及び通常遊技状態にある期間)とに区分して集計したものであり、各パチンコ遊技機1の台番号(台番)が付された各レコード中に、以下のような種類の数値データを記録すると共に、各数値データの平均値並びに合計値を記録した形態となっている。尚、合計値については、合計することが有意なデータ(BO、Bセーフ、ベース中累計スタート)についてのみ記録されるものである。また、図14において、アウト数及びセーフ数に係るデータ(BO、Bセーフ)は、実データの1/10の値が示されている。
・BO:ベース期間中の累計アウト数(=累計アウト数−大当たり中アウト数−時短中アウト数)、
・Bセーフ:ベース期間中の累計セーフ数(=累計セーフ数−大当たり中セーフ数−時短中セーフ数)、
・ベース:ベース期間中の出玉率(=(Bセーフ÷BO)×100)、
・BA:時短中の出玉率(=(時短中セーフ数÷時短中アウト数)×100)、
・ベース中累計スタート数:ベース期間中の累計スタート数(=累計スタート数−時短中スタート数)、
・S:ベース期間中のスタート入賞率(=(ベース中累計スタート数÷BO)×100)、
・SA:時短中のスタート入賞率(=(時短中スタート数÷時短中アウト数)×100)。
図15には、前記素データを利用して算出される稼動データのうち、大当たり発生確率に係るデータを、確変が発生した期間(重複期間及び第2期間の合計期間)と確変及び大当たりが発生していない期間(第1期間及び通常期間の合計期間)についての各遊技特性を比較する場合に利用できるデータを集めた帳票データの出力例が示されている。即ち、この帳票データは、大当たり発生確率に係るデータを、確変期間と、通常確率期間(確変期間(確変/時短遊技状態及び確変単独遊技状態)を除いた期間)とに区分して集計したものであり、各パチンコ遊技機1の台番号(台番)が付された各レコード中に、以下のような種類の数値データを記録すると共に、各数値データの平均値並びに合計値を記録した形態となっている。尚、合計値については、合計することが有意なデータ(通常確率累計スタート数、通常確率大当たり数)についてのみ記録されるものである。
・通常確率累計スタート数:通常確率期間の累計スタート数(=累計スタート数−確変中スタート数)、
・通常確率大当たり数:通常確率期間に発生した大当たりの累計回数(累計大当たり数−確変中大当たり数)、
・TS:通常確率にある期間中の大当たり確率(=通常確率累計スタート数÷通常確率大当たり数)
・TSA:確変期間中の大当たり確率(=確変中スタート数÷確変中大当たり数)、
・累計TS:全体の大当たり確率(=累計スタート数÷累計大当たり数)、
・確変継続:通常確率時に発生した大当たり及びその後の確変期間に連続して発生した大当たりの継続回数の平均値。
上記図14及び図15の帳票データ中の各データそのものは、従来においても算出されていたデータであるが、本実施例では、図16に示すような新たな稼動データについての帳票データも出力する構成となっている。即ち、図16に示した帳票データは、各パチンコ遊技機1の台番号(台番)が付された各レコード中に、以下のような種類の数値データを記録すると共に、各数値データの平均値並びに合計値を記録した形態となっている。尚、合計値については、合計することが有意なデータ(確変継続スタート数(特別状態期間中スタート数に相当)、確変継続無当たりスタート数、ベース中確変スタート数、ベース中通常確率S)についてのみ記録されるものである。
・確変継続スタート数:確変期間中の平均スタート継続数(=確変中スタート数÷累計確変突入数=確変中スタート数÷累計大当たり数)、
・確変継続無当たりスタート数:確変期間中に大当たりが発生しなかったときの平均スタート継続数(=確変中無当たりスタート数÷大当たりに結びつかなかった確変への突入数=確変中無当たりスタート数÷通常確率大当たり数)、
・確変スタート率:累計スタート数のうちの確変中スタート数の割合(=(確変中スタート数÷累計スタート数)×100)、
・ベース中確変スタート数:第1期間中の累計確変スタート数(=確変中スタート数−確変/時短中スタート数)、
・時短中確変率:時短中スタート数のうちの確変スタート数の割合(=(確変/時短中スタート数÷時短中スタート数)×100)、
・ベース中確変率:ベース期間中の確変スタート数の割合(=ベース中確変スタート数÷ベース中累計スタート数)、
・ベース中通常確率S:ベース期間中で尚且つ通常確率期間のスタート数(=累計スタート数−確変中スタート数−時短中スタート数+確変/時短中スタート数)、
・ベース通確スタート率:累計スタート数のうちのベース中通常確率Sの割合(=(ベース中通常確率S÷累計スタート数)×100)。
管理装置13は、前記フローチャート(図7〜図12)にて説明したように、パチンコ遊技機1から出力される大当たり信号及び確変信号に基づいて、当該パチンコ遊技機1において大当たり及び確変が発生した各期間に大当たり中フラグ及び確変中フラグをそれぞれオンすると共に、パチンコ遊技機1からのスタート信号の入力数及び予め設定された規定回数に基づいて、当該パチンコ遊技機1において時短が発生した期間に時短中フラグをオンするようになっており、これらフラグのオンオフ状態に基づいて、パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態、確変単独遊技状態、確変単独遊技状態、通常遊技状態の何れの状態にあるかを識別する構成となっている。管理装置13は、このような識別結果を利用しながら、パチンコ遊技機1毎に以下[1]〜[6]のようなタイミングで所定の稼動データを含むレコードを作成し、そのレコードを当該パチンコ遊技機1の台番号と対応付けた状態で順次蓄積した大当たり履歴データを作成して出力する構成となっている。
即ち、図17には、パチンコ遊技機1の台番号(この例では「537」番)に対応付けられた第1の大当たり履歴データの出力例が示されており、これを参照しながら当該大当たり履歴データの作成機能について説明する。
[1]時短単独遊技状態または通常遊技状態にあるパチンコ遊技機1において大当たりが発生する毎に、その大当たり発生に係る通し番号を「台番号」欄(この例では「537」欄)に記録したレコードを作成すると共に、作成したレコード中の「T1」、「発生時刻」の各欄に、大当たり累計回数(何回目の大当たりであるかを示す数値)及び大当たり発生時刻をそれぞれ記録する。さらに、当該レコード中の「BO」、「Bサ」、「S」、「T1Y」の各欄に、大当たり中以外のアウト数、大当たり中以外の差玉数、スタート数、大当たり中の差玉数をそれぞれ記録する。
この場合、特に、パチンコ遊技機1が時短単独遊技状態にあるときに発生した大当たりに係るレコードについては、「T1」欄に対し、大当たり累計回数と共に「*」を記録すると共に、当該レコード中の「時短S」欄に、時短中のスタート数(時短S)を記録する。つまり、図17の例では、「537」欄に「1」、「2」、「4」の番号が記録された各レコードが、通常遊技状態において発生した大当たりに対応し、「3」の番号が記録されたレコードが時短単独遊技状態において発生した大当たりに対応することになる。
[2]確変/時短遊技状態または確変単独遊技状態にあるパチンコ遊技機1において大当たりが発生する毎に、確変期間に大当たりが発生したことを示す記号「A」を「537」欄(「台番号」欄)に記録したレコードを作成すると共に、作成したレコード中の「T1」、「発生時刻」の各欄に、大当たり累計回数及び大当たり発生時刻をそれぞれ記録する。さらに、当該レコード中の「BO」、「Bサ」、「S」、「T1Y」、「確変S」、「時短S」の各欄に、大当たり中以外のアウト数、大当たり中以外の差玉数、スタート数、大当たり中の差玉数、確変中のスタート数をそれぞれ記録する。
この場合、特に、パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態にあるときに発生した大当たりに係るレコードについては、「T1」欄に対し、大当たり累計回数と共に「*」を記録すると共に、当該レコード中の「時短S」欄に、時短中のスタート数を記録する。つまり、図17の例の場合、記号「A」のレコードは、確変/時短遊技状態に発生した大当たりに対応するものであり、図示しないが、確変単独遊技状態に発生した大当たりに対応したレコードには、「T1」欄の「*」並びに「時短S」欄のデータ(時短中のスタート数)が記録されることはない。
[3]パチンコ遊技機1において、大当たりの終了に引き続く確変/時短遊技状態が終了し、これに応じて確変単独遊技状態及び時短単独遊技状態の何れか一方の状態を呈する毎に、終了した遊技形態の種別を示す記号「K」または「J」を「537」欄に記録したレコード(図17の例では、第2番目、第6番目、第8番目、第11番目のレコードが該当する)を作成すると共に、作成したレコード中の「発生時刻」の欄に、当該遊技形態の終了時刻をそれぞれ記録する。具体的には、確変/時短遊技状態から確変転落抽選に当選して時短単独遊技状態へ移行した場合には、確変が終了したことを示す「K」及びその終了時刻を記録したレコード(第2番目、第6番目のレコードが該当する)が作成され、確変/時短遊技状態において大当たり後のスタート数が規定回数(50回)に達して確変単独遊技状態へ移行した場合には、時短が終了したことを示す「J」及びその終了時刻を記録したレコード(第8番目、第11番目のレコードが該当する)が作成される。
また、作成したレコード中の「BO」、「Bサ」、「S」の各欄に、大当たり中以外のアウト数、大当たり中以外の差玉数、スタート数をそれぞれ記録すると共に、当該レコード中の「確変S」、「時短S」の各欄に該当するスタート数の記録を行う。この場合、これらのレコードは、時短に係るデータを含むものであるため、そのことを示す「*」が「T1」欄に記録される。さらに、「確変S」欄において、確変/時短遊技状態及び確変状態が継続したときのスタート数については、そのスタート数と共に「※」を記録し、「時短S」欄において、確変/時短遊技状態及び時短状態が継続したときのスタート数についてはそのスタート数と共に「※」を記録する。尚、確変/時短遊技状態から確変単独遊技状態へ移行した場合(時短が先に終了した場合)には、当然のことながら、「確変S」、「時短S」の各欄に規定回数に相当した「50」がそれぞれ記録されることになる(第8番目、第11番目のレコード参照)。
[4]パチンコ遊技機1において、確変単独遊技状態から通常遊技状態へ移行する毎に、終了した遊技形態の種別を示す記号「K」を「537」欄に記録したレコード(図17の例では、第9番目のレコードが該当する)を作成すると共に、作成したレコード中の「発生時刻」の欄に、当該確変単独遊技形態の終了時刻を記録する。さらに、当該レコード中の「BO」、「Bサ」の各欄に、確変中のアウト数、確変中の差玉数を記録すると共に、「S」、「確変S」の各欄に確変中のスタート数(同じ数値)をそれぞれ記録する。尚、このレコードは、時短に関係していないため、そのことを示す「*」が「T1」欄に記録されることはない。
[5]パチンコ遊技機1において、時短単独遊技状態から通常遊技状態へ移行する毎に、終了した遊技形態の種別を示す記号「J」を「537」欄に記録したレコード(図17の例では、第3番目のレコードが該当する)を作成すると共に、作成したレコード中の「発生時刻」の欄に、当該時短単独遊技形態の終了時刻を記録する。さらに、当該レコード中の「BO」、「Bサ」の各欄に、時短中のアウト数、時短中の差玉数を記録すると共に、「S」、「時短S」の各欄に、時短中のスタート数(同じ数値)を記録する。尚、このレコードは、時短に関係したレコードであるため、そのことを示す「*」が「T1」欄に記録される。
[6]上記のようなレコード生成タイミングが発生するまでの期間は、仮レコードを作成する。この仮レコードには、その「BO」、「Bサ」、「S」の各欄に、大当たり中以外のアウト数、大当たり中以外の差玉数、スタート数をそれぞれ更新記録すると共に、「確変S」、「時短S」の各欄に該当データ(確変中のスタート数または時短中のスタート数)がある場合に、そのデータの記録を行う。つまり、図17の例では、第12番目(最下段)のレコードが仮レコードに該当するものであるが、この仮レコードの作成時点では、前段のレコードの「537」欄に記号「J」が記録された状態、つまり、確変/時短遊技状態から時短が終了して確変単独遊技状態へ移行した状態にあるから、「確変S」欄に確変中のスタート数が記録されることになる。
尚、「BO」、「Bサ」、「S」、「確変S」、「時短S」の各欄外には、それぞれの合計データを示す値が記録される。
要するに、図17の例では、レコード中に記録された「537」欄、「T1」欄、「発生時刻」欄の各データに基づいて、台番号「537」のパチンコ遊技機1の遊技パターンが以下<1>〜<6>のような形態であったことが分かる。
<1>10時50分の1回目の大当たり、12時00分の2回目の大当たり、13時30分の5回目の大当たりは、パチンコ遊技機1が通常遊技状態にあるときに発生し、12時05分の3回目の大当たりはパチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態にあるときに発生し、12時15分の4回目の大当たりはパチンコ遊技機1が時短単独遊技状態にあるときに発生した。
<2>1回目の大当たり終了後には、確変終了後に時短が終了し(確変/時短遊技状態→時短単独遊技状態→通常遊技状態の順に推移)、通常遊技状態において2回目の大当たりが発生した。
<3>2回目の大当たり終了後には、確変/時短遊技状態において3回目の大当たり(所謂甘モードでの大当たり)が発生した。
<4>3回目の大当たり終了後には、確変終了後の時短単独遊技状態において4回目の大当たりが発生した。
<5>4回目の大当たり終了後には、時短終了後に確変が終了し(確変/時短遊技状態→確変単独遊技状態→通常遊技状態の順に推移)、通常遊技状態において5回目の大当たりが発生した。
<6>5回目の大当たり終了後には、時短が先に終了し、現在は確変単独遊技状態にある。
また、図17の例では、大当たり発生が記録されたレコード(「537」欄に「1」〜「4」または「A」が記録されたレコード)における「BO」欄、「Bサ」欄、「S」欄及び「T1Y」欄の各データに基づいて、前回の大当たりの終了時点(但し、第1番目のレコードについては遊技場の営業開始時点)から、対応する大当たりが発生するまでの期間の「アウト玉数」、「差玉数」、「スタート数」が示されると共に、「大当たり中差玉数」が示されることになる。特に、甘モードでの大当たり発生が記録されたレコード(「537」欄に「A」が記録されたレコード)においては、「確変S」欄及び「時短S」欄のデータに基づいて当該大当たり直前の確変/時短遊技状態中の「スタート数」も示される。
さらに、大当たり発生が記録された上記各レコードの次段のレコードのうち、「537」欄に「K」または「J」が記録されたレコード(第2、第6、第8、第11番目の各レコード)における「BO」欄、「Bサ」欄、「S」欄、「確変S」欄、「時短S」欄の各データに基づいて、確変/時短遊技状態にあった各期間の「アウト玉数」、「差玉数」、「スタート数」が表示される。また、これら各レコードの次段のレコードのうち、「537」欄に「J」が記録されたレコード(第3番目のレコード)における「BO」欄、「Bサ」欄、「S」欄、「時短S」欄の各データに基づいて、時短単独遊技状態にあった期間の「アウト玉数」、「差玉数」、「スタート数」が表示され、上記各レコードの次段のレコードのうち、「537」欄に「K」が記録されたレコード(第9番目のレコード)における「BO」欄、「Bサ」欄、「S」欄、「確変S」欄の各データに基づいて、確変単独遊技状態にあった期間の「アウト玉数」、「差玉数」、「スタート数」が表示される。
尚、図17に示された第1の大当たり履歴データにおいては、時短に関係したレコード(時短単独遊技状態にあるときに発生した大当たりに係るレコード、確変/時短遊技状態にあるときに発生した大当たりに係るレコード、時短に係るデータを含むレコード)の「T1」欄に「*」を記録するようにしたが、この代わりに、確変に関係したレコードの「T1」欄に「*」を記録する構成としても良い。また、時短に関係したレコードが確変にも関係していた場合には、「*」と共に例えば「※」のような他の記号を記録する構成としても良い。
ここで、図17に示した第2の大当たり履歴データは、大当たり発生の発生タイミング、確変及び時短が重複した期間の終了タイミング(確変/時短遊技状態が終了したタイミング)、確変終了タイミング(確変単独状態が終了したタイミング)、時短終了タイミング(時短単独状態が終了したタイミング)で作成したレコードを蓄積したものであるが、大当たり発生、時短終了の各タイミングのみで作成したレコードを蓄積した大当たり履歴データを作成しても良いものであり、このような大当たり履歴データの一例が図18に示されている。また、大当たり発生、確変終了の各タイミングのみで作成したレコードを蓄積した第3の大当たり履歴データを作成しても良いものであり、このような大当たり履歴データの一例が図19に示されている。
但し、図17の大当たり履歴データにおいて、各レコード中の「*」は、当該レコードが時短に関係したものであった場合に記録されるものであるが、図18の大当たり履歴データにおいては、確変から転落したレコードに「*」を記録する構成となっている。つまり、図18の大当たり履歴データでは、大当たり或いは時短が終了した時点でレコードを作成することになるが、そのままでは、いつ確変転落したのか不明であるため、確変から転落したレコードの「T1」欄に対し「*」を記録し、「S」及び「確変S」の各欄のデータを比較することにより、当該レコードにおいて、どこまで確変期間で、どこからが通常状態期間なのかを把握可能にしている(「確変S」が記録されているレコードは、最初は必ず確変であるため)。
また、図19の大当たり履歴データにおいては、時短が終了したレコードに「*」を記録する構成となっている。つまり、図19の大当たり履歴データでは、大当たり終了或いは確変転落した時点でレコードを作成することになるが、そのままでは、いつ時短が終了したのか不明であるため、時短が終了したレコードの「T1」欄に対し「*」を記録し、「S」及び「時短S」の各欄のデータを比較することにより、当該レコードにおいて、どこまで時短期間で、どこからが通常状態期間なのかを把握可能にしている(「時短S」が記録されているレコードは、最初は必ず時短であるため)。
因みに、図18の大当たり履歴データにおいては、「確変S」と「S」とが異なるレコードに「*」が記録され、図19の大当たり履歴データにおいては、「時短S」と「S」とが異なるレコードに「*」が記録されることになる。
さて、呼出ランプユニット11内の制御部15は、対応するパチンコ遊技機1からの大当たり信号、確変信号、スタート信号の入力状態に基づいて、当該パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態、確変単独遊技状態、確変単独遊技状態、通常遊技状態の何れの状態にあるかを識別する制御、その識別結果及びパチンコ遊技機1からのアウト信号、セーフ信号、スタート信号などを利用して表示部11dでの表示に使用するデータを算出する制御を、前述した管理装置13でのデータ集計動作と同様に行う機能を備えており、その算出データに基づいて表示部11dに対して図20〜図24に例示するような第1〜第5の大当たり履歴データ画面を表示する制御を行うようになっている。尚、制御部15は、表示部11dでの表示に使用するデータを管理装置13との間のデータ通信によって取得する構成であっても良い。この場合には、制御部15は、例えば、管理装置13に対して表示部11dでの表示に使用するデータを選択的に要求し、この要求に応じて管理装置13側からアンサバックされたデータを使用して図20〜図24のような各大当たり履歴データ画面を表示する制御を行う構成とすれば良い。
以下、図20〜24に示された各大当たり履歴データ画面の内容について説明する。尚、図20〜図24、例えば、台番号が「8」のパチンコ遊技機についての各大当たり履歴データの表示例を示すものであり、その表示データは、図13〜図16の帳票データ(特には台番号「8」に係るデータ)に対応するものである。
[1]第1の大当たり履歴データ画面(図20)
制御部15は、通常時において表示部11dに対し図20のような第1の大当たり履歴データ画面を表示する。この第1の大当たり履歴データ画面は、パチンコ遊技機1において通常状態時の確率(1/300)で大当たりが発生したタイミング毎の履歴データを、表示部11dに設定された各表示エリアに表示するものである。
具体的には、図20において、第1の大当たり履歴データ画面には、以下(1)〜(7)のような表示エリアが設定される。
(1)第1表示エリアa:「スタート」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、前回の大当たりから現在時点までのスタート数がデジタル表示される。但し、大当たりが未発生の時点では、当日の営業開始時点から現在時点までのスタート数がデジタル表示される。
(2)第2表示エリアb:「累計スタート」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、当日の累計スタート数がデジタル表示される。
(3)第3表示エリアc:「本日」の文字及びこれに対応した「大当たり回数」、「確変」の各文字が表示されると共に、「大当たり回数」の文字と対応付けた状態で、当日の累計大当たり回数がデジタル表示され、「確変」の文字と対応付けた状態で、当日における確率変動状態での累計大当たり回数(当日大当たり回数)がデジタル表示される。
(4)第4表示エリアd:「大当たり回数履歴」の文字及びこれに対応した「1日前」の文字及び「2日前」の文字が表示されると共に、「1日前」の文字と対応付けた状態で前日(営業日)の累計大当たり回数がデジタル表示され、「2日前」の文字と対応付けた状態で前々日(営業日)の累計大当たり回数がデジタル表示される。
(5)第5表示エリアe:「過去最高」及び「大当たり回数」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で過去の営業日において記録された最高の大当たり回数がデジタル表示される。
(6)第6表示エリアf:「大当たり間スタート(×100)」の文字が表示されると共に、その下方部に「只今」、「1」、「2」、……、「10」の文字が横一列に表示される。そして、「只今」の文字に対応付けた状態で、最新の大当たりから現在時点までの大当たり間スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。また、「1」、「2」、……、「10」の文字にそれぞれ対応付けた状態で、過去10回分の確変継続期間のそれぞれに対応した初当たり時の大当たり間スタート数についての履歴データが、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。
(7)第7表示エリアg:「継続数」の文字が表示されると共に、前記第6表示エリアf中の過去10回分の履歴データを示す各棒グラフに対応した期間(確変状態が継続している期間)での大当たり回数が、それぞれデジタル表示される。
[2]第2の大当たり履歴データ画面(図21)
制御部15は、上記第1の大当たり履歴データ画面を表示した状態からデータ切換ボタン11eが1回操作された場合に、表示部11dの表示画面を図21に示すような第2の大当たり履歴データ画面に切換える。
具体的には、図21に示す第2の大当たり履歴データ画面では、前記第3表示エリアc、第4表示エリアd、第5表示エリアeについては、その表示内容を変更することなく保持し、前記第1表示エリアa、第2表示エリアb、第6表示エリアf、第7表示エリアgの表示内容を以下(1)〜(4)に示すように変更する。
(1)第1表示エリアa:「確変継続スタート」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、確変継続スタート数(確変期間中の平均スタート継続数)が表示される。
(2)第2表示エリアb:「無当たりスタート」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、確変継続無当たりスタート数(確変期間中に大当たりが発生しなかったときの平均スタート継続数)が表示される。尚、この確変継続無当たりスタート数は、確変転落抽選の当選確率を示すことになる。
(3)第6表示エリアf:「×100」及び「大当たり間スタート(×20)」の文字が表示され、「×100」の文字の下方部に「只今」の文字が表示されると共に、「大当たり間スタート(×20)」の文字の下方部に「1」、「2」、……、「10」の文字が横一列に表示され、「只今」の文字に対応付けた状態で、最新の大当たりから現在時点までの大当たり間スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。また、「1」、「2」、……、「10」の文字にそれぞれ対応付けた状態で、過去10回分の大当たり間スタート数の履歴データについて、1目盛により1〜20回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。
この場合、各棒グラフの表示可能なデータセット数は10セット(つまり、表示可能な大当たり間スタート数は200回(20×10))であるため、表示対象の大当たり間スタート数が200回を超えた場合には、当該超過部分の表示は行われない。また、各棒グラフには、初当たり時における大当たり間スタート数のうち、通常確率状態でのスタート数が、例えば該当データセットの点滅(図では塗りつぶし状態で表記)により表示される構成となっている。つまり、確変状態にある期間のスタート数と、確変状態が終了した通常期間のスタート数とが識別可能に表示される構成となっている。尚、この点滅表示は、例えば次の大当たりが発生したタイミングで始めて開始されるようになっており、以て新たな大当たりが発生するまでの期間は、パチンコ遊技機1の確変状態が終了したか否かが分からないようになっている。さらに、各確変継続期間の境界には境界線が表示される。
(4)第7表示エリアg:時短中スタート数と確変中スタート数との関係が、時短中スタート数>確変中スタート数の状態にあるときに「0」が表示され、時短中スタート数≦確変中スタート数の状態にあるときには何も表示されない。つまり、対応するパチンコ遊技機1が時短状態にある期間に確変状態が終了したとき(確変転落抽選動作に当選したとき)には、「0」が表示されることになる。
[3]第3の大当たり履歴データ画面(図22)
制御部15は、前記第1の大当たり履歴データ画面を表示した状態からデータ切換ボタン11eが2回操作された場合に、表示部11dの表示画面を図22に示すような第3の大当たり履歴データ画面に切換える。
具体的には、図22に示す第3の大当たり履歴データ画面では、前記第2表示エリアb、第3表示エリアc、第4表示エリアd、第5表示エリアeについては、その表示内容を変更することなく保持し、前記第1表示エリアa、第6表示エリアf、第7表示エリアgの表示内容を以下(1)〜(3)に示すように変更する。
(1)第1表示エリアa:「確変中大当たり確率」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、確変期間中の大当たり確率(=TSA)が表示される。
(2)第6表示エリアf:「大当たり間スタート(×100)」の文字が表示されると共に、その下方部に「只今」、「1」、「2」、……、「10」の文字が横一列に表示され、「只今」の文字に対応付けた状態で、最新の大当たりから現在時点までの大当たり間スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。また、「1」、「2」、……、「10」の文字にそれぞれ対応付けた状態で、過去10回分の大当たり間スタート数についての履歴データが、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。尚、確変継続期間の境界には境界線が表示される。
(3)第7表示エリアg:前記第6表示エリアf中の過去10回分の履歴データを示す各棒グラフに対応した確変中のスタート数(=確変S)の1/10の値(例えば、小数点以下を切り上げた値、或いは四捨五入した値)が、それぞれデジタル表示される。但し、表示値が10を超える場合には、そのことを報知する例えば「A」の表示が行われる。尚、確変期間中に大当たりが発生したときの表示値については、例えば点滅表示させることにより他の表示値と区分する。
[4]第4の大当たり履歴データ画面(図23)
制御部15は、前記第1の大当たり履歴データ画面を表示した状態からデータ切換ボタン11eが3回操作された場合に、表示部11dの表示画面を図23に示すような第4の大当たり履歴データ画面に切換える。
具体的には、図23に示す第4の大当たり履歴データ画面では、前記第2表示エリアb、第3表示エリアc、第4表示エリアd、第5表示エリアeについては、その表示内容を変更することなく保持し、前記第1表示エリアa、第6表示エリアf、第7表示エリアgの表示内容を以下(1)〜(3)に示すように変更する。
(1)第1表示エリアa:「通常期間中大当たり確率」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、通常確率にある期間中の大当たり確率(=TS)が表示される。
(2)第6表示エリアf:「確変スタート累計(×100)」及び「時短スタート累計(×100)」の文字が表示されると共に、その下方部に「只今」が表示され、「只今」の文字に対応付けた状態で、最新の大当たりから現在時点までの大当たり間スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。また、「確変スタート累計(×100)」及び「時短スタート累計(×100)」の文字にそれぞれ対応付けた状態で、確変中スタート数及び時短中スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。尚、確変中スタート数及び時短中スタート数の各データの境界には境界線が表示される。
(3)第7表示エリアg:前記第6表示エリアf中の各棒グラフと対応した位置に、確変中スタート数及び時短中スタート数がデジタル表示される。
[5]第5の大当たり履歴データ画面(図24)
制御部15は、前記第1の大当たり履歴データ画面を表示した状態からデータ切換ボタン11eが4回操作された場合に、表示部11dの表示画面を図25に示すような第5の大当たり履歴データ画面に切換える。尚、この第5の大当たり履歴データ画面の表示状態にてデータ切換ボタン11eが操作されたときには、表示部11dに第1の大当たり履歴データ画面を表示した初期状態に戻るものである。
具体的には、図24に示す第5の大当たり履歴データ画面では、前記第2表示エリアb、第3表示エリアc、第4表示エリアd、第5表示エリアeについては、その表示内容を変更することなく保持し、前記第1表示エリアa、第6表示エリアf、第7表示エリアgの表示内容を以下(1)〜(3)に示すように変更する。
(1)第1表示エリアa:「通常期間中大当たり確率」の文字が表示されると共に、その文字と対応付けた状態で、通常確率にある期間中の大当たり確率(=TS)が表示される(第4の大当たり履歴データ画面と同じ)。
(2)第6表示エリアf:「確変スタート累計(×100)」及び「総スタート(×100)」の文字が表示されると共に、その下方部に「只今」が表示され、「只今」の文字に対応付けた状態で、最新の大当たりから現在時点までの大当たり間スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。また、「確変スタート累計(×100)」及び「総スタート(×100)」の文字にそれぞれ対応付けた状態で、確変中スタート数及び累計スタート数が、1目盛により1〜100回を示すデータセットから成る棒グラフによって表示される。尚、確変中スタート数及び累計スタート数の各データの境界には境界線が表示される。
(3)第7表示エリアg:前記第6表示エリアf中の各棒グラフと対応した位置に、確変中スタート数及び累計スタート数がデジタル表示される。
以上要するに、本実施例の構成によれば、パチンコ遊技機1においては、スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞に応じて所定の当たり確率の大当たり抽選動作を実行し、その抽選結果を特別図柄表示部9aでの図柄変動演出動作により報知すると共に、当該抽選結果が当たりの場合に遊技者側に有利な大当たりが発生するようになる。そして、大当たりが一旦発生したときに、その大当たり終了後に遊技者側に有利な確変及び時短の双方が同時に発生した確変/時短遊技状態を呈し、その確変/時短遊技状態において、スタート入賞口6へパチンコ玉が入賞する毎に行われる確変転落抽選に当選したときに確変が終了して時短単独遊技状態を呈し、また、確変/時短遊技状態において、スタート数(特別図柄表示部9aでの図柄変動演出動作回数)が規定回数(50回)実行されたときに時短が終了して確変単独遊技状態を呈することになる(上記各状態は、大当たりが再発生したときにも終了される)。つまり、特に、確変期間の終了時期は、確変転落抽選動作の結果に依存して変化することになり、また、確変の終了タイミング及び時短の終了タイミングが自ずと異なるようになるから、大当たり終了後には、確変/時短遊技状態の期間を経た後に、確変単独遊技状態または時短単独遊技状態の何れかの期間を経て通常遊技状態へ戻ることになる。
また、パチンコ遊技機1からは、大当たりにある期間に大当たり信号が出力され、確変にある期間に確変信号が出力され、特別図柄表示部9aの動作が開始されたときにスタート信号が出力され、これらの信号が呼出ランプユニット11及び管理装置13に与えられるようになっており、呼出ランプユニット11内の制御部15及び管理装置13においては、大当たりの発生及び終了を大当たり信号に基づいて判定できると共に、確変が終了したことを確変信号に基づいて判定できる。特に、管理装置13においては、時短が終了したことを大当たり信号及びスタート信号に基づいて判定する。具体的には、大当たり信号に基づいて判定した大当たり終了後におけるスタート数を上記スタート信号に基づいて計数し、計数したスタート数が、規定回数である50回に到達したときに時短が終了した旨の判定を行う構成となっている。
これにより、管理装置13においては、上記のような判定結果及び前記確変信号に基づいて、パチンコ遊技機1で確変及び時短が双方とも発生している重複期間、確変のみが発生している第1期間、時短のみが発生している第2期間を正確に識別できるようになる。
この場合、呼出ランプユニット11内の制御部15は、上記のような識別機能、並びにパチンコ遊技機1での稼動データ(大当たり抽選動作の実行回数を示すデータ(スタート数)などを含む)を取得する機能を備えた管理装置13との間のデータ通信に基づいて、パチンコ遊技機1での確変発生期間(確変継続期間)における大当たり間スタート数を確変継続スタート数(特別状態期間中スタート数に相当)として表示する制御を行うようになる(図21参照)。
従って、大当たり抽選動作の結果に応じて大当たりが発生すると共に、その大当たり後に発生した遊技者側に有利な確変状態の終了時期が、遊技に伴い行われる転落抽選動作により決まる構成のパチンコ遊技機が出現した場合であっても、当該確変状態にある期間中におけるスタート数を適切に表示できるようになり、遊技に対する興趣の向上などを図る上で有益になる。
また、表示部11dには、パチンコ遊技機1で発生した確変状態が大当たりの発生を伴うことなく終了した場合に、その確変状態にあった期間でのスタート数が無当たりスタート数として表示されることになるから(図21参照)、遊技者側において、パチンコ遊技機1の遊技特性、特には、転落抽選動作にどの程度の割合で当選しているのかという特性を把握する上で有益になる。
さらに、表示部11dには、パチンコ遊技機1において、確変状態が発生した時点から大当たりが新たに発生するまでの期間の途中で当該確変状態が終了した場合に、その確変状態にある期間のスタート数と、確変状態が終了した通常期間のスタート数とが識別可能に表示されるから(図21参照)、遊技者側において、パチンコ遊技機1の遊技特性、特には、確変状態がどの程度継続したかという特性を把握する上で有益になる。
表示部11dには、パチンコ遊技機1において大当たりが新たに発生するまでの期間のスタート数と、当該期間中における確変状態発生期間でのスタート数、換言すれば、大当たり1回当たりの総スタート数と所謂確変スタート数が対比して表示されるから(図22参照)、遊技者側において、パチンコ遊技機1の遊技特性、特には、総スタート数に対して確変スタート数がどの程度あるのかという特性を把握する上で有益になる。
表示部11dには、パチンコ遊技機1が確変状態にあった期間のスタート数と、当該パチンコ遊技機1における累計スタート数とが対比可能に表示されるから(図24参照)、遊技者側において、パチンコ遊技機1の遊技特性、特には、確変状態での遊技が全体の遊技に対してどの程度の割合で行われているのかという特性を大まかに把握する上で有益になる。
表示部11dにおいては、パチンコ遊技機1において、大当たり終了後におけるスタート数が予め設定された規定回数に達したときに終了する時短状態の終了前に転落抽選動作に当選した場合(つまり、終了時期が一定しない確変状態が、一定期間で終了する時短状態より先に終了した場合)には、その旨を報知するための表示制御が行われるから(図21参照)、遊技者側において、パチンコ遊技機1において、時短状態中に確変が終了した状態を正確に把握可能になる。
表示部11dには、パチンコ遊技機1が確変状態にあった期間のスタート数と、時短状態にあった期間のスタート数とが対比可能に表示されるから(図23参照)、遊技者側において、パチンコ遊技機1の遊技特性、特には、終了時期が一定しない確変状態での遊技が、一定期間で終了する時短状態での遊技に対して、どの程度の割合で行われているのかという特性を把握する上で有益になる。
本実施例によれば、呼出ランプユニット11の表示ランプ11a〜11cによって、パチンコ遊技機1が大当たりにあること、確変/時短遊技状態または時短単独遊技状態にあることを報知する構成となっているが、当該パチンコ遊技機1が確変単独遊技状態にあることについては報知しない構成となっている。このため、スタート入賞口6への入賞率が高められた状態の時短が発生していることを遊技者に積極的にアピールできるという遊技性の向上効果を期待できると共に、確変継続中か否かについては遊技者側に期待感を抱かせることにより遊技継続に対する意欲並びに遊技に係る興趣の向上を期待できる、という新たな遊技性が生まれることになる。
尚、管理装置13は、前述のような正確な識別結果に基づいて、パチンコ遊技機1の稼動データのうちパチンコ玉の入賞率に係るデータ、つまり、時短が発生した期間と非発生期間とで大きく変動することになるデータを、時短が発生した期間と、時短及び大当たりが発生していない期間とに区別して集計すると共に、パチンコ遊技機1の稼動データのうち大当たり発生確率に係るデータ、つまり、確変が発生した期間と非発生期間とで大きく変動することになるデータを、確変が発生した期間と、通常確率期間とに区別して集計するようになる。この結果、遊技者側に有利な確変及び時短が単独発生する期間及び重複発生するが存在する構成のパチンコ遊技機1が管理対象でありながら、当該確変及び時短に係る稼動データをきめ細かく管理することが可能になる。この場合、パチンコ遊技機1からは遊技状態を示す信号として1種類の信号(確変信号)が出力されるだけであって、管理装置13側のハードウェア構成を変更する必要がなくなるから、ハードウェアコストの増大を伴う恐れがなくなるものである。
(第2の実施の形態)
図25〜図30には、前記第1実施例と同様の効果を奏する本発明の第2実施例が示されており、以下これについて当該第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、本実施例は、遊技情報表示装置としての情報公開端末14において、表示に供する稼動データの算出並びにその算出データに基づいた大当たり履歴データの表示制御を行うようにしたものであり、従って、情報公開端末14内にその表示制御を行うように設けられた制御部(図示せず)が、本発明でいう表示制御手段として機能することになる。尚、情報公開端末14は、表示に使用するデータを管理装置13とのデータ通信により得る構成としても良いものである。
即ち、情報公開端末14は、管理装置13から出力される帳票データ(図13、図14、図15、図16参照)から必要なデータをピックアップすることにより、以下[1]、[2]、[3]に示すような「大当たりに関するデータ」、「スタート数に関するデータ」、「スタート率に関するデータ」を表示する。
[1]大当たりに関するデータ
このデータは図25に示すように、データのタイトル、機種名、データ出力年月日と対応付けた状態で、パチンコ遊技機1の台番毎の「累計大当たり数、確変中大当たり数、通常確率大当たり数、TS、TSA、累計TS」に係る数値データを表示すると共に、各数値データの平均値並びに合計値を表示した形態となっている。尚、合計値については、合計することが有意なデータ(累計大当たり数、確変中大当たり数、通常確率大当たり数)についてのみ表示されるものである。
[2]スタート数に関するデータ
このデータは図26に示すように、データのタイトル、機種名、データ出力年月日と対応付けた状態で、パチンコ遊技機1の台番毎の「累計スタート数、確変中スタート数、確変継続無当たりスタート数、確変継続スタート数、確変/時短中スタート数、ベース中確変スタート数、時短中スタート数、通常確率累計スタート数、ベース中通常確率S」に係る数値データを表示すると共に、各数値データの平均値並びに合計値を表示した形態となっている。
[3]スタート率に関するデータ
このデータは図27に示すように、データのタイトル、機種名、データ出力年月日と対応付けた状態で、パチンコ遊技機1の台番毎の「確変スタート率、時短中確変率、ベース中確変率、ベース通確スタート率」に係る数値データを表示すると共に、各数値データの平均値を表示した形態となっている。
また、情報公開端末14は、管理装置13から出力される第1、第2及び第3の大当たり履歴データ(図17、図18、図19参照)をアレンジすることにより、以下[4]、[5]、[6]に示すような第4、第5及び第6の大当たり履歴データを表示する。
[4]第4の大当たり履歴データ
この大当たり履歴データは、図28に示すように、機種名、データ出力年月日と対応付けた状態で、第1の大当たり履歴データ(図17参照)中の「537」欄(台番号欄)、及び「T1」、「発生時刻」、「S」、「確変S」、「時短S」の各欄のデータ並びに管理装置13から取得した対応パチンコ遊技機1についての「獲得玉数」のデータを表示した形態となっている。尚、第4の大当たり履歴データ中の「537」欄には、確変期間に大当たりが発生したことを示す記号「A」、終了した遊技形態が確変であることを示す記号「K」及び同じく時短であることを示す「J」のみが表示される。
[5]第5の大当たり履歴データ
この大当たり履歴データは、図29に示すように、機種名、データ出力年月日と対応付けた状態で、第2の大当たり履歴データ(図18参照)中の「537」欄(台番号欄)、及び「T1」、「発生時刻」、「S」、「確変S」、「時短S」の各欄のデータ並びに管理装置13から取得した対応パチンコ遊技機1についての「獲得玉数」のデータを表示した形態となっている。尚、第5の大当たり履歴データ中の「537」欄には、確変期間に大当たりが発生したことを示す記号「A」、終了した遊技形態が時短であることを示す「J」のみが表示される。
[6]第6の大当たり履歴データ
この大当たり履歴データは、図30に示すように、機種名、データ出力年月日と対応付けた状態で、第3の大当たり履歴データ(図19参照)中の「537」欄(台番号欄)、及び「T1」、「発生時刻」、「S」、「確変S」、「時短S」の各欄のデータ並びに管理装置13から取得した対応パチンコ遊技機1についての「獲得玉数」のデータを表示した形態となっている。尚、第5の大当たり履歴データ中の「537」欄には、確変期間に大当たりが発生したことを示す記号「A」、終了した遊技形態が確変であることを示す「K」のみが表示される。
(その他の実施の形態)
本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
遊技情報表示装置の例として、呼出ランプユニット11及び情報公開端末14を挙げたが、図31に示すように、玉貸機10に付随して設けられたデータ表示端末21を遊技情報表示装置として構成することも可能である。
時短を終了させるときに基準となる規定回数(上記実施例では50回)を、パチンコ遊技機1毎に変更設定可能な設定手段を設ける構成としても良い。この構成によれば、時短の終了タイミングを、パチンコ遊技機1毎或いはその機種毎に異ならせることが可能になり、これにより、遊技場内に設置されたパチンコ遊技機1に係る遊技性の多様化を容易に実現できるようになる。
パチンコ遊技機1は、大当たりの終了後において確変/時短遊技状態へ必ず移行する構成としたが、大当たり終了後に所定の確率で確変/時短遊技状態へ移行する構成、例えば、特別図柄表示部9aにおける図柄変動演出動作の終了時点での表示数字列が「111」、「333」のような奇数列であった場合に、確変/時短遊技状態へ移行する構成(移行する確率は50%)であっても良く、また、確変/時短遊技状態へ移行する確率は、90%、80%、75%、70%など種々設定できるものであり、その確率が遊技の進行などに伴い変動する構成としても良い。但し、このような構成とする場合には、確変継続スタート数(=確変中スタート数÷累計確変突入数=確変中スタート数÷累計大当たり数)の算出時において、累計確変突入数≒累計大当たり回数となってしまうので、実際の確変突入数を計数し、確変継続スタート数=確変中スタート数÷累計確変突入数の演算を行うことになる。
上記実施例では、パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態にあるとき並びに時短単独遊技状態にあるときに、呼出ランプユニット11の表示ランプ11b、11cを交互に点滅させるという表示動作を行う構成としたが、そのような表示動作を、パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態にあるときに行い、パチンコ遊技機1が時短単独遊技状態にあるときには、例えば表示ランプ11cのみを点滅させるという表示動作を行う構成としても良い。尚、このような構成とした場合には、パチンコ遊技機1が確変/時短遊技状態にある期間に確変が終了して時短単独遊技状態に移行すると、確変が終了した旨が遊技者に間接的に報知されることになるから、そのような報知を遊技者向けサービスとして提供しようとする場合に有益になる。
上記実施例では、大当たり終了後のスタート数が規定回数に達したときに時短を終了し、転落抽選動作の結果に応じて確変を終了する構成(本発明でいう特別状態が確変、同じく第2特別状態が時短とされた構成)としたが、この逆の構成、つまり、大当たり終了後のスタート数が規定回数に達したときに確変が終了し、転落抽選動作が当たりとなったときに時短が終了する構成(本発明でいう特別状態が時短、同じく第2特別状態が確変とされた構成)であっても良い。
パチンコ遊技機1が確変状態にある期間の識別を、当該パチンコ遊技機1側から確変にある期間に出力される確変信号に基づいて行う構成としたが、パチンコ遊技機1において確変転落抽選に当選したタイミングで当該パチンコ遊技機1から確変終了信号が出力される構成とし、管理装置13側では、その確変終了信号の入力タイミングに基づいて上記確変期間の識別を行う構成としても良い。
時短が発生したことを示す時短信号を出力する構成の信号発生基板が設けられたパチンコ遊技機を管理対象とすることも可能であり、この場合には、管理装置13側において、当該パチンコ遊技機における時短終了タイミング(時短中フラグをオフするタイミング)の判定などを上記時短信号に基づいて直接的に行い得るようになる。
1はパチンコ遊技機、6はスタート入賞口、6aは電動チューリップ、9は図柄表示装置、9aは特別図柄表示部、10は台間玉貸機、11は呼出ランプユニット(遊技情報表示装置)、13は管理装置、14は情報公開端末(遊技情報表示装置)、15は制御部(表示制御手段)を示す。